2007年8月28日 火曜日
今年の夏休みはどうするか、直前まで悩んでいました。
例年夏の連休はひとり旅を計画、実行してきた。
今年も当然そうなる予定、の筈だったけど、
第一に体調の問題。そして勿論お金もない。
掃除三昧をとるか、強行旅の計画を練るか、
悩みに悩んだ末、やはり、旅をとってしまいました。
この連休を逃したら、もうあと1年は旅に出れそうにないし、
昨年も書いたと思うけど、たった一日だとしても、
自然の中で過ごせば、むしろ心身にとても良いのではないか、と。
土をたくさん踏みしめ、鳥の鳴き声で目覚めて森の中を散歩し、
地元のおいしい野菜を食す。今の自分にはそんな時間が必要な気がした。
車窓を見ながら頭を空っぽにしてぼーっとする時間、
それと神経のために温泉。いい温泉に入る時間が欲しい、と。

現実逃避と紙一重だけど、自然と過ごす時間が明日への活力に
なるのなら、いいじゃん、逃避ばんざい、みたいなかんじで
例のごとく青春18切符の旅をすることに決めた。

八ヶ岳に恋した、と昨年の日記に書きましたが、1年に1度の逢瀬を
また楽しんできました。結果、より愛は深まったような気がします。
勿論おもっきし片思いですけどね・・・
やっぱり夏は信州なんですよ。もう定番になりつつある。
太陽は輝き、青い空が広がっているのに風が爽やかで涼しい、
猛暑の夏にはこんな場所がいい。
なにより中央線で信州方面の電車は混む事は花火大会の
時やなにか行事がある時くらいで、鈍行でもたいがい座って
目的地まで到着できる、というのが決め手。

結果、旅立つ前の不安要素は要らぬ心配でした。
昨年は色々と失敗もあったけど、教訓を生かしてすべて順調な旅でした。
ちょっと順調すぎて物足りないくらい?いや、贅沢な事言っちゃいけませんね。
一度も不調や不安にならずに無事帰れて良かった。

昨年の旅が「八ヶ岳に恋して」なら、今年の旅は「蓼科に抱かれて」かな。
今回は蓼科高原中心に行動しました。
蓼科は3回目。人生初信州は蓼科だったので、特に印象強いんです。
あのビーナスラインを上がっていって、下界からどんどん離れていくのが
いいんですよね。

茅野駅までも車窓の風景を存分に楽しみました。
勝沼ぶどう園のあたりに来ると、「やってきたな」と実感します。
小淵沢で降りるともう空が東京と違う。おいしいんです、空気が。
ハイブリットな小海線に乗ってまた甲斐大泉まで
行ってみたい気持ちを抑えて、ふたたび中央線で進む。
富士見のあたりの風景がまた最高です。
山の稜線が目に優しい。

富士見で途中下車しました。「風立ちぬ」の舞台となった
サナトリウムに行きたかったんです。
たどりついたものの、普通の病院。見学できるところも
あることは後で知りました。
でもそこで時間をとらなかった分、素敵なカフェをみつけて
ケーキとコーヒーを。カフェプラトーというお店です。
「八ヶ岳ブランド」というコーヒーを飲んだらすごく美味しかった。

再び中央線で茅野駅下車。
今夜の宿のプチホテルカナールへ。
昨年に引き続き、出た!ひとりペンションか?
標高1400M。唐松林に囲まれた、とってもロマンチックなところです。
部屋の窓を開けると、ひんやりとした空気と、樹木の緑、
鳥のさえずりが聞こえ、この宿にして良かった、と思いました。
1日ぼーっとしていたいくらい、気持ちのいい空間でした。
ご主人は京都のご出身、しかも立命館出身とのことでびっくり。
とても親切にしていただき感謝です。
建物もとてもセンスが良く、散歩した時、少し靄がかかった中に
浮かぶホテルを外から見た時、風景にとてもマッチしていて見とれた。
私が絵を趣味にしていたら絶対スケッチしたと思う。
食事は地元の名産や自家菜園で育てた野菜、などとっても美味しかった。

近くの横谷温泉まで送迎があったので希望して、いいお湯にもつかれたし。
ここで宿に宿泊されているお二人の女性の方とお話ができた。
「一人旅です」というと、お二人声を揃えて「かっこいー!」
「青春18切符です」というとまたまた揃って「げんきー!」
というハーモニーが露天風呂に響いて最高に面白かったです。
一人旅がかっこいいなんて・・・とんでもないですよー。

こういう一人旅の時間の中で、人と話ししたりするのはすごく新鮮。
ビジネスホテルじゃちょっと味気ない気がする。場所によるけど。

こういうところって、夜が早い。お店も17時とか18時で終わる。
でもそれが自然なんだな、と気づく。
本当に部屋に帰ると20時台でももう眠くなる。
残念ながら星はあまり見えなかった。
星は昨年の甲斐大泉はすごかった。
場所だけでなくその日の天候にも関係するんでしょうね。
そして自然に抱かれて、眠る。

高原の楽しみは朝。自然光と鳥の鳴き声で目が覚めた。
窓を開けるとほんっとに気持ちいい。この気持ちよさは、都会では味わえない。
起きて散歩に出る。草を、土を踏みしめて、深呼吸して、
光を感じて・・・そう、この時間が欲しかった。
来て良かった、どうかこのみずみずしい全ての恵みを、
少し錆びれた身体の隅々に吸収できますように、
そう祈るような気持ちで緑の中をただ歩いた。

美味しい朝ごはんを食べて、そう、ここでもコーヒーがすごく美味しい。
信州は水が美味しいことも関係あるんだろうな。
出発が惜しかった。あと1時間、部屋で寝転がって、
ただ窓の外をぼんやり見ていたかった。
昨年の宿もそうだっただけど、またいつか泊まりたい宿でした。
「おもてなし」という事について学んだ気がする。

蓼科湖近くのホテルハイジのカフェでお茶。
見晴らしのいい丘にあって、山が見渡せる気持ちのいい場所。
ホテルの人の制服がチロリアン風ですごく可愛いんです。
ラウンドバスで下へ。遠回りで時間かかったけど、蓼科の色んなところ
見たかったから良かった。運転手は女性の方。
山道をぐるぐるまわって、まさに「蓼科に抱かれて」状態
(無理矢理感ありありですが・・)

名残惜しかったけど、またいつか来るよ、と中央線へ乗り込む。
そしてもう何回目でしょうか。小淵沢で降りてリゾナーレのブックカフェ
に行ってしまった。ここ好きなんだもん。
信州を18切符で旅するのなら、ちょうどいい最後の休憩場所なんです。
小淵沢を過ぎたら信州色は薄まるので、暗くなる前に
あと残りの信州を可能な限り味わいたくなるんですよね。
もっといろんな場所開拓すればいいのに。
ここが一人旅の限界というか、車がないと信州はいろんな場所に
行けないのがちょっとネック。
やっぱりたくさん本がある場所が、無意識に
ホッとする帰る場所なのでしょうか。
今度は遊歩道を時間をかけて歩くとか、トレッキングとかもしたいな。

一泊二日じゃちょっと短すぎる、と感じましたけど
今はそんあ贅沢できないのでこれでよし、です。
失敗したのは、デジカメを荷物になるから、と持参しなかった事。
写真ないとなんかダラダラとただ長くなった日記になってしまった感が
ありますが、こんな旅の報告でした。

旅の帰り道って憂鬱、とよく言いますけど
たしかに今回の旅の帰りはちょっとブルー入った。
今年になって崩れ始めたガタがまだ片付かなくて、
ヘタしたらガッタガタになっちゃいそうで、と不安だったけど。
結果少し元気になりました。
旅の帰りにブルーなのは当たり前だし、
また次回の旅に近づいてる、と思うと頑張れる。
普段の積み重ね、地道さがあってこそ、
旅の瞬間が輝く。

と、ここまで書いて。
ちょっと旅してまだ日が浅いからセンチになってるんちゃう?
と自分に鞭打つ。
メインはこっちやろ、って。
旅で得た、感じた事を昇華して、夏の終わりへ向けて
しゃんとします。

なげええええ・・・信州の涼を感じる画像がやっぱあれば良かったな〜
暑いのももうちょい。身体に気をつけながら8月最後の週を駆け抜けよう


2007年8月19日 日曜日
諏訪湖の花火を動画で見た。いつか実際に見てみたいな。
暑い暑い毎日だけど、昨日今日は少しマシかな、
とそんなかんじで前の日記から10日も過ぎてしまっていた。

花火って、近くに住んでる人はいいな。
私が三鷹に越したように、その土地の花火大会に惚れこんで
引越ししちゃった人とかいないかな。

お客さんから仕入れた本が、窓に飾ったら速攻売れて嬉しかった。
古いイタリア映画の原作本だったのだけど、
「この表紙の女優さんは○○といって・・・」とマメ知識を
教えてくださった。近所の帽子が似合うお洒落なおじさま。
本がかもし出すオーラ?何かに引き寄せられて目に留まったんだろうな。
こういう人の元へ流れていくのだな、と妙に納得がいく。
本がお客さんにとても似合っていたから。

今店頭に並んでいる雑誌「東京生活 調布三鷹特集」に
当店が掲載されています。写真が夜編の店内で、
昼とはまた違ったムーディなかんじ。
よかったら見てくださいね。
この記事を見て来てくださった方もチラホラ。
暑い中ありがとうございます。

明日からお仕事始めの方も多い中、
うちの店は3連休をいただきます。
23日(木)より通常営業いたしますので、
ご来店をお待ちしております。

ダルビッシュ有かっこいいけど私は黒田有が好きだな〜(ひとりごと)


2007年8月9日 木曜日
グッドタイミングで、7日の日記に書いた、
大阪でカフェ開業されたお客さんからお葉書をいただいた。
開運のふくろうのしあわせ三段重ねのイラストは
文字通り運気が上昇しそうで、開店早々ゲンをかついだ気分。
ここでお店の紹介をさせていただきますね。

「京阪電車樟葉駅から徒歩5分。枚方市町樟葉1丁目6−25寺山ビル203
10時33分〜18時30分 日または月お休み(9月からは変わるかも)
本とカフェ Benedetta (ベネデッタ) オーガニックコーヒーと手作りスィーツ、
本を読んだり、手紙を書いたり・・・ぜひ、ゆっくりいらしてください。」
とチラシに書いてあります。ランチも始めたそうです。
お近くの方は是非。私も樟葉に行くことがこの先あったら
SL見学ととこちらのお店に行ってみたいです。もち京阪電車でね。

初めてうちのお店に来店された時、もしカフェを開いたら、
お客さんに自分のお店でゆっくり過ごしてもらいたい、
と言われていた事を思い出しました。
頑張るというより大切に育ててゆきたいです。という言葉に
うんうん、と大きく頷く私なのでした。

物事の「はじまり」を見て感じることができるというのは
自分の開店の時を思い出すことができる。
お店にずっとあるノート、開店初日に来てくだった松浦さんの言葉、
「どんな小さなことでもはじまりに出会えるのはとびきりのことです。
この柔らかい空間をいつまでも」という文字をたった今読み直してきました。
支えとなるものがあるのは幸せな事。
私も育てていかなくちゃ。


2007年8月7日 火曜日
福岡で喫茶店を開業予定の方から励ましのお言葉をいただく。
福岡はとても行ってみたい場所。オープンされたら是非訪れてみたい。
サイトや書籍などで、うちのお店を知り、開業物語を読んで応援して
くださっている方や、実際お店に来てくださった方が何人かいらっしゃる。
初心を思い出すためにもその自分の足跡を今度読んでみるか。
ネット検索をしていて、たまたま自分の過去の営業日記にぶつかる
事があるのだけど、顔から火が出る思いになることもしばしば。
そしてまた反省の色一色に染まっていくのであります。

開業といえば、過去に「ブックカフェをしてみたい」とお店を訪問された
大阪の方が、念願叶ってお店をオープンされたという報告を受けたのでした。
その喜びとやる気がぎっしりと詰まったお便りを読み、
私もおおいに刺激を受けたのでした。
そこには「夢って叶うものなんですね」って書いてあった。
大阪も行かなくちゃ。実家があるからこっちは早く実現するかな。
そうだ、マジで私も初心に返ってみよう。

今日はお客さんと本の話なんかをたくさんできた。
おいしいチーズケーキのお店情報もお聞きしたので、近々チャリで行ってみよう。
そういえばオープン当初はいろんなお店に行きまくったんだった。
同じようには無理だけど、自然豊かな多摩をチェリで駆け抜けようか。
元気が出てきたー。結局甘いものLOVEなんですね。


2007年8月6日 月曜日
今日はスタートからお客さんの言葉に救われた。
お客さんも、調子がよくなくて、ある人に
「あがいちゃだめだよ」と言われたそうな。
その「あがいちゃだめ」という言葉をじっとかみしめていました。

今一番したい事は、プールであおむけになってただ浮かびたい。
目を閉じて、力を抜いて、音も封印されて、ただ「浮かぶ」
頭をからっぽにしてそうしていると「見えた!」ってかんじで、
答えが見つかりそうな気がする。探していた光をやっとつかんだ、みたいな。
焦っちゃだめなんですよね。

「このお店は大好きなので週一回くらい来たいんだけど、
あまり来れなくてごめんなさい」というお客さんからの一言もジワーッと染みた。
大好き、って言葉、これはかなり嬉しいですよ。

京都時代から仲良くさせていただいているお客さんが仕事帰りに寄って
くださって、そのキラキラしたオーラにも癒される。
白い日傘、薄めだけどきれいに塗られたオレンジのマニキュア、
そういえば私、最近おしゃれだとかそういうのすっかり縁遠くなってしまった。
自分と向き合う時間を大切にする事も女性としてはいくつになっても
忘れたくないものなのに。
ま、いっぺんにいくつものテンションを上げるのはそれこそ悪あがき
になっちゃうので、今はまず自分の健康とお店の事を第一に、頑張ろう。
今日はとにかくお客さんひとりひとりに元気をもらいました。
本当にありがとうございます。


2007年8月5日 日曜日 7
しばらかくは反省日記のような雰囲気になってしまうかも
しれませんが、どうぞお許しください。
すべての事に原因があるとするのなら、
この病は私の怠慢が引き起こしたものだと思う。
自分に厳しく出来なかった事を反省するために
与えられた試練のように思えてくる。
ダザイヴェートレポだって全くアップが進んでいないし、
こういうのは開催直後にやらないと意味がないものですよね。
そういった怠慢、引き延ばしがひとつ、またひとつ、
増えていってアメーバみたいいにつま先から頭のてっぺんまで
ダメダメ細胞にどんどん犯されていって・・・

とここまで書いて、「こりゃ店主さん鬱だな」と心配をおかけ
してしまうそうな予感が・・・
大丈夫です。気持ちはあるんです。
「やる気はあるけん カラダはついてこん」なんてCMが昔ありましたねー。
あのかんじですかね。
自分に起こることはすべて意味があるのだから、
ちゃんと受け止めて改善していかなくちゃ、と思っているんですけどね。
思うだけでなく行動しなきゃ意味がないですからね。
と毎日葛藤しながら時間が過ぎていく。
そして明日は必ずやってくる。

以前よく来てくれていたお客さんが久々来店。
今はお店の店長としてハードな日々を送っている、とのこと。
しばらく話してみて、この2年間でとても成長されたと感じて
嬉しかったです。同時に私も頑張らなきゃーって刺激になった

「村上春樹の世界の終わりってICUの事、とネットで見て
読んでみたくなったんだけどあります?」と聞かれて
残念ながら在庫はしてなかったのですが、気になる説です。
彼はICU出身なので、大沢のあたりの世界の終わりのような
林の様子ななんかもよく知ってるみたい。
今ではお店とか増えて開けてきて、便利になった分、
うっそうとした自然は消えていってるのが少し残念。
いつかあの辺りまで散歩に出かけてみよう。


2007年8月4日 土曜日
長らく日記をお休みさせていただきました。
ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。

今年は試練の年というか、体調を崩した事が
やはり大きいですね。
日記で愚痴みたいな事はあまり書きたくないと思って
長期間お休みしてしまいました。
体調が悪い、とか日記に書いているお店に
行く気になるか?と思うし。
でも以前からも事実を正直にお伝えしてきたので、
最初の壁を迎えたこともしっかり書いておこうと思いました。

先日も少し日記に書きましたが体調不良が続き
お客さんが来てくれるとすごく嬉しいのに、
今具合が悪くなったらどうしよう、とかマイナスな事を
考えてしまう事が多くなって、やはりそういうのって
伝わるもので、どんどんなにかが萎んでいき、これは危機かな、と。

まず健康を取り戻さなくては、と野菜ジュースや青汁などを
飲み、毎日体操するようにしました。
一時期よりはかなり調子を取り戻してきています。
お店は通常通り営業していますし、早閉まいなども
する事なく今日まできています。

ただ今まで当たり前に出来ていた事が難しくなったり、
本来の私がどこかに行ってしまったような状態で、
人生初めての危機かもしれません。大げさか(笑)
例えば呼吸ひとつとっても意識が前とは違う。

このお店はずっと続いていく、と一点も曇りもなく思っていた。
この間初めてやっていけないかもしれない、という考えが浮かびました。
単に以前の私が能天気すぎかもしれませんが。
健全な精神は健全な肉体に宿る、その言葉の重みを今痛感している。
逆に「病は気から」なら気を鍛えれば前向きになれるのではないか、とも。

あきらめたらそこで終わり。まだ初めての壁。
これを超えたら見えてくるものがある筈。
同時に今まで甘すぎた数々の事を反省するいい機会だと思って
取り組もうと思います。
日記更新もまだぼちぼちペースになると思いますが
復活させていきたいと思います。
体調管理も店主の仕事の重要な一部。
それを怠った時点で店主失格、と肝に銘じております。
またここでお知らせするのも甘えだと自覚しております。
ダメなりに、もがきながらも良い店にしていきたい。
これからもフォスフォレッセンスをよろしくお願いします。
6年目にしてまだまだ未熟者ですが、どうか末永く見守っていただけたら
嬉しい限りです。


2007年6月19日 火曜日
桜桃忌、今年も晴れでした。
恒例のさくらんぼを用意して開店しました。

おひとりめのお客さんは、昨年の桜桃忌の新聞記事を
持ってこられて、「やっと禅林寺とここのお店に来れました
良かった良かった」と繰り返される千葉から来られた男性の方。
暑い中、禅林寺からここまで歩いてきてくださったのが、ちょっと
大変だったのか、ふらっとされて思わず支える。
それでもお帰りになられる時は「やっと念願叶って」と明るい表情で、
来店くださったありがたみを痛感する。

禅林寺での様子を教えてくださったお客さんによると、
若い人が多くてびっくりした、とか自由発表は女性の発言が
多かった、らしいです。その後も太宰足跡めぐりの案内にずらーっと
たくさんの人がついていってたよ、とのこと。

桜桃忌ダザイヴェートでは、前に日記でも書いた、青森ご出身の方の
「津軽」の朗読が素晴らしかったです。
主にたけとの再会のシーンの部分だったのですが、
たけさんがそこにいるみたいな、「修っちゃ」とすぐそばの
太宰に呼びかけているみたいな、そんな空間が出来上がっていました。

声に出して読んでみて、聞いてみてはじめてわかる物語の温度
というものがあって、太宰は将来こうして朗読された時に、
目で読んだ時だけでは感じられない高揚感も計算して
この作品を創作したような気もしてきます。

桜桃忌ダザイヴェートのレポとしてまた詳しく書く予定です。
参加いただいた方のお話によると、遅くまで二次会でも
盛り上がられたようで。
桜桃忌の夜に太宰を語る会、心地よい緊張感に包まれながら
充実した時間でした。
ご来店いただいた皆様、ありがとうございます。


2007年6月14日 木曜日
昨日、13日は太宰が入水した日。
私も禅林寺に行ってきました。
人が誰もいなかったのでゆっくりできました。
都会の中のオアシスのような、
この場所が近くにあることは有難い。
強い風、揺れる木々の葉の音しか聞こえない、
静かな時間を過ごしました。

今日はさっそく月曜日に仕入れた本が売れて、
お客さんにとってはこの店にある本だけど、
店主側から見ると売ってくれた人、買ってくれた人のお顔が
わかるので、本好きな人から同じく本好きな人へと
本が流れていくさまがわかって面白い。
流通業はこの世にたくさんあるけれど、
目の前で本が流れていくのを見届けていく繰り返し、
これはわかりやすくて良いと思う。

雨だったけど本がたくさん売れて良い一日だった。
いよいよ入梅したようだけど、だからこそ本の出番?だと良いな


2007年6月12日 火曜日
和歌山県から以前に太宰の資料を送ってくださった方が、
この桜桃忌前のタイミングで再びダンボール一箱分
お送りくださった。
感謝の気持ちと同時に、こうして応援してくださる
方がいるのだから頑張らなくちゃ、とまた身が引きしまる。
ファイリングに少し時間がかかりそうですけど、
なるべく早く、来店くださる方に自由に閲覧していただける
状態にしますね。


時代ごと、関連ごと、ビニールで丁寧に小分けいただき、
太宰の文字のところには蛍光ラインが引かれている。
うちのお店が紹介されている記事も発見し、新鮮な気持ちに・・・


2007年6月11日 月曜日
お売りいただいた本で、
ポッと灯りがともった日。
「本を愛しなさい」という長田弘の本。
おすすめコーナーににアップしました。
本の手触りがまずすごくいい。
そのお客さんが持ってきてくださる本は、
すべて状態が良い。いつものこと。
本を大切に扱われているんだ、と身がひきしまる。
1冊1冊の本を丁寧に扱う、本には神様が宿っている、
そんな当たり前な事をつい忘れがちになってしまっていないか
自分に問う。

いつも良い本を持ってきてくださる。
こんな小さな古本屋だけど、応援してくれているんだ、
と思うと頑張らなきゃ、と力が湧く。

この本を読んでまた力が湧いた文章に出会った。
アンダスンと猫、という章で登場する、重い肺病を患って
最後には死んでしまった心意気のある女について
「人生を賭けてスッて、後悔しなかった。
宣せられた罰を人生の一部として受け入れて、よく耐えた」
というところ。

私も心意気ひとつで始めたような今の店。
でもぜんそく持ちになったり自律神経失調症になったり、
40代になってからもがいている。
でも決して後悔しないだろう、と。
すべて自分に起こったことは受け入れていこう、と思えた。
また良い本に巡り合えて良かった。
お客さんに感謝し、毎日を精一杯生きて、
本を愛します。


2007年6月9日 土曜日
『なぜ「いい人」は心を病むのか
PHP研究所発行 町沢静夫著』
で太宰の事に少し触れている。
太宰のようなボーダーラインに共通しているのは
母親に抱かれていない、という内容。
多額の借金を返さずにいたりアルコール中毒、心中、など
負のイメージオンパレードな太宰。
お店に来店された、生前の太宰を知っている、という
人に会えたと思ったら、「あまりいいイメージはない」の
お言葉。

お客さんに聞いたけれど、中央通りに斜陽のレリーフが
あるのも、亀井勝一郎と一緒だから実現したとか。
太宰単独では、無理だった、と。
まあそりゃ当然ですよね。玉川上水を汚した男、

でも時が経ち時代が変化しても、忘れ去られない男。
弱者に対しての優しさのまなざしは現代の人の心も打つ。
逃げているようで、ずっと戦い続けていた。
その戦かっていた部分に目をこらしていきたい。
肯定も否定も賞賛も嫌悪感も世紀をまたがって
人に影響を与え続ける太宰も今は安らかなのか・・・

私も今弱者だな、と実感している。
それでも戦わなくちゃいけない。
弱者と意識する事でより深く太宰を理解できるように
なればそれもまたマイナスの中のプラスなのか
わからないけど進んでいこう


2007年6月8日 金曜日
るま・ばぐーすさんのスタッフの方がご来店。
禅林寺のすぐそばの店舗から、中央通りへ
引越しされたのはこの春先だったか・・・
フェアトレードのお店をもう10年以上続けておられる。
すごいな〜、と思う。
うちも6年目だけど、1〜6よりも6〜10の方が
果てしなく遠く感じる。
先輩方を見習って頑張らなくちゃ。

2年前の桜桃忌の時にここに来店し、太宰を読んだみたら
面白くて、そこから井伏さんやら読書の世界が広がったので、
太宰は私にとって読書の恩人です、とおっしゃるお客さんは
世田谷から多摩に引越しされたとか。

多摩の自然の中での生活が慣れてから世田谷に行くと、
どうも落ち着かない、と多摩で暮らす良さを語ってくださった。
玉川上水の終点を見届けるお話を聞いたら私も実際目にしたくなった。
玉川上水沿いを自転車に乗って西へ西へとただ向かったら
そこにたどりつけるのでしょうか?
行けるようです。

上水沿いの小道は夏の盛りの日もそこだけ涼しい、
というゆーみんの古い歌を思い出した。
リアルタイムで聞いていた頃と違って、今は玉川上水の
風景が目に浮かぶ。終点は無理だとしても、いつか行けるとこまで
挑戦してみよう。立川くらいは行けるかな?


2007年6月7日 木曜日
水曜の朝方の夢に北村一輝さんが出てきた。
ドキドキしながらドラマ「バンビーノ」を見ました。
先日、新聞のインタビューで、
「スーパーとかで見かけたら声をかけて下さい。
普通に話しちゃいますから」と答えていた北村さん。
ますます好きになっちゃいました。
あれだけドラマ好きだった私も、今クールはたまに
バンビーノ見るくらい。テレビが壊れかけ、っていういのも
あるけれど。

店のミニテレビは前触れもなく、ハタ、と壊れた。
あれはかなりショックでした。
特にテレビみたいな静と動がハッキリした世界、
壊れたらただの黒い箱なんですよね。
その点本は永遠に壊れない。
だからこその取り扱い注意というか、ある意味生ものかと。

ある雑誌を見た時に、ここに載っているお方は、うちにいらっしゃるお客さん
じゃないかな?と思ったことがあったのだけど、やはりそうらしい。
前に展示会の案内をいただいたことがあって、
「デザイナーさんなのですか?」とお聞きすると
名刺をくださって、作品なども見ることができた。
ベイビー用品とか可愛らしくて、ひとつひとつの作品を
見ていると、こういうのも永遠の世界だよな、と思った。
今までこの店で買ってくださった本や、コーヒーを飲みながら
過ごす時間などが、少しでも創作のヒントにつながっていたら
とても嬉しく思います。
コーヒーカップの刺繍にはなんか刺激を受けたな〜。
私も店用になにか手作りしたくなったりして。



2007年6月5日 火曜日
お客さんが毎年桜桃忌の時期に行われる
太宰関連の演劇のチラシを持ってきてくださった。
人間ハート失格。なかなかインパクトのある
チラシですね。お客さん曰く、注目されている
若手主宰者が率いる劇団、とのことです。面白そう。
詳細は三鷹芸術センター星のホール



もう終わってしまったけれど、明治大学の市民講座で
太宰治について前五回で講義が行われていた
パンフレットも見せてくださった。
三鷹での太宰について、など興味深い内容。
たしか受講していた、というお客さんがいらっしゃった。
来店されたら内容をお聞きしてみよう。


2007年6月4日 月曜日
「嫌われ松子の一生」のコミック版を
読んでみました。だいたい原作どおり、映画どおりの
あらすじで、勿論「太宰治」という単語も何度か登場します。
松子が三鷹にやってきて玉川上水の水のなさに驚くところもあります。

映画のセリフは原作・コミックと当然違っているところもあって、
私が好きなセリフのところが映画にはなかった。

綾乃が店を辞める時、仙台に帰って小料理屋を始める事を
松子に告げるシーン。
映画では「小料理屋でも始めるさ」というセリフのみだったように
記憶していますが、原作・コミックではその後、
稼ぎは小さいけど息の長い商売ができる、おばあさんになっても
続けられたら素敵だと思う、と綾乃は説明しているのです。
それに対して松子が「そういうのすごくいいよ」と答えている。
ここ、好きだな。
私も稼ぎは少ないけど、息が長く続けていけたらどんなにいいか
おばあさんになっても・・・
夢ですね。叶うといいな

2007年6月2日 土曜日
いい天気で、お店も忙しくベストな土曜日。
週末はこうでなくちゃ、な1日。
向かいの中学で運動会をしていたようで、
ZARDの「負けないで」が何度もかかっていて
ちょっと切なかったです。

遠方の奈良県から旅行のついでに来てくださったお客さんとの
時間は、まるで漫才を聞いているようですごく楽しかったです。
久々に関西弁のリズムが心地よく身に染み込んだ。
日曜日に禅林寺など太宰文学の足跡巡りをされるようで、
置いてある「三鷹太宰マップ」がお役に立ててればいいな。

「やはり来店される方は太宰ファンばかりなんですか?」
「いえいえそんな事はないですよ」とお答えすると
ちょうど隣の席にいらっしゃったお客さんが
「僕はコーヒーが美味しいから来てます」
と言ってくださって、かなり嬉しかったです。
そしたら「じゃあコーヒー追加しよう」ということになって
まさに鶴の一声!でした。

あと「太宰の評伝なんかでおすすめの本ありますか?」
と質問を受け、2,3冊ご紹介したのですが、
お隣にいらっしゃったお客さんが帰り際に
「武蔵野心中がおすすめです」というまたもや鶴の一声に
お買い上げの本が決定。
なんだか清々しい、気持ちの良い流れでしたね。
新しい月の皮切りがいいかんじできてるので、
このまま調子いい時が少しでも長く持続しますように〜


2007年6月1日 金曜日
6月になりました。                                          
あじさいが道端でぽつぽつ見られますね。
うちの店のすぐ隣の自動販売機の横に、
縦に突き出るように咲いている白いあじさいが
目だっています。



太宰関連のイベントも日が迫ってきたようで、
芸術センターでの「太宰を聴く」ももう来週。
チケットをゲットした、というお客さんが来店されました。
コミュニティセンターでの市民が読む太宰作品朗読会も、
例年どおり開催されるようですね。
このところ晴れが続いている19日ですが、
今年の空模様はどうでしょうね?

白洲次郎風なダンディなお客さんが来店され、
富士山の写真集を購入された。
レジを終えた後、じっと太宰コーナーの前に佇まれる姿も絵になる。
「太宰は実は全部読んだんですよ。一度だけでなく何度も読み返しました。
懐かしいです」とポツリと一言。
「どの作品がお好きですか?」とお聞きすると
「やっぱり斜陽と人間失格かな」と。

現在の読書はもっぱら歴史小説ばかり、とのことですが、
この店に入ってみたことで、なにか懐かしさを感じられたのなら嬉しいです。
あとひとつ学んだ事。
いい男は姿勢がいいとよりいい男度が上がる。
太宰は長身でも猫背気味だったような印象があるけれど・・・どうなんだろ?
長身でスタイルが良い人がしゃんと背筋が伸びていると素晴らしい。
太宰棚の前の立ち姿が今でも目に浮かびます。
時間が止まったみたいにみとれました。
私も姿勢に気をつけよーっと。と今伸びてみたらなんか気分もしゃんとしてきた。
この調子で



inserted by FC2 system