営業日記(2002/03)。

2002年3月31日 日曜日
実は結婚記念日だったりするので、特別に記念日休暇をいただきました。
(お店は開いてます。ますたーがピンで営業)
せっかく上鷹の際来てくださったお知り合いの方、お会いできなかったですが今度また是非
これから何回か「記念日休暇」という単語がでてきたら=あ、店主はおっかけに
行ったのだな、と思ってください(半分冗談半分ホンキ)というわけで、スペイン坂リベンジとお台場女神前まで
行ってきました。朝4時に起きたかいあり、今回はじっくりと生hydeを見れました。しあわせ〜
これで明日から元気に仕事するパワーが湧いた!しかし、おっかけは体力がいる。
まわりは若い子ばかりだし・・しかしガラス越しとはいえ目の前に憧れのhydeさんがいる、
っていうあのたった30秒(もない、かな?)を味わうと、もうやめられない・・一種のドラッグの
ようなものなのでしょうか。
しかし待ち時間に「死の蔵書」をむさぼり読んでるなんて私くらいでしょう、というかでした。
今ごろ「死の蔵書」読んでる私もかなりとろい。でも「エヴァーグリーン」って町の名前が
出てきて嬉しかったりした。ユニクロは着てませんでしたが・・
いい歳をした女がひとりで行列に並ぶのはけっこうキツイものがある。
「三十路女がひとりでおっかけするには」なんてエッセイが書けるんじゃなかろうか
ますたーが鉄道の催しに行く時も、今回の私もそうなのですが
帰ってから、その瞬間の興奮を店番をひとりでしていた片方に語りまくるのですが
お互い相手の趣味に全く興味ないので、適当にあいづちをうち、「良かったね」と繰り返す
だって、デコイチがシュポーって音が出た瞬間がどうこう、と言われても・・ねぇ
でも自分がお出かけの時にまた「今日ひとり無理?」とお願いするために、みやげだなんだと必死。
ちなみに今日の私は、まい泉のカツサンドを自分が食べたいために買ってきた。
記念日、あまり増えすぎないように。
あ、ついでに仕入れや営業をしてますし、まる一日休むわけじゃないので、といいわけをして終わり。

2002年3月29日 金曜日
「雨が好き」という文庫を、代官山の古本屋さんでおととい買いました。
その日も、かなり雨が降っていてそこのお店も「今日はお客さん少ないだろうね」
という店主のおばさんのつぶやきが聞こえてくるようだったので、
なんとなく「雨が好き」ってタイトルだけでジャケ買いしてしまった。
そこのお店は文学ものは隅へおいやられていて、絶版マンガがメインだそうです。
それなのに小説ものを買った私がめずらしかったのか、少しお話していただけました。
「うちは、もうマンガのネット販売が主なのよ。見て、これなんか8万もするのよ」
とか言って、私が少女時代に貸し本屋で見たようなマンガがパックされてました。
最近、高額商品を万引きされた、とこぼしてらしたけど、こんな個人商店で、しかもおばさんが
レジに座ってるようなところでとるなんて許せない!もちろん他でもダメだけどね
その後、渋谷のNonに行きました。前回、お店オープン前に行った時、
ショップカードできたら持ってきてくれれば・・みたいなことを言っていただけてたので、お言葉に甘えて
ショップカードを少し置いてもらいました。あいかわらず素敵な空間でした。
1Fと2Fがあるってやっぱり理想的だな、と思います。
そして昨日があり今日があるのですが、やはり大雨降るとかなりイタイです。ヒマです。
ヒマというかボウズになりかねないです(言っちまった)
でも今日は、ネット関係でのお知り合いの方が来店してくれて嬉しかったです。
「探してた本があった」これ、一番嬉しい言葉です。
「近所にあったら通います」これも嬉しい言葉ですが、たいてい遠い人が言うんですよね(笑)
雨の話に戻るけれど、雨をテーマにした「RAINY]なんてお店どうでしょう
雨にまつわるグッズをおく、なんてもう実際そんなお店あるかもしれないですね
雨=ヒマ対策をなんとか6月までに考えたいと思う今日このごろなのでした。

2002年3月28日 木曜日
今日は、「三鷹太宰の会」の方が来店され、「三鷹太宰マップ」を
持ってきていただきました。そのマップ、さっそくお店にも貼ったのですが
イラストが手作りならではの味をかもしだしていて、いいですよ。
欲しい方は、お店にきた時ひとこと言っていただければお渡しします。
徒歩2時間くらいで太宰ゆかりの地をめぐるようになってるので、
はじめて三鷹へ来て太宰文学散歩を、という方には特におすすめです。
市役所が作成した冊子も持ってきてくださったのですが、
陸橋での太宰の写真に、あらためて見惚れてしまいました。
ほんとに、こんなひとが目の前の階段をおりてきたら・・・
タイムスリップって、現実には無理なのか、とためいきです。
あと、マップを見て行きたくなった場所は、太宰がよく通ったという銭湯「連雀湯(元三鷹湯)
です。太宰の短編で、我が子の体を愛しそうに洗ってあげるシーンが好きで、
あれ、題名忘れちゃいました。
なんだかここのところ花冷えもするし、銭湯で芯からあったまりたい
そういえば随分、脱衣場の雰囲気を味わってない気がします。
近所のうるさいおばさんに体を見られたくない、とか
ラムネを買いたいけど、手前のマッサージ機にいるおばさんをまたがなきゃいけないので
我慢する、とか、シャワランビューティーのポスターが欲しい(巻戻しすぎ)とか
たばこ屋のおねーさん、キスマークいっぱいとか
あ、もうこのへんでやめます。話題それすぎ・・・ま、ひとつの社会でしたね。
私は、友達と(もちろん女の子)ひみつのお話をするのにはよく銭湯使ってました。
とにかく銭湯が消えてくのは淋しいことだな、と思うのです。

2002年3月26日 火曜日
昨日とは一転して今日は暇でした。
雨だから、というのはあまり言いたくないです。
こんな雨がしとしと降る日に、濡れた風花をちらちら見つめながら
ゆっくりと珈琲を飲む、そういうのって好きだから。
昔読んだきのゆりさんの詩集にもあったけど
時に風景を素敵ににじませるものである雨の存在を、=悪い天気、
とひとことで片付けるのは残念な気がする。
もうすぐ桜も散ってしまうのですね。
うちの店の目の前の桜は、あいかわらず他の桜に比べて
あまり咲いてないのです。少し心配になって、毎日なでたりしてたのですが
お客さんからとてもいい言葉をいただきました。
「あんまり自分がきれいに咲くと、人の目がそっちにいくから
桜がお店のために気を使ってるんだよ、きっと」って
なるほど、と思った。考え方ってほんの少し角度を変えてみるだけで
柔らい気持ちになれますね。
そのお客さんの言葉に感謝して、桜に礼を言って、
やっぱりできれば明日は晴れたらいいな、と願い閉店の準備をする私なのでした。

2002年3月25日 月曜日
今日は給料日って事もあったのか昼間はいつもより忙しかったです。
厨房がとにかく狭いのでパスタにコーヒーが続いてオーダー入っちゃうともうかなり大変です。
こまめに買出しにも行かないといけないのでどーしても近くのコンビニまで行ったり来たりになっちゃいます。
しかし・・、それにしても・・。
夜は夜でヒマすぎるのはどーにかならないもんか(笑
これからしばらくは夜間強化月間ですね。

byますたー

2002年3月24日 日曜日
今日は檸檬忌。
梶井基次郎がなくなって70年たったのだという
京都の書店、丸善のレジに「檸檬」の文庫とおきもののレモンが置いてあったけど
今でもあるのかな・・・
あのおきもののレモンは本物なのかどうか確かめたかったけど、たぶん本物じゃないでしょうね
でも、梶井基次郎の「檸檬」に登場した書店であることを誇りに思ってるような姿勢を感じて
私はとても好感が持てた。 かわいい書店員さんもいたし・・
京都時代、休みの日も河原町の新刊書店をくまなくチェックして歩くのが好きだったのだけど
とくに「ダン」のコメントカードや、らしんばんっていう自由にお持ち帰りできる紙(新刊情報とか手書きでかいてある)
を見るのが楽しみでした。 東京では、新刊書店も古書店も同時にまわれる神保町にやはり足が向いちゃいます。
新刊書店員から古本の方へ変わったことに対して、よく質問とかされるのですが、私自身は「本」という広い世界を
中心にして、いろんなことにチャレンジしたいと思ってるので、あまり意識したことないのです。
かえってしがらみとか、難しく考えすぎなくていいのかも

今日、お客さんからブダベストの露店の話を聞いて海外買い付けへのあらたな野望がふつふつと湧いてきた。
古本市ももちろんあって、源氏物語があったそうで、ブダベストの古本市で源氏物語を見つけた時の気分、
というのを想像してみたらわくわくしてきた。 なにより地元の絵本とか仕入れの旅したいな
しかし今のところかなわぬ夢だわ
本気でクイズミリオネア出場したい、なんて思う春の夜なのでした。

2002年3月23日 土曜日
まずは桜情報を。
ただ今、お店の前の道路沿いの桜がいいかんじで咲いております。
窓際で桜を見ながらお茶するのにはいい時期かも
大雨とか降ったら一気に枯れてしまいそうなので、この一番きれいなときに、
是非ゆったり時間を過ごしていただければ、と思います。
今日は夕方までひとりで営業してたのですが、たったひとつ一人だと不便なこと、
それはズバリ、トイレですね。私は近い方なので(って下品でごめんなさい)
その一瞬は、「しばらくお待ちください 店主」って紙をカウンター前に貼ってる
なんとも個人商店っぽい話ですね・・・
で、夕方ますたーが帰ってきた頃には、店内は私の友人関係でいっぱいになっていました。
こんな不便なところまで訪れてくれて、ほんとに嬉しいです。
あるカップルからは結婚の報告も受けて、びっくり
あの軽井沢の石の教会でやるらしく、私も大好きな場所なので
そこで彼らが式をあげるなんて、時は確実に流れたのだな、と実感する。
持ってきてくれたケーキ、さすが私の好みをよくわかっている!てかんじで
ゆっくり紅茶+桜で味あわせていただきます。ありがとう
あとサークルの後輩(実はつい先日カラオケをした)ともいろいろお話できて
嬉しかったです。
なんか友人に励まされたような気がする、そんな一日でした。
ますたーも、「鉄道の催し、どうだった?」と聞くと
「感動した。梅小路を思い出した」って言ってました。
京都の桜もきれいなんだろうな

2002年3月22日 金曜日
さて、この前のクイズの答えですが、この言葉、ずいぶん昔にテレビ放送された西部劇のタイトルでして、「銃を持ってるから、行っちゃうよ」てな意味
らしいです。要するに、用心棒の売り込み文句みたいなもんですな。かなり大胆な訳し方ですね。

ちょっと久しぶりにここから店主登場、です。
昨日は慌ただしい一日でした。
日記にも書いていたとおり、雑誌「東京人」の取材がありました。
小特集の記事に出る、とのことなのでかなり小さいスペースではないかと思いますが
私の愛読誌のひとつである「東京人」に載れる、というのはかなり光栄なことだと喜んでます。
なによりヌマ伯父さん、こと沼田元氣さんの写真が大好きなので、沼田さん本人にお店の写真を
撮ってもらえたことが嬉しいです。たとえどんなに小さなスペースであったとしても、
「ヌマ伯父さんが撮ったフォスフォレッセンス」が世に出る、ということはなんというしあわせでしょう
とか言ってボツになったらどうしよう、と小心者は考えちゃいます(笑)
著者が来店されたらサインしていただくのは、古本屋店主としては当然の道でしょ>ますたー
ミーハーなのは、その後の私の行動でした。
この日は、嵐のような突風が大暴れしてたので、お店もヒマだろう、ということで
ますたーにお店を任せて渋谷、スペイン坂まで生hydeを見に行きました。
しかし私まで順番がまわってこず、残念ながらhydeは見れなかったのでした。
スペイン坂スタジオはパルコの端、としかチェックしてなかったので、間違えて
プリングルスの行列に並んでしまった。むむ、hydeの人気も落ちたのか、あんまり並んでない〜
なんて思ってたら、あっというまに順番がきて「はい、どうぞ。あちらでゲームもやってます」と渡されたのが
プリングルスの袋。なにー?と思ったらスペイン坂スタジオはその真裏で、なんと行列は渋谷公会堂あたりまで
並んでいたのでありました。うう、くやしい・・
ま、ポテチ好きのますたーへのみやげがタダで手に入ったのでよしとしよう。
明日はますたーが、品川である鉄道の催しに行くので私ひとりで頑張ります。
せっかく東京に来て、自営業をふたりでやってるのだから、今のひまなうちにお互い
好きな催しに1回くらい行こうね、ということで・・・
もうちょっと忙しくなるよう頑張るためにも、お互いの趣味はさしさわりない程度に尊重しよう、
ただし無料イベントに限る。ってなかんじでやってます。
新しい風を自分の中にたくさん通して、お店づくりに還元しよう、と
以上、長いいいわけでした(笑)

2002年3月21日 木曜日
本日店主は渋谷までとある歌手さんの追っかけをしに行っちゃったので代理でワタクシが書かせていただきます。
実は今日は、凄い事がありました。知ってる人は知ってる事なのですが、雑誌(東京人)の取材を受けちゃったのです。
お客がいない時間帯がいいとの事で(まあ、いつ来ても客はいない訳なんですが)開店直後の11時から写真撮影とちょっとしたインタビュー開始。
さすがに東京人だけあって時間も11時ジャストにこちらに到着。あまりにピッタシなんでちょっと驚いちゃいました。
生の沼田元氣さんにもお会いでき、本にサインまでしてもらったウチの店主はやはりミーハーなのかも?

ちなみに、記事になるのは5月2日発売号らしいので興味を持たれた方は是非ご覧ください。
多分、ちょこっとしか載ってないとは思いますが。

それともうひとつ、遂にショップカードが完成しました。
↓こんなお洒落なデザインです。

デザインをしてくれたのはネット友達で駆け出しデザイナーのびぐさん(HPはこちら)。期待以上にかっこいいショップカードに仕上げてくれました。
それなりに高くはついてしまいましたが、かなーり気に入ってます。これで営業活動にも力が入りますな。

この前のクイズの答えは、また明日に発表します。

byますたー

2002年3月19日 火曜日
この前来られたお客さんがちょっとした懸賞問題を作ってくれました。
「Have Gun Will Travel」
さて、これは一体どんな意味でしょう?
ちなみに、賞品は、お客さんご持参の羊羹(笑)。
この問題を店内に張り出して一週間、賞味期間の問題もあって今日が〆切だったんですが、結局答えられた人は
0人でした。そんな訳で、この羊羹は二人の胃袋でこれから処分しちゃいます。

↑これ、わかる人います?

2002年3月18日 月曜日
お店をやってると、本当にいろいろあるもので、
昨日の夜、なんと店の前に、男性用のパンツが落ちてたのです。
しかも、汚れてた・・あわわ
ビニール袋に入れて、ゴミ箱に捨てにいったのだけど、
まいったゆうわ
しかし今朝、お知り合いの美しい女性が、カーテンを作ってきてくれて
ついでにお店でお昼食べていってくれたので、お店の前も浄化されたような
気がする。お食事前だったので、パンツのことは耳に入れなかったのだけど、
そんなことがあったのよ(笑)
彼女は、天気予報を見るのが好き、といって携帯にブックマークしてる予報を見て
「晴れのち雷ですって!」ってその雷マークの画面を見せてくれたのだけど、
そのお昼の青空からは、雷になるなんて想像できなくて、なにかの間違いでは?
なんて思ったけど、ネットの天気予報を見ても、今日の天気は晴れのち雷、になってた。
「春の嵐」って映画はあった気がするけど、「春の雷」なんて、なんだかロマンチック
わくわくしてしまった。 で、今、21時前、ほんとに嵐みたいに風がビュービュー
でも、雷はまだ鳴ってない。
桜の樹の下には死体が・・の世界じゃないけど、「春」の裏側、というか
ただ陽気なだけでない、狂気の部分がなぜか好き
窪塚洋介君大プッシュの「凶気の桜」(ヒキタクニオ著)は未読だけど店にある。
読んでみるか、ってそんなリストがまだ山のよう。まだまだ先になりそう
しかし、パンツのせいか嵐のせいかめちゃめちゃひまな一日であった。

2002年3月17日 日曜日
食べる。食べて食べて生きる。
さよならだけが人生などと風流なことを言っていられない。
あっさり降参して、食べるだけが人生だと言うべきである。
あのスーダンの子も死なずにすむのだ。
                −森内俊雄「午後の坂道」講談社、より抜粋ー
本が売れる、=我が本がこの手を離れる、という段階になって、
まるでつきあってた男と別れるかのごとく愛しくなる。気に入ってくださって、
見つけてくださって、この店から本がいろんな人の手にわたってくのはすばらしいこと
なのだけど、離れてく寸前に、あわててもう一度読み、その本の奥深さを再確認する。
そんなわけで、今日、うちから巣立っていった「午後の坂道」はちょっとしぶい本だと思う
少し読み直すと、「食」についての目線がとても良く、「美味いもの」への欲なんて出てきてしまう
その中で触れていた草川俊、獅子文六の食のエッセイ、小島政二郎の和菓子エッセイ、など
読んでみたい思いにかられると同時に、いつも「料理」を夫にまかせるのは、もったいないのではないか
と考えるようになった。料理ってとっても楽しいもののように思えてきた。
そう、「食べていく」という言葉にとても敏感になってる今がチャンスかもしれない
でも、フライパンからジャーって音がして、いい匂いが漂ってきて、
エプロンした夫の背中があって、という絵は、私の生活図絵の中でも特に大好きな場面なので
夫には内緒にして、無理しない程度に、「私の料理計画」すすめていきます。
うちの店の棚に、内田百聞、中公文庫の「御馳走帖」があった。
まずはそれから読んでみるか

2002年3月16日 土曜日
今日は朝からお知り合いの方が続けて来てくれて
とても嬉しかったのだけど、
その後、はじめて酔っ払いさんが来店。
入店するなり、「ビール」を連発し、呂律もちょっとまわってない。
私たちにも質問攻め。しかも同じことを何度も聞く。
「子供がいないの? 半人前だねー」など遠慮なし。
アルコールものはないことを説明し、コーヒーを飲んでいただく。
そのあと1時間くらいその調子でしゃべりまくる。
その後、ますたーさんに「酔っ払いの話をていねいに聞かないでよろしい」
と言われたけど、まあいろんなお客さんがいる、ということで勉強勉強、
他にお客さんがおられたら、別の応対をちゃんとしてますよ、と返した。
そうそう、その1時間くらいそのお客さんだけだったんです。
で、その話の中で、前進座の話もでてきたりしたので、
2つ、3つは発見があったんです。だから決して無駄な時間ではなかったと思うのです。
吉祥寺の駅から少し離れたところに、「フルーラン」ってカフェがあって、すごく好きなんですけど
そこにいくまでに「前進座」って演劇の世界では有名らしい場所があるので気になってたんです。
その酔っ払いさんは、その前進座の人とお友達で、岩下志麻とも会ったことがあるとかないとか・・

そうそう、今日は、作家田村俊子と親交があった、という女性のお客さんも来られた。
北京にいたときの話らしく、今現在日本にいる人で、田村俊子と会ったことのあるのは私だけじゃないかしら
とも言っておられた。ちなみに日本ペンクラブに入ってらっしゃるとのこと。
そのお客さんにも、芸術についての興味深い話をたくさん聞かせていただいた。
お店がまだ忙しくない(イコールひま、ってことですが)と、そんな貴重な体験ができるので
私はとても嬉しいのだけど、「何言ってるんじゃー」と横からパンチが入りました。
金を儲けたい(右手こぶしのリアクションで)というのはなく、
ギリギリ食べていけて、あともう少しヒマな時間が消えて、くらいで細々とやっていけたら、
こんないい商売はない、と思うのですが、そううまくはいかないですよね。
だからこそ工夫する、それもまたいいでしょう。
ただ趣味も本なので、本にたずさわっていれれば満足、それはずっと変わらないと思うので
やっぱり幸せものなんでしょうね

2002年3月15日 金曜日
確定申告、うちは来年からでいいそうです。
ホッとしたというか、拍子ぬけしたというか・・・
図書館で関連本を借りて、市役所の無料法律相談へも時間をつくって行ったら
2月5日オープンだったら、来年から、と言われました。
ほんとにそれでいいのかな・・と、経営者失格のような法律に対する無知さ、ですね。
自営業をするので、がっぽりもらえる予定だった失業保険も一銭も入ってこないし、
「もっとうまくやりなさい。ばれないよ」なんて声もまわりにはあったのだけど
この「フォスフォレッセンスの店主」という私の立ち位置だけは、
1ミリの曇りもなく、胸を張っていられるものにしていたいのです。
たとえお店が消えてしまっても、の話です。
(ってそんなことはないように頑張りますのでご心配なく)
でも、一生会社に属してたらできないようなこと、たくさんあるので
この際、事務処理も楽しんでやってやろ、って思ってます。
領収書書いてもらう時に、「フォスフォデ?」とかいろいろ苦労かけてますが
今まで、そしてこれから100人に1人くらいは
「あ、太宰の短編のタイトルをお店の名前にしたんだ」って思ってくれる人がいるかも
1会社員だったときは、そういう発見した時、心の中でざわざわしてても
クールに事務的にしか応対できなかった。
今は、「これって何々ですよね?」とか話し掛けたりできるのが嬉しい。
来年の今日は、無事確定申告をクリアできていますように。

2002年3月14日 木曜日
今日はホワイトデー。
近くの三鷹市芸術センターで、村治佳織のコンサートがあるというので、
彼女のギターを満喫してホクホクした表情のカップルとか通りすぎるかも・・と
思って、クローズの21時を過ぎてもお店の灯りを消さずにいたのですが、
みなさん、バスに乗ってしまわれたようで、お店の前は
特に変化なしでした。 でも、歩いてすぐの距離で、彼女のギターが鳴り響く
素敵な空間があったのだと思うと、嬉しいです。
彼女の顔のつくりが非常に好きで、ギターを弾いてるときは特に好きなのは
言うまでもないのだけど、ピアノの西村由紀江もピアノ弾くとき、
すごくいい表情する。そういう人の演奏会って、
もちろん第一に「聞く」ことなんだけど、アップでずっとその表情をみつめたくなる。
芸術家のなにが好きって、「顔」が好きなんだよなあ
そうそう、今日はたまたま声楽の先生と、絵画の先生が来られた。
人に、目に見えないものを教えられるのってすごいと思う。

昨日は、目白の切手博物館へ行きました。
「女の子の好きなもの展」3月31日までやってるのです。
世界のさまざまな切手を目の前にして、遠くのことはわからないけど
女の子の好きなものは全世界共通なんだ、と感じました。
私のライバル(笑)ソフィー・マルソーの切手をげっと。
その後、なんだか品のよさげなお店で紅茶を飲んだら、江國香織の小説の匂いがした。
でもその直後、目白駅前でたいやきをほおばっていたのも同じ私。
少し、東京に住んでるという実感が湧いた一日だった。

2002年3月12日 火曜日
ロメオとジュリエットの窓辺の場面を、ニューヨークの高層ビルで演じたらどうなるか、
についてなどをつづった野上弥生子の文章について、昨日「天声人語」で目にした。
そこには、作家の想像力というか、直感力に驚いた、とあり、その文章に触れていた。
「私の空想は、恋する若者の滑稽な立姿を、飛行機と爆弾に一変させていた。
摩天楼がつぎつぎに火を吐き、」など、あの9月11日の光景そのもの、
これが62年前に書かれたものかと思うと、なにか見えない暗示を感じる。
今日、お店の棚から手にした「ライフ・アフター・ゴッド」の中に、「死人に口あり」という
ストーリーがあって、もう死んだ自分が、その死にいたる状況を客観的にただただ
描写する、という場面があったのだけど、とてもリアルで、しばし「死」について考えてしまう
うちの店の奥の席(ときにカップル席にもなる)は、私にとってもの思いの特等席。
ひまな時間に、ちょっと休憩、ってかんじで2番煎じ、3番煎じの紅茶にレモンをゆらし
棚からランダムに本をひっぱりだしては読む。至福の時間。
最近、さめた紅茶の良さがわかってきた。
清貧をきどるわけではないですが、これだから古本屋はやめられない
でしょう。

2002年3月12日 火曜日
さて、3/9の日記にも書いておいた新メニューですが、遂にお披露目しちゃいました。
その名も「ベーコンとタマネギのパスタ」・・そのままやん(笑)。
昨日から試しにメニューを書いてみて、最初の一日は一食も出なかったんですが、本日遂に初オーダー。
はい、かなーり緊張しました(汗)。
オープンしたときに初めてフレンチトーストとワッフルを出した時の事を思い出したりしながら作ったのですが
もう、反応が気になってしょーがない。会計の時までガチガチになってしまいました。
おかげで、レジのところで何か話し掛けていただいたのですが、それも聞き取れずに流してしまう始末。
ああ、なんて言われたのかめっちゃ気になるぅー。

まあ、それでも新メニューデビューも無事に済んで一安心です。
ついでに、今日棚だしした本と配置換えした本がいきなり売れて結構ほくほく気分な1日でした。

byますたー。

2002年3月10日 日曜日
今日は、今年一番のデート日和じゃないでしょうか
外も、風のバランスがとても好くて、私なんか
「ちょっと買い物いってくるわ」とか言って
少し散歩したり(散歩と書いてサボルと読む)・・
だって気持ちよさそうなんだもん
実際、お店にも2人連れの方ばかりでしたし
外も、カップルばかりあふれていました。
こんな日は、手ごろなポットが欲しくなります。
公園へ、サンドイッチとかバケットとかと一緒に持っていって
食べるのです。 その時、飲み物をコンビニや自動販売機で買うより
絶対ポットがいいです。中にはやっぱり紅茶でしょ。
春の花あふれる公園で、ポットから温かな紅茶をそそぐシーンを想像すると
香りも漂ってくるようです。
あ、でも公園もいいけど、お店にも是非来てくださいね。
期間限定のさくらティーもあります。

2002年3月9日 土曜日
本日は、ワタクシ雇われマスターが担当させていただきます。

知り合いのデザイナーさんに頼んでおいたショップカードのデザインが遂に完成。
今まで「ショップカードないんですか?」と言われる事が多かったので、これでようやく一安心です。

来週にも印刷をして店頭に置く予定。
ついでに、窓のところに貼るポスターも渋いデザインのが完成予定。
乞うご期待!です。

さて、ショップカードの件と共によく言われることがランチメニュー。
今のところは、ワッフル、フレンチトースト、ケーキしか食べるものがなく、お昼あたりにご飯を食べながらゆっくり
読書とはなかなかいかないようで、これも検討中です。
閉店後には、食事と兼ねて新メニューを試食する日々。
こちらも近々お目見え予定って事で。。

なんだかお知らせばっかな内容になってしまった・・。

2002年3月8日 金曜日
申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は、酷い。酷い。はい。厭な奴です。
                      太宰治「駆け込み訴え」冒頭より
この作品を、「語り」で聞いてみたい。
というのも今日、語りをされるお客さんがいらして、この冒頭のみチラッと読まれたんですが
一瞬、空気が変わったのです。すごく感情が入っていて、ドキリとしました。
太宰の話から駆け込み訴えの話になり、語りの話へ流れていき
その後、ファージョンの「麦と王様」の語りを披露していただけたのですが、
すごくうまい。少女の頃の気持ちになってじっと聞いてました。
作品を読むだけでなく、語る、という表現にはじめて触れて、かなり興味を持ちました。
「むちをぴちりとうち、ばしゃははしりだしました」と文字だけをだどるより、
「ぴちり」と張り詰めた空気の中、よく響く声で我が耳で聞いたほうが、印象に残る。
中学1年の時、全校生徒の前で、「生ましめんかな」を朗読したことがあるのですが、
そのときの本番の1発は、自分で言うのもなんですが完璧でした。
死ぬまでにもう一度、自分で「完璧」と思える朗読を
是非「駆け込み訴え」でやってみたい。そんな欲が出てきた。
フォスフォレッセンス10周年、いけたらやろう。
それにしても、すべての「おはなし」に対して、もっともっと勉強したい。
お客さんから教えられることってたくさんあるな、とあらためて実感した日なのでした。

2002年3月7日 木曜日
啓蟄・・・もう春ですね。ポカポカと日差しが気持ちいいのですが
花粉症がピークをむかえ、少し憂鬱です。多摩地区、スギ花粉の量がハンパじゃないのです。
くしゃみばかりしてます。鼻がつまってるので、沈丁花の香りもわかりません。
でも、昨日の休日は気持ちよくすごせました。
最近、休日にとってもラッキーなことが多く、このぶんふだんの売上運が減ってるのでは
ないか、なんて思ってしまいます(笑)
先週のお休みも、企画展で、その本人の方がいらっしゃったり、
昨日は昨日で、食事してたら、私のすぐそばで芸能人カップルが・・・
お互いを見つめる瞳がキラキラしてて、とても素敵でしたよ。
その後、そこから一番近い古本屋さんにふと入って、
記念に、「恋愛」がテーマな本を、と思って1冊購入しました。
なんか春の午後っぽい行動

2002年3月4日 月曜日
外国人のかたがいらっしゃって、
「昨日、NHKで日本のある詩人の特集みたいな番組があったけど
その人の本はありますか?」と質問された。
誰の特集かわからなくて、あたふた昨日の新聞を探したりして
不勉強さを反省。 結局バウハウスの洋書を買って帰られたけど
すぐにその詩人がわかれば、もし本があれば売り逃しだ・・
こうゆうところは、新刊書店時代の方がよくチェックしてたかも。
本部や版元からFAXが事前に流れることが多かったので、
あらかじめ面チン&ポップで備えておく。
あの頃は、FAXの紙がいくら換えてもすぐに交換が必要で、
ピー音がうっとおしく感じてたけど、
ただでむこうからバンバン情報を、新鮮なうちに流してくれる
恵まれた環境にいたんだと実感する。
テレビで、ロックウェルやガウディの特集があれば、
お店のガラス面のところに関連本の表紙が見えるように出して、通り行く人の目に
とまりやすいようにしているのだけど、穴があったのはくやしい。
そのお客さんは、白石かずこの詩集も探しておられたけど、うちにはあいにくなかった。
そういう切り口で、書店や図書館の棚で、目にとまる作家が増えていく。
そのとき、まぶたの奥に、人の顔が浮かぶ。
浮かぶ本、浮かぶ人、いっぱい増えるといいな

2002年3月3日 日曜日
なんてひまなんだろう・・な一日だったので、「本日のおすすめ本」のポップを紹介。
入店してすぐのところに、設けたコーナーで、ほとんど毎日更新している。
書店員時代からポップは得意で、ファンもついていたくらいだった(笑)
字はあくまで汚い。ヘタウマなかんじ、っていうのだろうか
ポップがいっぱいある古本屋なんて、うるさいかんじかもしれないけど
うちの個性のひとつとして、ぼちぼち書いてます。
そういうのを書くのが好きな人もいると思うので、
お客さんに、「この本のここがいい」というのをカードに書いてもらう
コーナーもあるのです。 うちの本の一番うしろのページで、いろんな人の
その本のさまざまな感想が書いてあるカードを見つけたら、それはラッキィ。
まだ、私の感想カードしかないので(30冊以上は書いてる)。
新刊の時はできなかったことが、できるので楽しい面は多い。
しかし確定申告のしめきりが近づいてるので、まずは税金の勉強をしなくては・・

本日のおすすめ 「なんとなくな日々」
川上弘美のすてきな短編集。私はとくに「大通り」が好きです。
小さな店をはじめた者にとってはひとごとではない話で、
こんなふうに街の人々の頭の中に入りこみたい、と願います。

2002年3月2日 土曜日
「じゃあね。」「またね。」「ばいばい。」
そんな言葉がポンポン耳に入ってくる。
なぜならここは街角にあるお店だから。
さよならの言葉を言ってそれぞれの道を帰っていった後、
やわらかな表情でふたたび自転車をこぎだす人の頬の色、
春は、涙にぬれる時もあるでしょう。
駅から遠いけれど、最近ではこの街角に愛着が湧いて、
はじめての季節越えに、胸をときめかせています。
桜、早く咲くといいな
そうそう、うちの2階が空いてるそうです。
プチサイズのお店で、隠れ家的になにかはじめてみたい人、どうですか?
窓からの風景、良いですよ。
古本好きな人たちに合う、雑貨とか洋服の店、なんていいかも
ハンカチ専門店とか、あ、そうそう原宿にお箸の専門店ができて、そこも素敵でした。
気になる方は、メールしてくださいね。

今、お店の中で赤ちゃんが泣いてます。
ちょっと店の中、あついかな? 赤ちゃんにとって快適な温度ってどのくらい?
あたふたしてしまう私たちですが、お母さんは堂々と本を見ながらお茶してる様子。
きっと大丈夫ね、とひと安心。
岩波の「育児の百科」?だっけ 松田道雄編のやつ、あれを1冊カウンターにしのばせておこうかな

2002年3月1日 金曜日
今日から3月。
たまには交代、という訳で、本日は雇われマスターであるワタクシが日記を書かせていただきます。
もうじき春ですが、皆様花粉症の方は大丈夫でしょうか?
ウチの店では2人して散々な目にあってます。
暖かくなるのは大いに結構なのですが、こればっかりは勘弁して欲しいところですね。
今でも、ティッシュ片手に日記を書いているのです^^;

一応、ポケットティッシュを忍ばせてお店に出ているのですが、それもほとんど一日で使い切ってしまう状態。
ホント、どうにかならないですかねえ。。

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