営業日記。

2003年10月31日 金曜日
時々、はじめてこの店で顔を合わすお客さん同士で、会話が盛り上がっていたりするのを
見るのが好き。今日はそんなことがあった上、最近気になっていたことの点と点が結びつき
線になる、といういいこともあった。
つい先日、吉行淳之介の「アフォリズム 男と女をめぐる断章」という文庫本が売れたのですが、
この本の表紙、挿絵を書いている米倉斉加年(よねくらまさかね)が気になっていた。
今までも、「ドクラマグラ」の表紙をはじめ、「多毛留」、野坂昭如版「マッチ売りの少女」、などのイラストに
心惹かれてはいたのですが、縁があったらじっくりと見ることができるだろう、程度の意識だった。
「アフォリズム〜」が入荷した時、お店がヒマな時にじっくりと見よう、と思っていたら入荷した
次の日くらいに売れてしまったので、ますます気になり度アップしていたら今日、
お客さん同士の会話の中で、「与謝野鉄幹役をやったヨネクラマサカネが好きで、」って言われていて
なんとなく気になって「ヨネクラマサカネ?」って聞き返したんです。突然割り込んで悪かったですが・・
俳優でもあり、絵師でもある人で・・・と説明してくださったんですが、あとでよく考えてみると
ズバリ、ここ数日気になっていた「米倉斉加年」のことだったんですね。小林多喜二役なんかもされていたようです。
絵だけでなく、演技されてる姿も見てみたいので、またTSUTAYAにでも行ってみます。
さすがに「米倉斉加年コーナー」はないだろうと思うので、地道に作品を探していこうと思います。
私の今の気分の「理想のレンタルビデオショップ」は、まず北村一輝コーナーが一番わかりやすい所にあって
「筒井道隆コーナー」がさりげない所にある。あ、ミッチーといえば最近及川ミッチーもドラマの影響で好きになった。
成宮寛貴そっくりなアルバイト君と、手塚トオルそっくりの店長(店長はマニアックな方が好感が持てる)がいる。
「きれいな男の子は好きですか」コーナーがある。そこに中川勝彦や本田恭章ものが混じっていればもう
コーナーの前でむせび泣いてしまうだろう・・・ 鈴木清順の大正浪漫三部作がそろっている、
「恋人よ」のリクエストコーナーの返事には「ソフト化されていません。+ひとことがある」、で、HYDEが深夜おしのびで来る、
ああ、こんなお店ないかしら、とすごい妄想ですが、今日はハロウィーンなのでちょっとはしゃぐのも有り、ってことで。

2003年10月30日 木曜日
今日は地元のケーブルテレビの取材がありました。
「読書の秋」ということでお話がきたのですが、なんともう明日から放送されます。
武蔵野三鷹ケーブルテレビが見れる方、良かったらチェックしてみてください。
お化粧のため早起き、はやはりならずまたおでこテカテカかもしれませんが。
番組名「Parkcity News(パークシティーニュース」
放送日時  10/31(金)から11/4(火)まで28回放送あり(28回ですよ!すげえ)
チャンネル ケーブルテレビ5ch (一部地域は2ch)

都内でまた素敵なオアシスを見つけました。
昨日、下北沢の洋食屋さんで友人と晩御飯を食べたのですが、
待ち合わせではじめてシネマ下北沢のカフェに行きました。そこのテラスがすっごくいい!
映画美術スタッフさんの手作り、というだけあって映画のワンシーンに出てきそうな雰囲気。
昨夜はたまたま暖かかったし、極上の三日月が見れたし、なんともいえないいい気分で過ごせました。
洋食屋ではクリームコロッケを食べたのですが、なんか懐かしい味がした。
最後、お勘定を済ませて帰る時、お店の方に「靴べらはいりませんでしょうか」と言われてちょっと感動。
ほんとにまっとうな洋食屋さん、ってかんじで、今や若者の斬新なおしゃれな店がひしめく下北沢で
こういう店がしっかと根を生やしてることを嬉しく思った。もちろん個性的な店を巡るのも大好きで
ちょっとした飾り付けとか手作りの可愛い値札シール、均一コーナーの工夫とかすっごい勉強になるんだけど
イヴェント盛りだくさんの店、とかよりお腹がすいたからその店に行って、いつもと変わらないおいしいサクサクした
チーズ入りのクリームコロッケが食べられる、その日常さがすごく大切、って思う。
ただそこに存在し、いつもと変わらない応対をし続けることの静かなすごさ、みたいなもの?そこを目指したいな、私も。

この日、友人と話題になったことが今日もお客さんと盛り上がる。
そのテーマとは「竹内まりやに何が起こったか」
ニューアルバムのジャケットの竹内まりや、めちゃくちゃきれいでスタイルいいんですよ。顔も若返ってるし。
竹内まりやとか中島みゆきとか、主に何食ってるんでしょう。マジで教えてほしい。その前に化粧しろって?

2003年10月28日 火曜日
一度失ってしまってから、その大切さに気がつく、ってことはよくあることだけど、
その失ったものが再び自分の手に戻ってきた時、「もう二度と離すまい」って
前よりやさしくなれる。 そういうことがありました。ちょっとマヌケな話ですけど。

今朝、陸橋と禅林寺に行こうと思いました。
あの事件以来、夜、ひとりで店に居る時ちょっとこわかったりして
なんとなく太宰に「守ってください」なんて言いにいくつもりだったのかな、というか
天気が良かったから、陸橋から雪かぶった富士山がチラッとでも見えるかな?と思ったのです。
とても美しいものを見たい気持ちにあふれていた、そんな朝だったのです。
陸橋に行きました。残念ながら富士山は見れなかったのです。その時時刻を見るためにケータイを手にとりました。
で、禅林寺に向う途中、セブンで焼き鳥か牛カルビ串買ってちょっとつまもう、と思い寄り道。
ふと気になってポケットに手をつっこんだら、ケータイがない。カバンの中にもない。どこにもない。
なんで?って。ポケットはとても深くて、ここからケータイが飛び出る、なんて考えられない。
どうやら落としてしまったようです。再び陸橋まで道路を見ながら行きましたがどこにも落ちてません。
そうこうしてるうちにもうオープンの時間が迫ってきたので、店に戻りました。
ケータイを落としてしまった時ってやっぱり110番かな?と少し迷いましたが、とりあえず110番。
と思ったらこういう日に限って朝からけっこうお客さんが切れ目なく・・・最近凶悪な事件が起こったことだし
悪用されたらどうしよう、とか不安でいっぱいになりながら、午後になってひとりになった時に緊張しながら
110番しました。きっと、「どうかしましたかー!」って言われると思ってたんです。だって110番ってそんなイメージ
ありません?そしたらものすごい落ち着いた口調で電話に出られ、ちょっと拍子抜け。まあそりゃそうですよね
電話を受ける度に興奮してたら体に悪いですよね。で、忘れ物の部署にまわしてくれたのですが、
電話に出られた方、とてもていねいに応対してくださいました。私が落としたであろう時間と場所、電話の特徴
などを次々と説明していくと、「ちょっとあやしいのがあります」ですって。あ、あやしい?
たぶんPCの画面とか見てるんだと思うんですけど、しばらくして「お、ヒットしました」って。ヒットですか
確定は交番に行って、ということで閉店後、交番へ行きました。間違いなく私のケータイが、目の前に置かれました。
その時の安心感といったら、もう自分のケータイに名前つけとくんだった、なんて親バカなこと考えてしまうくらい。
親切な人が交番まで届けてくれたのです。本当にありがとうございました。
あなたが存在する三鷹がまた好きになれそうです。
しかしどうやってあの深いポケットからケータイ飛び出たんだろう、というかどんなチャリの乗り方してんだ?
私、太宰に試されたのかな、「今近くにある自分のすべてを大切になさい。そこにあって当たり前と思わぬように。
二度目はないものと思いたまへ」 なーんてね。

2003年10月27日 月曜日
「出版と古本とカフェのお店 あうん堂本舗」をオープンされる店主の本多さんが来店。
実際のオープンは来年の春ごろになりそう、ということなのですが、今回私が思わず
「いいですねー」を連発してしまったことがあります。
それは、こちらのお店、金沢にできるんです。しかも私も大好きな(特にじろあめのしろ)俵屋のお店の
そばで、住所が「金沢市東山」。そう、この住所にひたすら「いいですねー」を連発したのです。
私の憧れの住所として、まず「三鷹市下連雀2丁目」があるのですが、その次の次くらいが
「金沢市東山」なんです。犀川の付近も開放的で好きなのですが、私は浅野川の周辺が大好きで、
なんか落ち着くのです。あのあたりに古本を選びながらお茶が飲めるようなお店が出来るなんて・・
金沢へ旅する楽しみがまた増えそうです。金沢といえば私が行く度に立ち寄るお店が2つあります。
喫茶ローレンスと、古書DUCK BILL。ローレンスは今年の1月1日、元旦に行ったのです。
お店のマスターが「オープン以来、36年間1日も休まなかった」と言われていて、
その言葉の重みをかみしめながらコーヒーを味わいました。
[金沢でコーヒーの飲める古本屋というと、DUCK BILLがありますね」と本多さんに
言うと、現在は犀川の近くに店舗を移転された、と教えてくださいました。
あのビルの4階のロケーションがとても良かったのに、窓から文学館の緑を見ながらコーヒーを飲むことは
もうないのか・・と少し寂しくなりましたが、新しい店は犀川の近くで、元印刷工場だった場所、と本多さんからお聞きして
納得。前も良かったけど、輪をかけて素敵なお店になってるんだろうな、と想像できました。
もしふいに金沢へ旅して、あのビルの4階まであがった時、違うお店になっていたらものすごく悲しかった
と思うので、あらかじめ本多さんから移転のことを聞けてよかったな、と思います。
新堅町商店街だったかな?かなり若者の店が増えていて、金沢は絶対目が離せない場所になっていく予感が
ありました。でも、だからこそ浅野川方面のしっとりした場所にこういう新しいお店が出来ること、期待したいです。
五木寛之の「青年は荒野をめざす」を若い時に読んで以来憧れだった北欧に旅したことなど、いろいろ本多さんと
お話して、元鉄道マンの実直な雰囲気や、奥様がカフェ部門で協力してくださるらしいことなどもあり
落ち着いたいいお店を創られていくのではないか、と感じました。あー、金沢いきてえ〜!

2003年10月26日 日曜日
えーっと、どうも、ますたーです。
なんか、お客さんが阪神タイガース優勝記念の限定品タバコを持ってきてくれました。
セブンスターですね。いや、巷には阪神グッズが散乱してる訳で、アホらしいったらありゃしない。
まあ、球団もこれで随分潤った訳だし、星野の首も切れて万々歳ですな。
浮いた金で甲子園のあの汚いトイレをさっさと改修しろと(笑)。
2003年10月25日 土曜日
夜、ふとドアが開いてびっくり。
京都の書店で働いてた時のパートさんが立っているではありませんか。
なぜ京都にいる筈の人がここに?としばらくボーゼンとしてしまったけど、
ふいうち、というのもなかなか新鮮ですね。
私も今度あの人のお店にふいうちで行こうかな? 驚いた顔が見たい(どの人や!)
深夜バスで来てどこも泊まらずまた今夜深夜バスで京都に帰るとのことで、
ああ、私も昔そういうのよくやってたなー、となんか懐かしくなりました。
私はっきり言って深夜バス歴は長いですよ。20代前半から利用してしょっちゅう
1DAY東京、やってました。会社にもよるけど、昔はバスの窓にカーテンなんかなかったんですよ。
到着するとたいていあっつーいおしぼりをくれて、それでおっさんのようにみんな顔ふきまくるんですよ。
一度一番前の席になった時は、視界が全部開けてパラダイスでした。外が見える方が好きなので。
深夜の高速道路、好き。深夜のドライブインはもっと好き。
深夜のドライブインのうどんコーナーでアルバイトしてみたいくらい。明るい名物おばさんになりたい。
たいていのパターンはトラックの運転手と恋に落ちるのよね。七味を多く入れてあげたりして(嬉しくないか)
あ、なんかきつねうどんのうすいけど厚揚げ、が無償に食べたくなってきた。やばい。
昔、浜松のドライブインのお菓子売り場ですっごい真夜中なのに愛想がいいおじさんがいて、
とても印象に残ってる。みんな疲れてる時だけどそこだけ昼間みたいな明るさだった。
あのおじさん、どうしてるかな 元気かな・・・またバスの旅がしたい今日このごろです。
お店閉店後、彼女の話を聞きながら三鷹駅まで歩きました。
みんなそれぞれどうしてもやりたいことや見たいことがあって、しんどい思いしてお金もかけて日帰りで
でも東京へやってくることがある。そんな時に「あの場所へ行けばあの人がいる」
ってほんの少しでも安心できる存在であれたら、と思う。
私ももっともっと懐を大きくして待っていられるようでありたい。そう、お互いに頑張りましょう。

2003年10月24日 金曜日
夜、やたらパトカーなんかがサイレン鳴らして通るもんだから、お客さんが
「あら、いやなかんじ。なんかあったのかしら」と言われていて、
その時は「このあたりはよく通りますよ」なんて言ってたのですけど、
そう、その時いた他の岐阜出身のお客さんも、東京来て驚いたことは
なんでこんなにパトカーのサイレンが普通に鳴ってるの?ってことだった、って言われてた。
そのとうり。三鷹でもそう思うんだからな、とついこの前までは思ってた。
それくらい三鷹ってまったりした街、って印象だったのに、
ついに駅前で凶悪な事件が発生してしまいましたね。
犯人はまだ逃走中、しかも三鷹通り方面へ、って情報があり、
心配して声かけてくださった方もいらっしゃいました。
私も夜はたいてい一人でお店にいるので、今まで以上に気をつけないといけない、
とは思うんですけど、こればっかりは運の要素が大きいので、あんまりビクビクもしてられない。
というか、とにかくもー!犯人許せないです。怒りまくりです。
薬局の店主さん、なぜ亡くならなくちゃいけないんでしょう。それが残念で残念でなりません。
もしかしたらまだ小さなお子さんとかいらっしゃったかもしれません。
ここで怒りをぶちまけても何も変わらない。少しでも早く犯人が逮捕されるように祈ってます。
私には道ゆく人の表情を本で和らげたりすることしかできないけど、
これから三鷹でずっと暮らしていくものとして、三鷹で店を営むものとして、
今日のこと絶対に忘れません。
ビニールシートに覆われた店舗の前で静かにご冥福をお祈りしてきたけれど、
店に灯りがともってる、ちゃんと息吹いてることは当たり前のようで、そうでない。
もっと本気出して灯りをともしていかないと。そう思った。

2003年10月23日 木曜日
「困ったわ、急いでるのに・・どうして私ってこうなのかしら」
 と、なんだか困ったような、でも頬を蒸気させた女性が入ってこられて、
「どうしたのかしら?」と思っていると
「こんなことしてる時間ないのに、あと1分後発のバスに乗らなくちゃいけないのに
どうして古本屋さんなんかあるの!」とこのセリフだけ見たら怒ってるみたいだけど
そうではなくて、本のある空間を素通りすることができない性分の方のようです。
話をお聞きすると、表の均一コーナーだけさっと見て本を1冊だけ選んでお店に入ったのはいいけれど
すぐにバス亭に行かなくちゃいけないのに、お店の中にも本がいっぱいある。
これらの本をじっくり見ることもなくすぐに行かなくちゃいけないんだけど、
自分の中の本への探究心がそれを許してくれなくて、ものすごい葛藤に苦しんで
つい愚痴ってしまった、とのこと。
結局お店の中もさっと1週されて素早く本を1冊選ばれ、お会計を済ますと「またゆっくり来ます。」と
風のように去っていかれたのですが、なんか秋の短編映画のヒトコマみたいだった。
いいですよ、おおいに葛藤してください、悩んでください。
その女性は自分でも気がついてないと思うけど、
「どうして私っていつもこうなの?」って奥歯を噛むような表情、めちゃくちゃ魅力的でした。
本の山を見上げて頬を思わず赤らめたのも。そういう時に人って鏡を見ないけど、ほんとに美しかったです。
あとハイヒール。私はハイヒールを履かないのですが、その女性が葛藤してお店をうろうろしてる時、
ずっとハイヒールのかつかつという音が響いてて、お店を出るなりかつかつかつかつと
すごい小刻みな音とともに去っていかれたのが不思議と印象に残ってる。なんか良かった。
女として、私は香水も使わないし、ノーメイクだし、ハイヒールも履かないけど、
余韻のアイテムは多ければ多いほどいいのかもな、と少し思った。
ちょっと男の人の目線モードも入ってたかも・・・

2003年10月21日 火曜日
秋からのドラマ、もうはじまってますねー。
私は少し出遅れましたが、一番楽しみに見てるのが
月曜21時からNHKでやってる「夢みる葡萄」。 林真理子「本を読む女」が原作、
ということですが、林真理子のお母さんが主人公の物語のようです。
私の記憶では、(さだかではない)たしかこの「本を読む女」だったんじゃないかと思うのですが、
林真理子の小説で、林さんのお母さんが、列車の中で太宰の「斜陽」を読み、ものすごい感動に包まれ、涙しながら
強く生きようと決心した、みたいな内容のものを読んだことがあって、とても印象に残ってるのです。
そのシーンが映像化されたらいいのに。ちょっとこの先楽しみにしてよう。
あの時代にリアルタイムで「斜陽」に勇気づけられた人の気持ちってどんなものなのでしょうね。
あと、このドラマのみどころは大正〜昭和初期の文学少女の生活が垣間見れるところかな
昨日の放送では、丹波哲郎と原沙知絵のダンスシーンが素敵だったですよ。
私は丹波哲郎ってどうも大霊界の人、ってイメージが大きかったんで、ちょっと見直しました。
「霊界のおじちゃん、やればできるじゃん!」ってアイス(ハーゲンダッツ、クリスピーサンドのショコラ)ほおばりながら
えらそーに画面につぶやいてました。でも松雪泰子のちょっとしたしぐさとか話し方が好きなので
実は月9フジのやつも見たいのです。見れる時は15分だけ見てます。
松雪泰子と堤真一がベンチに並んで座ってるシーンとか見ると、若者だけが眩しいわけじゃないな、
なんかとっても見ていていいかんじだな、って一瞬映っただけでも感じる。
30代は自分達が思ってるよりいけてるのかもしれない、ってほんの少しでも夢見させてくれるかんじがいい。
しかし私がまったくノーマークだったドラマ「あなたの隣に誰かいる」。
「北村一輝の夢見たかったらこれ必見」と教えてもらってから見てみたら・・・はあ
出てくる出てくる。妄想に(笑) まだ夢には出てきてませんけど、早く夜毎うなされたいです。
鋭利な刃物のような男性、って近くにいたらこわいけど、ブラウン管の中で見てるだけならほんといいですね〜
といいつつきょんきょんのやつもちょこちょこ見てる。なんだかんだ言ってやっぱりドラマ好きな私なのです。

2003年10月20日 月曜日
売り上げが高い方がいいに決まってるけど、
1冊5000円のものがどんと売れての結果より、ちまちまと100円コーナーが
続々売れる方が充実度が違う。もちろん高い本をどーんと買ってくれたお客さんって
絶対忘れないんだけど。 でも私の理想の一日って、安い本が飛ぶように売れ、
そのたびにレジでちょっとした会話をお客さんとかわす、時にコーヒーなど飲まれるお客さんと
何かの話題で盛り上がったり、お互い静かに読書タイムしたり、ぽっかりと1時間ほど
ひまな時間ができ、アイスをほおばってぼーっとしたり、そんなちまちましつつも多くのお客さんが来てくれて
ちりも積もれば、ってかんじで売り上げがいい1日かな。
今日は決して売り上げがいい日ではなかったけど、表の安売りコーナーがよく売れた。
近所のお客さんが、「明日ちょっとバス旅行に行くことになったんで、なにか軽い1冊ないかしら」
とのぞかれて、早坂倫太郎の時代小説を買っていく、とか、
「こんなところにあったよ、これ〜」なんておじさまがジル・チャーチルの「ゴミと罰」手に来店してくださったり、
「大沢在昌の本はこれだけ?他にある?」って来店されて、大沢作品ってほんっとにおもしろいのよ
やめられないわよ〜なんて語られてたおばさまとか、
「これ、ずっと探してた1冊なのよ、こんなところにあったわ、しかも100円?」
って神林長平の文庫を喜びいさんで持って入ってこられたご近所のSF好きの奥さんとか、
その超近所の奥さん、何度かお店の前を通りかかってたのですが、来店してくださるのははじめて。
私もそうなのですが、近所すぎるとかえって入りにくいお店、ってありますよね、特にうちはガラスばりで
「あーら、なになにさんこんにちは〜」なんてガラス越しで挨拶されたりして、まったく落ち着かないと思うし。
でも神林長平の文庫が表の100円コーナーがあったことをきっかけに来店してくださって良かった。
少しお話してみると筋金入りの本(特にSF)好きの方のようで、早川のSFマガジンを初版で創刊号から全部持ってる
んですって!ご近所さんで本好きな方発見できてすごく嬉しいです。きっともっといるんだろうな
みなさん来てください。 「純文学がメイン」とか言ってても、あまりそこにしばられずにうちの店と縁があった本は
どんなジャンルでもすみっこに置かず表に出してあげたらお客さんがちゃんと気づいてくれる。
早坂倫太郎も大沢在昌もジル・チャーチルも神林長平も読んだことないけど、お店の売れ筋なんて
お客さん側が決めることだよな〜と実感。個性を出しつつ、臨機応変に対応していきたいですね。
純文学は少し高めだけど、私の弱いジャンルは安めに値付けしてるのは事実なので、それぞれの
お客さんにとっての「宝」をうちの店でどんどん見つけてほしいです。

2003年10月19日 日曜日
どもども、ますたーです。
今日は、ずっと寝ておりました。
いや、日曜の昼下がりって、あまりお客さん来ないもんで。。
2時間くらいですかねえ、意識を失っていたのは。
あとは、ひたすらボ〜っとしておりました。
あ、いや、ちらほらとは来客はあったんですよ。
一応、念のために補足。。

2003年10月18日 土曜日
今日は太宰関係オフ会をきっかけに知り合った友人が来てくれました。
4年前は独身だったのに、今は全員結婚し、ひとりは男の子のお母さん。
時は流れたのねー、なんて感慨にひたりつつ、主婦トークも炸裂。
「洗濯機は二層式の方が節約できるらしい」とか、
「節約TAPという電源コードが節電にいいらしい」とかetc・・
4年前には絶対触れないような話題。もちろん太宰や文学の話もチラッとしましたけど。
時はなんとなく流れてるようでもフタをあけてみるとずいぶん自分もまわりも変わっていってる。
そりゃあハイドも父親になるってこともありうるわけですよねー。 この話題、「ショックじゃない?」って
何人かに聞かれましたけど、ハイドにとって嬉しい出来事だったらもちろん祝福しますよ。
「最近ハイドハイドって言わないけど、もしかしてさめた?」とかも先日聞かれましたが、いえいえ
来年2月には新潟までライヴに行きますよ〜。新潟上陸は初なんでとっても楽しみなんです。
もちろん列車に乗ってひとり高校教師ごっこするのはもうお約束でしょ。指に赤い糸からめて爆睡する予定。
おうみがわ駅ではもちろん途中下車。となりには真田さんのような「センセイ(はあと)」がいればいいけど
鉄オタ君にまみれて感傷的に海をみつける私、が精一杯でしょう。
というわけでこれからも末永くハイドを応援し続ける私なのです。(ちょっとmonoralのアニスさんに浮気してますが)
話戻って、そんな主婦トークの最中にも「最近いい本ありました?」としっかり聞く私。
その時に聞いた牧野信一の本が読みたくなっている。 絶版だけど岩波文庫から出てた
「ゼーロン・淡雪」がいいみたい。ゼーロンは、かつての名馬が駄馬になった話みたいでますます興味が湧く。
私の苗字の「駄場」は、どこに行ってもみなさん「駄馬」と間違えられるようで。夫はもう慣れたので訂正も
しない、なんて言ってましたけど、この「ゼーロン」を読んだら駄馬という文字が好きになれそうな気がして
あ、でも苗字は「駄場」なんですけどね。あ、ついでに言っとこ。
みなさん、「駄馬」でなく「駄場」ですのでどうぞよろしゅーに。

2003年10月17日 金曜日
普通の生活のなかで、偶然の偶然が重なる、ってことがたまにある。
そういう出来事の積み重ねは、平凡な人生に彩りを与えてくれる。

鈴木保奈美はやっぱりすごい。
三鷹の新刊書店で、なぜかこの今頃、野沢尚の「恋人よ」が書店員さんのポップ付きで
平積みになっていたのを見つけて気になっていた頃、この単行本の方がうちの店に入ってきたので読んでみたのです。
このドラマ、すべてしっかりと見てたわけじゃないけれど、なぜか最終回だけは強烈に覚えてる。
その程度だったのに、小説で主人公の愛永(まなえ)のセリフや行動を読むと、頭の中に鈴木保奈美が愛永となって
こびりついてくるんです。セリフを読んでもあの彼女の少し高い声で変換されてくる、表情なんか
少し厚いけどカタチのいい唇の質感まで頭の中にうつしだされる。彼女の存在感はすごい。
小説の方もこれぞまさに純愛、というかんじでとても良かったのだけれど、もう一度ビデオで全部見直そうと
今朝TSUTAYAに行ったらなかったんだよなーこれが。今度リクエストしてみよう。
前にドラマ版「OUT」リクエストしたら入荷してくれたので、希望を持っていよ。
ちなみに「OUT]は映画、特にドラマが良かったけれど、ラストシーンは桐野夏生の小説が凄すぎて圧勝。
読みながら武者震いがしたもの。あれを絵にしてくれる監督さん、俳優さん、現れてくれないかな
話戻って「恋人よ」ドラマがリアリタイムでやってた時、私のまわりですごく人気がありました。
プラトニック不倫、と言ってしまうにはあまりに哀しい。私書箱を通じて隣人同士手紙を交し合う二人は
「筆圧」なんて言葉、もう死語に近いこの時代には眩しすぎる。
「この小説は、自分の子供が生まれたあと、血液型が合わないという事実が判明し、
それでも一時は自分の子として育てようとする夫が出てくる。そういう気持ち、想像できる?」って聞いてみた
そのあと、偶然に、ほんとに偶然に、ラジオからセリーヌ・ディオンwithクライズラー&カンパニーの
「TO LOVE YOU MORE」が流れた。この曲はドラマ「恋人よ」の主題歌。
思わず頭の中がラストシーンの沖縄の崖、サンダンカでいっぱいの風景が甦った。
やっぱりリクエストしてビデオ入荷してもらおう。ちゃんと見届けてみたい。

2003年10月16日 木曜日
この歳になっても、たとえば雑誌の特集が「純愛が、私を変える!」なんて文句なら
たとえ腱鞘炎になりそうに分厚くても、気になって手にとってしまう。
ページをめくっていると、山崎まどかさん選択「純愛クラシックのお手本100」というコーナーがあったので、
しかも写真モデルが土屋アンナちゃんだったので購入してしまいました。「フラウ]です。
そしたらそのコーナーにジャック・フィニの「愛の手紙」が紹介されていた。これは先日、本に詳しいお客さんが
おすすめの恋愛小説として教えてくださった小説でした。古道具屋で買ったアンティークのライティング・デスク
に秘密の引き出しがついていて、そこから出てきた古い手紙に返事を書いたら、引き出しに前世紀の「彼女」
からの返事が入っていた、というストーリー、お客さんが話してくれた時からひかれていたので、いつか読んでみよう。
店でちょうどそのページを読んでいたら、偶然にもその「愛の手紙」を教えてくださったお客さんが来店。
ちょっとびっくりしてしまいました。 これが偶然その1。
今日そのお客さんと話していて、あらたに読みたい本が増えました。
萩原葉子著 「天上の花 三好達治抄」です。現在では講談社文芸文庫で出ているようです。
詩人の三好達治と萩原朔太郎の妹慶子の話なのです。三好達治はずっと慶子が好きなのですが、
無名の頃は相手にしてもらえない、自分が詩人として名が上がり慶子の夫が死んだあと、妻を捨て慶子と愛の
逃避行をして一緒になった。しかし慶子は達治を愛せなかった、達治の愛はいともたやすく憎しみへと変化する、
のような内容らしく、その過程、心の動きを見据えたい気分になりました。
その話を教えてくださったお客さんが、「昔の作家とか歌人はそういう話が多いんですよ」って言ってた。
愛に一途で妥協できない性格の人が多そうですものね。
フィクションより事実にしか興味がなくて小説は読まない、そんなの読んでるヒマはない、
って人の気持ち、少しわかる気がする。興味の持てる事実がわんさか転がってますからね〜

2003年10月14日 火曜日
今日の雨はなんだか、少し優しい雨でした。
関西からクイズサークルの後輩が来てくれたのですが、こんなことがあったそうです。
彼がうちの店まで三鷹駅から歩いていく時、途中で
「図書館への道はこの道をまっすぐで良かったですか?」と女のひとに聞いたら
道を教えてくれて、礼を言って立ち去ろうとした時、後ろから肩をポンと叩かれ振り向くと
その女のひとが「これ、持っていって」とビニール傘を渡され、さりげなく消えてったそうです。
ちょうど雨が降ってきていて、彼は傘を持ってなかったようなので。
「ええ街やなあ、と思いました」って言うその関西弁がなんか良かった。
三鷹のその名も知らぬ女性に、お礼を言いたいです。
私の後輩に、私の店に来る人にやさしくしてくださってありがとう、って。
前にも、私の前勤めてた書店のスタッフがはじめてお店に来てくれた時、道がわからなくなって
お米を持っている男のひとに、うちのショップカードを見せて場所を聞いた時、
「ここ知ってるよ」ってていねいに道を教えてくれた、ってことがあった。
もちろん三鷹にも道聞かれてもそんなていねいに答えてる余裕ないよ、って人はたくさんいると思うけど
たまたまでも私の店に来ようとしてる人皆に、やさしくしてくれるこの街が好き。
「あ、そこなら知ってるよ」ってやさしく道を教えてくれる人が増えるくらい、店が街に溶け込めたら、と願う。

「アタック25」と「新婚さんいらっしゃい」に同じ日に出演して、その日の1時間をジャックするのが夢、
って彼は言ってた。わかるなー。で、アタック25に出るとしたら、後ろを応援団でいっぱいにするか
嫁さん一人だけクローズアップか、どっちかがいい、とも言ってた。たしかにあの嫁さんorダンナ一人
クローズアップ、あれいいですよね。ひざに子供がちょこんといるのもいい。
実は私、なにをかくそう異例の「彼女クローズアップ」経験者なんですけどね、
ま、そんなことはどうでもいいとして・・・
「たまゆらの女」って映画が気になります。宣伝ポスターがすごくひかれるし。
見た人いたら感想聞いてみよう

2003年10月13日 月曜日
三鷹にもうすぐ新しい古書店が誕生します。
場所はつい先日この日記でも話題にした閉店したプラモデル屋さんのあと、
三鷹駅南口を出て中央通りをひたすらまっすぐ歩いた右側になります。
お店の名前は「古書 上々堂」と書いて「しゃんしゃんどう」と呼ぶそうです。
11月のオープンに向けて着々と準備中、ということで昨日店主のハセガワさんと
西荻窪の古書店の店主さんが来店してくださいました。
三鷹はもっと古本屋があっていいと思うので、お互い頑張りましょう、といいつつ
ハセガワさんがとってもお美しい方だったので、キャラがかぶるわ、どうしよう、と内心
思ってました、というのは激しく冗談で・・なにはともあれ三鷹に女性古書店主誕生、は嬉しいニュースですね。
が、共通点があるのです。 私も関西からどうしても東京で古本屋がやりたくて、古本店で経験があるわけでもなく
三鷹につてがあるでもなく、こわいものしらずで引っ越してきちゃいましたけど、ハセガワさんも鳥取から、
どうしても古本屋さんになりたくて上京したらしいのです。一度しかない人生、好きなことをしたい、
と言われたその表情はとても「強い決心」を感じさせられました。 私もオープン前の気持ちが甦りました。
とてもいい刺激になりそう。これから末永くよろしくお願いしたいと思います。
でも三鷹に来た時、上々堂行って、フォスフォレッセンスにも行こうと思ってたのに、えらくうちが遠いから
めんどくさくなって文鳥舎でお酒飲んで帰ってきた、というパターンにならないかとちょっと心配という本心もあり。
小心者ですので。これらのお店もとっても素敵だけど、みなさん、現代は歩く時代ですよ!
フォスフォレッセンスにもちゃんとお立ち寄りくださいねー!

西荻窪の店主さんのお話を聞いていると、市にもいつか参加できるようになりたい、と思いましたね。
あと名物店主さんの話もおもしろかった。お店に行くと寝てるかサンシン弾いて歌ってるか、の名物おやじ店主とかね、
自由でいいんだよな、って思った。そういう名物店主って誰かが本に書いたりしてるんですよね。
私も今はちまちま営業日記自分で書いてますが、いつか誰かが書いてくれるくらい個性的な店主を目指しますよ。
たとえ「フォスフォレッセンスの店主は、まさにその店名どおり夢と現実のあいだ、つねにお花畑をさまよってる
ような人だった」と書かれても・・・

2003年10月12日 日曜日
どーもどーも、ますたーです。
えーとですねえ、例によってお出かけ報告。
日比谷公園の鉄道イベント行ってきました。
一応、お目当ては関西私鉄各社のブースでして、阪急京都線の新型特急9300系のグッズはないかなあ、と
ウロウロしていたのですが、あまり目ぼしい物もなくトボトボと帰って参りました。
まあ、現地の人間観察っつーことで(笑

ところで最近寒いですね。雨も多くなって、そろそろ上着がいるかなあと思って部屋の中を探してみたらこれがまあ、
見事にカビが生えておりました。いや、参った参った。さすがに10年着てるともう寿命って感じです。

byますたー。

2003年10月11日 土曜日
「人は、一度巡りあった人と二度と別れることはできない。
なぜなら人間には記憶という能力があり、そして否が応にも
記憶とともに現在を生きているからである。」
この冒頭の書き出し文にひかれて読んだ大崎善生の「パイロットフィッシュ」を
本日のおすすめコーナーにポップとともに設置したら、いつもはこのコーナー、
ほとんど誰も気にしないのに、今回はものすごく反応がいい。
「パイロットフィッシュってなに?」みたいな・・・
特に夕方ごろ親子でお茶飲んでた二人の会話がおもしろかった。
母 「パイロットフィッシュってなんだろ、なにか知ってる?」
息子 「*****(なんか魚の名前言ってたけど覚え切れなかった)のことじゃないの?」
母  「人は一度巡りあった人と二度と別れないんだって、なんかよくある話っぽい」
息子 「・・・・・・」
そんなかんじだったと思うんだけど、私はその・・・・の沈黙の時の心の声がちょっと気になってしまった。
親子でちょっと恋愛がらみの話するのって、どうしても照れてしまうから本心を話せなかったり
するじゃないですか。まあそれもいいと思います。ひとりになった時、この店で気になりはじめた本を
別の新刊書店や古本屋でチェックしてこっそり買ってしまう、ということがもしあるとしたら
本との出会いのきっかけ作りができたということでゼロじゃないと思うから。
たしかによくある話かもしれない。19年前の恋人(既婚)が突然電話をかけてきて、
プリクラをとりたい、と元カレ(独身)にお願いする、って話。でもそのよくある話、自分にもおこりうる物語を
読むのが私はけっこう好き。だからなんとなく先が見えてもよくある恋愛小説をまた選んでしまう。
だって私だってプリクラとりたいもの。そういうことをお願いした時に、たとえ小説の中であっても
彼がどう答えるか、彼女がどう切り出すか、それが知りたくて読んでしまう。だから恋愛小説はやめられないのかも。
でも今日ある雑誌で、気になっていた保坂和志の「カンバセイション・ピース」のレビューを読んで
評者が「こういう、先が読めない小説をみんなもっと読みなさい!」と言ってて思わず
「はい、そうします!」という気分になった。帰り道、図書館でこの小説が掲載されてた「新潮」借りてきた。
第一回から分けて少しづつ読んでいくつもりです。最後の方のページ見たくても見れないこの読み方だと
先が読めないこと確実で、ちょっと新鮮かも。

2003年10月10日 金曜日
「ここはあなたのお父さんがやってるお店なのですか?」
とひとりの品の良いおじいさんが来店され、「いえ、私がオーナーです。一応」
と答えると、お店の奥に中原淳一のチラシやなつかしい白黒のプロマイドなんかが貼ってあるから
ものすごく懐かしくなって思わずお店に入ってしまった、と話しはじめた82歳のおじいさん、
お店もすいていて私と二人だけだったので、珈琲を飲みながらいろんな話をしてくださいました。
「私は売れない画家でしてね、」からはじまり、学徒出陣のこと、ふとももを鉄砲玉が貫いていったこと、など。
「あなた、こんなお店を構えてみなさんにとても気に入ってもらえると思うけど、理想に近づけようとするほど
大変でしょう」と言われ、素直に「はい、大変です。まったく儲からなくて」なんて返事してると
「信念を持つことです。私も絵を書き続るのは大変だったけど、信念だけは忘れずにやってきたから良かった。
信念を持てばきっと大丈夫」と強く言ってくださり、「信念」って言葉は目で見るより実際貫いてる人の肉声で
聞くものだな、と思った。 あと、昭和20年代の三鷹の風景もいろいろ教えてくださった。
このお店のあたりもまわりは全部畑で、こーんなに大きな富士山が(と手を実際広げてくださる)
いつも見えたんだよ、って。 富士山に夕陽がぶるぶる煮えたぎってそれはもうすごい圧倒されるような
風景がいつも見れたよ、って。このおじいさんは太宰はあまり読んだことがない、好きな作家は高山樗牛
だと言われてたので、偶然かもしれないけれど、「武蔵野のぶるぶる煮えたぎる夕陽」というので
ちょっと太宰だな、と思った。いや、そんなことはこのあたりの昔の人にとっては当たり前のことなのかもしれない。
それくらい夕陽は大きかったんだな、と。富士山がすぐそこに在ったのだな、と。思わず目を閉じて想像してみた。

今日は別のお客さんとも富士山の話をした。
福島に行ってきた、というお客さんが新幹線に乗ってる時に
「智恵子抄で知られる安達太良山がまもなく見えてまいります」とアナウンスが入ってとても良かった、って話してて
「富士山が見える時も新幹線でアナウンス入りますよね」って。入りませんよね、私聞いたことないです。
「入りませんよ!飛行機と間違っておられません?」って思わず言ってしまった。
富士山大好きな私なのでちょっとむきになってしまい、大人げなかったかも。ごめんなさいー

2003年10月9日 木曜日
ラジオ、聴けました。
電車に乗ってる途中に17時15分を過ぎちゃったので吉祥寺駅で下車して
駅前をPARCOの方向に向いながら携帯ラジオをイヤホンをして歩きながら聴いていました。
とてもムーディなBGMをバックに、DJの女性がゆっくりとお店のことを話してくれる。
とっても素敵な時間でした。これ、家で聴いてたらこの感動は半分以下かも。
というのは、この17時30分前の夕方の空の色、最高にきれいだったんですよ。
一年で一番今日はきれいな夕焼けなんじゃないかってくらい、なんか空が、夕方が
私のためにごほうびのように演出してくれてるかのような空でした。
はじめピンクで、だんだんオレンジになって、紫っぽくなっていった今年の10月8日の吉祥寺駅前の空の色、
ずっと忘れないでしょう。そんな風景を見ながら自分のお店のことが東京のFMラジオで流れる、
素直に嬉しかったです。そのあと絶妙なつなぎでかかった「FEEL LIKE MAKING LOVE]も好きな曲です。
今井美樹のカバーアルバム「fiesta]でよく昔聞いてた。なんだか懐かしかったです。
東京FMのSTEPPIN' NEWのサイトで紹介文がアップされているので良かったら見てくださいね。

この時期になると川上屋の栗きんとんが恋しくなる、という話をしていたら
北信濃の「栗のこみち」についてお客さんが教えてくれました。
小布施には大正、昭和初期のムードが残っているし、北斎館を見に行くついでに是非行ってみて、と。
つい先日も、お客さんから小布施の栗かのこ、という落雁のことを聞いてすごく食べたくなってました。
そしたら新聞広告で見つけましたよ。今出ている婦人雑誌の広告で、
「樋口可南子さんが訪ねる須坂・小布施の秋 北信濃、栗街道きもの旅」とありました。要チェックです。
信州というと高原や軽井沢もいいけど、その近くにいい場所がたくさんある。古くからの店や街並み、
それこそ文学散歩だってじっくりできそう。その上おいしい栗を味わえるなんて!お金と時間のある方は是非。

2003年10月7日 火曜日
明日、8日水曜日、「東京FM]のラジオ番組[STEPPIN`NEW]にて
フォスフォレッセンスが紹介されることになりました。
だいたい17時20分ごろのオンエア、ということなので
もしこの時間ラジオを聴いている、という方は是非東京FMにチューニングを合わせてみてください。
最初お話があった時、たいへんいいお話だけど、生放送で、電話なんかでやりとりする
タイプの取材ならちょっと無理だな、と思ってたんです。
ひとりでお店を営業してるので、オンエア中にお客さんが来店されたら対応できないし
それ以前に緊張しいだし、とかいろいろあったのですが、今回はDJさんがうちのお店の紹介をすべて
してくださるようなので安心してお受けしました。
店の話を聞いてくださったライターさんにあとは託します。
この時期、やはり「読書の秋」なので本に関わることすべてに注目度が高まりますよね。
うちも桜桃忌と読書の秋、年に2回この時期に少しムードが盛り上がるので、
売り上げやらテンションやらがマンネリになった頃、刺激があるといういいリズムが仕上がれたら
いいのですけど。そういえば昔調布FMでのラジオの取材受けた時は生録だったことを思い出した。
思えばオープンして1年半、いろんなことがありましたねー

あ、そうそう松平容保のマジレスサンクスです>ますたー
彼の話によると筒井道隆は容保役にピッタリ、とのこと。
女官達が色めきたった、というのが気になります。いい男を見てぽっとする、というのは
昔も今も変わらないものなのですね。そこで女官たちが袂からケータイとりだしてパコパコメール打って
タイトル「今日イケメンみっけ^^л」←さいごのやつは昔の人の高い枕のつもり
とかやったらおもしろいですね。昔の人は頭にもいろいろつけてるからプリクラとろうにもあの小さな枠に
入りきらないでしょうし、昔は昔、今は今でいいんでしょうね。
うちに中村彰彦著「松平容保は朝敵にあらず」中公文庫って本がありますが、その表紙に
容保氏の写真が載ってます。興味のある方見てみてください。ちなみに100円です。

2003年10月6日 月曜日
 リバウンドがきました。
秋を一言で言うと「読書の秋」とか「食欲の秋」とかいろいろとあると思うのだけど
「秋はさみしさ」の季節だということをすっかり忘れていて、
恋愛小説だのなんだのはしゃぎまくっていた最近の私、
昨日夜の渋谷をトボトボ歩いてた時突然ドーンときました。
夜の渋谷って、見事に若者ばかり。ふと目の前のウインドウを見ると
若者の中にひとりおばさんが浮いてるのがくっきり。え?これ私?みたいな
不安、ってこんなふうに突然やってくるものだよなー、としみじみ。秋のリバウンドかな
でもドトールを通り過ぎようとした時、お客さんが「ドトールのミラノサンド、アボガド入ってるやつ
すごくおいしいですよ」と言ってくれてたことを思い出し、それ食べて元気だそ、と注文して食べたら元気出た。
正確にはアボガド入りのは季節ものだったのかもうなかったので、Bセットのシュリンプのにした。
ものすごくおいしかった。昔サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフで食べたシュリンプバーガー
を思い出した。 やはり食欲の秋だわ。

今日はお店ヒマで昨日のリバウンドがまだあまり回復してなくてまた夜になったころ、
お客さんが孔雀草を持ってきてくださいました。それもお家の庭に咲いてたものを。
きれいなブルーのペーパーでくるんで茶色いリボンで結んでくださっていて、すごく可憐で。
そのお客さん夫婦の訪れとお花で一気に明るくなれた。ありがとうございます。
ご主人はたまにお店の前を車で通り過ぎることがあるらしく、一度私が昼寝してたところを
目撃してしまったそうです。やば!と思いました。はじめはただうつ伏せで寝るんですけど、
気が付くとクカーって椅子の上に寝転んでる時あるんです。そんな姿見られてたなんてどうしよう、と思ってると
「可愛いと思いました」って。それがたとえお世辞だとしても、今の気分は100%おばさんな私にとって
嬉しい言葉でした。男性の少し低い声での「可愛い」っていう単語のその響きはほんとに素敵だったな〜

2003年10月5日 日曜日
どーもどーも、ますたーです。
そうなんです。三鷹商店街の模型屋さん、なくなっちゃうのです。
なんというか、古き良き時代の模型屋って匂いをぷんぷんさせてたお店なんですが、結局行けずじまいで
(いや、作って飾る時間とスペースがないだけなんですが)、なんとも寂しい限りです、はい。

それと、松平容保は「まつだいら かたもり」と読みまする>店主
会津藩主にして京都守護職(新選組の雇い主)でして、史実の容保氏もなかなかの男前だったみたいで、
参内する時には女官達が色めきたったとかいう話も残っているみたいですな。まあ、それよりもその実直すぎる
性格故の波乱の生涯の方がワタクシ的には高ポイントなのですが。

まあ、そんなこんなで随分と前の日記にツッコミを入れつつ、このへんで。。

byますたー。
2003年10月4日 土曜日
「太宰関係の本でも津島家に関して詳しく書いてる本はないですか?」
とお客さんに質問され、うちには今切らしているけれど鎌田慧の「津軽・斜陽の家」
が有名ですね、とお答えすると「あ、それは持ってます」とのこと。
ちくま学芸文庫の「津島家の人々」もあいにく切れてるし、頑張って入荷させなければ。
そのお客さん、ものすごくきれいな人で、ちょっと見とれてしまうくらいだった。
「先日、津軽まで行ってきたんですけど、なんだか太宰治本人より、お兄さんの文治さんの方が
好きになってしまって」と言われて、ここにもし太宰本人がいたら
いかに自分の方が兄より魅力的かを彼女にアピールするのではないか、なんて想像してしまった。
「私は礼治さんがかなりかっこいいと思うんですけど」と言うと、「そうですよね」と笑ってくださったけど、
ああいう美しい人が文治さんの方を気になるっていうの、なんとなくわかる気がする。
はあ、もし過去に生まれ変われるのなら私は津島家のお手伝いさんになりたかった。

いつも日曜日は17時までますたーが店番、それ以後が私なのですが、
明日5日は15時までが私、15時以降がますたー店番、と変則になります。
彼が午前中渋谷に用事があって、私が午後渋谷に用事があるのです。
久々に大型書店にもよろうかと思うのですが、近づくのがこわいです。
今気になる本が2冊あるのですがどちらも高い!でも見て手にして匂いを感じたら手放して
しまいたくなりそうで危険なのです。2冊で5000円以上はやはり痛いです。
ちなみに 「忘れられる過去」 荒川洋治 みすず書房 2600円
      「空にはメトロノーム」森内俊雄 書肆山田 2800円
新聞書評で見たんですけどこれはきっといい本、と目にしなくてもわかる。
でも書店で欲しい本が並んでるときめきって良い。きっと我慢できずせめて触れてくるんだろうな

2003年10月3日 金曜日
お店でかけてる音楽、普段はあんまりうるさくないものをかけてますが
朝の掃除の時間から1時間ほどは自分の好きなものを時には歌いながらかけてる、
って話は何度か書いてると思うんですけど、
今朝は槇原敬之の「君が笑うとき 君の胸が痛まないように」をかけてたんです。
特に最初の「ANSER]って曲が好きなんですけど、この曲って続きがあるんでしたね。
開店直後に珍しくお客さんが来店されたんですけど、偶然にもそのお客さんは元マッキーファンとのことで。
なんで「元」かというと、まさにその時かかっていた「ANSER]が原因だったそうで・・・
これ、たまにしか会えない恋人同士の唄なんですけど、二人のその後の曲で
距離を乗り越え結ばれているのかと思いきや、そうでなく二人は別れてしまったという曲になっていて
それがどうしても許せなかったんですって。 なるほど・・・
たしかにそれが現実というものかもしれませんけど、だったらなおさら作詞者の意思ひとつでどうとでも
なるのならハッピーエンドであってほしかったのでしょうね。
一度世に出たものならば、曲に限らずそれはもう人々のもの。勝手にひとり歩きもしていく。
こわいものですね。でも私はそれだけ人の心を揺さぶった、影響を与えたものを世に生み出した
という意味でマッキーに羨望のまなざしをおくります。
私なら、ファンをやめるのでなく、ハッピーエンドなオリジナル「続ANSER」を自分でつくります。
でもそれが誰の心にも響かないのは少し淋しいですね。せめて自己満足ではなく、
たったひとりの愛する人に聞いてもらいたいと思う。その人の心にも響かなかったら、ほんとに淋しいというか泣く。
それが現実というものでしょうか・・・ いかんいかんなんか辛気臭いですね。秋の雨のせいにしましょう。
私、なぜかマッキーの曲って筒井道隆のイメージと結びつくんですよ。なんでだろう
来年の大河ドラマ「新撰組」は、松平容保役を彼が演じるということで、ひそかに楽しみにしております。
芹沢鴨役の佐藤浩市、斉藤一役のオダギリジョー、この私好みの三角中心に見ようと思ってます。
が、問題は私が歴史バカということで、斉藤一も知らなければ本命の松平容保なんて
読み方さえ知らないという程度なのでちょっと心配です。勉強しよ。

2003年10月2日 木曜日
昨日は火星を見に標高が高いところへドライブに行ったんです。
でも、計算違い。甘くみてました。寒いのなんのって!
風も強くて、心臓が押しつぶされそうになりました。歳ですかね〜
ちょっと前まではあれだけ「火星、火星」ってみんな言ってたのに
近頃なんか忘れられてるというか、飽きられてるかんじですよね、
そんな時にもけなげに「見よ!地球人、もう今度は6万年後しかこんなに近づいてやらんぞ」
と言ってるようで、私は最近の方が火星気になるんです。もう10月だけどもうちょっと見れるようだし。
先日書店に行った時、今度火星観測に行くから天文ガイドでもちょっとチェックしていこうか、と
そういうコーナーに行ったら、玉山鉄二似の男性が「天文ガイド」立ち読みしてたんです。
で、私は隣で「月刊星ナビ」見てたんですけど、そのコーナーで二人きり。
書店って出会いの場だよな、ってぴんとひらめきました。
映画「恋におちて」みたいなこと、実際あってもおかしくないでしょう。
少し隣の女性誌コーナーでは立ち読みする手をいれる隙もないほど黒山の人だかり。
「決め!合コン勝利のワンピ」とか「この秋はウルルンボッテリルージュで彼氏ゲットー」とか
「体験イケメンとの夜by袋とじ」みたいなコピーの、腱鞘炎になりそうな
重い雑誌を立ち読みして研究するよりも、趣味のコーナーに素敵な男性との出会いが待ってるような気がするぞ。

最近私のまわりで武田百合子の「富士日記」を読んでる人が多いです。私もそうなんですが。
そのことをお客さんに話すと、そのお客さんは「あれは深沢七郎が出てくるから好き」だそうです。
武田泰淳の「ものを食う女」というのもいいですよ、と教えていただきました。
武田泰淳は百合子さんを食事に誘いトンカツを食べる、戦後の貧しい頃でトンカツはごちそう、
そのトンカツをめちゃくちゃおいしそうに百合子さんは食べた、その姿に癒された、という話のようですが
好きな人がおいしそうにものを食べる姿で幸せになる、というのはいいですね。
人を感動さすくらいおいしそうにトンカツを食べる百合子さん、素敵だ。

2003年9月30日 火曜日
長田さんがやってきてまた太宰関係の貴重な資料のコピーを持ってきてくださった。
「津軽三味線全日本金木大会十五年の軌跡」からの抜粋です。
太宰が明治高等小学校の時に書いた「僕の町」や、三味線との接点、
「かっぽれ」にも関心を持ってたこと、太宰を眠らせぬほど興奮させたという新内節の名曲「蘭蝶」
私も聞いてみたい。心中もののようです。
長田さん曰く、太宰がまだ小学生の時、弔辞をよんだことがあるらしいのだけど
その弔辞が見事にすばらしいものだった、と聞いたことがある。
どこかに詳しいことが載っていないか調べている。とのことです。
私がスラスラ答えられたら良かったのですが、まあ一緒に調べていくことにしよう。

高校生の下校風景みたいなかんじで何人か制服姿で通りすぎるのを見ていてちょっとびっくり。
みんな口から細い糸をたらしてるんです。かいこみたいに。
あれはなんですと?流行ってるんでしょうか 若いお客さんに聞いてみたら
「糸ひきあめ」というものらしいです。朝日新聞の「ウチらのはやりもん」のコーナーは好きでずっと読んでる
のだけど、こんなものが流行ってたなんて! でもちょっと興味ある。どこで売ってるのか今度聞いてみよ
まさかカップル同士糸からめあったりしないよね。ちょっとそれこわい、でもちょっと見てみたい 秋ですねー

2003年9月29日 月曜日
とうとう美登利屋鮨へ一度も行けなかった。
9月いっぱいで閉店してしまわれたのですね。けれど歴史は残る。
三鷹は最近、商店街の模型屋さんも閉店してしまわれたようで残念です。
プラモデルとか作ったことないけれど、男の子の神聖な遊び、というイメージがあって
子供時代から少し憧れてました。商店街を通るたび、いろんなお店をのぞいてくのが好きなのですが
スーツ姿のサラリーマンとかが少年のような目をして模型を物色しているのを見るのが好きだった。
その近くの古本屋さんがたぶんスタッフがすごくモー娘。好きでいつ行ってもハロプロ関係の曲や
ビデオが流れてるのも私はけっこう好き。ちなみに「愛の園」って今の曲、かなり好き。
そしてその近くの古くからある喫茶店が夜めちゃくちゃ混んでいて、なぜか皆食事しながらマンガを読んでる
その光景も好き。閉店して惜しむのなら今あるお店を、自分の街のいろんな店をもっと好きになっていきたい。

太宰の会の方が来てくださる。いろいろと太宰の話など。
その方は長部日出雄氏の本なら「桜桃とキリスト」より「辻音楽師の唄」の方がお好き、とのこと。
三鷹時代の太宰のことが「桜桃とキリスト」にはあまり書かれていない、と。
私も三鷹に来たのだから、三鷹時代の太宰治をおもに追及していきたいとは思ってる。けど
ここんとこは恋愛小説ばかり読みまくって太宰研究などまったくおざなり。まあ秋なのでいいですよね。
本日は「マラケシュ心中」を読了。ズキッときたセリフがあってなんだかずっとつきささってます。

2003年9月28日 日曜日
えーと、ますたーです。
風邪、ひいちゃいました。
扁桃腺がすごい事になってて全く話せません。
さすがに「店主と交代するまでは誰も来るんじゃねぇ〜」と思ってしまいました。
皆様も、お風邪などめさないようにご自愛くださいな。


byますたー。
2003年9月27日 土曜日
けやき出版から「多摩CAFE]という可愛らしい本が発売になりました。
朝日新聞の武蔵野のニュースのところでも紹介されていました。ご覧になった方もいるかな?
多摩地区のいろんなタイプのカフェ、喫茶店が散歩道のコラムやイラストを織り交ぜ紹介されているのですが
うちの店も「ブックカフェ」として載っています。普通店の写真って外観か窓側の風景が載ることが多いのですが
今回は裏のテーブル側の風景が映し出されていて、これまた新鮮でした。
なんだか実際より広く見えるんですよねー。 書店でみかけたらチェックしてみてくださいね。

こういうガイドを読むとたしかに行ってみたいお店がたくさんできて嬉しいのだけど、
取材とかまったく受けないで口コミだけで勝負されてるお店も多摩地区にはたくさんありそうですね。
今日もお客さんから素敵なお店の情報をいただきました。
三鷹の塚というところあたりに地下1階のベトナム雑貨屋さんがあるんですって。
そこはお店の中に水槽があって熱帯魚もたくさんいて、熱帯魚をながめながらお茶を飲むこともできるそうです。
水族館で働く人が勉強に来るほど、熱帯魚の知識がある店主がいらっしゃるんですって。
小学校の机と椅子を使われてるそうで、そんな懐かしいかんじの椅子に腰かけて、目の前をユラユラゆれる魚を見ながら
蓮茶をいただく、なんてウン十万もするおしゃれ系のソファより居心地が良さそうです。
また店主さん曰く、
「何度か来ていただいたら、魚の方があなたを覚えますよ。
姿はもちろん体温で魚はその人を感じることができるから。」って。
「体温を感じ取ってもらえる」ってのがとってもひかれますね、
そんなこと人間なら恋人同士でもなきゃないですからね。
この街で自分のこと、自分の温度を覚えてくれている魚が存在したらとても素敵。
魚が混乱しないよう、排卵日は避けた方がいいのかな(なんのこっちゃ)
今度チャリンコとばして行ってみようと思います。できれば安全日に。

2003年9月26日 金曜日
今朝、早朝、2本の虹を見ました。くっきりと西の空に出てました。
すごいいい気分になったのだけど、もしかしたら地震に関係する虹だったのかもしれませんね。
北海道って何度も書いたようになにかしらの縁を感じる場所なんで今回の地震、かなり気になってます。
これ以上被害がでないといいのだけど・・・余震もありませんように。

私よりずっと大人で本に詳しいお客さんが来店されたので、
「秋におすすめの恋愛小説は?と聞かれたらどんなのがいいですか 大人の男性の声も聞いてみたいんです。」
と逆にこっちから聞いてみました。さすがでした。どんどんでてきました。
中河与一「天の夕顔」これは私も読みました。京都の熊野神社とか左京区がよく出てくるので
実際にそのあたりにでかけていって公園のブランコで夕暮れまで読みふけってた覚えがあります。
滝井孝作の「無限抱擁」これは健全な男女が結婚するまでのつきあいの手本みたいな話だそうです。
阿部昭の「大いなる日(聞き間違いかも」これは四谷から信濃町まで恋人達が歩くシーンの描写が良い、と
ディティールまで紹介してくださいました。大岡昇平の「愛のごとく」、外国文学ではジュリアン・グリーンの
「アドリエンヌ・ムジュラ」これは私も知らなかったのですが、アパートの隣の部屋に引っ越してきた男に
一目惚れし、ぶっ倒れて死んでしまう、という話だそうで、まさにフランスの小説、というかんじ。
うちにある本だったら、宮本輝の「錦繍」何度読んでもいいですね〜。 川端康成「女であること」
三浦哲郎「泥の川」藤原審爾「秋津温泉」などを挙げてくださいました。これらはすべて文庫です。
こんなふうにお客さんにいい本を教えてもらうこともしばしばです。
江國香織の「東京タワー」もそうでした。店に棚出ししてたのですが、売れる前に読んでおいた方がいいですよ、
とお客さんに言われたことを思い出して最近読んでみたのです。その小説の中で人妻の女性がうんと年下の意中の
男性に対して「手をつないでもいい?私、手をつないでくれない男のひとは嫌いなの」と言うセリフがあるんです。
こういうことをさらりと言える女性って素敵だな、と思ったんです。大人の無邪気さ、とでもいいましょうか。
最近友人から「切ない恋愛小説が読みたいから教えてほしい」とメールがきていったん返信したんですけど
彼女には今気になる人がいるようで、その人と手をつないでドキドキした、って返事がきて
思わず「東京タワー」のことを思い出し、「追加あり」ってメールしました。というわけでまだまだコイバナです。

2003年9月25日 木曜日
昨日はデイリーズでケーキを2個も食べてしまった私。
いや、食欲の秋ですから。で、そのあと帰り道店先に「おはぎ」の文字を見て
いったん進んだ自転車をギギギーっと戻して(ちょっと自分でもマンガみたいだった)
「あ、あのおはぎください」とおはぎを買ってしまった私。おはぎひとつだけじゃなんなので
ごまもちとみたらしだんごも買ってしまった私。食欲の秋、はここで打ち止めにしよう、と心に誓う。
そして念願だったCDラジカセを買った私。秋の夜長に部屋でテレビよりも音楽を聞こう、と思ったのでした。
それもCDでなくカセット。家にカセットがたくさんあるのだけど、なんとなく聞き返したくなったのですよ。
そしたら昔、クリスマスプレゼントに好きな人に贈ったっぽいカセットを発見し、聞いてみたのであります。
A面とB面の間をブチッと1曲またがってつないでたのはまだ許せるとして、
なんと松田聖子の「旅立ちはフリージア」とか入ってて、これ聞いた方はどう思ったかな、と思わず失笑した。
いや、遠距離恋愛でしたし。っていいわけにはなりませんかね。
どうして贈ったテープがあるかって?そういうのしっかりダビングして持ってるタイプなのです、私。
でも友人やお客さんにその話をすると、「いや、過去にそういうのやってる人多いよ」となぐさめてくれる。
ある人は「恋一夜」をふきこんで送ったことがある、と聞いて多くは問わなかったけど忍ぶ恋だったのね、と思ったり
ある人は「ワンダリンディスティニー」(お、旬!)を自分の歌声で直に聞いてもらって思いを訴えた、とかね。
それこわいですよ。「あーなーたーと死ねたらぁ♪」ですからね。私なら逃げます。
しかも強制でマーク・パンサーとこ相手の男性に歌わせた、というんだからすごすぎです。ホントかな?
まあ誰でも恥ずかしい過去あるよね、と少しホッとしてたら、男の子のお客さんからいい話を聞きました。
ラモーンズっていう自分が好きなバンドのテープを好きな女の子の下駄箱に入れておいたんですって。
その時は全く反応がなくて、ひかれたのかなと思いながら卒業してしまった、と。
何年かたってその女の子に偶然会ったら、その女の子ボロボロの靴(破れたコンバースとか)履いてたんですって。
ラモーンズってボロボロの靴がファッションというかトレードマーク?らしいんです。
「うわー、ええ話やんそれー」って思わず関西弁で叫んでしまいましたよ。
たまたま靴がボロボロだったのではないことを祈る。まあそれもまた人生かな
やっぱり食欲よりコイバナの秋ですわ

2003年9月23日 火曜日
今朝私が開店準備をしていると、赤ちゃんをおんぶした女性がずっとお店の中を
のぞきこんでおられたので「良かったら見るだけでもどうぞ」と声をかけてみたら
「実は今度こちらの工事中の住宅に娘が住むことになっております。
どうぞよろしくお願いします。今は大変うるさい思いをされてるでしょうがほんとに申し訳ありません」
と言われ、「いえいえ、そういうことでしたらこちらこそどうぞよろしくお願いします」とご挨拶しました。
今工事中の住宅、もうすぐ完成のようですがうちのお店に一番近い隣人さんになるのですよね。
ここに住む人達が、友人たちに新しい住所を知らせる時なんかに、
「右に見える図書館、左は古本屋カフェ」(ちょっと中央フリーウェイのパクリですが・・)
なんて一言書き添えてもらえるような存在になれたらいいですね。
よく考えたらこの立地って本好きの人にはパラダイスのよう、に思いません?
そういえば図書館と警察署の間の田んぼみたいな広いところ、マンションがたつそうですね。
このことはお客さんから聞いたのですが、「残念ですね、あの空間、なんだかホッとしたのに」
って本音を言うと「あらら、欲なさすぎですよ。普通は店の近くに大きなマンションできたら
お客さん増えるチャンスだから喜ぶものですよ」なるほどー、とうなづく私。たしかに鈍感です。
でもとうとう来てしまった。私の日常風景から「田んぼ」がすっかりなくなる日。
37年間ではじめての事です。やはり淋しい。京都時代も常に近くに田んぼがあったから。
でも店にいてもいまどきの季節になると聞こえてくるんです。虫の声が。まだまだ救いはあります。

「ダ・ヴィンチを見て来ました」と男性3人組でお店に来てくれました。
自然に本の話してて、いーなー、こういうかんじ、って思ってた。
彼らがお店に来るまでの過程に興味が湧く。「ここ、なんかおもしろそうじゃない?今度の休みに行ってみる?」
とか言って約束するのかな?とか想像しながらコーヒーつくってました。
休日のわりにはヒマでしたけど、久々に晴れてさわやかな日だったので今日はこれで良しとしよう。
明日休んであさってからまたいろいろとお店のこと頑張ろう。明日は天気予報雨でちょっと残念だけど・・・

2003年9月22日 月曜日
ホームページの目録、「品切れ」のところがずっと変化がないですね
とお客さんからご指摘を受けました。そのとーりです。うちのHPの目録
ちょっと見にくいですよね。著者もあいうえお順とかに変えていこうと思います。
品切れの表示も半年以上放置、なんてのザラだし。そういうところから改善していかないと。
悪いところを指摘してくださるのは本当にありがたいな、と思います。というか
もっと早くなおしなさい!ってかんじですよね。すぐには出来ないかもしれませんが
序所に進めていきたいです。

お客さんが「先日京都に行って来ました」と報告してくださって京都の話をいろいろと。
松茸せんべえというお菓子を食べられたらしいのですが、そのお菓子すごく気になります。
かむと松茸の香りがわーっと口に広がるんですって。おいしそう・・・
最近、郷土料理に、(料理といってもお菓子やおまんじゅう類なんですけど)興味が湧いてきたのですが、
今出てる「クウネル」という雑誌に「落花生ぼたもち」というのが出ててすごく食べてみたいのです。
写真も出てるのですが、ぼたもちをつくる30年まえからずっと使ってるというミキサーがなんともいえず
いいかんじで。綿菓子を作る機能もついてるそうです。ほ、欲しい〜
話は京に戻ってお寺の話。青蓮院というお寺、私は行ったことないのですが、たしか少し前にとてもいいところ、
と人にすすめられた覚えがあるのです。今度行ってみようと思います。
銀閣寺の入り口の背の高い(竹かな?)あの入り口が私は好きなのです、と言いながら
「雪の日に彼女と銀閣寺に行ったら素敵だったよ」と言われてた男性がいたな、と思い出してました。
雪の日の朝に、「そうだ、京都いこう」って新幹線飛ばしていく、そのような出来事にとても憧れるので
やっぱりもうちょっと商売頑張ろう、と思いました。 いつでも旅立てる自分、マジで憧れるな〜

2003年9月21日 日曜日
どもども、ますたーです。
先週ちょっとお出かけしていたので、久しぶりの日記です。
かといって、特に書くこともない訳なんですが(笑
先週は、出稼ぎ先の同僚さんの荷物運ぶの手伝ってきたのです。
いや、いらない本あげるって言われたので。
ダンボール整理しながら中見てみたら、いや、これが、なかなか自分好みの本ばっかで・・。
いや、全部もらえる訳じゃあないんですがね(汗
そんなこんなで、荷物の整理し終わって本もらえるのが楽しみだったりします。
まあ、これも一応仕事のうちっつーことで。

byますたー
2003年9月20日 土曜日
北海道のニュース番組でうちの店がとりあげられた、と先日日記でも
書きましたが、今朝ビデオテープがポストに届いていたのでさっそく見てみました。
いつも言われるんですけど、私って早口ですね。 あとやはりおでこがかなりテカってました。
まあ荒探ししたらキリないんですけど、お店の方はとてもきれいにうつっていていいかんじで紹介されてました。
私は身長が153cmと低い方なんですが、今回高めの視線からカメラでお店をとらえていたので
いつもの目線と違って新鮮なかんじがしました。客観的に自分のお店を見れるのは良い機会ですね。
本の表紙の太宰の写真が長く写され、そのあとすぐに私が写るとこはちょっと感動でした。
今回はTSTAYA六本木ヒルズ店とうちの店の2店だけの紹介ということで比較的長く放送されてましたし
こういうお店が東京にあるのだな、と少しでも放送を見た方の記憶に残ればいいなと思います。
ご覧になられた方、東京、三鷹へいらした際は是非お立ち寄りくださいませ。

今日はあいにくの雨でした。あ、そうそう地震もありましたね。前震でなければいいのだけど・・
仲の良さげな家族連れの方が来店されてなごまさせていただきました。
うちはどちらかというとお一人で来店されるケースが圧倒的に多いのですが
時々本好きファミリーが来てくださることもあります。
今日はお母さん、お兄ちゃん、娘さん、の3人で。お兄ちゃんはまだ10代後半くらいで、
おしゃれな雰囲気。渋谷とかで買い物してそうなかんじの男の子。そういう男の子が休日に
家族と一緒にうちの店に来て、棚の背表紙をじーっと目で追っている光景というのはなかなかいいですよ。
最後お会計はもちろんお母さんがまとめて払われたのですが、さあ帰ろう、って時に
お兄ちゃんが「ちょっと待って」って自分で川端康成と村上龍の文庫をレジに持ってきました。
お母さんが「あら、一緒に払うのに」ってかんじで来られたのだけど、男の子は「これは自分のお金で買う」
ってなんの迷いもなく無言で訴えてた。私は間をおかず男の子の大きな手からお金を受け取って本を手渡した。
その一連の動きは美しく、私はある種のときめきさえ感じた。
今時のおしゃれな男の子の手の中で見た川端の「古都」の文庫の青、また新しいブルーを知ったようなかんじ。
こんな若い渋谷にいそうなおしゃれな子が「古都」を自分で選ぶ、っていうのがなんだか嬉しいのです。
レアじゃなくていいんです。100円、200円の文庫だけど今の彼にピッタリ寄り添う本がうちにあって良かった。
そう、私がお店をやっていて一番実感したいのは、たぶんこういうことの積み重ねなんだろうなと思うのです。

2003年9月19日 金曜日
私の娘なんですけど、とにかく恋愛小説が読みたいので買ってきて
と頼まれたんですけど、なにかあります?
とお客さんが来店され、いろいろ探してみたのです。
もう少し的を絞れるといいんですけどね、たとえば男性作家か女性作家ものか、
ライトなものかハードなもの(いやん)か、いやマジ「ハードなもの」って口にした瞬間
ちょっと照れてしまったのは事実です。気を取り直して、娘さんの年齢をたづねると
22歳とのこと、すばらしいですね。秋、恋愛小説が読みたくなる、そして私は22歳。
世界は薔薇色ですよね〜。まあ私が22の時にそんなことを37の人に言われたら
「青春時代の真ん中は道に迷っているばかり、って歌、そのお歳なら知らないとは言わせませんよ」
とブチ切れるかもしれませんけど。まあまあなにはさておきただいま恋がブームのわたくしに
もってこいの問い合わせ。腕がなるわい!と本をいくつかピックアップしようとしたら as soon as
「これにするわ」と宮本輝と山本文緒の文庫を2冊がしっとつかんでいらっしゃいました。
出る幕なし、ありゃりゃという気分と同時にかなりホッとしながら
「いや、ナイスセレクトですよ。その恋愛中毒っていうのはかなりハマッて一気読みしましたもの」
と言いながら「恋愛中毒」の発売日、新刊ダンボールからこの単行本をとりだした時のなんともいえない
ひんやりした本の感触を思い出してました。読まなくても中身が匂ってくるような質感。
帯の文句を読んで即効で「これ買い」と決めたこと、覚えてます。手に触れた瞬間からその魅力が
伝わってくる本との出会いというのは、品出し中のなんともいえない楽しみでした。
「これとりおき!」みたいな。あれは理性でなく本能で嗅ぎ分ける感覚だったように思う。
これが今すぐ手に入らなかったらすごく困る、みたいなかんじ。 まさに恋と似てる。
またそんな出会いからむさぼるように私も恋愛小説を読んでみたい。 
秋のはじめのわたしの恋ブーム、まだまだ続きます。

2003年9月18日 木曜日
火曜日にお客さんとケーキやお菓子の話をした。
三鷹近辺のおいしいケーキのお店も何件が情報交換したけれど、
そのお客さんは「レヴェのケーキが大好き。しかも朝9時半から甘いケーキが
食べられるのよ。おいしいケーキ屋さんはたくさんあってもそんな早くから開いてるところは
そうないわよ」と言われていて、その言葉が閉店後も離れず、水曜の朝起きても離れず、
チャリでレヴェまでケーキ食べにいってしまった。おいしかった〜 至福タイムでした。
さすがにオープン直後、までの気合はなかったけれど・・・
いや、いったん「めざましテレビ」やってる時間帯に目が覚めて、9時半までどうやって時間つぶそうか・・
とボーッとしてたんです。中野美奈子の瞳がやけに輝いて見えて、「絶対彼女恋してる!」って思ったんですけど
実際には高島さんの方が出ましたね。そんな事思ってるうちにまた眠くなって二度寝し、昼起きてレヴェ行ったのでした。
お菓子の話では、最近コンビニに行くと目立つ場所に秋のお菓子コーナー、みたいなかんじで
マロン系とか、新しいチョコとかたくさん並んでるじゃないですか。あれがダメって。
もう全部買占めたくなっちゃうからって。いやー、同感です。
虫歯ゼロだったら私とっくにやっちゃってそうです。最近の新種のポッキーとかってもう芸術品みたいだし
新しいものが出ると一度は試したくなる心理をお菓子メーカーはここぞここぞとついてくるんですよね。
で、新しいものが出れば出るほど赤いガーナとかロングセラーものも輝いて見えるから相乗効果あると思う。
でもグッと我慢しました。いや、我慢できました。お菓子を買おうかとコンビニに行ったら
岡田准一君のひきしまった身体の表紙のananが私を呼んだのでお菓子どころではなくなったのです。
で、ロイズチョコレートプリン(こっちは我慢ならず)を食べながら今日はanan読もう、と決めたのでした。
あ、そうだせっかく駅前まで来たのだから本屋へ行こう、と本屋へ行ったら
豊川悦司が新刊出してた。なかなかいいかんじの本。要するにラブレターなのです。
 「目を閉じたら あなただらけでした(笑)」とか書いてあって、そうか、これがいい男の(笑)の正しい使い方か、
と勉強になった(笑) それから1時間ほど本屋にいて、夜は「銭金」見て、世の中にはこんなにぶっとんだ人達がいる。
私なんてまだまだだわ、と感慨深い思いに身をゆだねる。 そんなかんじで久々にゆるゆるな休日を過ごしたのでした。

2003年9月16日 火曜日
月9のドラマで太宰のポスターが映った、と教えてもらって
昨日私も実際に見てみました。 小堺さんが演じている小説家志望の人の
アパートの部屋に、たしかに太宰のパネルがあってそのパネルをしまい自分の
文学賞受賞時の写真を飾る、みたいなシュチエーションで、一瞬映りました。
なんだか、「ああ、私の太宰さん」って気にさせられました。
現代の、月9ですからまさに現代のドラマのわずか一瞬のシーンだったけど
そこだけ白黒で、なんだか時間がとまったような気がさせられたのは私だけかな?
太宰さん、かっけ〜よ!って、ドラマ見てる若い衆は思わなかったかしら
まったく現代のドラマにふと登場しても色褪せない、ものすごく素敵な色気を放ってたと
思うんですけど・・・ 私にとってはタッキーよりハセキョーより、太宰さんが主役でしたよ。
たった一瞬でしたけど。 今までにも部屋のシーンで数回登場したということなので
ビデオや再放送になったら見直してみようと思います。
先週の「トリビアの泉」でも太宰がとりあげられたそうで、最近よく出てますね。
鉄道マニアの人が「鉄」っていう字を目にするだけでドキーッ!とするように、
「太宰治」って文字や言葉聞くと、ほんとドキーッ!ってします。
恋しはじめの時って、その人に関連した単語とか見たり聞いたりするとドキーッっとするのと同じですね。
そういう時って、普段気にしてないからかもしれないけど、何度も目や耳に入ってきて
「やっぱりあの人と私はなにか運命でつながれてるのだわ」とか勘違いしちゃうんですよね(笑)。
私は自分からすぐ愛の告白しちゃう場合が多いのであまり告白されたことないのですが
「最近、南(私の旧姓)っていう字がよく目に飛び込んでくるんだよ。街中、一日中南だらけだよ」
って言われたことが一番印象に残ってます。 あら、何を大昔の話してるんだか・・・
人恋しい秋ですね〜 オフコースでも聞こうかしら

2003年9月15日 月曜日
「ゆめにみし人のおとろへ芙蓉咲く」
という久保田万太郎の句を知ったのはたしか高橋治の小説「風の恋盆歌」でした。
酔芙蓉という花が見てみたいのです。
今日偶然にも風の盆に行った、という人の話と酔芙蓉の話をそれぞれ違うお客さんと
話したので、またふたたびこの小説のことを思い出して「本日のおすすめコーナー」に設置しました。
風の盆へ行った方は、ブームになる前までは良かったのだけど、今の風の盆は人の多さにちょっとげんなりする、
と言われてました。最近の新聞の「声」欄でも風の盆でのマナーの悪い人への指摘がありましたね。
それでも私は見てみたい。私自身、ルーツは南の島で、明るい踊りしか知らないからこそ
日本海の近くのこの越中八尾の静かな踊り、静かなのかどうか実際に見たことないのだけど
お客さんが少し手まねされた時、とってもゆっくりな動きだった。顔も傘でほとんど隠れ、しかも黒い帯。
「阿波踊りみたいに全然明るくないの、むしろ暗いといってもいいような、でもなんともいえず妖艶」と言いながら
思い出されてるような瞳の奥には激しい炎が・・・。その炎が私に飛び火したことは言うまでもないでしょう。
人が多かろうが実際そこへ行ってこの目で見てみないと。行く時は自分自身見る眼を養っていかねば。
酔芙蓉については、月下美人の話をしている時に出てきたのです。
朝の中は白くて昼下がりから酔い始めたように色づいて、夕暮れにはすっかり赤くなる、
そして酔って散る、という一日きりの命の花、それが酔芙蓉。小説「風の恋盆歌」にも出てくる花です。
フォスフォレッセンスがやはり幻の花なのなら、少し似ているような気がします。

現在日本映画中心のオンライン古書店を運営されている鎌倉キネマ堂さんが来てくださいました。
もうすぐ鎌倉にブックカフェをオープンされるそうです。鎌倉駅からわりと近い物件が見つかり
ただいま準備中ということで、鎌倉へ行った時に楽しみに訪れられる場所が出来るということで大変嬉しく思います。
鎌倉にほど近い大船の撮影所はもう大学に変わってしまったということらしいのですが、(大船観音ファンの方
ご安心を。しっかと健在だそうです)古き良きものがどんどんなくなっていく現代で、古都鎌倉のしかも
駅にほど近い場所で日本映画を懐かしんだり、探し物が見つかったりする瞬間を味わえたりする、
これはなかなか良い大人の空間になるのではないでしょうか。

2003年9月14日 日曜日
本来でしたら日曜日なのでますたーの例によってそっけのない(笑)日記の筈なのですが
この日は彼がなにやらおでかけしたい、ということなので(注:甲子園ではないよう)
私がフルで店番だったのです。というわけで私が書くのです。
店主の失敗報告日記part2
とほほ・・・またもや失敗してしまいました。
なんと、居眠りです。朝一番に若い男性のお客さんが来店され、すいたお店でゆっくり過ごされて
いて、オープン当初から時々来てくださっていつもコーヒー飲みながらゆっくりと本を読まれる方で
安心感もあったのかもしれません。なんだか眠くなってきてたことは覚えているのです。
ハッと気がつくと、そのお客さんが立っていて、お金を出す用意をされていたのです。
私がバツが悪くならないように、と気を使っていただいたのか、「ねるなよ、おい」ってかんじでなく
フリーペーパーなどを物色するフリをしてくださっていた。やさしい方なのですね。
その時、思わず目覚めた時に口から出たセリフ、「あ、やだ私ったら...]
ちょっとここだけは自分に合格点出したくなるくらいの女の子ぶり。
今まで少女マンガや恋愛ドラマを見まくっていたことは決してムダではなかったようです。
目覚めって素が出るじゃないですか。ここで「うわっ、やっべー、ねちまったよ」とよだれをひとふき、
みたいなことをやらかしてしまったら、もうお嫁にいけませんからね。あ、いってるか。
でも営業中に居眠りしてしまったのは事実。おおいに反省します。
ただ不安なのは、お待たせしてしまった時間が長かったら・・・ということです。
たぶんいくら私でもレジ前で爆睡はないと思うんだけど、お客さんのやさしさにちょっと、いや
おおいに甘えてしまった日曜の昼の出来事でした。本当にすいませんでした。

2003年9月13日 土曜日
一度出るとどんどん出てくるというか、なんとなくこわいのですが・・・
「先日店主さんをバスの中からお見かけしました」とお客さんに言われ、またまたドキーッ!
私は舗道を自転車に乗りながら、口をパクパクさせて(いつものごとく歌を歌っていたのだと思われます)
まさに自分ワールドにひたりながらかけていったそうです。恥ずずず〜
おなけにめっちゃ「笑顔」で、ヘドバンまでしてたそうです。 それなんか怪しい人やん!
そのまま空へ飛んでいってしまいそうな勢いだったとか。
でもラッキーなことにそのお客さんも、まさにスローテンポなお姫様みたいな人なんです。
ヘンとか思わず、「こっちまで笑顔になりました」とか言ってくださる方で、ちょっと安心したのですが
そのお姫様がえらく真面目に、とても嬉しいことを言ってくれました。
先日の営業日記を読んだのだけれど、このお店の持ち味は、儲けが第一目的ではない店主さんが
創るお店ってところにあって、それはお店を1歩入った瞬間に伝わってくることだから、そこのところは
変わらずにいてほしい、と。もちろん生業としていくのだからアドバイスしてもらっていろいろ試行錯誤
するのは大事だけど、ここのお店の一番の魅力、このムードは変わらないでほしい、あ、そんなことはおわかり
ですよね?みたいな風に言ってくれて、うん、まさにそうだよなー、ありがたい事言ってくれるな、と思った。
はじめてお店の中でなく、外の私を見て、この人のこうゆう人間離れしたかんじは、素なんだなー
と思ったらしいのです。 お、お姫様、人間離れっておいおい、いや、いいんですけどね。
でもたしかに昔から、私の自転車の乗り方はすごく特徴がある、とよく言われてました。
なんかマンガみたいらしいです。ちなみに私の母の乗り方と似てるそうです。一度ビデオで撮って見返してみようかな
まあひとつくらい人間離れ?した人のやってるお店があってもいいですよね。
こうなったら頭の中にお花畑が咲いてる人(主人はいつも私のことをこう表現します)
でもお店を成り立たせていけるのか、そのサンプルになってやろうじゃないの!見ててください

2003年9月12日 金曜日
今日ひとつ失敗やらかしてしまいました。
お客さんがレジに本を持ってこられ、値段をレジ打ちしようとした時
岩波文庫だったのですが、文庫で値が書いてないのは半額なので
「200円になります」って言ったらお客さん、
「え?100円ってありましたけど・・・」と。 あれ?もしや・・・と思うと
ありましたよ。BOの¥100ってシールが。普通はカバーの後ろのバーコードのあたりに
貼ってあるのに、今回まったく的外れな場所に貼ってあったので気がつかなかったようなのです。
このシールのはがし忘れだけは恥ずかしいので特に気をつけているのにやってしまった。
「あ、うちのはがし忘れなんで100円でいいです」と答えると
「いえ、お店の決めた値でいいです」とそのお客さん言ってくれた。
ミスをみつけてわざとちょっとしめたろ、とかいうのでは決してなさそうだった。
「じゃあ100円にしますので」と結局100円にしたのだけど、次回から気をつけよう。
これが1000円以上する本とかだったらちょっと痛かったし。 しかし私もそのシール見つけるなり
「うわっ、こんなところに貼ってありましたねー」と爆笑してしまった。未熟者なんで失敗もあります。
もみ消すより笑顔笑顔(っていいんだろうか)

ドラマ好きなお客さんと「白線流しスペシャル」の感想トークバトル。
私は残念ながら後半の1時間しか見れなかったのですが、めちゃくちゃ良かった!派。
特にカッシー(柏原崇史)の演技ですごいツボにはまるところがあって、大泣きしてしまいました。
お客さんは納得いかない派だそうで、長瀬君と水野美紀が別れてしまうなんてダメ!と
番組に抗議メールでも送ってそうな勢い。私も負けじと「いや、あれでいいと私は思いますよ。
原沙知絵と長瀬君、めちゃ似合ってたじゃないですか」と言い返すと
「二人ともデカいってだけですよ」とお客さんもこてでも動かない。いやーおもしろかった。
そんなかんじで「白線流し」を連続ドラマの最初っからビデオで見たくなった私です。
この前「元カレ」はじめてまともに見てみたけど、またもや大泣きしてしまった。
近頃ドラマ離れてたし、最近のドラマはおもしろみがなくなってきた、なんて言ってた自分を反省。
自分の方がささいなシーンの人の感情の機微を感じ取れなくなってただけの話だと思う。
火星の神秘や秋という季節のはじまりが、また私の感受性を研ぎ澄まさせていってくれてるのです。
1年のうちのこのほんのわずかな時期のざわざわ感、これだけは15歳あたりからちっとも変わらないのです。
(この前気持ちは18歳とか書いてたのにもっと若返ってる。こわいなー)

2003年9月11日 木曜日
忘れられない絵画がある。
昔、仕事で行き詰っていた時に雨の休日にふと近鉄特急に乗って奈良に行った時、
絵画展をやっていて、無料だったのでなんとなく館内に入って見つけた絵。
東山魁夷とかすごくメジャーな、けっこう目にするような人のだと記憶してるんだけど、
それはオベリスク、塔の絵。小さな説明書きに、
「毎日ただ苦しい労働ばかりの民は、この塔への憧れだけが救いだった」
みたいなことが書かれていて、その絵をじっと見つめているだけで自分自身も
とても楽になったことを覚えているのです。その絵画の名も画家の名もはっきりと
思い出せないのだけれど、小さい頃読んだ外国の絵本の中に同じような話があったような、
その絵本でも人々は労働しながらも笑ってた。 苦しい毎日の中で渇いていくのでなく
いかに自分の内から潤いをみつけていくのか、生まれてはじめてそういう気持ちを想像してみた時のことを思い出した。
塔が突然消えてしまう、それはまだ私は人生の中で体験していない。その悲しみは想像できない。
でも塔があることを当たり前に思わないように、塔ができる前、なにもない大地、塔の計画書、
少しづつ完成していく塔、崩れていく塔、すべてありうる風景を見る眼を養っておきたい。

先日、「はいチーズ」の由来を日記に書きましたが、それを読んでいただいた方から
メールをいただきこんな節もありますよ!と教えていただきました。
はいチーズのチーズとはSay Cheese!.カメラ発祥国でもあるフランスは世界NO1のチーズ大国。
チーズの好きな国民であった事とチーズのイーの口元が笑顔の時のそれと同じ。
本来は撮る人が「はい」撮られる人が「チーズ」というのが正しい。撮られる人が「チーズ」と
言わなきゃ意味がないそうです。教えてくださった方、ありがとうございます。
「はい」「チーズ!」いい言葉です、ほんと。
昨日はほうとうをつくってお店で二人で食べたのですが、いまひとつうまくいかず、
「今度は俺がつくるわ」と言われてしまいました。がっくし・・ こういうところほんとうちの人遠慮ないわ。
私は私でほうとうの上にチーズ乗っけたらいけるかも?なんて閃いてます。ダメ?今度やってみよ

2003年9月9日 火曜日
「電気代をお安くできることにご興味はございますか?」
という電話が近頃しきりにかかってくる。別に冷たく電話を切ったりしないけれど、
期待をもたせると相手に無駄な時間を与えてしまうため、毎回殺し文句をすかさず
言うようにしている。「うち、毎月の電気代、1万円以下なんですけど、」
それ言うと皆さん、「え?マジですか?失礼しましたー」って反応ですぐに話は終了。
いやこれ、嘘ついてないんですよ。マジなんです。
住んでるアパートとこのお店の家賃が合わせて13万円台。これもマジです。
これだけ元出が低いからこそこの店はやっていけてるわけです。
自分でお店をはじめてさまざまな誤算もあったけど、これだけは判断間違ってなかった
って思えることは、最初に身の丈にあったところからスタート、決して無理をしないこと、ってところ。
お店の改装に大金をかけてそのローンもあったりしたらけっこう苦しかったでしょうね。
はじめてここの物件を見に来た時の写真が見つかったのですが、お店の前の桜の木の葉の少なさ
に驚きました。長いことここは空いてたそうなので、他の木と比べて葉も少なくなんとなく淋しげだった。
それが今日現在では店のガラス窓に枝葉が届きそうな勢い。ここまで急成長したのも、うちの店が入って
いろんな人に見てもらい、何より私が愛でているからだろうと思う。
今度の春には前より大きく桜が咲くといいな、きっとこれからもっと大きくなるのでしょう。

今日お客さんと話しててすごく印象に残った言葉が
「3次元の世界でしか萌えない」って。それってどんな世界だろう
違う世界の人と話するの楽しくって。自分の知らないことを実際にその人の話し言葉で聞けるのは
こういう仕事の醍醐味だと思う。私はゲーセンに行ったことがほとんどないのだけど
そのお客さんはゲーセンであるゲームのヘッドとか余裕でなったことあるみたいで
地方の離れたゲーム好きの人に面識なくても「ああ、あのヘッドの人」とかそういう風に
名前を轟かすっていうかっこよさもアリだよなーと思った。ゲームのことよくわからないので多少のニュアンス
の違いあったらごめんなさい。でもそのお客さんの言うゲーセンの多い街は古本屋も残る、っていうのわかる。
時間のある人達がちゃんと遊べる街っていいですよね。近々江古田あたり調査に行こうかな

2003年9月8日 月曜日
「この前、新宿伊勢丹の古本市でお見かけしましたよ」
とお客さんに言われ、えっ?ビクッとすると案の定
「髪振り乱してなんかすごかったです」って
恥ず〜! おじさまがたの中、花の乙女が必死に本を探す姿はなかなか
いいと思うのですが、自分の場合現実はとんでもなく遠いようです。髪、ふり乱してって・・・
しかもひとつにしばってるのに、それよっぽどですよ。まるで鬼ですよ
自分でも知らないうちにそんなに必死になっているとは・・・ああ、美しくない
たぶん日曜日、17時には店に戻ってますたーと交代しなくちゃいけないから
すごい焦ってたんだと思います。伊勢丹の会場けっこう広かったもので
おまけになぜかとんびが売っていて、こんなのうちのヒトが着たらすごいかっこいいんじゃ
ないかしらん・・いや、いかんいかん今日は本を見に来てるのだから!とか「古本市の君」探しや
お腹すいた〜!早くハムとアスパラのサンドイッチ食べたい〜!とかさまざまな煩悩と
戦っていたのですごい形相になっていったのだと思います。
今後気をつけよう。私にもっと余裕がありそうだったら声かけやすかっただろうし。
しかしどう考えても髪しばってるのに振り乱して、ってすごいなー

初めてうちの店に来てみた、というおじいちゃん、
「ここはなにやさん?」と言うので「古本屋に喫茶店をひっつけた店です」と答えると
「へー、いーねー、あなたなかなかおもしろい事考えるね」と
「こりゃいいわ、いい」と繰り返し言ってくれてすごい嬉しかった。
テーブルに座るなり、1冊1冊本の背表紙見ながらタイトルを読み上げていくんですよ。
それがすごい可愛いんです。生まれて初めて本を見たみたいな声、なんだか赤ちゃんみたいなのです。
「東京住所不定」というタイトルにえらく感銘を受けたようで、何度も
「東京住所不定、いいねーすばらしい!」と繰り返してた。
子供時代に夢中になって読んだという「レミゼラブル」と「赤毛のアン」をもう一度
じっくりと読み返してみたいと言われていて、「いつでもここで読んでいってください」と答えると
「じゃあばあさんのでかける時間帯にまた来るよ」ですって。
なんかしゃれたおじいちゃんでした。 そのおじいちゃんが帰ったあと、なんとなくこの
「東京住所不定」をパラパラとめくってみた。 実にいい本だった。ぶっとばすならこれくらいじゃないと。
前書きが「この本を俺と大好きなウォルト・ディズニーに捧げる」だよ、すごいよ。
「詩人である私は 若林の駅の売店の二時から最後までのおばちゃんがとても親切だから好きだ」
って詩の一行がとくに好きだな 新しく本が入荷するとどんどん安売り本にまわしてしまう運命の本でも
こうして時々お客さんに違う視線で見てみることを教えられる。
本読みの本屋にとってこたえられない瞬間。無限の可能性を生かせる店主にならなくちゃね。

2003年9月7日 日曜日
どもども、ますたーです。
風邪もだいぶ良くなってきました。
さすがに夜は涼しくなってきましたね。いい感じです。
最近(いや、いつもか)寝不足気味で、お店でも常にうつらうつらとしております。
で、そんな時に限ってお客さんが来るわけです。
眠りたい時に寝られないっつーのはつらいですな。
2003年9月6日 土曜日
いつも難しい本ばかり買っていかれる方がいらっしゃるんですけど、
昨日「なんとなく読んでみようかな」ってノリで吉行の「暗室」を買っていかれたのです。
その方が今日も来店して、「暗室、すごい良かったよ」と興奮気味で話していかれました。
なんであんな文章に艶があるんだ・・・って。確かに。
作者本人もいい男ですしね、なかなか私好みです。
つきあっていた女の人から吉行はどんなふうにうつってたのか、また
どんなことをしてどんな会話を交わしてたのかちょっと興味が湧いてきたので
宮城まり子の「淳之介さんのこと」あたりから読んでみようかな
もし吉行が生きていたら是非一度チャットしてみたかったですね。
どんな色っぽいログ残すんだろ、お、そうきたかー!じゃこれは?みたいなノリで楽しめそう。
そんなかんじで吉行話してると
「みゆきさんはダンナさん見ててもわかるけど、男性のタイプはマッチョで逞しい人より
色白の文学青年風が好きそうですよね」と常連さんに突っ込まれました。
まあ基本的にはそうですけど、ひかれるところがあればオールオッケーですよ。
ちなみにその常連さんの初恋は宇宙戦艦ヤマトのヒロイン、もりゆきだそうで・・・ハハハ
いや、私も人のこと言えません。初恋はバロムワンですから。
矢吹ジョーやキャプテンハーロックもそうだ、なんかどんどん出てくるよ
こうして振り返ると私けっこうマッチョ系も好きだったんだ。
そういえば昨日テレビで吉川晃司が「メーテルを抱きたかった」って発言しててかなり笑えた
のですが、私だってジョーに抱かれたかったさ!とテレビ画面に言い返してました。
常に上半身裸ってだけでも新鮮ですが、生まれてこのかたボクシングしかやってこなかった、
みたいな顔して絶対テクニシャンですよ、彼は。真っ白な世界へ導いてくれますよ、きっと。
名古屋の書店でジョーと力石のやおい同人誌見かけてからちょっと彼のことが気になってます。
しかも書店員のあついコメントカード付きだった! 買っときゃあ良かったなー

2003年9月5日 金曜日
お店の前で工事してるその作業員の方が、お店に来て
「すいません、ちょっといいですか?」と。
出て行くと一人のおばあちゃんがポツンと立っていて
作業員さんに話を伺うと、そのおばあちゃん、歩いてるうちに自分が今どこにいるのか
どこへ行こうとしているのかがわからなくなったそうなのです。
どうしましょう?ってかんじだったのですが、わかりました、話してみます。と
おばあちゃんにいろいろ聞いてみました。本当に不安そうで、こういうのはよくあることでは
ないみたいだった。いろいろ話しているうちにちょっと不安がとけたようなかんじだったので
市役所までの道をお教えしてお別れした。最後に「いい人で助かった ありがとう」と言われた。
昨日の話を思い出した。
そう、いつか立てなくなったり記憶が突然飛んだりする日がくるかもしれない。
守るべきものがある人はその時のことを自然に考えて計画を立てるだろう。
そう、思い出した。もうひとつ言われたこと。
私が「自分の手の行き届く範囲を超えたくないから、ずっと小さな店でひとりで、あるいは夫婦だけで
やっていきたい」って言った時の反応。昨日も書いた自分が動けなくなった時の準備はもちろんだけど
長い目でものを見ていない、ってこと。次世代のことも考えてこそ真の古本屋だって。
「古本屋で働きたい、あなたのお店で働きたい、って人を育てること、そういう人の夢を叶えてあげられる
ってことに気づいてないのはやっぱり自分の喜びしか考えてないってことになる」って。
それ言った人、従業員にお店をピンチにされたことがあるのに、あきらめてないんだ、と思った。
皆下の人に裏切られても、もう懲りた、とかわずらわしい、とか一時は思っても「人を育てる」ことに挑戦してる。
ようは従業員に店まかせて自分はかわいこちゃんと温泉三昧・・・とか願望があるかもしれないけどね。
もちろんそのへんのことは前向きに考えていきたいと思いました。もっと広く世界を見ようと。
ただ皆実際私のお店に足を運んでないからいまひとつニュアンスが伝わらなかったとは思う。
ここへ来れば私のやりたいことがなんとなくわかってくれるように思う。
まだ模索中だけど、私は余計なことを考えてあれこれ中途半端に計算高くなっていくより
このまま夢子おばあちゃんまで突っ走る方がいいのかもしれない、ってそういう考えもある。
まあおおいに試行錯誤しよう。どうか見届けてやってくださいね。

2003年9月4日 木曜日
東京都の人口が何人くらいか、答えられます?
私答えられなかったんですよねー。ほんと数字全般苦手なの経営者なら克服しなくちゃ
昨日はプチ同窓会におでかけしました。全員経営者です。15年前は従業員だった人も
今ではお店の経営者。そして私もひよっこながら1経営者。
でももうなんか「甘い!」ってけなされて帰ってきました。結果的にはすごく良い経験なんですけどね。
「将来の夢は?」って聞かれて、「お店は大きくしたり支店をつくったりは考えてない
ただとにかく続けたい。お客さんに愛され細々と続けていければいい。死ぬまでに本とCDを
一作づつ出せればそれでいい」と答えると、「商売やりながら儲けなくてもいいなんて信じられない!」
と。そこから「年とったらどうするの?家や親、子供の計画は?」など質問攻め。
「今の仕事はおばあちゃんになってでもできるし」とか答えてると
「昔と全然変わってない。そのまま可愛い夢見る夢子おばあちゃんになりな」みたいなキッツイお答え。
いや、全部当ってるんですよね、私の弱点がおおいにつつかれたわけです。自分のことしか考えてない。
それから延々と、自分が動けなくなった時の店のことを考えてない経営者はダメとか
そういういざ、という時のためにも金は貯めておかないといけないもの、とか話してくれた。
お子さんがいらっしゃるから、もし子供が病気になった時、をちゃんと考えて計画的に貯金するとか。
私がダンナにご飯を作ってないことも、時間的なことを言い訳にしてる、家族の健康を
思えば自然においしいもの食べさせたいと思う筈、とかとにかく痛いところをここぞ!とばかり
攻められたわけです。でも本当そのとーり。私もうちょっと広い視点と変わることが必要みたいです。
「でもあなたの武器でもあるその性格の良さ、そのキャラだったら絶対大丈夫」って
あれ?となんか虎がさんざん欠点を指摘した後にほめる、みたいなパターンを思い出しました。
東京都の人口は何人か知ってる?と聞かれ首をふると昼間人口1500万人近くは存在する、
その1500万人をそのキャラで一人でも多くファンを獲得する努力を私だったらするけどな
と言われた。みんな地方で頑張っていて、それこそ新聞やテレビにも出てるらしいけど
実際に反応は期待以下らしい。東京で勝負できたら競争率は高いけど、すごいやりがいあるじゃん
って言われてあらためて東京で店を出したことの事の重大さを思い知らされたような気がする。
そんなかんじですごく意味のある一日となりました。みんな私より大きな借金ばんばんしてるけど
すごいパワフル。何より15年たっても私の性格とかキャラをよく覚えてくれていたことが嬉しい。
いや、真実はかなり毒入ってるんですけどね、まあ純粋なまま、と思わせておいてだしぬこう(笑)
でもしかと受けとめよう。自分の強みと弱みを理解し、弱いところをあきらめずに改善して成長していきたい。
今度会う時にはあまりの売り上げの低さに「それは日じゃなくて月?」と言われないように(爆)

2003年9月2日 火曜日
書店に勤めてる友人が、ラルク7DAYS写真集の販促用ポスターを送ってくれた!
ありがとーーー! お礼状書くので待っててください。
こういうポスターって梱包がすごく面倒だし、送料だってかかるし
そういうめんどくさい事してまで好意でとっておいてくれること、とても嬉しく思います。
彼女が探してる本が見つかったらいつものお礼にプレゼントしよう。
斉藤栄 「じゃあねくんのあつい冒険 さむい冒険」です。(過去に一度書いてるかも)
子供の頃読んでミステリ小説にはまるきっかけになった本らしいです。
あれからずっと探してるけどなかなか見つかりません。
情報をお持ちの方、あるいはその本、家で眠ってる、欲しい人がいるならゆずってもいい
という方、ご連絡をお待ちしております。

お客さんから新聞の切り抜きを「これちょっと読んでみてよ」と渡されました。
その切り抜きは天声人語で私も読んでいたものなのですが
だれがつくったのかわからない一遍の短い詩が欧米や日本で静かに広がっている、というもの。
「私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません」からはじまるその詩は
私は風や光や星となって大地にふりそそぎあなたを見守る、というような内容なのです。
たしかにいい詩だと思うのですが、お客さんと「太宰はそうじゃなさそうだよね」って
意見が一致しました。極端に言うと
「私のお墓の前でおおいに泣くがいい。俺はここにいる」みたいな・・・
他のあるお客さん、「太宰は彼の本のそれぞれのページの中にいる」って言ってました。
太宰さん、あなたほんと語りやすい人だよ、まったく・・・
みんながここに「それぞれの太宰」を持ってきても充分受けとめられる器の大きな人になれますように

2003年9月1日 月曜日
昨日は関西からサークルの後輩が来店。
こういう場合って、大抵はあの頃は18歳だったのに30になるとさすがにふけてきたな、
というパターンが多いけれど、なんか彼はすごく若く見えた。
新宿2丁目歩いてたら男性に声かけられたらしい。納得。
話を聞いてみると週に何回か空手を習ってるそうで、これが若さの原因かな?と思われる。
精神的にも鍛えられそうでいいよなー、空手。
「ちょっと写真撮ってもいいですか?」と聞かれ「いいよ〜 はいチーズ」って撮ったら
隣に居たお客さんがボソッと
「どうして写真を撮る時ってチーズっていうんでしょうね、バターとかじゃないんですよね」
とつぶやくと、後輩がすかさず
「昔、雪印(森永でなく雪印だったと思うんだけど・・)のコマーシャルで、はいチーズと写真を撮る時に言ってた
ことがはじめだそうです」とさすがクイズ研究会出身!のナイス回答ブチかましてくれました。
トリビアの泉が今流行ってるけど、私まだ一回も番組見たことないんです。
どうも雑学が役立ちそうなので今度見てみよう。
吉行淳之介の本を何冊か買ってくれた。吉行が好きだそうで・・・
現役時代はそんなことつゆ知らず。そういう後輩の意外な面を発見したりするのは悪くないですね。


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