営業日記。

2002年5月31日 金曜日
毎年5月31日になると、少しさみしくなります。
5月生まれということもあるのですが、一番好きな月なので。 
寺山修司や澁澤龍彦の文章を読んでいると、ますます過ぎ行く5月への郷愁にかられます。
エメラルドが似合う女性になることは目標のひとつでもあったのですが、まだまだ先のように思います。
40代の素敵な女性はたくさんいるので、まだ歳をとることに失望してはいません。 次の5月が楽しみです。
相変わらずひまはひまなのですが、最近女性のひとりでいらっしゃるお客さんが増えてきています。
「女性が好みそうなお店ですね。 これ、1枚メモさせていただいていい?」と、中原淳一イラストのメモ用紙を手に
コーヒーをくっと素早く飲まれて帰っていかれる方が最近いらっしゃったのですが、その後よくひとりでいらして
素早くコーヒーを飲まれては1,2冊本を買って帰られる方がちょこちょこたて続けに来られてました。
そしたら今日、「図書館の隣でとてもかんじのいいコーヒーの飲める古本屋さんができたって聞いたんだけど
ここのことよね」と女性の方が入店されました。女性の方の口コミでじわーっと広がってるのならこれ以上嬉しいこと
はない、と喜んだのですが、期待を損なわないようにしないと・・と少し緊張しました。
「なんかとても静かないい音楽もかかってるって聞いたわ」と言われ、ラルクをガンガンかけてなくてほっとしました・・
いえ、音が大きかったり日本語が入ってるのはほとんどかけないのですが、朝の掃除の時間はテンションをあげるために
ラルクかけて歌ってるので、そのなごりでオープンしてすぐの時間のみハイテンションなのがかかってることも有りなのです。
ちなみに今日は、お客さんが「この店にきっとあう」と持ってきてくれたピアノがかかってました。
宮沢賢治の話でしばし他のお客さんとも話が盛り上がって、「いい出会いがあって良かったわ」と帰られました。
宮沢賢治の世界を鈴木保奈美主演で描かれていた不思議な番組のビデオ、まだあったかな? 
みなさん、コーヒーをくっと素早く飲まれるのは、主婦は忙しく、なかなかお茶をお店で飲む時間なんてないと思うのです。
でも、ほんのわずかな時間でも、うちの店に寄ってくださって、大きな窓からいつも忙しく自転車でかけていてなかなか見れていない
ふだんの風景を違った角度から見て、その中に季節だったり、目に見えないなにかだったり、を発見する。
子供や夫のためだけでなく、自分のために本を選んでみる、そういう時間があれば潤いを与えることができると思うのです。
もちろん子供さんやダンナさまとも一緒に来て欲しい。 貴重な時間を費やしても「行って良かった」と思っていただけるようなお店に
なっていけたら幸いです。

2002年5月30日 木曜日
ああ、私もただの女でした、
というのもとうとう「キムタクとの夜」の夢を見る、という洗礼を受けてしましました・・・。
雑誌の思うまま、ですね。でも見てしまったからには仕方ない。
キムタクの夢は何度か見たことあると思いますけど、「夜」というのがポイントです。
夢の中で私は、彼に会いに行く服をことこまかに選んでおりました。その気分といったらもう、激しく高揚していました。
靴下をはいているあたりで目が覚めかけ、「あ、夢だったの?」と少し気がついたのですが、私はあらわざを使いました。
「いや、まだ起きんぞ〜」と歯をくいしばってそのままの世界へ戻ろうとしましたが・・・ダメでした。あっけなく現実の場面に
変わりました。でも、この胸のあたりがなんともいえず甘いのです。ほんといい気分。
昨日、ワインを飲んで寝たから? じゃ、今夜も飲もうかしら・・
でも自分てカンタン・・・と思いつついろんな噂はあるけど、「抱かれたい男ナンバー1」の威力ってすごい、と思いました。
第何回だったか?林真理子が「ほら、今夜も何人の女性が彼の夢を見るのか・・」という風な文章を書いていたのを読んでいましたが
こんなにも遅く、やってくるなんて・・まさに日本脳炎の注射型パワー! 今夜もどこかの女性の脳内へ潜入してたりして・・
なんだか今ごろ中学の同じクラスの4番目くらいに好きだった男の子が気になってきて「なんで?」みたいな気分です。
はあ、キムタクのことばかりですいません、というのも今日もとてもお店ヒマだったのです。うう・・・
でも最近、お客さんに「このお店って、おしゃべりしにくるんではなくて、自分ひとりで、それもコンディションがいい時に訪れたい
お店なんです。だから特別な時間だけに入りたいお店」とか他の方には「センスのない人おことわり、ってオーラが出てます」とか
言われて、いえ、全然気軽に入ってきて欲しいんですけどね・・・。 センスなんて二人ともよれよれの服着てるのに・・
もともと「店主の日記」というのは、京都時代にあまり行けなかったけどとても好きだったお店、オパールの店主の日記が好きで
私も「店主の日記」書きたい!と自分の店つくるパワーの源にもなったわけですが、当時、その「店主の日記」にはしょちゅう
「今日もヒマだ」って書かれてあるんですよ。でも、行ったら全然ヒマそうじゃなく、忙しいんですよね、で、私も
「ヒマだ」と書いてて実は忙しいじゃん、とか人に思われたかったんですけど、このままでは「やっぱヒマだな」になりそうです。
店主が頑固でヒマなら(どっかで聞いたセリフ)それこそ古本屋おやじ!って気がいい意味でしますが、店主頑固じゃないので
もうちょっと忙しくしないと・・・いやー、工夫しますです。はい。キムタクの夢見て「もっかーい」って二度寝してる場合じゃないですね(笑)

2002年5月28日 火曜日
本当は、この日の日記はますたーが書くことになっていたのに、「忘れてた」と一言・・・
なので、木曜日に書いてます。ちょっと昨日見たシャガールが強烈でおとといのこと思い出して、というのも
なんなので、今回は29日水曜日、お休みのことを書きますね。
上野、東京都美術館のシャガール展に行ってきたのですが、すばらしかったです。
実は私の家にもシャガールの絵を飾っているのですが、それは7年ほど前に購入したもので、
赤い馬にひとりの女性が乗っている絵で、しばらくはひとりで生きていこう、と決心し、支えとしてそばに置いていたものなのです。
でも昨日、数々のシャガールの絵を目の前にして、「婚礼」とか、恋人同士の絵に特に心ひかれました。
ずっと見つめているだけで、しあわせになれる絵というのはやはり良いです。
そんな中で古時計に緑の羽がはえた絵もとても気になり、ポストカードを購入して店の古時計のとなりに飾ってみました。
その後、国際こども図書館にも行ったのですが、ご一緒した方が図書館員の方で、それも児童文学を研究されてる方だったので
書架の種類とか、企画の内容とかさすがに捉えどころが深く、アメリカと日本の図書館の違いのお話とかも教えてくださり、
勉強になりました。
昨日、本棚の話をここで書きましたが、ナルニアの国の場合、洋服タンスなのですね。
洋服タンスから4人の子供が出てくる挿絵があって、その方の口からナルニアの話が出てくる、出てくる、
そこでナルニア国の地図も貼られていたのを見つけ、頬をピンクに染めて感激されていました。
ベタな表現かもしれないけど、やっぱりいくつになっても少女よね、と思いました。かわいらしかったです。
お食事は池波正太郎も絶賛、というポークカツを食べに銀座の煉瓦亭というお店へ行きました。(藪そばは水曜日休みで残念)
その後、ご一緒のお方のお知り合いが個展を開いてる、というギャラリーへ行き、そこで皆さんおいしそうにワインを
飲まれていて、私は飲めないことがちょっと残念でした。家に帰る時、チーズを買って冷蔵庫の中にあったいただきものの
ワインと合わせてみました。 ワインの味は相変わらずわからなかったけど、今日たくさん触れた芸術を肴に心地よい夜を過ごしました。
さあ、次の1週間も良い出会いがありますように、と。

2002年5月27日 月曜日
昨日の新聞だったかな? 古書マニアが逮捕された、という記事を見ました。
秘密の経路を夜な夜ないききし、悦に浸ってる姿を想像してみると、まさに事実は小説より奇なり、ですね。
昔の「ルパン」とかにもよくあったように、本棚をくるっと裏返すと秘密のドアがある、というのによく憧れていました。
本棚、ってそういう「隠れ家の入り口」に使われるアイテムですね。
ふと思い出したようにお店にある「アンネの日記展」図録を見てみると、「隠れ家関係物品」というページに間取り図があり
「カムフレージュの本棚」というのがありました。そう、先日まだまともに「アンネの日記」を読んだことがない、と人に言うと
毎回「意外」と言われ、日記に「キティ」という名前をつけるところとか、っぽいのに、とも言われてたしかに、ぽいなと自分で
思いました。で、読むことにしたのですが、他に読みたいものがたくさん出てきてほったらかしにしてました。
そしたら今日の新聞で「アンネの薔薇」が紹介されていて、これは・・と思いました。
そのことを話してると、お客さんが「ズラータの日記」の方が私はいいと思った、ようなことを言われて
あったあった、と声を上げてしまったけど、「あったあった」じゃなくてちゃんと読んでみたいな、と思った。
だってアンネもズラータも日記だけど「歴史」だからです。
先日このお店で素敵な出会いがあったという「人間の絆」をお店に入れました。 増えていく本を全部読むのは不可能だけど
できるだけ目を通したいと思うのです。オープンしてまだ3、5ケ月のひよっこですが、エピソードを今の何倍もふくらませたい
それは絶対お店や本に浸透していくと思うから・・・
「目に見えないもの」をどこまでかもしだせるか、が個性派小さな古本屋さんの醍醐味だと思うので。
夜中たったひとりで、プレミア本を手に悦にひたるのと違った古本の楽しみ方をしたいし、同じように思う人が
あそこの古本屋さんのあの店主、ますたーに会いたい、顔が見たい、だから店に行くというのもある、と思ってもらえるように
幅広い本の知識はやはり必要。「アンネの日記」くらいは読んでおかなくては・・

2002年5月26日 日曜日
今日の空は乙女心のごとくころころ変化しました。 でも、時に乙女心はとんでもないものを呼びます。
そう、夕方ごろ急に降りだした雨と雷がやんだほんの一瞬、2本の虹が空にかかりました。
ちょうどコーヒーを落としていた時に、お客さんから「虹が出てますよ」と教えていただいたのですが、
ドリップ中なので、集中せねば、とそのままの姿勢でいました。その後すぐ空を見てびっくり
2本の虹なんて珍しいですから・・ちょうどねっころがって少しうつむいて自分の胸をみた時みたいな
かんじのふたつのお山のようでした。(ゆえにカーブはゆるめ)
お店の大きな窓ガラスにそのままプリントしたいくらい、素敵でした。
虹ってなにが好きかというと、奇跡っぽいところが好きです。「奇跡」というものに強い憧れがありますので・・
ラルクの「虹」ももちろん好き、というより憧れの曲で、あの歌をどれだけうまく、素敵に歌われても
ハイドさん以外の人が歌ったらかすんでしまうような気がするのです。もう一度、生の「虹」が聞けたら
きっと泣いてしまうと思う。早く聞きたいような、ずっととっておきたいような、どっちにしろすごく大切な曲。
それでその虹を発見されたお客さん、「今、虹が出てるから空みてみなよ」ってたった一言、誰かに電話されてました。
虹を見て、すぐ伝えたくなるようなシンプルなことっていいな、と私も思った。
大きなガラス窓が見える席は、ほんのちょっとの時間特等席になったのでした。
「奇跡の虹のコーヒー」いろんな人に飲んでもらいたいです。 これからの季節、ちょっとねらい目かも・・・
もし私たちだけだったら、お水を入れた透明グラスを虹の高さに当てて七色にうつしだし、
「魔法の虹のお水をこれから飲みほすわ」なんてふざけてるかもしれませんが遠慮なく入ってきてくださいね
ってちょっと入りにくいですよね、それ。      「気をつけよう、妄想激しい30代。」

2002年5月25日 土曜日
最近、私の天然パーマのこの髪型のことをよく指摘される。
しかも毎回、年配のご婦人に。 今日も、「奥様、私の想像してたとおりの人だわ、髪はショートで、くりくりしてて丸顔の人
じゃないかと思ってましたのよ。」と入ってこられるやいなや言われるお客さんがいたので、?となっていると、
どうやら私がいない時に、一度お店に来られたことがあるお方で、その時にますたーの作ったパスタを食べながら
ぽろぽろ涙を流された方だったようです。「私の息子も生きていれば・・」と涙されていた、という話は聞いていたので
あ、その方だ、とすぐわかりました。このお店をいたく気に入ってくださって、「絶対なくならないでね。」と今日も
言われたので、しっかと受けとめなくては・・と思ったのでした。
食べ物を口にしながら、ぽろぽろと泣く、ってどこかの小説でもあったと思うけれど、今日、私も一瞬もらい泣きしそうに
なりました。というのは、お会計が終わって「ありがとうございました」と厨房からますたーが顔を出すと、そのお客さんが
また一瞬、つまられたのがわかったのでした。その方の中でなにかがボッと燃え、その熱が私まで伝わってきたのでした。
深い悲しみをまだひとつとして背負ってない私は、これからも真面目にいこう、この道で・・・と再び強く決心したのでした。
午後からはたて続けにお知り合いの方が来てくださいました。 昨日、本屋さんでエレカシの宮本さんの新刊をチェックして
いた時、ふとその人の顔が浮かんだので不思議でした。たくさん話せて嬉しかったです。
あと、ますたーとある方との鉄道トークがすごくおもしろかった。「リベット」といったらジーパンについてるやつ、と思いきや
鉄道用語でもあるそうで、あと「103系」とか「101系」とか列車の色が黄色は黄色でもステンレスの黄色はどう、とか
すごいマニアックでした。和歌山の紀州鉄道だったら私もちょっと乗ってみたいかな・・・

2002年5月24日 金曜日
新聞の中にはさまれているチラシに、デパートの催し物会場での物産展のものがあると、必ずチェックしています。
あの地方の物産展が大好きなのです。で、今日は朝早く起きて仕入れついでに伊勢丹である長崎物産展に行ってきました。
正確には、起きれなくて営業時間をかなりオーバーして帰ってきてしまったのですが、まあ吉祥寺の市場リサーチも兼ねて、
ってことで・・・電話でますたーもヒマだし、ついでにあれとあれを買出ししておいて、と言われたのでほんとのんびり
しちゃいました。あの広告のおいしそうなフロマージュチーズケーキの写真と「限定200個」という文字につられて
まずは物産展をチェック。その後、リニューアルしたパルコブックセンター、&古本屋を何件か・・
そうこうしてるうちに、大雨&雷が降ってきたので駅前図書館で雨やどり。そこはCDの貸し出しもやってるので
気になっていたキーシンのCDを借りてみた。
先日、カレーのお店に入ったとき、お店の奥さんが「あなたの髪型といい、キーシンの若いときを思い出すわ」
といきなり言われ、私がカレーを食べ終わるまでキーシン攻めだったのです。ロシアのピアニストで、今は30歳
くらいになってるんだけど、子供の時から日本に来てはそこのカレーを食べにくるそうです。
奥さんが何枚かCDを持ってきて写真を見せてもらったのだけど、まだ子供のキーシンがピアノをひいてるジャケット
のアトムのような髪型がとてもかわいくて、ちょっと気になってしまったのです。
ブーニンは知ってるけど、キーシンは知らなかったことを告げると、「日本って悲しいのよ。本質を見ないの」と少し落胆されたので
なんだか申し訳ない気持ちになったのですが、しばらくカレーを見るとキーシンを思い出してしまいそう・・・
でも最近、クラシックを知らなすぎる自分を少し恥じていて、こういうところから入るのもいいんじゃないか、と思う。
「名曲喫茶ライオン」に初めて入ったとき、なんだか涙がほろほろと流れてきた私なので、小学生時代のあの音楽の時間は
決して無駄でなく、自分の中にすりこまれてると思う。来る人が皆、がっくりうなだれているような、そんな店に来るとかえって
癒されることがある。絶望の淵に立たされたかのような人たちの背中は、時にとてもやさしい。
うちの店は狭すぎるし全然要素が違うけど、たまに憧れますね、そういう店。

2002年5月23日 木曜日
ことわざとかに弱い私は、今になって「日本語」をちゃんと勉強したいと思っている。かなりマジ
昨日はお休みだけど、市の防犯組合の総会があって、「出席の方にはお弁当・粗品あり」と書いてあった
こともあり、参加したのです。そこのお偉様方のご挨拶が「殿下の宝刀を抜く思いで」とか「老骨に鞭打ちつ」
とか難しい言葉を連発されるので、なんとなく手のひらサイズのことわざ辞典をつねにバッグに忍ばせてみたくなった。
書店員時代、古本屋のおやじに憧れていて、おやじならうんちくのひとつも言えないと、そう思っていたけど・・
そういえば「古本屋おやじ」(ちくま文庫)を読みました。本編も良いけど出久根達郎の
解説文のたった数ページがかなり良かったです。あと、私のハートを鷲づかみにしたのは、表紙のイラスト。
やっぱり古本屋の店の前には、均一本を入れた愛媛みかんのダンボールがあってほしいのです。
ますたーは愛媛の人なので入手は可能なはず。今年の冬あたりにはうちの店の前にも愛媛みかんのダンボール
を少し化粧直しして(みかんの横ににこちゃんマークのステッカーを貼る、等)お店の顔にしたいな、と。
パソコンもやっとなおった事だし、かなり喜んでいる二人なのでした!
あ、ふと思い出したけどおととい来てたうちの人たち、東京に来てバス乗る時、前から乗れたかしら?
今ごろ心配になってきた、まあなんとかしてるでしょ、大阪のおばちゃんパワーで←しつこい・・

2002年5月21日 火曜日
今日は、私の両親、弟夫婦、甥っ子、いとこ、と大挙してお店に来店。
ディズニーランドの袋やらミッキーマウスの風船やらで狭いお店は飽和状態。
ちょうどお客さんがいらっしゃらなくて良かった。いたらその方、かなりヒサンかも
皆でパチパチと記念写真を取り捲るし、ディズニーランドでさんざんやったのか、整列慣れしてるし・・
おチビ君は、オレンジジュースか牛乳を子供ようのコップ(林明子こんとあきのイラストつき)がいいかな?
と思ってると、「レモンティー、ホットで、お塩入りで」なんて注文されて腰が抜けそうになってると
お店のガラス面陳コーナーに仮面ライダーの本を勝手にすりかえてるし・・いや、いいんだけど、腕白で。
「シュガーを入れる容器は常に満杯が基本。砂糖を貸しなさい」とキッチン前を離れない頑固おやじ、
あとで必ずやるから、となんとか座ってもらったけど、よく考えたら難波の喫茶店で働いてたことあった人だった・・
とどめが天然ボケの母親、「シビル美術館に行きたいんだけど行き方教えて」って「ジブリだって!それに半年くらい
予約でいっぱいで突然行けるもんじゃないって!」なんだかジブリの守衛のおじちゃん、こんなおばちゃんたちに
「なんとかいれてよ」とか毎日言われてるんだろな、それも大阪のおばちゃんってひつこいんやろなー、ご苦労様、って思う。
でもまだ嵐山のマンションにいた時、うちの母がガサ入れしてくれたから(洗濯機の中の男物)流れで結婚に踏み切れた
ようなもので、あの事がなければいまだ京都でずるずる同棲していたのかも・・
うちの人は自分は独身主義だとずっと言ってたし。 きっかけにはなったかな
やはり何事もタイミングだし、それが良い事ならぽんぽんと流れていく、ってところあると思う。
でも違うパターンもある。何度も挫折しかけて、これは神がNOと言ってる?と感じたり・・このお店の開店がまさにそう
国金に断られた時は、やっぱり全て甘く見すぎた、と沈んだ。でもそれでも、と頭を使っていろんな方法考えたのが
良かったんだろうと思う。 ん?よく考えたら東京に来たとはいえ、ルーツ的には私も大阪のおばちゃんだ
大阪のおばちゃん+丙午パワーで、これからもなんとか頑張ります!

2002年5月20日 月曜日
以前隣のスナックに連れていってくれたお客さんが本日も来店。
いつも通り窓際の席でコーヒーを飲んでいたのですが、ちょうどその時そのスナックのママさんが店の前を
通りかかったので急遽呼び止めて(しかしホントによく呼び止める人だ)ご挨拶。その後そこのオーナーも来て
なんだか飲み屋な雰囲気。
しかもその2人分の食事代まで払ってくれたお客さん。毎度の事ながらお店の売り上げに大きく貢献してくれています。
嗚呼有り難や。
明日くらいパソコン直らないかなあ。。

(by ますたー)

2002年5月19日 日曜日
太宰治と飲み友達だった、という方が来店。
いろいろお話を伺えたのですが、後半ほとんど山崎冨江の話になる。
真実はどうなのか、どの説を信じるのかは個人それぞれであってどれが正しい、と
一概には言えないけれど、私の主観だけで言えば美知子さんも冨江さんも静子さんも
皆、真剣に太宰を愛したのだと思うし、太宰だって受けとめていたのだと思う。
今日聞いた話だけを、これも店の歴史の中の1ページ、としてここに書いておくと(おおげさかな)
太宰は井伏鱒二にかわいがられていた、文壇的に見ると太宰は井伏鱒二の弟子のような位置づけで
井伏と同じ新潮社から小説を続々と発表し、売れっ子になっていき本は爆発的に売れた。
しかし太宰の結婚の仲人をした井伏鱒二に冨江との不倫がばれ、井伏は激怒した?
それから二人は気まずくなってしまった。以後新潮社から太宰関係の本が出る時は、
どうしても山崎冨江が悪者になってしまうような流れがあった。本当はとてもいい娘で、
あのまま生きていれば山野愛子の前者となれただろう、というような話をされました。
こういう書き方をすると少し湾曲があるように感じるけれど、その方が太宰と飲み友達だったことは
嘘をついてるとは思えないし、あの時代の空気を体験してる人の「本当にいい娘だったのにねえ」という
声をこの店の中で聞けたことは嬉しい。昨日の日記じゃないけど太宰棚がその声をしみこませた、と思う。
あの心中の遺体があがった時、美知子さんが「千草」で、自分の夫が愛人と心中したというのに
しっかりとした態度で土間で支度されていた、というお話も本で読んではいたけれどあらためて聞くとなんて強い人、
と思った。その方が帰られてすぐ雨が降ってきてしばらくボーッと外を見ながら考えてしまった。
勉強しなくては、と。物事を一面性だけで判断してはいけない、たしかな眼を養わなくては、と。
出版社だって本が売れなくては商売にならないし、売れる作品を書いてくれる作家の顔は立てなきゃならない。
会社の意向でやむなく作家にダメ出しをしなくてはいけなかった編集者もいたかもしれない
実際に新潮文庫で太宰が手軽に読める。太宰文学をおおいに広めた。太宰ウォッチも持ってます。
遺族にカメラをむけるレポーターも、時に自分の仕事を憎む時があるでしょう。でも伝える使命を感じ戦っている。
大きな力を持つものは難しい、それを支える人達も難しくて頭を抱えてるのだと思う。だからいろんな角度からものを見れるよう、
裏で支えてる人達の顔や汗、涙も想像できるように。ジレンマの裏を読み取れるようになりたい
なんか何書いてるのかわかんなくなってきたけど、月若寿司のカウンターで見たスーツの背中を思い出してしまった。
女房子供を守るためにはイヤな仕事の1つや2つやらなくてはいけない、責任感のある人たちの背中・・
尊敬できる。私も頑張ろう・・・・・・・・なんか支離滅裂でごめんなさい

2002年5月18日 土曜日
「自分の家みたいなかんじ」そうよく言われる。
今日の場合は、「多分本棚が業務用じゃなくて普通のだからかな」って言われてました。
古道具店、中古家具店でほとんどそろえたので、たしかに味が出ているのかも
先日、「ここは池の上の十二月文庫の支店ですか?」と聞かれたお客さんがいたのだけど
すごく嬉しそうに「そうではないです。まったく別ですが、よく似てると言われます」と答えていました。
もし似たものを感じてくださったのなら嬉しい。私の憧れのお店であることは前にも書いたと思う。
十二月文庫の本棚とか、テーブルとかとても素敵で、業務用の冷たいのでない
木の暖かみがとてもいいと思った。あと独特な雰囲気の秘密はレコード針の魔法ではないかと思う。
レコードだとCDには出せないアルファ波が出る、とどこかで読んだ気がする
今日、お客さんに「今かかってるCDを教えてください」と尋ねられた。
オシオコータローの「ラブストリングス」というギターのCDだったのですが、プレゼントしてもらったものなので
このギター弾きさんのことはよく知らなかったのです。なんか古い本棚にとても似合う音、って表現は変でしょうか
古道具の家具たちもこの店に嫁入りする前は、古道具屋で、その前はどこかの家?で時とともにいろんな音楽を
吸収してると思う。あの風味は時間だけでなく目に見えないいろんなものを染み込ませてる。
そう、そのCDの中の曲目に「ピアンレッスン」もあって、この前お客さんとピアノレッスン話で少し盛り上がったのでした。
白い砂浜とグランドピアノ、打ち寄せる波、あのコントラストの美しさが印象的だけど、これは何を表現してる?
といった描写も物語の中でたくさんあり、もう一度見直してみたい映画です。この映画はなんとなく夫とは見たくないな
深夜、ひとりきりで見てみよう。海の底に沈みたくなるのもまた良いでしょう・・
今日、若い男の子とプロレス話に花を咲かせてた時のますたーの顔、ここ1週間で一番いきいきしてて
ちょっと悔しいので、ささやかな復讐のつもり?、でさっそく吉祥寺にオープンしたツタヤに行ってこようかな
ま、私もアンダーテイカー&ポールベアラ、伊達直人さんの3人はファンだけど・・・

2002年5月18日 土曜日
激しい雨が降った。でもひとつ発見したことがあった。
お店の大きな窓とは別に、キッチン側、反対側、と2つ小窓があるのですが
反対側の方の小窓に映る雨だれの雫がとてもきれいなのです。音符のようでした。
暗くなると見えなくなるので、夕方までの雨の日のちょっとした楽しみができた気分
5、5坪の世界に住みついて3ケ月ですが、まだまだツボを見つけられそうです。
「雨だれ」で思い出したのですが、小学生高学年のころ、クラスで誰よりピンクレディーのフリを
早く覚えられていた私は、ほんの少し「歌手」というものに憧れていました。
ある日、当時よくあったテレビの「スタ誕」や「君こそスターだ」みたいな番組を見ていたのですが
同い歳くらいの女の子が太田裕美の「雨だれ」をめちゃめちゃうまく歌ったのです。
ただうまいだけでなく、情感たっぷりに。衝撃を受けました。それで歌手の道はあっさりあきらめたのでした。
今思えば「少女の色気」って計算がないぶん恐ろしいな、と思います。
あの少女は今頃どうしているのでしょう、もしかしたら同じ雨、同じ東京の空の下にいたりして・・

激しい雨の中、来てくださったお客さんで不動産関係のお仕事をされている方がいらっしゃったのですが
お店の大きな窓を、これだけ大きな窓は、めずらしい、明るい開放感があり良い。という風なことを言ってくださいました。
名所になっていけるでしょう、とまで言ってくださりお世辞でも嬉しかった。
お店の大きなガラス窓については、中が丸見えなので入り難いという声もあるようなのですが
来てくださる方は、「これが気持ちいいからこのままにしておいて」と言ってくださるので現状維持にします。
桜の木を見てくださる方もいるし、街角から見える日常の風景を味わってほしい。
もちろん奥のコーナーでひとりボーッとするのもいいと思います。自由にくつろいでもらえたら嬉しいです。

2002年5月17日 金曜日
今日は本をめぐってまた新たな出会いがありました。
お店のガラス面に陳列していた「猫のエッセイ」という本を
「これが気になって・・」と入店されたお客さんがいたのですが、そのわずか2、3分後
「あの、さっきまでここにあった猫の本は?」と別のお客さんが来られました。
最初に来られたお客さんがその本を購入することを言うと、「ああ!用事の前に来えば良かったわ」
と少し悔やまれたのですが、コーヒーをそのままふたりとも召し上がられ、猫話に花を咲かせておられました。
その間、ひとりめの方のすすめでふたりめのお客さんはゆっくりとその猫の本を読まれていました。
そのおふたりの猫話を聞いてると、ほんとに猫を愛しているのだな、と感じました。
「私、猫と話しができるの」なんて目を輝かせて話されてました。
話してるうち、おふたりはとてもご近所さんであることがわかり、「この店に1冊の本が気になって入ってみて
本当に良かったわ。これも素敵な出会いね。」とふたりとも口をそろえて嬉しそうに笑う。
こういう時、こちら側としても店を開いて良かったな、と思えるのです。
しかし猫の本って人気ありますね。

昨日は本郷のあたりに出かけたのですが、とある古書店のガラスケースにて
本を読んでいるガーゴイル像をみつけて、どうしてもそれが欲しくなってしまいました。
非売品とは思うのですが、今日になっても気になって仕方ないのです。
ぬいぐるみのことなどはるか彼方へ・・今はガーゴイル、ガーゴイル、
この際粘土で作ってしまおうかしら・・なんて無茶なことを考えてる5月の夜なのでした。

2002年5月15日 水曜日
「お店も思ったより明るい感じだし、本がたくさんあるのはいいんだけど、全部「現実」でしょ、「未来」を感じられないの。
アダムスキー全集なんかを是非入れてほしいわ。」
相変わらずズバリ、指摘してくださる人・・・
私が昨年の夏、京都から旅行してブックカフェ巡りをし、いろんな人の話しを聞いて今年三鷹でお店を開くことを決意した時、
唯一「十年早いのでは?」と切り出すも、的確なアドバイスをくださったオーナーさんが
今日ふとお店を訪問してくださいました。 久しぶりにいろいろお話しでき、とても嬉しかった。
良い側面だけでなく、「ここはこう向上できるのでは?」という点を的確にしかもわかりやすく
伝えてくださるので、私はとても信頼している人なのです。
今、私を見ていると、前より顔色いいし、安心してるような幸せそうな気配は充分感じられるけど、そこで満足して
止まってしまわず、なにか新しいことに挑戦し、10年くらいかけて完成していくことも考えてみた方が良い、とも。
たしかにそう、ここのところちょっと甘んじちゃってるようなところがあった。長くお店を続けていく
ためにも、夫婦二人ともお店に専従して食べていけるのか?とか、不安だけど「なんとかなるさ」
的楽天思考で目をそらしてるようなところがあった。実は一番無視できない現実問題なのに・・
いろんな「図星」を指摘され、また昨年の夏のような気持ちになってる自分がいた。
そういえばお店と、もうひとつ「陶芸」をはじめてみようか、なんてふと思ったことを思い出した。
でも1つ、すごく誉められた。それは「いい夫をみつけた才能」(笑)
たしかにこの結婚は自分の人生の中で2重マルだと思う。 
お帰りになられた後も、なんだか血を吸われたようなかんじでクラクラしていると、
古本カフェを開く予定がある、というお客さんが来店。少しだけだけどアドバイス?のようなお話しをする。
「勉強させてもらいました。」と帰っていかれたけれど、頑張ってほしいです。
あ、昨年の夏の私みたい、と後で思った。 今日の流れはちょっとした大きなエネルギーを感じた。
また都内に新しい古本とコーヒーの小宇宙ができることを思うとかなり楽しみ。
なにかを始める人の瞳はいい。でもお店を開いてからの方がもっと毎日楽しいよ、って言いたい。
たとえ深夜パートをしながら、ってことになってもそれで自分のお店をずっと続けられるなら
全然オッケーだと思うから。というわけで、お店、バイト、陶芸(に変わるなにか)3つのわらじ生活になるかも
陶芸に変わるなにか、というのはやはりもっと深く文学を勉強したい、ってことに今はなると思う。
でもあと1シーズンくらいはとりあえず今のまま走ってみます。もう少し お店のことだけを考えていたいので・・
というわけで「フォスフォレッセンス」をどうぞよろしく

2002年5月14日 火曜日
先日、36になりました。
自分へのプレゼントは、「mina」の電線のデザインのなにか、の予定でした。
というのは、沼田元氣さんに撮っていただいたお店の写真(東京人のやつ)で、
ガラス窓に映っている電線と木と曇り空がすごく絵になっていて思わずそのminaの電線シリーズを
思い出し、欲しくなったのです。でもちょっと高めだし、秋のはじめごろの方が合うのではないか、と
自分に言い聞かせてあきらめました。そして、例の「これから生涯大切にするぬいぐるみ」を探し吉祥寺へ行きました。
いろんなぬいぐるみと目が合ったのだけれど、ドキッとするほどのところまではいかない、といった 感触だったので
先延ばしにしました。雑誌で見たファーファの方が気になってるし・・柔軟材のやつです。クマちゃんです。
で、「チーズ王国」の前で立ち止まり、いろいろなカタチ、クニ、イロ、のチーズに見とれてました。
吉祥寺ロンロン地下のそのコーナーを通り過ぎるのは毎回大好きな時間です。 ああ、ワインのおいしさがわかれば
チーズもよりおいしくなるのでしょうね・・しかしチーズ、高い。2つで1000円のセールをしているけど、用は1つ500円
だっつーの!それを言っちゃおしまいよ、とかひとりニタニタしながらまた通り過ぎる。
結局ケーキ1つ100円台のお店で、2つケーキを買ってお店の裏側の席でますたーと一緒に食べました。
朝、自分の店の開店前に時々よその喫茶店にモーニング食べにいきます。三鷹の主要な店はほとんど行った。
喫茶店のトーストが大好きなので。そんな時は、たいてい普段読まないようなオヤジ雑誌を読みます。
今朝行った喫茶店では「BEーPAL」を読んでみました。(決してオヤジ雑誌じゃないけどそれしかなかった)
「樹上茶しよう」ってコーナーでは、樹の上に登ってお茶しよう、という特集が組まれていてさすがアウトドア雑誌
とビックリ。しかも樹の上でお茶してる写真もあり、さかさまにロープでぶらさがり、「さかさになればコウモリ気分!」とまである。
すごい!おもしろい!けど命がけですな・・「ザリガニの料理法」まであるし・・小さい頃は淀川でザリガニ採ったな、とか
しばしボーッと考えながら茶をすするのは至福のひととき。
そう、今日も雨だったしお店ひまだったのです。チーズくらいたらふく食べられるように明日から頑張ろう!

2002年5月13日 月曜日
本日の日記はワタクシ、ますたーが書かせていただきます。
今日は開店準備を全てオーナーに任せて(普段は全部ワタクシがしてますです。オーナーはこの時間まだ寝てますので^^)
自転車のパンク修理行ってきました。
実はパンクしたのはかなーり前で、なかなか時間が取れずなにかと不自由な思いをしていたんですがどうもチューブ自体が
いかれているらしく結局交換でしめて¥3,000の出費。ががーん。
お店の方はというと日曜は近くの喫茶店もお休みっつー事で戻って早々パスタパスタのオンパレード。
こりゃ忙しくていいやと思っていたらその後は潮が引いたように暇になってしまいました。
それでもポツリポツリとはお客さんは来たんですが、気のせいかちらっと中を見ただけで帰って行ったお客さんが多かったような・・。
そんな訳で、部屋からアルミホイルとお醤油持ってきて頂きもののお餅を焼いてました。美味美味。

さて、これからいよいよ暑くなる季節って事で、お店のメニューもちょっとアレンジしてみようかな、等と考え中。
ランチメニューが「ベーコンとタマネギのパスタ」だけなんで、同じパスタベースでちょっと爽やか風な料理、何かないですかねえ。
なるべく手間がかからなくてお値段も据え置きできるようなの。。

(byますたー)
2002年5月12日 日曜日
今日はお客さんにごちそうになってしまった。
というのも、「お店が閉店したらとなりのスナックにいるからあなたたち二人とも
来なさい」と有無を言わさずに「じゃ、待ってるからね」てな具合で・・
よく来てくださるお客さんで、前々からお誘いを受けていたので、じゃ、いこかと閉店後に二人でとなりのスナックへ。
「どんどん食べなさい」と焼きそば、チャーハン、ししゃも、と料理が次々出てきて久々の豪華な夕食。
おじさま(誘ってくださったお客さん)たちはいい気持ちになって次々と昭和歌謡のオンパレードを繰り広げている。
私たちも唄をすすめられ、おじさまたちにもわかるかな?と「異邦人」(久保田早紀)「思い出のスクリーン」(八神純子)
「ブルー」(渡辺真知子)聖子、明菜、などを唄った。本当はちあきなおみの「夜へ急ぐ人」にしようかと思ったんだけど
場を選ぶ曲なので、今日はやめておいた。「おいでおいで〜」っていうのがね、微妙だし・・
ますたーは吉田拓郎の「落陽」なんて唄ってる。「さらばシベリア鉄道」は「いい曲だ」と絶賛されていて笑えた。
おじさまたちは、たまたまそこに客として来ていたおじさまと知らぬ間に仲良くなり、「私は戦後の生まれでして・・」とか言ってる。
昔の唄ってヘタしたら3番、4番まであって、「俺2番唄うから3番よろしく」なんて言い合ってマイクまわしあってすごく楽しそう
なんだかそんなおじさまたちを見てるのが本当に楽しかったのだけど、お店の人たちを観察できたのが良かった。
ママは常にハイテンションで、「いえい!」とか言ってるけどそれが自然だし、マスターは買い出しに行く時お客さんの
前を通り過ぎる時でも唄に合わせて腰をふりふりしながらだったり、お客さん同志「これは誰が唄ってたんだっけ」
という会話をしていたら、誰も知らないとわかった絶妙なタイミングで「それは何々何子(超マイナー)ですよ」と
カウンターの奥から、ぽん と答えてくれる、等さすが、と思わせる心づくしをたくさん見せていただいた。
帰り道でますたーが「マスターっていう存在は、黒子に徹することと分かった。」なんて言ってた。
「マスター」と人から呼ばれるにはまだまだ青いので、ひらがなで「ますたー」で良かったかな?なんてね・・
いえいえ、若くてやさ男のますたーさん、明日からも期待していますよ。どうぞよろしく
「異邦人」唄ったら、久保田早紀の「夢がたり」ってアルバムがまた聞きたくなった。名盤だと思います。

2002年5月10日 金曜日
生まれて初めてひとりで寿司屋に入った。でも入っただけ。
今朝、朝日新聞を読んでいると「太宰しのぶ場に別れ」って太字が目に入って読み進めると
吉祥寺の太宰ゆかりのすし店「月若寿司」が本日限り閉店、とあった。
太宰が仕事場にしていた「千草」は、現店主の父が三鷹で開いていた小料理屋。
太宰が心中自殺した後、店の場所も名も変えたらしい。
「太宰が使ったもので店にあるのは、こたつ板1枚だけ。閉店後は自宅に持ち帰るつもり」という一文を見て
どうしてもその「こたつ板」を見ておきたくなったので、雨の中バスでそのお寿司屋さんに行ってみることにした。
ちょっと勇気がいったけど、おもいきってのれんを入ってみた。けれど
お店の人が「すいません、今日はもう何もなくなったので終わりなんです。」と言われた。仕方なく帰ろうとしたのですが、
せっかくなので、「太宰さんのこたつ板を見てもいいですか」と勇気を出して言ってみた。
快く「どうぞ見てください」と飾ってある写真や、宮尾登美子や壇一雄の色紙を見せてくださった。
しかしこたつ板ってどれだろう?と思って「あの・・こたつ板とは・・」と聞いてみたけれど、
とても忙しそうにされていたので、もうお邪魔かと思いお礼を言ってお店を後にした。
そこのカウンターでは、ずらりと男性のスーツの後ろ姿が並び、お酒のいい匂いが漂っていた。
なんだか自分がまだまだ小娘で未熟なような気がしてきて、お酒の深さだって知らないし、
太宰を理解、なんてとても遠いところにあるように感じた。
あの背中の中に交じって堂々と寿司と酒を味わい、他の客の太宰話に耳を傾けながら
「実は私、三鷹で最近お店をはじめて、お店の名前に太宰さんの小説のタイトルをつけたのです。
今日は、このお店の閉店を新聞で知り、ここへ来ましたのでそのこたつ板を見せていただけませんか」
ときっぱり言うこともできなかった。もし食事できていたとしてもあの背中の中に交じって落ち着いていられたか?
気が小さいところをなんとかクリアしないと、経営者として大きくなっていけない。
そんなささいなことで落ち込んで結局路地でクレープなんて食べている私。 ほんとちっちゃい奴・・
でも、帰りのバスの中で(一番前の特等席げっと)雨だれを見つめながらいろいろなこと考えていると冷静になれた。
とても落ち着いてきていた。真っ暗な自分のお店をとても見たくなってわざわざ遠回りしてみた。
私のお店はちゃんとここにある。私が開きたくて、欲しくてたまらなくてつくったこの場所、ここを守っていこう、
そしていろんな人に愛してもらえますように、そう強く願った。
まだ見ぬ「こたつ板」は胸の中にしまって、いつか見ることができる日があれば
もっと大きな自分になっていたい、と思うのでした。
月若寿司のご主人、お店の人々、お疲れ様でした。

2002年5月9日 木曜日
自分が棺桶に入る時、なにを一緒に入れてほしいだろう・・・
そんなことふと考えてるのも、今日お知り合いの方がお母様を連れて来てくださり、少しそんな会話になったから・・
とてもスタイリッシュな親子で、絵になっていていました。他にはお客さんがいなくてずっとお話してたのですが
そのお母様は、自分の棺桶に人間の絆(モーム)とソルジェニーツィン、シャーロックホームズの本、そしてぬいぐるみ
(カエルだそうです)を入れて欲しい、と娘さんに伝え済みだそうです。(ここにもシャーロッキアン発見!)
なんだかその話がずっと残ってて、私なら何を入れたいかな、と考えてしまいました。
目には目を、棺桶には棺桶を、でやっぱ棺桶型CDかな、とか(笑)
「ぬいぐるみ」については、偶然にも今朝、私もこれから死ぬまで一生かわいがる予定のものをそろそろ購入しようかな、
と思ってたところだったのです。 というのも白石かずこが森茉莉について書かれた文章で、キツネのぬいぐるみを
森茉莉にゆずったのだが、森茉莉が以前にかわいがっていたライオンのぬいぐるみがキツネに嫉妬するのでキツネを
返そうと思った、でもライオンがもらいてができたのでもうキツネとライオンの間で悩まなくてすむ、という文章を読んで
私もなんだかぬいぐるみが欲しくなっていたのでした。  私からも夫からも大切にされて、ふたりの間にはさまって
眠るぬいぐるみがあれば、いつかどちらかが旅立っても、夜さびしくないかもしれない。
ぬいぐるみは、決して死なないから・・   来週おもちゃ屋さんに行ってみようかしら
その他、とても楽しいお話をたくさんしてくださいました。知的なやさ男が好きだとずっと思っていたけど、実は
松井や清原のようなタイプが好みだと最近になって気付いた、という話も興味深かったです。(清原までいくとは・・)
この先自分の好みがどう変化していくのか少し楽しみになりました。 

宇野亜喜良挿し絵の本を外から見つけられ入店するなり迷わずその本を購入されました。
私も大好きな本だったので、「本当にこの本が欲しかった」という人の手に渡ってとても嬉しいです。
その方は大学で「美学」を専攻されていたそうです。「美学専攻」なんて初めて聞きました。
ちょっと興味湧きました。若い感性の鋭い時期に、「美」に対してとことん勉強できたなんて一生の宝ですね。
そういえば大江健三郎レジオンドヌール受賞だそうですがなぜ私の夢では京阪バス運転してたんでしょう
うーん、謎だ。。。

2002年5月8日 水曜日
種子島から戻ってまいりました。
めっちゃ疲れました。
つーか、なにも好き好んで鉄道使った訳ではないんですが・・。
まあ、でもJR九州の車両をいろいろと見られたのでよかったです。
「つばめ」にはまた乗りたいですねえ。。
いつか「青春18きっぷ」でも使って全国セドリの旅なんてしたいもんです、はい。
等と呟きながら・・、とにかくしばらくは寝倒します。ええ、寝かせてください。

(by ますたー。)

2002年5月7日 火曜日
まず、今日すごく不思議な夢を見たので、ちょっとご報告。
私はまだ高校生で、地元の大阪、守口市の京阪バス(赤と白のやつね)に乗ってるんです。
で、なぜか運転手が大江健三郎。むむ?と思ってるとハデハデな女の子が乗車してきて
「みゆきも遅刻じゃーん、おそろじゃーん」とか言って近づいてくる。なんとその子は浜崎あゆみ。
そこで目がさめたのでした。残念!たとえ夢の中であれ、「じゃあ今日はもう学校ぶっちして
あゆの広くて景色のいいお部屋でだらーっとしようよ。あ、彼氏も呼ぶ?あ、株の勉強で忙しいか・・」
なんて展開も「あり」だったかも・・ついでに「Free&easy」の編集長も紹介してもらおうかしらん、なんて
ひたすら妄想にふけって遅刻しそうになりました(笑) しかしへんな夢だな・・・

今日も「東京人」見て来た、風なおじさまで一時あふれた我が店、みなさん必ず最後に「ここはいつから?」
と聞かれて、答えると驚いた表情、といった流れ。また是非いらしてくださいねー。
とにかく狭い店なので、3組でもう満員。なので何度かお客さんを帰してしまった。
もしわざわざ遠くからいらしてくださってた方がいたら申し訳ないですね。
良かったらおとなりの図書館で少し時間をつぶして、またのぞいていただければとても嬉しいです。
混むのはほんの一瞬で、すぐにすきますので。昨日もそのパターンで、1度混んだだけで、あとは余裕の
すきすきでしたので。 もちろん本をただ見てみるだけ、の方は満員の時はちょっと窮屈だけど可能なので
ゆっくり見ていってくださいね。
今朝、ますたーが種子島から戻ってきました。ずっと乗り物にのりっぱなしでかなりお疲れのようだったので
(だからヒコーキにすればいいのに・・お鉄なもので)今日は一日休んでもらうことにして、忙しい時だけ来てもらう
ことにしました。お昼すぎ、一度だけ混んだので連絡して来てもらった。
そしたら、寝起きなのか髪が乱れ、なんとメガネをしていない!
「きゃっ、かっこいいわー。」ちょっとときめいてしまいました。
 ますたーは普段メガネをかけているのだけど、メガネをはずすと顔が全然違うのです。と私は思う。
メガネフェチの人が言うにはメガネをかけてる時の方が絶対イイ!と言うのだけど私にはよくわからん・・・
まあそんなかんじでGWも終了。 明日からまた頑張ります!

2002年5月5日 日曜日
「東京人」を見て来られた方がチラホラ・・・
「家が調布なので、自転車で来てみた。」という方とか(調布から自転車ってけっこう遠くないかな?)
図書館で記事を発見して、これすぐそばじゃん、ってノリで来られたっぽい方とか、
哲学書とか大人借りしてそうな、知的で品の良さげなかんじの男性が多かった一日でした。
で、2、3回聞かれたのが、「ここは何年くらい前からあったのですか?」の質問。
「3ケ月前からです。」と答えると、「そんな新しいお店で、東京人に載ったの?」と驚かれました。
たしかにいきなり高いハードル飛んじゃったかもしれませんが、まあこれもひとつの素敵な縁なので・・・

無事、ひとり営業も滞りなく終わりそうなのですが、2回ひやっとすることがありました。
1回目は、トイレにささっと行って、例の「少しお待ちください」の貼り紙をはがそうとしたら
ドアの向こうでお客さんが帰ろうとしているところでした。危機一髪で呼びとめギリギリセーフ
すごい形相での「いらっしゃいませ」になってたと思います。すいません・・・
2回目は、ひとりなので両替に行けない、しかも今日はやたら100円玉のお釣りが多い日で、
20時30分ごろとうとう100円玉がまったくなくなってしまいました(汗)
でももうあと30分やし、大丈夫やろー、って思ってたらコーヒーのお客さん来店。
お客さんがコーヒーを飲まれてる間、心の中で「ああ、どうか100円玉を3つ出してくださいまし」
と祈り続けました(相変わらず小さい事気にするし)イメージトレーニングまでしてたら
お客さん、立ち上がる。「きたー!」
「ごちそうさまです。」
「さ、さんびゃくえんになります。」
次の瞬間、ぴかーっと光る500円硬貨でした。「ううう・・・(心の中)」
事情を話し、細かくなってもよろしいですか?とお聞きすると、
「全然かまいませんよ。 ここ居心地良かったわ。」なんて嬉しいこと言ってくださる。お言葉に甘えて
なんと50円玉1枚と10円玉15枚をきれ〜にトレイの上に並べ「どうぞお確かめください」
と笑顔で言いました。お客さんもまさかそこまで細かいとは思ってなかったのでしょうね(たぶん)
少しギョッとされたらやっぱり他の策を考えようか、とか思ってると
何事もなかったかのような笑顔で16枚もの硬貨を慣れた手つきで(どんな手つきや)
おサイフにしまわれました。 すいませんでした&ありがとうございました。
いやー、教訓ですね。今後実際ひとりで営業する時は、たっぷり硬貨も用意しておこう。
他の「東京人」に載ってたお店はこんなこと絶対ないのだろうなー。 いや反省反省。

「太宰治と実際話したことがある人を知っているので今度連れてきます。」といつも日曜日に来られるご夫婦が
先週そう言っていたことを思い出し、もしや今日来られるのかも・・と少し緊張していましたがGWでどこか
遠出されてるのか来店されませんでした。
6月19日の桜桃忌ももうすぐです。 水曜日なので本来だったらうちはお休みだけど、少しの時間、店を臨時で
開けようと考えてます。私たちは去年もその前も京都から深夜バスで東京へ来て、時間をつぶす場所に苦労してたので
三鷹へ来られる予定の方で、時間を潰したい方は是非うちに寄ってくださいね。
思えばその「桜桃忌までの時間潰し」がなかったら「フォスフォレッセンス」はなかったかもしれませんから
1999年の6月19日、早朝、太宰の墓前ではじめてのちの夫となる人(ますたー)と出会ったのです。
始まりがロマンチックだと、あとはもう付け足しみたいなもので、私の場合、もう一生退屈せずにいけそうです。
そのルーツがあるから、三鷹でこういうスタイルのお店を持てたことは運命的なものも感じるのです。
明日、種子島からその夫が帰ってくるので、今日はひとりの夜、という滅多にないことなので、
こんなことを書いてみました。
さあ最後のひとりの夜を楽しもう。テーブルの上いっぱいのおかしが私を待っている(冷凍庫にはチェリオもあるよ)

2002年5月4日 土曜日
一日だけの「クラブ・フォスフォレッセンス」状態でした。
FMラジオから「渋谷はすっごーい人です。」とか聞こえてくるGwまっさかりですが、
うちは超ヒマでした。みんなどこか遠くへ行っちゃったっぽいですね。
とってもいい天気だったし、お客さんと仮想ピクニック話に花が咲いたり・・
「こんな日はやっぱりドライブでしょ、オープンカーで好きな音楽かけて唄って、」とか
「井の頭公園は人いっぱいだからあえて野川公園とか、それこそ穴場の人のいないとこみつけて昼寝でしょ」とか
妄想ばかりふくらんで、でも楽しくなってきちゃって
「お弁当はサンドイッチ?おにぎり?」とか「ポットの中は紅茶?コーヒー?」って細かい話に発展。
さらに「ポットはスタバとかの特製のおしゃれなやつじゃなくて、スーパーのチラシで安くなってた日に買う
ステンレスのださいけど機能的なやつ」とか「平らな草原とかだったら紅茶、山登りとか標高の高いところに
行くなら絶対深煎りコーヒー。山のてっぺんでコポコポってコーヒーのいい匂いがプーンと広がるの」
そこまで具体的に妄想は盛り上がっていったのでありました。
でも、「ヒマだなー」と言って、レジ前に座って本を読んでる店主、これがまさに私の長年憧れていた姿なので
良しとしよう。これでやっていけたらこの上ない幸せなのだが・・うう、まだまだ不安です。
頑固になれないとこ青いですし・・世の中そんな甘いものではないですね。
でも窓の外の青々した木々を見つめるのは飽きないです。今って素晴らしい季節ですね、大好きです。
その後、ハイドさんファンの方が来てくださって、今日はふたりきりだったので時事的にも「ハイドさんとチャットしたいね」
なんて話とか(公式ページのチャットはなんと時折本人が現れるそう)ラルク話とかしていたら無性にラルカラしたくなり、
ひとりきりの時間、店の正面から見えない側でちょっと休憩がてらかるーく曲に合わせて唄ってみた(営業中なにやってるんだ!)
そしたら燃えてきて(燃えるなって!)Passing by〜 passing by〜♪ってかんじで、小声で。
もちろんドア開いたらいつでもスタンバイok。お客さんカムーって気持ちで。でも全然ドア開かないし・・
歌詞考察しながら小1時間ほどひとりラルカラしてたのでありました。いや、でも歌詞ほんと深いわー
これが私のGWってかんじでしたね。そう、名付けて一日だけの「クラブ・フォスフォレッセンス」なのでした。
明日はドアがばんばん開くといいな

2002年5月3日 金曜日
0422ー46ー1004
これうちのお店の電話番号なのですが、お客さんのアイデアで、いい語呂合わせができました。
「46ー1004=読む人多し」 なるほど、ってかんじでしょ? 気に入ってます。
あと、雑誌に「フォス フォレッセンス」と店名を紹介されていたことに対しても、
きっとその方がお店の名前が覚えやすいから、気を利かしたのかもよ、なんて言ってくださって
なんだかいつもお客さんに励まされてるな、と痛感しました。

夜、テレビ番組(芸術に恋して)で、鎌倉の特集をやっていたので、見ました。
うちにも在庫がある「路地」の著者、三木卓氏が歩きながら鎌倉の街を案内してるシーンが印象に残りました。
「なんだか原節子がふと現れそうでしょう?」と言って、名所ではなく鎌倉の路地をひた歩き、
カメラもひたすら路地を追う。 真に鎌倉の路地を愛しているのだな、この人は・・
そんな表情すら、その風景を通して伝わってきました。 京都の路地も大好きだけど、なにかが違う気がした。
京都の路地は非日常。 鎌倉の路地は日常。 そんな気がする・・・
川端康成や渋澤龍彦の作品のモチーフの話、鎌倉文士の話、など興味深く見ました。
なによりゲストの人選がおもしろかった。高橋源一郎が新しい鎌倉文士だったとは・・知らなかった。
でもなにげにシンプルだけど上等そうなグレイがすごく似合っててちょっと色っぽいかもこの人、
って思ってしまった。いかんいかん、パチパチ(自分の頬を叩き正気にかえってる音)気をとりなおして・・
やっぱり私は、鎌倉文学館が一番好きです。サザンの「kAMAKURA」も好きだけど
まだ見ぬ「極楽寺坂」に憧れてます。歌詞に出てくるので・・・
そう、「山の音」で思い出したのですが、渋谷で川端康成の文學作品映画特集をやるらしいです。
ちょっと行ってみたい気がします。 ところで肝心な「ピカレスク」はちゃっかり前売券を購入済みです。
河村隆一の太宰ポストカードが特典でついてきました。欲しい人は新宿とうきゅうスクエアへ急げ!です。

2002年5月2日木 曜日
まず見苦しい配置になっていることご了承ください。パソコンが壊れたことは昨日ここで報告しましたが、やはり修理
に2、3週間かかるそうです。それで慣れないパソコン使ってる上、ますたーが不在なので、「ここどうするの?」と聞く
ことができないのでほとんど手探り状態。彼の帰京後、手直ししますので、お許しください。

今日は雑誌「東京人」の発売日。
本屋さんに行ってドキドキしながらページをめくると・・ありました。うちのお店。いきなり目次のところに小さく写真が
載っていてとても嬉しかったです。
本ページの方も、「フォス フォレッセンス」と少し文字間があったり、「古本屋」というより「喫茶店色」が多少濃くなって
いるようには思いましたが、東京人ぽく料理されていて悪くないな、と感じたしなにより写真が思ったとおりいいかんじ
でした。ガラス窓を通してとってあるので、風景がボヤーッと混ざっていて、
ここの空間の奥にはどんな世界があるんだろう?って思わせるような、「完成一歩前の永遠」みたいな印象を受けました。
店の写真、場所、連絡先、くらいしかのせず、あとはみなさんの気分で感じとってください、おのおのにまかせます。って
かんじに仕上がってました。
老舗のカフェ・ド・ランブルとボアにはさまれて、うちみたいな新参者が恐れおおい気もしますが、ういういしさに浮いてる
かんじがしないのは、家具も本も時を経たものをセレクトしたからでしょうか?
とにかく誌面デビューとしては大満足の写真です。
ヌマ伯父さん、ばななさん、野ばらちゃんの喫茶店対談と同じコーナーに載れたことも本当に嬉しいです。
あとは写真だけでなく実際お店に来てみても まだこのお店の奥には見えない世界が広がってる、また探しに来よう、
と思ってもらえるようなそんなお店になっていけたら・・と思います。

よく考えたら昨年の5月2日、札幌の羊が丘でふたりだけの結婚式をあげた日でした。
あまりに真っ青な空を見上げて思い出しました。
いい結婚式記念日のプレゼントをいただいたような、そんな気分です。

2002年5月1日 水曜日
トラブル発生です。
店のパソコンがなぜか突然動かなくなってしまいました。
今は家のパソコンでこれ書いてます。家の方はつなぎ放題ってわけにはいかないので
しばらくネット環境が不十分と思うと憂鬱です。
おまけにますたーがお姉さんの結婚式のため種子島へ行ってしまうので、
ネット関係のことはほとんど任せていたからダブルで不安な上、
携帯電話をトイレに落としてしまい(二度め)トリプルで悲劇のG・Wというかんじです。
どつぼにはまったような気分でしたが、いかんいかん、こういう時は風を変えなくては・・と思い
今日お休みだったので、約1年ぶりに洋服を買うことにしました。本格的に お店の準備をはじめよう、と思った時に
「買い物は、本と店に関連するもの以外一切やめる」と決心したのでした。
最近「ブレス」という音楽雑誌にハイドが載っていて、それがすごくかっこよかったのです。
その撮影に使われていた中目黒の「RIDING HIGH」というお店に行ってシャツを買いました。
スカーッとしました。そのあとフレッシュネスバーガーで休憩したら、自分の中で風が変わってきた
これでOK!って思えました。
そういうわけでG・Wはしばらくひとりでお店を営業します。
もしドアに「少しお待ちください」って紙が貼ってあったらトイレに行ってるのだな、と思って
待ってやってくださいね。(こうゆうこと普通HP上に書かないですよね。。)
しかし種子島まで鉄道で行くってんだからまったく・・・

2002年4月29日 月曜日
うちの店は比較的ひとりで来店され、ゆっくりとされるパターンが多いのですが、
休日になるとお友達とおしゃべりされるグループもよく来てくださいます。
ただ、ほんとにお店が狭いので、3人以上のお連れさんで来店された場合、
店内をちょっと見てみたいな、という方が同時に来店されたとしても
あまりの狭さに椅子をちょっと動かしてもらわないと移動できない、ほんとは
奥のコーナーも見てみたいけど今度でいいや、ってなるのではないかと思うのです。
もう少しお店が広いと解決するかもしれませんが、当分はこの店舗でやっていくので
その都度、お店にいる人が気を配りあっていくしかないようです。
せっかくお店に来たのに、充分に中を見れなかった、なんてことはなるべく避けたいので
私たちも「すいません、ちょっとだけ椅子をひいていただけますか?」とか声かけさせていただいたり
すると思うので、これからお店に来店される方、そのような状況の時はどうぞよろしくお願いします。
今日は卓球クラブ帰り?と思われる方が、立ち寄られ、卓球にまつわる話をとても楽しそうにされていたので
なんだか卓球がしたくなりました。スポーツをして汗を流した後、お茶しながらクラブのお友達とおしゃべり、
いいですね。私は昔、部活でバスケをやってたのですが、練習よりも遠征行った時、帰りに仲間と喫茶店とか
行く時間の方が好きでした。大阪方面のいろんな場所に行ったものです。
あの頃はただ話ししてるだけで、なんであんなに楽しかったんだろう、お腹をかかえて笑いまくる、なんて
ことばかりだった。まだ喫茶店初心者で、「コールミティー」って注文する時、少し緊張したことも憶えてます。
でも嫌いな数学や化学、物理などを勉強しなくちゃいけなかったり、毎朝早く起きなくちゃいけなかったり、
そんなこと考えると、今の方が幸せだ〜って思います。10代の頃のGWは何してたのでしょう・・
うちはGW中も5月1日の水曜日以外普通に営業してます。
わかりやすいようにトップページにも表示しておきますね。

2002年4月28日 日曜日
あれ?みんな天気もいいしピクニックとか行っちゃったのかな?
って思うほどひまな出だしだったのですが(ピクニックって具体的に何するのでしょう・・)
お知り合いの方が来てくださり少しホッとするもまたまたひま。というか人通りもうちの前は少ない
渋谷や新宿、吉祥寺にはすごい人があふれているというのに・・
ところが夜、本のまとめ買いのお客さんが来られ、かなり売上の良い日になってしまった。
「山尾悠子作品集成」が売れ、嬉しいけど娘を嫁に出した父親のような気分になる。
今宵は見知らぬ男の方のからわらで眠るのね・・みたいな
いやいや、本はまた新たにかわいがられ、旅立っていく、と考えよう。
しかしあまりかわいがってあげる時間がなかったまま、旅立たれると少し胸が痛む。
それがまた生娘なら尚のこと(なんのこっちゃですが要するに読破しきれてない本のこと)
愛するものがそこに存在することを当たり前と思わず、精一杯愛さねば・・なんて考えてしまう
こんなメランコリックな気分になるのも昨日の野ばらちゃんのせいでしょうか
新宿のABCはうら若き乙女でいっぱいになっていて、みんなの服装を見るだけでも充分楽しめました。
私の整理番号は167番だったのですが、サインしてもらう時、一番疲れてるのは野ばらちゃん本人だと思うのに
「すいませんね、おまたせしちゃって」って私の目をまっすぐ見て言ってくれた。
この人はちゃんと作品を定期的に届けてくれている。そしてサイン会をして読者と会う時間をつくってくれている、
それってすごい事だな、かっこいいな、と思うし、私もこの人の本はちゃんと読もう、って思った。
自分が好きな作家が生きていて、こうして会える、話せる、というのは本当に幸せなことなんだ、と何度も思う。
マイフェバリットNO1の作家とかではないけれど、なんか野ばらちゃんの「姿勢」が好きで、ずっと追いかけたいと思う人です。
では、これから自分のために紅茶を煎れて、「エミリー」を読もうと思います。
あ、その前に途中からだけど「シュリ」見ようかな

2002年4月28日 日曜日
昨日の日記にも書いてある通り、店主が新宿まで野ばらちゃんのサイン会に出かけてしまったので本日は
ワタクシ(ますたー)が書かせていただきます。
日付は変わっちゃってますが、土曜日の日記っつーことで。。

普段は二人でお店に居るもんで買い出しとか休憩とかちょっとした用事がある時には結構気軽に出かけられる
のですが一人でお店に居ると中々そーゆー訳にもいかず、トイレに行くのも一苦労になってしまいます。
今日はまさにそんな日で、特に忙しくはなかったものの(いやそれはそれでまずいんだけど)お客さんの流れが
あまり途切れる事無く続き、途中で何度かヒヤリとする場面もあったりして^^;

何気に一人でやってる時の方が売上がいいってーのも困った話ですねえ。。

(by ますたー)

2002年4月26日 金曜日
先日の日記に書いてあった「羽衣ジャスミン」見に行ってきました。
というか、正直お客さんに場所を教えてもらっていたのにすっかり忘れてたのですが(ごめんなさい)
その花の前を通ったとき、あまりにもいい匂いがしたので気がついたのです。
あ、そういえば・・ってかんじで。 こんなにもいい匂いを放つ花が、なぜあまり知られてないのだろう、
と思いましたが「花なんてひかえめさが良いのさ」というそのお客さんの声が聞こえてくるようでした。
この花の木を植えた人は、かなりセンスのある人だと思います。バス亭で待つ人たちを楽しませよう
とかそこまではないとしても・・。
うちの店に、三鷹市役所前のバス亭から吉祥寺駅ゆきのバスに乗って帰られる予定のある方、
バス亭のすぐそばのいい匂いを、どうぞ堪能してください。
今日、お店に来られたお客さんが寺山修司の本をみつけられ、
「寺山修司は、サインをよくしてくれる人だった。 でもそのサイン本、友達にあげちゃったわ」ですって。
ああ、もったい。 そういえば力石徹の33回忌がどうこうという記事を最近見た気がします。
たしか寺山修司が力石徹のお葬式をやったんですよね。 おもしろいこと考えますね
「あしたのジョー」は全巻読破してますのでとても興味があります。
サインといえば、明日は野ばらちゃんのサイン会に行くので、お店の方、ちょっと途中退室(っていうのかな?)します。
新宿なので、中央特快に乗れたらそんなに時間はかからないと思うのですが・・
少しの間ますたー独りでよろしくです。

2002年4月25日 木曜日
お昼までいいかんじで忙しかったのですが、雨が降ってから一気に暇になりました。
ひとりでお店でゆったりと時間を過ごしたい方、雨の日の昼下がりおすすめです。
今日は、テレビを見ている方も多かったのかも・・・。
本の最後のところに、本の感想とかおすすめの言葉を書いたメモを時々はさんでる、
というのは前に一度書いたと思うけれど、今日「グレート・ギャツビー」をお買い上げのお客さんが
「メモは、お店の本全部に書かれているのですか?」と聞かれ、全部ではないのですが、
ちょこちょこ増やしていってます、みたいなことを告げると
「私もここに書いてあることと同じこと思いました」って言ってくださいました。
とても嬉しかったのですが、はたして私はグレートギャツビーに、どんな感想メモしたためていたのでしょう
思い出せないけど、多分村上春樹がらみかな? 村上春樹の小説に登場する小道具の小説を、ついつい
読んでみたくなる、っていう・・そういえば「魔の山」は買っただけで読んでない・・
そういう意味でも、先日「ホリーガーデン」と「尾形亀之助詩集」を一緒に買ってくださったときは嬉しかった。
「この2冊は、一緒に読んでいただくことをおすすめします。」みたいなことをPOPにしていたので、
そういう本が売れると喜びにつながります。ただ、あまり本を読む前から押し付けがましくない程度に、という
ことを心がけなくては・・と思います。
でもひとつ言えることは、変わってる店だな、と思って欲しい(いい意味で)ので、変わったこと、
ユーモアのあることはたくさん取り入れていきたいですね。考えるのは楽しいですし、
いつまでもやわらかアタマでいたいものですね。

2002年4月23日 火曜日
今日はサンジョルディの日、愛する人に本や花を贈る日ですね。
うちもなにかパーッとイベントがらみなことができれば良いのですが、余裕もなくトホホ・・
ですが、ささやかでもいいからなにかはしたい、と考えてましたので実行しました。
「子供の本の日」でもあったので、お店のガラス面陳のコーナーを絵本一色に統一してみました。
「本日の一冊」には、サッジョルディの日であることのPOPと、「本屋さんとの出会い」という本を
立てかけました。ちなみに昨年、書店員時代のこの日は、バラの花を1本だけ棚に飾りました。
「きらきらひかる」だったかな?江國香織の小説で、七夕には七夕らしい風習のことをする、
(なにかを食べる、だったかも)ちゃんと実行するのが好き、みたいな文章があったと思います。
日本人として四季折々の風を感じる、例えばみなづきを食べる、という日にはちゃんと和菓子屋さんへ行ってみる、
とか私もとてもいいと思います。
サンジョルディの場合は、もともとスペインのならわしだったかな? セルバンテスの誕生日でもあるのですよね
全世界、とまではいかないとしてもこの地球のたくさんの場所で、好きな人へのプレゼントにする本を選ぶ人たちが
本屋さんにたくさんいる日、ってなんかいいですね。 棚冥利につきる1日でもあるのかも?
面陳の効果あってか、「ここに飾ってある本は、売ってらっしゃいますか?」とお店に入ってこられてそのまま本購入、
ってケースが2件もありました。 とっても嬉しかったです。
来年のサンジョルディのこと、もう考えはじめよう・・
なんか紅白終わった後の小林幸子のような気分です(謎)

2002年4月22日 月曜日
芥川龍之介の「蜜柑」という短編をご存知ですか?
今日、お客さんとその短編の話になったのですが、ふたりともハッキリとは憶えてないのだけど
なんて流れるような文章なんだろう、と感動したことは同じでした。
さっそく読み返してみたくなりました。
私の場合、この短編との出会いは、たしか横浜の文学館。山下公園の近くに文学館があって
5,6年前に立ち寄ったことがあるのです。たしか書店の社員になりはじめの頃、研修かなにかで
東京に来たついでに横浜まで足を延ばし訪れたような気がします。
まだ入社したてで、ものすごく仕事がしんどくて、重ーい気持ちだったこと、かすかに憶えてます。
そんなローテンションの時でも、「文学館」を前にしたら素通りできずに入ったんだと思うのですが、
そこに文学作品をビデオで見るコーナーがあったように思います。それで「蜜柑」に出会ったわけですが
涙がとまらなくなったのです。精神的に弱いモードになってるときって、涙を流すきっかけがあると
一気に泉のように泣けるときがありますよね、あんなかんじでした。 でもそのあとすごくすっきりしたことも
憶えてます。 汽車の中から蜜柑を投げるシーン、忘れられません。 もう一度読んでみようと思います。
平日の雨の日などに、東京の文学館めぐりもしてみたいです。

先日、絵本を探してらしたお客さんが、「おかげさまでいい本が手に入りました」とお菓子をわざわざ手持ちで
来ていただけました。 嬉しかったです。私もまた三鷹台まで絵本を見にいきたくなりました。
復刊じゃない、「カロリーヌシリーズ」の本が欲しいのです。子供の頃に見たままのカロリーヌ
いつか手に入れたいです。

2002年4月21日 日曜日
雨ふりだったので、いつも日曜日夫婦で来店される方も見えず
ゆっくりとした一日でした。
今日は少し冒険?をしました。
私がハイドさんにお熱だということは何度か日記にも書いてますが
ハイドさんのファンサイトHydeistに、「おすすめのお店マップ」という新コーナーができていたので
店主みずから登録してみたのですが、こうゆうの緊張するたちでなぜか二重投稿になってしまいアセりました。
おまけに肝心なお店の名前を入れるのを忘れていました。だっせーってかんじですよね。
こういうところホント不器用なのです。とりあえず二重投稿の謝りと、ダブリ分削除願いメール出しましたが
申し訳ないですよね。私のようなとろい人って、逆の立場だったら「たのむよー」ってなると思う
しばらく落ち込みました。 いや、こういう投稿がダブったとかそういう小さいこと気にする人間なんですよ
AB型だし。 出世しない典型みたいなタイプです。あ、だから自営業したのね←(自分で納得。)
でも、とてもいいことがありました。さすがインターネット、反応早いです。
それを見た方がお店に来てくださいました。他のお客さんがおられたので、話しかけなかったのですが
「・・・ラルクアンシエル」という本を読みながらコーヒーを飲まれてたので「もしや?」と思ってました。
最後お会計の時、おもいきって尋ねてみるとサイトを見て来てくださったようです。こんな雨の中・・
嬉しいですね。と同時にもしラルク本がいっぱいあるのでは?と期待して来ていただいてたら申し訳ないな、と思いました。
太宰本ならたくさんあるんですけどね・・。
いやいや、しかしなにかの間違いでもいいからハイド本人がいつか来てくれないかな、と夢のようなことを考えてる人の数⇒(1)
まあ店を長く続けていくにあたって夢くらい見ててもバチは当たらないだろう、と・・・
インタビューかなにかで、ハイドが「1年に1度くらい今日って日にオープンカーの幌を開けて走るのがいい」
みたいなことを言ってた気がするけど、是非三鷹通りを走ってほしい。で、うちの店にフラッと寄ってほしいな、と。
あ、でもうち駐車場ないんだった(ダメじゃーん)
ま、夢は大きく、ってことでそろそろ今日もレジ清算しましょう

2002年4月20日 土曜日
バタバタと忙しい一日でした。
友達と、そのお子様(すごくかわいい!)が来てくれました。
女の子っていいですね。その女の子は、ほんとにすくすく育ってるかんじがします。
すごく元気だし。かわいくて元気な女の子に「バイバイ」といっぱい手をふってもらうと
思わず顔がほころびますね。
そうそう、今日は大家さんに怒られもしました。自転車で来店してくださるお客さまのために
「お店の前に置いて下さい」と入り口に貼ってある紙はちょっと小さくて目に入らない方が多いようですね
大家さんの入り口のドアのまん前に自転車が置かれてたみたいで、「もっと気を配らないと・・」ってガツンと
明日、もうちょっと大きな表示の紙を入り口に貼ろうと思います。
かえってお客さんが申し訳なさそうにされてて、悪いことしてしまいました。
いろんなことに気を配れてこそ、お店は成り立っていけるものですもんね
営業日記を見ていただいてる方で、自転車でうちの店にこようと思っておられる方は、
お店のガラス窓正面側にお願いしますね。
お店をやっていく上で、こんな小さなささやかなことがけっこう大切なんだと実感しています。
まあこれは書店員時代から同じなのですけどね
ご近所さんとも揉め事とかないように気を配らなくちゃいけないし。
逆にお客さんからいろんな話聞くんですが、??ってこともあります。
「ここ、買ったんだってねえ」とか「この上に住んでるそうだね」とかいろいろ・・
根も葉もない噂っていったいどこからくるのでしょうね。。しかしおもしろい
世間勉強ですね。

2002年4月19日 金曜日
今日は暇なのか暇じゃないのかイマイチわかんない妙な一日でした。
郵便局と銀行への往復、店に戻ってからは本の買取り。
で、夕方からはT−G戦と。。(笑)
しっかし、阪神、打てませんなあ・・。

現在慢性的な小銭不足状態が続いております。。
byますたー

2002年4月18日 木曜日
「紅かなめ」「羽衣ジャスミン」って知ってますか?
どちらも花の名前なのですが、今日お客さんから教えてもらいました。
うちの店の前の道路のむこう側に、季節はずれの紅葉のように紅いはっぱが
規則正しく並んでいるのですが、それが「紅かなめ」というのだそうです。 三鷹一中のグランドを囲んでいます。
その中学校のチャイムを毎日聞いています。キンコンカンコーン♪ってやつ。
夕方以降は、テニスの掛け声も聞こえてきます。時折、好きな子を見るため?なのか
紅かなめのすきまからそーっとグランドを見つめる生徒もいます。 昔の自分を見るよう?
ちなみに中学の3年間思い続けてた子は陸上部(途中退部してたような・・)高校はラグビー部
(途中ギターを本格的にするため退部、3年で再入部)どっちにせよ、3年間ずっとひとりの人を
思い続けるような女の子でした。 グランドを囲う植物って、何年もそんな一途な子たちの見方だったの
でしょうね、でもあの頃の私は恋する気持ちに夢中で、その植物の名など気にもかけてなかった。
罪ほろぼし?の意もこめて、お店のむこうにある紅かなめをずっと見守っていこうと思います。
「羽衣ジャスミン」は、市役所前のバス亭近くの民家に咲いてるそうで、朝、とてもいい匂いがするよ、と
教えていただきました。が、なぜ朝しかいい匂いしないのでしょうね、謎です。私、朝ダメ人間丸出しなのに・・
でも「羽衣ジャスミン」ていい名前ですね。
ジャスミンといえば、「午後の紅茶ジャスミンミルクティー」好きです。
味といい、パッケージの青と白の清潔感といい・・
今日はとてもいいかんじで時間が流れました。うちを愛してくださる方が少しづつ増えていってるって
これ以上の幸せはないな、というカタチの見えないものが少し見えたような気がした日でした。
そう、月光仮面さんも来店されたし・・超うれしい!
やっぱり自動ドアを入ってこられた瞬間、「キャー」って気持ちが高鳴るようなこともないと、ね。
いや、毎日思ってるんですけどね、予期せぬ「キャー」はまた格別なのです。

2002年4月16日 火曜日
今日は一瞬うちの店が芸術家サロンみたいなかんじになりました。
奥の喫煙スペースではミュージシャンの卵くん。反対側にはイラストレーターさん、デザイナーさん、
物書きさん、(みたいなかんじのおじいさん)
ちょっとの間でしたが芸術話に花が咲き、いいかんじでした。
お店をしていてなにが喜びかっていうと、こうした広がりをもっていくことですね。

うちのショップカードを手に、「北欧神話とかをモチーフにした洋書を探してるです・・」
とお店に飛び込んでこられたとき、まさにそのカードをデザインしてくださった方が来店していたのも
偶然だったし、あいにくうちには洋書はあまりないのですが、三鷹台の絵本古本屋B−RABITTSさんは
洋書もたくさんあるので紹介することができました。その人が本当に探してる本に巡り合うことが一番なので
良い本とのめぐりあいがあることを願いたいです。
そのお客さんがどちらでうちのショップカードをもらったのか気になって尋ねてみると、
うちが珈琲豆を仕入れているはちや珈琲さんで、ということでした。
私が物件探しをしてたときにふとめぐりあった、夫婦で経営してらっしゃる珈琲豆やさんで、
スペシャルティー(国連珈琲豆)への情熱を感じてこちらで仕入れさせていただいてます。
下連雀4丁目仲町通りにあります。くわしくは当店レジ付近のパンフレットをお取りくださいね。

今日は「人形の国のアリス」が買えそうです。
これ、近くのコンビニにあるのですが、私の場合お初が「ハートの女王」いきなり強烈なキャラクターで
びっくりなのですが、なんかかわいくなってきました。今日は「アリス」お目見えを目指します。

2002年4月15日 月曜日
昨日、今日と続けて「お客さんの紹介」みたいなかんじであらたなお客さんが来てくださいました。
嬉しいですね〜。 ひとりめのお客さんは、お店に入ってくるなり一枚の紙を差し出され、見てみると
「推薦状」って書いてあった。 うちの常連さんで、すごくエスプリのきいたおじいさまがいらっしゃるのですが
そのおじいさまの手書き推薦状でした。 そのあらたなお客さんもうちのリアル掲示板みたいなノートに
そのおじいさまへのメッセージを残されてました。
ふたりめのお客さんも、少しお話すると好きなものがいつくかリンクしてました。
うちを見つけてくださる方って「ここの棚って自分の棚とよく似てる」って言われる人多いんですよね
逆に言うと買う本はもうない=商売的には良くないかもしれないけど、すごく嬉しいです。
今日の方も、野ばらちゃんとか川上弘美が好き、って言われてたし かなりかぶってますね、私と。
あと最近「池澤夏樹が好きなんです」っていう女性がよくうちに来ます。
池澤夏樹はうちには何冊かあるけど未読なのが多いので、今度読んでみよう。
綿矢りさの「インストール」を読んだらどうしてもコーラが飲みたくなって、今ますたーに買いにいってもらってます。
「喉の奥で爽快にはじける甘い炭酸」(文中より)
コーラって、ポテチにめちゃあいません? なんでもいいから「マヨ」がつくやつよろしく、と言ってたら電話がかかってきて
「テリマヨ」と「しょうゆマヨ」どっちや?って聞かれました。すごく迷ったのですが
「テリマヨ」は新製品と書いてある、とのことでそちらにしました。
古いものへばかり愛情を注いでる日々なので、ポテチくらい新しい方にしようか、と・・・。
今日は売上が悪いので「人形の国のアリス」は我慢します。 明日は買えますように


2002年4月14日 日曜日
お昼はなんだか忙しかったのですが、夕方からガラッとひまになったので
久々にラジオをつけてみました。
するとゆーみんの低い声が流れてきてとってもなつかしくなりました。
30年以上、(ほんとはもっと)生きてると自分の歴史の中にもいろんな日曜日があった、と
回想できるものです。 ある時期の私の日曜日がふと蘇りました。
嵯峨駅近くの風呂なしアパートに下宿していたころの日曜の過ごし方、
洗濯をして、アタック25見て、嵐山散歩して、お気に入りの喫茶店へ行って、16時、銭湯が開くと同時に
1番風呂につかりにいく。 あとから聞いた話によると1番風呂はばあさまの天国、と決まってるので
若い女性ひとり堂々といてよく袋にされなかったね、って。「袋」ってギンギン族じゃあるまいし(笑)
京都のばあさま、大阪のおばはん、には気をつけろ、ってよく聞きますけどね・・・
で、話戻っていい気分になってアパートの小部屋にかえってラジオで「松任谷由実のサウンドアドヴェンチャー」
を聞く、っていうのが習慣だったのですよ。 すごくベタだけどゆーみんとサザンが私の青春でしたんで・・
あの低い声、いいですね。自分がどちらかというと高い声なので、憧れてしまいます。
「さまよいの果て波はよせる」がかかった時は、いや、ふいうちでしたねー。中学の時に一瞬戻りました。
ラジオって「ふいうち」があるからおもしろいな、と。
昔は「ぬかるみの世界」とか聞いてたクチなんですけどね、って知らないか
ところで昨日「心意気」について書きましたが、アラシが歌にしてたのですね 偶然でした。

今日の昼は、カップルとかうちの店で気持ちよく読書デートされてたので
いいかんじでした。素敵な日曜日をいろんな方にうちで過ごしていってほしいです。

2002年4月13日 土曜日
心意気、って言葉あまり縁なかったのですが、最近お客さんに
「図書館のすぐそばにこういうお店をやる、っていう心意気が気に入ったわ」
と言われました。 図書館のすぐ傍だと本好きな人が見つけてくれる確率も高いし
実際そうなのですが、逆に言うと図書館に行けばタダで本が借りられるんだから
わざわざ本をここで買おうとは思わない、って見方もできますよね。
なるほど、言われてみて気がついた・・・。 お客さんで図書館関係の人もいるのですが
ここのお店の本の並べ方って書店の並べ方と全然違う、と噂になってたりするそうです。
(いい意味で、といったニュアンスでした)たしかに十進法とかまったく無視した配置ですね
せっかく「自分の店」なんだしそのくらいは遊びがないと・・と思うのですがいつも
「いいのかな?」と思考錯誤繰り返してます。
心意気が気に入った、と思ってくださったということは、このお店の少しとんがった部分を
感じてくださったということで、いい意味で受け止めようと思います。
柔らかな空間9対少しとんがってる空間1、これくらいのバランスでちょうどいいかな?って思ってます。
心意気。 なかなかいい誉め言葉に思えてきました。
明日も頑張ります。

2002年4月12日 金曜日
今日はハナキン(死語)です。
でもヒマです。
んー、何故かはわかんないですが、毎週火曜と金曜は、お客さん少ないです。
店主には「阪神が勝ってるから暇なんだ」と言われてしまいました。(おぼえてへんby店主追記)
んなアホな・・。でも、よくよく考えてみれば先週唯一負けた日は確かにそれなりにお客さんが来てたなあ・・。
いや、そりゃ日曜だったからなんだろうけど(そう思いたい^^;)。
ま、とにかくそんな訳で週末は、ケーキもちゃあんと焼いてバッチリ儲けましょう。
Come on! お客さんっ。

byますたー

2002年4月11日 木曜日
昨日、銀座に天使を見に行ってきました。
お客さんから、銀座の和光の通りにある天使の像の話をおととい聞いたのですが、
なんだか気になってその天使に会いにいったのです。
いました。愛らしい天使が。人目も気にせずその天使の羽をなでて、
そのあとすぐそばに宝くじ売り場があったのでピンときて、くじを一枚だけ買いました。
これで当選日まで、少なくともひとつは楽しみができた、とニタニタしながら銀座の通りを歩きました。
少し時間があったので、ダージリンファーストフラッシュが無償に飲みたくなりマリアージュフレージュ
銀座本店に駆け込みました。「フランス式紅茶芸術」って本がでてくるのがいいですね。
「お茶は詩人にインスピレーションを与える」とかいろいろ書いてあります。
そしたら今日、偶然にもお客さんからマリアージュフレージュのチョコの差し入れをいただきました。
紅茶の匂いが漂うチョコで、大変おいしく味わいました。ところがおすそわけした男性2名には
こういう高級チョコはいまいちのようでした。1晩だけならいいけど毎日はちょっとね、なんて意味深な
会話もとびだしたり(笑)やはり「炊きたてのご飯の匂い」には勝てんのかー(ひとりごと・・)
昨日はずっと行きたかった神保町の「美術倶楽部ひぐらし」にも行きました。
あまりに素敵な空間に、思わず眩暈をおぼえました。本を買って2階の喫茶店で珈琲を飲んで
至福の時間でした。 うちの店は通りに面してるけれど、こんな路地裏の店、っていうのもいいなと感じました。
「神保町の怪しい画廊」ってすごくいい文句だと思う。うちも「三鷹の怪しい古本屋」って言われるよう頑張ろう
新刊書店ものぞきましたが、三省堂書店の「自殺の文学史」っていうフェアは書店員さんの意気込みを感じました。
すごく飾りつけが凝ってます。レイナルドアレナスの知らない本があってちょっと発見。
深夜、「書店消失」ってテレビやってたけど、眠気に勝てずちゃんと見れなかった。
工夫をしなくちゃいけない時代、と思う。そしてそれをちゃんと気づいてもらえるようにしなくては、と思う。
努力するだけでは、これからは生き残れないでしょう。 さあ、フォスフォレッセンスの場合はどうでしょう
私が一番楽しみだったりします。

2002年4月9日 火曜日
アクセサリーはほとんど身につけないし、さほど興味もないのですが、
今日、お客さんがとても素敵な指輪をしていたのでみとれていると
わざわざはずしてじっくりと見せてくださいました。
アンティークもので、指輪の説明をしてくださったのですが、ちょっといっぺんに思い出せません
ただヨーロッパの貴族がはめていた指輪、というのは確かだそうです。
昨日の花の話じゃないけど、派手さはないけれども見た瞬間ハッとなるような、心臓がドキッと反応するような
白い、深みのある光を放ってました。 その指輪をはめていたお客さんはかなりの読書家で、話していても
知的で品のいい人だな、といつも思ってるのですが、その指輪は本当によくお似合いでした。
その指輪も、そういう日本の女性に大切にされて幸せな指輪だと思います。
アンティークっていいですね。 また古いものへの愛着が湧きました。
先日テレビで金子國義も言ってましたけど「古いものの中に新しいものがある、それをみつけていく」って。
しばらくはていねいにその作業を繰り返していくことになりそうです。

2002年4月8日 月曜日
今日は花まつり、でしたよね。なので花にまつわる本などを「本日の1冊」コーナーに面陳してみました。
壷井栄の「私の花物語」などを・・。 今日の新聞のコラムで、桜を引き立てるように新芽をなびかせていた
柳が美しかった、という記事が目に止まりました。そういうのに気付ける人、いいですね。
4月8日というと始業式ですけど、私はどっちかというと「桜」ばかり目がいって(ようするにめんくいということです)
しまう女の子でした。で、「あの男の子がいいかんじなのよ」ってネタにしてばらしていくタイプ。
クラス中で私が誰を好きか知らない子はいない状態にしちゃうのです。
で、10ケ月くらいジワジワ〜と長期戦でいってバレンタインにチョコあげてやっと正式に告白すると、
「好きな子が他にいるから」ってふられるのです。で、その「好きな子」というのは、私みたいなうるさいタイプでなく
清楚可憐なハナミズキのような女の子だったりするのでした。
おとなしいけど趣味のいい子で、その子の魅力をちゃんとみつけてた私をふった男の子を見直したりして・・。
その後、私も学習するべきなのにダメなんですよ。 とりあえず気になる人ができた時点で黙っていられなくて
まわりにしゃべりまくる。失敗のもととわかっていても顔に出るし、誰かに話したくて手とか震えてきちゃう(ヘン!)
今の主人ですか? とりあえず自分がファンクラブ設立し会長やりました(爆)って会員2名くらいでしたけどね
こういう話を日記に書く、というのはそうです。今日はとてもお店がヒマでなかなかネタがないということです。
花まつりということで今から桜色のあんぱんを食べます。ではまた明日

2002年4月7日 日曜日
トーネットの曲木椅子ってご存知ですか
私は知らなかったのですが、うちにある古道具屋さんで買った椅子がそのカタチのようです。
今日詳しい方にいろいろ教えていただきました。
なにげにかわいいから、そして安いから、という理由で購入した椅子なのですが、
見る目を持った人には良さがわかるようです。
「椅子」って座りごこち重視だと思うのですが、プラスデザインもよければ言うことなしですね。
新品もいいけどうちでは主に中古を使用してます。(というか新品は買えない)
この椅子、前にはどんなところにあってどんな人が座っててどんな思いをここで巡らせてたのだろう
なんて考えると古いものへの愛着が湧いてきます。古本と同じですね。

昨夜はNHKの番組で私が愛してやまないhydeさんが神保町を歩いてる場面が映しだされ
感動しました。とらやの羊羹の紙袋をしょって歩く金髪少年のようなシルエットは不思議と
神保町に似合ってました。うちの店にも身ひとつでいいので来てくれないかしら
歓迎のしるしにこうもりデザインのブックカバーでもますたーに作らせましょうかねえ
あの人そういうの喜んで作りそうです。マジで・・
いや、三鷹通りはちょっと似合わないか・・というか来たらとりあえず誘拐する(笑)
なんて、冗談です。ああ、少し取り乱してしまいました。失礼。
といいつつ「OPEN]の札をさっと「CLOSE]にする予行演習に余念がない私であった。

2002年4月6日 土曜日
夫婦っぽくない、と時々言われます。
閉店間際にとっても可愛い学生さんと少しお話したのですが
「このまえ来たあと、しばらくあの二人は夫婦かどうか話題にしてたんですよ」って
私たちも、先日そのお客さんが来た時に「たぶん東京でてきたばかりの大学1年生でしょう
すごくフレッシュだもの」って言ってたのですが、どうやらもっと年上だったようです。
答えがわかってしまうまでの、思いをめぐらせてるときはおもしろいですね。
でも恋愛と同じで、知ってからどう展開してくか、が真の醍醐味なのでしょう
とにかく夫婦っぽく見えなかったというのは、生活感丸見えではなかったということで由としよう
そのあといろいろ文学の話とか三鷹の話とか盛り上がったのですが、
若くてかわいい女の子っていいですね。瞳がキラキラしてる。
話すだけでその人のパワーに触れ、元気になっていくことってありますよね。
一番最近の例では、三鷹台の絵本専門古本屋「B/RABBITS]の熊谷さんとお話したときに
感じました。こちらも女性店主で、開店前からいろいろ教えていただいたり、ショップカードを
置いていただいたり、なにかと頼りになる方なのですがほんとにパワフル。
ここのお店の絵本の品揃えはとてもいいし、ディスプレイも凝ってるのでじっくり見てまわりたいの
ですが、もうそのすきもないほど熊谷さんしゃべるしゃべる・・・(笑)
絵本好きな人は一度行ってみてください。三鷹台駅のすぐそばです。

今日は大好物、俵屋の飴ん子(しろ)があるのでごきげんです。(ありがとうございます。)
金沢にもまた行ってみたいし、金沢美人に会いたい気分なのです。

2002年4月5日 金曜日
4月に入ったらなんとか忙しくなってきました。
といっても相変わらず夜はヒマですけどね。
今日、お客さんからお花をいただいて、すぐ小さな花瓶に入れたんですけど
今見たらしおれちゃってました。 
花、というと開店祝いで花束とかはたくさんいただいてそれはとても嬉しかったのですが
今日みたいに、きれいだったからちょっと1本持ってきました、みたいな感覚で
くださったのに枯らしてしまい、ほんと申し訳ないです。
お客さんの日常の中でふと花に出会ったとき、うちの店を思い出してくれたことが
とても嬉しいのに・・ほんと私は生まれつきの茶色のゆびの持ち主です。
そのお客さんは、お店のチラシみたいなものも「これよかったら、」って作ってきてくださいました。
今、店の扉に貼ってるのは私の汚い字のやつなので、コピーしてはりかえようかと思います。
こういう文化を感じる店は応援したいので頑張ってください、みたいなことを言われて帰られましたが
応援してくれる人がいる、ってほんと支えになります。
先日買った桜桃の苗木だけは実がなるまで育てたい。
桃栗3年柿8年というけれど、3年後には甘いさくらんぼが食べられるように・・

2002年4月2日 火曜日
店の棚にある1冊1冊の本、とくに作家別あいうえお順で統一しているわけでもなく、
ジャンル別でしっかり分けられているわけでもなく、並べられている。
探してる人のためにもある程度のわかりやすさは必要だけど、挿絵が同じ人だからとか
その小説の中に出てくる詩集だからとか、そんな基準で本を並べている。
今日、ふと入ってこられたお客さん、席につくなり大きなためいきをつかれて
「色川さんのこと、思い出したわ」と言われ、棚にあった「狂人日記」をしずかに見つめてらした。
昔色川武大や吉行淳之介と親交があったとのこと。
麻雀放浪記の話にもなって、麻雀博物館のことを教えてくださった。
私はその博物館は行ったことないのだけど、あの竹書房の社長さんが建てたとか・・
お話によると、写真集やマンガなどで得た収入で建てたらしい
竹書房はヌード写真集等の印象が強かったけど、その一方で文化に貢献もされてる
そんな話をいろいろ聞いたあと、「ごめんなさいね、こんな年寄りの話を聞かせてしまって
でも狂人日記があって良かったわ」と言って帰られました。
こちらこそ良いお話を聞けて、とお礼を言いましたが、なにより棚の中にある「狂人日記」に
礼を言わなければ、ですね。 お話によるとそのお客さんは何回かこの店の前を通って
気になってたそうなのですが、入る勇気がなかったそうなのです。でも「狂人日記」が
見えて呼ばれるように入ってこられたらしいのです。1冊の本が人を導くのですね。
本は決して「棚に眠っている」のでなく、しっかとそこに立っているものなのですね、
人から人へいろんな思いがつまっているこの「本」という生き物ととことんつきあえるよう、
担い手としても成長していかなければ、そんなことを感じました。
まずはおばあちゃんにも入りやすい雰囲気にしないとね。
いろいろ考えてみます。

2002年4月1日 月曜日
今日から4月
昨夜の春雷が嘘のような快晴
春は春でもあたらしい季節のはじまりのような気分に包まれてますね。
新入社員風のお客さんも来店され、本とお茶でゆっくりされてました。
そのしわひとつないスーツの背中から新しい環境の匂いを感じました。
緊張することが多いだろうけど、しばしホッとくつろいでもらえたら、と思います。
この時期になると松たか子主演、岩井俊二監督の「四月物語」をまた見たくなります。
田辺誠一がアルバイトしてた本屋、松たか子が「武蔵野」というひびきにひかれ
実際にその地に住む(だったと思う)など私としてははずせないキーワードにあふれた映画
なのですが、はじまりから終わりまで一定の温度で流れていてそれがとても心地良い。
「雨」の使い方もとても印象的です。
本屋も、たしか大手チェーンとかじゃなくて町にある本屋を舞台にしていたと思う
町の本屋、最近行きましたか?
三鷹駅近くにも小さな個人本屋(新刊)があります。応援したいのですが
そういえば最近そこの近くの喫茶店が閉店してしまいました。
歴史も長くコーヒーがおいしいお店だったので、とても残念です。
最後の日、コーヒーを飲みにいきました。ドリップされる店主らしき方の姿を
しっかりと目に焼き付けました。
厳しい時代だけど私たち若い世代の個人商店も頑張らなくちゃ、と気合が入りました。

inserted by FC2 system