子供も大事

まだ夫にも話してないけれど、実は子供が欲しくなった。
きっかけは兄弟デュオの「平川地一丁目」
「とうきょう」を聞いた時それなりの衝撃は受けたけど、日々の中忘れ去っていってた。
その後、二人の表情を雑誌やメディアで見る機会があって、その澄んだ瞳にやられた。(特に弟の直次郎君)
彼らはなにもの?ってかんじで調べていくと、佐渡出身だけど、その前に静岡県清水市で
父親が古本屋を営んでいたらしいことがわかった。
「平川地一丁目」というのは当事家族で暮らしていた清水市の番地らしい。
「古本屋を手伝ったりするのがすごく楽しかったし、家族の思い出がたくさんある場所なんです」
っていう兄の龍之介君の言葉、ズッシリと重いです。
古いレコードの愛好家だった父親の姿、古本屋おやじだった父親を誇りに思い、愛しているのでしょうね。
もうこの事実だけで充分、ってくらいすごく幸せになれる話。
やっぱりこれからも、あまり儲けられなくとも、文学や音楽や愛や
そんな見えないけど、どうしてもつかみたいなにかのために生きていこう、って励みになるような話。
そういう自分の姿を見てくれる子供が存在して、もちろんその子の将来はその子が決めることなんだけど
なにかしらの影響を与えることができて、眩しいものへと向ってくれたら、このうえない喜びだろうと感じるのです。
最近、小学校3年生のかわいいお客さんが訪れた時、最初私、子供だもんな、って相手してしまってた。
彼らは思ったよりしっかりとした考えを持って行動している。底が浅いと見透かされてしまう。なんせ赤江瀑読破するくらいですから・・
もっと彼ら、彼女たちの世界も知りたい。子供を守る責任とかについて触れない人生はさみしい。もっと大きな世界へ飛び込んでいきたい
彼ら次世代の人達になにかを残せる店になっていかないと、古本屋をやってる意味がない。
まずは店を定着させることだけど。うちの店はうちの店らしく歩んでいくしかないのだから。
小学生の彼らもどんどん大きくなってく。大人になってからふと戻った時に、なつかしい、と感じてくれるような場所になっていかなくては。
今回コラムを久々に書きたくなったのは、とにかく「古本屋を手伝ったりするのが楽しかった」という龍之介君の一言を
どこかにしっかりと書き留めておきたかったから。その言葉にいたく感動した自分の気持ちもそのまま書いておきたかった。
「とうきょう」のPVでは、ガード下で歌う彼らに誰も足を止めず気にもかけず通り過ぎていくけれど、
私ならきっと振り返る。いつまでもそういう自分でいると思う。その東京の中で、あたたかな場所を育んでいきたい。
お店の中で過ごしてもらうのはもちろんだけど、いつも外から見てるだけの人たちにも店の存在がなにかしらほっとするようなものでありたい。
「フォスフォレッセンス」が花の名前なんだったら、街角に咲いた小さな花のような存在になりたい。
気づかない人はそのまま通り過ぎるけど、気づく人にはいつまでも愛でてもらえるような、そんな存在に。
どんなに荒れた心でも、小さな花を見つけた時、人の心はほんの一瞬でもほころんでくのではないかと信じたい。
自分だけでなくて、私のまわりの人たち、店を訪れる人たちにひとつでも多くの「ほころび」を残していきたいです。

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