2007年5月31日 木曜日
ヘンな天気な月末。
曇ったと思ったら光が差し、すぐにまた真っ暗になったと思ったら
どしゃぶりの雨。

いよいよ梅雨の始まりでしょうか?
雨が降ると店はヒマになることが多くなるけど、
その分今日は一段分本の値下げを決行。
ついでに棚を拭いて、本も拭いて、

こういうふうに、今お客さんが来店されたら、
一気に片付けなくちゃいけない、という状況に
すると、お客さんは来店されるもの。
だから店にどんどん手を入れられるチャンスの時期、
と前向きに考えておこう。

明日から6月。ついにあの季節がまたやってくる。
トップページに桜桃忌ダザイヴェートの案内をアップしましたので、
興味のある方はイベントコーナーをご覧になってください。
参加してみたい、という方はご連絡くださいね。
よろしくお願いします。


2007年5月29日 火曜日
河瀬直美監督のグランプリのニュース、嬉しいですね。
カメラドールを獲った「萌えの朱雀」はとても好きな映画なので、
今度の「殯の森」もできれば観たいと思います。
奈良県の古書店主さんが主演、というのも
気になっています。
古書店主だけでなく、古書喫茶店主でもあるらしく、
今回の映画出演が俳優初体験、というのも後から
知り、驚きました。

つい先日、市原悦子のドラマでも、古書店主が登場、
と新聞のクローズアップの記事で見た。
このところちょっと注目?古書店主。


2007年5月28日 月曜日
古本市、たくさんの人が来られたそうで、なによりです。
うちからは小さな箱ひとつ分本を出したのですが売れて良かった。
こういうのは現場でムードを感じるのが一番だと思うので、
ブログでのレポは勿論、もし行かれた方が来店されたら話を聞くのを
楽しみにしています。

「カフェを始める人が読む本」でうちの店を知ったというお客さんがご来店。
いつかブックカフェプラスアルファのお店をお二人で開きたいそうです。
もう撤去しようかと迷っていた店の一角の雑貨コーナーにあった
ウエストポーチを買ってくださった!嬉しい!

「明星学園の出身なんですけど、校長先生から太宰の遺体を見つけた話
をよく聞きました」と教えていただいて、そういえばたしかそうだったよな・・・
用務員さんじゃなくて校長先生だったのか・・・と思い出した。
高校の国語の教科書で「パンドラの匣」が出てきたけれど、
難しすぎて苦痛な授業だった、とも。
メロスはよく教科書に載ってたようだけど、パンドラが出てきてたとは
知らなかったです。

そんな苦痛な授業の思い出があるにもかかわらず、
やはり太宰はちょっと気になるそうで、うちのお店にやってきたのも、
なんとなく縁があるのかな?と言われてました。

男性の方は哲学書が家にたんとある、あとまず資金を貯めることから
始めないと・・・とそこで私が「宝くじ買うのもいいかもですよ」と言うと、
なんと過去に高額の宝くじが当たったことがあるそうで!
「当たるコツはなんでしょう?」とすごくテンション上がりまくったのは
言うまでもありません。
宝くじが好きでよく売り場に通っていたそうです。
やはり何事も幸運を運ぶのは「好きなことを追求する」につきるのですかね。
「その強運さえあれば大丈夫じゃないですか?」とあまり深く考えずに
口走ってしまったら「アップダウンきつすぎるんです」って。
でも人生アップダウンきつい、最強ハッピーエピ持ち、哲学書愛読、
そんな店主さんのお店に行ってみたくなりますよ、との言葉に
柔らかな表情を見せてくださった。

このハイテンションな気分のまま、宝くじ買いにいこうかな


2007年5月26日 土曜日
昨日の雨模様とはうって変わって快晴。
おでかけ日和だったのではないでしょうか。
お父さんと娘さんがケーキを食べながら
文学の話をしている、みたいな和やかなシーンが
うちの店でも繰り広げられていました。

別冊ライトニングのコーヒーの本を見て、
ここに掲載されている都内の店を全部周るつもり、
という方も来店。
それ、わかる。私も最近、カフェの特集の雑誌を
読んでいて、ここに載っているお店、全部周りたい
って思ったところです。目新しいカフェが随分できてい
たんだなー、と。
でもそれを実際行動できるのが若さというものですね。
眩しかったです。

これからの時期、困った事は虫の多さ。
今日なんかドアが開いた一瞬で、グルグルとうずまき状の
小さな虫の大群がご入場されて、もう大変でした。
川のそばのお店だったらもっと大変なんでしょうね・・・

明日は高円寺の古本市の日です。
うちの店からも数冊出させていただいてます。
コネクシオンさんへのアクセス、イベント詳細については
サイトをご欄になってくださいね。


2007年5月25日 金曜日
1日中雨だった。
暑くなったと思ったら、また少し冷えるから
半袖に衣替えする決心がまだつかない。
初めて三鷹に来た13年前、6月19日桜桃忌、
大雨であまりに寒くて、たしかトレーナーを購入したんだった。
夏の前に梅雨を越さなくては。

雨の中、ガラス窓にあった「絵本のつくりかた」特集のみづえの
エリックカールの表紙が気になられたようで
すっぽりビニールをかぶせたベビーカーをしょって、
お客さんが来店された。
一旦、その本を選ばれてから、
「美しい敬語の使い方の本」をみつけられて
ちょっと迷った後、「今日はこっちにします」と敬語の本をご購入。
手紙の書き方もいいけれど、美しく話すことができたら、もっといいかも。
伝える、ということにこだわりを持つ、
これは人生折り返し地点からでもまだ間に合う。
ベビーカーの中の娘さんが最初照れてたのに、最後バイバイと
笑顔で手を振ってくれた。こういう時、今日はこれで晴れ。OK!
と思ってしまう。

文学中心の方針は変わらないけれど、
実用書の重み、求められ方というもの、
最近実感してきました。
やはりなんでも経験ですね。


2007年5月24日 木曜日
俵万智・荒木とよひさ共著の「恋文」を読んでいたら
最初の方に四季の詩とイラストの夏の表現で
「太宰治に魅せられた少年時代」という一行を発見。
前回の日記で、はしかについて書きましたが、
やはりしっくりくるのは太宰=若さ、青春の文学、
なのかな?と思ってみたり・・・

この季節、手紙を書くとしたら、
出だしには困らないようでいて、
なんとなく書き出しの言葉が浮かばなくて、
書いては消し、書いては消し、になってしまう。
五月病ってやつでしょうか?

そんな時には、往復書簡のような本が
ひたすら読みたくなるのです。
特定の人に宛てる手紙、返事が来る事を想定しての
文章のリズムを感じたくて。

「錦繍」は秋のイメージだし、
太宰の手紙はちょっと気持ちが別のところで入りすぎるし、
谷崎のも世界観ありすぎ。
そこで店にあったそのままズバリタイトルの「恋文」
を手にとってみました。
まだ冒頭だけど、気持ちのいい風の吹く午後にでも
続きを読んでみよう。



2007年5月22日 火曜日
太宰治の随筆で「紅鱒」というのがあったら読みたいんですが
とお客さんが来店。
たしかに太宰の資料に載っているので読めるもの
なのでしょうけど、読んだ記憶はなく、
店にある太宰本にはなかった。
おそらく全集にあるだろうから、また図書館でチェックしてみよう。

はしかが流行しているようですね。
実は私、はしかまだかかってないのです。
私の世代では多分珍しい方だと思う。
気をつけなければ。

よく「太宰ははしかみたいなもの」というけれど、
ならば大人になってからもはしかにかかりっぱなし、
これどうしようもない病、ってかんじ。
ワクチンを自ら拒んだようなこんな私の人生も、
これからどうなっていくのでしょうね


2007年5月21日 月曜日
昨日は京都の書店員時代のアルバイトさんが、
お店に来てくれた。
結婚して東京にこの春から住み始めたという。
久々の再会。懐かしく昔話に花が咲きました。
思えば従姉妹2人東京にいるし、関西時代の友人も
東京にけっこう住んでいる。
改めて心強さを感じました。

日本でいちばん狭い古本屋として有名な沖縄のとくふく堂
店主さんが来店。今東京に来られているようです。
「5月の東京はいいですね
街の中に緑がある、これが素晴らしい」と。
たしかに今日は新緑の緑の眩しさがピーク?ってかんじの
ちょっと暑いけどさわやかな日だった。
「沖縄だったら自然の宝庫では?」と思わず聞いてしまったのですが、
あるところにはすごくあるけれど、お店のある近辺には緑が少ない、と。
なるほど、そういうものか。

いつになったら光は見えるのか・・・なんて事も言い合いながらも、
とくふく堂さんは以前に来店いただいた時よりうんと成長されている。
日本でいちばん小さいブックカフェ、と「とくふく堂2」つまり支店を
オープンされたのです。沖縄ならでは?の冷たい飲み物が用意されている、
とのことで、飛行機と旅費と時間、体力さえクリアされたら
今すぐにでも行ってみたくなりましたよ。

「奥さんの協力のおかげ」という言葉に、思わず同志よ!と
打てば響くかのように「私もダンナのおかげなんです」
お互い感謝の気持ちを忘れずに頑張りましょう、と
励ましあうとなんだか元気が出てきましたよ。
緑は少ないといえどやはり沖縄。あの素晴らしい沖縄。
そのパワーをいただきました。
今夜は沖縄パインのヨーグルトドリンク、買って帰ろう♪


2007年5月19日 土曜日
「授業参観で子供と待ち合わせまでの間
ちょっと寄ってみました」というお客さんが来店。
以前に武蔵野に住まれていたけれど、今は川崎へ
引っ越してしまったそうです。

こっちに来るとほんとにホッとします。
と繰り返し言われてました。
こういう落ち着くお店もないので、今日は久しぶりに
ゆっくりコーヒーが飲めて良かった、と晴れやかな表情を
見せてくださった。

自分ではよくわからないけど、一番多くお客さんに言われる褒め言葉は
落ち着きますね、という言葉。すごく嬉しいです。
狭いと落ち着きがない、というのが一般論だと思うので、
この空間を心地よいと思ってくださる方がいらっしゃるのなら、
その雰囲気を損なわないようにしなければ。

新緑の緑眩しい今の時期は秋の紅葉と同様に
武蔵野の良さが引き立つ時期なのではないでしょうか。
多摩武蔵野育ちで、遠方へ越したというお客さんは
大樹がやはり落ち着く、とよく言われます。
三鷹通りの桜の木も時が経ち今より大きくなる頃にも、
このレンガのお店が風景に溶け込んでいると良いなー


2007年5月18日 金曜日
高円寺のコネクシオンの小池さんが来店され、
5月27日に行う古書店の合同古本市イベントの企画の説明をお聞きする。
店内にもチラシを貼りましたので、興味のある方は是非ご覧ください。

うちのお店と似たような雰囲気の小さなブックカフェも、
中央線沿線や下北沢などにできていたようです。
最近はあまりお店巡りできてなかったのですが
いつか行ってみたいです。
またここでも直前にイベント詳細をお知らせしますね。

小池さんも開口一番だったけど、最近久しく会う人ごとに、
「痩せましたね」と言われる。
それが美しい痩せ方ならいいんだけど、首のあたりがげっそりした
痩せ方なので、病気なんじゃないかとみんな心配される。
自分では体重や顔の変化はよくわからないんですよね。
でも元気にお店営業していますので、ご安心を。
お腹からへこんでくれたらいいのに・・・


2007年5月17日 木曜日
すごい雨がたくさん降ったと思ったら、
午後には晴れ間がさしてきて、
水溜りの中に新緑の葉が反射してきれいでした。

「ハナミズキ」の歌で3番の歌詞に
「母の日にはミズキの葉贈ってください」とあるけど
母の日はやっぱりカーネーションが主流のようですね。
三鷹通りの向かいに、ゲートボール場の広場があって、
柵のところに「ハナミズキ」とプレートをされた樹を散歩の時に
発見しました。でも、五月に咲くはずの花がひとつも咲いていない。
気になって時々歩いては、薄紅色の花を待っています。

フランス世紀末叢書の「死都ブリュージュ」をお買い上げのお客さん
に、このシリーズ全部揃えたらかっこいいですよね、と言われ
同シリーズの「責苦の庭」ミルボー著がすごくいいですよ、とお奨めされました。
なんでも究極のSM文学だそうで・・・読んでみたい。


2007年5月14日 月曜日
小さいお店というものはやはり万人受けするものでは
ない、と実感する。
私自身が通っていた喫茶店で、コーヒーを注文すると
ポコポコと、その滴が落ちている音、香り、を感じ
五感に染みてくるような気がしていた。
自分の店でも、その感覚を味わっていただければ、
と思っていた。

でも、その距離が近すぎると、心地良いだけのもの
ではすまされない現実がある。
冷蔵庫の音、なにかを作る時の音、ミキサーのような鈍い音、
食器のすれる音、敏感な方にとっては不快な思いをこの
店内でされた方もいらっしゃったのではないか、と想像する。
今日、食器の擦れる音を聞いて、そう思ったのです。

自分が外界の音や刺激に敏感になってからわかる。
身体が弱くなっても、それはひとつ今まで見えなかった事が
見えるという利点もある。
すべて自分に起こることは意味がある、と受け止めると
視界が広がる。
万人受けする店、ではない事、その諦めも大事。その分、
このお店を好きだと言ってくださる、落ち着く、と感じてくださる
お客さんがいる限り、ここでできる最大限の心地よさを目指して
いこうと思います。


2007年5月12日 土曜日
昨年結婚した友達が来てくれて、
ご主人の仕事の関係上、ずっと東京に居ると思う、
という話題をなにげなくした時に、じーんと染み入るような安心感に
包まれた。京都で学生時代を共に過ごした思い出のある友達が、
東京にいて、時々会えるという状況は心強い。
なんでだろう?今までも実感できる時間は十分にあったのだけど、
歳をとった事もあって、その状況に心底ホッとして
大丈夫だ、って思えた。

藤に縁がある素晴らしい今日この頃。
手拭いをプレゼントしてくれて、その藤の絵の意味を教えてくれた。



「い」を縦に10個並べて、「し」を貫くようにし、これで「いとしい」
浅草の手拭いの老舗「ふじ屋」でこちらを「いとし藤」というそうです。
いとしい、良い言葉。「好き」「愛してる」とはまた違う趣き。
手拭いの使い方をいまひとつよく理解できていない私は、
40すぎにして「粋」というものを勉強していきたいと思います。

ちょうど夕刊に「落語家の手ぬぐい」なんて記事が出ていた。
これから身に付けたい事が山ほどあるということは幸せな事、
大人の趣味の良さ、今は程遠いけどめざしますよ。
浅草を着物で歩く日、楽しみにしていよう。


2007年5月11日 金曜日
本日で41歳になったのです。
いやー、早めに来た更年期で体はガタガタですが、
気持ちはやる気パンパンなんですよ、これが。
健康に気をつけつつ、スローでも進んでいきたいな、と思っております。


とっても素敵な和のものをいただきました。藤の模様のブックカバー、
ノート、使うのがもったいない付箋、
きっと「これは!」と思った瞬間、ってとても貴重だと思うからこそ、
ちょっと素敵な付箋で止めると一層その瞬間が引き立つ。

今までの貧乏性のクセを捨てて、これからは
時間を大切にしたい。その時の跳ねた気持ちも。
正しい「もったいない」の精神を学ぼう。


バースデーケーキは、広島クラークシーゲルのいちごのボーノ。
ピンク色のチーズケーキってだけで!!なのに味も激ウマです!


2007年5月10日 木曜日
お客さんがお昼にパスタを食べにいらっしゃって、
今読んでいるという本、大崎梢著「配達あかずきん」を
お薦め!と語ってくださった。
本格書店ミステリだそうで、元書店員の私は興味津々。
ちらっと内容を説明していただいてなつかしいな、と思ったのが
本を発注する時の短冊という響き。誤字のせいで本来と違う本がやってきたり・・・
あるある。これは頷きながら読めそうだ。

今はネットで2,3日で本が到着する時代だけど、
本の注文から届くまで、って実際平均2,3週間かかったりするんですよね。
私が書店から去ったこの5年で変わったかもしれないけれど。

本屋さんがどんどんなくなる時代、だからこそ頑張りたいですね。
欲しい本を注文したらそりゃあ早く手に入るに越したことはないだろうけど、
街の本屋さんでしか得られないものがあるのなら、それを追求していきたいです。
古本屋だから確実に入る本の注文はできないけど、
「いつかもし入ったら」と言ってくださるお客さんに、絶妙なタイミングでお渡し
できたらいいな、と。


 
2007年5月8日 火曜日
そらあるき5号が入荷しました。
こちらが届く度に、金沢へ旅したい気持ちが高まる。
名古屋とか、金沢とか、これくらいのサイズの町への旅は
自分に合うようです。
といっても夏はやはり涼しい高原に行きたいんですよね。
GWも、旅行は行けないけど、雑誌の「深呼吸する旅」という特集号を
買って旅の気分だけ味わってました。

今日はたくさん本が入荷しました。
一冊一冊本を手にとりながら値段をつけていくこの瞬間が好き。
その中にあった「東京23区でてくちぶ 文・絵磯田和一 東京創元社」
をパラパラめくっていると、やめられなくなってしばし時を忘れました。
23区を散歩した気分。これも小旅行か。

特に心を惹かれたのが、西荻にある、店はないのに、看板だけ残っていた
もの。琴のような不思議なカタチをしていて、何屋さんだったのか想像できない。
ヒントは西荻、それだけでこの謎の看板を探し求めて散歩したいような、
そんな気分です。最近歩く事がとても好きなので。

遠くばかりに思いを馳せるのもいいけれど、身近なものもキャッチしていたい。
お店のまん前に可愛らしいスズランが咲いていました。



ちょっと前にアップしてたのは、スズランではないかもしれない・・・
こっちはきっとスズラン。このプリッとした丸みがいいですね。
思い出せば人生初の香水デビューは、たしかスズランの香りだった。
すごく香水に憧れていたので、入手した時は嬉しかった。
結局あまり身にはつけず、部屋で瓶を眺めてたり匂いを嗅いだりしただけだったような・・・


2007年5月7日 月曜日
GWも終わりました。この間はちょっと更新もお休みさせていただきました。
今日から日記再開です。

この連休を利用して、都内のブックカフェめぐりをされた方も
いらっしゃったみたいで、他店とうちの店の地図が入ったメモの忘れ物
がありました。うちの店の後にお店に向かおうとされていたのなら、
地図なしでたどりつけておられるといいのですが・・・

昨日の読売新聞にまたまた金沢のあうん堂さんが紹介されたようで、
お客さんにその記事をいただきました。
とても大きく写真が写っていて、ちょっとした迷路のようなつくりの店内、
木は木でもとても落ち着く、好きな色合いの茶色の本棚、
そこで本を探す人が写り込んでいたから、とてもいい写真になってましたね。
店内だけでももちろん雰囲気は伝わるんだけど、
ちょっとした小宇宙を遊泳しているような、人が愉しそうにしている姿は
よりブックカフェの魅力が伝わるように思う。
うちもそうだけど、目的買いよりは、本との出会いを楽しむ空間、という
かんじがしますね。

あるお客さんが、東京新聞の文芸欄が面白いから、
時々図書館にチェックしに行くんだよ、と言われていた。
私もこういう記事はとりこぼしたくないから真似しようかな。
図書館の新聞閲覧のあたりのソファーはなんとなく圧力を感じて
(常連さんがダーッと並んで座っている印象があって)
いたけど、きっとただの思い込みですな。今度行ってみよっと。


2007年4月30日 月曜日
暑かったですね・・・初夏の香りがしました。

サイクリストの方が初めてのご来店。
町田から秋葉原、そして三鷹、とすべて自転車移動だとか!すごいですね。
このお店は、友達から、「太宰ファンなら一度は絶対行くべき!」と
薦められたそうです。
「そのお友達はここに来店された事あるのですか?」とお聞きすると、
行った事ないそうで、理由は「こわいから」ですって(笑)

その方曰く「太宰はあったかい」そうで、
すごくその響きが嬉しかったです。
今日はすごく暑い日で、サイクリストさんがよく着てるスーツみたいなのを
身につけてられたのですが、
そのホットなスタイルで「太宰はあったかい」と言われると、言葉とは裏腹に、
スーッとなぜか涼しい風が通り過ぎたような気がしました。

お帰りになられる時に、サンバイザーをかぶられて、クルッと後ろを向いて
「頭、おかしくないですか?」と一言。
帽子の後ろのツバの部分に、髪がからまったりしておかしくなってないですか?
という意味で聞かれたと思うのですが、その可愛らしい?一言に萌え〜〜〜!!

今までのお客さんと店主、という口調からちょっとだけズレて、
男の子がお母さんに「おかしくなってない?」と聞くみたいな、
なんというか・・・女子ならわかりますよね?
こういうふとした瞬間に萌えてしまうのよー!みたいな感覚。

そんなわけで当店は全然怖くないので、お友達も是非ご来店ください。

いやー、いい歳してはしゃいでおりますね。
でもこういう瞬間もお店をやっている醍醐味ですからね、
日記に書いちゃいます!
そんなGWのスタート。明日は5月だ!


2007年4月28日 土曜日
GWですね。
新緑眩しい大好きな季節。
お店の前を通り行く人々も楽しそう。

今日はすごく沢山のお客さんが来店くださった。
売り上げもいい!幸せ〜

太宰が好きで、三鷹に引っ越してきたんです、という
私のようなお客さんがいらっしゃった。
でも下連雀ではないそうで、そこも私と同じ。
「いずれはお互い下連雀に住む事になったりするかもですね」
なんて会話をしました。

昨年のGWは、京都でスタートだった。
着物を母に着せてもらったんだった。
最高に良い結婚式&旅だったなー。
その時の新郎新婦には、今は可愛らしい赤ちゃんがいます。
時が流れる事に希望が湧いてくる気がします。

はー、また京都行きたい。
着物ももっともっと着たい。
がんばらねばー!


2007年4月27日 金曜日
お店のポストが壊れていて、隙間から手をつっこんで
中の新聞や手紙の類をとっていた。
今朝、なぜか壊れたはずのポストが開いていて、
中のとりこぼしていたものをとることができた。
お客さんからのお手紙、なぜか底につっかかってとれないでいて、
今日初めて読めた。すごくありがたかった。
愛店精神といっても、この空間に来てくださるお客さんの存在によってしか
支えられるものではない。私の想いだけでは、どんなに強い力でも成り立たない。
頑張れそうなパワーをいただけた。

そして、弱くなって受け取ることも多くある。
このまま親孝行を何ひとつすることなく果てるような事は決してあってはならない。
昨日、検査結果が悪くなかった事が嬉しくて、嬉しいついでに
「東京タワー」を観にいったんです。
今の私は画像からくるものに対して体が敏感に反応するので、
病室で抗がん剤投与の副作用に苦しむオカン役の樹木希林の演技がうまいほど、
まともに直視できず、そこから集中する事ができなかったんですよね。

でも親孝行したい、と思いましたね。
1日4万の入院費用を今自分が出せるか?って無理な話ですから。
もうちょっと頑張らなくては。まだ若く力が残ってる間にするべき事を
しておかないと後で後悔する事になる。
人はいつか死ぬ、ということをリアルに受け止められるようになってきたこの頃、
今という時間を大事にしなければ、と実感する。

小説の「東京タワー」を読んだ時に感じたすごく好きな場面が、
ちゃんと1シーンになってて嬉しかった。
オカンとオトンが仲良く買い物するのを、マーくんが遠目から見ている
シーン。そういうなんでもない日常の中の一瞬の光が好き、
ってこれ前にも書いた気がする。デジャブかな?


2007年4月26日 木曜日
昨日病院に検査に行ってきたのですが、心臓に異常はありません、
という結果でした。とりあえず安心です。

これは母とまったく同じパターンですね。
発作が起こって病院に行っても異常なし、と。
まだパニック障害が今ほど認知されていない時代だったし、
病院を点々としたりして、私以上に苦しんでいたのだろうな、と想像できます。
循環器センターに家族一緒にいって、長い長い順番待ちを
つきあった事を思い出しました。

先日も書きましたが、母がそういう症状が頻繁に出ていたのが40代前半、
50,60歳位になる頃は、発作は出なくなっていたので、
私も少し早めにきたパニック障害を伴う更年期障害みたいなもの?と
気楽に考えようかと思ってます。
それに何かに集中している昼間は大丈夫、ということなので、
とりあえず今のところ店にはまったく影響していないし。
夜中、動悸で目が覚めるのも、すっかり慣れてきましたし・・・
とにかくなるようになる、あまり難しく考えない、リラーックスリラックス、ですね。

病院の先生は、心電図を見てあまりに正常すぎるので全く問題ないと
思われたのか、体の事より、苗字にすごく反応されて、何度も
「珍しい名前だね、初めて目にしたよ」を繰り返されてました。
その様子からも、ほっとんど心配なし、のようです。
ご心配をおかけしましたが、大丈夫です。
このパニック障害、更年期障害、これらを完治していく様子をじっくりと
レポしていくような心持ちでいます。愛国精神という言葉があるのなら、
愛店精神、というものもあっても良い筈。
愛店精神療法で、完治してみせますとも!見守っていてくださったら、
ひじょうに心強いです。


2007年4月24日 火曜日
青森県のご出身だという女性の方からお電話をいただき、
もし桜桃忌の時にイベントのようなものがあるのなら、
津軽のたけとの再会のシーンを、実際に津軽訛りのことばで
朗読してみたいのですが、いいですか?と申し出てくださった。

お一人様10分程度の制限時間はご参加いただく方の人数によって
あるとは思いますが、是非お願いします、とお返事をすると、
小館善四郎さんにある太宰作品のモデルではないか?と
実際に尋ねられた時の反応など、太宰に纏わる思い出話などを聞かせていただき、
よろしかったら、朗読とそちらのエピソードなども混ぜてお聞かせいただければ
嬉しいです、とお答えし、また近くなりましたら改めて、と電話を切りました。

青森、特に津軽の言葉は、地元の人にしか伝えられないニュアンスが
あると思うので、それはとても聞いてみたい。
70歳の女性の方だったのですが、思い立って電話をかけてきて
くださる、その気持ちが嬉しいというか、津軽という作品の雄大さを
更に感じさせてもらえました。

雨が降った後、樹が濡れているあの匂いを嗅ぐと、
この季節が近づいてきているのを思い出す。
桜桃忌近くになりましたらまた正式発表しますが、
当日の夜、ダザイヴェートとしてこの日は作品を絞った読書会ではなく、
太宰の事を自由に語る会となります。
朗読でも、作品研究でも、なんでも自由ですので、
なにか発表したい方は10分未満くらいの内容で今から考えといて
いただければ、と思います。発表するようなものはないけれど、
質問だけ、とか好きな理由を語る、でもいいですし、
紙芝居(しつこいかな・・)などちょっと変化球ものも歓迎します。
桜桃忌当日昼の模様をレポしていただける、というのも大歓迎。
あ、その前には今までの未レポをまず私が完成せねば!


2007年4月23日 月曜日
人生の楽園の影響か?日曜日は結構お客さんが来店してくださって、
売り上げ良かった。あうん堂さんのおかげかもしれない。感謝感謝。

今日はサンジョルディの日。
朝、三鷹通りの花屋さんで小さな花束を買ってきてお店に飾りました。
先日いただいた花瓶に入れようとしてみたら、花束が小さいので、スポッと
全部埋まってしまう。そうだ、小さい花を入れる時があれば、とボディシャンプー
の空容器を持ってきてたんだ!と思い出し、水を入れて挿してみると、
ほどよいかんじ。「リンカラン」の雑誌の表紙に、スーパーなんかで
野菜が入っているようなプラスチック容器に穴を開けて草花を挿していたのを
見て閃き、持ってきておいて良かった。


ロクシタンのチェリームラッサムのボディシャンプーの容器に
花束を挿してみました。いいかんじにフィットしている。
右下に映っている絵本は「あらしのよるに」
本日開店の時、小学生くらいの男の子が、この絵本を見つけて
「ママ、あらしのよるにがあるよー」と言っている声が聞えた。
こういう些細な日常風景が、すごく嬉しくて私の心を支えている。

以前に、お客さんの詩が雑誌に掲載された、と日記に書いたと
思うのですが、そのお客さんがついに単行本を発行され、持って
きてくださいました。
(ポエトリージャパン発行「もう帰るところはありません」岡田すみれこ詩集)
と表紙にくっきり刻まれているその本を受け取り、実感がズシッとくる。

読ませていただいたのですが、私はすごく好きな詩です。
帯に書いてある、ある詩人の方の「確実に書き手の肉体に結びついて」
という言葉が同じくピッタリな感想。

思わず、失礼かもしれない、禁句かもしれない質問をしちゃいました。
「これって・・・実体験が元になっているのですか?」
そんな事詩人に聞いちゃいけないのですが、聞かずにはいられない、
激しいものに出会ってしまった時の衝動を感じましたよ。
久々に熱くなれる詩集に出会い、刺激を受けましたね。
サンジョルディの日に、いい本との出会い、
花の名の詩人であるお客さんの来店、
実に良き日でした。


2007年4月21日 土曜日
おととい金沢のあうん堂さんより、3周年のお知らせと、
21日にテレビ出演予定のメールをいただいていたので、
今日はそのテレビ番組を見なきゃ!と思っていたのです。
その番組とは18時からのテレビ朝日の番組「人生の楽園」。
この番組は過去に一度見たいことがある。
なるほど、あうん堂の本多さんご夫婦にはピッタリな番組、と納得。
その時間はお店の営業中なので、ビデオの録画をしようと準備、と

ところが、です。悲劇なのか喜劇なのか、うちのダンナが
ちょうどその18時からのアニメ番組「地球へ」をタイマー録画していた
のでした。忘れていた!スポーツ野球ニュースくらいしかテレビを
見ないダンナの唯一の録画番組。
彼はもうでかけてしまった後なので、相談もできない。
エイッ!と勝手にタイマー変更すると烈火のごとく怒りそう。
この約8年間(もうそんなになるんだー!驚き〜)一度もそんなふうには
怒ったことのない人だけど、ちょっと見てみたい気もする・・・M?

などの思いを必死に消し、やはり楽しみをとるのはダメだ、と
諦めたわけです。店にテレビはあるのですが、最近突然ハタ、と死んだ。
どうしよう・・・そこでハッと思い立ってニヤリ、
ワンセグ携帯に変えたことをすっかり忘れていた。
と説明書をかかえトライしてみたのだけど・・・
メカ音痴な私にはちょっと難航。そうしているうちに18時が迫ってくる。
きた、ボーンボーンと6回、18時の鐘。
やはりいい音だな〜、なんて切羽詰まったときほど余計な感慨に浸れるものですね。

やっと映ったー!と思ったらミュージックフェアの「エビリデエエエ〜」とジュピターが。
これは8CHだから10CHへ移動するのはどれを押すのだ?
とやっていくと><を押すとチャンネル移動できるよう。
なのになのに! 4CH、6CH、8CH、はスムースにいくのに、なぜか10CHに
飛ばない!どおなっているんだー!!とハイテンションになりながらも、
>を連打する頭の悪い私。 いつまでもジュピターが流れ、人生の楽園に
辿り着けない・・・まるで実生活の私?
いや、ジュピターに罪はない。大好きないい歌。
そう、ひとりじゃない、深い胸の奥で繋がっている。
とまた余計な思考が・・・あわわ・・・

ですがここで負けなかった!
説明書をもう一度、冷静に見た。頭を空っぽにして想像するんだ!
と思ったら出来た!
そう、現実にはチャンネルを合わすことのない、7CHや5CHにも合わせて
みればいいんだ、って。答えはそこにあった。

やっと本多さん夫妻の画面が出てきた時には、18時20分くらい?
でも、嬉しかったですよ。ほんとに素敵なお二人です。
そして金沢のお店、あうん堂を初めて立体的に拝見して、感動した。
センス良すぎませんか、白と茶色の素敵なお店。
行きたい思いでいっぱいに。
忘れていた、初めて金沢に行った時、一番気に入ったのは浅野川の界隈。
そして、東山への憧れの想い。
そんな場所に古本カフェがある。そこに自分がまだ行ってないなんて!

長々と書いてしまいましたが、少しでも見れて良かった。
人生の楽園、私も目指したいなー


2007年4月20日 金曜日
近所の八重桜が今きれいに咲いてるんですよ。
もしうちのお店まで三鷹通りを歩いてこられる方が
いらっしゃったら、警察の近くのこの桜をご存知の方は多いのでは?
花びらが大きい八重桜は大好き。嵐山のあの一本桜は元気かな。

昨年、お客さんが花びらの束をいくつもこのテーブルの上に置いていたよな、
と思っていたらそのお客さんがやってきた。
やはり今年も、ひとつだけど桜の束を手に。
「なーんか、落ちてると拾っちゃうんですよねー」って。わかるなー。

「やっぱりこの店は落ち着きます」という言葉がすごく嬉しくて。
いい店はいつくかあっても、禁煙の店って今少なくて、と。
お客さんのお住まいの街は古き良き喫茶店が多い事で有名なのですが、
意外とそういうお店で禁煙、ってないみたいです。

雑誌UOMOの専属モデル、アンドレがかっこいい!といいう話題で、
大変盛り上がりました(笑)
いい男話している時は、血圧が上がりながらも、
なんだか血が漲るようですごくパワーが溢れてくる。
結局私の元気の源は、そういう系のようで・・・
なんか長生きしそうな気がしてきた。自分でも。

穀雨か。
春も終わりだなー、
としみじみ、いただいた柏餅と桜餅をほおばるこの幸せよ


2007年4月19日 木曜日
やっと私にも保健証が届いた!
これで病院関係に行っても、「保健証持ってないんです・・・」と
うつむき加減で言わなくてもすむー。
と言ってられるのも今だけ?入ってなかった分の多額の請求がくる?
毎日ポストを開いてはビクビクしていますよ。

なんかやっと真人間になれる?というのと、
いや、太宰ファンならダメ人間で安アパートでしょ、という考えの
せめぎあい?みたいな。
私の場合、中途半端に新築マンションのモデルルーム見学して
ときめいてるようなとこあるから、ますますダメ度が加速するんでしょうね。

まあ、こーなったらこのダメな私がどうなっていくのか、
この東京砂漠生き残っていけるのか、ドキュメント形式で
見届けてもらいましょうか。
意外とシブトイのできっと大丈夫だと思いますけど。

いろいろと弱くなればなるほど、店への愛情は増す。
今が一番弱っていても、今が一番幸せと言い切れる。
だから益々頑張りますよ。
私は元気です。

お客さんから、辻原登は良い、と聞いて気になったら
ちょうど関連記事にでくわしてますます気になった。
今度読んでみよう。
そのお客さんの薦めるものは、なんか信用できるんです。自分に合うのかな。
アリス・マンローの「イラクサ」も前に薦められて、今図書館から
借りてるんです。とりあえず私の場合、期日まで返すのが目標だ。
3週間で読めないなら借りなきゃいいのに、っていつも思う。
まずそういう基本的なルーズさから直さなければ。


2007年4月16日 月曜日
表の100円均一本に、古いキネマ旬報の
別冊の映画人名事典などを10冊ほど出してみた。
もっと高い値段の価値ある本ですが、全体のヤケがかなりあり、
飲食をしながら読むには、ちょっと抵抗を感じる場合も
生じるのではないか、と決行。
古本とカフェの併設の場合、そのあたりも課題になる。

するとすぐに反応があって、
「これ明日とりに来るのでとっておいていただけますか?」と
一気に7冊持ってこられたお客さんがいらっしゃった。

続けて1冊持って来店されたおじいさん、
このお店は初めてのご来店。
「昔、映画の仕事してたもんで、懐かしくて」と。
コーヒーを飲まれながら、ポツリポツリ、と話される。
「実はノイローゼ気味でね」って。

レジ前までゆっくり来られ、小豆人形をひとつひとつ見つめられている。
小豆人形とは、マトリョーシカみたいな、作者さんの手作りの小さな人形です。
「いちばん、おっかない娘にしよう」
と、ひとつ選ばれて、お買い上げになられました。
この人形に反応してくださるのは、90%女性なので、ちょっと驚きました。
男の人は時に、叱ってくれる女が必要なのでしょうか?

あの小さなおっかない?人形が、おじいさんの話し相手になってくれていたらな。
そして、100円だけど映画の本、あれもずっと付き合っていけるものだと思う。
どうか元気だしてほしい。
弱くなった今だからこそ、切に願う。
またいつでも来てくれるといいんだけどな。

表のコーナーは初めてのお客さんが店に入ってくださるきっかけに
なる扉だから、これからもいろいろと考えを練ろう。


2007年4月14日 土曜日
夕方、風が気持ちいい〜、と表に出てみると、
緑の木々の葉が揺れる中、着物姿の美しい女性が近づいてきて、
わあー、絵になる。とみとれていたら、うちの店に向かってくるお客さんだった。
良いものを見させてもらった。
少し早い誕生日プレゼント、と可愛らしい花瓶までいただいて、
HAPPY指数が上昇。
「お店に入ってこれを見てすぐ、ピッタリだと思って」
といただいた花瓶は、自分で言うのもおこがましいのですが、
私チック。なんか可憐なんですよね。

ってこの歳で自分の事可憐って!
これで神経細かいわけがないですよね(笑)

パニック障害なのか不整脈なのか更年期障害なのかわかんないけど、
いろいろなものが来やすいのが40代〜50代。
60歳を超えた方が、「自分も40代の頃に更年期でいろいろ症状が
辛かったけど、60にもなるとケロッと治まるから安心して」と、
言われていた事を思い出した、と話してくださって、励まされました。
そういえば母もそのクチ。
私もなんとか乗り越えられそうな気がしてきました。

先日、早閉まいする事もあるかも、など書いてしまいましたが、
ちょっと自分に甘かったような気が。すっかり心細くなってたよう。
店にいる間はまず大丈夫なんです。
基本的に営業時間はちゃんと店にいますので、ご心配なく、です。
そういった気の迷いや、不安なども人間だから出てしまう事も、
そんな自分を反省する事も、押し込めずありのまま素直に書いていくつもりです。
記録というか、しるしというか、大きく言うと歴史、なのかな。


キュートでしょ、可憐でしょ、
水玉は永遠に好きなアイテム。きっと60になっても、好きでしょうね。


2007年4月13日 金曜日
こーいーしちゃったんだ♪きづいて〜
と、YUIの「CHE.RR.Y」が頭から離れず、何度も口ずさんでしまう・・・
こんな大人になっても、キュートなラブソングというものはいいものですね。
春はちょっとハイテンションにさせる、人を狂わせる。

お客さんと本の話などをしている時、とても気が紛れる。
「うちでは父親の本、というのがまず第一で、その本代だけは決して惜しまない、
そんなふうに家族が当たり前の感覚でずっときたのよ」と話してくださるお客さん。

映画の「パリ・ジュテーム」に、(妻の好きなハルキ・ムラカミ)みたいな
セリフが登場してたよ、と耳寄り情報を教えてくれるお客さん。
パリを舞台にしたちょっと小粋なムービー、
こういうのも私の好みなのですが、村上春樹がそんな風にサラッと出てくるなんて、
いいじゃないですか。
あと、モリミー(っていうの?)森見登美彦の「新釈走れメロス」が気になるね、とか。

本を持ってきていいですか?と来店されたお二人連れの女性の方が、
お帰りになられた後、ドアの外で
「こういうお店に引き取ってもらえたらいいよね」と話されてるのが聞えました。
嬉しかったですね。かなり。

歳をとって体力が落ちると、逆に本と向き合う時間は増えていくような気がする。
それはずいぶんといいことだ。
このお店でたくさん楽しみたい。楽しんでもらいたい。
これからも頑張るぞー!

テンション上げるには、音楽は一番ですね。
古いのも、新しいのも、音楽は良いな〜
ということで13日の金曜日、無事事なきを得ず終了。


2007年4月12日 木曜日
お客さんから、今年の三鷹市芸術文化センターでの「太宰を聴く」は、
あの俳優さんですよ、とお聞きし、どなたですか?とこちらも聞いてみたものの、
お互いに「あの、ほら、名前が出てこない・・・蒲田行進曲の、あの・・・」
と3分くらい記憶力ゲームのようなやりとりをして、すごく面白かったです。
いやー、歳いくとダメですね、と。そう、正解は風間杜夫さんです。思い出せました。
朗読作品は「弱者の糧」「酒の追憶」「朝」「桜桃」らしいです。
今年もあの季節が近づいてきましたね。

お客さんも心臓で手術した経験がおあり、ということで、三鷹の病院に
ついていろいろとお聞きする。
そのうちにふと思い出して、富栄さんの手記で「三鷹病院の前を通る」
というのがあったので、これって現在のどこの病院でしょう?という話題に
なりました。後でわざわざお調べくださってメールをいただいたのですが、
病院は開設が昭和23年以後なので、現在の三鷹病院は開設昭和32年
だからます違いますね、という事でした。
ちょっと気になるのでいつか調べてみます。

朝日新聞の「お宝発見」で太宰治も飲んだ?井戸水、という記事が最近ありました。
弘前大の井戸らしいですけど、「時代を超えて太宰とつながっていると思えば、
味わいも深まる」と〆てあって、飲みにいきたくなりました。
弘前の桜はもうすぐ咲くのかな?


2007年4月10日 火曜日
昨夜、夜中に具合が悪くなり、東京に来て初めて救急車に乗りました。
普通こういう事は伏せとくんでしょうけど、なんでもオープンに書いてきた
方なので、あと無理をせずにでも長く続けていきたいので、
いつものように書き綴りますね。
結果としてたしいた事はないんです。
後で母と話したんですけど、症状とかまったく同じなので、遺伝ですね。
母も40代の頃、何度か夜中に発作になって救急車で運ばれてたんです。
病院にいっても特に心臓に病はなく、パニック障害のようなもの、と診断
されていたようなので、おそらく私も同じだと思います。

最初救急車の車内は狭いので、これかえってパニクる・・・と焦ったのですが、
そんな苦しい思いの最中、もうひとりの自分?それとも神様?
内なる声が「大丈夫、なるようになる」と語り、それからは
私はかぼちゃの馬車に揺られてお城に運ばれてゆく、みたいなかんじで、
気持ちよくなりました。最悪でもエキサイトしている、これからどんな事が起こるの?
みたいな自分がいつも居る。これも精神的なドMなのでしょうかね?

今朝お金を払うために病院に行ったら、待合室にズラーッとお年寄りが座っていて、
ただ大画面テレビに映る「四国八十八箇所」お遍路さんのドキュメント映像を見ている。
この時確信しました。自分はもう人生の折り返し地点、
こちら側にとうとう来てしまったんだ、って。
でももし太宰なら、その映像を見ているお年寄りたちを観察して
作品ネタのこやしにするんだろうな、って思ってちょっと笑えてきた。
この病院の開設は昭和41年。私の心臓と同じ時間を経てきたんだ・・・

電車にも乗れ、良くなってると安心していた矢先にこれで、かなり落ち込んだ?
というとそうでもないんです。かえって肝が座ったというか。
うまくつきあっていくしかないですね。
私、過去に日記かコラムでアダルトチルドレン、とか書いてましたけど、
単に大人なのに心は子供の人の事をそう呼ぶのだと勘違いしてました(恥)
すいません。同じカミングアウトでも、パニック障害の方が正しいです。

母も昼間、集中している時はまずならない、夜中のみ、と言ってたので、
私も営業中は大丈夫だと思うのですが、もし昼間でも調子悪い時があれば、
無理せず休み休みでいくつもりです。なるべく早閉まいなどは避けたいのですが、
駅から遠いのに来て下さる人がいるかもしれないと思うと、頑張って開けとかなくちゃ!
とそればっかり考えるより、具合悪いまま応対してお金をいただくわけにはいかない
から、CLOSE って判断をとると思う。
すごく遠方から来店される場合とか、お電話いただけると確実かもしれません。
根性ないですね。でも根性なしの店主でも長く続けたいんだよなー、
この店は。自分の子供みたいなもんですからね。
過保護になりすぎるのもね。
だから店主失格でもいい。恥の多い人生上等。
努力しながらもありのままでい続けますから、
よかったらこれからもよろしくお願いします。ご来店を心よりお待ちしております。


2007年4月9日 月曜日
世田谷文学館の「ムットーニのからくり書物」が素晴らしかったんです。
招待券があったので、もったいない、行かねば、と意を決したかいがあったというもの。
芦花公園、何年ぶりだろう・・・
書店員時代に東京出張で、いとこの家に泊めてもらうために一度だけ、
過去に訪れたことがあって、その時にかなり気に入ってたので、
引っ越してから一度は行きたいと思っていたので良いきっかけになった。

駅周辺はあまり何もないのに、でかいマンションがあり、世田谷マダムが目の保養。
10年以上経って訪れても、全く印象は変わっていなかった。
「サンマルクカフェ」もまだあった!
当時、京都に住んでいたのに、誕生日にお食事割引券が送られてきて
なんとなく嬉しかった事を思い出した。アンケートかなんかに記入したのかな。

「山月記」や「猫町」、「夢十夜」などの文学作品を箱の中に閉じ込め、
光と人形と音が編み出す不思議な世界、行く前はあまり想像できなかった
のですが、実際良かったんですよ、とにかく。
「光」を理解している人だけが創り出せる世界。とにかく色がきれい。
ムットーニ氏(色っぽい素敵な方です)本人がその作品の前で迫力のある
朗読をしてくださって、いい体験しましたね。

で、パクリです(笑)
太宰作品もできるよなーって。勿論、こんな素晴らしいレベルは無理ですが。
文学作品を箱の中の世界に閉じ込めてみるという試み、
紙芝居だっていいんですよね。効果音バリバリのやつとかね。

例えば先日読書会でやった「ダス・ゲマイネ」の一部、
「私は、まっすぐに走り出した。歯医者。小鳥屋。甘栗屋。ベエカリイ。花屋。
街路樹。古本屋。洋館。走れ、電車(中略)ライト。爆音。星。葉。信号。風。あっ!」
のクライマックスの部分をやれないか、と。
いつかのダザイヴェートで自由発表できるといいな。
勿論、最後の「あっ!」に神経を100倍注ぎ込みますとも(笑)

ということで、どなたか太宰作品で自由になんか創作してみませんか?
桜桃忌ダザイヴェートで是非ご披露ください。
このダス・ゲマイネの閃いたアイデアのパクリでも歓迎。


帰り、駅前の雑貨屋さんで買い物するとバラ一輪もらえました。
文学館で購入したポストカードと一緒に記念撮影。
白いバラは、見てきた世界にピッタリだったので、なかなか完璧な日でした。


2007年4月7日 土曜日
嗅覚はどうだろうか。
このところ、今まで自転車でしか移動しなかった所が
近距離程度なら、歩くようにしているんです。
歩くのが健康にいいから、という単純な理由なんですけど、
これがほんとに心身ともにいいようです。
自転車で通り過ぎる時には気づかなかった、足元の草花、
この存在に気づいてからは、よく立ち止まって花の香りを楽しんだりしています。
この時期桜ばかりが目立って、上ばかり向いてしまうけれど、
三鷹通りのちょうど連雀通りに近いあたりに、スズランが咲いているのを
みつけて、なんて可憐なんだろう、と嬉しくなりました。



木に札がかかってあるハナミズキも発見しました。
歌詞で「五月のこと」とあるのを思い出して口ずさんだら、
やはり5月の頃に咲くようですね。
楽しみです。

今ボディシャンプーは、ロクシタンのチェリーブラッサム。
これがいい匂いなんですよ。ほんと。
なくなる頃、ちょうど薔薇の季節になりそうだから
次はビオリーブスのローズのボディシャンプーにしようかな。

花といえば、先日「366日誕生花の本」を巡ってお客さんと大爆笑しました。
366日分、1ページを使って花の名前、花言葉、花占い、などが載っていて
なかなかファンタジー溢れた良い本なのですが、
私の誕生花はりんごで、そのりんごのおまじない、というのが最高。
りんごの皮をむき、投げておちたりんごのむき皮の形が、結婚する相手の
頭文字を表します、とか
ローソクに火をつけて部屋に入り、鏡の前に座ってりんごを食べると、
未来のフィアンセが肩ごしに鏡に映る、とか・・・
ありえねええええ!ってかんじで大笑いしましたけど、
リラックスしたコミニュケーションをとる時に、こういう本っていいかもしれませんね。
占いって、マジになりすぎるよりラフに受けとめるととってもいいお薬かも。


お客さんが発見した花びらのハプニング。
ガラスに桜の花びらがくっついて、それが本の模様みたいに
デコレートしている。私が仕掛けた心憎い演出?に見えるかもしれませんが、
教えてくださるまで気づかなかった。自然とできた現象なのです。


2007年4月6日 金曜日
よく来てくださるおばあさまが、本棚の前で
文庫の夢野久作全集が並んでいるのをご覧になって、
「はあー、こういうの見ると若返るのよね〜」と実感を込めて一言。
名セリフだよな、と思いました。
まるで歌舞伎の名場面のような、長いためいき
(良性のためいき。そんなのあるのかな?)まじりのコブシの効いた一言だった。
80歳を超えておられる、とのことです。
司馬遼太郎の文庫本をお買い上げになられました。
知への探究心は視力の衰えよりも勝る。
たとえ双眼鏡を使いながら読むにせよ、そこまで手間をかけてでも、
まだまだ本を読みたい、という思いが胸を打つ。
1冊の本の可能性を無限大に感じさせられ、
こういう生のお言葉、お客さんに出会えるというのは、
「あ、本屋冥利につきるな〜、」と私も真似してコブシの効いた言い回しで一言。

字が小さくともそこには作者の宇宙が詰まっている。
私は最近歳をとるにつれ、歯がボロボロになっていくのを感じて
いますが、目は元が2.0だから、今でもあまり衰えを感じないんですよね。
本好きに与えられた運命としては、感謝すべき事なのでしょうね。

桜の花びらがはらはら舞い落ちるさまは、目の保養になりますね。
いつまでもこの窓から見ていたい。
あ、知らぬまに花粉症がましになっているような。
つい先週くらいまで、目が痒くてたまらなかったから。
春が終わるのも寂しいけど、良いこともある。
新緑が目に眩しい季節もすぐそこだ。


2007年4月5日 木曜日
春だから、という言葉は時に便利ですよね。
新しい事を始める時とか、きっかけが欲しい時には特に。
で、春だから髪を切って、電車に乗って、お花見して、映画を観に行きました。
しばらくひきこもり状態が続いたので、やりたい事を一日に詰め込みました。
これが春の陽気に溢れていたら完璧だったのに、お昼から(昨日の話です)
どしゃ降りの雨になるし・・・

でも来週のお休みにはもう桜も散ってるだろう、と思い、
雨の中桜を見て、美容院帰りのせっかくのセットも即効で崩れ、
靴の中はじわーっと湿っぽくて全然春っぽくないー、など感じていたけれど、
終わりよければすべて良し。
映画が私と相性が良かった。
観たのは、「ホリデイ」です!
細かい事を気にし始めたら、突っ込みどころ満載の内容でしたけど、
これはそういう事はおいといて、おとぎ話を見る感覚でとにかくハッピーな
気分になりたい、という視点で見たらすごく良かったですよ。

セリフが良かったし、キャメロン・ディアスとジュード・ロウってすごく絵になるし
相性抜群。「イルマーレ」の主演の2人も相性良いと思ったんだけど、
この2人は、前にスマスマの共演を見ていたので、輪をかけてよく見えたのかも。
キャメロン・ディアスのチャーミングさ、カルフォルニア育ちの太陽のような笑顔に
やられた。映画でも彼女の魅力がよく出てた。
ノーランズの曲がかかる彼女のソフトバンクのCMも大好きです。

昨日も書いたけれど、単純脳で良かった、と思うこともある。
見終ってハッピーになってからというもの、映画音楽が頭の中を延々と流れてる。
それは積み重なるブルーな感情を瞬時にピンクに上書きしていってくれる。
映画とは無関係なんだけど、マドンナの「ホリデイ」ばかり口ずさんだり、
ジョーズのテーマ、「バーバン♪」の2音だけが頭を離れなかったり・・・

とにかく中央線に乗れたんだから、電車恐怖症は克服できつつあります。
京王線で2駅、3駅、とリハビリしたかいあった。
美容院もクリア。映画館で2時間20分じっともしていられた。
完全復帰の日は近い?頑張ります。


2007年4月3日 火曜日
「ちょっと本を見せてくださいね」と、初老の男性が本日朝一番のお客様。
「私も文学は好きなんですけど、女房と子供がおりますので、
生活を支えていかなくちゃいけないんですよね。だから実業の方を
選びました。本当は文学にもっとのめりこみたかった。
でもこれで生きていくというのは、大変な事なんですよ。
そう思ってみると、太宰や安吾、火宅の人はすごいですよ。
真似したくても絶対できない。遠くで憧れているしかないわけです」

と、店内を1周した後に語ってくださって、
「申し訳ない、今日は図書館で本を借りたので、
ここで本を買うのは次の機会でもいいですか?」と。
「勿論ですよ。またどうぞ」と見送ったのですが、
余韻が残りましたねー。
本当にそう思って長年生きてきた人も声だからこそ。

いつもよりいい豆のコーヒーを挽いて、淹れて、
深く味わいました。この余韻を自分の喉の奥までも封じ込めたくて。

飲み終わってから、
「はー、やっぱり太宰さん、かっこいいわ」と誰にでもなく口にしてみたり。
女と心中、アル中薬中、玉川上水の水を汚した男、
それも勿論真実なのですが、ここまで文学に命を賭けられる人を、
今のところ他に誰ひとりとして知らない。
ほんと、惚れる。
だから、人が太宰の事を褒めてくれるような事を聞くと、
嬉しくて仕方なくて、身もだえするのを隠しきれない。

知らない幸せもある。
自分が単純・無垢で良かった、と思う。
そう思わなければやってられない、ってのもあるけれど。

春はテンションがちょっとおかしくなる時がある。
けどそれさえも楽しめてしまえたら。
人に迷惑さえかけなければ、ね。


2007年4月2日 月曜日
4月になりました。新しい年度の始まり。
春爛漫、と言いたいけど、ぐずついたお天気で、新社会人さんたちはちょっと残念だったかも。
花曇り、という言葉は好きなので、水墨画に淡いピンクを加えたような、
この時期独特の風景は嫌いじゃないですけどね。

読書会に参加いただいたお客さんから、その場ですぐ思い出せなかった件の
フォロー、ということでメールを頂きました。
太宰が「ダス・ゲマイネ」の執筆を行った船橋の旅館、割烹旅館 玉川についてです。
この旅館に実際宿泊されたことがあるそうです。
太宰がパビナールを買い求めた川奈部薬局や、「十五年間」に登場する
「夾竹桃」も実際見られたそうで、私も行ってみたくなりました。
サイトからゆかりのものや場所が大事に残されている写真を見ると嬉しくなって。
百日紅の木に触れてなにかを感じた私が、夾竹桃に触れないわけには
いかないだろう・・・と船橋・こころの旅、をしていました。
太宰が執筆に使った桔梗の間、いつか宿泊してみたい・・・

お客さんが読書会で、気になる事、として挙げていらっしゃった、
「三鷹下連雀」がダス・ゲマイネに登場している事も、気になります。
まだ三鷹に住むかなり前の話。三鷹に住む事は太宰にとって、
潜在意識にあったのでしょうか



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