営業日記。

2004年12月30日 木曜日
こんな暮れも差し迫った日に恋に落ちてしまった私、
舞台は初雪の新宿、
「どうしよう、心臓奪われてしまったわ」と
例のごとくまず主人に報告する私。
「またいつものことか、ほんとに君は幸せ年中無休のお花畑だね」
とこれまた例のごとくあしらわれた私、
でもでもー! すっかりあの人のとりこに。
その人の名は・・・ハウル。

ったくほんとに感化されやすいよな、と自分でも半分あきれてはいるのですけど、
私って単純な人間なんです、はい。
宮崎アニメ映画を見る習慣は特になかったのですけど、
周りから私がはまりそうな内容だとお奨めする人が多く、なら素直に見てみようかな?
っていうのと、「一目ぼれ恋愛要素のある映画」という触れ込みを何かで発見し、
なにー?それは見なくては、といそいそ映画館へ出かけていったのです。

最近、ひとめ惚れについて研究してまして、「ホワイト・ライズ」を見たのも
もちろんジュシュ・ハートネットが出てるから、というのもあったけど、
ひとめ惚れと、愛するがゆえの嘘がテーマの映画、という事が決定打だったし。
その流れで「東京タワー」もきっと見るのでしょうけど。
実際「ハウルの動く城」を見た友達の感想の、「ハウルには特に心を動かされなかったけど、
お城が愛しくてたまらなくなった。スクリーンで見るべき映画かも」というのも気になり
29日の水曜日、今年最後のお休みに、夜新宿で忘年会の予定があったので
ついでに夕方の回を観ることにしたのです。

ここからはネタバレ少しあるかも。
最初にハウルが登場するシーンでやられてしまいました。
今日もハウル関係のサイトとか掲示板のぞいたりしてたのですが、
「私はハウルのこのセリフに萌えました」とか皆それぞれツボがあったみたいで微笑ましい。
私の場合は、「まきこんじゃったね」このセリフの瞬間、全身鳥肌、まさに鳥状態の時のハウル。
そこでどっと涙が出てきちゃったのです。おそらく劇場でそこで泣いてるの私だけ。
まだ始まって10分もたってなかったかも。
実は過去の経験とシンクロしちゃったんですよね。

誰でも一度くらいは、「王子様」と呼べる人に遭遇しちゃった事ないですか?
私のMY王子様、今は二度と会うこともない遠い人ですが、その人が私に残した
セリフ?がまさに「まきこんじゃってごめん」なんです。
詳細語ると、今年最後の日記にえんえんとメルヘン話(しかもおばさんの)になっちゃうので
避けますけど、その時の感情がフラッシュバックして、もう涙、涙、の私でした。
その後はソフィー(主人公の女の子?)と同じ気持ちになって、ひたすらハウルに恋してた。
なんとも幸せな時間を、今年最後の雪の日に過ごせたのです。
その後テンション高いまま、ほろ酔い気分になって本当にいい一日を過ごせました。
そうそう、アルタの前の特設ステージで「いいとも」のリアル映像流していて、
その陽気な人だかりの中、ピンクレディー踊ってしまいそうになってました。

と、そんなかんじで今年の営業日記は終了です。
昨日の方がエンディングには相応しいのではないかと・・・
まあこれが私だからしょうがないか。
それに今日もお客さんが思ったより来てくれてとてもいい締めくくりの一日に
なりましたし。樋口一葉の「大つごもり」の文庫をはさんで、会話されてたカップルさん
とか居て新鮮でしたよ。明日この小説を読んでみようか、なんてことも思ったけれど、
そういえばまだ年賀状を一枚も書いてない!店の大掃除もしなくちゃ!とまず無理なのですが
どうせなら真夏に読むのもいいんじゃないか、なんて思ってます。

ということで、年末、300円まで値下げしようかと思っていた
「木村拓哉写真集」は現行のまま500円で販売することにしました。
お正月明け、フォスフォレッセンスは1月6日(木)より通常営業再開いたします。
ご来店を心よりお待ちしております。
その日、ハウルのコスプレで来店いただいたお客さんには、紅茶を一杯サービスさせて
いただきます。マジ。

みなさま、良いお年を。


MerryX'mas&Happynewyear

2004年12月28日 火曜日
なんとも慌しいかんじですが、いよいよ年の瀬ですね。
お客さんとの会話も最後には「良いお年を」
今年もなんとか無事に、元気に終えられることに喜び、そして感謝の気持ちで
いっぱいです。今年は災害も多かったし。
スマトラ地震なんて、ものすごい数の人が亡くなってしまっている。
私の友人も今ボルネオ島に行ってるので、心配でたまらない。
普通の当たり前の平和な毎日の重みをひしひしと感じることの多い年でした。
明日、何かが起こった時、後悔ひとつない、という状態に少しでも近づけるように
日々を大切に暮らしていくしかないですね。

「なるほど、ここは非売品の本もあるのですね、だからあえて古本と喫茶店が合体してるのですね。
なるほど、なるほどね」繰り返し呟かれ、
ゆっくりと店内をまわられ、コーヒーを飲みながら静かに話してくださったお客さん。
「旅に出たくなる日本語」という本を手にとりながら、です。
この本はこの店へ来店された太宰治が好きな方に、読んでほしいから、と
九州から作家さん自ら送ってくださった本。
他に本を1冊購入されましたが、「じゃあ次来た時にこの本の続き読むから」と
帰っていかれました。「あなた幸せな人だね」という一言を残して。
なんだかその言葉はとても意味深げな声で、今でも耳に残ってます。

「コーヒー豆を挽く音、ドリップされていい香りが漂ってくる、サーバーからカップへコーヒーを
注ぐ音、そんな過程すべて含めて楽しんでいます。
と言ってくださるお客さんあり。「私も将来小さな喫茶店がしたいんです、
なぜ小さい店かというと、ここの体験がヒントです。さっき言ったようなコーヒーが
運ばれてくるまでの過程が、身近に、リアルに感じられて、その時間が好きだから」
って。嬉しい言葉でしたね。私自身も、まだ店を開いていない時、小さなお店で
同じような体験をして、今に至っている。
小さな店は不便な事も多いので、万人受けはしないけれど、
好きになってくれる人は、本当に心底好きになってくれる。伝染していって
小さな店の店主とその店を愛する人が増えていくと良いな、と思いました。

私も、このコーヒーをドリップする瞬間のたちこめる香りに
どれだけ救われてきたことか。形ないものだけど、かけがえのないもの。
古本屋だけでもだめで、喫茶店だけでもだめ。
本のある空間の中でのこの香りを紡いでいく事を、これからもずっと続けていきたいです。
古本屋兼カフェは、効率悪かろうが儲からなかろうが、こうして来年もさ来年も続けていきたい
と思っています。来年もフォスフォレッセンスをよろしくお願いします。

2004年12月27日 月曜日
実にバラエティー豊かな一日でした。
まず今日はちょっと遅れて素敵なサンタさんがやってきてくれましたし。
24日の日記に「CD壊れた」と書いてたのを読んで、
「よろしかったら家に使わないCDプレイヤーがあるので差し上げますけど」
とメールくださった方がいらっしゃって、午後に持ってこられることになってたのです。
なんとなくドキドキしてました。

私はAV機器の事はまったくわからないので、親切にいろいろ聞いてくださるんですけど
適切に答えることができない。申し訳ない思いでいっぱいになってしまいました。
アンプまで譲ってくださることになり、近くまたCDが聞けるようになりそうです。
重いプレイヤーをここまでわざわざ運んでくださり、ありがとうございます。

今日は赤ちゃん連れのお母さんもよく来店いただけました。
最初に来てくださった方と、過去の恋愛話になったんです。そしたら抱っこしていた赤ちゃんが
ニコニコ笑うのです。すごい可愛くって、「やっぱり女の子ね、恋の話に反応するのね」
なんて和やかな雰囲気だったんですけど、なんとなく盛り上がってきて
ここにはとても書けない過激な話題に流れてしまったんです。
そしたらさっきまでにこにこ笑ってた赤ちゃんが、うぎゃーー!と泣き出しちゃったんです。マジで。
やはり過激な話は良くなかったのか、敏感に察知したのか、不思議でしたね。

突然友人も来店してくれて、お互いのこの一年の出来事、近況などを話し合う。
お正月にはちゃんと郷土に合わせたおせち料理をつくるという。
なんかやられた、ってかんじですね。私にとっては五段重ねのおせちとか夢のまた夢、だわ。
ここに来ると必ず私が居ることが(ますたーの時もあるけど)とても安心できる、と
心を込めて言ってくれる。すごく嬉しい。ひとりは確実にそういう人が居る、ってだけで嬉しい。

ご近所のお客さんが、アロマテラピーをやっている、というのは前にも聞いていたのだけど、
手作りの石鹸をプレゼントしてくれました。すごくいい匂いで幸せ〜
またかわいらしいネーミングのシールが貼ってあるんです。「秋の麦わら帽子」とか。
今夜さっそくお風呂で使ってみよう。バスタイムを演出するものっていいですよね。

おせちにせよ石鹸にせよガーデニングにせよ、なにか自分の手で確実に形あるものを創り出す、
完成させる、っていいですね。本を読んだりコーヒーを飲んだり恋の話するのもいいけど
なにか形として残るものを自ら創り出す、そんな事をひとつでも来年は会得したいかな

2004年12月25日 土曜日
ここのところ、やっぱり、というかカップルさんがよく来てくれました。
普段うちの店にひとりで来る女性が、クリスマスだからか彼を連れて、
というパターンが多かったのですが、どうして揃いも揃ってみんな
美男美女ばかり。可愛い人はやっぱりかっこいい人とつきあってますねー、と
実感しました。彼にはきっとプレゼントをもらっていて、ここは私からのプレゼント、
ってかんじで女の子が彼氏の分もお支払いするパターンが多かった。
二人仲良く連れ立って帰っていく時の幸せそうな表情をガラス窓から
見る時、私もすごく嬉しいです。

おばあちゃんとお孫さん(男の子と女の子)3人で来店。
窓ガラスに飾ってあった贈り物ラッピングしてある本を1冊ずつ
手にとって選んでいる。
ピングーの本を一度は選んでみたものの、中身の確認の時に
「ああ、ちょっと字が多いね、この子はまだ5歳なんで別の本を選んだ方がいいかな」
とおばあちゃんが言いました。
じゃあ別の本を、と探しにいこうかと思ったけれど、その5歳の男の子の視線が
ピングーから動かないのです。
彼は、ピングーのとりこになっちゃったのかも、と思って
「たしかに文字が多いですけど、ピングーは写真を見てるだけでも飽きなくて
いいですよ。粘土で出来ていて、どこかあたたかいんですよね
たとえばこのピングーの寝室の写真、木のベッドまで細かくつくられています。
このかたち、カーブのかんじ、」となんだか自分があらためてピングーの魅力に夢中に
なりながら熱く説明していると、(昨日のDJ顔負けだったかも)
その5歳の男の子が、
「僕、もう5歳だもん。この本大丈夫だよ。てかこの本が欲しい」と言ったのです。
静かな声だったけど、この男の子の意思の強さが伝わってきて
私はとても嬉しかった。
クリスマス用の袋に入れてあげて、仲良く3人で帰っていかれた。
この仕事は幸せな仕事だと心から思えた。
クリスマスはたしかにたくさんプレゼントをもらえてる気がする。

そんな私からますたーへのクリスマスプレゼントは、可愛らしい雪だるまカップルのライト↓
お店の今年のクリスマスアイテムの仲間入り。そう、おとといかな?お客さんからも
新たに「これ仲間に加えて」ってそりに乗ったサンタさん人形いただきました。感謝です。
こんなかんじでひとつずつでもクリスマスものが増えると10年後とかはもっとにぎやかになって
良いかも。でも、ますたーはこういうとこシビアな人なので、
「君のかわいいと思ったもの=俺が喜ぶものではないからね」ときっつーいお言葉をいただきました。
私のような永遠の夢子おばさんにはこれくらい辛口で丁度良いのです。
優しくしてると、粘着しますよ(笑)それにますたーに、といって結局店のものを選んでる
ってとこが・・まあ良いのです。クリスマス過ぎても雪が降った夜は、この雪だるまカップルに
ライトを点して店に飾ろうと思います。
そんな辛口の彼も、昨夜はクリスマスイブだから、とビーフシチューをつくってくれたので、
閉店後、一緒に食べました。
その後ゆっくりとケーキを食べました、と言いたいところですが、
ケーキは25日以降の安売りの時に買おう、というせこさと
私がシチューを食べるや否や「じゃ、Mステ見るから」と即効帰りました。
まあそんなもんです。が、なにはともあれ
メリークリスマス

 
今年仲間入りした雪だるまカップルライト、可愛いでしょ。
見えにくいですが、手をしっかと繋いでいます。

2004年12月24日 金曜日
今日はクリスマスイブ!
ところがこんな日に、うちの店のCDが壊れました。
なので現在はずっとFMのラジオを流しています。これからどうしようかな〜
ずっとクリスマスソングが流れてるか、DJのトークが流れてるか、
の中、朝から定番の山下達郎の「クリスマスイブ」が流れました。
その後、DJの男性が、「きっと君は来るんです、来ると信じれば奇跡は起きるんです」
みたいな事を力強く言ってて、でも悪い感じしなかった。
そんな、クリスマスの奇跡だなんて誰もがほとんど諦めているような事が
本当に起こるかのような勢いがその声には感じられて、なんだかこっちまで
前向きモードが伝染してきた。電波のバイブレーションってなかなかすごい。
たしかに奇跡が100%幻想だったらこの定番ソングもここまで根強く流行ってないかも。
誰もが、ほんの少しの期待を捨てきれないから、また苦しんだりもするのだろうけど、
ってクリスマスイブに何を熱く語ってるんだろうか私。かなりDJの熱が飛び火しちゃってます。

やはり関西弁で話す色男さんっていいですね。
今日、大学4年生だという彼が来店し、本を買ってくれた際に、
この店へ来た経緯を話してくれました。
彼は私が所属していたクイズ研究会の先輩の、大阪の高校時代の後輩だというのです。
そしてその先輩が、高校時代はジャズ研究会の部長だった、という話を彼から聞いて
「え?あの先輩がジャズ?いがい〜」というおもしろい発見がありました。
彼曰く、その先輩はテナーサックスを華麗に吹いたりするらしい。うまく想像できない・・・
その事より、その彼が、ヒゲの似合う色男だった事が重要なポイントである事は言うまでも
ないのですが。また、大阪弁で話す男性を目の前にするのは久々だったので、
それこそ私の中の遺伝子(って言ったらおおげさか)バイブレーションがこう、
ざわざわと動き出したのが自分でもわかりました。
結論、やはりたまには若い男性と話すのは、健康と美容に大変よろしい。
先輩方、東京方面に若くてピチピチした後輩がいるのなら是非うちを紹介するように。
以後よろしくお願いします。

2004年12月23日 木曜日
昨日は銀座で映画見てきました。
お客さんから銀座松屋である金子みすず展の招待券をいただいたので、
無駄にしたくないし行けるなら今日しかないかな、と思って。
なのに、その肝心なチケットを忘れてしまいました。(アホ)
でもちょうど見たい映画があった事と、クリスマス前のキラキラした銀座を
歩くのもなかなか良かったのでOK。
年に最低一度くらいは出かけたい街ですね、やはり。
デパートのアクセサリー売り場はこの時期という事もありカップルでいっぱい。
でも私こういう場面見るの大好き。見ていて思わず微笑んでしまう。
せっかくだから、自分へのご褒美に服買いました。
半額以下になってた秋物ジャケットだけど。
買い物バッグを肩から提げて街を歩くのは気持ちいい。
というか服買ったのって多分半年ぶりくらいな気がするし。
あと天使の刺繍が丁寧に入っていたクリスマスぽいハンカチも。
こういうのいいですね。新品のハンカチに頬をあてる感触が好きで、
今日の昼間ずっと思い出したようにハンカチで顔覆ってました。ヘンかな?

見た映画は「ホワイトライズ」良かったです。大満足でした。
主演のジョシュ・ハートネットがもう、めちゃくちゃいいんですよ、
彼のいろんな表情、しぐさが堪能できただけでもうお腹いっぱい。
やはりいい男は自分の栄養分。元気いっぱいで帰ってきました。

  

今日は男性のお客さんが、好きな女性へのクリスマスプレゼントに、とポストカードを
選んでくれたのだけど、どれがいいかな、と真剣に選んでる様子が
印象に残ってます。私のアドバイスも聞きつつ、でも最後は自分で決めて。
ただその好きな人は、同じ職場の結婚してる女性なんですって。
でも告白しちゃったみたいで、しかも同僚の何人かにばれちゃってるとのこと、
「うーん、好きな気持ちが先走ってしまうのはものすごくよくわかるんだけど、
相手が既婚者で、しかも二人だけの秘密にできなかったわけでしょ、
時に相手を困らせることになるよ、本当にその人の事好きなら、これからは
もう少し相手の立場に想像力を持ってから判断して行動してね」
なんてえらそうにアドバイスする私でありました。良く来てくれるお客さんなんで。

最初は違うプレゼントを提案されたのですが、「いや、それは相手に負担になるかもよ」
と言うと自然にポストカードを選んでる彼がいた。
「クリスマスプレゼントってだけよりは普段お世話になってるお歳暮代わりみたいな感覚も
さりげなく醸し出しといた方が相手は受け取りやすいと思うよ」とかもう近所のおかんみたいな私。
きっとこれで良かったんだと思うけど、ちょっと口はさみすぎたか?と少し気になったり。
恋愛だけは超個人的なものだからなんともいえないけれど・・・
真剣に選んでる彼の表情は、ああいいもの見たな、って私がちゃんと覚えてるから
たとえ玉砕したとしても、決して無駄な事ではなかったのだけは確か。といえど難しいですね〜
そんなクリスマスイブイブでした。

2004年12月21日 火曜日
白足袋や 主婦の一日 始まりぬ

太宰の「冬の花火」を読み返してみました。
この深みは十代ではつかめなくて当然かもしれない。
前に読んだ時とまったく違う手ごたえ。
読んでいてひたすら心痛くもありました。
私は主人公の数枝と同じく親不孝もので、
いくつになっても親孝行できなくてずっと悩んでいるのですから。
父親の「真人間になれ!」というセリフがもう、ちくちくと痛くてまいりました。
また母親の「女には皆秘密がある。お前は、それを隠さなかっただけよ」
というのもドキッとした。
最近ある人に言われた言葉に似ている。
「あなたには、どこか抑制のきかないようなところがある。その危うさ、
すばらしいと感じる人には賞賛の嵐だろうけど
そのやけつくような情熱は、普通の人間は怖気づいてしまう
誰だって火傷はしたくないから」

私にとって普通の事が、世間的に異常、ってことがたまに起こり、
ずっと悩んできた。恋愛の例で言うと、私から好きになった人は皆、
私の愛が重い、と逃げていった。
唯一、今の夫だけが逃げなかった。まあ拉致したからなのだけども(笑)
私が太宰を心底好きなのは、
きっと私の危うさ、人によっては恐怖、でも一部の人にとって絶賛される私の紙一重の魅力、
そこを世界の誰よりも理解してくれそうなところに惹かれるのだと思う。
ずっと私を一番おいしく料理してくれる、プロデュースしてくれる人を待っていた、
待ち続けてこの歳になった、見つかったと思ったら死んでいた、みたいな。
ってとんだ勘違いかもしれないですけどね。

先日行った冬の花火の打ち上げがきっかけで、「冬の花火」再読できて
なにかに開眼したのだから、花火行かせてくれたますたーに感謝しなくちゃいけませんね。
この作品の魅力どころ、まだまだ語り足りないです。もちろん他の太宰作品も。
うちの店もあと二ヶ月で開店して3年経過します。
以後季節に一回づつでも、作品研究の会、なんかをはじめてみようかと思っています。
毎回太宰作品をひとつづつ、ゆっくりと。費用はワンオーダー以上注文いただく、のみで。
第一回はやはり「フォスフォレッセンス」でしょうか。
我こそ発表したい、という方、参加したいという方、こんな事やってみたいです、という方、
気軽に問い合わせてください。こちらでも詳細決まりましたら発表しますね。
「太宰治の事詳しくもないし・・」と躊躇される方、遠慮はいりません。
店主が太宰の顔から入ったファンなのですから(笑)
もう一度まっさらになって太宰治という人を自由に知り、自由に語っていきたいです。この店で。

2004年12月20日 月曜日
なんだか朝から黒木瞳のミニスカ生足議論で盛り上がりました。
ってドラマ「夫婦」が昨日最終回だったのでその話題。
いやー、良かった、泣けた。
黒木瞳といえば最近、「もう夫に恋はできない」という本を出して話題になってますね。
す、すごいタイトル!内容も結構過激のようで。
でも映画「東京タワー」のPRだとわかっていたら納得いく。
このところこの「東京タワー」現象にまつわる話がうちの店でもよく繰り広げられています。
ある40代のお客さんが、21才の彼と友達になったそうで、毎日のように携帯メールで
話したり、おいしいもの食べに連れまわしたりしてたらしいのだけど、
なにかきっかけがあって、メールできなくなったらしく、その後大変寂しい思いをした、
なんて話をされた。それは寂しいだろうな。

前に「おでことおでこが同じ位置にあるのって新鮮、なんて書いておいて
実は長身の人に上から視線を落とされ、自分が上目遣いになるのが好きなんでしょ、
とか言われたり、それ恋するハニカミネタやん、みたいな。
そんなかんじで最近よく恋愛話に花が咲きますね。

「ラストクリスマス」も見ましたよ。「夫婦」同様最初の30分くらいはいつも見れないん
ですけど。スーツ姿の男性が仕事している風景のあるドラマは基本的に好きですからね。
もう玉木宏がしばらく見れないと思うと、正直寂しい。
美しい男が動いてるのは飽きないものです。
年甲斐もなくこんな浮ついたネタばかりですいません、
クリスマス近いんで許してください。
いくら睡眠時間が短くても、疲れてても、寒くても、売り上げも寒くても
クリスマス近いってだけでなんか楽しくなってくるし、頑張れる。
いつくになってもそんな奴のようです。

2004年12月18日 土曜日
太宰の小説にもありますが、
冬の花火、見たことありますか?
私は本日見ることができました。
昨夜、「明日の夜、昭和記念公園で冬の花火あるんだよ、見たいなー、冬の花火」
とますたーに言うと、「交代できるからいっといで」と。
おそらく彼から私への今年のクリスマスプレゼントでしょう。
すごいきれいでした。
まだ来週もあるみたいなので多摩地区の方は是非。
光の祭典みたいなのもやっていて、みどころ多しです。
もうキラキラ度がすごいんです。
クリスマスはやっぱり良い。

2004年12月17日 金曜日
いつも夜空にオリオン座を確認すると、
冬がやってきたのだな、と実感する私。
今年はちょっと遅めだったかな、
昨夜、きれいな三日月とともに初めて確認できました。
やっぱり冬の夜空はいい。冷たい空気も、大好き。

クリスマス使用店内がやっと完成しました。
窓側のコーナーをプレゼントブックを並べ、
「クリスマスプレゼントに本はいかがですか
ラッピングいたします」と貼り付ける。
さっそく小さなお子さんたちが反応してくれていて嬉しい。
そしたら本日今年初のプレゼント依頼があり、ラッピングしました。
とてもじっくりと吟味して本を選ばれていて、その中に
色のきれいな写真集があったので、
「プレゼントですか?」と自分から声かけてみたのです。
包装紙を選んでいただき、久々のラッピング。
ちょっと緊張しましたけど、なかなか気持ちいいものですね。
やはり書店員時代を思い出します。
自分が開いた店の商品を、誰か大切な人への贈り物に選んでくれて、
その本を包装し、お客さんへと手渡す時の喜びはひとしおでした。
透明な袋に入った簡単ラッピングも好評だけど、ビシッと包装もたくさんしたいな。
私が不在でますたーが店番の時のためにただ本を入れるだけのタイプの
クリスマス袋も用意しています。ただ彼は「三角包装ならできる!」と言ってましたが。
クリスマスプレゼントに本を、とお考えの方は包装しますので気軽に声かけてくださいね。

2004年12月16日 木曜日
最近、朝店へ来てみると、よく↓(画像参照)のような事になってるんですけど・・・
なんかうちの店が売出中、ってことになってるんですけど???
開店準備をせっせと終わらせた頃になぜかいつもこの「売出中」の札がなくなっているんですよ。
どういうことなのでしょう?

おそらくこの近くの新しい物件用の札なのでしょうけど
担当者が出勤するまで適当な木にくくりつけておこう、とかいう考え?なのか
実は大家さんのたくらみ?というのは冗談。それはないと思う。
いずれにせよ、この札を見て不安に思ってる人がもしいらっしゃったら
そんな事はありませんので大丈夫です。ご安心ください。

今日の夕方、この木の前に不思議な餃子屋さんが登場しました。
自家用車に派手なポップをたくさんつけた餃子屋さん。
しばらく「さおだけー、さおだけー」のノリで
「ぎょおざ〜 ああ、ぎょおざ〜」とやってました。
「ごぼーぎょーざ、キムチギョーザ、カレイギョーザ、」と続き、
次は何餃子?と思ったらその繰り返しだったような。
店主さんしばらく宣伝頑張ってたけど、あまり人が来なかったようで
あきらめて場所を移動されてました。
がんばれー!とその後姿に声援を送りつつ、買えなくてごめんね、って思いに。
一応接客業なのでその後、餃子の匂い溢れる店内でお客さんにコーヒーを
味わってももらうのは申し訳なさすぎるので。

コーヒーといえば、昨夜最終回だったドラマ「一番大切な人は誰ですか」には泣かされた。
今クール一番好きなドラマでした。
いろんな泣き所があったのだけど、私はなぜかまったく人と違ったツボで泣けて泣けて・・・
宮沢りえ演じる東子が仕事の合間にコーヒーを飲むシーン。
そのカップから湯気が立ってるのがちゃんとうつってたのです。
それがなんともきれいな立ち昇り方で・・・
なぜかその湯気と宮沢りえのそのコーヒーカップを口元に持っていく表情に
やられて号泣しちゃいました。熱いコーヒーってほんとにいいなと思った。
これからもいろんな人のコーヒータイムを見届けていきたいと思った。

そうそう、マツケンサンバも昨夜テレビで初めて見れたのです。すごい!
これぞエンターテイメントですね。
お客さんが言ってたけど、お子さんが夢中なんですって。
パパにもあのキンピカの衣装を着て欲しいとせがむそうですが、サンタさんより難度高そう。
学芸会や掃除の時間のBGMにも使われているらしい。
小さなお子様からおじいちゃんおばあちゃんまで楽しませるなんてすごいわ
いやー、いいもの見させていただきました。


2004年12月14日 火曜日
あるお客さんからあるお客さんへ伝言あり。
本にやたら詳しいおじさまから、東欧文学を研究している女子学生さんへ
前にここのお店でその日会って初めて会話されたのですが、
東欧文学や日本画展の話題などで真ん中の棚越しに
打てば響くような少しマニアックなやり取りされていた事、私もよく覚えてます。

「ゴンブロビッチの「トランス・アトランティック」は面白かったです。
お奨めですよ」

とのことです。彼女がもし来店したらそう伝えてください、と言われてたのですが
きっと彼女は多忙らしくここのところ見えてないので、忘れないようにここに印をつけておきます。

今日は初めて来店された方が多かったような気がする。
「一度来店したいと思ってたんですよ」とのお言葉をよくいただきました。
太宰足跡めぐり?っぽい二人組の女性のお客さんたちとも少し斜陽館へ行った時の
話をしたり。三鷹太宰マップを目にされて、
「え?太宰治って身長176cm以上なんだ、ただでさえかっこいいのに」
みたいな反応をされていたのをすかさず掬いあげ、萌えながら話を膨らませるこの私でありました。

前にお客さんとの会話で、江原啓之さんとかイタコさんとかに太宰治を降霊させて
この店の存在を嬉しく思ってるか、聞いてみられたらどうです?なんて言う方がいらっしゃったけど
それでは意味ないのです。たとえ太宰の魂が降りてこようと、江原さんが語るのでしょう?
そこに太宰の立ち姿がないと意味がないのです!お顔だけでもだめなのです。
となんだかネタにマジレス、みたいな必死で熱く語る私がそこには居ました。
もちろん消える前にひし、と抱きしめるからです。はい。
過去に一度身長180cm以上の方とお付き合いした事がありますが、
「背の高いあなたにすっぽり包まれたちいさなあたし」というaikoの歌詞のような
シュチュエーションはなかなか良いものです。以上152cmの店主の独り言でした。

2004年12月13日 月曜日
日曜日の日記はますたー多忙のためしばらくお休みします。
来年には再開できるといいのですが・・・
店は通常通り開店してますので是非ご来店ください。

例のこの店を舞台に私とますたーの同人誌を書いていただけるという
方からアンケートが届きました。
項目がいつくかあって、どう呼び合うか、一人称三人称など希望はあるか、
など。このあたりはますたーと相談しながらさくさく書けたのですが、
ストーリーは
1砂吐き甘々 2甘々 3少し切ない 4シリアス 5ほのぼの のどれを希望しますか?とある。
砂吐き甘々って(笑) 砂を吐くほど甘い、ってことなのでしょうね。
私はどうせならこの砂吐き希望だったのですが、ますたーがほのぼのが良い、
とのことなので従いました。どんなストーリーが完成するのか楽しみですね♪

時折、売れて少し名残惜しい本というのが存在する。
元々自分の蔵書が多く残っているので、まだ未読だけど、いつか店がヒマな時に
読めるだろう、一応売り物として棚に出しておこう、という本がいまだに
何冊か残っています。
藤田 宜永の「樹下の想い」もその1冊でした。これは単行本の手触りとか
表紙イラストが好きなので、文庫じゃ別物のような気がするのです。
ずっと在庫として棚に置きながらも、いつか読もう、でも売れるかもな、早く読まなきゃな、と
思っていた本です。過去に1回転してるのですが、また単行本で「今度こそ読もう」と
在庫してました。その「樹下の想い」を先日ここで購入されたお客さんが来店され、
「良かったよ」とこの本の話をしてくれました。
ますます読みたくなってしまった。
家元令嬢と職人の恋の物語で、26年間、ずっと心の奥底でひとりの女性を愛し、
その後彼女の離婚により、一晩だけ思いを遂げることができる、という話。
お客さん曰く、最後の方になってくると、26年前と現在の心象風景が重なってくる
その手法がすごくうまい、とのこと。
個人的には、想いを遂げられた時より、その一人の女性を想い続けた26年間の、会えない時間
をその男性をどう過ごしていたのかが気になる。
人生の秋、人生の黄昏の季節をどう過ごすか、なんて事最近よく考える私なのです。

2004年12月11日 土曜日
3歳の女の子とお母さんが来店。
女の子はアールグレーがお好き、というおしゃまさん。
彼女とお母さんの会話がもう、なんともいえずいいんです。
和まさせていただきました。

「パパも連れてきてあげれば良かったね」
「うん。でもパパ昨日飲みすぎて気分悪いって言ってたからね」
「パパお酒好きなの?」
「大人はね、いやでも飲まなくちゃいけない時があるんだよ」
「パパ大変だね。明日ここに連れてきてあげよう。きっと直るよ」

もう涙が出そうな会話です。
子どもといっても3年たつとこんな会話をするのですね。
この店ももうすぐ3年。でも大事なのは3年経過した、ということだけでなく
その中身の充実度が大事だよな、となんとなくこの親子の会話から
学べたような気がします。
親子で遊べる都内の動物園案内の本、100円、をお買い上げになられた
のですが、この本をネタに30分以上想像をふくらませながら二人で会話されてた。
「おさるさん」や「へびさん」いろんな動物の名が出てきては、彼女は自分の
イメージをどんどん羽ばたかせ、またお母さんもそれに答えていく。
いい場面を見させてもらいました。

この本の値を付ける時、あまり深く考えず、うちは文学メインだからそれ以外は
安くなっちゃうなー、なんてかんじで100円、とほんの10秒くらいで決めたけど
こんな大きな可能性を秘めていたなんて・・・なんだか考えさせられたな。
私も動物園行って、ぼーっとカバのあくびでも見てようかな
なんか答えが見つかりそうです。

2004年12月10日 金曜日
クリスマスプレゼント、とお客さんからスイスのチョコレートをいただいたり、
南イタリアの伝統的なお菓子、など送ってくださったり、
とても嬉しいです。ありがとうございます。
なんだか今年はまだ結構あったかいし、今月末はもう暮れ
ってかんじがまったくしないのですが、そろそろクリスマス近いんだ
と実感が沸いてきました。

そうそう、飾りつけをまだしてなかった、と本日の閉店後にミニツリーを点灯。
今年は店のまん前のお家が電飾してくださってるから
うちも派手にやったらちょっとしたストリートも夢じゃないんですけどね、
まあ今のところは昨年同様ミニツリーを使いまわしさせていただきます。
ちっちゃなうちの店には似合ってると思いますし。
でもライトがちかちかしているだけでこんなに気持ちが盛り上がれる、
ってことをお向かいさんの電飾で気づいたので、
将来的にはクリスマス派手派手電飾というのもやってみたいです。
夜このあたり暗いから、ご近所さんにもちょっと喜ばれるかもしれないし。

今年はブルーとホワイトのツリーが流行りみたいですね。
個人的には立川サンサンロードのもみの木のブルーツリーがお気に入りです。
っていうかここ最近あまり多摩地区以外お出かけしなくなったので、
それしかツリーを見てないという・・・
三鷹駅南口の毎年現れるパチンコ屋の屋根のサンタネコを見ると
ホッとしますし。良いクリスマスになるといいですね。

2004年12月9日 木曜日
図書館で予約していた本をとりにきて、
ここでお茶でも飲みながらゆっくり読もうと思ってやってきました、
とお客さんが来店。
その気持ちすごくよくわかる。待ちに待った本がやっと読める時って
読む場所を選びたくなるもの。
この本なんです、と見せてくださった本は
「生き方は星空が教えてくれる」という、きれいな表紙写真が印象に
残るものでした。一度死んで生き返る、という体験をした方が書いた本らしい。
少し興味が沸く。

つい先日、お客さんが「これ、実家から送ってきたんですけど良かったら」
と林檎と蜜柑をおすそ分けしてくださった。
その林檎の匂いが、なんともいえなくて、食べるのがもったいなくて、
ふと息詰まった時に、そっと匂いを嗅いでます。
匂いを吸い込むと、身体中の細胞まで染み渡るような、
それくらいの作用がある林檎の匂い。
年末は八百屋さんへでかけてみよう。

2004年12月7日 火曜日
ものすごくセンスのいい上品なおばあちゃんが
表の2冊で100円の文庫を手に来店された。
淡いグリーンのマフラーをされていて、全体にそのトーンで
コーデイネートされている。すごくおしゃれ。
「今万葉のこと調べているんで、この万葉の歌、という本が欲しいと思いましてね」
なんてことをおっしゃるその声がなんかころころころがるようなかんじですごく可愛い。
まあ懐かしい本がここにはいっぱいあるのねー、と少しぐるっとされてから、
私ね、86歳なんだけど、昔は池袋に住んでたの
そう言って少し昔話してくださった。
江戸川乱歩さんの家の前と当時の警視総監の家の前を通って小学校へ通ってたのよ
と、江戸川乱歩の家の様子を手招きしながら、
こんなふうに蔵があってね、表札にはたしか「ひらい」って書いてあったわよ
とそのしぐさがいちいち可愛らしいんです。
ああ、私もこんなおしゃまなおばあちゃんになりたい、って思いましたね。
ひとときの風を運んでくれたおばあちゃん。
また元気な姿を見せてくださいね。

2004年12月6日 月曜日
あるお客さん夫婦の家へ時々猫が遊びに来るそうなのですが、
おそらくその猫は飼い猫だったようなのです。
話を伺うと、とても賢い猫のよう。
でもお客さんのお住まいはペットを飼うことができないらしく、
もし猫を飼いたいという方をご存知だったら教えていただけますか?
とのことなので、ここに猫ちゃんの写真を貼っておきます。
ちょうど猫を飼いたいと思ってます、という方がいたらご連絡ください。
といっても時々姿を現す猫なので、すぐ引き渡せるかタイミングが合わない
かもしれない、ということですけどどうしても今すぐ、というわけではないけれど
という方、なんとなくこの猫ちゃんが気になった方、気軽に問い合わせてください。



2004年12月5日 日曜日
ますたーがなんだか多忙なようですので
私店主が今日このごろのますたーを代わって報告します。

ゴジラファイナルを初日に見に行きました。
なかなかおもしろかったです。

とのことです。
ゴジラ映画をスクリーンで見たことは一度もないのですが
今回は北村一輝様のきれっぷりが見たかったので
ちょっと待って、私も一緒に行くから、とお願いしていたのにも
かかわらず、彼は我慢できず初日に見に行ったようです。
ひとりで初ゴジラはちょっとなー、勇気がないよ。
2004年12月4日 土曜日
帰り際に、「貴重なお店ですね」
と言ってくださったお客さんがいて、とても嬉しかったのですが、
「文京区とかにあったらきっともっと繁盛したかもしれないですけど
三鷹では難しいことはないですか?」と言われ、
「いえ、三鷹が好きなので、ここでやっていきたいのです」
と自然に答える自分が居ました。
なるほど、文京区っぽいかんじなんだ、とあらたな発見もあったけど
うちもまだまだだな、と実感しました。
最近、東京に来て、多摩地区に住んでいて本当に良かったな、と思うことが
多いので、もっともっと浸透していきたいですね。
最近あまり足を伸ばしていないけど、文京区にも行ってみたいな
谷中、根津、千駄木、一日かけてゆっくりと歩いてみたいです。

2004年12月3日 金曜日
本の後書きで、著者がお世話になった人の名前を連ねるところありますよね。
あそこに「フォスフォレッセンス」の名がある本が初めて生み出されました。嬉しいです!

以前日記にも書いたと思うのですが、お客さんが書いた本が完成したのです。
本日来店いただき、献本します、とプレゼントしてくださいました。
こちらで何度かゲラを見せていただいたり、僅かながらアドバイスもさせていただいたり
していたものが完成したという、12月早々嬉しいニュース到来です。
雑誌「Web Designing」に連載されていたコラム「凛子先生のよもやま通信」が元になった
本で「ウェブクリエイターのハローワーク」という本です。
詳しくはこちらのリンク先をどうぞ。
私のような素人でも楽しく読める本になってます。
イラストがとても合ってるし。
HAPPY格言というコーナーがあって「完成度は朝はかる」とか「ネタ帳を持ち、
思案は捨てる」とか、どんな仕事でも共通するな、とうなづいてみたり。
私の場合特に夜は別人格が姿を現すというか、真夜中に打ったメールを翌朝
見返すと、どこの三流詩人ですか?ってほど痛い。送信済になってるからもう引き返せないし、
後悔した朝の多いこと多いこと。
ネタ帳のようなノートはお店にもあるのですが、字が汚いのであとで見返して
読めない、というパターンのこれ多いこと。
あと「知り合い系・出会い系繁盛の謎」というコーナーもおもしろかったです。
自称男前男子について著者さんが来店されたら詳しく聞いてみたいと思います、はい。
書店に行っても自分の興味ある分野のコーナーしか行かないことが多くなった
今日このごろですが、たまにはまったく未知の分野の本を手にとることも
収穫がある、と感じました。近々書店へでかけてみよう。

2004年12月2日 木曜日
「珈琲時光」で泣いたんですか?
「下弦の月」で泣いたんですか?
ここのところ、よく受けた質問です。
先日の営業日記で、「今日は映画で泣けたし」
みたいな事をちらっと書いていたと思うのですが、
前後の流れからして「珈琲時光」で泣けたように思われてる
方が多いようで。いくら私の感受性が少し普通の人のベクトルとずれてる
からといって、あれは泣く映画ではないですね。
下弦の月、これは白状すると不覚にも泣いてしまいましたが・・・

日記に書いた泣けた映画というのは、「いま、会いにゆきます」です。
これは多分見る人の実体験とリンクするかどうかによって、ツボにどっぷり
入る人と入らない人に分かれる映画だと思うのですが、私は見事にどっぷりでした。
泣きましたねー。 これはスクリーンで見れて良かったです。
雨の映像がすごくきれいなんです。あと物語が進行している間にもひそかにバックに
流れている雨の音、これが私的にはかなりツボでした。
2回目見た時は、もう最初のタイトルが出るシーンで既にひと泣ききましたからね。
できればあともう一回くらい見たいと思うくらいです。

昨日は「笑の大学」を見に行きました。すごくおもしろかった!
本当は喜劇特急と2本見る予定してたんだけど、やはり時間がなくて
近い方とってしまった。一日に2本はコンスタントには無理な三十路後半体力なし、です
役所広司はさすが、といったかんじ。吾郎ちゃんも良かったですよ。
前にどなたか監督さんの言葉で「役所さんは、向き合って相手がセリフを言ってる時の、
カメラに映ってない時の表情がすごくいい」って聞いたことがあるのですが、
きっと吾郎ちゃんもかけあいしていくにつれて、その包まれてるような魔物のようなまなざしの前で
なにかが上昇していっていい演技ができたのではないかというのが私の感想です。
常に瞳が潤んでいて、それはいい表情してたんですよ、彼。
私もこのゆったりと流れるような空気を突き破るような、集中力を高める場面
にぽんと身を置いてみたい、なんて思いました。胃が痛くなるんだろうけど、
たまにはそんな瞬間も欲しい。欲張りですね。

2004年11月30日 火曜日
お店には一度も来たことがない友人が、
昨日お店の前を車で通り過ぎたそうです。
通りのイチョウ並木と店の中のたくさんの本、本を読んでいるお客さん、
その風景がものすごく絵になってたよ、と言ってくれてすごく嬉しかったです。
うちの店、今の季節が一番合うのかもしれませんね。

今日で11月が終わり、明日から12月なんて信じられないほど早い。
一月後はもう大晦日前夜だなんて、なんて早いんだろう。

11月、実はポニーテール皆勤です。
女の人って、大人になるとあまりポニーテールしないですよね。
なんとなく、いろんなきっかけが重なって、しばらくポニーテールでいよう、と
11月の頭に決心し、それは願掛けでもあったのです。
でもその願いは叶わなかったので、もうしばらく
大人のポニーテール、続けます。
襟足の素肌にマフラーが当たる感触、まだ気持ち良くて新鮮なのですが
寒くなってきたら毛糸の帽子もかぶりたいし、首や耳も冷たいだろうから
きっと「もう降参」って髪を下ろすのでしょうが、
できれば願いが叶ったから、って理由で下ろしたいですね。

店のまん前のお家、電飾してるんですよ。
自分の定位置からは常にそのピカピカが見えるので、ちょっとお得感があります。
お父さんが頑張って電飾壁にくくりつけてるところから見たから余計に。
12月、私個人的には一番好きな季節がはじまります。

2004年11月29日 月曜日
「日記に同人誌の話題が出てましたね、実は私もやってました」
とお客さん。またまたカミングアウト来ました!
結構うちの店を気に入ってくださる方は、何か書いてらっしゃった方多いですね。
「でもダンナには絶対内緒なんです」って。
「じゃあ過去の作品は押入れとかに隠してあるんですか?」
「そうです」
どのような類のものをやってたんですか?」
「キャプツバとか・・・」
「キャプ・・つば?」
「あ、キャプテン翼です」なるほど、なんか時代を感じていいですよねー
そのあとアルスラーン戦記とかに流れていかれたそうな。
漫研の部長もやってらしたようで、色々なお話を楽しく伺いました。
そのお客さんはハイドもお好きなので、
「そっち系の同人誌はおつくりにならなかったのですか?」
と思わず質問してしまった私。それはなかったそうです。
でもハイドっていじりがいありますよね、なんて話も少し盛り上がったりなんかして・・・

そんな時に、ますたーが用事で店に乱入してまいりました。
なんだかタイミング良かったので、お客さんのリクエストにお答えして眼鏡をとるますたー、
「あー、目がハイドかも。似てますね」とお客さん、
なんだか盛り上がってきて、
「あのー、ケータイで写真撮らせていただいてもよろしいですか?」とお客さん。
ますたー、結構嬉しそうに照れている。
その様子を微笑ましく見つめる私。
いやー、今日は収穫がありましたよ。やっぱり人間そう簡単に変わらんわ。
さっきまで照れていたのに、ケータイを向けられた瞬間、彼の表情が瞬時に変化。
ナルモード突入! ここのところずっと見ていなかった夫のキメ顔、
「あ、かっこよく写ってますよ、ほら」とお客さん、画面をこちらへ見せてくれる。
か、かっこいい(ウットリ)久々の夫萌えでした。
この写メ送って、眼鏡着用で面接したら絶対「写メマジック」言われるわ、とも思いましたけど。
と同時に、あなたっていつでも瞬時にこんな顔できるのね、現役じゃん、と思いました(笑)
いかん、負けてる。私も頑張らなあかん。艶熟女(名づけてアデウジョ?)目指して精進しますわ。

2004年11月27日 土曜日
「太宰が好きなら「笑の大学」お奨めですよ」と言われるお客さんが続く。
つい先日も違うお客さんにこの映画の主人公のモデル「菊谷栄」について
いろいろと教えてもらったところなのです。
太宰と菊谷栄との接点は意外と触れられてない、
当時浅草にエノケン喜劇ものなんかを太宰はよく観にいっていた、とか。
菊谷栄という青森市出身の劇作家は、「君の名は」の菊田一夫と「両菊」と言われたくらいの
人気だったようですが、三谷幸喜が敬愛していて、今回映画化されたらしいです。
元々三谷幸喜は太宰も敬愛していて、唐沢寿明が太宰役の「温水夫婦」などの舞台も
公演したことがある、といろいろ教えてくださった。ビデオとかDVDとかあったら見てみたいですね。
時間があったら見に行きたいけど、もうすぐ終了かな?少し微妙かも。
ふと思い出しました。
名バイプレーヤーたちの競演「喜劇特急」というシネマアートンの企画で
三木のり平、エノケン、ロッパなど当時の喜劇人が勢ぞろいする映画が今見れるのでした。
詳しくは店に置いてあるチラシをご覧くださいね。
そういえば今朝、このチラシを手にとり、「沢島忠全仕事」をサラッと購入された作業着姿の
おじさま、とっても印象に残りました。古い映画がお好きなのかな
話が少しそれましたが、当時の空気を思い切り感じてから、「笑の大学」に挑む、
というのもなかなかいいんじゃないでしょうか、ただもうすぐどちらも終わってしまう
間に合うかな

2004年11月26日 金曜日
黄金色の紅葉と黄金の月、吹きすさぶ風、
枯葉がはらはらと舞い、実にいい夜でした。
今夜逢引できる恋人たちが羨ましい。

満月がきれいですね、なんて話をしていると、
「いや、この満月にこの生ぬるい風、これは事件が起こりそうな夜ですよ」
なんていじわるな事を言うお客さんがおられる。
思わず隣に座っていたお客さんが、ぷっと吹きだしてしまわれたりして。
「そんな縁起の悪い事言わないでくださいよ、もっとロマンチックに考えましょう」
など言いつつ、そういえばさきほどまで最近起こる世の中のいやな事件について
話題にしていたすぐ後なので仕方ないかも、なんて思ってると目の前をパトカーが通るし。
またまたこんな時にナイスタイミングな事が続きました。
そのお隣の方が、「この本、今の気分の私にはちょっと笑えません」みたいな事を言われて
棚に直された本が南伸坊の「笑う写真」ちくま文庫。(私はこの本かなり笑えた)
すると「あ、それ僕がここへ持ってきた本じゃないですか」っていう素敵な偶然あり。
お隣同士の席で同じ本に関わった、というのもほんの一瞬のすれ違い、ですね。
そんなかんじで生ぬるく居心地の良い時間が過ぎていきました。

その男性のお客さんの帰り際が、ひとつの風を残してっさっと去り行く、
ってかんじだったのでちょっとご紹介。
今夜はいやな事件が起こりそう、などの話題で、私が店にひとり残されると後味悪いと
思われたその方の思いやりかもしれませんが、
さきほど事件の話題などしてた時の流れから、痴情がらみの女が惚れた男を殺しちゃう、
という事件に纏わる大岡越前のあるエピソードを教えてくださいました。
裁判のあと、家へ帰った大岡越前が「なんでこんな事件が起こるのかね、
女はいつまで女なのかね」と母に漏らすと
母は火鉢をつっつきながら答えた。「女は灰になるまで」
なんとなく聞いた事はある話だし細かくはいろんな節があるみたいだけど、
そのお客さんの去り際に語る姿がとても印象に残ったので、私は今日聞いたので覚えておこう。

2004年11月25日 木曜日
23日の閉店前、強烈な出来事があったので、今日はそのエピソードをご紹介。
時々仕事の帰りに寄ってくださるお客さんが、
「先日、日記に書いていた同人誌というのは、今あるのですか?」と。
「すいません、今家にあるんです。もしここにあってもちょっとお見せできないと思います」
と答え、その理由などお話していると、どうやらそのお客さんもそっちの世界で羽を伸ばされている
ご様子。同人誌はもちろん、コスプレにもはまりまくりで、サイトも持っているらしい。
そのサイトを教えてもらい、のぞいてみると、すごい世界が繰り広げられていた。
みんなコスプレしてる。マンガのキャラ、新撰組、などなど。すごい楽しそう〜
私も実は映画「恋の門」見て以来、エスメラルダのコスプレがしたくてたまらないのですよ。
なんて告白すると、コスプレパーティに来ません?と言われてしまった。それはちょっと・・・
そうこう話しているうちに、そのお客さんに異変が・・・
こ、声がさっきと違うー! ちょっとアニメの女の子のような少し甘えた声になってる。
でもそれがすごく可愛い。そこで出た、決めセリフ、「萌え、萌えーーー!」まさに萌え声。
これが、そんじょそこらの「もえ、もえー」じゃないんです。すごい年季入った「もえもえ」なのです。
うまく伝わるかしら? ちょっと上体をかかみこんで、両腕を動かし、まさにマンガ的。
いやー、こっちまですごい楽しくなる。そこからはお互い壊れながら話してました。

彼女は、同人誌といっても「ドリーム」といわれる類のものを書いてるそうで、
たとえば「私とタッキーの物語を書いて」とか、芸能人と自分の恋の物語、を受注し、
その女の子のデータをいろいろ書いてもらって、そこからイメージを膨らませてひとつの物語を
書き上げるのだそうです。すばらしいですよね、妄想とはいえほんと「ドリーム」ですよね。
特に名前を呼ぶ描写が大好評なのだそうで、
例えば
タッキー「みゆき、歳の割りに言う事子供っぽいけど、このお腹の贅肉はしっかりおばさんだね」
みゆき「いやーん、タッキーったら。そりゃあなたの腹筋の8つの割れだって半分になっちゃった
じゃないの」
みたいなかんじでしょうか?いや、もっと色っぽいだろうな・・・
で、私のドリームも書いていただけるっていうじゃありませんか
最初は「ハイドか直次郎、書きやすい方でお願いします」って発注したんですけど、
彼女が、「私、和服とメガネ萌えなんです。ダンナさん、メガネしてますよね、かっこいいですよね」
という話の流れから、なんとうちのお店を舞台に、私とますたーのドリームを書いていただける、
ということになりました。完成したら送ってくださるそうです。
楽しみだな〜。どうぞご自由に、ってお願いしたのですが、彼女すごい嬉しそうに
「書きます、描きます、かかせて頂きます」とすごく張り切って帰っていった。
いやー、しかし楽しい時間だった。同人誌の話になってからのあの二人の異常な盛り上がりは
なんだったかのか、と。でもやっぱり楽しまなきゃそんですよね、人生。
ドリームに生きようではないか!しかしフォスフォレッセンスのドリーム、気になるますなあ

2004年11月23日 火曜日
本日おひとりめのお客さんは、さわやかイケメン君。
私の機嫌が良くなるのは言うまでもないのですが・・・
いつも可愛らしい女の子を連れてきてくれるのですが、今日は一人。
コーヒーを飲みながら文庫本を読まれてるその姿がもう、良いわ良いわ〜
朝からこんな美しい光景を見れるなんて今日はなんかついてるわね、とその時
「あの、今かかってるCDを知りたいんですけど」
「あ、はい、これです」と押尾コータローのギターのCDのケースを渡す。
帰り際に、「今日は珍しくお一人なんですね、いつもデートに使ってくれてありがとう」
みたいな事を言うと、「いや、基本はひとりですよ」とはみかみ笑うその笑顔がまたいいー!
すると、「いや、この店をもっと教えてあげたくて」
もうその一言がハートにすきゅーんどきゅーん!です。(いい歳してすごい頭悪い文章ですね)
こういう瞬間があるから、お店頑張るぞーって思える。
どうやら私のこの面食いなところは死んでもなおらんようです。

2004年11月22日 月曜日
日めくりカレンダーって、日々を大切に、
また毎朝新しい気持ちを更新していくにはいいかもしれない。
今日の昼頃になって、「太宰治日めくりカレンダー」が
まだ19日のままになってた事をみつけ、慌ててめくりました。
毎日をなんとなく流れるように生きてると、気が付いたらカレンダーの日付は一週間前だった、
なんてこともあるかもしれない。
このカレンダーをいただいたことは、ちょっとした啓示かもしれない。
「日々をていねいに生きよ」という。
ちなみに19日のカレンダーには「東京 三鷹 禅林寺 桜桃忌」と記されている。

最近読んだ江國香織の小説で、家族で月誕生日を祝う、みたいなのがあって
そのことを思い出しました。たとえば11日生まれだったら毎月11日に、
「38歳と3ヶ月おめでとう」と花を贈る、みたいな。毎月なにかを祝うなんて素敵ですね。
そう思えば、毎月13日は太宰治の墓前朗読を必ず行っている、という長田さんは
すごいな、と思う。何事も継続することが一番難しいですからね。

今、冷凍庫の中はチョコレートだらけ。
ひとつチョコが入ってる時は、それがあと1つになるまでは絶対次のチョコを買わない、
と決めているのですが、くちどけ「雪アポロ」のパッケージの可愛さに惚れて衝動買い
してしまいました。ピンク色って心休まる。中の袋までいちご模様なんですよ。
そしたら今日、お近くに新しく喫茶店をオープンされる、という女性の方が
挨拶を兼ねて「こちら、良かったら」とゴディバのチョコを持ってきてくださいました。
おおーゴディバーー OHマイ女神ー(わけわからん)
「チョコ大好きなんです。ありがとうございます。で、いつオープンですか?」
「今からです」す、すごい余裕。
三鷹市役所の向かいにある小さな可愛らしいお店のようです。
オープンしてる時に行ったことがないのでまだ詳しくはわかりませんが、
おひとりで主に飲み物だけで営業されるとか、お店の名前は「山茶花」らしいです。
あ、花の名前。ちなみにフォスフォレッセンスも幻の花、のようなもの、
そのフォスフォレッセンスのお隣の喫茶店の名前は「あじさい」といいます。
このあたりは花の名前のお店で埋め尽くされていったりして。
なんかいいですね。

2004年11月21日 日曜日
なし。
2004年11月20日 土曜日
今日はすごく気持ちよく晴れた。また店の方も久々に活気が良くいい一日だった。
昔の「少年クラブ」「商業界」など貴重な雑誌が入荷したので、表のガラス窓に並べていると
「なつかしいー」と反応が良く、中にはそれ目当てで入ってきてくれるお客さんもいらっしゃる。

昭和11年からずっと写真館を開いていた、というお客さんが興味を示され、
なつかしそうにページをめくられながら、静かに話される。
「この時代は、紙の上にインクが乗っていればいい、という時代だったんだよ」と。
それほど活字に飢えていた、という事でしょうね。
トンボ鉛筆と三菱鉛筆の広告が仲良く隣同士で掲載されているのをみつけられ、
昔はライバル会社でもこうして隣に広告載せてたんだよなー、ってしみじみ言われてました。
その横顔を見ていると、貴重な雑誌をいただいたんだな、と実感しました。

明治維新について調べている、というお客さんが、関連の本をみつけられた時、
ものすごく喜ばれ、他にも開国なんたら、とか私の苦手なよくわからない
ジャンルの本をたくさん買ってくださった。
わからないジャンルだからって、相場よりかなり下の200円という値付け、というのも
すごいけど。その逆でバカ高い本もあるわけで、ほんとわがままで変わった古本屋ですから。
船戸与一の本をめくりながら、「最近、多賀城へ行ってきてね、知ってる?」
と、その多賀城の城壁の情景なんかを教えてくださったり、
「気仙沼の出身なんだよ、僕は。気仙沼知ってる?」
「気仙沼ちゃんなら知ってます」とか、そんなやりとりをしたり。
本当にお客さんに教えられることが多い。

やっぱりお客さんが本に触れられ、何か言葉を発すのは嬉しい。
基本に戻って、私が古本屋兼喫茶店を開いたのは、こういう瞬間が好きだったからな
わけで、これでいいんだ、と思う。
だから常に混んでる、お客さんでいっぱいな店でなくても良い。
もちろん数字は大事。実際すごく厳しいし。
でも常に席がいっぱいだとお茶飲みにきたのでなく本を見にきた人が充分見れないし。
これはある程度運というか仕方ない部分があると思うけど、
偏った趣味の店であることを受けとめ、それでもこの店が好き、必要、と言ってくださる
人が居るのなら、少々わがままでも私自身が楽しめる店でキープしていきたい、と
あらためて思ったのでした。
昨日にひき続き、「本に囲まれて、羨ましいです」と何人ものお客さんに言われました。
ならば、「現実は厳しいですが」というよりも、そんなことはわかってるんだから
とことん羨ましく思ってもらえるようでいたらいいと思う。たとえ錯覚だとしても。

2004年11月19日 金曜日
雨で昨日、今日も店は暇々だけど、
お客さんとの会話で考えさせられる事が多々あった濃い日でした。

昨日は、このところ時折寄ってくださる赤ちゃん連れのきれいな女性
とお話できた時、「ある資格をとりたいからまた勉強を始めようと思ってる、
このお店のこともきっかけのひとつになったんですよ。
35歳で新しい事に挑戦してみた、っていうのが励みになってるんです」と。
嬉しいですね。その挑戦は正しかった、ともっと励みになれるよう、頑張らなくっちゃ。

「自分がやりたかった事がもうやられてるよ、くやしいなー」と満面の笑みで入店された
年配の男性のお客さん、ものすごい笑顔で「くやしいな、くやしいよ」を連発。
「僕はこのあたりか玉川上水のあたりか深大寺あたりでこういう店をしたかったんだ、
ここと少し違うのは、もう少しテーブルをたくさんおいて、この本を読みなさい、っていうか読め
ってくらいのマスター(自分)がいるちょっと変わった店」ですって。
「是非、つくってください、遊びにいきます」と答えると
「うん、つくりたいけど嫁に話すと、そんな回転率の悪い店、つぶれるに決まってる、
と理解してくれないんだ、結婚相手を間違えたようだよ、がははは」とあくまで明るいかんじ。
でもたしかに奥様のご意見ごもっともなんですよね。
回転率を重視するような人がこういう趣味の店をつくるとつぶれると考えるのは当然のこと。
うちのように生活の贅沢は削ってもいいから、趣味の店をやっていきたい、って思うのは
覚悟がやはりいる。家族の理解も当然いる。
一番欲しいひとつを覚悟を持って保っていくには、それに見合ったもうひとつの欲しいもの
があっても諦めなくてはならない、という、その腹のくくり具合が中途半端だと葛藤に悩みもする。

電話がなり、「残念、呼び出されちゃったから今日はコーヒーだけね。
好きな本に囲まれているあなたが本当に羨ましいです。」と帰っていかれました。
でも、想像するに奥様とお子さんが待っている場所へと帰っていくそのお客さんは
幸せそうで、決して結婚相手を間違ってなどいないと思う。
となんとなくマジに語ってしまいましたね、でも趣味の店なら
「これ読め」って本を強制するますたーがいる古本カフェ、というのもアリな気がしますよ。
この店は、日常を少し離れておおいに夢を語っていけるような空間にしておきたいですね。

2004年11月18日 木曜日
昨日は、夫婦でデートを兼ねて念願の武蔵野文学散歩展へ行ってきました。
朝起きたらすごい秋晴れだったので、また二人そろってオフなので
今日を逃したらもう11月28日までのこの散歩展には行けないだろうと意を決して
でかけました。気持ち良かったー、小金井公園。めちゃくちゃ広いです。
武蔵野の大地、深まる紅葉、だだっぴろい青空、満点な一日でした。
散歩ってタダだけどこの武蔵野ではすごい贅沢、みたいな当たり前の事を思った。

江戸たてもの園の中に展示会場があるので、たてもの園の方もまわったのですが
当然、一戸建てに住みたくなるわけです。「やっぱり家っていいねー」とか言いながらも
心のどこかで、いや、小さな今のアパートでいい。ハイソな暮らしなんか経験したら、
貧乏でもただ公園を手をつないで歩いているだけで幸せ、なんて絶対思えなくなるから。
ってなんとなくわかってるちっちゃい奴なのです。
ひとつの家に入った時、夫が
「これは谷崎の痴人の愛に出てくる家に似てる」とつぶやいたのが新鮮でした。
そういえばこの人、元は文学青年だったっけ、みたいな。
でも昔のちんちん電車みたいなのを見てはしゃぎテンションが上がるのを見て
元も今もやはり基本は鉄ちゃんだな、とも再確認しましたけどね(笑)

散歩展では、武蔵野文学ゆかりの何人かの展示物がガラスケースの中にあり、
見れるのですが、太宰治コーナーは奥の方に設置されてたのです。
段々近づいてくると緊張してきて、視線に、久留米絣のようなものが入った瞬間、
そこへ突進すればいいのに、中央のソファーのある休憩コーナーにひきこもってしまいました。
まさに「好き避け」って奴ですね。私、何してるんだ?と思い直しゆっくり、太宰治のコーナー
へ進みました。周囲の人がお連れの方と会話していて「太宰治」と口にする度ドキッ!と
したりして。死んだ人に恋すると、何度でも勝手に再燃できるからやっかいですね。
この久留米絣、触ってみたいなー ガラスさえなけりゃな、とか思いつつガラスがあることに安心する私。

散歩展も良かったけど、樋口一葉が営んでいた荒物屋や、神田淡路町の花屋さん、
文房具店の建物がすごく良かった。看板建築に興味ある方は必見だと思います。
趣のある店舗的住宅ってやっぱりいいですね。

2004年11月16日 火曜日
今日は女性のお客さんがこのお店で深まる秋を感じてくださってた場面が
何度かあった。絵になってました。

太宰治の「雪の夜の話」を探していた、というお客さんがいらっしゃって、
ちくま文庫の太宰治全集に入っていたものがうちにあったのがわかると
大変喜ばれてお買い上げになられた。
「この話は太宰治が能にかかわっていたことがわかる話で、
探していたのよ、みつかってとっても嬉しいわ」と言われてました。
こちらこそ勉強になります。

「この席で本を読みながらお茶を飲んでいると、本のページを追っていても
時折上から枯葉がひらひら舞い降りてくるのが目の端に入って、
その度にふと小休憩してもの思いするのがいいんです。
やっぱりこのお店のベストシーズンは秋、それも深まった今ごろ、
冬の一歩前の時期ですね」と話されたお客さん、
その瞬間すごくきれいでした。窓の外より詩的な風景だった。
ドキッとしてしまいました。

「ずっと苦手だった中上健次が最近好きになってきて」というショートカットのよく似合うお客さんは
今日は文鳥舎さんと上々堂さんとこちらのお店と三鷹の行ってみたかったお店3件
はしごしてしまいました、とも言われてました。
そういう方、ちょくちょくいらっしゃいます。とても嬉しい事だと思います。
駅前の昭和っぽい風景が変わってしまって、少し寂しいという声もよく耳にしますが
こうやって新しいお店に足を伸ばしてくださる方がいる、と思うと
励みになりますね。特にうちの店は遠いから、前の2件までは計画どおり行けたけど、
どの店も心地いいからお腹いっぱいになってしまって、あるいは時間切れや体力切れで
フォスフォレッセンスはまた今度にしよう、ってなってしまって、という声も実際よく耳にする(笑)
また今度、でもいいですのでいつか足を運んでくださいね〜 
そして来てくださった皆様、ありがとうございます。またお待ちしてますー。

2004年11月15日 月曜日
今日おもしろい電話がありました。
「銭形金太郎という番組ですがご存知ですか?」と。
「はい、見た事ありますけど」と答えると
「自分の将来の夢や目的のために生活を切りつめて頑張っている方、
いらっしゃいませんか?」と。しかもアコム風律儀な女性の声。
「今のところすぐには浮かばないですが・・・」と答えながら
内心「はい、私がズバリビンゴです」みたいな(笑)
あとで詳細FAX送ってくださったんですけど、
なぜうちに?この店の人がビンボーでも夢に向かって頑張ってるよ、とか
誰かに聞いたのかしら?
まさか電話帳で「ふぉ」から当たってるわけじゃないでしょうし・・・
出演したいと思ってる方はアピールしてみたらただ今募集中なんじゃ
ないかと思いますよ。

貧乏生活をたった一度も経験していないより、経験ある人の方が
私は個人的に親しみを感じますね。
それに料理術が結構ためになるんですよね、これ。
たまーにかっこいい文学青年風ビンボー色男さんが出演してくることもあって、
そういう時に見逃すとすごく悔しいから、最近見てないけど久々に見てみようか
3高男よりも破局したばかりのヨン様よりも艶男(と書いてアデオスと読む)よりも、
太宰好きのビンボー色男に
「3年以上開けていない炊飯器ジャーが部屋にあるから一緒に開けてみない?」
なんて口説かれたら、独身時代だったらついていってしまったかも。
ある意味新しい世界が開けたでしょうね。一生忘れられない匂いつきの世界が。

2004年11月14日 日曜日
なし。
2004年11月13日 土曜日
秋まで生き 残されている蚊を
哀蚊といふのじゃ  by太宰治

まさにその哀蚊に悩まされた一日。
バシッとやってもなかなかつかまってくれないかしこい蚊、
店がお客さんと私のみで、お客さんが読書タイムに入ってる時なんかは
ほんとにシーンとしてるのですが、そんな時に
「バシーッ」と私がこちら側で蚊を叩くとお客さんが一瞬ビクッとしたりする。
申し訳なさで一杯のひとときです、はい。
でもおまえも哀しいんだね、なんて同情がふと湧いてしまい
手元が狂う瞬間もあったり・・・いや、いかん。何事も、
仕事も生活も恋愛も、生殺しが一番いかん。
ひとおもいが一番よろし、とばかりこうして日記を書きながらも
まだ死んでなくてゆらゆらさまよう哀蚊とたわむれる今日の私、
売上も実に哀しい。
明日はがんばろう
一葉さんがせっかく我がレジにやってきてくれたのに
それから不振続きなんて、哀しすぎるもの。

2004年11月12日 金曜日
昨日は午前中に私の具合が少し思わしくない、とますたーに伝えてあったので
夜早めに店番を交代してくれました。いつも感謝です。
帰ってすぐにベッドに入り、12時間もたっぷりと眠り、栄養ドリンクを飲んだら
すっかり回復しました。自分がまだたっぷり寝たら軽い風邪程度なら回復できる、
と確認できてものすごくホッとしてます。やはり人を雇わない自営業は自分の身体が資本ですからね。
というわけで昨日の2人目の方の見せてくださった冊子について、本日書きます。

冊子というか、同人誌なのですが、以後お客さんとの会話です。
「この店を少しモデルにさせていただいて書かせていただいたものがあるんです」と。
「えー?すごく嬉しいです。是非見せてください」
「あ、でもちょっと・・・見せていいのか迷う表現もあるので(汗)」
「いや、理解できますので、良かったら」
「じゃあ今から持ってきます、近所ですので」
という流れでその同人誌を持ってきていただき、プレゼントしてくださいました。
読んでいくと、出てきました!これはうちの店に間違いないです。
小さな店、テーブルが3つか4つ、窓が曇る、などキーワードは散りばめられているのですが
文章が巧みで、ものすごい素敵でミステリアスな店に表現されてました。
このお客さん、ここで何気ない時間を過ごしつつ、こんな細かなことまで感じ取って
られたのか、と思うとすごい感激しました。なにより嬉しかったのが
ファン(信者っていうのでしょうか?)の方から、
「作者自身がこんな店をつくって店主になりゃいいのでは?」と質問されたそうなのですが
「悪いがこの店、もう三鷹に存在するんだけど」と答えられたそうです。
「え?この店存在するの?」というリアクションに当然なったようですが
ひとつだけ心配事が。その女店主のイラストを見せてもらったのですが、
超〜かわいい。超超〜グラマラス。ていうかエプロンからはみ出し・・・
同人誌の女店主ですから当然といえば当然だし、想像できますよね。
「これ、私がモデルじゃないですよね」と冷や汗かきながら尋ねると
「あなたですよ」とトーゼンのように返され、気絶しそうになる。
同時にあまりに毅然と答えられるので萌え〜でしたけどね(笑)
ぜーんぜーん何ひとつ似てません。まあ、でもそのあたりの細かい事はいいですよね。
ただ、この作品の熱狂的信者がモデルとなった店をつきとめてうちへやってきて
「店主のモデルがおばはんってのはゆるせねーんだよ」とか言ってキレて
暴れたらどうしようかと。というのは冗談ですが、まあそういうことがあっても
その時は日記のネタにするので(笑) できれば私の心臓が壊れない程度でお願いしたい次第です。

ちなみにこの作品の中では、女店主は「メニューにはありませんが」と
大人のミルクセーキのような飲み物、を出します。素敵ですね、これくらい真似してもいいかな。
コスプレは真似できんので(笑)いや、でもすごく素敵な1冊に仕上がってました。
何度でも繰り返し読めそうです。ありがとうございます。

今日は今日で、宍戸留美写真集(¥300)をお買い上げになれたお客さんが
「宍戸留美に似てますね、店主さん」と言われました。
過去の「ののたんに似てますね」以来の「にてねーーーー事件パート2」と命名させて
いただきます。どこが似てるのかと。
いやー、世の中にはいろんな方がいますねー。
るんるんファンのますたーに報告すると、「にてねー」と答えると思いきや
「あ、わかるかも」みたいなリアクション。うーん、よくわからん

2004年11月11日 木曜日
ポッキーは買わなかったけど、プリッツの新作が出ていたので迷う。
しかも私好みの味わい風。迷ったけれど本日のサービス品で
Melty kissの濃抹茶味ー宇治抹茶の濃厚な旨味ーが安売りされていたので
そちらに手が伸びてしまいました。いや、やっぱ高級チョコが安いならそりゃ買わんと。
緑のパッケージがクリスマスっぽくてきれい。一粒、一粒、大事に食べよう。

こんな最近の食生活がたたったのか、風邪なのかちょっと具合が優れなく
なってしまい、やばいかも、としばらく奥の席で休んでました。
結構今日はお客さんが絶え間なく来店されました。それがラッキーでした。
ひまだったら長くきつい一日になったと思うのですが、
お客さんが来店されてる間は、しんどい事を忘れていられるんですよね。

まず朝一番で、いつかブックカフェを開いてみたいと思ってる、っていう女性の方が
来店してくださいました。いろいろお話し、最後に帰っていかれる時、
今日はやっとこのお店に来れて本当に良かったです、と明るい笑顔を見せてくださって、
こっちも元気が出ましたねー。

あと、斜陽館の前で地元のおばちゃんたちが自分たちでつくったいろいろなものを
露店で販売している、という話を聞かせてくださったお客さんとお話したり。
あ、そうそう、今日はお客さんの書いた本、というか冊子を見せていただく、という事が
2度も続きました。お一人目は、そのお客さんのお父様がお亡くなりになられ、その時にお父様が
書かれたものを1冊の冊子にしたもののようですが、読んでみてとても良かったのです。
物理学の教授だったお父様が、このような文章を書きとめておられたのだ、というのが
知人の方々にも好評だった、と言われてたのがわかる。すごい温かい文章だったのです。
「人間は窒素とか炭素とか泥のようなものでできていて、その泥で出来ている部分が折れたり
乾いて粉になったりしないように、留意し助言することが医者の任務」とのような事が書かれていて
私が近頃よく考えていることとリンクしていました。
最近見た映画でもそんなセリフがでてきた。石も人間も近いところにある、ような事。
もっぱら自分の身体、健康について考える日々であります。
いつかこの身体もなくなり、骨が砕かれて粉となり、泥のようなものにかえるのなら
本に関わって一生を終えたものとしても
死ぬまでに1冊自分の書いた本を残したいですね。本の寿命は人の命より長いのだし、
残された人の心にほんの少しでも温かなものを刻めたら、なによりだと思うのです。
ってまだまだ未熟者だし、人生これからだと思ってるので先の話ですけどね。

2004年11月9日 火曜日
食欲の秋、今日は食べる話。
というかおやつを食べ過ぎてしまったので反省もあって日記に書いてしまう。
今朝は公園のベンチで、ピザまんと缶甘酒を手に少し休憩。きなこもちチロルも食べたかな
砂遊びしている子供たちがすごく可愛いくて思わず時間を忘れそうになる。
天気がいいし、紅葉はきれいだし、こんな普通の平和な午前中に居られる自分、
これはすごく幸せなことなのだろうな、と思う。

おやつ用に買ったケーキ、モンブランがすごくおいしい。
パテシエとかが創りだす、芸術性を帯びたモンブランもいいけど、
セブンイレブンで買った庶民的なデザートモンブランがぴったりはまりました。
子供の頃の公民館で行われたクリスマス会のケーキの味。
子供同士で友達の家に遊びに行った時、その子のママがジュースと一緒に持ってくるケーキの味。

最近は駅とかにあるお蕎麦屋さん、おじさい茶屋とか小竹林とか多摩そばとか富士そばとか、
でよく天ぷらうどんか天ぷらそばを食べてます。
先日、八王子駅から八高線に乗った時、寒いホームで30分以上待たなくちゃ
いけないって状況になって、もう改札通ってたから構内のそば屋さんで時間つぶすしかないや
って入ったら、なんかこの雰囲気好きかも、安いし、となって以来はまりました。
同じ360円なら、コンビニやスーパーで売ってるアルミごと火にかけてゆがく天ぷらうどんも
結構おいしいので好きです。
たんぱく質が少し不足してるかな?
納豆は超安いのでよく食べてるけれど。緑色のものを最近あまり食べてない。

ほんと個人的食べ物日記そのものですね、そんな日はヒマだったのだということで。
明日は定休日。あさってから気合を入れなおして頑張ろう。
といいつつ11月11日はポッキーの日なので死ぬほどポッキー食べました、
なんて報告することのないように>自分。
気になって調べてみると
いつのまにか「ポッキー&プリッツの日」になってました。日本記念日協会の認定まで
受けていた。ローストプリッツ食べたくなってしまったよ・・・

2004年11月8日 月曜日
北村薫さんの小説で、走れメロスネタの話があって、
なかなかおもしろいですよ、とお客さんから教えていただきました。
本のタイトル聞いたのですが、忘れてしまった、いつもはメモをとるのですが
その走り書きした自分の字があまりにも汚くて解読不可能(笑)
私、こういうのしょっちゅうです。

もともと特徴のあるマンガ風丸文字なのですが、ほんとに汚い字。
でも、いい事もたまーにあります。
「やっぱりここだった」と入店されたお客さんがいて、
この間雑誌かなにかでこのお店のことが掲載されていて気になってたんですけど、
表の黒板の字を見て、その写真と同じ字だったので確信して入ってみました。
って言われてた。たしかに表の黒板、それって店の看板みたいなもの、
その看板に、あんな特徴のある丸文字炸裂してるのって珍しいですからね。

大切な事に出会う場面って、いつも突然やってくる。
そんな時にメモ用紙とペンが手元に用意されている、というのはとても運が良い。
そこまで条件が揃っておきながら、書いたものがあとで自分で読み返してみて
なんと書いてあるのかわからない時の哀しさ、これは相当なものです。
なのでやはりもう少し字はきれいに書くように心がけたいです。はい。

2004年11月7日 日曜日
特にナシ(笑)。
つーか、日曜昼はホント暇です(汗

2004年11月6日 土曜日
ガールフレンドとのデートをうちのお店で何度か過ごしてくれる
若くてかっこいい男の子がいるのですが、今日、やってきてくれた。
本が好きらしい彼は決まってガールフレンドと
読んだ本や書店業界や文学の話で盛り上がる。
すごい微笑ましい。
今日の女の子は、若いのに「吉本隆明の超恋愛論が読みたい」と言っていた。
若いのにしっかりしてる。いいことだ。
「あ、忘れてた。私も読みたかったんだ」と図書館のサイトで予約した。
思い出させてくれてありがとう。

ただ、「桜の樹の下には死体が埋まっている、って誰の作品だったっけ?」
に「坂口安吾」で話が流れていった時は、よっぽど
「いや、それは梶井基次郎の方だと思います。安吾は「桜の森の満開の下」
と突っ込みそうになりましたが、いや、もちろんそっとしておきました。
若い二人には、「共通のまちがいをおかす」というのも時には美しい思い出となるでしょう。
っていうかサクラにまつわるこの世のものはどれも紛らわしいものが大変多い、
としめくくっておきましょう。

2004年11月5日 金曜日
鴎外の記事が新聞の一面に出ていた斬新な朝の迎え方でした。
でもまた昨日の朝、新潟で震度5の地震あったのですね。
こんなに何度も地面が揺れて、精神的に自分だったら絶えられるか自信ない。
早く平静な毎日が訪れることを心より願います。
自分は小さな頃からずーっとやさしい性格だったと思う、周りからもやさしいね、って言われてた。
でも、きっとこういう皆大変、っていう状況ではきっと自分のことしか考えられない
人間になってしまいそうでこわいです。
今一番欲しいものは、強靭な精神力と健康な身体、かもしれません。

で、その鴎外なのですが、娘の杏奴への押し花付きのハガキが写真で載っていて
感慨深いものはありました。離れている家族へ毎日手紙を送った、というのも
同様なのですが、私はなんだかエリスの事が気になってしまうのです。
ものすごく個人的な感想なのですけどね。それに鴎外作品をひととおり読んでいるわけでも
ないので、ほんとに勝手な感想なんですけど。

「舞姫」の文庫本を買うために書店へ行き、棚からみつけた時の高揚感をまだはっきり覚えてる。
当時好きな人が、「舞姫にはまいった」みたいな事を言ったのを聞いて、
あまり本を読まない人をまいらせた小説を今すぐ読んでみたい、って衝動に駆られ
書店へ走ったのでした。そういう個人的な思い出もあるので刷り込みされてるんですよね。

当時は、出だしの「石炭をば早や積み果てつ」で早くも難解さを感じ取り、読めるか不安になったけど
最後まで読み、エリスがかわいそう、でもひとつの文学作品として美しい。という感想を持っていました。
でも、あれから時間を経て歳をとりいろんな体験と共に身体の衰えも実感する現在読み返してみると、
「あはれなる狂女」の一行がなんだか許せなくなる。お腹に子供もいたのに、
好きな人を追って知らない国までやってきたのに、どんなに不安だったかと思うと、ただやるせない。
エリス側の立場になった、「エリスの日記」なるものが存在したら読んでみたいと思う。
といろいろ言ってもあまり深く読み込めてないのでまだなんともいえないですが。
でもあまりにうまくいきすぎる物語よりもいいかもしれませんね、
現実は甘くないことばかりだから。
誰もがひとつくらい自分のしたことが許せない過去というものを持っているのかもしれない。
現に私も、ある。そこから目をそらさず作品として書き上げるのは、
想像できない覚悟があるからなのかもしれない。いつか中途半端でなくちゃんと読み込み
作品研究できれば、と思う。

太宰なんてもっとめちゃめちゃで許せないかもしれないけれど、
太宰の場合、どこか御伽噺的で、許せてしまうものを感じるんです。
いや、これは惚れた弱みですね、完全に。はい、失礼しました。
やっぱり私は鴎外パッパより太宰ちゃま派です。

2004年11月4日 木曜日
昨日の日記は2日のお休みの日の事ばかりになってしまいましたが
水曜日だけど結構お客さん来てくださいました。良かった。
表の均一本がたくさん売れたのも嬉しかった。さすが文化の日。

先日、上々堂の長谷川さんからお電話いただき、
そちらに今山崎冨栄さんの日記はおいてありますか?と聞かれたので、
あいにく 学陽書房女性文庫の「太宰治との愛と死のノート」や
「雨の玉川心中」は切らしていて、
「愛は死とともに」の初版本、6000円のしかないのですけど、とお答えしました。
その後少しお話して、求めていらっしゃるのは学生さんなので、
だったら文庫でみつかった方がいいでしょうね、って
お互い同じ考えだったようで、自然に結論にたどりつけた。
普通に考えたら商売として売上が高いのが売れる方がいいに決まってるかも
しれないけれど、それだけじゃないところがなんかいいな、と思える出来事でした。

3日の夜21時ジャスト、閉店の時間になったのでお店を閉めようかという時、
一人の女性が入店されました。
「あの、山崎冨栄さんの日記ありますか?」と。
前と同じように説明しかけた時、ぴんときました。
「もしかして上々堂さんから先日問い合わせを受けた時の・・・」
そうです、と。その初版本を買いにきました、と。
「閉まってたらどうしよう、まにあわなかったらどうしようかと思ってたので良かった」
と言われてたお客さん、心配しながら慌てて来られたようで、
少し息が荒く、でももうこの本を買うと決めてきたんだ、みたいな強い意志を感じさせる
そんな表情されてました。

レジを打ち、
「これは持ってていい本だと思います。この本が欲しい、とわざわざ来てくださった方
の手に渡って嬉しいです」と本をお渡ししました。
あれからこの本を買おうかどうしようかと考えられたその時間を想像すると
買おう、この店へ行こう、というその決心がとても意味あるものに感じられます。
自分の意思で決められたのなら、あとはもうお届けするのみです。
もし20時58分に店を閉めてしまっていたら、この本は彼女の手に入らなかったかも
しれないし、もしかしたらわざわざ遠くから来てくださったかもしれない。
その決心を崩さないで本当に良かったと思います。
たかが本一冊、とは思えない、なんだかいろんな事を考えさせられました。
本もこの店でいろんな人を待ってるんだな、なんて。
出会いというものはまさに縁ですね。

今日は今日で、来る人来る人、「楽しいー」とか「いい香りー」とか「おいしいー」とか
結構声に出して表現するお客さんが多い一日でした。
天気がすごく良くて、私自身も気持ちの良い朝を過ごせたから、
っていうのもひとつの要因かも。明日も頑張ります。

2004年11月3日 水曜日 文化の日
水曜日の祝日はお休みがずれる、ということで
昨日お休みいただき、本日営業しました。
文化の日の代休ということで、文字通り昨日は一日文化しよう、と神田古本まつりと
映画を2本見る、というすばばらしい見事に文化な一日を過ごしました。
(注:すばばらしい、という表現は私がよくやってしまうタイプミスではないですよ
子供時代、大阪では一時流行ったのです。このセリフ)

まず見たかった映画「珈琲時光」を吉祥寺で見る。
私は、好きでしたね、この映画。
というか古本屋が好きで珈琲が好きで電車も好きな人はきっと大丈夫だと思いますよ。
その上淡々とした日常風景と質素な事を愛している人なら絶対大丈夫。

浅野忠信演じる古本屋店主のいる店の情景が、特に良かったです。
そのシーンになると、自分はなんでこんなとこで映画見てるんだ、
店のあのいつもの定位置に早く帰らなきゃ、って気分になってしまったことが
最大の収穫かもしれない。いや、もちろんしっかり最後まで見ましたけどね。
暇な古本屋の時間の流れ方を知っている自分には、痛いほどわかるあの空気。
店内のシーンでも、店の外の車の音がザーッと聞こえてくるところが一番ツボ。
おそらく普通の人とまったく違った視点でこの映画を見れたかもしれません。

あと、少しだけ電車に乗るのがこわくなくなった。
電車同士ですれ違うシーンがすごく絵になってたから。
おかげで迷っていた東の方向の中央線に乗ることができましたからね。
ってぎゅうぎゅうづめでなければ全然平気なんですけどね。

で、行ってきました。古本まつり。
その前に、さっき映画で写っていた喫茶店「エリカ」で珈琲を飲んだ。
東京ってやっぱり素晴らしいですね、こんなことができるんですから。
そして映画で使われていた古書店もすぐそばにあったし。
古本まつりもすごい楽しかった。神保町、やっぱりもっと足を運びたい場所。

青空市のところで本探してたら、私の隣の男性が、棚から
海野弘著「プルーストの部屋」を取り出し、値段を見た。
あ、その本うちでも売ってる、と思って私も横目で値段を見る。\3675なり。
その殿方、値段を見て1秒でさっと小脇にその本を抱える。
「ちょっと、おじさま、うちに来てくださったらその本¥2250でありますよ」と
テレパシー送ってみたけど、当然その声が届くことなく殿方は人の波へ消えた。
はー、「言葉を交わさなくてもビビッときた」なんて事なかなかないよな、と諦めた。
ってちょっと違うか。 その後、見たい映画に間に合うためには中央特快に
乗らないと間に合わない。でも特快は混む。
悩みに悩んだけど、お守りもあるし、珈琲時光の心臓の動脈のような御茶ノ水駅の
美しいシーンを思い出し、なんとかクリア。
最近の私にしてはいろいろと冒険しつつ良い一日だった。映画でたくさん泣いたし。

2004年11月1日 月曜日
今日から11月。毎月1日は今日からいろいろな事きちんとやるんだ、と決心する。
でも月末、またやれなかったな、という事の方が多い。
今月こそは、って思うだけは思うんですよね、いつも。
特に今月はついたちの月曜日だから、一層頑張りたいと気合を入れている私です。

お客さんからいろんなものをいただいた。感謝です。
ちょっと集めて記念撮影してみた。
ハイライトメンソールのライター、
煙草は好きではないのだけど、煙草、ライター、というアイテムだけで考えると決して嫌いではない。
このハイライトメンソールが発売になった時に、記念に出たライターのデザインが気に入って、
ひとつ買っておいたのです。それを見つけたお客さんから、
「あれ?煙草吸われないのに何故これは?」って質問受けてたんです。
「ライターが可愛いから全種類集めたいかな、と思って」ってって言ってたこと、もう忘れてました。
そしたら今日、その時のお客さんが来て「これ、あげます」って手にいっぱいライター持って
やってきてくれました。おまけのキーホルダーまでつけて。
ハイテンションにお礼を言いまくる私に、
「早くしないともう残りは手に入りませんよ」と冷静なお客さん。その構図がなんか新鮮でした。

「満員電車の中で気分が悪くなったら、これをなめて」と石のようなものの固まりの
入った袋を私に握らせたお客さん、
前にも「太宰の故郷 金木町の玄米粉」やトルマリン水など、
健康に気遣ってくださっている方。いつもありがとうございます。
その石の正体は、なんと3億八千万年前の塩、だそうです。
「さ、さんおくはせんまんえん?」とわけわからぬリアクションを繰り返す私、
ヒマラヤの奥地から流れてきたというこの太古の塩、それにしても想像できない世界。
「ちょっと舐めてみて、三億八千万年前の味がするから」と言われ、舐めてみました。
温泉卵の味でした。昔行った夢千代日記の舞台、湯村温泉の香りがしました。
効力もあるようですが、三億八千万年前、ってだけで気分悪いのもふっとびそうですね。
お守りがわりに大切にしようと思います。

太宰治ひめくりカレンダー、なるものを手作りで送ってくださった方もいます。
さっそくお店に飾っていますよ。あと太宰下敷き?もついていました。
よくあるジャニーズとかの海賊品みたいな、といったらすごく失礼かもしれないけど、
下敷きに太宰のいけてるショット15ショットが印刷されてある下敷きです。
たしかに太宰もあまりいけてないショットがない人だな、とつくづく思いました。

そして武蔵野文学散歩展のしおり、この散歩展のポスターの方は結構都内のあちこちで
特に多摩地区の公共機関などによく貼られているので、もう手にいれられてる方
もおられるのでしょうが、ポスターがあるのだからしおりがあってもおかしくないですよね。
ご覧の通り、武蔵野文学散歩展といっても、顔写真は太宰ピンです。
というかピンでも納得できてしまうオーラがあると思うのですよね。
このしおりもおそらく11/28の展示が終了するまではいろんな場所にあるのでは?と
思いますので、太宰ファンの方は是非探してみてください。すごく素敵ですから。
お客さんから何枚かいただいたので、どうしても欲しいけど探してもみつからない、
って方は声かけてくださいね。


お客さんからのいただきものいろいろ。
いつもありがとうございます。
11月も感謝の気持ちを忘れずに。



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