営業日記。

2003年6月30日 月曜日
6月の最終日。
よってあやトラ応募締め切り日、ということでせっせと入力してましたが
あれだけ頑張ってマメに飲んでた気がする午後ティー、結局1口しか応募できませんでした。
あやや好きで頑張って飲み続け部屋中ペットボトル状態のそこの君、
ってこの日記読んでくれる人にはあまりいなさそーですが・・・一応一言、おつかれ〜
アルバム「FIRST KISS」でも聞いて一息つきましょう。 あややのアルバム、すごくいいですよ〜
いやいやしかし今はあやや聞いてるヒマはないんだった。
そうです。ラルクの7DAYSが始まっております。 もう楽しみすぎて心躍ってます。
例のガラス面だしコーナーをラルク雑誌でかためた事は過去何回かありましたが
今回は一番反応があります。 今日なんかすごく可愛らしい3,4歳くらい?の女の子が
窓に向って「あ!はいどしゃん、はいどしゃん!」って指さしてた。
そしたらその女の子と一緒にお母さんがお店に入ってこられて、「ここにある本は買えるんですか?」
と聞かれるので、「はい、良かったらゆっくり見ていってください」と言って見てもらうと
2冊ほどお買い上げになられました。親子でファンのようでとても羨ましい。将来親子でライブ行ったりできますね。
 あとからある方に聞いた話なんですが、家族で車に乗っていたら
私のお店のラルク雑誌が見えて、ファンの娘さんが「降りるー!」って言われたらしい。
道路の真ん中だったし時間がなくてその時は無理だったけど、今度行こうね、と約束したらしいです。
7DAYS行きたくてもいろんな事情で行けない人はたくさん居ると思う。でもたまたまファンの人が
気づいてくれてちょっとでもあのお店の人もファン?とか思ってくれたらいいかな、と思う。
最終日になにやら発表が、というのが気になりますが・・・とにかく久々の生ラルク、堪能したいと思います。

2003年6月29日 日曜日
眠いっすー。
いやもう最近、マジで、お眠モード真っ只中です。
閉店後にネットで売れた本を梱包したり、メールの返事書いたりするのですが、ちょっと俯いて気が付いたら一時間経過とか
(トーゼンその間は意識なし)、棚の下の方にある本探しててそのままゴロリと就寝とか、かなりヤバイ状況です。
外から見てたら怪しいですよね、薄暗い店内で夜中に一人カップラーメン食ってたり、いきなり突っ伏してたり(笑)。
こんな時にはでかい窓がちょっと不便だと思ってしまいます。
と、書いている今も実は眠いのです。春の眠気が取れませぬ。どーしましょ。

byますたー。

2003年6月28日 土曜日
今日はお知り合いの方が奥様をお連れになって来店、といったことが続く。
いやみなさん仲がよろしくて、なんか微笑ましかったです。
主にカップルで来店される場合、奥の席を好まれることが多いので、
奥側の目線の棚には軽めの本を置いてます。
小説ばかりでなく、時にはリラックスして趣味的な本を二人でおもしろおかしく読む
っていうのも古本カフェならではの風景だと思うので。
「なつかしの給食」を見ながらの会話だと思うのですが、そこに
でっかい揚げパンの写真が2つ載ってるのです。それを見て
「揚げパンが出る時は1つだけだったよね?」って奥さんが問いかけると
「いや、このとおり2つだったよ。」とご主人が答え、「ありえない!」ってもめてたり
その様子を聞きながら、よっぽど「私もひとつでした。コッペパンは2つでしたけど」と口出ししようかと思った
あと夫婦かどうかはわからないけど、前にカップルが座ってた時、
「純愛不倫」って小説の背表紙が目にとまったようで、「純愛不倫なんてあるの?」という
女性の問いかけが聞こえてちょっとドキッとした事があります。そのあと男性からの答えはなかった。
もしかしてこの本、地雷やったかな・・・と内心ヒヤヒヤしたことがあります。
古本好きカップルも多く訪れるので、すごいマニアックな話してるのを聞いて
私も勉強させてもらってます。時に質問されながらなんですが、インターネットで調べながら答えたりしてます。
しったかしていいかげんなこと教えるより、「わからないです。」と言って正確な答えの方がマシかな、と思って。
でも新刊書店にいた時は、一日に何人もの人の問い合わせを受け、なるべくお待たせしないように答えてた。
まずキイ叩く前に頭の中で検索してすっと答えが出るように、その感覚を取り戻さないと
ってことはもっともっと勉強しないと、ということですね。なんか最近同じことばっかし言ってるな
そう言ってる間にもう6月が終わる。週明けは郵便局に銀行に朝から忙しい。がんばろー!

2003年6月27日 金曜日
お客さんから太宰関連の情報をいただきました。
読売新聞の切り抜きを持ってきてくださいました。

日本近代文学館の第40回夏の文学教室が7月28日から8月2日までの六日間、
JR有楽町駅前のビックカメラ七階、よみうりホールで開催されるそうです。
今年のテーマは「東京」をめぐる物語。
7月31日(木) 太宰治と三鷹 長部日出雄 1時〜2時
        街に生きる ねじめ正一     2時10分〜3時10分
        色川武大と神楽坂界隈  伊集院静 3時20分〜4時20分
一日券は1800円。当日売りは2000円。
他にも興味深い講義がたくさんです。問い合わせ先は日本近代文学館(03-3468-4181)

最近また太宰の事がよく耳に入ってきます。
未公開書簡発見のニュース、桜桃について触れていた天声人語、そして未発表作品の発見、
特に根拠があるわけではないけれど、まだまだこの世に太宰の足跡は眠っている気がする。
よくお客さんに、「この店のプロデユーサーは太宰治ってわけですね。」と言われるけれど
その度に、なんだか彼がまだ生きてるような気がするんですよね。それはありえないんですけど・・
ものすごい力につき動かされてこの店を開店したのは事実。まだ生きてたら
「もっと勉強しろよ。大きくなれよ(巻き舌ぎみ)」くらい言ってほしいですね
ということでマネ虎の方を録画してました。 でもMステも生で見れたのです。
心優しいますたーが、20時からお店を交代してくれたのです。ええ人や〜
無事マネ虎録画しながらMステ見てたら、そう、t.A.T.uが出たくねえ、ってボイコットしちゃいました。
胃が痛くなった大人はたくさんいただろうし、責任とらされる人もいる、そういう人達には非常に申し訳ないのだけど
私的にはめちゃめちゃおもしろかったです。テレビの生放送ハプニング、久々にドキドキさせられました。
ちゃんと新聞の番組見出しにも「今夜何かがおこる!」って書いてあったし(笑)ミシェル良かったし。
t.A.T.uには幻滅、とか非難ごうごうのようですが、私は今後も見続けていきたいと思ってます。
どっちかというと自分と合うのは読書家のレナちゃんと思うけど、ジュリアちゃんに憧れるんですよね
まあ何事も真面目すぎる日本でこのようなパフォーマンス繰り返すことは無理だと思うし非難も仕方ないだろうけど
t.A.T.uの曲がけっこう好きなんで、私は別に嫌いになんない。8月に出るらしいロシア語版アルバム欲しいし。
ってなんか女子高生の日記みたくなってしまいましたがこれにて失礼。

 
2003年6月26日 木曜日
水曜日はまず無料の記帳指導説明会のため三鷹市公会堂へ。
そしてそのあとやっと歯医者へ。なんだか面倒だと思っていてずっと手つかずで
後まわしにしてたことを一気にはじめてみた記念すべきスタート日だった。
朝起きて、今日はどんな日になるんだろう・・とすごく不安だったけど(とくに歯医者)
なんとかやりはじめてみると、ほんとなんてことなくて、面倒くさいことはこれからは
最初にやってしまおう、とつくづく思う。
いろんな人から「虫歯痛むのなら歯医者へ早めに行った方がいいよ。」と心配していただいてたのに
歯医者こわい・・とか言ってさけてた私、ほんとアホでした。歯医者はほとんど30年ぶりですからね。
虫歯の方は案の定神経までやられていて、根性いれて治さなければいけないみたいだけど
いい歯医者さんを紹介してもらえたのでなんか安心して治療できそう。
といいつつやっぱり痛いのこわいのでまだまだ不安なんですけどね
最近の歯医者さんはすごいです。まず入り口のスリッパが衛生上の理由だろうけど消毒の機械みたいな
のからシュパーって出てくる最新型のやつ。私はどうも勝手がわからずおろおろしていると
人が入ってきて慣れたてつきでシュパーってとりだされてた。それを手本にやってみようとしたけど
いまいちうまくいかず。ほんとこーゆーの不器用なんです。聞くの恥ずかしくてそのへんにあったのはいちゃった。
次回はちゃんと聞こうと思う。なんか昔、市場のお豆腐屋さんで、豆腐を入れるとシュパーって袋積めされてでてくる
あれ、あの機械に憧れてお豆腐屋さんごっこなんてやってた世代ですから、ちょっと疑似体験だと思うんですけど・・似てない?
診察室に入って椅子に座って待ってる間、目の位置に液晶プラズマテレビがあって中山美穂主演の「ラブレター」
やってたんです。すごいハイテク。ちょうどクライマックスのところで。それ見てたらなんか泣けてきて、ちょうど先生が
「お待たせしました」ってやってきた頃にはすでに涙目。感情を殺すのに必死でした。
周りのもの器具、備品、すべて真っ白。めちゃめちゃきれい。さすがだ、感動した。
うちの店ももうちょっと掃除細部まで行き届くようにしないと。 ついでに言うと女性スタッフが全員美人なのも感動した。
拡大写真で見た自分の歯の汚さにはもうまいりました。ここまでほおっておいた自分が悪い。
とてもていねいに説明してくださる先生、この先生にお任せして、歯を治そう。
これから自分の身体のことに関心を持ち、もうちょっといたわるようにしよう、と深く反省しました。
本音を言うとまだちょっと痛いのこわいんですけどね。隣の椅子の人のキュイ〜ンって音が耳から離れない。
帳面のことにしても無知な私に職員さんはとてもていねいに指導の言葉をかけてくださった。
いち経営者としてやるべきことはちゃんとクリアしていかないと。今年前半はちょっとふわ〜んとしすぎたので
後半はしっかり宣言、ここでやっとこ。

本当はt.A.T.u見に空港行きたかったんだけど(笑)ブルーネットのジュリアちゃんのファンです。
ぱっと見だけで言うとハイドのガール版みたいなかんじなんだもの・・でもやるべきことやってからハメははずしましょう
と自分に言い聞かせました。しかし十代の輝きってほんとに素敵。Mステを録るべきかマネ虎を録るべきか・・悩む。

2003年6月24日 火曜日
小学校低学年くらいの男の子に、
「ジャグジングの本ありますか?」って聞かれたんだけど
「ごめんね、おねえさんちょっとジャグジングって知らないんだけど、なんのこと?」
(しっかりおばさんでなくおねえさんと言ってる私)
と聞くと手でこう表現してくれてわかった。お手玉とかを3つポンポンってまわしていくやつ、
あれのことを言うみたい。あいにくうちの店にはなかったのでごめんね、と言うと
ちょっと残念そうだった。ジャグジング、学校で流行ってるのかもしれませんね。
小学校の時っていろんなの、流行るじゃないですか。またそれが上手な子ってヒーローになれますもんね。
私の出身の守口市の小学校では当事、おじゃみ、ゴムとび、ベーゴマ、なんかストローみたいな素材で作る
やつ、スーパーカー、ブルートレインのバッジ、などが流行りました。
私は手先が器用ってわけでもないのでヒロインになれたことはあまりないのですが、
ピンクレディーの踊りをおぼえるのは一番早い、ってことではヒロインでした。
ブルートレインのバッジは前にも日記で書いたことあると思いますが、つるぎのバッジを探してます。
小学校の黄色い帽子に好きな子と同じバッジつける、っていうの憧れてたな
その夢は20年たってもずっと胸にあったのか、アメリカ旅行行った時に、各地のハードロックカフェのバッジを
Gジャンの背中につけてました。まだ実家の洋服ダンスにあるかも・・・
話はそれましたが、その男の子にいいジャグジングの本がみつかり、クラスのヒーローになれればいいなと願う。

夜、ますたーが今日はお店変わってもいい、って言ってくれたので西荻の北尾トロさんのブックカフェに行くことにする。
店のそばに吉祥寺に行くバスが出てるので、意外と短時間でたどりつけた。
ブックカフェのスペースになってるSAPANAは7坪とのこと。これくらいの広さと店の構図は理想。
5.5坪と7坪、たった1,5坪の差が大きい。 楽しくゴキブリ話?など。
私は東京に来て凶暴なゴキを見たことがないので、こっちのゴキは飛ばない、おとなしい、と思ってた。
そうではないらしくてちょっとショックです。 水曜日定休になったと聞いていて行けない残念、と思っていた
ハートランドに寄ってみたけどすでに閉まってた。20時閉店になったようでした。今度ちゃんと確かめてみよう。

2003年6月23日 月曜日
昨夜、ゲリラ的にうちもキャンドルナイトやってました。
20時から電気を消してキャンドル2つに灯をともし、
BGMもお客さんにいただいたポールギャリコの雪のひとひらのリーディングアルバムに。
20時ジャストの時点で店内にお客さんがおられなかったのですが、
もし本を見ることが目的の方が来店されたらセットしようと思っていたライトの準備もオッケー。
エスプレッソがおいしい吉祥寺のカフェで、本を読まれるお客さんには
ライトスタンドをセッティングしてくださるところがあるのですが、
私は颯爽とセットできなかった。 お客さんがひとり来てくださった時、ライトセットしようとしたら
なぜか電気がつかなかった。何事もリハーサルが必要だな、とあせっていると
「せっかくだからこのまま、このろうそくの灯りだけで過ごしましょう。」
とお客さんの方から言ってくださって感謝。
たしかにほのかな灯りだけの夏至の夜はかなり幻想的でした。
地球環境のため、ってことが前提ってことはわかっているんだけど
なによりロマンチックになれる、っていうのがとてもいい。根がロマンチッカーなんで。
するとお客さんが「ひとつお願いがあるんだけど」と言われ、ドキッとしていると
「歌が無償に歌いたくなったので、1曲いいですか?」ですって
他にお客さんもいらっしゃらないし、「どうぞどうぞ」とおすすめすると
「さくらさくら」を歌ってくださいました。「さくら」といっても今流行りのやつでなく、
やよいの・・の方でした。 もう70歳を過ぎた男性の方なのですが、
今日、この店でキャンドルナイトを過ごし「さくら」を歌ったこと、いつまでも覚えていてほしいと思います。
私も覚えてますから。 そのお客さんが帰られたあと、閉店までひとりもお客さんは来店されなかったけれど
ひとりでとてもいい時間を過ごせました。 はじめはキャンドルの灯のそばで太宰を読んでみようと思ったのだけど
外から「あ、このお店もライトダウンしてる。」と気づいてくださった時に、お店の人が座って本読んでるのもなーと思い、
私も歌うたおうか、と「キャンドル」といえばコージ・キッカワの「キャンドルの瞳」だろ、ってことで歌おうとしたんだけど
「キャンドルを消してぇ〜ここにおいでよ♪ あれ?これってすべてはこの夜に?」
とややこしくなり、ジュリアに傷心に変更。でもまた歌詞につまり、ひとり灯を見ながらボーッと考え事してました。
このキャンドルナイト、さまざまな人がボーッと考え事できたかも、と思うだけでも意味のある夜だな、と思えるのです。



2003年6月22日 日曜日
暑い!
ついでに、出稼ぎの方のお仕事も一番忙しい時期に突入しちゃいまして、クルクルと走り回っております。
店番してる時はほとんど意識がありません(笑)。
おまけにクーラーがんがんにかけたら今度は鼻水が・・。
てな訳で、結構満身創痍なますたーでございます。
なんでも沖縄地方はもう梅雨明けだそうで、羨ましい限りですね。
蒸し暑いのもきついし、なにより食品の管理に気を使わないといけないので大変です。
はやく秋にならないもんですかねえ^^;


BYますたー。
2003年6月21日 土曜日
「引越しすることになりましたのでちょっとご挨拶に。」
とお客さんが来られ、「カボたん」っていう石鹸をくださった。
カボたんっていうのは、全国都市緑化おおいたフェアのキャラクターのようです。
なんかこういう地方のおみあげやさんにあるようなダサ可愛いもの、大好きなのですよ。
旅行に行ってきた人からもらうおみあげってダサければダサいほど私は嬉しいです。
北海道限定キティとかも実は好きなのです。 今までもらったおみあげで一番驚愕したのは九州みやげの
いなごの佃煮。これだけはちょっとシャレにはシャレで返せんかった。ゴキブリみたいなんだもの
「まだまだ修行が足りないね。」と言われたけど後から考えると修行も何もそのみやげはぶっとびすぎだろうよ、と。
焼き鳥屋で無理矢理すずめの丸焼き食わされた時よりもきついものがあった。一口だけ食べてみたけど・・・
石鹸っていうのはいいですね。カボたん見る度にそのお客さんのこと思い出すでしょう。 こっちに帰った時は是非寄ってほしいです。

着物姿でお知り合いのお客さん来店。うちの店に着物姿で入店されたお一人目ということで、後姿を記念にパチリ↓
お茶のお免状がとれた帰りだということで、さすが着物を着慣れてる風。目の保養になりました。
着物はおばあさまのお下がりらしいんですけど、その着物を着た姿を見て、おばあさまが
「おじいちゃんに見せてきて」としきりに言うそうです。おばあさまとおじいさまはかなりのラブラブ婚だったそうで、
その着物は自分が若い頃着てたものだから、彼女の姿を見て昔のおばあさまを思い出してる表情が見たいから
なのだそうで、いやなんともいい話だなーと。
「最近どんな本読んでる?」って話になって内田百閧フ「大貧帳」って本のことを教えてもらい興味が湧く。
税金などの未納金を徴収する人達の仕事がなくならないためにも断固と未納金を払わないらしい、って聞いて
年金未納者へ督促進める、ってニュースのタイムリーさ、あと貧乏話ってとこもはまりそう、ってことで読む読むリストに追加。
はー、私も着物に日傘でおでかけしたいです。その時和装バッグにこっそり入れてる本は谷崎あたりで。「大貧帳」じゃちょっとね。
和装の時こそ気分が大事。手間ひまかけて茶道に集中する時間を持ってる人の和服姿、そのしぐさは、やはり空気感が一味違う。
まさに目に見えない部分の色気。 私には充分すぎるほど伝わってきて、おおいに刺激されたのでした。


2003年6月20日 金曜日
朝、店のポストに19日の新聞が入っていました。
多摩地区の方で毎日新聞をとられてる方は気づいていただけたかと思いますが
昨年にひき続き、「6月19日は桜桃忌」という特集記事が掲載されていて
うちの店の広告もあるのです。 今年はそのお話がきた時にひとつだけお願いしたことがあります。
「三鷹の地図の部分にうちの店も入れてもらう、ってことは可能ですか?」と。
昨年のこの桜桃忌の広告以来、度々良くしていただいてる担当の方、快く引き受けてくださいました。
三鷹通りのラインはいつも芸術文化センターのあたりでストップしているのだけど
出来てきた記事の地図のラインはちゃんとのびていて、フォスフォレッセンスの印しがありました。
いつか太宰治ゆかりの地の印満載の下連雀にたどりつくかもしれないけれど
とりあえず当面の目標は、上連雀の星になることかな 頑張ります。
今年で4回目になる三鷹市芸術文化センターで行われる太宰治朗読会の詳細も新聞記事担当の方がFAX
してくださったのでここでも触れておきます。

第四回 太宰を聴く ー太宰治朗読会ー
7月11日(金) 午後7時開演 三鷹市芸術文化センター星のホール
出演 細川俊之
朗読作品 「親友交歓」「ヴィヨンの妻」(両作品とも抜粋による朗読)
料金 友の会1350円 一般1500円 学生1000円
発売日 友の会6月24日 一般6月27日
チケットのお求め 三鷹市芸術文化センター TEL0422−47−5122(受付時間 午前10時から午後7時)

細川俊之様があのお声で太宰作品を朗読ー? これはこれはすばらしい。とろけ指数は80%以上ですね、これは。
この催し、過去3回ともチケットはまたたくまに完売だったと小耳にはさんでおります。
どうしても聞きたい方は気合入れてチケ取りしてください。

朗読といえば、最近FMのラジオかなんかで大高洋夫さんが太宰作品を朗読してる番組がありました。
残念ながら全部は聞けませんでしたが、なかなか良かったよねーってお客さんとも時々話題になります。
走れメロスの朗読の時、合間にビートルズのレヴォリューションなんてBGMにかかってたのですが
やけにハマッてました。現代の音楽、しかもビートルズと合うなんて近代作家、なかなか他にはいないんじゃないでしょうか
なんて話をしていたら「いや、かなり前にやってた深夜番組の文學ト云フ事(綴り間違ってたらすいません)では
エルトンジョンと田中英光とかかなり合ってた」という意見が出て納得。あの番組は良かったな

2003年6月19日 木曜日
桜桃忌なのでちょっとロングヴァージョン。

桜桃忌当日。 天気はなんと快晴。しかも猛暑。
私個人としては桜桃忌にはやはり雨が降ってほしい。
朝起きてチェリー柄のシャツに腕を通す。なんと言われようと何事も気分から入る性格はきっと一生変わらない。
今年は久しぶりに桜桃忌不参加なので、開店前に禅林寺へ行く。もうすでに人がたくさん居る。
6月19日の禅林寺には桜桃忌ということ以外にも特別な思い入れがある。
もう何回も聞かされてる人もいるだろうけど、1999年の6月19日、太宰の墓前でのち夫となる人と初めて出会ったので。
さくらんぼと花を買ってお店に飾る。さくらんぼを入れた太宰治文豪カップアンドソーサーは、
私が京都で勤めていた書店をやめる時に、お店のスタッフみんなから贈られたもの。
私に気づかれないように、せっせとマーク集めてくれてた、その100枚ギッシリ貼られた台紙見た時はもうドワーっと涙があふれた。
今お店に飾ってるYONDAパンダフィギュアも、その書店にずっと飾ってたもので、
当事頑張ってた姿をこのパンダはずっと見てた、ってことで今度は私の新しいお店で守り神となるように、と
ゆずり受けたもの。ついでに言うと「指輪物語」のセット本もそう。
お店のスタッフには随分いろんなものをもらった。ものすごく感謝してるので、
今度は私が皆になにか目に見えないものでもいいから返していきたいと思ってる。
本が好きで、そこからスタートしたなにか新しいこと、それで食べていくことは可能なのだと証明することが課題。難しいけど←弱気

2度目の桜桃忌は忙しく、昨年とは一味違う手ごたえがあった。たくさんの人が来てくれて本当に嬉しい。
桜桃忌記念で太宰関連の新着本をアップしようと思ってたけれど、本日新着本から一気に売れてしまったので
また更新が遠のいた・・・茨城から来られた新聞社勤務の方、ハンカチをお忘れです。とっておきますがお急ぎでしたら
連絡先をお教えいただければ送ります。この方は太宰治を読んで暗くなるどころかあまり物事に
とらわれなくなった、と言われていたのが印象的だった。
ふだんお店によく来てくださる方も6月19日だからか来てくださったり、
フラウの記事を覚えていて店に来てくれたのかな?ってかんじの乙女風の方もチラホラ、
桜桃忌の帰りに寄ってくれた人に様子を聞いたところ、今年はバスツアーのようなものが組まれていて
おばさんの団体客があったのですごく人が多かった、おばさんたちってすごく反応がいいから
講堂のお話も最初の方は笑い声が多くなごやかであった(途中で抜けたらしいので後のことはわからないそう)
長部日出雄氏のお話があった、遠方では長崎から来られてる方がいた、等々・・・
1年に1度、この日しか会わない友人が居るので、そういう人達に会えるのがとても楽しみで、
その上そういう人同士がうちの店で、「あーっ!お久しぶりー」なんて再会してるのを目にすると
こういう場を提供できることに喜びを感じる。

それから北尾トロさんが来店してくださった。毎年行ってる杉並北尾堂夏のブックカフェ、
今年もそろそろ行こうと思ってたところだった。おととしの夏、お店を開店する前にいつくかのブックカフェを
巡り、「私も来年三鷹でブックカフェをしたいと考えてるのです。」と宣言しいろいろアドバイスしていただいたことが
昨日のことのよう。あの時まわったいくつかのお店がとても雰囲気が良かったことが、今店をやるに当ってベースになってる
部分はあると思う。その時も今日もいつも思うんだけど、トロさんは写真よりも実物の方がいい男。
店内でものすごい存在感醸し出してた。その時店に居た男の子と後で「トロさん、かっけえー」って言いまくり。
夏のブックカフェのDMが最高。「ヘンな本あります」って!今ならうちにもあるのでどうぞ。ブックカフェ詳細は↑リンク先に。

あと「この本を探してほしい」とよく問い合わせを受けた1日だった。
・にあんちゃん 安本末子 講談社文庫絶版
これを読んだ時、バスタオルがギューってしぼれるほど涙が出たんですって。
一見クールなかっこいい男の人だったんですけど、その「ギューッ」って言う時、ほんとに手でタオルをしぼるしぐさされて
すごく可愛かったので本気で探す。
・みどりのゆび モーリス・ドリュオン 1965年岩波書店絶版
岩波少年文庫でも出てるけれど、お求めなのは絵本版。タイトルどおり、みどりのゆびを持った男の子が
触れた植物はどんどん育つ、といった内容(だと思う)。植物と接するお仕事されてる方のお探しの本なので
是非お届けして、ご自分のお仕事に愛情を注ぐ気持ちが高まるきっかけになれたら、と思うので本気で探す。

これらの本についてなにか情報をお持ちの方おられましたらお教えいただけたらありがたいです。
もちろんこれまでにもうちで本を探してほしいと言われてた方、時間かかっていてすいませんが
忘れてませんので。見つかるよう努力いたします。待っててください。

そんなかんじで豊富なラインナップな(Mステ!)一日でした。
来年の桜桃忌もさくらんぼいっぱい食べにきてもらえるように
皆の憩の場所になれますように
私自身がもうちょっと太宰のこと詳しくなれてますように

2003年6月17日 火曜日
さすが桜桃忌前。
太宰コーナー周辺を見ていくお客さんが多いです。
青森から来られたというお客さんも来店されました。
「青森から」とお聞きする前に話し方ですぐわかりました。
三鷹駅で「太宰治の仕事場の跡地とかゆかりの地なんかには
どうやって行けば良いのですか?」と聞いてみられたそうですが、
わからない、と言われたそうで、駅ビルで食事をした際にそのお店の人にも聞いてみたけれど
同じ答えだった、三鷹の人は誰でも知ってると思ってたけど幻想だったようです。
と言われていて、それは仕方ないことなのかもしれないけれど、ちょっと残念に思いました。
まあそんなもんでしょうね。しかし青森から来られたのですよ。 知ってる人に当たってほしかった。
でもよく考えたらそこですぐに場所がわかっていたらそのまま玉川上水のあたりを散策され
うちのお店には来られてなかったかもしれない。
その方には遠回りで悪いけれど、いい巡り合せだったと思うことにしよう。
三鷹太宰の会作成の「三鷹太宰マップ」をお渡しすると、これはわかりやすい、と喜んでいただけていた
ようなのでほっとしました。 その方は今官一の足跡巡りもされるようで、そちらの方はお持ちになられた手元の資料に
バッチシ住所とか載っていて、横光利一の墓、多摩霊園。って文字も垣間見れました。
なんか自分が京都から三鷹へ来てた当事、時間が1日2日しかないからスケジュール分刻みにして
行く場所を計画してたメモを思い出しました。 斜陽館の来場者が10万人(たぶん数字聞き間違いではないと思う)
を越したということが青森の最近の新聞にでかでかと載っていた事など地元情報も教えていただきました。
と思ったらアイスコーヒーをくっと飲み干され風のようにまた次の目的地へ向っていかれました。
その後、奥の席にいた若い男性のお客さんが、「なんか人間の美しさを見た気がする。」ってぼそっと言われて
そのあとちょっと言い過ぎたと思ったのか照れたのか
「青森弁の言葉の素朴さというか、ものすごい人間の魅力を感じた。」って。私も同感だった。
「Dazai」じゃなくて[daZai]なんですよ。力強く優しい青森の言葉。
その響きの余韻を耳に残したまま、19日を迎えようと思います。

19日桜桃忌は、昨年同様、さくらんぼをお店に置いておきますので
お店に来られた方、どうぞ勝手に食べてやってください。
年に一度、6月19日だけ用意する太宰治文豪カップアンドソーサーに入れておく予定です。
この日はたださくらんぼ食べに来るだけでも全然かまわないので
どうぞ気軽に入ってきてくださいね。桜桃忌に行かれてその帰りに寄ってくださる方がいたら
良かったらどんなかんじだったか教えてくださいね。

2003年6月16日 月曜日
「山岳関係の本はありますか?。」とお客さんが来店。
残念ながらうちにはあまり在庫がなく、山のエッセイ本くらいしかない。
じゃあコーヒーでも、ってことでしばらく山の話を織り交ぜながら
太宰の話、本の話など。 三つ峠にまだ行ったことがない、と言うと
詳しい電車の行き方など教えてくださいました。
天下茶屋、いつか行こうと何十回も口にしてるけど、車でしか行けないような不便な
場所だと思ってたんです。なんでもそこにいつまでもあって行けば開いてる、っていう考えは
通用しない。開いてるうちにちゃんと足を運ばないと。
そう考えるとバー・ルパンが現在も同じ場所で変わらず営業してる、っていう
当たり前かもしれない奇跡を受けとめ、また足を運んでみたいなと思う。
「そういえば山にある古本屋って聞かないですね、あったらおもしろいかも。」
なんて話もしたんですけど、意外と存在するかもしれませんね。
店主は高山病に強くないとちょっとキツイかもしれませんが。夜は天窓から星が見えたりしたら素敵かも・・
山の話してるとなんだかあの山頂のすがすがしい空気に触れたくなり、
「信州あたりで初心者でも登れるような山を教えてもらえますか?
ポットにコーヒーいれていって山頂についたあとコポコポってコップについで飲んでみたいんです。」
って言ったら、「まず近いところから登ってみてください。」と答えられ、なるほどもっともだな、と思いました。
奥多摩とかまだ行ったことないし、なにより山登りをなめたらダメだ、序所にならさないと。
私はほんとになにするにもその気分から入るのが悪い癖だな、と思っていると
隣に居たもう一人のお客さんから「このまえすすめた神大寺植物公園はもう行ったの?」と聞かれ
「いや、まだです。」と答えると、「まずは近くのいいところから足を運んでみなさい。
せっかく今ならまだバラがきれいなのに。 ほんとに気が多いんだから。」
って言われてしまった。いやもっともです。
なんかこの一連の会話の流れ、今の私のすべてにつながる気がする。
身のまわりからひとつひとつ着実に。 5cm足元が浮き立つのは月1回くらいに押さえて。
ちゃんと歯を治すことをそろそろ前向きに考えます。

2003年6月15日 日曜日
今日のテーマはしあわせについて
あるお客さんが帰り際に「良かった。」としきりに言われるので
え?という顔をしていると、「京都から三鷹に引越しまでするくらいの筋金入りの太宰ファンというのを知って
この人自殺したい人なのかなと心配になって気になって来てみたら全然そんなかんじじゃなかった。」ですって。
世間から見た太宰治のイメージってまだ一部では自殺、とか暗い、とか根付いてるようです。
桜桃忌近いので、私が自殺しないかと(ありえないけど)心配している方がもしかしたら
少数でも居るかもしれない。虫歯を治すお金もない、なんてことも日記に書いたりしてるし。
今日は余計な心配かけないためにちょこっとしあわせアピールを。 最近いろいろアピってるな〜
まずはそう、昨日のスペイン坂ラジオ公開放送の生ハイド( 男はやっぱり顔です、はい。)
 夫に店まかせていそいそでかけていくというこの神経、自殺しないです。
37歳にもなって、ハイドが着てるからといってh.NAOTOの服着て若者にまじって並んでいたという・・・
服買うお金より歯の治療代貯めるのが先だろ、ってかんじですよね。
でも内なる衝動を止めることができないのです。昔から。正直止めることができない自分でいたい。
あ、これって自殺しやすい、あるいは失敗しやすい人の典型ってとられてしまうか、もとい いや戻れない。そのままいこう、
夢のような時間を過ごした後、スクランブル交差点のまん前のスタバで、行きかう人々と駅の大きなハイドの看板見つめながら
ガラス越しとはいえさっきあの人に会ってきたのねー、とひたりながらコーヒーすすってました。 やっぱり東京は最高です。
これからこんなチャンスが何度もあるかもしれないのに自殺なんて絶対しませんよ。
駅に行ったら必ず入る大好きなランキンランキンに行ったら「東京古本とコーヒー巡り」が
「プチしあわせランキング4位」となって置いてありました。いい切り口ですね。女子高生も手にとって見てました。
そうそう、プチしあわせをつなぎ合わせてちゃんと日々の中で感じていけることが本当のしあわせへの道って気がする。
夜、家に帰ってテレビをつけたらなんて番組かはわからないけど、パリの傘職人の店がうつってて
小さな店内に色とりどりの傘、そして店主と思われる高齢のマダム、とすごい素敵な映像にでくわした。
そのお店、その店主を少しでも見れただけですごいしあわせになれた。これもプチしあわせ?
私もあんなおばあちゃんマダム目指したい。ってことで自殺しませんのでよろしく

2003年6月14日 土曜日
どもども、ますたーです。
いや、梅雨ですな。
しかも暑いです。もう不快度突き抜けてます。
本日店主が渋谷までhydeを見に行ってたので、一人店番してました。
こう、雨が降ったりやんだり、ずっとどんよりムシムシしてて、「ああ、もう夏がくるんだなあ」としみじみ思ってしまいました。
一番嫌いな季節なもんで。。

でわ、まあ、そんな訳で、もう遅いので寝まする。


byますたー。

2003年6月13日 金曜日
窓ガラスの面にする本をすべて太宰の本に変える。
昨年もこの19日までの特別な期間中はそうしてたことを思い出し、1年たったのだ、と実感が湧く。
前日の日記にアップされた写真を撮るためにわざわざ用意したエレキギター、
ホコリをかぶっていたケースのポケットからバー・ルパンでの写真が出てきた。
お店に飾ってあるバー・ルパンでの写真(林忠彦撮影のやつ)のコピーがかなり薄くなってきてたので
ちょうどなんとかしなくちゃと思っていた絶妙なタイミングで出てきた、と思っていたら
6月13日になった直後だったので、なんか不思議なかんじだった。

お客さん情報によると今日の太宰の墓前には何人かの人が集まっていたらしい。
桜桃忌を今日だと思って九州から来た人もいたとか。
私は今年はお店があるので桜桃忌には行けません。ここのところずっと行ってたので不思議なかんじです。
その前後でひっそり墓前には行くことになると思う。読経のあとのお堂での話、聞きたかった。
どなたかその後お店に来て様子を教えてくれたら嬉しいです。
そういえば重松清著「桜桃忌の恋人」読みました。おもしろかったですけど、
永原さん(太宰狂いの女性で、桜桃忌に近くなると自殺未遂を繰り返す)がもし実際存在したら
うちの店は見事にダメだしくらってそうです。なんとなく・・・ いや、是非聞いてみたいですけどね。
この短編が入った「日曜日の夕刊」、本日のおすすめコーナーに置いてみました。

今日は俳句やってるお客さん、短歌やってるお客さん、川柳やってるお客さんがたまたま同じ時間に居合わせられて
「黄金の三角」なんて言われてました。ものすごいディープな会話で盛り上がってられて、なんか素敵だった。
うちにあるお客さんの来訪ノートみたいなのにそれぞれ一句づつ残していこう、ってとこまで展開し、
おじさま方がこの場所でずっと前から知り合い同士かのように嬉しそうで、それをボーッと見つめながら
ああこの場所、ずっとあるといいなー、と客観的に思えた。 来年もさ来年もこんなかんじで命日を迎えられたらな、と。

2003年6月12日 木曜日
朝、とりとめもなく電話がありました。
京都弁、かつ大人の男性の声だったので、ちょっとドキドキしながらお話を伺うと、
本日発売の雑誌「GINZA」に掲載されているうちのお店の紹介ページを見て私の写真を発見し、
京都時代にお世話になっていた美容師の方が電話をかけてくれたようなのです。
顔写真が載るのは少し恥ずかしいけれど、こういういい事もあるんだ・・と即座に思いましたね。
しかも私の名前は結婚後だから昔の苗字とは違う。よく見つけてくださったな、と感激していると
「僕、鳥肌立ちましてねえ、夢を叶えられたんですねえ。」と柔らかい京都弁、しかも低めの声、で言われ、
はぁー、やっぱ男は顔じゃない、声よ!とちょっととろけ状態。 鳥肌立っていただけたなんて・・・
「僕もその後独立しまして・・」と新しいお店の連絡先を教えていただき、お互い頑張りましょう
ということで電話を切ったのですが、時間は確実に流れたのだな、と少し感慨深いものがありました。
美容院でカットしてもらう時って、いろいろな会話するじゃないですか、そんな時にも私、
「いつかお店をしたい」みたいなことをポロポロと言ってたんだな、またそれをしっかりと
覚えてくださっていたのだな、おまけにその美容師さんもしっかり独立されてたんだ、と思うと
お店を開いたことの実感がまた確実に湧いてきました。
あの北山の美容院のドアを開けた時の匂い、カットしたあと少しきれいになってまたその同じドアから出ていき、
いつもより5cm浮いた足取りでそのあたりのお店を流す時の気分、女にはああいう時間が必要ですね。
最近の私は半年以上美容院のドアを開けていない、取材時の顔写真もノーメークで平気になってしまってるという現状、
もうちょっと改善した方がいいよな〜
ところでダ・ヴィンチやGINZAを読んでると、どちらもお店をバッチリ紹介していただいてとても満足なのですが、
どうも私ひとりでお店のことすべてこなし、ケーキも作ってるみたいに読み取れてしまいそうなので、
ますたーをちょっとここでアピールしておくことにします。ケーキは彼が作ってます。時々お店を交代してくれます。
基本的に日曜日は夕方までお店をお願いしてます。あ、今週はちょっと変則で土曜日に交代してくれます。
私がちょっとスペインまで出張なので、ってそこ渋谷にあるんですけどね、はい。
顔写真も私しか載ってなかったので、今日はちょっと雑誌の紹介風に丸抜き?で貼り付けておきます。
普通の写真だとおもしろみがないので、ちょっと遊んでます。普段はメガネをかけていて全然違う雰囲気です。

ますたー  年齢/ないしょ  店主に無理やりハイコスさせられる(実はノリノリ?)

今日はお客さんから「三鷹のまだあまり紹介されてなくておもしろいお店とかご存知ですか?」と聞かれ
比較的最近できたお店で私の好きなお店をいつくかお教えすると、その方はウェブ・デザイナーさんで
世田谷を中心にさまざまなお店紹介等、情報満載のホームページを開いてらっしゃるのでした。
(詳しくはこちらのURLをhttp://www.artifaith.com
世田谷には作家が多く住んでるからいい古書店があることや、西新宿には中古レコード店が多いことなど教えていただきました。
西新宿にはビルと会社しかないと思ってた私、まだまだ東京は知らないことが多いです。
今、三鷹がおもしろくなってきたのではないか、と言われていてちょっと嬉しくなりました。
是非おもしろい切り口の三鷹情報を提供してほしいです。

2003年6月10日 火曜日
「お店を開いて間違ってなかったという実感を得られるのはどんな時ですか?」
とお客さんに質問され、「そうですねー、たくさんありすぎますけど・・」と考えながら窓の外を見たら
サラリーマン風のスーツ姿の男性がハンカチで汗を拭きながら歩いてきてるのが見えた。
で、うちのガラス窓に飾ってあった「ラ・ブーム」のパンフレットを見た瞬間、「はっ!」とした顔をされて
しばらくなつかしそうに眉をひそめてられて、また足早に去っていかれた。
「こういう瞬間に、やって良かったと思いますね。」まさに実況で説明できたかんじ。
ナイスタイミングですよ、おじさん。世の中のたくさんの見過ごしている日常の中のドラマ、
その舞台になりたい、っていうかんじでしょうか。そんなドラマを見過ごしたくないから
うちの店の窓はガラス張りなんです。  ラ・ブームを映画館で見たのは私がまだ中学生の頃。
あれから20年来ソフィー・マルソーは私のライバル(と勝手に思っている。)
さっきのおじさんも青春の頃にこの映画を見たのかも・・・

「山田風太郎記念館」来館を目的に兵庫・京都旅行に行くのでおすすめの場所を
教えてほしい、と聞かれ「たとえばどんなジャンルの場がいいですか?」と言うと
やはり古書、そして池波正太郎の本にも出てきたイノダ・コーヒー、とのこと。
喫茶店の話を織り交ぜ、京都の古書店が掲載されている本などを紹介する。
山田風太郎の小説と高校生の時に初めて出会ってから、ずっと愛読されてきたそうです。
そこで風太郎の魅力について語れたら良いのですが、残念ながら私ってほんと時代小説に弱い。
というか1冊も読んだことない。司馬遼太郎や池波正太郎、読み始めたらはまるよーと周りの人からも
かなり薦められてきたのですがとうとう37年間1冊も読めてない。鬼平犯科帳の登場人物の魅力を時代小説好きの友人が
力説しあってるのがちょっと羨ましかったこともあり、一度鬼平の1巻だけ貸してもらったことがあるのですが
「ごめん、ちょっと当分忙しくて読めそうにない。」と返そうとした経験あり。すると
「あなたってほんとに男の人の顔にしか興味がないのね、男の魅力はもっと深いところにあるのよ
これもうあげるからいつかヒマできたら絶対読んで。」とその本を贈呈してくれたのですが
ごめんなさい、1行も読まずに店の在庫にしてもう売ってしまいました。老後にでも読むから許してね。

2003年6月9日 月曜日
「ちょっと前の本でモノクロームなんとか、っていう本があったでしょ、あれない?」
とお客さんに聞かれ、「モノクロームなんとか? モノクロームヴィーナス(忘れたくて〜♪)しか浮かばん」
とか思っていると、「図書館で借りようと思ってたんだけど、半年以上予約でいっぱいみたいで
もう待てないってかんじなのよ。」とお客さん。 「そんな流行ってた本?」と頭の中必死で検索してる私。
「あなたまさか知らないとは言わせないわよ、本のことでわからないことがあれば気軽に声かけて
ください。って紙貼ってあるじゃないー」みたいな視線を感じる。
ネットで調べてみると三浦明博著「滅びのモノクローム」講談社刊、ってことがすぐわかったんだけど
これ、昨年の江戸川乱歩賞受賞作だった。 はず〜、乱歩賞作品くらいさっと出てくるようでないと
ダメダメですね。うちには在庫がなかったので、お客さんに詳細をメモ書きしてお渡ししたら
「インターネットって便利ね、すごい。」ってかんじで大感謝されたのですが、ここは質問受けた瞬間に
「ああ、それはですねー」とそらでスラスラ答えなくちゃ私としてはちょっと美しくない。機械に負けたくない。
ちょっと実際書店の現場を離れてからネットに頼りすぎてた部分はあるかな?と反省。
やっぱり書店にはマメに足運ばないと。書店の棚を背景にして本を見ないと頭に焼きつかないものですね。

「ここって古本屋ですよね。」と入店してきたおじさん、店内を1周すると
「あのー、マドンナメイトやフランス書院文庫は置いてないの?」と聞かれ「おいてないです。」と答えると
それでやっていくの大変じゃない?って顔して出て行かれました。はじめに言っておくと
私は官能小説のたぐいを毛嫌いとかしてません。中学生の頃とかに学校に富島健夫の文庫持っていって
机のまわりに人を集めて声に出して読んだりしてた方ですから。(マンガの俺の空、なんかもね。)
官能小説読んでる時ってすごくエモーショナルになれるし(恭子さんか!)おもしろい体験だと思うんですよね。
おじさんも作家名とタイトル言ってくれればもっと真剣に探すのに。ある意味純文学!と感じたものは多少ありますから。
ただそういう本のコーナーがあると、親子で気軽に来れる場所じゃなくなってしまう。だからないんです。
もっと根本的に言うと美意識の問題なんですけどね。つーか置かないだろ、うん。
私自身が街の小さな古本屋さんをめぐるのが大好きなんだけど、中に入った時、もっとゆっくり本を見たいのに
そういうコーナーがあるせいですぐ出ちゃったり、お店の男性客に気まずい思いさせてしまったりとか気を使うのがイヤなんです。
たとえ成り立たないだろうと思われても絶対今のままでやっていく。というか成り立たせる。
今来てくださってるお客さんは、そういう事を含めて応援してくださってると思うんですよね。頑張って答えていきたいです。

2003年6月8日 日曜日
どもども、ますたーです。
今日もなかなかの売り上げでした。やはり「ダ・ヴィンチ効果」でしょうか。
まあ、それはさて置き(置くんかい)、土曜日、例によって朝からお出かけしてきました。
今回は、上野でEF58、その後所沢に移動してYS-11です。

ほい↓

いやはや、どちらも美しいスタイリングです。
YSの方は、一般公開日ってことで、機内にも入れてしまいました。

なにげに携帯でパチリ。
生で見る58はでっかく、YSは小さかったです。

ってか、どこが古本屋の日記なんだか(笑)。
2003年6月7日 土曜日
うちはほんとにわがままな古本屋で、何度か来て頂いてる方は
おわかりかと思うのですが、店主の好み、思い入れ入りすぎって欠点ぎりぎりの個性
でやってる部分がある。 特に雑誌の値付け、まあ雑誌は生ものなのでアレなのですが。
雑誌の棚は、「特に表示がないものはすべて100円」ということで貼り紙もしてあり、
半分以上のものは100円で売ってるんですけど、普通の携帯電話の雑誌でも裏表紙がハイドだから高い、
とかそんなかんじ。 今日はカップルで京都関係の雑誌を3冊購入いただいたのですが、
その中の1冊「メイプル」だけが高い。 そのメイプルがなぜ高かったかというと、
樋口可南子が京都を案内するコーナーで、ある書店を訪れ、本を開いている写真が掲載されていたのですが、
そのお姿が、あまりに美しく、もうためいきものだったんですよ。で、値段をつける最後のページの上の方に
「本を読む樋口可南子の姿があまりに美しいので700円」と書いておいたんです。
こんな古本屋ありでしょうかねー? レジで一瞬、オープン当初からずっと通ってきてくださるカップルだし
値引きしようかな、と思ったのですが、この樋口可南子の美しさ、店主のわがまま価格に納得して買ってくださるのだから
今回はこのままでいこう、と。 お二人で初夏の京都旅行にでもでかけられるのかも・・・
あの「メイプル」は大人の京都案内としてかなり充実していました、きっとお役に立てると思います。

昨日から売り上げがすこぶる良い! もしかしたら雑誌「ダ・ヴィンチ7月号」を見て来て下さった方がいるかも
うちのお店は76ページで紹介されています。このイラストを描いてくださったいしざわあいさん、かなりキュートな
方ですよ。81ページでは貼り紙を「お気に入り」にしてくださってたり、芸が細かいところが良いですね。
なによりハマったのが加速って言葉が使われてるところ。 もう最近の私は24時間「かーそーくすーる♪」
ですからね(笑) しかし「そのまま京都に拉致」ってマンガの中の丸文字で使われてたらなんか可愛いけど
普通の記事のところにあるからなんか迫力がある・・私ってすごいこわい女、さすが丙午ね、みたいな・・
よろしかったら本屋さんでチェックしてみてくださいねー  山岸涼子の連載「テレプシコーラ」も今回すごいっすよ

2003年6月6日 金曜日
最近、親子連れのお客さんがすごく多いんです。 嬉しいですねー
近所に住んでる方が駅前まで行かなくても、ちょっと親子の非日常の時間を持てる場所、
そんなかんじでどんどん利用してほしいですね。
そんな時用に気楽に読めるコミックとかも少しは置いています。
今日も親子で「動物のお医者さん1」をコーヒー飲みながら交代で読まれてたんだけど
小学生くらいの女の子が「お母さん、どうして1巻しかないの?」と鋭い突っ込み
「それだとマンガ喫茶になっちゃうでしょ、ここはちょっと違うと思うよ」
おお、お母さんナイス模範解答! これに懲りずまた来てほしいですね。
その後来店された親子連れは、男の子とお母さん、ということもあり
中央線の本などを読みながらひたすら電車話。なぜか京阪テレビカーの話なんかもしてる。
鉄道マニアのますたーがいたらきっと反応してるに違いない。
さあ帰ろう、という時になにやら親子でもめている様子、
「お母さん、本は読んだら元の位置に戻しなさい!」って男の子が本をさし直ししてる。
思わず「君、将来この店でアルバイトしないかい?」とスカウトしたくなったくらい。
夜は夜で、同じく小学生くらいの男の子と太宰の本や資料をずっと読まれてるお母さんが来店。
パスタ食べながら男の子はずっと黒田硫黄の「黒船」を一心不乱で読み続ける。
お母さんはひたすら太宰の本を読んでる。 いい風景だなーとか思ってたんですけど、
小学生低学年くらいでも「黒船」のおもしろさとかわかるものなんだ、と思って
あとでペラペラと走り読みしてみた。18世紀の海軍とか軍艦の等級について詳しい説明書き発見
これは勉強になるわ、私も源氏物語のこと「あさきゆめみし」で興味持ったしなー うんうん、
なんて思いながら再びページをめくっていると、「精液ちょうだい」というセリフが目に飛び込んでくる(汗)
しかも「はいこれが精液」とカルピス500mlを差し出す場面が・・・大丈夫だろうか
まあ小学校低学年では教わらない漢字だよねー たぶん
わからない漢字はとばして読んでるでしょう。 まあこれも世の中の勉強の第一歩ってことで。

2003年6月5日 木曜日
「みんなうんち」って五味太郎さんの絵本をガラス窓に飾っていると
朝から子供たちが「おかあさん、みんなうんちだってー、見てみて」とか言って通り過ぎていきます。
なんか微笑ましいなーとか思って見てると、あるカップルが通り過ぎ
「みんなうんちやって」って彼女が笑いながら言うと、彼氏らしき人が
「そうや、世の中つまりみんなウンチや。」とか言ってました。 文字では伝わらない、
とても素敵な言い方で、この絵本のよく出来たCMをこのガラスの内側からかいまみたような、
ちょっとお得な一日の幕開けでした。

昨日は新宿まで用事があったので、ついでに早稲田まで足を伸ばし
ずっと行きたかった古本茶屋岩狸(das)に行ってきました。
「東京古本とコーヒー巡り」に載っているまだ行ってないお店の中でもっとも気になるのがここなのでした。
店頭に、風呂桶の中に本を入れているコーナーが写真で見えて、ものすごい心ひかれていたのです。
あと、うちのお店のお客さんでここに行った、という人の話が皆とてもおもしろいし、
店主に銭湯に連れて行ってもらった、なんて驚きのエピソードもあるのでまず店主に興味が湧いたのでした。
早稲田通りの古本屋も軒並み覗いてみたかったのですが、結構早く閉まってしまうのですね、
神保町もそうですけど。また時間に余裕を持って来たいです。
dasを見つけ、とりあえず中に入ると、まず店主の蛭田さんがフレンドリーに声をかけていただき、
なんかグァバ茶とか出してくださる。本もすごくたくさんあるし、個性的で思ったとおりのいいかんじの空間。
「東京古本」を見て来ました、と言うと「あの本に載ってるお店、他に行きましたか?」と聞かれたので
正直に「あの本に載ってる店のものです。」と告げると、まあこちらで煮汁でも食べながら・・
と奥のこたつのところでごちそうになりながらいろいろお話しました。
いやー、勉強になった。学生の多い街、若い可能性を秘めた街にこのお店、この店主、
いいんじゃないでしょうかねー。お店の来店者足跡ノート読んでもすごい手ごたえを感じたし。
 三鷹台の絵本古本屋の店主もこれまた本を見させてくれないくらいどんどん話かけられるんですよ。
思い出してしまいました。どちらも店主のお人柄の成せる技ですね。
私はまだそのへんひよっこで、お客さんの方から話かけられた場合はどんどん話すけど、
そうでない場合は、ほっておいてほしいタイプの方かな?って思って声かけないで他の仕事とかしてる。
上の店主お二方は、もうその人を見ただけで、話したい人かそうでないかわかるところまできてるように思う。
だからうるさいと思われることなく、どんどん人を引き込んでいくのだろうなー、うう、私も修行しよ。

2003年6月3日 火曜日
2日のラジオ放送、6分の間でうまくまとめてあったと思います。
自分の声がけっこう低くてビックリ。 いつまでも独身時代の甲高い声のままでは
ないんだなーと実感。 あとやっぱり関西訛りばればれですね。
つい昨日もレジで「750円になります。」って言っただけで、
「関西の方なんですか?」ってお客さんに言われたくらいですからね。
まあ訛ってても別にいいですよね。これからも自然にいきます。
今日さっそく長田さんが来てくださり、新たな朗読会の情報を教えてくださりました。

ひびき朗読会 「桜桃忌」特集
・日時 6月25日(水) 午後二時開演
・場所 田端文士村記念館ホールJR田端北口前
・入場料 1000円
・太宰治「饗応夫人」(昭和23年) 朗読 川田靖子
     「ロマネスク」(昭和9年) 朗読 坂井清成 (長田さんの朗読の先生らしいです)
田端文士村のことをあらかじめ調べて、ついでに文学散歩なんてできたらいいのではないでしょうか
そんな時にふと足を休め、お茶でも飲める場所なんかも見つけられたらいいですね。

あと、「新潮」平成十年六月号掲載「没後五十年太宰治の男っ振り 野平ふさ子」記事コピーを
資料として提供してくださいました。長田さんはこれを読んで、著者は「眉山」のモデルなのではないか?
と感じたそうです。私は正直なんでだろう?と思う。、長田さんは何故、その部分でそう感じられたのか
次回お会いできたらお聞きしてみたいと思っています。

じっくり読んでみるつもりですが、さっと目を通しただけで何回か泣きそうになってしまいました。
入水自殺の夜、美智子夫人のそばにいらした様子のところ、
明け方近くに夫人が、タバコを一本、すーっとお吸いになられた、というところ・・・
太宰とのからみのところでは、「太宰さんってずいぶん指がきれいですね」と言ったら
「じゃあ綾取りしようか」と彼が答えるところ。なんて美しい場面なのでしょう はぁー フランス映画みたい
その後、白魚のような太宰の指がたくみに踊るところを想像してちょっと妄想モード全開な私でした。
綾取り・・・その手があったか。 互いに1ミリも触れずとも、赤い1本の細いヒモを結べば行える官能の行為。
太宰は「俺は子早いんだ。女をまたいでも子ができる。」と言ってたけど、それこそ綾取りしただけで妊娠してしまいそう
いかんいかん、いつものクセでまた脱線かつ暴走してしまいました。ちなみに記事の中の綾取りの場面は
まったくエロくないです。すいません、でも太宰は文福茶釜なんて技も身につけてたそうで、
そういう芸の細かいところにますます惚れてしまった私でありました。

2003年6月2日 月曜日
あー、時間がないんでもう寝まする。
てなわけで、日記はまた明日から!


byますたー
2003年5月30日 金曜日
三鷹駅前のショッピングモール「コラル」の3階に啓文堂書店がオープン。
新聞にはさんであった広告に「2000円以上お買い上げの先着○○名様(数字忘れました)に
MAYAMAXXデザインのオリジナルマグカップをプレゼントします」と書いてあったので
これはこれは行かなければ、と思って朝から行ってきました。
広い書店っていうのはやっぱり必要だと思うので、第九撤退後も他の業種でなく書店ができることになって良かったと思います。
通路が広いので、ベビーカーでもゆったりと本を選べるのです。太宰治コーナーもフェアみたいな場所に設置されてました。
とにかく2000円以上お買い上げしてカップをゲットしたいので、私は雑誌コーナーをうろうろ。
「BPASS]と「GIGS]はすぐ選べたんですけど、2000円にするにはあと700円以上のなにか買わなくてはいけない。
さんざん悩んだ末、「月刊中村愛美」を選んだ私って・・・ いや、ファンなんでいいんですけどね。
まあこのシリーズならあとで元とれんこともないし・・・いかんいかん、頭の中でそろばんパチパチしながら
レジに並んでると、知ってる人に会いました。思わずさっと雑誌を隠すように抱えこんだあと、
かえってうしろめたいかな〜とか思ってる間に自分の番、さあサイフを出して、ん?
「1000円以上お買い上げの方にはマグカッププレゼント」とレジに表示してある。 そんなぁ、さんざん悩んだのに
こうなったら「月刊中村愛美」はとことん堪能し、とことん寝かしてやる!みたいな・・マグカップ可愛かったからいいんですけどね。
帰りに新しいギターショップが出来ているのを発見。ここもうちよりたぶん小さいお店、だけど
その小さいお店の中にズラーッとギターが並んでるのは圧巻。私のロック魂にますます火をつけるのです。
いつか余裕ができたらここでエレキギター買おう。飾りじゃなくてちゃんと練習して弾けるようになろう、と堅く決心しました。
いやいや最近の三鷹はなかなか新しいものが生まれてきているのでは? 昨日に引き続きなんか嬉しいです。

そんな時偶然にもお客さんから「昔の三鷹駅前はほんとに良かったんだよ。」という話を聞く。
「最近の赤瀬川源平の新刊、僕の昔の東京生活、みたいなタイトルに、三鷹にあった第九書房とその2階の音楽喫茶の話が
書いてあるよ。たくさんの文化人が通ってたし、あの空間はほんとに良かったんだから」と言われてました。読んでみよう
あるお客さんからは、重松清の「桜桃忌の恋人」は読んだ?と聞かれました。 実はまだ読んでなかったんです。
記憶がぶっとんでたんですけど、たしかそういう小説がある、という情報は一度は目にしてた筈です。
「太宰狂の女子大生が、桜桃忌の頃に必ず自殺未遂するんだけど、太宰風の男の子がその女子大生に惚れられて・・
という話なんだけど、読んでみたらすごく入り込めておもしろいの。」という内容の説明を聞いてるうちに
めちゃくちゃ読みたくなってきました。「日曜日の夕刊」という短編集に収められているそうで、
明日の朝さっそく図書館へ行って在庫のチェックをしてみようと思います。
やはり本屋へ足が向いた日は、お客さんからも本の話がよく出た気がします。
オープンしたての本屋の匂いも悪くないですね。三鷹文化の発信地として末永くそこに存在してほしいです。

2003年5月29日 木曜日
今日はまず目覚め方がマンガみたいでした。
なんかうちのヒトがじーっと顔を近づけてくるもんだから
むむ?おはようのチュウ?とか思ってそのまま目閉じてると
まざまざと見てるだけ。はて?と思っていると、あーー!っと夕べのことを思い出しました。
昨日今話題の「林檎博」に行ったのです。その入場者にはプログラム(椎名林檎の顔写真)が渡され、そこについてる
ホクロ(ステッカーになってる)を「中では必ずホクロを着用ください。」と入り口で言われるのです。誰もつけてなかったけど・・
で、家に帰ってから、うちのヒトを驚かそうと思って口元にそのステッカーをつけて、よし着用完了、と待っていたのです。
しかしいっこうに帰ってこないので眠くなり、どうやらホクロステッカー貼ったまま寝てしまったのです。
で、朝起きた時微妙にづれていて、まさに鼻の穴の真下のあたりになってたのです(笑)
こりゃじーっと覗き込んで確認したくなるわ。 そんな一日のはじまりだったので、もう今日はマンガな一日で突っ走る!
「えい、このまま店出てやる!話のネタになっていいわ」と思って勢いづいて、Tシャツも妖怪人間ベロのやつだ!とテンション
あげてたのに、朝の買出しでサミット行った時に鏡に映った自分を見て急に醒めた。
ホクロもちょっと恥ずかしくなってとりました。 いかんな〜根性なしですね。大阪人なのに・・
で、その「林檎博」の感想を。私は椎名林檎大好きなのですごく楽しめました。自筆の楽譜を生で目にしてかなり感動しました。
才能はもちろんだけど、基礎がしっかりしてる、加えてあの容姿、そりゃ世に出てくるわ、といったかんじ。

そうそう、昨日はお客さんに教えてもらってから気になっていた焼き菓子のお店「さくらのみち」にやっと行けました。
三鷹駅前図書館のすぐそばにある小さくて可愛いお店で、中でお茶もいただけるのですが、2席のみなんです。
オーナーさんは、美しい上に物腰が柔らかくて、この人のつくるケーキなら、お菓子なら、食べてみたい
そう思わせる雰囲気の女性の方です。いろいろお話していると、お互いに自分の店のお客さんからそれぞれの
お店の情報を聞いて存在を知っていた、ということに気づき、そういうのって嬉しいですね、なんて話してました。
お互いに図書館のそばですし、新しいお店ですし、よろしくお願いします、って会話してると
うちの店によく来てくださるお客さんが偶然入店してこられてびっくり。でも こういうことも充分ありえる話ですね。
なんだか三鷹に素敵な個人経営のお店が増えてきて嬉しいです。
特に手作りケーキに目がない方は是非行ってみてください。とてもおいしいですし、器も素敵です。
うちより小さくても素敵な店はちゃんと存在する。きめ細やかさとか、いろいろ勉強になりました。うちもがんばろー!

2003年5月27日 火曜日
パソコンがやっと治りまして・・・と書きたいところですが
まだまだ不安です。昨日たしか日記を書いたと思うのですが、なぜか日付しか表示されていなかったり、
あ、決して店をさぼってポップジャムの公開録画会場にかけつけてたわけではないのです、はい。
今、キイを叩いてる文字もちゃんとアップされるのかな? 少し不安よ〜♪ ということで日記再開いたします。
ほんっーーーとによく壊れるパソコンです。でもなんかもう情がうつってしまってるのでとことん面倒見てやろうと
腹をくくってるのですが、1シーズンに1回壊れるのがクォータリーくらいの間隔になったらちょっと考えるかも。

 まあ前置きはそれくらいにして、そうそう、前日にますたーが書いてくれてるように
NHKラジオの取材がありました。 6月2日の15時頃、NHK第1放送で6分間の枠、ということで話がきたのですが
担当の方と打ち合わせをしていくうちに、お店の情報だけでなく三鷹の太宰治文学散歩、ゆかりの御寿司屋さんでの
朗読、なども取り入れることになりました。その担当の女性の方、(これまたとても可愛らしい方でした!)
はじめは特徴のある古本屋さん、という切り口で取材に当たる予定だったようなのです。
で、とりあえず話をしてみたのですが、うちの店に置いてある「三鷹太宰マップ」とか、みたか観光ガイド協会の主催で
月に一度太宰治文学案内を行っていること、店にもよく来てくださる長田さんの朗読の話などにとても興味を示されたのです。
彼女の頭の中で、なにかが広がっていってるのを私も感じ取れたので、お店の紹介の時間は少しでいいから
その生まれたての発想にまかせて6分間、自由に編集してほしいと思いました。
決していいかっこしいではなくてです。この時間帯にNHKのラジオを聞いてる人たちは、きっと年配の方が中心だと思うのです。
太宰治が好きな若い夫婦が、お店をはじめました。ってことはそのたった1行でも通じるものがあると思うのです。それより
86歳を過ぎてなおパワフルに太宰作品の朗読を続ける長田さんの声、少しでも長く耳を傾けてみてほしい。
長田さんは70代になってから新しい生きがいを見つけようと朗読をはじめられた、という点も
リスナーの人達のなにかきっかけになるかもしれないし。 長田さんもガイド協会の案内もわかりやすい言葉で表現すると
皆ボランティアでやってらっしゃるんですよね。 文学の街、太宰の街、三鷹にはこんな人たちがこんなことやってますよ
っていうのを知ってもらえるきっかけになれば良いな、と本心で思うわけですよ。
後日、長田さんから電話をいただき「あなたのお店も広がっていくだろうね、良かったね」と言葉をかけていただいたり
担当の女性が問い合わせの連絡をされたようで、「若い人たちがこのマップを片手に三鷹の街を歩いてもらうのが本望なので。」
と太宰の会の方がマップをたくさん刷ってきてくださったりして嬉しかったです。
休日返上で取材する影で様々な所へ連絡したり、店から街、太宰文学、と興味を広げ即行動する若い柔軟性っていいですね。
そうです。たしかに私は少し新しいタイプの古本屋をはじめました。でもこの場所にはずっと前から太宰治の文学を愛し
研究し続けている人、その足跡を多くの方に案内したいと動いている人、こういう人達がいたから成り立っていけるのかも
しれません。太宰治と縁のない人でも、日曜日の午後、玉川上水を散歩した時に、ちょっとしたグループがあって
太宰ゆかりの地の説明をしている人、それを真剣に聞く人、そんな風景を目にするとちょっといいなと思うのでは?
うちのお店もそんなひとつの風景になっていきたいと思っています。
あ、テレビの時もそうでしたがNHKなのでお店の名前は「フォスフォレッセンス」の「フォ」の字も出ませんので・・・

2003年5月26日 月曜日
どうもお久しぶりです。
ますたーです。
いやぁ、やっとパソコン直りました。これでようやく日記も書けまする。
それにしてもよく壊れるパソコンです。なんせ季節の変わり目には必ずどこかが壊れるという(苦笑
流石はSONYの面目躍如といったところでしょうか。

えーと、本日はNHKラジオの取材を受けました。
取材といっても、多分紹介されるのはほんの1〜2分くらいだと思うのですが。
この件に関しては、メインはウチの店主ですので、明日の日記にでも書かれるものと思われます。
まあ、そんなところで、もう眠々なんで、おやすみさせていただきます。

byますたー。
2003年5月12日 月曜日
なんだか今日はいっぱい人が来た。近くでなにか催しでもあったのか?
いや、嬉しいんですけどね。
お隣の工事が続いているので相変わらず音、振動が激しいのでヒマでもいいかも・・
と思っていたので予想外の忙しさにあたふた・・
いや、いいんですけどね。
中には「大変ね〜。」って同情票を集められたようで、
すごい機械音の中、本を読みながらお茶してくださるお客さんが何人かいらっしゃって
無理してくださってるな、悪いな・・とか思っていると
「いや、こうゆう状況で建物がどんどん壊されていってるのを見ながら宮本輝とか読むのってなんか
いいじゃないですか。」とお客さん。 たしかに建物が壊れていくのを見るのが好きな人とか居るし
どこから嗅ぎつけてきたのか、廃墟マニアみたいな人もここんとこウロウロしてる気がする。
でもなんで宮本輝なんだろう? と思ってると
「たとえばここにある本で言うと、この五千回の生死(新潮文庫)に入ってる「トマトの話」なんていいですよ。」
そう言ってさっと帰られた。「トマトの話」はたしか10年前くらいに一度読んだ記憶がある。
短編なので読み返してみた。 ああ、こういう話だった、たしかに工事現場で働く男たちを見ながら
読むのはいいかもしれない。さっきのお店での短い時間で、すっとこの「トマトの話」をひきだせるなんて
すごい人だなーと思った。あえてその作品については多く語らず、きっと私がこの小説をこのあと
読むことまでわかってたんじゃないかと思う。 ニッカポッカをはき日焼けした男性が汗水まじりで
働く姿を目にしながら「トマトの話」を読んで思った。 私はやっぱり主に小説を売っていきたい。
哲学や科学、歴史、等はもとから私が苦手ジャンルというのもあるけれど、シュールなものやレアもの重視の古書店ではなく、
200円の薄っぺらい、絶版になってもない文庫でも、なにか血肉になるようなもの、そんな小説の力を信じていきたい。 
「そういえば女子高生が、あのニッカポッカの姿への憧れがきっかけで勉強し、とび職に合格、って
ちょっと前の新聞に出てた気がするよ。彼女達も今頃一人前目指して頑張ってるのかな。」と言われてたお客さんもいた。
憧れの職業1位 大工さん、の時代ですからね。この不景気の中、自分達はこれで身体張って飯食ってるんだ、
っていう誇りの姿を、若い人はちゃんと察知してるのですね、なんて話をしました。
「音うるさいですねー。」って話だけでなく、いろいろ想像力を拡げて話してくださるお客さんたちに感謝、です。
ちなみに現場監督さんも気にしてくださってるようで、お詫びに来られ、コーヒー飲んでいってくれましたよ。
近くお店に来てくださる予定の方、もうしばらく工事の音が五月蝿いかもしれませんがよろしくお願いします。

今出ている雑誌「ホットドッグプレス6月号」のモノクロ151〜154ページの挿絵は
うちのショップカードデザインやオリジナルポストカード販売でお世話になっているびぐさんが書かれたものだそうです。
すごーい!私もコンビニや本屋でさっそくチェックしてみたいと思います。ホットドッグプレスといえば「試みの地平線」
ってまだ連載続いてるのかな?そのへんもチェックしてみます。ってことでまだまだ物足りないわよーん
は林葉直子だった・・・失礼しました。

2003年5月11日 日曜日
さっきからずっとパソコンの調子がわるいです。。
てな訳で、本日は日記なし。

byますたー
2003年5月9日 金曜日
今日お店に来たらなんだか騒がしい。
ぬ?と思って見てみると、店の前の道はさんでお隣の家のとりこわし工事をしているのです。
ものすごい音とホコリ、ああこれは今日は表に本出せないな・・おまけにこの音じゃ
あまりつくろいでもらいない・・ということはヒマなのかな・・・などネガティブになってしまって
いかんいかん、仕切り直し!とか思って音楽でも聞きながら朝の掃除してリラックスすることにした、が・・
表の工事の音がすごいので、音楽がまったく聞こえない。
そこで思い出した。友達が音源送ってくれてるのがある筈だからPCで聞こうと。
実は来週ハイドのライブに行くのです。で、公式ファンサイトにハイドの書き込みがあって
「ニルヴァーナのスメルズライクティーンスピリットとモトリークルーのライヴワイヤーという曲を演るので
予習しとくように」みたいな内容だったのです。その2曲を知らなかった私は、とりあえずお客さんの若い男の子に聞いてみた。
すると「え?ほんとに知らないんですかー?うそでしょ? ほら赤ん坊が海の中でドル札見てるジャケで・・」
そんなこと言われてもほんとに知らない。私、いけてないのかしら
 で、詳しい友達に助けてもらえて音を聞いてみると・・・なかなかいいじゃないですか、このかんじは世界共通、
こう、体中の血管が腰のあたりでひとつにとけていきそうなかんじ、良かった、私もまだまだロックにしびれる年頃範囲、
とか思ってると、めずらしく開店早々からお客さんが・・
うちは基本的に店では静かな音楽、日本語が耳にさわんない音楽しかかけないことにしてるのでロックは無用。
ところがです、PC操作に詳しくない私はメール欄の右上のxをクリックしたら音も止まる、と思い込んでたのです。
しかし音がとまらない・・・うわっ、どうしよう・・・といろんなところをクリックしてると
「あ、ネヴァーマインド聞いてるんですか?」とお客さんが声をかけてくれるというコントの台本みたいな展開。
「え?ネヴァ?いえ、スネルズライクゥ・・・」とかたどたどしく言ってると
「ニルヴァーナが好きなのですか?」と、その「ニルヴァーナ」って発音が良く感じてよけいびびる。
正直に理由(実はハイドのファンで・・てな具合に)を説明すると、ハイドの最近のCMの話になる。
「ラルクのハイドさんの携帯電話かなんかのCM(40メロミックスです)失礼だと思ったらごめんなさい。
私、マイケルジャクソンかと思ってたんです。マイケル、今回は整形大成功したのね、って思ったらハイドさんだった。」
ってもう大爆笑(ごめんね、ハイド)その後「ラルクのメロディーラインはすごくいいと思う。」とちゃんとフォロー?してくださいました。
終わり良ければすべて良し。 やっとなんとか音をとめられてホッとしたらまたお客さんが・・珍しい。
うちの店はたいてい開店直後はヒマなのですが、今日はなんだかスタートが早い日みたい。
赤い革の小さな「坊っちゃん」をレジに持ってきてくださったのですが、どうやらおサイフを忘れられたご様子。
「またついでの時でけっこうですので」とお名前をお聞きし、いったん取り置きすることに。
ところが5分後くらいに戻ってこられたので、「いつでも良かったんですよ」と言うと
「今、母からの手紙読んだら中に千円入ってたんです。」と微笑まれ、その千円札をにぎりしめて来られたんです。いい話だ・・
泥がついてたら「これは受け取れない」ってなるところですが(笑)そういうことはなかったので、普通のお会計。
とまあ朝からマンガのような出来事が続いたわけですが、なかなか忙しくいいかんじの1日でありました。
今はひたすらとろけるチーズ入りのメンチカツが食べたいです。昨日どっちの料理ショー見たのです。
「革婚式に・・」なんて書いちゃいましたがリーズナブルなお店のようです。織田広喜さんの絵が飾ってあって素敵、
と教えていただきました。行ってみたい・・とりあえず今日は「キャベツが入ったメンチカツパン」で我慢します。

2003年5月8日 木曜日
日記を書こうと思ったら、なんかいつもと様式が違うので
この青い日付の囲いがなかなかつくれない。ますたーに帰ってからつくってもらうことにする。
「何回教えたら君は覚えてくれる?」とまたちょっと不機嫌にさせてしまうかもしれないけど
ほんっと私のメカ音痴は筋金入り。 少しづつ覚えていく努力はしてるんですけどね・・・

2月に新潟から三鷹に太宰治足跡巡りに来られ、うちの店にも寄ってくださった方がいたことを
その当日の日記でも書いていましたが、その方からお手紙と冊子が届きました。
それは「読書のいずみ」という冊子でした。ご存知の方も多いと思いますが
大学生の手によってつくられる読み物で、作家へのインタビューも学生、書評等を書いているのも学生なのです。
私は昔大学生協書籍部でパートをしていたのでなじみの深い冊子で、毎号かかさず読んでいたのですが、
パートをやめて書店の正社員になってからは、自然と手にとる機会もなく、ずっと忘れていたのです。
なつかしい思いとともにページをめくると「文学散歩〜東京・三鷹編〜「太宰治に会いに」」というのが
目にとまりました。読んでいくと、あの日店に来てくださったことが書いてある。
いつもお店での出来事や会話などをこうして日記に書いてる方の立場なので、
お店のことが書かれている立場というのは新鮮でした。 店のことはもちろんなのですが
はじめて三鷹を訪れ、太宰治ゆかりの地を見てまわる文章を読んでいると、自分自身が同じように
はじめて三鷹に来た時のことをまざまざと思い出されました。
私がはじめて三鷹に来たのは9年前の桜桃忌、のぞみの往復チケットを公募ガイドで見た「あなたが書く新幹線エッセイ」
とかいうのでゲットできた時に京都から東京へやってきたのでした。やはり大雨でした。
はじめて井心亭のあたりを歩いた時のこと、太宰の墓前に立った時のこと、
なぜか三鷹の街にとてもひかれはじめたこと、雨の匂いと共にすぐ心象風景が蘇りました。
その頃はまさか自分が将来三鷹に住むなんて知るよしもなかったのですけどね。
この冊子を送ってくださったお客さんはその時言われていたとおり、関東に来て社会人として
頑張っているようです。また落ち着いたら伺います、と手紙に書いてくださっていた。
まっすぐな瞳、よく覚えています。会ってお礼が言いたいので是非またお店に来てほしいです。
買って読む本だけでなく、無料でも内容のある読み物がこの世にたくさん存在する。
ならばそれらのていねいな読み手でいたい、そんなことをあらたに実感したのでした。

2003年5月6日 火曜日
「花がそこにあるだけで、全然違ってくるでしょ。」とお客さんがもらいものだというお花を
少し分けてくださり、テーブルの上に飾ってくださりました。(下に画像あり)
「ちょっとコップみたいなものある?お水八分目くらい入れてね」と言われたので差し出すと
さささっと一瞬で草花を整えられ、こういうの「花あしらい」っていうんでしたっけ?
見事に可憐なシルエットがテーブルの一角にできあがりました。
「これは何の花ですか?」とお聞きすると「名前なんて私も知らないわよ、でもきれいでしょ。」
なるほど、芸術家は花の名前よりもその一瞬のシルエットの方を重視するのだな、なんて思いました。
そのお客さんはアトリエのお店を経営していて、ベネチアンガラスの仕入れなんかもされているそうで
美しいものに囲まれて日々暮らしているオーラを放たれていました。でもすごくフレンドリーで
「良かったら遊びにきてね」と声をかけてくださいました。
話を聞くと大阪生まれでその後、京都、そして三鷹、と私とまったく同じコース?な方でびっくりしました。
昔は苔寺が予約しなくても見学できたらしく、「6月の雨の日に苔寺は絶対行くべき
苔が濡れてすばらしい色になるから」と力説されていて、苔寺の目の前に住んでた私は行ってないことをちょっと後悔したり。
昔マドンナが苔寺に来て「いつかこの近くに住みたいわ」と言った一言を私はずっと覚えていて
マドンナの人生は絶対マネできないけど、マドンナのご近所さんになることは決して夢ではないな、
なんてひそかに思っていたものです。マドンナが「人間失格」を読んで「三鷹に住みたいわ」なんて(ないない)
思わない限りはご近所さんの夢も絶たれるわけですが、いや遠くから応援し続けます。はい。
で話戻って、そのお客さんの早技にはほんとびっくりでした。終始おだやかなかんじで「またね」と帰られたのですが
帰り際に表のガラス窓越しに花のシルエットを確かめていた鋭いまなざしを私は見逃さなかった!
センスは宝だな、と思いましたね。そのあとその一角がパッと明るくなったと思ったら
可愛らしい赤ちゃんが来店してくれて、もちろんお母さんに抱っこされて、なのですが
「3ケ月前くらいからずっと入ってみたかったんだけど、なんとなくのばしのばしにしてて、でも今日はすっと入れたのです」
ですって。これは花の力の作用かも。ハーフの赤ちゃんでお父さんはイタリア人とのこと。どおりでくっきりしたおめめと眉。
この赤ちゃんがもうすっごく愛想が良くて可愛い。するとお客さんも連続して来店し赤ちゃんにメロメロ
お母さんである女性に話を聞くとイタリアで陶芸や美術を勉強されていたとのこと、
さっきの花を挿したお客さんはベネチアングラスとのゆかりがある、ほんとに花が呼んだ?うーん・・深読みしすぎかな
とにかく今日は切り花パワーとイタリアンパワーで終始いい雰囲気の一日でした。



雑誌「GINZA]の取材もあったのですが、すいた間にうまいぐあいに行えました。
思ったより早く来られたので身だしなみのチェックがまったくできず、カメラマンさんに写真を撮られたのは
ちょっと緊張しましたが、さくさく進行。6月12日発売、だったかな?新しいタイプの本屋を紹介するコーナー
に載る予定。マガジンハウス、昔憧れて銀座までビル見に行ったものです。ワールドマガジンギャラリー、良かった。
深夜バスで東京来てはそんなことばっかしてた日々が懐かしい・・・そんな私も今では都心に出ても三鷹駅や吉祥寺駅に
到着するとほっとするという日々。華やかな世界大好きだけど、ずっと居るのは疲れてしまう。三鷹がいいです。ほんと

2003年5月5日 月曜日
今日の日記はちょっと長くなるかも・・まGW拡大版、ってことでお願いします。

このGW,ひとつ発見がありました。
これまで何度もお客さんからおすすめされていたのに、
「入口がいまいちわからない。」というアホな理由で近くにあるのに一度も
足を運ばなかった「ネイチャークラフトガーデン」に行ってまいりました。
なんで今まで来なかったんだろう!ってくらい気持ちの良い空間でした。
ガーデニング用品や流木、アジアン雑貨など売っているほかにさまざまなイベントや教室が行われている、
そしてそのショップに併設されているカフェが、すごく良い。
自然の中で太陽の光をさんさんと受けながらゆったりできるのです。
日に焼けるのがイヤ、という人は中の席を選べばいいので大丈夫。
おととい初めて行って感動した私は、さっそく今朝開店前にますたーと二人ででかけ
ささやかな結婚記念日の会?のようなものを楽しみました。
可愛らしいガラスの一輪挿しも購入すると、レジで美人の女性に
「あ、本屋さんの方ですよね、私時々寄らせていただいてます。」と声をかけられびっくり。
とても嬉しかったのだけど、開店直後のすいた店内でおててつなぎながらラブラブモード全開中
だったので恥ずかしさの方が勝ってしまいましたね。
たとえば美容師が鏡越しで見たお客さんの顔は決して忘れないように
私も本棚越しで見たお客さんの顔はけっこう浮かべられるんです。
でもまわりが緑一面、そんなバックで一瞬お客さんの顔を思い出す反応が遅れました、すいません
でも頭の中でお客さんの顔をうちの店の本棚の風景の中にスライドさせていくと思い出せるのです。
ガーデンのようなショップで働く女性たちってシンプルなものを着ててもとてもきれいでいきいきしてるように見える。
私はまわりの風景と同じようにそんな女性たちの動く姿にも見とれてしまいます。
映画「tokyo sora]が好きなのも同じような理由からです。美しい女性が動いてる(またはとまってる)
のを見てるだけで楽しめるのです。 ますますブランドものに興味がなくなったものです。

文鳥舎の方が来てくださいました。いろいろお話できて「三鷹で頑張っていきましょうね」と
最後にはなんだか元気になれましたよ。17日には初めてのイヴェントを行われる、ということでお知らせしておきます。

文鳥舎ことのはライブ
第1回 5月17日(土)詩の言葉・小説の言葉
*作家による自作朗読と対談・親睦会 小林恭二(作家)、正津勉(詩人)、富岡幸一郎(文化評論家)
第2回 6月7日(土)わたしの地球歩きー文化再考ー
*講演と対話、親睦会 西江雅之(文化人類学・言語学)
ともに開場:18:00開演18:30打ち上げパーティ20:30
料金2000円(1ドリンク付き)・打ち上げ参加者は別途2500円(要予約)
文鳥舎 メールbunchou@parkcity.ne.jp ポエトリーカレンダーTOKYO5-6にもイヴェント詳細載ってます。
ポエトリーカレンダー、チラシともうちの店にも置いてます。詳しい場所が知りたい、など気軽に声かけてくださいね。

あと8日のテレビ番組「どっちの料理ショー」にうちのお客さんがバイトしてるお店が出るそうです。
吉祥寺のシャポールージュという洋食屋さん、東急裏のあたりにある素敵な一軒屋です。
聞いた時はわからなかったのですが、あとで調べてみるといつも前を通り過ぎる時気になってたお店です。
あのあたりって素敵なお店が多いのでよく歩きます。それに私は特に街の洋食屋が大好きなのです。
ちなみに「メンチ」の対決?らしいです。私もいつか食事に行ってみたい。
もっと売り上げを安定させて、そう革婚式あたりのディナーの目標としておきましょうか
さあその日までがんばらねば 今夜も豆乳風呂にしよ(おすすめですよー)

GW拡大版付録・ますたーの上野試乗会報告、どぞー


どもども、ますたーです。
いえ、試乗会ではなく見てきただけなんですが(しかも上野まで出かけて行って眺めた時間は実質10分くらいというアホらしさ)。
上野駅の特急ホームって、ホームの入り口にまで改札があるんですね。おかげで、他の鉄ヲタさんたちに混じって隣のホームまで走って
しまいました。
で、見てきたのこれです。EF55電気機関車、通称”ムーミン”です。

どうです? 見事に”ムーミン”でしょう(笑)。

さ、来月はEF58−61だな^^;


2003年5月4日 日曜日
どもども、またしてもますたーですよ。
今日はねえ、今日は・・、久しぶりに忙しかったです!笑
2時くらいまではいつものペースだったんですが、それからお客さんが切れ目なく(いや、一度に押しかけて来た訳ではないんですが)
きまして、それに加えて暑かったからかアイスコーヒー(いわゆる、”レーコー”ですな)が連続注文。
氷がなくなりそうでヒヤヒヤしましたです。これからは氷のストックも多めにしておかないと不安ですね。

最近、お店の入り口のところにある均一本がよく開店してます。
いくつかの値段で分けて置いてあるのですが、一番人気なのが2冊で100円コーナーの文庫本。
一冊50円ですからそうそう利益が出る訳ではないんだけど、やはり回転するのは気持ちの良いものです。
在庫の整理もできますしね。しかし、基本的にウチの店主が選別してますので、中には「これ50円かよ!?」と、思うのもチラホラ。
まあ、そーゆーのも、均一コーナーの楽しみの一つですね。

さて、月曜は、朝一でちょっと電車見てきますのでこれにて失礼^^;
2003年5月3日 土曜日
どーも、ますたーです。
昨日の店主の日記にもチラと書いてありますが、暇でございます。
やはり、なんだかんだ言ってGW、皆さん何処かへお出かけしているのでしょうかねえ。。

そんな訳でして、ネット&読書三昧な一日でした。
うーん、これではいかんなあ。

2003年5月2日 金曜日
今日は京都の素敵なおじさまが来店。
窓際の席で外の風景を見つめる姿がすごく絵になっていたので
キッチンの影からためいきまじりにながめていると
「京都の人、なんですよね。」と声をかけられてドキッ
話してみるとそのお客さんは三鷹ご出身で、現在仕事(映画関係)で京都の太秦に滞在
しているそうです。なるほど、どおりで芸術的な佇まいなわけだ。
「東京古本とコーヒー巡り」の本を読んでわざわざ足を運んでくださったようです。
太秦映画村といえば、「失楽園」以前の役所広司のサイン会で行ったのが最後です。一緒に写真も撮ったんです!
その2ショット写真を横に置いて、彼が太宰治役を好演した「グッドバイ 私が愛した太宰治」の
ビデオを見るのが今のところの夢かな・・・ちょっと夢ちっちゃすぎるか、

しかしそのおじさまのあとお客さんが来ない。ヒマだ。
思わず映画「MOON CHILD」の、ほとんど暗記しかかっているハイドのセリフをひとりごとのように
発し続ける。「やばいよ!」とか(笑) これ、最近の私のブームなのです。
すると親子のお客さんが来店。お母さんと男の子。
その小学校低学年くらいの男の子が!「MOON CHILD]に出てきた子役(ガクト演じるショウの子供時代の役)
に似たかんじのかっこいい男の子!お肌なんてツルンツルンで、おじさまもいいけどやっぱり若い輝きってすばらしい!なんて思った。
おふたりでゆっくりとコーヒー飲みながら過ごされてる姿はなごみましたねー。
話を聞くと、本はまず図書館から借りて、お母さんが読み聞かせをする、で10冊、20冊、とくぎりのいい時に「記念」として
その中で印象に残った1冊だけ選ばせて買ってあげるんですって。なるほどー、と思いました。
100冊読んだ記念にうちの店にも来店してくださったようなのです。それを聞いてすごく嬉しくなりました。
今日、5月2日は結婚記念日なのです。その日にこんな本を愛する親子が記念としてこの店に訪れてくれたなんて・・・
2年前の北海道の青い空をふと思い出しました。最近「おじさま!」とか「若い男の子!」とか萌えまくってるような
私ですが、実はものすごい「ダンナマニア」です。夫を見てるのが一番楽しいです。ヘンでしょうか
まあ今流行り?の仲の良い夫婦ということで。 とか言いながらも結婚記念日の贈り物?お食事?それはとうぶんおあづけです。
「MOON CHILD]見に行くのが先です。いや、3度目なんですけどね・・・

2003年5月1日 木曜日
5月になりました。
この頃になるといつも思い出すのが新緑の嵐山、渡月橋のあたりの風景です。
春の桜の嵐山、白い雪化粧をした真冬の嵐山が好きだったのですが
いざ離れてみると生命力あふれんばかりの新緑の嵐山が一番思い出されます。
またこの季節、夜風が気持ちよくて川沿いをよく散歩したのですが、その時の夜の草の匂い、川の流れる音
なんかも思い出されますね。カップルがすごく増えるんですけどね。
そんなことを思い出してると、お客さんが三鷹の私がまだ行ったことのないおすすめの場所をたくさん話してくれました。
大沢のほたるの里、水車、草の葉アイスが食べれる茶屋、緑色の桜の樹、青い卵が売ってるところ、などです。
青い卵、っていうのはとても興味深いのですが「青色」というよりは「青白い」といったかんじで
栄養もたっぷりの卵だそうです。是非この目で見てみたいですね。絵本の世界ぽいしカラを飾りたいかんじ。
そのお客さんも三鷹に来てまだ半年らしいのですが、自転車でいろんなところをまわる度に発見があって
「三鷹ってなんて素敵な場所なんだろうって思ってます。」と目を爛々と輝かせて語ってくださいました。
京都の風景をなつかしみボーッとしていた私にとってはナイスタイミングな訪れでした。
京都はまた年に2回ほどは行けるのだからその時に楽しむといて、
今はまだ見ぬ三鷹を知っていこう。 そのお客さんはどこへ行くのも自転車、と言っておられて
今度は琵琶湖の年中咲く桜を見に行く、と言っておられました。
年中咲いてる桜、知らなかった。 京都に行った際にいつか自転車で琵琶湖畔ツーリングもできたらな
なんて夢はふくらむ5月1日でした。


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