2008年12月31日 1:32:55 AM
年内最後の営業日。
しかし大掃除をしていると、もう日付が変わってしまいました。
やばい、日記を後回しにしていたらこんな時間に!って慌てて書いております。

終わりよければすべて良し
なんて心境で一年を終えられるのはいつの事なのでしょう。
今年も達成感よりも反省の量の方が上回ってしまった。
そんな事ばかり考えていた今日だけど、
本を手にとりながら笑い声の絶えないお客さんたちが、
本当に楽しそうにしていて、
それでも確実に時間が流れ歴史を創っている、
ここで思い出がどんどん重なっている、私にとっても、お客さんにとっても、
と思えたらなんだか救われる気がした。

普段忙しくて来れないけれど連休だから前から気になってた店に寄ってみた、
というかんじの初めて来店されるお客さんがこのところチラホラとお見えになる。
山登りが趣味だというお客さんは、
「このお店が好きな人は絶対気に入るヒュッテが信州八島湿原にあるよ」
と教えてくれた。
池澤夏樹の本はありますか?と尋ねて来られた
翻訳をしているというロシア人の男性は、このお店の雰囲気がいい、とたいそう誉めてくださる。
自転車が趣味で小石川植物園まで走った帰りに寄ってくださって
「先週初めて来たんですけどコーヒーが美味しかったのでまた寄ってみました」という方、
最近週末によく来てくださるお客さんが、電話がかかってきたお相手さんに答えられた
「今?好きなカフェに来てる」という一言、
そして常連のお客さんたちの「良いお年を」
数々の温かい言葉が積み重なり、この空間に見えない層を成す。
私はこの空間をもっと大事にしなければ。また、ここに助けられているんだな、と実感する。

太宰治の生涯が週刊モーニングで新連載、のニュースが話題になりましたが、
作者の楠木あるとさんは過去の桜桃忌ダザイヴェートに来てくださった方。
レポにも書きましたが、その時からいつか太宰を漫画に、と言われていました。
現実になったんだ、と思うと「やった!」と思わず声を上げたくらい嬉しかったです。
元々週刊モーニングは唯一愛読している漫画雑誌なので、スタートが楽しみです。
この場所での短かい時間が少しでも有意義なものになれていたら幸いです。

雑誌を読んでいたら岩井俊二監督のイタンビューがあって、
文章の一番上手い人に太宰を挙げられてました。特に「桜桃」。
うろ覚えなのですが、漱石・鴎外・芥川・三島もたどりつけなかったものに
太宰は到達している、というような事が書いてありました。
太宰文学は最新のカーナビだとか、日本のライ麦畑だとか
とにかく面白い視点で斬新な評でした。ハーパーズバザー日本版という雑誌です。

もうすぐ1時30分です。そろそろ帰ります。
年内にこれをします!なんて宣言した事でまだ出来てない事が多々ありますね。
とにかくきちんとできない自分の性格を少しでも治していかねば、と毎回大人げないですが
今一番考えていることだからちゃんと記しておきますね。
だってまだ年賀状も1枚も用意していないんですよ。
全部ギリギリ。来年の今頃はもう少し余裕のある人になっていたいですね、ほんとに。

今年もあと1日か・・・
ここで出会ったたくさんのお客さんたち、本当にありがとうございました。
皆様のおかげで私が立てています。
2009年はやっと長いしんどい波から抜け出せる、ブレイクの年(占いによると?)らしいのですが
そうなってもそうならなくとも元気で逞しく頑張って時間を重ねていこうと思います。
どうかあたたかく見守っていけたら・・・よろしくお願いします。
では、良いお年をお迎えください。
新年は2009年1月5日(月)より、通常営業いたします。お待ちしております。



2008年12月23日
早いものであと1週間で今年の営業も終わり。
今店内はクリスマスの飾りつけ仕様になっています。
明日はクリスマスイブなんだ・・・なんか実感がないですね。
イブにお休みなんて次はいつくるかわからないのに
いまいちありがたみを感じていない。

25日が休みだったら早起きしてでも、割引クリスマスケーキを求めるツアーに
出かけられられるのに・・・なんて考えてしまう。
年に一度くらいはホールのケーキを買いたいものです。
いやらしいハナシなんですが、この時期お店でクリスマスケーキを見かけると
賞味期限のチェックをしてしまいます。で、25日午前11時、とかになっていると
その日の午前9時頃に行くと半額かラッキーだと7割引とかになってる事が稀にある。
でも割引されていたとしてもホールですから高め。
そこでもっと安くなってるところはないか、とひたすらジプシー、
婚活、就活、みたいなノリでケー活、といったところか。
まあせっかくのイブの休みですから、イルミのひとつくらいは見たいかな。
ケーキは25日まではぐっと我慢の子、であります。

三鷹太宰の会作成の三鷹太宰MAPがリニューアルしました。

横向きですいません。今までは無料でお配りしていましたが、以後有料となりますので
よろしくお願いします。380円プラス税で399円で販売しております。
カラーになって生まれ変わりました。
見本のパネルもございますので見てくださいね。

お客さんから、北村想の「怪人二重面相・伝」のパートUで太宰が登場しますよ、
と教えていただきました。目を通してみると、なかなか面白い登場の仕方です。
今うちに在庫ありますよ〜

お客さんとの最近の話題はやはり、今年ももう終わりですね、ってこと。
来年の手帳をもう買ったんですよ、と見せてくれた人もいた。
私はまだ買っていない。
この前ロフトに行ったので手帳コーナーに行ってみたけど、どれも高くて。
それこそケーキでないけど、年明けてからの割引を狙おうかな。
4年連続くらいで使っている亜土ちゃんシリーズを、今年は思い切って
変えようかな、って思ってる。
気に入ってないのではなくて、もうちょっと来年はピシッ!とした人になりたくて。
今年もゆるっ、ってかんじの自分のままだったので、
なんでこんなに私って意志弱いんだろう、って考えてて
そこをなんとかしたい。で、手帳を一新してみようと。
四隅が角ばってて、それでいて色は柔らかで、っていうのが欲しい。
来年の手帳はちょっと丁寧に選んでみようかな、って思ってる。
月の満ち欠けカレンダーも載ってたら最高なんだけどな。
占いによると来年はやっとの赤字を抜け出せる、後半ブレイクする、らしいから(笑)
占いを鵜呑みにはしないけど大好き。大抵本や文章好きでしょ?って出るし。それ当たってるし。

先日、お客さんからやまだないとさんの話題が出たので、
お店にあって気になっていた「コーヒーアンドシガレット」を読んでみました。

そのラストシーンでの主人公のセリフが、
「恋人でも夫でもないのかもしれない
でも・・・たったひとり
わたし以外にわたしのことを見ていてくれる人
わたしが好きなもの わたしが見たもの選んだこと
わたしのことを誰かに証明してくれる人がいて欲しいなって・・・。」
とあって、すごいわかるー、そうそう、って共感しました。

だから手帳や日記を書くんだろうな、と思う。しるしを付ける、ということの繰り返し。
PCもいいけど、紙に向かって書くのがいいと思う。
誰かに見つかっても読めないくらい私字が汚いんですけど、
歳とった時に読み返す為に、もう少し読める字を今後は書こうと思う。

次の営業日はクリスマス。この日が終わると飾り付けをとらなくてはいけない、
その時間を想像するとちょっと淋しくなりますが、
良い1日になる事を願います。良かったらご来店くださいね。



2008年12月15日 月曜日
スカッと晴れましたね。
夕方には道路の前の校舎がピンク色に染まって、
お客さんときれいねー、としばらく見つめていました。
「私は30年このへんに住んでるけど、昔はここから三鷹駅が見えたのよ」
という言葉に驚愕。ここから三鷹駅が見えるってそれはすごいですよ!

着物姿のご婦人がお二人、ご来店。弘前から来られたそうです。
店内に入るなり、「いいわねー」を連発してくださる。
「太宰さん幸せ者ね」なんて言葉まで飛び出して・・・
たまにここをベタ誉めしてくださる方っていらっしゃるけど、
やっぱり嬉しいものですね。

お話してわかったのですが、4年前に青森からハガキが届いたその送り主さんだった。
そのハガキはたしかに消印がHIROSAKIだった。太宰治から届いたような内容で、
時にお客さんと「粋な事する人いるね〜」と話題にしたものでした。
ずっとこのお店に来たいと思ってくださっていたということで、
なんだかハガキの事もあり初めて会った気がしなかった。

1枚のハガキには「小説「津軽」の旅 深浦へ来ています。
太宰治が葉書を投函した場所からお送りいたします」と
太宰の写真と共に印刷されてあるのですが、
その投函先である深浦の素晴らしさを説明していただきました。
目の前に日本海が広がっているそうで、私もいつかそこへ行って
お店宛にハガキを出したい、なんて思いました。

「青森にいらっしゃった時に津島佑子さんの講演を聞いたのだけど、
実はずっと父の事はわだかまりがあった、でも今はとても愛された人なのだと
やっと許せるようになった、と言われていてこのお店の事を思い出していたのよ」
と聞いてなんだか胸が熱くなりました。

トーキ・ナトというアイヌの神話の絵本をお書きになったので、
その本を持ってこようかと思った、と聞いて読んでみたいと思いました。
絵本についてネットで調べていたら、
佑子さんは子供の頃から民話やこわい話が好きだった、これはやはり
太宰治の血ではないか、という文章にも出会った。

なにもかも、続いていく。
最近いろんな人と話して学んだことがある。
お店の在り方として、もっと長い目で何が出来るのか考えるということ。
この短い1日も続いていく。その積み重ね。
太宰に負けないくらいに愛されるお店になりたい。
この街角のシルエットとして、よりくっきりと当たり前の存在になっていきたい。

明日明後日は今年最後の連休をいただきます。
充電して、木曜日からまたお店でお待ちしております。


2008年12月13日 土曜日
フォス夫くんの手に持っていたミニ本がなぜか紛失して途方にくれていたところ、
救世主というか製作者の方が来てくださって、また新たに本も造ってくださったんです。
前にもここで紹介した書店員時代の仲間です。
ブログhonnohonnoでも本や音楽の紹介をされています。

  
本を抱えてこその彼。今度の太宰本も実によく出来てます。  ちゃんと中身に文章もあるんです。

今度こそ失わないように大切にします。
今回は実は本屋を開きたいので色々聞かせてください、と一緒に経営したいという方と
いらっしゃったんです。廃校跡地再生プロジェクトとして元池尻中学校が生まれ変わった
「世田谷ものづくり学校」のブックコンシェルジェコースで学ばれたということで、
とても魅力的な計画書を拝見し、面白い本屋が出来そうだと思った。
本が好きなだけでなく、書店や流通業界での経験を積んでらっしゃる方の集まりという点にも
可能性を感じました。うちよりもう少し規模が大きい本屋の方が例には良いと思いましたが、
できる限り参考になるようにご質問にお答えしました。

本を読む事がカルチャーとしてもっと上のレベルに押し上げたい、という姿勢が
こちらも学ばせてもらったというか、初心に戻ったというか・・・
営業でお金をいただいて自分が食っていく、という自己満足な目的だけではなく、
世の中に対して何ができるか、という意識。ひとつの店を長く続けていくにはとても大切な事。
この空間がいろんな人にとっての落ち着く場所であり続けるように、
私ももっと勉強して努力していかなければ、と今日はいい刺激になりました。

きれいなお花もいただいて・・・またいろんなお客さんから
「まあ綺麗」と声をかけていただいて、にこやかな雰囲気がどんどん広がる。
花ってやっぱり良いな〜


なにげにリンゴがポイントですね。
アレンジメントのバランス抜群。
いつまでも見ていても飽きない。感謝です。


2008年12月12日 金曜日
美味しそうなホットケーキが表紙の本を面だししていたら
「今朝子供にせがまれて買いに来ました。まだあって良かったー」と
お母さんが購入されました。
なんだか朝の開店前の風景が目に浮かぶようで微笑ましい。
お子さんが喜んでくれるといいな。

私が最近ハマってるお菓子はうす焼きショコラとロイズのチョコアイス。
コンビニに行くと買ってしまう。
あと寒いからやっぱりあったかいものを食べるとすごく幸せになる。
中華マンやポタージュスープ、身体にジワーッとしみてくかんじが
冬って最高!とまで思わせる。
最近夜空を見上げるのがたのしみのひとつだし。
今年最後の満月をまざまざと見つめたりして。

時々HP見てますよ、というお客さんが来てくださる。
私と同い年で丙午。丙午より強いのは寅だけ、なんですって。初耳だ。
息子さんが走れケロス(ケロロ軍曹のキャラらしい)を知った後に
「走れメロス」を知って、これはケロスのパクリだと勘違いしないように
いい聞かせた、など可愛らしいエピソードをお聞きする。

つい先日もお客さんがふと「走れ〜メロスのように〜」と
口ずさまれたので?と思ってると、アニメの主題歌になってたんですよ、
と聞いてビックリ。この手の話題は主人が詳しいだろうと聞いてみると
やっぱり知ってた。「蒼き流星SPTレイズナー」の主題歌「メロスのように」だそうです。

あとキャプテンハーロックの最終回のラストのセリフが「右大臣実朝」の
「明るさは滅びの姿であらうか。人も家も、暗いうちはまだ 滅亡せぬ。」
だとも教えてくれました。さすがです(笑)
正式には「アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。」ですね。
ちょっと気になるのでレンタル屋で借りてみようかな〜


2008年12月11日 木曜日
書店に行ったら「東京カレンダー」の玉木宏の特大ポスターがあった。
セクシー路線風で瞳からフェロモン出てて、ただのポスターなのにドキッ!とした。
最近は風邪気味でもあったりして本来のイケメン好きの影もすっかり薄れていたのですが、
パワーをもらってピタッと調子悪いのが治まった。素晴らしい。

街はクリスマス前でキラキラしていて、いろんなものを見るだけでかなり
パワーチャージできたのも良かったのかも。全く買えないんだけども目の保養。
たしか去年、自分へのクリスマスプレゼントにスタージュエリーで何か買う!
と目標をここに堂々と書いたものの、現状は・・・トホホ。無理無理ってかんじ。
もう1年引き延ばしします。

高級なものとは無縁な1年で、雑誌やショーウインドウで見るだけだったけど、
デパートのエレベーター下でクロエの香水の紙もらって、時々バッグから
その紙を取り出して匂いを嗅ぐだけで、すごくいい気分になる。

香水は昔カルバンクラインのエタニティをつけてた、あとラブアゲインや
友達からの贈り物のものをつけていた、いずれも20年後半までで
ずっと縁がなかったものだけど、このいい匂いはモチが上がるな、
と久々に香りを愉しんでいます。

コーヒーの香りに包まれる生活なので今後も縁はないかもしれないけど、
1週間経っても消えないので、その威力に関心してます。
香水に纏わる自己の恋愛がらみのエピソードが何もないのを
ちょっと淋しく思うくらい。
ブランド志向ではないけれど、良いものを味わう、身の回りに美しいもの、
好きなものがいつも目に入るようにする(イケメン鑑賞も)
という日常には近づきたいかな。

セレブの日常や洒落た会話を垣間見れたらいーなー、と軽い気持ちで見ていた
セックス&ザ・シティは面白くなってきた。
キャリーとビッグの恋の行方が気になる・・・
最近テレビを全然見ないので、ひとつくらいは連続ドラマを見たいから
これは見続けていくかな。
コーヒーがシーンに登場するととても飲みたくなる。
こういうのは香水は真似できない現象。
やたらすぐボーイフレンドと知り合えるというのも真似できないな・・・
そろそろ日本のドラマではまれて1週間が待ち遠しくなるようなものが
見たいな〜


2008年12月9日
今日はお客さん同士で太宰談義になりましたよ、久々に。
太宰好きなお客さんがまず来店されていて、その後ご婦人お二人が来店。
私を見て「ああ、新聞と同じ人ね」と入って来られて
「新聞より実際の方がお若いわね」(社交辞令でも嬉しい!)とおっしゃるこの方々は
なんと桜桃忌でお知り合いになって今も時々文学散歩している、とのこと。
あるんですねー、私たちみたいな事って。

太宰好きな方が「今禅林寺行ってきたところなんですよ」と
花いっぱいの墓前の写メをお二人にお見せしてからずっと文学話。

今日は雨なのに禅林寺にはひとりで来られていた黒い服の女性が
ちょうど帰るところにお客さんが墓前に行き、
ゆっくり過ごしたところでまた別の黒い服の女性がひとりで来られたので
そっとその場を去った、とのこと。
それでいて墓前の花がとても多くて、私もその写メを見て一連の話を聞いて
なんか短い映画みたいだな、と思いました。絵が目に浮かぶようだし・・・今日は雨で良かったんだな

「太宰の作品は言葉が染み込んでくるから好き。
私は人間性はどうでもいいの、本の中だけでいい」とご婦人が言うと、
「あんなに人を苦しめた人なのにね。実は私アンチ太宰なの」ともうひとりの方が発言。
あとの3人は「え?どこが?」と一瞬止まる。
「一番太宰にお詳しそうで桜桃忌も毎年行っている、ネットワーク大学の太宰講座にも
行っているというあなたがアンチ?」と大盛り上がりに。
太宰を嫌いっていう人で実は気になってしょうがない、という人は何度も見てきたのですが、
こんなふうにあっけらかんと語られるとなんとも気持ちいいかんじもする。

かと思うといつのまにか中原中也の話になって、
太宰好きのお客さんが「木陰」という詩を「これいいから読んでみてください」
とお二人に本を差し出す。
すると「ごめん、小さい字読むのちょっと無理。あなたが読んで聞かせて」と
予想外の朗読タイムに。
途中で「この漢字難しいんですよ、読み方」など照れをはさみながらも
一遍の詩が、さっきまでの騒がしい時間とはうって変わっての静寂の中で読まれた。
なかなか素敵な時間でしたよ。


2008年12月7日
先日も日記に書いた津島克正さんがご来店。
先週も三鷹にいらしていて今週も。本業の歯科医のお仕事もお忙しいでしょうに
全く疲れを感じさせず颯爽とご登場。
ちょうどいつも読書会に参加してくださる太宰を好きなお客さんがいらっしゃったので、
しばし3人で色々なお話を。
時々太宰に似てるな〜っていう瞬間があって、ご親族の方が来て下さったという
実感がじわーっと湧いてくる。

前にお客さんが五所川原に行った時に偶然「津島歯科」の看板を見つけ、
もしや太宰に関係が?という話をお店でした事がありましたが、まさにそのとおりなんですよね。
津島さんはNPO法人として、太宰治検定や陶器ボトルの販売などの活動をされているようです。
例えば「津軽」といえばたけとの再会シーンが印象に残るし、一般的にたけの事はよく知られている。
でも叔母きえの事は知る人ぞ知る、という存在。
しかし太宰研究されている人や作品が好きな人は、太宰にとってどれだけ大きな存在だったか
よくわかっている。五所川原に関連の記念館が出来たら、もっと広まれるだろう。
そんな話を聞いていると、その日が近づくようにNPOが潤うよう何か小さな事でも協力したくなる。
話を聞いた私が思い出してこう書くとなにかズレがあるかもしれないから、
津島さんの立ち上げたばかりというブログを読んでいくと理解できるかもしれません。

太宰治作品名陶器ボトル入り日本酒限定販売、ということで
「走れメロスマラソン」開催記念でもある「走れメロス」ボトル、1700円。「津軽」のもあります。
うちの店でもひとつ置いています。地方発送できるということなので、
興味のある方は太宰コーナーに置いてあるチラシをおとりくださいね。
太宰が五所川原に来た時に飲んだお酒(津軽正宗)についてのお話も
お聞かせいただいて興味深かったです。
でも津島さんはなんとお酒飲めないんですって!そういえば先週もウーロンでした。
そこは太宰と正反対ですね・・・
そんな私と主人も飲めなくて「津軽」のブックボトルの中身の日本酒を一滴も飲んでないけど・・・


太宰棚コーナーに置いてありますから気になる方は見に来てくださいね。

お帰りになられる時に立ち上がられて・・・やはり似てる・・・と感動。
お店を出られて店の外の道路でタクシーを待たれている後姿がまた・・・似てる・・・
黒いマントをはおれば・・・なんて勝手な事ばかりまたすいません、ほんとに。

私も青森と三鷹が少しでも近くなると良いな、と思っています。
こんな小さなお店ですが、微力ながら何かできたら、とも思っています。
とても良い1日でした。明日からまた頑張ります。



2008年12月6日
太宰展、私も行きました。
開店前に行ったのですが、気がついたら1時間近く時間が経っていて驚いた。
また続きは今度、と切り上げなくてはいけなかったので
ちょっと中途半端なんですけど、とても良かった。

来店されるお客さんもやはり行かれた方が多くて、
感想なんかを今日も話しました。
よく話題に上がるのが、3回目の命日を迎えた頃の週刊誌で
「すでに忘れられた人」と太宰が紹介されている記事について。
「弱虫文学」で片付けられようとしているかのようなその誌面を
全部読むことはできなかった。この最後の方の展示ケースが
すべて流し読みしかできなかったので、次回行けたらじっくり読んでみようと思ってる。

私はやはり大宮から投函した美知子さんへのハガキ。
これが一番打ち震えたかな。他の書簡と全然違う。
また近くゆっくり見に行きます。無料でやっていただいているのは実にありがたい。
もうすぐ没後60年も幕を閉じる・・・目に焼き付けておこう。


2008年12月2日
嬉しい事もあれば、悲しい事もあった。樋口宗孝さんの永眠。
闘病生活はさぞ苦しかった事でしょう。どうか安らかに・・・

昨日はずっとyoutubeで樋口さんのドラムを聴いていた。
あの太い腕が消えてなくなるなんて・・・でも残してくれたものは永遠。
私なんてちょっとかじっただけのファンかもしれないけど、
メタルのなんぞやは全然理解してないと思うけど、
何回も曲聴いたし一回だけライブも体験してる。
私は生で樋口さんのドラミングを感じられた幸せもの。
でもそんな事も昨日まで忘れて日々を過ごしてたんですよね。
失くさないと気付かない事が多すぎてちょっと切ない。
いつか人は死ぬ、なら今を存分に悔いなく生きよ、という当たり前の事を
毎日すぐ忘れてしまうから、こういう事がある度に強く実感するしかない。
何かを残せた人間になってからでないと人生終われない。
でも明日どうなるかわからない。年も瀬だからか色々考えてしまう。

ちょっとブルーになっていたり、眠気に襲われてやる気が失せていく時、
好転させてくれるのはいつもお客さんの来店だ。
今日来てくれたお客さんカップルは、私の事を「かあちゃん」とか「ママ」とか言う。
書店員時代にも「近鉄の母」というニックネームをいただいた事があったっけ。
顔もまん丸いしね。大阪のおばちゃんやしね。
そんなふうに呼ばれるのもたまには心地よく感じる。

学生時代にバンドをしていてドラム担当だった、なんて言うから
「ワンバスって何?スネアって何?」と質問しまくり。
そんな基本用語も知らないのにファンだとか言う私ちょっとダメですね。
京都時代、友人たちがスタジオで練習中にちょっとドラムを叩かせてもらった時、
南さんセンスいいっすよ!って言われた経験あるんだけどな・・・

お客さんの好きな声優さんの話やクリスマスの話などしていると、
さっきまでの沈んだ気持ちはもう一掃されていた。
やるべき事いっぱいー!今年あとひと月ー
焦るけど、ひとつひとつでも確実にやっていったらいいんだよね、と自分に言い聞かせる。
すっかり寒くなりました。風邪に注意です。温かくして寝てください。
とおかんのように今日は〆ます。


2008年11月30日
とても嬉しい事があった。
太宰の叔母きえのひ孫さんの津島克正さんにお会いする事ができた。
太宰朗読の原きよさんと津島家の末裔の方の話をした事は以前の日記に書いた。
桜桃忌の朝、太宰の墓前に津島さんがいらっしゃった事は読売新聞の記事で読んでいた。
その時に原さんも墓前にいらっしゃって、とても四肢が長くて、と話していたそのご本人様。
原さんのお誘いで三鷹のダイニングバーにての津島さんを囲む会に私も参加できたのです。
すごく緊張したのですが、お会いしてすぐに打ち解けられたというか、
とても会が和やかに進行していたので、途中参加の私も自然にその輪に入っていけました。

なんとお隣の席に座らせていただきました。
直接お伝えしましたが、もうただ存在だけでいいんです、充分です、というかんじ。
太宰治と血のつながった人がここにいるんだ、というよりは
津島克正さんがここにいる、という事に感動。魅力的な人間に会える、話せるというこの幸せ。
心地よいバリトンボイスでよく話され、その度に長い指が私のすぐそばで宙を舞う。

三鷹の太宰治文学散歩がボランティアで10年続いているのは、すごい事だ、
津軽では三鷹で太宰がこんなに愛されている事をまだ知らない人が多い、
たけさんにおんぶしてもらった事もある、など色々な声を聞くにつれて
段々と津島家の人だという実感が広がってくる。
太宰が優しい人だった、というのが目の前の克正さんを通して理解できるような気もしてくる。
原さんが津軽に行った時の数々のエピソードも、感動が伝わってくるようで、
私も近いうちに行きたい!と強く思いました。
とても濃く丸い時間が流れ、宴はお開きに。

その後、ちょっと衝撃でした。私は遅れて来たので津島さんの座っている姿しか
見てなかったのですが、立ち上がったそのシルエットは・・・太宰の佇まいそっくりでした。
長身で、骨格がきっと似ているのでしょう。肩のかんじ、頭の形、高い鼻、
正直ちょっとこみ上げてくるものがありました。
こんな機会をつくってくださった原さんに感謝です。

また近いうちにお店にも来てくださるということなので、とても嬉しいのですが、
うちの店って私サイズというか椅子とかも小さくて面積もこのとおりなので、
居心地悪い思いをされるような事がないように、と今からあたふたしています。
長身の方用の椅子も用意できるように頑張らなくちゃ。

今店内にはいただいた太宰治検定のチラシがあります。
写真が青空の下の太宰とタケの銅像の後姿で、実にいいのです。
太宰のこの肩のかんじ・・・優しさとひとときの平和を味わっているムードが見事に表現されている。
私は太宰の肩は見た事ないけれど、津島さんを通じて
太宰の背中を見せてもらったような、今もまだジーンときているのが止まらないのです。
このお店が出来る何か、それが少し見えた気がする。
なんか勝手な事ばかり書いて申し訳ないような・・・ま、いいかな。この感動はほんものですから。



2008年11月29日
前に高校時代のOBが集うホームページをつくった、
というお客さんの事を日記で書いた記憶がある。
そのお客さんが又来店され、「太宰治の事を書いたらすごく反応があったんだよ」と
報告いただく。お客さんは70歳とのこと。九州出身で都内在住。
定年退職して時間ができた事をきっかけに、同窓会ホームページを作成。
都内近郊に住むOBが集って時に長野まで山登りをしたり、数々のイベントを行っているらしい。
日々の気になるさまざまな事をアップするが、なかなか反応がない。
先日訪問したうちの店の事や、太宰治についての文章をアップすると、
続々と書き込みがあり、驚いたとのこと。
やはり教科書などで一度は読んでいるからこの話題にはみんなのってくれたみたい、
と嬉しそうだった。歳をとると昔の仲間が懐かしくなるって。
二度目の青春ってあるのかな、とふと思う。

これはスクリーンで観た方がいいよ、といろんなお客さんに薦められたので、
先日久しぶりに映画館に出かけた。今や苦手な空間になってしまっているので、
心臓バクバクしながら椅子に座った。映画は「おくりびと」です。
満員で逃げられない空間で汗かいたけど、かえって今出られないんだ、と肝が据わったら
最後まで頑張れた。ちゃんと自分を誉めてあげた。
やっぱり泣いた。劇場で観て良かった。もっくんの所作、評判通り素晴らしかった。
台詞で「静謐で」って出てきてドキッとした。納棺のシーンでの事。
「秋風記」でも出てくる言葉、「静謐」
この発見があったから行って良かったな。

ずっと閉所や暗所はますます苦手になって遠ざかっていたけど、
お客さんの薦めだとかあって、映画を1本ちゃんと観れた。以前の私には普通の事、
一般人には普通の事。だけどしばらくそんな当たり前な行動もダメだった。
決定打はお客さんから聞いたある役者さんのエピソード。
全国公演しまくってる方なのに、パニック障害で飛行機が乗れずに、新幹線移動だったと
聞いてビックリ。しかし今は治った、と。それはひたすら耐える事で克服した、と。
その話を聞いて私も一度には無理でも少しづつ克服していこうと思ったんです。
そして「静謐」にたどり着いた。大丈夫です。無理せずゆっくり、でいきます。



2008年11月25日
美術ギャラリーの太宰治展、始まったのですね。
お客さんの中で「行ってきたんですよ」という方もチラホラと。
初めて太宰の小説を読んでみようと思いました、とうちで時間をかけて
文庫本を選ばれる方もいらっしゃったし。私も早く行きたいんですけど、
今週の水曜日はお休みのようで、ちょっと先になりそうです。
案内チラシには陸橋での太宰の写真、いいですね。
このところ「東京人」といい別冊の文豪シリーズの表紙といい、
太宰のアップがよく目に入ります。陸橋のはちょっと遠めですけど。
書店で平積みにその顔が飛び込んでくると、ちょっと照れくさいような嬉しいような・・・

お客さんと鎌倉の話題に。
メインのお寺もいいけど、ひっそりあるような場所っていいね、と。
「極楽寺から長谷への切通しを歩いていると、階段のようなスペースを見つけて、
上がっていくと空が一気に広がって見えてすごくいい場所だったよ」
なんて話を聞くと、今度は徒歩でゆっくりと、できれば一泊で行きたい、と思う。
「切通し」に憧れを抱いているし。鎌倉独特のものですよね。
なんか鬱蒼としたところをしばらく歩いて、突然道が開けて光が燦燦と降り注ぐ、
というシチュエーションを今身体が求めてるかんじ。

太宰が鎌倉・二階堂の深田久弥の家を訪問したエピソードが好きなので、
今度鎌倉に行く時は、どのあたりの場所だったのかも調べて行ってみよう。生垣はまだあるのか?
やっぱり日帰りじゃ無理かな・・・
夢膨らむ分と同じだけ、真面目に学び、働こう。
もうすぐ12月。一番好きな月だけど、今年は11月が終わってしまうのが妙にさびしい。
11月の秋晴れって平和を感じるから好き。
あと6日の11月、無駄遣いしないように消化しよう。


2008年11月22日
先週の土曜日くらいだったかな?
満月が異様にきれいに輝いていた夜がありましたね。
店内に2人お客さんがいらっしゃって、しばらく3人でガラス越しにうっとりと見とれていました。
「おや、月見草」と同じ世界を感じた。
「あら、満月」みたいな呼びかけにしばらく時が止まった。
短かかったけど、洗われるようなひととき。
これから寒くなりますが、その分空気が澄んでいくので夜空を見上げるのは楽しみです。

連休は鎌倉に行ってきたんですよ。
車で案内していただける、という方と以前に意気投合した事があったのですが、
どうせなら11月に、と今回実現したのでした。
田辺あつみの命日とは言わずとも、11月に行ってみたかったので。

火曜日は晴天で、久しぶりの鎌倉・湘南を満喫できました。
潮風を感じたのは1年半ぶりくらいかな?
江ノ電も乗りましたよ。
鎌倉駅で待ち合わせして、長谷寺、稲村ガ崎、小動岬、と車で移動。
長谷寺の観音様の迫力には圧倒されました。
歳をとるとお寺や仏像を見る目が昔とは違う。その良さが染みてくるかんじ。
ここにこうして存在する事が当たり前ではなく、由来や建築した人の苦労や、
さまざまな事に思いを巡らす想像力は、今の方が豊かだと思う。

展望台から街を見下ろして思った事、意外と鎌倉の街って小さい。
だから良い。屋根の群れの奥に海岸線、私が鎌倉で心惹かれてやまない
切通しや路地は上からは勿論見えないけど、ずっと見ていても飽きない。
太宰ならこの風景、この街をなんと表現しただろう?

  
長谷寺展望台からの風景            長谷寺の「願叶う守」いちごが可愛くて思わずジャケ買い

銀燦堂というのがあって、毎月18日しか行わないお堂を1周まわせる、というのにも挑戦した。
1周まわすと一回お経を読むのと同じ、と書いてあった。
たまたま18日だったのでラッキー♪と。しかし力みすぎで1周半くらいとまらなくて
待ってる人たちにも笑いがおこった。自分でもマンガみたいだと思った。ちょっと子供に戻れた。
このお堂、鎌倉芸術祭の展示のひとつでもあるようです。

お昼ごはんは稲村ガ崎食堂でお刺身定食。やはりせっかく海に来たんだから、地物の新鮮なお魚が
食べたい、という事でいつもの節約モードはちょっとお休み。美味しかったです。
海が見えるロケーションがいいですね。ご一緒した方は、桑田さんが監督した映画「稲村ジェーン」を
知らなかった。「あのサザンの桑田さんが映画監督なんてした事あるんですか?」と驚き顔。
ちなみに「ワインレッドの心」を玉置浩二が歌ってヒットした事もご存知ないと。
陽水ヴァージョンしか知らないそうです。ジェネレーション・ギャップを感じる・・・

しかしこの日の空はきれいだった。武蔵野の秋晴れは見慣れているけれど、
その反対側で海ではこんな光があったんだ、と感動した。
お腹も膨らんだところでメインイベント、小動岬へ向かう。


写真では白黒っぽいけど、実際はオレンジの輝き。波に反射してそれはとてもきれいだった
右手には太宰が収容された恵風園(画像右)が。このあたりから少し雰囲気が変わる。

小動岬が見えたので車を降りて海岸に向かう。まずは小動神社に。

 
ここを上がっていくと小さな展望スペースがある。  海岸を畳岩を探して歩く。落ちるなよ〜と超緊張
でもそこからは畳岩は確認出来なかった。

この神社がなかなか良いんですよ。長谷寺や鎌倉五山もいいけれど、
こういう鎌倉で海沿いなのに誰も人がいないような岬の神社、ってのが実に良い。
展望スペースは結構小さい。ものすごい風の吹く中、
柵の上に上がってみたけれど、下の突端はギリギリ見えない。

先日、ここで岩を確認した、というお客さんから2枚岩(畳岩)の地図を
メモ用紙に書いていただいたのですが、ちょっとシンプルすぎてどの岩かわからない。
事前にもっと調べておくべきだった。ゴツゴツした岩の中で、畳のような岩が2枚、と
聞いていたのですぐわかるかと思ったのです。

 
ちょっとこれっぽい!なんて盛り上がっていたのですが、   富士山が見えました。きれい・・・
岸からすぐの場所だったのでどうやら違うようです。
もっと奥の突端の方らしいので。2枚でしかも畳っぽいし・・・

また来る機会はあるだろう、と今回は畳岩究明は諦めました。
岩だらけのところを歩いただけでも私にしてはかなりチャレンジャーでしたし。
とにかく突風がすごくて、あまり浸る事ができなかったのですが、
今度訪れる時は江ノ電の駅から歩いてきてみようと思います。

鎌倉から稲村ガ崎、小動、片瀬江ノ島方面と移動して、あきらかにこの小動岬付近だけ、
鄙びた雰囲気で全く垢抜けていなくって、ものすごく気に入りました。
サーファーはいなくて釣り人、ハーバーやマリーナでなく漁港、
神社も漁港もとにかく人がいない。3人くらいしかすれ違わなかった。たまたまかな?
太宰がここを選んだのがわかる気がする。
2人はどうやってここまで来たのか?江ノ電腰越海岸駅で降りたのか?
田辺あつみの人生とは?次回は下準備を十分に行ってから来たいと思います。
国道沿いで岬が見渡せる小さな白い空き家(というか店舗?)をみかけて、
すごく気になりました。2坪くらいのスペースだけど、なにかできそう。
人があまり来ない小さな海辺の古本屋、とかいいなー、と現実味のない事をまた考える。

でも本当に気持ちの良い秋晴れで、空の色が神秘的で、潮の香りをいっぱい吸い込めて、
この日行けて良かった。これからも太宰ゆかりの場所を訪問していきたい。


2008年11月21日
とうとうパソコンが壊れました。
これを打っているのは、新しく来たパソコンで、まだ慣れないので
キイすべりがいまいちです。
大丈夫だと思いますが、もしメールで問い合わせしたのに
返事がない、等ありましたらお手数ですが再度お送りください。

もう少し慣れたらまた日記をアップします。
この連休は鎌倉・小動神社に行ったし、また詳しく報告しますね。
良い3連休をお過ごしください。
うちにも是非ご来店くださいね

2008年11月11日大安 火曜日
昨日お久しぶりに来てくださったお客さんからお花をいただいた。
オレンジのガーベラには「ミニスカート」という名前が付いているそうです。
花びらが短く可愛らしいから、みたい。
なんか久しぶりにミニスカートが履きたい気分になってきたな〜
スパッツ(今はレギンスって言うのかしら?)と合わせたらアリですよね。

ご近所にあった花屋さんが閉店してしまって、と言われてましたけど、
私もお気に入りの花屋さんが閉店(移転かも)してしまって淋しい思いをしているのです。
しかも2店も。なんせ貧乏なので通り過ぎるのを楽しみにしているくらいで、
年中行事の時くらいしかお世話にならなかったから貢献できてなかったのだけど、
お店を通りすぎるだけでも癒された。花だけでなく同じようにその場所で働く人の姿にも。
日常で花を買う習慣がある人が少なくなったのかな。花や本のように余裕のある時でないと
買わないものを扱う商売は今厳しいかもしれないけれど、
だからこそ頑張ってる人を応援したい。お前がまず頑張れよ、ってかんじですけどね(笑)
はいはい、勿論頑張りますよ。目の前にオレンジの輝きもあるし



そのお客さんはとても品があって、みとれてしまうような女性なのですが、花を愛でたり着物を着たり、
世間に惑わされず自分のペースでスローに丁寧に暮らされているという印象がある。
今住んでいる街には意外と喫茶店が少ないという。このお店まで随分距離があるのに
来ていただいて、「こういう場所は貴重ですね」という言葉が嬉しかった。

岸本葉子さんの「40代のひとり暮らし」というエッセイに、
駅の周辺に落ち着いた喫茶店がなく、ファーストフードしかない街には住めない、といった
友人に纏わる話が出てきたのを思い出した。
「きちんとした主のいる喫茶店があって、ドリップコーヒーをていねいに入れていて、
その香りに包まれながら、本を読む時間を、気が向いたら、持てる。
そういうことが、いつの間にか生活の一部になってしまっていて、
失うのはいかについらいかを実感したそう」と書いてある。

私も京都から東京に来て、どちらも落ち着いた喫茶店がたくさんある、という状態が当たり前になって
しまっているけれど、そっか、庭付きの部屋を確保したとしても喫茶店が近所にない生活というのは
絶えられないかもしれない、と想像した。
「きちんとした主」という一行でいったんストップする。ちょっとそう言い切るにはまだ自信ないないけれど、
少なくともコーヒーを淹れている時、本を売ってる時、きとんとした主にならなければ、と思う。
花屋、本屋、喫茶店、公園、これらがある街でないと私も住めないな。あるのが当たり前じゃないんだ。
まさにそれらが充実した街に住めていて本当に幸せだな。三鷹がオアシスで吉祥寺は天国ってかんじ。

太宰作品の演劇なども手がけられている脚本・演出家の方が久しぶりにご来店。
今度太宰関連の講演会も行う予定だとか。太宰の丁寧なところを話したい、と。
女性にだけ優しかった、モテた、と太宰は思われがちだけど、男性からも慕われた事をもっと
多くの人に知ってほしい、と言われてました。
太宰は弟子の田中英光の原稿を読む時も、襟を正して「では、これから拝読させていただきます」という
態度だった、という話をお聞きして、井伏さんと文学の話をする時も、改めて正座をし直す、というエピソードを
思い出しました。太宰の文学に対する矜持、姿勢、たしかに丁寧な人だと感じます。

「東京人」はまだこれからじっくり読むところだけど、三鷹で生前の太宰に会った時の事を
吉本隆明が書いているのは読みました。とても興味があったので。
これを読んでもよくわかる。太宰って会話においても無駄な言葉は決して発しなかったんじゃ
なかろうか、ってほどひとつひとつの会話が、いちいち文学してるんですよね。
そう考えると女と二人きりの時ってどんな言葉を発したんだろう、ってますます興味が深まる。
写真でなくて、太宰のムードや声、佇まいを感じたい。
そう、吉本隆明の文章のタイトルは「太宰の親密さにいかれちゃった。」
好き、親しむ、というよりも「いかれちゃった」がしっくりくる。
私も生きてるうちに会っていかれちゃいたかったな・・・いや、やっぱり今でいいや。
前にも書いたように身が持たないと思うから。
この5,5坪の天国を守っていくだけで十分かな。それが簡単な事じゃないんだから、
さあ厳しい冬はすぐそこに来てる。姿勢を正して、真面目に地道にいこう。


2008年11月10日 月曜日
「とっても楽しかった」そう言ってくださったお客さんの表情ひとつで、
気分がパッと晴れる事がある。こういう瞬間ってお店をやって良かったな、って思える。
古本屋やブックカフェをやってみたい、とうちのお店の記事などを見て結構遠方から来てくださる事があって、
何か収穫があった、というお顔色を見るとホッとする。
今日は江戸川区から来てくださった方が、帰り際にそんな一言と笑顔を残していかれた。
好きな本がたくさんある、と言ってくださる事も多いんですよね。
今本が傾いている棚がいくつかあって、なんとかしたいと色々工夫を凝らしています。

「最近ちょっと人生が傾くような出来事があって、ちょっと本にでも助けを求めたい気分なんです」
と、二度目の来店のお客さんから「元気になれる本」のリクエストを受けた。
セレクトするのが難しかったんですけど、あれこれ本の説明や色々お話しただけで
少し元気になられたというか、段々表情が変わっていくんですよ、柔らかく。
2冊本をお買い上げいただいた。
その様子を見ていた反対側の席のお客さんが、「いい場面を見せてもらいました」と言ってくださったり、
なにやらふんわりとしたムードに包まれる。こういう時間って時々あるんですよね。
本を用途別で説明できるくらいになれるといいですね。日々勉強です。

お客さんはさっそく「東京人増刊 三鷹に生きた太宰」を持ってきてくださっていた。
内容なかなか充実してますよ、との感想で、なら大成功だな、と思った。結構評価が厳しい方なので。
今日も作家と風土論についてちょっとした喧嘩になる(笑)いや、いい刺激になりますけどね。
お客さんは作家と風土は必ず結びついている、だから作品だけ好きで、土地に思い入れのないというのは
信じられない、という意見。私は、それはわかるけれども、作品のみ好きって人もいますよ、それはその人の
自由だし、みたいに合わせないで言うから。
実際、若い女性で「愛読書は斜陽なんです」というお客さんがいらして、どうしてここにお店を開いたんですか?
と質問を受けたので、太宰が最後に住んでいて数々の作品を執筆した場所だからですよ、と答えると
「え?太宰治って三鷹に住んでたんですか?初めて聞いた!」みたいなやりとりをした事があるし。
でも理想があって、確固としたものを持ってる人って羨ましい面もあります。
私は軽いですからね。良く言えば柔軟性、ともとれるけど。何かを成す人は前者に多いかな?という気もします。

話戻って「東京人」ですが、以前に取材していただいた朝日新聞の記者の佐藤さんの
「三鷹に愛されし作家」という文章のところで、フォスフォレッセンスの事も紹介されています。
「みたか太宰の会とフォスフォレッセンス」という章です。
この「三鷹に生きた太宰」特集号にこのお店の事が触れられていることをとても嬉しく思います。
表紙がドアップ!なので書店でも目立って探しやすいのではないかと思います。
三鷹市内、山中通りにある街の小さな本屋さん、ミール書房に行ってみたんですけど、
店主さん曰く「かなり売れてますよ」とのこと。
品出しでお忙しそうでも愛想良くて素敵で、なんか元気をもらえましたね。
お店を後にする時に、私も来てくださった方にこういう気分になってもらえるようでいたい。
本屋さんってすごく幸せな職業なのかも、って思えてくる。
あそこに小さい本屋でも頑張ってる女性店主さんがいるよ、と教えてくださったお客さんにも感謝です。


2008年11月9日 日曜日
「DAIGO」の文字が疲れていると「DAZAI」に見えたりする。
さすが40代、自慢の視力が衰えてきて結構ショックです。2.0だったこの眼も最近は夜になる頃、
よくショボショボする。今のうちにたくさん本を読んでおくべきだ、と思う瞬間。
DAIGOは名前に☆がついてる頃から好きだったので、最近の活躍はとても嬉しい。
王子様風のルックスなのに面白すぎるキャラは勿論、厚いくちびるがすごく魅力的な人ですね。

でも昔の40代と今の40代は価値観がかなり違う。
視力が衰えようが、シミが増えようが、体が衰えようが、
まだまだ夢見る女子でいよう(by雑誌STORY)でいよう(笑)
パラパラと中身を見てみると「40代は二度目のモテウェーブ」とか、いいねいいねー、
気分が上がるわ♪ってかんじ。実際のリアル自分はモテウェーブなんて全く来てないし
来る予感もありませんが、雑誌なんて夢を売る媒体。夢みすぎもダメだけど、5センチくらい浮いてていい。。
現に今アラフォー世代の女性が元気ですもんねー。アエラの特集にもそんなのがあったけど、
その要素に「ミーハーさ」というのも含まれていてなんか嬉しかったな。

やはりお客さんからこのところ例の小室さんの話題がよく出ます。
詳しい事はよくわからないけど、私も気をつけなければ、と学ばせてもらいましたね。
きっと悪人ではなさそう。優しい人だと思う。けど、直視しなくちゃいけない問題をのらりくらりと
時間が過ぎて、気がついた時にはとりかえしがつかなくなっていた、なんて事ありえる。
そうなってしまった時に、ずっと心につっかえていてなんとかしなきゃと思っていたけど・・・と、
言い訳しか出てこない。そうなりやすいタイプなんです、私。
優しくて良い人でも、ダメ人間度はハンパない。
経営は決して順調ではないし、解決しなければいけない問題は山積みです。
でもこれでしか生きられないんですね。だから経営の才能はなくとも続けていけてるようなもの。
経営者ならあらゆる管理も行き届いていないといけないのにそこ不得意。
太宰が文学としてはともかく、生活のいろんな問題をとっちらかしてどうにもならなくて人生を終わったとしたら
私はとっちらかしたものと対峙して解決していく人になろうと、せめてなろうと努力をしよう、と
店主失格とならないようにしなければ、と思っています。

この件で小室サウンドをよく耳にするようになったら、無性に歌いたくなって、
先日友達とカラオケに行って、華原朋ちゃん、globe、アムロ、など歌いまくったらすっごく気持ちが良い。
篠原涼子の「もっともっと」とか中森明菜の「愛撫」とかもいい。
やっぱり私は好きだな、このサウンド。すごい才能を感じる。
時間がかかったとしても今後の楽曲も私は楽しみにしている。

このお店のオープン当初、ほとんど毎日来店くださっていたお客さんから郵便物が届いた。
体を壊してしまって岐阜に帰ったのは5年前くらいかな?それから一度上京時に立ち寄ってくれて以来。
手紙の変わらない文字に思わず彼の声とか即思い出せて、なんとも懐かしかった。
東京でお世話になった御礼に、聖子ちゃんのレコードを送ります、と何枚か入ってあった。
なんとも彼らしい贈り物だ・・・

嬉しかったのが「古本と出会った事によって僕の感性が変わってきたんじゃないかと思います」という言葉。
もう何年も前の事だけど、ここでの時間は確実に彼に影響を与える事ができたのか、と思うと感激。
今時々DJをしているということで、彼がつくったというMix Tapeが入っていました。
家のカセットデッキに入れてみると、デッキが壊れてたみたいで聴けなかった・・・
閉店後に聴いてみよう。踊りだせるかな?
彼がいつも決まって座っていた席のあたりは、表から見えないので、そこで拝聴してみよう。
やっぱり文学とか音楽とか芸術、ダンス、そういうもので人は繋がっていけるものだなあ、と気分が明るくなった。
古いお菓子屋さん「つちや」の西洋千菓子、これが美味しかった。パッケージもお洒落。


アーモンドの花がデザインされている「まんでるすなっく」
お菓子を食べてしまった後は、何入れにしようかな。

2008年11月8日 土曜日
イベントページにて「秋風記」の読書会レポートをアップしました。
過去の他のフォス研レポも年内すべて終了する事が目標です。
今回は宣言だけでなく、本当にできそうな気がしています。
何も完璧を目指さなくてもいいじゃない、覚えてる事だけでもいいじゃない、と
ラクな考えになれたというか、元々作品研究といっても研究者さんたちがやっているような
ものは私にはまず無理なので、「自由」と名うってるのだし、
ひとつの作品についてこの店で語り合った時間があった事をしっかり記録しておく、
それだけでいいのでは、と思ったら自然に取り組めたというかんじでしょうか。
それこそ「秋風記」での、「僕の脚長いだろう?」のくだりの議論なんて、柔らかすぎるけど、
もしこの作品が映像化されるとして、
見終わった後に一番印象強いシーンとして目に焼きつかれそうな気がする。
「あそこのシーンって、どう思う?」なんて話題になりそう。
すきまを探る、ってことがメインテーマなのかも。
それに後から思い出したらまた上書きすればいいのだし、と思って。
というわけで宣言しましたから、やりますよ、ちゃんと。と自分を盛り立てる。

この日記を書いていない1週間でいろんなニュースがありました。
そらあるきの08号が入荷しました。届く度に金沢へ行きたいボルテージもどんどんあがってく。
寒いとわかっているんですけど、行くとしたら冬がいいんですよ。
行きの交通は時間がかかったとしても、今までのそらあるきを持っていったら退屈しらずですよね。
あー、いつ行けるのだろうか・・・

今日の朝日新聞朝刊にも載っていましたけど、10日発売の「東京人」の臨時増刊が、
まるまる太宰の特集ですね。「三鷹に生きた太宰」というタイトルなので必見ですね。
22日からは美術ギャラリーでの太宰展も始まるし、没後60年、生誕100年のムードが
高まってきました。
青森の方でも企画ものが次々と出てきているようですし、
アサヒビールも太宰とコラボが実現、とお客さんから情報メールもありがたくいただいたりしています。

先日日記にチラッと書いたコメダ珈琲のオープンは11月14日だそうです。
例の2本の八重桜の木はそのまま残されていて、嬉しく思いました。。

読売ウィークリーの今週号(11.16号)にブックカフェで読書の秋を満喫、というページがあって、
うちのお店もほんの少しですが紹介されています。

読書の秋、と思っていたらいつのまにかもう冬なのですね。
吉祥寺に行ったらパルコの前に大きなクリスマスツリーがあって、通りもイルミが点灯されてました。
今まで何度も時の早さを感じたけど、今年は異様に早く感じる。
生まれて初めてクリスマスツリーに違和感を感じた。まだ秋でしょ?って。
でもクリスマスムードは大好きだからすぐに順応してしまうんだろうけど、
深まる秋というのも、すっとばしたくないな、と思う。

そんな時、秋に戻してくださったのはやっぱりお客さんだった。
久しぶりに来店いただいたお客さんは、禅林寺に寄ってから来ました、と。
コスモスの花がきれいに墓前に供えられていました、と報告してくださり、
目に浮かべてみると、また秋が帰ってきた気分になれた。
とても太宰がお好きな方で、なんというか太宰作品を実践している方、ってかんじ。
今回は「桜桃」に纏わるお話をしてくださって、
読み返して涙ボロボロになった、と聞いてそこまで深く読めるのをちょっと羨ましく思いました。
同時にこんなに太宰が好きで、また作品で何かを乗り越える事ができた話を聞いて、
私もとても嬉しくなった。
前にお話して、日記にも書いた「女はひじとかかと」を覚えていてくださって、
お蝶夫人のシリーズの保湿クリームをプレゼントしてくださった。
まさに私の年代のキャラクターだし、以前のちょっとした一言にちなんだ
贈り物をさりげなく渡せるって素敵。ちょうどかさつきの季節の始まりだし、たのしくケアできそう。

もうひとり、このお店に立ち寄ってから、ちょうど夕焼けの頃に禅林寺に行きます、
っていうお客さんも来店されて、お二人ともすれ違うことはないけれど、同じように
フォス→禅林寺 のコースをたどられるというのが、不思議なかんじがしました。
地下鉄に置いてある冊子で「中央公論アダージョ」に太宰の特集をたまたま見つけた、と
持ってきてくださったのです。
「太宰治と五反田を歩く」という5ページの特集で表紙は太宰の人形(そっくり)です。
なかなか読み応えがありましたよ。交通局の冊子らしく作品東京ゆかりの地などが写真付で出てました。
太宰コーナーに1冊置いておきましたのでよろしかったら見てください。

うちの店はおそらくまだまだ秋仕様。
折り紙が得意なお客さんが折ってくださったいちょうの葉を飾ってますし、八ヶ岳で拾ったどんぐりもある。
冬の準備の前に、残り少ない秋を大切に一日一日過ごしていきたいですね。


2008年11月1日 土曜日
約半月分も日記をすっとばしてしまいました。でも元気ですよ。
すっかり秋も深まり、もう11月。好きな月です。もともと「11」の数字とは縁が深いですし。
晴れた日の爽やかな空気を吸いこむと、自然に気分が良くなる。

先週の土曜日の読書会、無事に終了しました。
参加いただいた皆さんありがとうございました。
「秋風記」って特に捉え方が人それぞれに分かれる作品なので、
いろんな方向に議論が流れていき、それでいて艶っぽいところもちゃんと押さえられ、
私自身もとても楽しめました。実に良い時間だったな。

実は先にスパッとレポを完成させて後で日記で事後報告、ってのを密かに計画していたのですが、
月も替わってしまったので断念しました。相変わらず意思弱すぎですね。
でも私は変わります。変わらなければいけないのです。
未完成だった数々のレポをちゃんと書き始めます。って何度目の宣言か・・・
しかしこのツメの甘さが、いまいち売り上げが伸びない事のひとつの原因でもあると思うんですよね。
いっぺんには無理としても、ほんの少しづつでも改善していかないと、と思う秋の夜・・・
という事で詳しくはまもなく完成するレポにて、ということで。

3連休ということで、お出かけしている方も多いのでしょうね。羨ましい。
今日みたいな日に公園で読書したら気持ちいいだろうな。
お金を使わず秋の休日を楽しむ方法、それは散歩とサイクリング。
今のマイブームは「遊歩道」です。地図を見るのも好きで、多摩地区のいい遊歩道を
物色(地図上で)し、ニヤニヤする毎日(笑)
私も先日、気持ちいい秋晴れの日にサイクリングしてきました。
お奨めのサイクリングコースがあるよ、と教えていただいた事がきっかけ。それは多摩湖自転車道。
三鷹を出発して小金井公園まで走り抜けてきました。

   
多摩湖自転車道。こんなかんじです。       小金井公園脇にも、小さな遊歩道が。
小金井公園まですぐに感じました。小平まで  
スイスイ〜♪と行けそうな気がしましたよ。

気持ち良かったー!帰りには別のコースで適当に走っていると、桜堤のあたりに出た。お初の地。
これが「軽井沢ではない。武蔵野である。プロヴァンスではない。武蔵野である。」
の桜堤かー、と通り抜けました。
これはマンションの広告で見て、名コピー!と印象に残っていたものです。
そしたら団地の谷間に団子屋さんを発見。みたらし団子を50円で購入。
みたらし団子といえどソースが2種類あって選べるんです。甘辛と・・忘れた
2本買えよ、と私も書きながら思うのですが、50円ですまそう、すまさなければ、
と思うほどの切羽詰った節約街道を縦に斜めにサイクリング?しておりますので、
こんなもんなのです。早くオアシスを見つけ出したいもんです。
それこそ「八ヶ岳ではない、武蔵野である。ジェラートではない、みたらし団子である」
くらいの。わけわからなくてすいません。
遊歩道と同じくらいブームで、今毎日のささやかな楽しみがマンションの広告を見ながらの
イメージトレーニングなので。
ということで総額50円の半日武蔵野サイクリング、超おすすめです〜

ここ最近は散歩にいい季節というのもあってか、初めて禅林寺に行ってからここに来てみました、とか
斜陽館に行ったことあるんですけど、この切符はホンモノですか?とか、「斜陽」について聞かせてください、
とか太宰ファンの初来店の方が多くて。すごく嬉しい事ですし、来てくださる方の期待になるべく添いたい
と思うんですね。興味を持ってサイトを開いてくださった時にレポが全部近日アップ、とかちょっと残念ですし、
うちのウリでもあるのならもっと勉強しておきたいところですね。

このところ新聞を読めば金融不安の事ばかりですが、こんなご時世だからこそ、
お客さんが来てくださる事に感謝しないと。
自分の時間とお金の使い方について世の中に疎い私でも最近よく考える。
余分なものはそぎ落としていってる。
一日の時間の中でここで過ごす事を選んでもらえる事を当たり前と思わないように、って実感する。

節約するようになってから大好物のケーキとかスイーツ類を控えるようにしていたのですが、
もう脳が甘いものに慣れてしまっているのか、時々イライラしてくる時があるのです。
そんな時にタイミングよく友達がご近所では美味しいと有名なロールケーキを持って訪れてくれたり、
お客さんからタイのおみやげ、とか帰り際に「差し入れです」と私の大好物のチョコとかいただいたりして、
思わず顔がほころぶ。喜びを隠し切れない、なにかが溶けていく自分がわかる。
また、以前よりおやつをゆっくりじっくり美味しく味わう事に貪欲になっていて、
お茶を淹れて一緒に召し上がる時間は良かったな。
さまざまなものに助けられて、今の私があるな、と(おおげさですが)
さすが秋の旬、スイーツで生き返るなんて雑誌の特集タイトルみたいな事を実践してしまいました。
文字通り生き返って今は元気です。気分よく新しい月のスタートができたと思う。
きっと秋晴れの続く3連休、良い時間をどうぞお過ごしくださいね。


inserted by FC2 system