2006年1月30日 月曜日
お客さんから大いなる刺激を受けた。
「そらあるき」を購入されたお客さんがいらっしゃったので、
金沢に行かれることはありますか?とお聞きすると、
昨年の夏に21世紀美術館での催しが目的で日帰りで行かれたとの事。
日帰りーーー?と驚いたのですが、それはさぞかし興味のある催しだったのだな、と
思っていると、お客さんの方から色々と話してくれて、それがとても刺激的な内容でした。

ビョークの旦那さんのマシュー・バーニー創作の「拘束のドローイング」が
金沢21世紀美術館に来て、それが目的で行かれたようです。
もうすぐ渋谷の映画館でも観れる事になったらしいですよ。
雑誌SWITCHでも特集されていたということで、そういえば、
ビョークと誰かがキスをしている写真が脳裏に1枚浮かび上がってくる。それでは
ないかと思うので確かめてみたいです。
着物姿で「ジャパニーズ」みたいな雰囲気満載の1枚だったような・・・

お客さんがその時に金沢の街で行ったいくつかのお店が「そらあるき」に紹介されていた
ので、購入されたようです。そのひとつにブックカフェの「あうん堂」さんの名前もありました。
どこもとても良い店でしたよ、金沢面白いです、と限られた時間の中でも楽しまれたようで、
私も今すぐ飛んでいきたくなりました。
21世紀美術館が出来てからは行ってませんからね。
俵屋のじろあめ「しろ」も食べたいし、行ってみたいお店が両手じゃ足りないくらいだし。
犀川から吹く風を感じたい。あの急な坂も登ってみたい。
浅野川沿いを着物でしなしなと歩きたい。
はー、ひとり旅するには、時間とお金が必要。重い腰上げて頑張らなくちゃ。
東京ー金沢間がもっと行きやすくなる交通網希望(飛行機は除外)
いや、しかしこの簡単には行けないかんじが、また良いのかもしれませんね。
新潟ー佐渡間をジェットバスよりも暗いフェリー(いい意味で)を選んでしまうのにちょっと似てる?


2006年1月28日 土曜日
福島からお客さんが来店してくださいました。
雑誌でうちの店の事を知り、いつか行ってみたい、と思っていて
今日はやっと実現したよ、と。そんな遠くから本当にありがたいです。
「何もなくて、ただ山ばかりなの」というお客さんの一言に
「でも毎朝窓を開けて山がどこにある、って素晴らしいようにも思います」と答えると、
「それはたまにだったり旅先だといいけれど、そこで暮らしてる者にしてみれば退屈よ」と。

「毎日山ばかり見ているけれど、さびないように刺激を受けるように、
最近は自分には絶対無理だと思っていたパソコンも始めたし」と言われていて、
「こうして、気になるお店に実際来てくださる、それってすごい行動力だと
思いますし、全然さびてないと思いますよ」とお答えながら、
私もさびないように色々努力しなくちゃな、って考えてました。
「三鷹は文化を感じるところですね、需要と供給が成り立っているように感じます」
とも言われてました。中にいるとわかりにくいけれど、確かに三鷹は文化の宝庫かもしれません。

ご年配の方々だったのですが、婦人がとってもおしゃれでチャーミングな方で、
ストロベリーティーが出来上がってお出しすると、
「まあ、いい香り。早く召し上がりたいけれど、本も限られた時間の中でたくさん見たいから
迷っちゃいますね。どうしよう」というお言葉に、失礼ながらとっても可愛らしいな、って思ってしまった。

うちではほとんど反応がなかった「世界に1冊だけの自分の本 旅行者」という不思議な本を
選ばれました。お連れの方に、「見てみてこの本、ページが真っ白なの」って新鮮な反応に、
私も発見できなかったこの本の魅力を今始めて垣間見た気がしました。
結局お客さんが主役なんですよね、本屋なんて。
いろいろな角度でものを見ることは大事ですね。
あー、なんかゆーっくりと本屋さんで本を物色したい。
なんだか新鮮な気持ちになれたのは、福島の山々の澄み切った空気が運んできてくれたような
気がしますよ。きっとまた来てくださいね。

2006年1月27日 金曜日
ひとつの講座をただで聞けたかのような、
とても難しい話をキャッチボールのように繰り広げられている
お二人連れのお客さんの存在感が光ってました。
教授と助手、のような、専門用語とびかうためになるお話。刺激的でした。
ただ、今までバリバリバトルしてたのに、
飛行機の話題になった時に、
「私飛行機怖いんです。おしっこちびりそうになる」というのが
なんとも可愛くて、思わず
「あたしもあたしも」と口をはさみそうになった事は内緒で(笑)

「お好きだと思って」と、高畠華宵のしおりをお客さんからいただきました。
ハート型の柄の着物を着ている婦人の絵が表紙になっていて、
中に5枚ほどしおりが入っている素敵なものです。
その着物の柄が随分気に入ってしまって、同じものを実際に着てみたくなっちゃった。
ハートを半分に割って、配色は紫とモスグリーン。ちょっと珍しい組み合わせのような気がします。
着物、そろそろ着たいかも。

そのお客さんは、久世光彦の「早く昔になればいい」を見つけられ、
大層喜んでいただけたようでした。この本は文庫も出ているけど、
ハードカバーの表紙のイラストが素敵、という理由で仕入れたのですが、
「この表紙の着物姿の絵が素敵だから欲しかったの。見つかって嬉しいわ」と、
そのポイントで購入される方の手に渡るというのが私も本望だったから思わず笑顔に。
こういう瞬間ってすごく満足感があるのです。
なんとなくこのお客さんと趣味が似てるかも。

レジまわりにはいろんな小物が置いてありますが、
中でも「これ、気になります」とよく言われる中原淳一の小さな小箱を今日はちょっと紹介。
中身はこんなかんじなのです。


気になる方は開けてみてくださいね。実際の方がほんと素敵ですから。

以前、取材時の時にチラッと書いたレオパレスでお部屋の契約をされた方だけに手に入る雑誌
「SEEK]の見本誌が送られてきました。読書&パズル特集、という事で、
本好きにはなかなか楽しめる1冊になっていいます。「スローで個性的な本屋さんに行こう!」
で、渋谷や下北沢の素敵本屋さんと一緒にうちの店が紹介されています。

そこには「太宰治に心酔した乙女が夢を実現した店」と書かれてあります。
乙女、というのが少々照れくさくもあり、嬉しくもあり、
でも三十路乙女(もうすぐ四十路乙女!)って結構存在すると思います。
なんとなくその事を外に言うのは恥ずかしい、と感じてる人が多いのも事実だと思いますけど、
痛い人と紙一重、という印象がぬぐえないからだったとしたら、
ここにこんなに痛くても堂々と自称乙女発言してる人がいるので、
ウチに秘めてる人もいくつになっても乙女宣言しちゃいましょう!
聖子ちゃんなんて、永遠の乙女どころか「永遠の少女」なんて語っちゃってるわけですしね。
って聖子ちゃん持ち出すのは反則でしたね。はー、そろそろ聖子全曲配信のカラオケ屋さんに行きたいぞ。
いつか売上がどんと伸びるか宝くじが当たったら店にカラオケセット導入し、
季節に一回はカラオケナイトやりますのでその時はよろしくです。
「今日は聖子の日」とか。「今日はお立ち台の日」とか。って5,5坪の中でお立ち台って!

2006年1月26日 木曜日
「ジブリ美術館の帰りに立ち寄りました」
とお客さんがお母様と来店してくださいました。
ジブリ美術館は三鷹とはいえ、ここまでは随分距離がある。
お母さんと一緒にうちの店まで来てくれたその気持ちがとても嬉しいです。
仕事も頑張って、趣味にも打ち込み、そして親孝行ができる女性、いいですね。
私はほんと親孝行できなかった。これからしたいと思ってるんですけどね。
まだ間に合うかな?
「焼きたてのワッフルがとても美味しかったと母も喜んでました」と
後で丁寧にメールをいただきました。ああ、嬉しい。
お客さんの親孝行の演出が少しでもできたなら、今はそれが私にできる
間接的な親孝行かな。

奥の席に着く瞬間、「落ち着く〜」っていうお客さんの呟きが聞こえました。嬉しかった。
あるお客さんからは、「店主さんには悪いけど、窓から店の中を覗いて
混んでそうだったら今日はパス、って思う。すいてる時のフォスフォレッセンスは、
本当に自分に優しい」って告白されました。すごくわかりますよ。
私もほどよく空いてる店内で、お客さんがリラックスされてるのが好きです。
第一、混んでたら見たい本のコーナーに移動できない、というのがうちの店の一番のネックですからね。
そんな時、本当に申し訳なく思います。

でも要は考え方ひとつ。
すぐそばで本を物色されてる人がいると、落ち着いてお茶できない、と思っていると、
目の前にひゅっと手が伸びてきて、自分の好きな本を引き抜かれた。
「あ、この本」と思い、どんな人がこの本に興味を示すの?と顔を上げると、
まさにタイプ!な男性がそこに立っていた・・・とかね。
「あなたみたいにそんな事ばかり考えてる人めったいにいないから!
ほんと、恋愛にしか興味ないのね」
と突っ込みが入りそうですが、本棚、という空間は結構奇跡が起こりやすい小宇宙ですからね。
もちろん恋愛以外の奇跡もですよ。
そんな色んな奇跡がおこりやすいように、棚の隙間のホコリを毎日せっせと払っておかなくちゃ。

2006年1月24日 火曜日
新聞の記事は「逮捕」の文字ばかり。
勿論関心がないわけじゃないけど、
私は新聞を読む時、人があまり気にしないどうでもいいような
ところばかり気になる。

たとえば今日の新聞なら、大江健三郎のエッセイで「ジャストミート」という言葉を使っていて、
今日の標語は「ジャストミーーート」だな、とか、週刊誌の広告で出てた
「石田純一があかすキモーい口説きメール」の内容がすごく気になるので、
帰りにコンビニでチェックしてみようか、いや、そんなことしてる時間はないのだ、と
打ち消したり、恐らく「ま、豚角煮マン買うついで、ということで」と見に行ってしまうのだろうな、
と少し未来の自分を想像してみたり、
それは「あら、もう豚角煮マンなくて炭火焼チャーシューマンにチェンジしたんだ、
でもこれってこの小ささで210円もするしー、それならブリトーのマルガリータ買った方が
満腹感あるし」とレジの前で迷ってる自分の姿。思いっきりダサイ系。
結局雑誌のコーナーで「アサ芸」(だったかな?)で、矢部美穂と加藤鷹のからみの
グラビアページを発見し、ニヤニヤと笑みを浮かべそう。
いかん、これではますます「おやじ化」している。明日はananを立ち読みすることにしよう。
高校生の頃から唯一読み続けている雑誌ananですが、今でも実は後ろの占いから読んでいる。

とそんなことはどうでもよく・・・

「出店しませんか」と営業電話がかかってきた時、
これこれこういう理由で、他のネット書店より利用しにくいから出店する気はないです、
と答えると、大抵そうですか、わかりました、またご縁がありましたらよろしくお願いします、
とお決まりの挨拶で電話を切るのに、「貴重なご意見ありがとうございました。
上のものに伝えて改善の参考にさせていただきます」と印象に残る受け答えされていた社員さんは、
今も前向きな気持ちで仕事されているかな? 

小池真理子の「愛するということ」に、コーヒーと古本を扱う小さなお店が登場する。
青山の骨董通りの車道に面した可愛いお店、ということで、なんとなく興味をそそられた。
しかもその店主は男性で、主人公の女性と不倫する、というストーリーのようです。
まだチラッとしか読んでないのでまったく検討違いだったらすいません、想像、ってことで。

その「不倫」の中身よりも、古本とコーヒーとアクセサリーを扱うその小さな店、店主の詳細
が知りたくなり、この本を一気読みしたくなった。金持ちが趣味でやってるの?
他に本職があるのか?本に愛情を持ってる?など。
たとえば電話ひとつの応対にしても、丁寧さ、真摯さがある男性?

そしたら今日来店されたお客さんが偶然にも、「この本は駄作でしたね」と言われびっくり。
こちらから話題をふったわけではないのですよ。
ここで注意、なのですが、このお客さんは小池真理子の愛読者なので、
かなり評価が厳しいのです。おそらく小池真理子の本はほとんど読んでらっしゃると思う。
愛を込めての辛口、だと思います。
しかし読む気満々の時に「駄作でしたね」って言われる気分は、おもしろい。
勿論ちゃんと確かめてみますとも。

小さなことでも、約束を守る人でいたいですね。
ものすごく忙しい中の1本の電話、とかでも、今目の前にある事1つ1つに対して丁寧であること。
そして失敗したら、その後どうするか、ですよね。
何かごまかしたりすると、本が自動的にバシッバシッ!って自分めがけて飛んできたら
いいのに、って思うくらい私も意志が弱いし、店も数字的には低空飛行だけど、
いろんなものに支えられながら、飛び続けたいです。

なんか支離滅裂になってしまいましたが、明日はお休み。
最近ゆっくりと入浴できてなかったから、風呂の中で本読むくらいの勢いで長風呂したい。
無印の入浴剤の「ミルク」なかなか良いです。安いし。
春まで風邪引かないように身体心から温めて備えようっと。


「2006年1月23日 月曜日
禁煙しようとされているお客さんの、「禁煙パートナー」になりました。
ただ励ますだけで特に何をする、というわけではないのですが、
なんとなく今日がそのスタートの日なので、日記に書き記しておこうと思います。
ちゃんと書類みたいなのにサインするんですよ。1月23日午後4時、って。
何かをスタートする、という時の緊張感はやはり良いですね。

例えるとかなり大げさなのですが、昔見た「太陽にほえろ」のある回を思い出しました。
当時私は小野寺昭(通称殿下)が結構好きだったのですが、
殿下が犯人に麻薬を打たれてしまい、薬切れの一番辛い時に、山さんがつきあう、という内容
だったのですが、ものすごい凄絶シーンだったので今でも記憶に残っています。
手錠をかけて、独房でもがき苦しむ殿下を、手錠でつながれた山さんが、
何もできないけれど、ただそばにいる、という、涙を誘うものでした。
今の歳食った私なら、山さんの魅力がちょっとわかるかも・・・

カメラの話題が続いて、ちょっと思い出したことがありました。
中学生くらいの頃、持っていたカメラの調子が悪くなった時、同級生の男の子に
「ちょっと貸して」とか言われて渡すと、ちょちょいのちょい、ってかんじで簡単に直してくれて、
「はい」って手渡された瞬間、好きになってしまったことがありました。
そういうきっかけで恋しちゃう、ってないですか?私だけじゃないですよね。

最近では、「有頂天ホテル」見た時、(少しだけネタバレありです、たいしたことないけど)
国会議員役の佐藤浩市が急がなくちゃいけないのに、
「これ食ったら行く」って落ち着いてバナナ食べてる姿に
なぜだかコロッといっちゃった。すごい色っぽいんですもの!
私がパニくりやすい性格なので、そんな大変な時でも動じない人とか憧れちゃうんです。
この映画評判どおりすごく面白かったですよ。特にオダジョーが良い。
文学少女必見?の「プライドと偏見」は見に行けるかどうか微妙。
見たらその後感化されてコルセット風なワンピースとか衝動買いしてしまいそうで怖いし・・・
ついでに言うと新ドラマは「夜王」くらいです。続けて見れそうなのは。
ダラダラと見るのにはちょうどいい。北村一輝と要潤と、1時間に一回エロシーン、これらが見れれば充分。
って私ちょっとオヤジみたいですね・・・


2006年1月21日 土曜日
朝起きたら窓の外が真っ白でした。
「こな〜ゆきぃ〜」です(これ歌ってる人なんか好きかも)
今日はお店に来たらいきなりサプライズが!
小さな子供たちにとってやっぱり雪って嬉しいんですよね。
店の前ではしゃぎまくりながら雪遊びをしていて、微笑ましいな、と思って
ドアを開けようとすると、なにやら横ちょで「おはようーっす」と言われてるような気配がしてみたら、
これです。↓



子供たちで協力しあって、店の入り口のところにあるイスの上に雪だるまをつくったようです。
あっ!と思わず声をあげた私の視界に飛び込んできたのは、たぶんその子供達のお母さん。
「すいません、勝手に」と謝られるので、「いいですよ、可愛いですね」と答えると、
「すいません、すいません」と言いながらパチリとデジカメで雪だるまを撮影される。
なんかその姿がすごくチャーミングでした。私も思わずデジカメで撮影。
子供達のひと冬の思い出になるんでしょうね。

まだ雪が舞っていてきれいだけど、今日はお客さん少ないだろうな、と覚悟していると、
午前中から大きなレンズのカメラをひっさげ、久々来店のお客さんがお目見え。
「雪景色、ここから見るときっときれいだろうと思って」と開口一番に。
この雪を見て、うちの店のことを思い出してくれた人がいただけですごい幸せ。
そうなんです。足元悪く寒いから確実に店はすいてるので、っていつもすいてるけど(笑)
窓際の特等席は、真っ白に染まった街角をぼーっと見ながら温かいコーヒーが飲めるのです。
こんなかんじ↓



他にお客さんがいらっしゃらなかったので、お店の中をバシバシとカメラで撮影されて、
画像を見せてもらったら、なんだか古い趣のある図書館みたいに写ってた。
さすが高スペック。ハンパじゃなくでかいレンズなだけある。
すると、カメラ雑誌を何冊かかかえたお客さんが来店。
すごい偶然でした。カメラ引力?
私のわからないカメラ専門用語など交えながらお客さん同士話されていて、
なんだかわからないけど、いい気分でした。
ここで元写真部のますたーがいたら、写真部の部室みたいな雰囲気になったのだろうか・・・
機械とか、自分のまったく縁のないものについて男性が延々と語ってるのって結構好きです。
たしかにお客さんは少なかったけど、こんな足元の悪い中来て頂いてありがたかったです。
終始微笑ましい一日となりました。

ってわけで、現在カメラ雑誌がたくさんあります。
カメラ好きな方はどうぞ見てみてください。


2006年1月20日 金曜日
「何かあいの手ないかしら?」と来店されたお客さん、
「あいのて?」ってちょっとポカンとしてる私をよそに、
文庫の棚を目で追いながら「島尾さん、野呂さん、富岡さん、三木さん、色川さん、」
と著者の名をなんというか、お経のようにつぶやきながら、どんどん移動されていく。

結局「お風呂で読めるから」という理由?で、京極さんの分厚い本を選ばれました。
本を「あいのて」と表現された人、はじめて。
言い得て妙ですね。たしかに本ってあいのてみたいなものかもしれない。
本を名前で、それも友達の名前みたいな感覚で声に出されていたその語感が
なんだか頭の中を離れない。私もクセになるかも。

たしかに、たかが本1冊、されど本1冊。
この1冊を書くために、その作家が費やした時間というのは膨大であったに違いない。
いわば分身のようなもの。
タイトルよりも、作家名が大事と思いたい、みたいな。
とても新鮮な出来事でした。またあの軽やかさがかえって後を引くかんじ。
島尾さん、野呂さん、富岡さん、と自然と唱えてる自分を発見し、クスッと笑ってしまう。
当分この段は順番変えられへんな、と嬉しいためいきも漏れ、

でも、ちょっと想像してみました。
お風呂の中で、京極夏彦の分厚い本を読むところ。
あまりの分厚さに、湯の中にストンって本を落として「あちゃーーー!」っとなる場面しか
浮かんでこないんですけど・・・負けグセ症候群ですかね、こういう発想って。

でもあのお客さんは、そんなことになっても
「はい、風呂に落ちた京極さん、ごっくろーさん」とか鼻歌まじりに余裕の表情で
「水に濡れても読めるあいの手ないかしら?」とか言いながら現れていただけそうな気がする。
ほんのちょっとそれが現実になったらいいな、とか思ってしまう私はダメな店主ですね。
マイペースって素敵。目指したい。


2006年1月19日 木曜日
「すいません、今何時ですか?」とこのところよく聞かれました。
時計の調子が悪く、週末から月曜まで、動かしてなかったのです。
そろそろ限界?と思っていたら、ネジをまわせば良かっただけのようで、
ますたーが直してくれた途端、いつもどおりに戻り、ホッとしています。
というか、ネジを巻いてしばらくは、ボーンボーンと鳴る音が恐ろしいくらい速い速い。
まだまだ元気なのね、と安心します。

ボロ市で買ったこの時計、最初は1年もたないかと思ってました。
万単位の古時計の中で、ひとつだけ1000円で売られていた時計、
欠陥があったり寿命が短いからだと覚悟の上で買ったのに、丸4年も動いてくれて、
とても感謝している。私も、35歳だったのが、今年で40歳、つまり不惑を迎えるわけです。ひえー

ということで、私の方はそろそろ身体もボロが出てくる頃だけど、
このボーンという時計の音は、ネジまわしたての時はそれはそれは
「あたひゃもこんなに勢いあるんだから、おぬしもきばれや」
とつぶやくかのようにすごいスピードで鳴る。 そうね、ネジをまわしてくれる何かがある限り、
モノだってヒトだって、自分の最高の速さを引き出すことができるものですね。
このお店の中で、もっとネジをまわして、と力を発揮したくてウズウズしてる本たちや、色々なものたち、
そういうものをひとつと漏らさず見つけてあげられる40歳、になりたいですね。
そして、自分で自分にネジまわすこともさぼらずに、ね。

先日手紙を書くことについて日記に書いたのは虫の知らせ?なのか、
翌日ポストに現役書店員として頑張ってる友達からの手紙が入っていた。
相変わらずのきれいな字は、売り場でキビキビ立ち働いている姿が目に浮かぶようで、
こっちもしゃきっとする思いがした。

年賀状で、すごいことやり遂げたんだな、かっこいい!って思った友達もいて、
「なんか私も頑張らなきゃ、って刺激になったわ、今度ランチでも是非。あ、その前に虫歯治さなきゃ」
ってメールしたら、「虫歯は放置したらした分ひどくなるよ」って返事をくれて、
歯医者さんに行く準備を具体的にしよう、って決心がついた。
前にお客さんから紹介していただいて1本治したことのある素敵な歯医者さん、水曜日休みなので
あらたに近くで歯医者さんをみつけなくちゃいけなくなったのです。
前は日曜日にますたーに店を任せて出かけてたのですが、
今は日曜日も結構私が店入ったり、不安定なので、予約ができない状況なのです。

そろそろ歳とってくると、ずっと丈夫だった歯がどんどんボロボロになったり、
首にシワが増えたり、シミができたり、足の指の爪が割れたり、やりきれないけど、
時計が生き返ったことや、加速してる人のかけてくれる言葉なんかで、
私もちゃんと自分の身体のネジ、メンテナンスみたいなもの?をしっかりやっていかなくちゃな、
って思えた。このタイミングで、取り組まなくちゃね。

って時に、お客さんから「近所にイケメンで腕も確かな歯医者さんがいるよ!」との情報有。
はいはい、予約しますよしますとも。
あとはお金の準備、もうちょい頑張ろう(汗)


私を励ましてくれるこの時計、もう4年のつきあい。
マジ愛してる。


2006年1月16日 月曜日
もう1年以上も前に、沢木耕太郎の「無名」はありませんか?
とお店に電話がかかってきて、その時は在庫がなかったのだけれども、
もし入ったら電話をください、ってことになって、お名前とお電話番号をお聞きしていたMさま。
ものすごく遅くなってしまったので、もう手にいれられたかもしれませんが、
本日入荷しました。お電話してみたのですが、
「○○さんのお宅ですか?」とお聞きすると、「違います」とかえってきたので
もしかしたら電話番号が変更されたかもしれませんね。
連絡がつかないので、お店出ししますが、ものすごく確率低いですけど、
これ読まれていてまだ必要でしたら、連絡いただければおとりおきしますね。

そもそも1年もかかった、というのがダメダメなんですけどね・・・

昨日は今まででもっとも表のガラス窓に陳列してある本が売れた日、
になったと思います。売れては差し替え、売れては差し替え、楽しかった!
通り行く人の視線が窓の本にいっぱい注がれて、
見られると心なしか本そのものからも、独特な光りが発せられるような、
時にその光に吸い寄せられる人もいて、そんな瞬間を店内から目撃するのが好き。

東山魁夷の「白夜の旅」の本を表からじっと見つめられる方がいらっしゃって、
「ちょっとこの本見せていただけますか?」と入店された。
デザインの可愛らしさに吸い寄せられたそうで、嬉しかった。
この本は今日飾ったばかりなのですが、函入りの本で、その表紙しか見えないけど、
この函をとった本体の見返しのデザインも抜群に素敵なんだからね!って思いで設置したんです。
そしたら反応してくれる方がいて、手にとられた瞬間、函をとりだして、本のページを開かれた。
「まあ、」と思わず声に出してしまったくらい。
気に入ってくださってお買い上げになったのですが、こういう流れで本が旅立っていくと
本当に嬉しい。見えない部分まで透けて見てくださる人が近くに存在するのなら、
これからも呼びかけていくやりがいがあります。
本はやっぱりいいですね。

明日、明後日は今年最初の連休になります。
木曜日からまた、新しい週。松の内も明け、普通の日々が始まっても、
良い本を届けられるように頑張りますのでよろしくお願いします。


2006年1月14日 土曜日
営業時間中、ひたすら雨。
長雨って、家や喫茶店で手紙を書くにはいいですよね。
昨年の大ヒット映画「私の頭の中の消しゴム」を観た時に印象に残ったのが、
主人公の女性が友達同士でカフェでお茶してるシーンで、
ひたすら外の雨を幸せそうに眺めるその表情。
結婚してもう一緒に暮らしているのに、昼間は離れている夫を思って、
うっとりとした表情になれる、というその新鮮な新婚独特な甘さが
うまく醸し出されてた。
泣けるシーンはたくさんあった筈なのに、この映画を思い出す時、
雨の1粒1粒を見つめているその表情がまず浮かんでくるんですよね。

実家の母親から封書で手紙が来たので、何事かとドキドキしながら読んでみると、
「あなたのその年齢であの幼稚な字は、ひどすぎる。なんとかした方がよい」
という内容だった(笑) たしかに私の字はひじょうに幼く、読みづらい。
中学生の時の丸文字のまま、ずっと今まで来たのだから。
書店員時代なんかには、その丸文字を生かしてずいぶんポップを書いたのですが、
年賀状や、正式な礼状を書く時なんかに、綺麗なビジーッ!とした字を書けたら
いいな、と常に思ってはいる。普段の丸文字とのギャップで驚かせたいな、なんて。

年末に整理をしている時に、お客さんから2周年の時にいただいたお手紙を
読み返してみた。ものすごく美しい字というのは、やはり良い。こっちまでシャキッとする。
字を書くことを大切に思っているということは、何かを伝える事に最大限の努力をされている、
というかんじがするし、自分に厳しい人なんだろうな、とも思う。
でもここでではペン字を習いに!とかは言わない。出来ない事は書かないようにしなくちゃね。
他に優先事項がたくさんある筈。余裕がないうちは、遠くのものに手を出して近くの大切な
ものを見失わないようにしなくちゃ。しばらくは丸文字脱出できなそうだけど、
心持丁寧に、相手にわかりやすい字を書く努力をしますので、もう少し目をつぶってやってください。

2006年1月13日 金曜日
今日はヒマでしたけど、友人がとても幸せな報告を持ってきてくれたので
万事OK!な13日の金曜日。
日々の中で、強く願ってる事って、叶うもんだねー、なんて彼女としみじみ話してると、
近所のきれいな奥様登場。 実は彼女と奥様は久々の顔合わせなのです。
1年以上前でしょうか、店内で初めて顔を合わせ、小沢昭一の話などで盛り上がった
時以来です。奥様はもうすぐ赤ちゃんが誕生する、彼女も転機を向えた、
ということで、やはり時が経つと変化があるものですね。
さて、私はどうだろうか? 体重は確実にプラスになっているのですが(マジヤバイよ)

私と友人はしばらくは東京にいる事確実なのですが、奥様は出産のためもうすぐ三鷹を離れます。
最後に友人と奥様が頭を垂れあってお別れの言葉を交わしている時、
ちょっと泣きそうになりました。でも、新しい誕生ですからね。笑顔で旅立ちを見送りたい。
その時、卒業式によく登場する「喜びの歌」がなぜか頭の中でかかってました。

その友人の好きな男性のタイプはかなり変わっていて、
今まで好きな俳優さんなどがかぶった事はほとんどないのですが、
今日共通のファンの人がいることがわかり、また嬉しい情報を得ました。
その人はメッセンジャーの黒田さん。関西人以外はピンとこないかもしれませんが。
東京に来たらまったく姿を見ないのですごく寂しかったのですが、
関西ローカルだと思っていた「なるとも」が。
ついでに言うと「なるとも」の「とも」は友近の友だと思ってた「なるとも」が、
こちらでもオンエアされてるというじゃありませんか。
その月曜日のレギュラーに、黒田さんが出演しているらしい。これは見なくちゃ!
この「なるとも」芸能ニュースが主だというし、そういうの私大好きだし(下世話で失礼)
押尾&矢田カップルのようなメジャーな情報の直後に、島木譲二のあれこれ、みたいな
関西の芸人の情報がオンエアされるらしく、ちょっと楽しみ出来ましたよ、これ。

2006年1月12日 木曜日
映画「猟奇的な彼女」のヒロインって魅力的でしたよね。
時々来店くださるあるご夫婦のやりとりが
いつも見ていて微笑ましいんですけど、
奥さんを見ていると、そのヒロインを思い出すんです。
映画みたいに殴る、蹴る、とかでは全然ないんですよ。
「あんた!」とか、あしらうようなかんじで旦那さんにしょっちゅう
ダメ出ししてるんだけど、ちゃんと尊敬の念が奥底に感じられるあしらい方。
奥さんの可愛らしい小悪魔系キャラだからからこそ、見ていても微笑ましい。
今日話の流れで、そんなふうに思ってることを告白しちゃいました。
「私も夫にあんた!とか言ってみたくなるくらい、なんか可愛さを感じます」って。
爆笑されてましたね。 

1月ももうなかほどに。
なんだか、大晦日の大掃除だとか、ホテルで一泊した事とか、
ものすごく前の出来事のように感じます。
「1年の計は元旦にあり」で今年は1月1日にちゃんと初詣に行ったり、
お雑煮をつくったり、丁寧な元旦を過ごせたので、このままのペースでいきたいと
思ってるのだけど、ちょっと中だるみというか、またダラダラしてしまってるような・・・
ここらで巻きなおしするつもりでまた新しい週、頑張ります。
私にとっては木曜日が新しい週、って感覚なので。

2006年1月10日 火曜日
今日も思わずクスッとしてしまう出来事が。
アールグレイがお好きなおじいさんが、
席についてから「あれ?あれ?」と繰り返されてるので、
「どうかなさいましたか?」とお尋ねすると、
「電車男がない」と。

残念ながら売れてしまった事をお伝えしたのですが、
電車男を愛読されてたのか、と思うとなんだか失礼ながら可愛らしく感じてしまいました。
「さっきのお客さんは作家さんですか?」とか「学者の方かな」
とか他のお客さんがおっしゃられるくらい、雰囲気があるおじいさんなので余計に。
そういう方の口から「電車男」という単語が発せられた瞬間、エキサイティングでしたね。
静の時間の中のおもいっきり飛び出した動、でした。
振袖を間近で見て興奮したり、最近躍動感があっていいかんじです。

年配者対象のお仕事をされているお客さんが、
「生前の太宰治と話したことがある人がいたよ」と貴重な話を聞かせてくださいました。
下連雀2丁目にお住まい、というのがきっかけで太宰の話になったようで、
以下その方のお話。

太宰治に「何をやってるのですか」と聞くと、
「物書きです」と静かに答えた。それがすごくかっこよかった。
あと、心中するちょっと前はやっぱり様子がおかしかった。

ですって。うちの店に届いてくる生前の太宰を知る人の情報は
共通して太宰のことをすごくかっこよかった、と言われていますね。
私も聞きたかったな、その「物書きです」という太宰の生声。
でもほんとその答え、そのまんま太宰ですね。
今夜はちょっとその声をしみじみと想像しながら眠りにつくとしよう。


2006年1月9日 月曜日
「今年もよろしくお願いします」
繰り返しそんな言葉をお客さんと交わしながら、
こうしてお店が営業でき、穏やかに時が過ぎていってる幸せを
とても感じた3連休でした。

お年賀、として信州の林檎とか山形のミルクケーキ(さくらんぼ!)とか
シュークリームとか色々いただき、感謝です。美味しかったー!

着物でお店に出る、
これそろそろ実現したいですね。
ご夫婦でお着物で来店いただいたお客さん、粋を運んできてくださいました。
「貝の口」の帯が素敵でしたね。帯枕をしなくても良くて、
椅子とかに背もたれできてラクなんですって。
仕事しながら着る時にはお太鼓もいいけど、貝の口いいなーとかド素人ながら思ってます。

土、日、と激ヒマだったのですが、最終日でなんとか大挽回。
本日はいろんな方に来ていただけました。
特に、ちょっと久しぶりですね、お元気でしたか?ってかんじのお客さんが多かったです。

あと新潟からいらっしゃった方も。といっても目的は娘さんの成人式。
「昨日列車が1時間半も遅れましたけどね、夜は久しぶりに娘2人と食事して楽しかったです」
と笑顔のご婦人、娘さんが成人式の間、近くのうちの店に目がとまって
お茶とフレンチトーストで待ち時間をここで過ごそう、と来店されたそうです。
雪で大変だと思うのですが、終始笑顔で明るく話されるその姿になんだかこっちが励まされたような・・・
「うちの近くにもこんなお店が欲しいわ」と会場へまた向われました。
「待ってる間にね」ってかんじで、あの明るい調子で娘さんにこのお店の事話されるのかな?
と思うと嬉しいですね。久しぶりの家族の再会の時間、女3人なんて話がとまらないんだろうな、楽しそう。

年に一度の楽しみ、といえばいつくかあるけれど、成人式もそのひとつ。
会場の公会堂がすぐそばなので、振袖姿の新成人さんたちが店の前を通り行く。
今年もきれいでしたよ。 お母様とお二人で本をお買い上げのお客さんもいらっしゃいました。
振袖のあのなんというか、ものすごいきらめきを間近で見て、感動しましたねー。
「綺麗」って漢字で言葉出てくるかんじ。

今日一番の私のツボだったのは、5歳の女の子の表情です。
ブラックジャックの話題の時に、クルッとこっちを向いて、
「アッチョンブリケ!」ってあの、両手をほっぺたに押さえる
ポーズをして見せたのです。もーーー、むちゃくちゃ可愛かった。
今こうして書いていても思わず笑顔満開になってしまうような、そんな表情でした。
彼女はチャーミングなはたちの女性になるでしょうね、きっと。


2006年1月7日 土曜日
「私も太宰治が好きで三鷹に暮らすことがずっと夢だった。
昨年思い切ってその夢を叶えたの」
というおばあさんが来られました。
「三鷹市下連雀」という住所に少女時代から憧れていて、
やっと叶えられた、と話されるそのおばあさんの頬が少し赤く染まって、
とても可愛らしかったです。
猫とふたり暮らし、とか、好きな本の話をされてるお姿が、
なんとなく森茉莉とだぶりました。
「元文学少女に間違いないな、というおばあさんの身につけているカーディガンと靴」
というのは、今の私のもっとも関心のあるテーマなのですが、
やっぱりこのおばあさんも素敵なカーディガンを着てらっしゃいました。
深い、とても深い緑の、裾が少し丸みがあるデザインのカーディガン。
なんとなく、黒猫を飼われているような気がしました。
黒猫って、子供時代に「縁起が悪い」とか刷り込まれた気がするけど、
実は見ると幸運が舞い込む、とか最近どっかで読んだ気がする。
朝見るといい、とかもいいますよね。
なんか最近気になるんですよね、黒猫。

故郷が弘前なんですよ、というお客さんが来店。
まともに太宰作品を読んだことはないけど、禅林寺にもう5回も行った、とのことで
「なんとなく太宰治とけやぐになったような気がしてるんですよ」と言われ、
「けやぐ、ですか?」とお聞きすると
地元では友達のことを「けやぐ」というんですよ、と説明してくださった。
太宰の文庫を2冊お買い上げになられた。もっとけやぐになられるかな?

お客さんから「3連休ですよね」と言われ、はじめてその事実に気がついた。
同時に、仕事初めの時に一番大事な事を行っていないことに気が付いた。
それは、カレンダーをめくること。
中原淳一の素敵なカレンダーをいただいていたのに、肝心なことは自分の背中に隠れていた。

ビリビリと破り、「あなたに内面の美しさが加わってこそ、はじめて美しい人なのです。」
という言葉とイラストが顔を出し、やっと今年が本格的に明けたような、そんな気になりました。
生活を愛する、そのテーマは、昨年よりはほんの少しだけど上向きになった気がしてる。
でもまだまだ。このカレンダーが全部めくれる頃、内面からの輝きが出ているような女性に
なれてるといいな、と。それを目標に前向きに頑張ります。


そのカレンダーです。表紙の「美しく生きる」を破った時の緊張感、心地よかった。

2006年1月6日 金曜日
今日はとーってもヒマでしたので、お正月の出来事などを書こうかと思います。
あまりテレビは見ることなく、とにかく掃除してた気がします。
anegoスペシャル、紅白、古畑(イチローの会)くらいかな、見たの。
いや、イチローがあんなに演技うまいとは・・・びっくりしました。
キレがやたらいいんですよね。安心して見られました。

おでかけは、2日に立川グランデュオの初売りと、
3日の夜から都内のホテルに一泊したので、その時に新宿と銀座で
バーゲン。あとは近所の八幡さんに初詣。その時に禅林寺にも立ち寄る。
それだけで、あとはずっとこもって掃除してたので、
メラニンスポンジ手に持ってないとなんとなく手持ち無沙汰・・って重症だな(笑)
でも店のトイレの手洗い場の黒ずみは、重曹一昼夜つけても、スポンジでこすっても、
家にあった洗剤でこすっても、とれないんですよね。
お客さんで掃除の達人っぽい人が来たら聞いてみよう。

泊まったホテルは東京タワーの近くのセレンスティホテル。
宿泊者専用のライブラリーカフェのようなスペースがあって、宿泊者は
フリードリンクでくつろげる、というのを耳にした時からずっと気になってたのです。
いやー、くつろいだくつろいだ。年始のひとりホテル、クセになりそうです、マジ。

まず芝公園駅で下車してから地上に上がるまで、ひとっこひとり遭遇しなかったんですよ。
これだけでもすごいと思いました。普段は東京メトロの駅なんて人がざわざわ居るじゃないですか。
ものすごい静かで、私の足音だけがカツカツ、と響いて、なんかもう女優のように歩いてましたもん。
「わーたーしーはー夢みーるシングルガール♪」
とか懐かしいユーミンの歌とか自然に口ぐさんでる自分がいた。こういう現象なんなんでしょうね?
多分CMのBGMだったので、そのビジュアル画像が脳のどこかに残っていて、
都会のビルの谷間を孤独に歩くイメージ、とかいうのは消えないんでしょうね。
以後強烈な上書き保存イメージが現れない限りは。ま、とにかく
前にも書いたけど、年始だけは静かになる東京の空気を思い切り吸い込んでみたかった、
っていうその願望は、ホテル到着前に叶ったわけです。

とてもきれいなホテルで、部屋もシンプル&清潔かつスタイリッシュ(とか言っちゃう?)
今日はテレビをつけずこのひとりきりの静かな空間を思いっきり満喫しよう、と思ったのに
なんとなくテレビをつけてしまいましたね・・・不合格。
お風呂では、バーゲンで50円になってたバラの入浴剤を入れて、ゆーっくりと。
ホテルでひとりの時って、裸で全身鏡の前で踊ったりしますよね?
そんなことを楽しみつつ、さっき伊勢丹で買ったばかりの靴を開けて、感触を楽しんだ
私は靴フェチなのでしょうか? まだ服着てないのに、靴だけ履いてみたりして。
買ったばかりの靴、ってなんて愛しいのでしょうね。
ハラコだからほんとに気持ちいいんですよ。撫でると反応してくれてるみたいなかんじ。

冬のバーゲンでなにか購入し、そのままホテルでそのものを心ゆくまで味わう、
これまじやみつきになりそう。年始恒例行事?「自分へのお年玉です」とか言って。
まあ夏と冬のバーゲンでしか本格的な買い物はしないので、それくらいいいかな。

本を読んだり手紙を書いたり、という当初の予定でしたが、シモンズ製のベッドがあまりに
気持ちよくて、うたた寝が本格寝になってしまいました。ぐっすり眠れて幸せ。
翌朝はビュッフェスタイルの朝食だったので、ばかすか食べました。
初出勤の人の流れを見ながら、あと1日、自分は自由なんだ、という気分で食べる朝食は最高。
ちょっとした都心のエアポケットのような時間を堪能しました。
自分へのご褒美の時間はこれにておしまい。あとはまた1年、しっかりと店の充実図らなきゃ!

 
これ東京タワーと思ってうっとり眺めてました。紛らわしすぎ(笑)     こっちがホンモノでした。増上寺からのショット。


冬のバーゲンでは服は買わず、靴2足と下着を買いました。靴はどちらもハラコ&リボン。こういうの大好き。
左はさっそく下ろしましたけど、少し大きくて厚い靴下はかないとダメ。ちなみにクリスマスに買ったアンゴラ靴下です。
右はtsumori chisato walkの靴。本命はサイズがなく断念。こちらは一番小さい22cmがあったので購入。
本当に可愛くて愛しい。靴に頬ずりする人の気持ちが初めてわかった(笑)


2006年1月5日 木曜日
あけましておめでとうございます。
今年もフォスフォレッセンスをよろしくお願いいたします。

ということで、新年明けまして営業第一日目です。
今年のお正月はお互いの実家へ帰ったり旅に出ることもなく、
東京でのんびりと過ごしました。大掃除は、結構計画的に行い、
お雑煮なども作りつつ充実した休みになったのではないか、と思います。
休み期間はこれくらいが丁度いいです。
最後の方になると、そろそろ働きたくなる、というか身体を動かしたくなるんですよね。
でも休みがなくても困る。普段働いてるからこそ、年に一度ゆっくり骨休みする時期、
として過ごす時間がとても貴重に感じられる。
大雪でそれどころじゃない人もたくさんいる事を考えると、普通に平和に年を越せた事が
なによりありがたく感じられる。いろんな事に感謝しながら一日一日を過ごす、
とかそんな当たり前の事が、歳をとるたびに重みが増えていくかんじがします。
というわけで、今年も平和に穏やかに、ますます愛される店となっていけたらな、と
強く願う気持ちでいっぱいです。

今年一番最初のお客さんは、スーツ姿のサラリーマンさん。
パスタ120g増量大盛り、のご注文だったので、なんだか出だしから幸先が良い気がしています。
うちのパスタは通常500円(パン・スープ付)なのですが、
もっと量が多くないとお腹いっぱいにならない(特に男性)、という声をいただいてから、
30g増量ごとに100円up、というふうにしたのです。時々利用していただいてます。
ついでに言うと、ベーコンとたまねぎのパスタ、ですがピーマンも入っているので、
嫌いな具抜きOK,ともメニューに書き添えています。
実際は、意外とピーマンを抜いてください、という方はまったくおらず、
ベーコン抜きでお願いします、という方が多いです。

話戻りまして、時々来ていただけるそのお客さん、
いつもパスタ120g増量、で村上春樹の本を読まれていて、
やっぱり村上春樹読むとパスタ食べたくなる、これジョーシキ(ふるっ!)
だよな、とひとりほくそえみながらじゃんじゃかとパスタを測りにかけているのですが、
さすがに120g増量、となるとお皿に満タン状態です。
でもそんな満タンなパスタが、数分後にはお皿の上には何も乗っかっていない、
きれいにたいらげてくれた、っていう、その当たり前の流れが、なんだかすごく気持ちよくて、
今年はきっといい年になる、その風を連れて来てくれたな、って思いました。

売上も、昨年よりうんと増量、だと良いな。ちゃんと努力してそれがカタチになって返ってくる、
というのは手ごたえがあるし、次のやりがいに繋がるので、このテンションキープで頑張ります。
今日一日、すごく嬉しかったですから。
単純に、お客さんが来てくれて、ここで私が応対する、この場所を心から大事に思えました。
休むと、大切な時間の過ごし方にも敏感になる事ができますね。という事で初日無事終了。




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