2009年6月30日  火曜日
発売中の週刊新潮に掲載されていた
「太宰治生誕100年−俳優になれよと僕に勧めた笑い上戸な太宰のおじさん」
特別読物 俳優土屋嘉男

これは良かった。
失礼ながらこちらの俳優さんの事を存知上げないまま読ませていただいたのですが、
健康的だった頃の太宰の素顔をいくつも発見できました。
「君のマスクは俳優の顔だよ」と勧められた事がきっかけで俳優になったらしいですが、
名前を見てピンとこなかっただけで、映画等で見れば「ああ、あの人か」と思うかもしれませんね。

少年時代に天下茶屋で井伏さんを介して初めて着物姿の大きな男(太宰の事)を
見た瞬間は「胡散臭い人だな」と思ったそうです(笑)
井伏さんの放屁の話も、もしやここからきたのかな?というエピソードもあり、
月見草、オオマツヨイグサの話も登場し、
甲府の街中でオンボロ自転車をすごい勢いですっとばす太宰(これはかなり貴重)や
美知子さんはいい人ですごく良くしてくれた事、
「いつもどこかで見えないカメラが回っているような感じ」とお洒落な面まで
土屋さんから見た太宰を鮮やかに表現されていますよ。

今出ている号なので、是非一読されてはいかがでしょうか?
64P〜67Pです。

私がいない時間帯だったのですが、日曜日にお客さんからチラシを頂いたようなのでご紹介↓


太宰治のオンナの小説 音楽朗読劇 
おおのの 太宰フェアー09→10 
詳しくはHPをご覧下さい。
チラシもだけどHPのイラストが可愛い。
ニッポンの夏 ダザイの夏 って太宰さんが浴衣着て縁側で佇んでます。

たしかに夏は暑いけど、夕涼みの時の風のありがたさ、
チリンと縁側で風鈴が鳴る風情、花火の火薬の匂い、
田舎の虫の声と草の冷たさ、そんなものを思い出すと
夏が一番思い出深いかも、って気がしてくる。
今年の夏も良い思い出が作れるといいな〜

明日から7月。まずは元気で梅雨を乗り切る事!
1日は定休日。2日の木曜日からまた営業しますのでどうぞよろしくお願いします。


2009年6月27日 土曜日
以前に近くの学生寮に住んでいたお客さんが、院生となって4年ぶりに昨日来店された。
「この店まだありましたね!」ととても喜んでくれた。
もしかしたらもうつぶれてるかも、と思われやすいお店NO1ですからね(笑)
いやー、我ながら良かった良かった。

今は巣鴨に住んでいるとのこと。
交通の便はいいけれど、時に息が詰まりそうになる。
久しぶりに三鷹に来て、空の広さの気持ちよさを感じる、と
聞いて見慣れた空を私も見上げてみる。

芥川龍之介の墓が近所にあるけれど、
どうして太宰のお墓っていつも花や人が絶えないんでしょう?と質問を受け、
太宰は自分と身近に感じるから、他人と思えないからというのがあるのでは?と答えました。
読んでいると自分に問いかけてくるようだし、何より読者を喜ばせる事をいつも考えていたから、と。
「文豪」というイメージが強くて崇拝してしまうのとちょっと違うからかな、なんて
色々後からくけ加えると段々声のトーンが落ち、自信なさげになり・・・
他のお客さんに「こういう時、どう答えますか?」と逆に質問し、同意してもらえるとホッとしたり・・・
私って気が小さい人間だわ、とつくづく思う瞬間。

「太宰治」の事があって三鷹に引っ越してきた、という人は私だけではないのは
何度か日記で書いてきましたが、「それも理由のひとつですね」とお答えになった方が今日もお一人。
19日は青森の生誕祭に行かれたそうな。
遠い土地に旅した時に「三鷹から来ました」と言ってもピンとこられない事も多い中、
青森では三鷹というとダントツに反応が良かったらしく、こちらも聞いてて嬉しかったですね。
水曜日が6月19日に当たる時に生誕祭に行っちゃおうかな・・・なんて考える今日このごろです。

先日の日記で「朝」についてちょっと妄想を膨らませすぎた事を書いてしまいましたが、
グラフみたか vol.11 特集1三鷹の太宰 に「朝」についての記事が掲載されていました。

掘り炬燵の跡の事、モデルを探していた「みたか太宰の会」が関係者の貴重な証言を記録している事、
モデルさん談、など興味深く再読しました。
一度は目を通していた筈なのに、忘れっぽいのだからホントに・・・

太宰が通ったバー「コスモス」の女将尾沢好子さんが中鉢家から借りていた家で、
2階だけを商社に勤める女性に貸していた。
尾沢さんの長女一子さん曰く太宰は「おどけて取り巻き連中を笑わせていても、
目は遥か遠くを見ているようであった」とか。
炬燵を取り巻く一夜の出来事については、微妙にフィクションのよう。
実際に朝まで寝ていたのは1階で、一子さんと編集者の女性であって、太宰は途中で帰ったという。
詳しくはこの資料を読んでみてください。

グラフみたかをはじめ、過去の資料を読んでいると痛感する事があります。
今でこそサロンができ、駅を出るとデッキには「太宰が生きた街・三鷹」のノボリがあったりしますが、
一昔前は太宰というと非常識者、恥、なんて口にする人が多かったよう。
そんな中、太宰の会の方やボランティアのガイドの方々が積み上げてきたものがあって、
ようやく今この状況があるということは、常に忘れずにいたい。
いただいた資料類、増えてきて見にくくなっているので、
少しずつ整理して手に取りやすいようにしていこうと思います。


2009年6月26日 金曜日
朝からマイケル・ジャクソンのニュースに驚きました。
最近セブンのBGMで「Human Nature」のインストがよくかかっていて、
YY ドゥビドウビダッデン♪とかコンビニのドア出た時に口ずさんだりしてたところなのに・・・
沢村一樹目当てで深夜番組「イツザイ」を見たら、インディーズ芸人の
マイコーりょうさんの方になぜか目がいってしまった今日このごろだったのに・・・

今日はMTVにハマッていた若き日々を思い出しながら動画を見まくりました。
とにかくかっこいい。今見ても全く色褪せない魅力的なPVの数々。
イソギンチャクでもこんなにブルブルせんぞ!ってくらいのダンステクニック。
決して真似できないあのリズム感、ビート、
なんだか血が騒ぐものを感じてただ見ていた20代の自分を思い出した。

マイケル・ジャクソン、そしてマドンナが来日してコンサートした時、どれだけ嬉しかったか・・
当時はネットなんかまだなくて、テレビからせっせと録画しては何回もリピートした。

今ではヒトカラくらいしか機会がないですけど、私歌とダンスは子供時代から大好きで、
高校生の時に体育の授業で創作ダンスってありましたよね?
あれで「ここの踊りはこんなのどう?」とクネクネ踊って見せると
「そんな腰の動きできません」と却下された事があった(笑)
子供時代のわずかなクラシックバレエ経験と、ディスコ通いで培った?
リズム感、今全然使ってないなー。というかもうあんなに踊れないかな・・・
今誰か三鷹にディスコ作ってくれたら私通うよ〜(笑)

話はそれましたが、現実の自分はなんだか空回りしているような空虚感があった頃と
MTV全盛期とかぶっているから、いろんな意味で救いだったんだと思う。
死ぬほどアメリカに憧れて、絶対行ってみなくちゃ、と行動した事によって
その後の人生が少しずつ変わってきたし。

当時テレビ放送されたマイケルの日本公演、家で埋もれてるビデオたちの中に
今もあると思う。「 I Just Cant Stop Loving You」とか生で聴けた人が羨ましい。
録画機能をやっぱり修理しなくちゃ。
「ありがとう、どうぞ安らかに、ゆっくりとお休み下さい」と心より祈りを捧げます。


夕方、お客さんと太宰話を。
先日早稲田を歩きましたが、太宰は高田馬場駅と目と鼻の先のところに住んでいた事が
あるのですよね。指摘を受けてそういえば・・・と気付きました。
ちゃんと先に調べていたらそのあたりまで歩いたのに。
駅の反対側の方をなんとなく選んでしまった。
その時霊感が働かなかったのが我ながら残念。
昭和5年から6年の10ケ月間を「常盤館」という下宿屋に住んでいたようです。
鎌倉の事件を起こした時の住所です。

週刊朝日7月3日号に「本当の太宰治」という記事が掲載されていて、
太宰の遺体写真がそこに載っていた事にも話題が移る。
右手がむしろからはみ出していて、その長い指はわずかにカーブしている。
まるでペンを握っているかのように・・・
死んでもペンを離さない、この顛末を書き残そうというように・・・
当時はこれについて色んな声が飛び交ったそうな。
死に顔が穏やかで、指先がこれ。まさに人生=文学、という人のように思う。

太宰の指は小説を書くためだけにある、という美知子さんの
「金の卵を抱いている男」という表現が物語っている。
家事を手伝ってくれないというのは大変だったと思いますけどね。

太宰の入水について周りの人の書いたものの中でも
野平さんのものは冷静さが感じられて自分は好きだ、とお客さんは言う。
なんとなく夫人の野平ふさ子さんの手記のコピーがあったな、と閉店後読み返してみた。

その記事は『新潮平成20年6月号 没後50年「太宰治」の男っ振り』

過去の日記に感想を書いた覚えがあるのですが、
その時は提供いただいた方が「眉山」のモデルではないか、と発言された事を
事実もそうであるかのように書いているのを見て反省モードに。
その方に悪気は全くないのですが,そうでない可能性が十分あるし、
モデルになって嬉しい、と一概に言えない事も多々あるのですから
想像力が足りなかったな、と感じます。若気の至りですね。気をつけなければ。

今日読み返してみると前回とはまた違った考えも浮かんだので、何箇所か抜粋して感想を述べさせてください。
以下『』が本文より抜粋部分

『直治の遺書を書く時は、頭で考えるというより、ペンのほうが勝手にするする走っちゃったような感じがした』
という太宰の言葉。

「斜陽」は文学の神が降りてきて書いたような感が読んでいて伝わってくる。
これを発表したらすごい事になるぞという思いと、最高のものが完成した、という快感が
書いていてすごくあったのではないでしょうか、どなたかも太宰関連本で似た感想を書かれていました。

『その時印象に残ったのが手の指。すごくきれいで、女性ではないけれど白魚という形容がぴったり』

ふみ子さんも太宰の指先をしっかり捕らえていたようです。
皆さんこの太宰の指の美しさを述べられますね。あー、写真でなく動いているところを見たかった。
続きのエピソードがいいんです。きっと過去の日記でも書いていますが、

太宰さんって指がきれいですね、と言うと太宰が
じゃあ、綾取りしようか
と綾取りをするお二人。ここ、すごく好きです。
太宰のこういうところが好き。、作品の中だけでなく、普段の人との会話にも手を抜かない。
粋で洒落てるところがあるんですよね。
そりゃあ惚れてまうやろー、とつくづく思う。

最後に
『太宰さんはいったん仲よくなると、男でも女でもなかなか離れられないような魅力というか
魔力がありました。手でも、ただ握るというよりは、握りしめるという感じがするんです』

初めて読んだ時よりも、今はここの部分が何よりも染みますね。
もしお会いできていたら絶対好きになっていただろうと確信する。
握りしめる・・・ペンだけじゃなかったのですね。

ここに抜粋できなかったところにも素顔の太宰が多く描かれています。入水の日の事も。
太宰コーナーの資料のところにありますので、是非読んでみてくださいね。



2009年6月25日 木曜日
火曜日にご来店いただいたお客さんからメールをいただく。
来店時に「街の小さな文学館」に行ってみたいのですが、どのあたりでしょうか?
と地図を手に質問されたお方で、場所は説明できたのですが、
開館している事が少ないので中に入る事は無理かな?と気になっていました。

あいにくシャッターが下りていて残念に思っていたところ、ちょうどご主人が帰ってこられる
ところに出くわし、入館できたそうです。
色々な話が聞けたということで、すごくラッキーな方だな、とうんうんと頷くように
メールを読みました。締めくくりが「オアシスのような貴店をありがとうございます」と
嬉しいお言葉で感激した次第です。


静岡の方が三鷹で太宰治朗読会を実現される事をチラシで発見した、と先日日記で書きましたが、
そのチラシをご紹介↓


太宰治の世界 新朗読×杉山直 「黄金風景」「海」「走れメロス」
8月18日(火)三鷹市芸術文化センター 星のホール
8月21日(金)富士市ロゼシアター 小ホール チケット一般2000円(当日2300円)
                                 高校生以下1500円(当日1800円)

あとの詳細はチラシを貼っていますので見てください。
図書館のラックで私は見つけました。
チラシの裏の新朗読について等の文章がとても良いので、実際手に入れられて見る方がいいかも
しれません。「海」の朗読はかなり珍しい方じゃないかと思います。
写真を見てもわかるように、座って本を手に持って、という従来の朗読スタイルではなく、
立って、本はいっさい見ずに身振り手振りで朗読されているようなかんじ?
これは一見の価値がありそうです。
前にも書きましたが、お店に来店くださった時の穏やかそうな表情とはちょっと違った
迫力を感じます。

夏休みだし、お子様と行かれても良い思い出になりそうですね。


2009年6月23日 火曜日
良いお天気。
開店と同時に品の良い年配のご婦人と若い女性がご来店。
お二人ともとても美しく、お洒落。
通りを行く人が窓ガラスの本よりもお二人に注目してしまうくらい目立っていた。
そしてずっと文学の話をされていた。

ロシア語で書かれた「フォスフォレッセンス」にすぐ気づかれたようで、
芭蕉の研究本をロシア語で出版したお友達がいるから、その人なら読めるわね、
とサラッと話されていた。
終始カッコイイお二方でした。

明治学院大学の英文科出身で、太田治子さんと同じ学年だったという男性が来店。
特に仲良くしていたというわけではないがずっと気になる存在、というとこらしい。
太田さんの本などいくつか買ってくださる。

今度9月に発行予定「明るい方へ」は太宰さんとお母様の話を書かれたということで、
今から読むのをとても楽しみにしています。

「あなた、倉橋由美子さんに似てますよ」と言われました。初めてですね〜。
お客さん曰く学生時代に高知まで倉橋さんを訪ねた事があるとか。
当時は倉橋由美子を読んでいないというのが恥ずかしい、というくらい流行っていて
太宰よりも人気があったらしい。

今日は本がたくさん売れてとても嬉しい。
太宰の本をこれまたたくさん購入してくださったお客さん有。
今また太宰を読み返しているというおばあちゃん。
当時の三鷹の事を色々話して頂きました。

下連雀二丁目は畑ばっかりで何もなかった、
あの頃は皆生きる事に必死だった・・・と聞いていると、
「兄が作家で、中央線の文士の会などによくでかけていた、
井伏さんのところにも行った事がある」
「え?そうなんですか?」と思わずこちらの声も高くなってしまうような内容に。

「昔、兄が書いた小説を良く出来ていた、と誉めに来てくださった先輩作家が
訪問された事があって、もしかしてもしかしたら、太宰さんかもしれない」
確率は高くはないけどゼロではない、そんなすごい話に発展していました。
その先輩作家が太宰であっても、違う方だとしても、お兄様の喜んだ気持ちが十分想像できますね。

三鷹図書館の2階でやっている太宰治資料展に出かけたついでに、ご来店いただいたようです。
お好きな太宰作品は「きりぎりす」だと。私も好きですよ、
青春を過ぎ、苦い経験も積んだ大人になってからこそ読んで染み入る良さがあるように思います。
この資料展は7月5日(日)までです。行かれる方は是非当店にもお立ち寄りくだされば幸いです。

図書館といえば、桜桃忌の日ご来店のお客さんで、どこかでお会いしたような・・・、
と見覚えある方が「昔大学図書館であなたをよくお見かけして覚えていたものです」と
名乗ってくださった、そんなサプライズがありました。

「いつも遅くまで熱心な方だな、と思っていました」なんて言ってくださる。
卒論の資料などの為によく図書館にこもっていたのですが、その時カウンターに
いらっしゃった方でした。どこかで会った事ある・・・と思ったわけです。
今は都内の書店勤務だということで、いつか本屋をしたいという想いまで聞けた。
なんだかとっても嬉しかったのですよ。
今までの積み重ねの日々の私を覚えていた方がいて、お店に来ていただけたということが。
大学図書館の上の階の太宰コーナーのスペース・・・またいつか対面したいです。

こんなきれいな図書館の思い出があるかと思えば、後輩から
「図書館で口開けて寝るのは見てるだけで恥ずかしいからやめてください」と
注意された事まで蘇ってくるから不思議。
下宿する前は大阪から往復4時間かけて通い書籍部と講義とサークルとで
本読んでいるうちに寝てしまう事もしばしばありました。
「遅くまで熱心に」の正体は・・・半分は睡眠時間だったかもしれません、
ということは、元カウンターのお兄さんには内緒にしておきました。



2009年6月22日 月曜日
何かひとつ忘れているのでは?と思われた方もいらっしゃるでしょう。
そう、桜桃忌の6月19日は豊川悦司さんによる太宰治作品朗読会の日でもありました。
翌日の新聞記事では文士風な浅葱色の和服姿の豊川さんを拝見でき、
これ聴きに行けた人はなんて幸運な人達だろう、と思っていました。

お客さんの中には「当然お店休んでトヨエツ行ったんでしょう?」と声をかける人がいて
「チケットがまずとれないですよ、キャンセル待ちも100人いるとか噂がありますよ」と答えると
「じゃあ出待ちしたりした?」なんてイジワルな質問をこれでもかというほど投げかけてくる。
「いえいえ、お店が大切です。それにこの日は桜桃忌、うちの店が一年で一番忙しい日ですよ」と返すと
「ふーん、そうだったかー」とやっと解放してもらえた。

悪気はないんです。 イケメン好きだから店<トヨエツ だと思ったみたいですよ(笑)
私とは映画の話をするのが主で太宰の話題はそのお客さんとは皆無なので、
今回三鷹に豊川さんが来られる、しかも太宰、というわけで私が行かないわけがない、と
思われたのでしょうね。

出待ち?した事ないな〜。忘れてるだけかな。
先日、近所の公会堂に姜尚中氏が講演に来た時はちょっと出待ちする人の気持ちがわかりましたが・・
あの公会堂の建物の中に良いお声が響いてたのね、と想像するだけにとどめました。

そこでこの豊川悦司 太宰治朗読会に行かれたお客さんからその報告メールをいただきました。
とても臨場感が伝わってくるので、了解を得てここで紹介させていただく事にしました。
以下そのお客さんのメールよりコピー文です。

てっきり、普段着で椅子に腰かけて・・・を想像していたのですが、
幕が上がって、声を上げそうになりました。
豊川太宰がそこに、いたんです!!

席が後ろのほうで、照明も薄暗く、くっきりはっきりは見えませんでした。
そういえば、彼を見るのって、いつもアップだったんですよねー
だから、残念なことに、もうすでに、まぼろし化しています。
絶対忘れたくないから、何度も何度も、姿を思い出すようにしています。

あっ、作品は「朝」と「桜桃」でしたよ。
8時には終わってしまいました。

舞台には机、たんす・・・、そこは太宰さんの仕事部屋。
「きくちゃんの部屋」でした。
そして彼は着物姿。
もう、一気に引きこまれます。

これまでも、テレビなどでじっくり話すところなど、見たことなかったのですが、
今回は朗読に入る前に、いろいろ話してくれました。
きちんと笑わせることもあり、意外でした。
新聞にも載っていたようですが、
「ヴィヨンの妻」の映画、撮影の準備までできていたそうで、
本当に残念です!

「桜桃」は予想どうりで、本当にうれしかったです。
なんと、最初のあたりはタバコをふかしながら読むんです!
タバコ、普段は苦手ですが、香りがこちらまで漂ってきて、
いっしょうけんめい、嗅いでしまいました。
あんなに素敵なタバコの香り、初めてです。当り前か!
ドラマで見るように、遠くからも指の長さ、手の大きさがわかりました。
最初は机に座って読んでいたのですが、
途中、「正直に言おう・・・これは夫婦げんかの話・・・」みたいな箇所があるでしょ?
あそこで、急に立って、机の前に出て来て、あぐらをかいて読み続けるのです。
もう、この場面は心の中での永久保存です。
「桜桃」は大好きな作品で、行の電車の中でも読んでいたので、
聞いていて、「あっ、終わりに近づく」とわかります。
さみしいやら、悲しいやら。
そして最後の桜桃の場面。
淡々と過ぎて行きました。

「終わりです」と一言。あっさりと、幕は下りてきました。
「アンコール」と叫ぶわけにいかないし。
最後に幕の横から、もう一度出てきてくれました。
やはり背が高い!
でも、お辞儀をした後、すぐ消えてしまい、客電が付いてしまいました。
やはり、見たことがまぼろしだったような。
そんな気分にさせられてしまいました。

きっと、想像どうりに普段着であれば、「生豊川悦司を見た!」と思えるのでしょうが、
そこにはテレビや映画でおなじみの彼がいて、
それで実感がないのだと思います。

それでも、太宰さんからの最高の贈り物を戴いたと思ってます。
そして太宰さんを知ることができたことに、豊川さんにもお礼が言いたいです。


以上です。
読んでいるとその「まぼろし」が瞼の裏側に浮かんできました。
あの長くてきれいな指が遠めでも確認できたこと、
煙草の香りをいっしょうけんめい嗅いでしまうところは思わずこちらも
息をフゥーッっと吸い込んだりして。

一番ジンときたのは舞台が「キクちゃんの部屋」の再現だったという事です。
「朝」の演出をここまで考えてくださったというのは粋ですね。
聴きたかったな・・・豊川さんの「朝」
「桜桃」はドラマで少し読んでいますけど「朝」は初出ですよね、きっと。
私が「朝」で一番好きな箇所は

<キクちゃんも仰向けに、私と直角に寝て、そうしてまつげの長い大きい眼を、
しきりにパチパチさせて眠りそうもない。>

のところです。
緊張しているのはキクちゃんも同じなんだ、とこの2行でよくわかります。
真っ暗闇ではなく、蝋燭を灯しただけの部屋。
傍で寝ている人に対して好意を持っているのなら、
きっとその人の顔を時々チラっと見てしまう筈。
蝋燭に顔が照らされていたとしたら、私だったら視線が長いまつげに直進する。それに影が出来るでしょ?
昼間とはまた違う表情が発見できると思うんですよ。
私だったら我慢できないかも(ちょっと爆弾発言)

「朝」の舞台は「女のひとの部屋」 その女のひと、キクちゃんが日本橋の銀行へ勤務している時間に
執筆する作者を想像すると、キクちゃんは不在でもその部屋は
「若い女のひと」の匂いがしていたんじゃないかな
そのあたりはテキストには全く書いていないので、イチ読者の想像のみなのですが。
「煙草の香り」からちょっとそんな事まで思い巡らせてみました。

煙草の匂いは嫌いだけど、煙草の香りは好きかもしれません。
喫茶店も食事も禁煙席を選択しますが、
空いたドトールなんかでは喫煙席に腰かけます。
スーツ姿のリーマンさんが難しい顔をしながら書類に目を通し、煙草を吸う姿は遠めに見る分には美しいから。
指先が豊川さんのように長くてきれいだったら、気づかれないようにみとれていると思います。
それに煙草の香りのベヱゼは記憶に深く残る(何書いてんだか!)

あと女性がスケジュール帳をチェックしてる無防備な姿も美しいですね。
お茶はついでであって、目的はそういう風景を見に行く場所かな。ドトールやマックなんかは。
いや待てよ、そういえば先日は復刻「ベーコンポテトパイ」を食べる為にマックに行ったわ。

あらあら話がそれてしまいました。では再度朗読会の話題に戻って・・・

こちらのお客さんは豊川さんのファンで、主演ドラマ「太宰治物語」を観た事がきっかけで、
太宰作品を読むようになられた方なのです。
今回の朗読会が決まりそうな時に、どうやったらチケットが取れるかを一緒に考えたりして、
発売日には開始時刻と同時に電話されたようです。
本当に取れた時の報告メールを受けた時は、私も自分の事のように喜びました。
こうして朗読会の様子を教えていただき、私はこれで十分です。
報告の掲載を快くOKして頂き、心より感謝申し上げます。

先日午後に地上波でドラマ再放送があったようですね。TBSチャンネルしかチェックしてなかった。
本日のクローズアップ現代もお店の時間とかぶっていたので見れませんでした。
やっぱり録画機能は必要だな〜。
修理する事を前向きに考えよう。お店のFAXもね!



2009年6月21日 日曜日
忙しいのは2日間のみ。
3日目の今日となると雨のせいもあるのですが、いつものヒマなお店に戻っていました。
しかし今日もまたサプライズが!

「ンダスゲマイネ」の作者の楠木あると先生がモーニングの編集者の方と一緒にご来店。
四年前にダザイヴェートでお会いして以来かな?
来てくださっただけでも嬉しいのに、なんと当店に「ンダスゲマイネ。 太宰治蒼春篇」を
1冊献本いただき、その場でサインしてくださったのです!感激が止まりませんでした

       

イラストまで!私がどれだけ喜んだか、想像できますよね?   宣伝チラシもいただきました。今ならまだ有りますよ
この1冊はご来店いただいた皆さんに手にとっていただけるよう
に非売品閲覧用として太宰コーナーに置かせていただきました。

表紙の例の写真の右上に情けない落ち込みモードの太宰のイラスト↑があるのがツボです。
明るい太宰も勿論魅力的だけど、やっぱり後ろから背中をさすってあげたくなるような、
母性本能をくすぐられるのはこういう落ち込みモードの太宰かな。
「んだすけまいね」は津軽弁で「だから嫌や」「だから駄目」という意味だと漫画の中にありました。
作者の楠木さんが「ダス・ゲマイネ」がとてもお好きな事からもこのタイトルになったようです。

でも私って本当にダメだな、ツメが甘いな、と思うことがありました。
ラストの方に出てくる洋子という人物が太宰に向かって
「あなたは正義ということをご存知?
あなたは男らしさということをご存知?あなたは清潔ということをご存知?
あなたは愛ということをご存知?」というセリフがあるのですが、
それは「フォスフォレッセンス」から取ったんですよ、とお聞きして「あ、そうだ!」と
膝を打ったのですが、読んだ時に気づいておくべきだったな、とちょっと恥じました。

三鷹篇も続篇として書かれるということで、楽しみに待っていようと思います。
何よりあの四年前の桜桃忌、構想の段階だった物語がこうして形になり、多くの方に読まれ、
先生も私も元気に再会できた事、とても嬉しく思います。
今日も良い日だった。ありがとうございました。

明日のNHK「クローズアップ現代」のテーマが「生誕百年 太宰治はなぜうける?」だそうです。
製作側の方が前にご来店いただいた事もあるのですが、うちの店は若いお客さんというよりは
30代以降のお客さんが常連さんであるので、あまり協力できなかったのです。
その分未知の世界なので、どんな内容になっているのかとても興味が沸きますね。

あと最後に告知を。
昨日ご来店いただいたお客さんが、今週末に今話題の「1Q84」の読書会を開催されるということで
詳細をお知らせいただきました。その模様が同じく「クローズアップ現代」で来月中旬に放送されるようです。
興味のある方は参加されたらどうでしょうか?以下ちょっと長くなりますが詳細コピーです。


〜『1Q84』その中心と可能性をめぐって〜

新刊『1Q84』をめぐる読書・談話会を開催したいと思います。

読書・談話会としてのオフ会の開催は初めてになりますので
要領を得ないところも多々あるかと思いますが
楽しくそして読後の感動や知的好奇心そして疑問など
みなさんで分かち合える会になればと考えています。

■開催日時
開催日 2009年6月27日 (土)
時間  読書談話会 13:15〜16:30 (開場12:30) 
      懇親会   〜20:00 頃  

■場所 
JR中央線荻窪駅西口北側にある線路沿いの
カフェ『ROKUJIGEN 6次元』(元『ひなぎく』、『梵天』のあったところ)
のご協力を得て貸切にして開催する運びとなりました。
     Gallery Cafe ROKUJIGEN 6次元
     杉並区上荻1-10-3-2F tel 03-3393-3539 http://www.6jigen.com  
     http://mixi.jp/view_community.pl?id=3894471

■参加費1,500円(1drink付)懇親会は各自負担とします
(懇親会と分離し参加費を予定の2千円から千五百円と
 変更することで参加しやすくさせていただきました。
  尚、懇親会の参加希望の有無を必ず表明願います。)

■目的
新作『1Q84』その主題は何であったのか?
そして物語の可能性をめぐる談話や意見交換を通じ
村上春樹的世界の理解と懇親を深めることを目的とします。

■進行・議題項目(案:検討中)
・開催の挨拶と進行説明
・『村上春樹的世界』コミュの紹介と過去のイベント説明
 (様々な村上春樹的世界を写真にて疑似体験していただきます。)  
・過去の作品や発言をめぐって
・他の作家、作品、思想との関係性について
・『1Q84』物語の展開とキーワード
・物語の形式と構造について
・記憶と現実(歴史や事件、現実社会)との関係について
・「二」をめぐって(数と図形のアナロジーと意味、以下は例)
・僕の居場所と繋がりについて(存在理由からナショナリズムまで)
・村上春樹と日本の近現代について(近代の矛盾と二義性、無責任の体系)
・物語の意味と力について(神話、心の声、自分の物語を想像する力、死や回復の物語・・・)
・コミットメントについて(社会的メッセージ、態度、変化・・・)  
・その他(視点、感想、Q、ユーモア、宗教、愛とは、食べ物、音楽、続編についてなど)

■準備・用意アイテム
 『1Q84』、春樹読本、レジメ、プレゼ資料、春樹的ファッション?
 ノート、音楽CD、写真、レモンドロップ?・・・
 村上春樹的心、愛?村上春樹的世界演出、小確幸^^?

※談話会ではパソコン等AV機材をプレゼに用いる予定です。
 レジュメなどビジュアルデータをご用意いただける方は
 画像やウェブデータ、パワーポイントデータなど
 対応可能と考えていますので そのような方がいらっしゃいましたら
 設定作業等準備を考慮し早めにお越し下さい。
 またシンフォニエッタやビリージーン、ジョン・ダウランドの器楽合奏曲『ラクリメ』
 などといった音源をお持ちの方がいらっしゃいましたら
 お持ちいただけましたら幸いです。

■参加申し込みについて
 ご希望の方はmixi内『村上春樹的世界』コミュニティに参加の上、
 イベント登録頂くか、管理人宛(nasci@nifty.com)に簡単な自己紹介とともに
 ご希望の理由と都合の宜しい開催日などを記しメッセージをお送り願います。
 また会場となりますカフェ『ROKUJIGEN 6次元』でも受付させて頂きます。
 尚、人数制限によりお断りさせていただく場合がありますのでご了解願います。

  私こそ“ふかえり”なんてあなたは是非お越し下さい。
  「空気さなぎ」づくりに挑戦したあなたも
  作品をお持ちいただけると嬉しいですね。
  青豆なあなたももちろん歓迎です。
  でも睾丸蹴りのパフォーマンスはご遠慮願います ^^;

■お知らせ
  当日は報道関係の方々が取材に入ることになりましたのでご承知置き下さい。(※)
  また参加される方の中には当コミュ以外の方、たとえばハルキ的学究者や
  カフェのお客様等外部からの参加も見込まれますのでどうぞご了解願います。

※ 取材はNHKの“クローズアップ現代”という番組スタッフによるもので
  来月中旬に放送予定とのことです。


とのことです。
私は本に触れることしかできていません。図書館予約はしているものの順位が80位周辺をウロウロ
いている状態ですのでいつ読めるのやら・・・それまでは今は太宰を読もうと思ってます。

走れメロスマラソンも終わり、明日夜の「クローズアップ現代」の放送も終われば
怒涛のように掛け抜けた桜桃忌ムードもひと段落するでしょう。
でもうちのお店は変わらず在り続けます。
まだもうちょっと太宰の気分をひきずりたい方、どうぞご来店ください。
勿論、やっと普段のまったりモードのフォスに戻ってホッとした、という方々も是非。
お待ちしております。


2009年6月20日 土曜日
太宰治検定の受験日。
近くで会場があった事もあり、帰り道ついでに寄ってくださったお客さんが何人かいらっしゃいました。
開店早々入店いただいた方も検定を受けられる方。次のご来店の方は
昨日五所川原で銅像を見てきて深夜バスで都内に朝着いてそのまま太宰検定受験の為に
三鷹に来たついでに寄ってくださった、という日焼けした男性でした。
バスに10時間以上揺られていたというのに疲れの影もなく、若いっていいよな〜、と感心しました。

そういえば私も20代、30代の頃はなにかというと深夜バスを利用していた事を思い出し、
自分も歳とったな、など思い耽ってしまいました。
がっしりしていかにも体育会系な爽やか青年が太宰に惹かれていて行動している姿は
私には新鮮に映りましたね。どちらかというとやはり文系に見えて中身も文系、
という人が周りには多いので。
昨日・今日は太宰好きな方が多く、しょっちゅうお客さん同士で話されていて、
そんな光景をカウンターの内側から微笑ましく見させておりました。

ダザイヴェートに参加いただいたあるお客さんは2日連続で来店いただきました。
「検定を受けても満点に決まっているからあえて受けない」なんて発言が飛び出し、
店内大ウケになっておりましたところ、
文学サロン等で太宰作品朗読の経験がある女性がご来店。
受験したてホヤホヤの太宰治検定の問題用紙を見せてくださった。
2問ほどこれどうですか?と他のお客さんに尋ねられたりしておられましたが、
ほぼ正解だったようで合格は間違いないみたいです。

話の流れで「津軽」の一部を朗読いただけるという幸運な機会に恵まれました。
青森ご出身の方なので、津軽弁はネイティブ。全部のお席にお客さんがいらっしゃったのですが、
朗読の時間は店内がシーンとして、ただ「津軽」の文章のたけの声の響きだけがコーヒーの香りと共に
流れていく時間はなんともいえないものがありました。

私がたけとの再会のシーン、「津軽」をはじめて文庫本で読んだのは、
金木に向かう列車の中だったような気がします。
列車の中で思わず泣いてしまったので、ちょっと恥ずかしかったけど、
隣にいた夫が頭を撫でてくれてなんとか落ち着いた記憶があります。
そんな思い出もあり、思い入れはひとしおなのでとても感激しました。
聴いていたお客さんも鳥肌が立ったそうです。

東京に来た当時はとにかく方言が出ないように、と気をつけていたのだけど、
朗読をするようになった今は津軽の地元の言葉を大切にしていきたい、と
おっしゃっられていて、語り継いでいってほしい、と思いました。

2日連続で太宰作品の朗読をこのお店で聞けて、自分はなんて幸せものなのだろう、と思いました。
そうえいば太宰朗読の第一人者、原きよさんは今年の桜桃忌は青森で過ごされたようで、
新座敷や斜陽館で太宰作品の朗読を実現されましたね。
太宰治検定ブログの6月19日のところでその写真や様子を拝見させていただきました。
太宰の息づかいが感じられる場所で太宰作品を朗読、これってすごい事ですね。
生誕百年、時を超えてさまざまな事が実現されていく。皆さんおっしゃるように何か見えない力を感じます。

昔の写真や原稿なども発見されていますね。
落ち着いたらじっくりとニュースや記事を見直そうと思っています。
6月16日のテレビ番組「なんでも鑑定団」で太宰の中学時代の同人誌「蜃気楼」が
出ていたそうですが、再放送があるかもしれませんのでチェックしておきます。
「王様のブランチ」で齋藤孝さんが太宰について語っていたのは
ここで今なら見れます。「親樹の言葉」が読みたくなりますよ。

http://www.youtube.com/watch?v=VprHxdHdVhs

お客さんが昨日の私と木村さんが映った放送といい齋藤さんといい
最近の人は太宰を明るくハキハキ語るからなんかいいですよ、と言われていました。
たしかに最近は人間失格のイメージだけで太宰を嫌うのはもったいない、と
明るい太宰を打ち出そうとしている動きが目立ちますね。
それによって他の優れた短編などがもっと知られるとしたらこれほど嬉しい事はない。

でも暗い太宰もその一部であるし、目をそむけないでいたいです。
世間とは逆に行く、というつもりではないのですが、
実際に桜桃忌で墓前に行ったけど、酔っ払いがいてちょっと怖かった、とか
政治問題などについて大声で話している人がいてビックリした、とか
色々な声があります。
そういう人も惹きつけてしまうものがあるからでしょう。
ずっとお墓の隣を陣取って「桜桃忌はここにいりゃあ酒と女には困らないから」
なんて言ってずっとお酒を飲んでる人もいるとか。
私はちょっと噴出してしまいましたが、快く思わない方がいるのも当然だと思います。

こういう時にはいつも、以前に太宰朗読をよくされていた長田さんというおじいさんの言葉を思い出します。
太宰を好きな気持ちには変わりはない、太宰さんは人を差別はしない、弱いものも受け入れるから、
とあの優しい眼差しで。
いろんな人がいるんですよね。
ここで出会って結婚するものもいる分、遠い昔、ここで自害した文士もいるのですから。
きれいな事だけ書いていても嘘があると思ったから、日記には感じた事全部書いてしまって
いますけど、私も知らない間に何か人を傷つけているかもしれない。
なにか気になる事がありましたら遠慮なくお伝えくださいね。

さまざまな事を考える桜桃忌一日後の夕方・・・

するとまた店内が賑やかに。若い男性が続けてご来店。
生誕百年で沢山本が出ているのを読んでみたらハマった、という方、
太宰の話は普段出来ないからしたかったという方、

19時になりもうこの流れも終わりかな、という頃、ニコニコと女性がご来店。
滋賀から桜桃忌の為に来た学生さんだという。
このお店に寄ってから、銀座の「バー・ルパン」に行くつもりだとのこと。

2004年1月放送のテレビ朝日の「永遠の恋物語」がきっかけで太宰を読み漁り、
「それ以来太宰さんの虜さんです」と満面の笑みで答えられる。
またまた若いっていいな〜、とつくづく思いました。
このドラマ、私も観ました。第1回が「さっちゃんの初恋 太宰治情死事件」で、
主に「さっちゃん」をクローズアップしたドラマ。富栄役のりょうさんがすごく良かったから覚えてる。
メガネをかけている事、「さっちゃん」という平凡な名前、それが上手く料理されていて
「さっちゃん」という仇名の女性がちょっと羨ましくなったくらいでした。

「狂言の神」に外国煙草のキャメルが出てきたから太宰の愛飲煙草だと思ってたんですけど、
ゴールデンバットなんですか?という質問に、おそらく外国煙草は高いから、
いつも吸ってるいたわけではなく時々だと思います、なんて曖昧な事を言ってしまった。
お客さんの質問にはなるべく答えられるようになること、これが目標ですね。
彼女はあのスツールに腰掛ける事ができたかな?
太宰が生きていた当時の建物で今も変わらずあるお店は「ルパン」くらいでしょうか。
ひじょうに貴重な場所ですね。私も二度目のルパン行き、近いうちに果たしたいです。



2009年6月19日 生誕百年桜桃忌
そして生誕100年の桜桃忌が幕を明けました。
色々とすごかった。基本的にヒマな当店が19,20日は大忙しでした。
当初本日は実はしょこたんばりに更新しようではないか、など企んでいたのです。
そこで夜のNHKニュースウォッチに出演する情報もお伝えする予定が、
さすが桜桃忌。手が空くことなくお知らせできないまま放送時間になってしまいまして、
事前にわかっていたら見れたのに・・・という方には申し訳なかったです。
といっても19日の昼間に収録したものをその日の夜9時に放送という早業だったのです。
新聞の朝刊のテレビ欄には「生誕100年いま太宰がかっこいい」とあって、
まだ撮ってないのに自分がもしかしてこれに出るの?と信じられない気分でした。

例年のように桜桃を振舞う準備完了。お皿は勿論太宰皿。


ちょうどお客さんがお花を持ってきてくださって華やかな窓辺になった。感謝。
毎年この日だけ出番の新潮YONDAグッズの太宰皿。サクランボをのせて。
独特の艶やかな紅がいいですね。

準備OK、と開店しようとするともうドアの前で待っていてくださったこの日お一人目のお客さんは
仙台から来られた若い女性。
三鷹図書館の2階で行われている太宰治資料展に来てうちのお店を見つけてくださったとのこと。
そして次々にお客さんがご来店。
最近お店はヒマなので、久しぶりのこのかんじに自然に頭がシャキッ!としてきました。

「津軽美人」という言葉がピッタリの女性から、書肆北奥舎発行、津軽の同人誌
「北奥気圏」の生誕百年特集号をいただく。
これがかなり充実した内容で、これからじっくり読ませていただこうと思っています。
閲覧用として太宰コーナー棚に設置させていただきますので是非ご覧下さい。

弘前大学の理事の方もご来店くださり、シニアサマーカレッジのパンフレットを
お持ちいただけました。「太宰治と義太夫」などの講義があり、受講資格は50歳以上、と
いうことで私も7年後、時間とお金ができていたら是非受講してみたいと思いました。
詳しくはパンフをご覧下さい。

それと太宰の中学生時代の写真を飾るには許可がいるということで、申請用紙をいただきました。
私は1ファンとしてこうしてお店を営業し、太宰のものを飾ったりしているけれど、
何か太宰治という人の尊厳について自分でも気がついていないところで疎かにしている事はないか、
改めて店内を見回してみた次第です。
故郷では銅像が建つような人なのだ、今も生家はあの土地で聳え立っているのだ、と
身の引き締まる思いでした。そして無性に津軽に行ってみたくなった。
生誕祭というものをやはり一度は見ておきたいと。

そしてNHKのニュースウォッチの収録が始まりました。
お客さんに了解を得、狭い店内にカメラが入ります。
お会いするのを楽しみにしていた『太宰治検定』実行委員・タレント兼文筆家木村綾子さん登場。
か、かわいい・・・ハンパなく垢抜けてる。才色兼備なのにツンとしたところが全くなく
ふんわりしたかんじの小柄な女性です。

実際の太宰トークは結構あれやこれや話しましたよ。すごく波長が合って楽しかった。
今度毎日新聞社から太宰治に関する本が発行される事は以前に日記で書きましたが、
木村さんもその本に執筆されるということで、私が手に持っていたのは光栄にもそのゲラ。
お先に拝見させていただいてたのです。
一緒に写真も撮らせていただいたのですが、「美女とじゃがいも」ってかんじでしたのでアップは辞退で。。
あとは木村さんのブログで当日の事などをご覧になってくださいね。
お店にいらっしゃったお客さんに積極的に話しかけられてたのが印象に残りました。
カメラ回ってない時もにこやかで素敵な方です。
あと、高井アナウンサーがこの狭い店内、暑い中スーツでテキパキお仕事されてるところを見れたのも
かなりラッキーでした。

放送を見れなかった方、ダザイヴェートにも出席してくださったお客さんが、ご自身のブログで
ニュースの一部をupしていただけたので(大感謝!)ご覧になってください。

法政大通教の日々 6月20日の桜桃忌2の日記に動画があります。
             木村さんがうちのお店を見つけ、入ってくる時の歩き方やしぐさが好き。注目!

その後18時までもたくさんお客さんに来ていただきました。
グッときてしまったのが
「あなたは本当に一途な人ですね」と年配のご夫婦からかけられた言葉。

「あなたは私らの事なんて知らなかっただろうけど、
あなたの事は私らは色々知っているんだよ、不思議なものだね」と言われ、続けてお話を伺うと
インターネットで楽しみに読んでいるサイトのひとつに加えてもらっているからだそうです。
嬉しい事ですよね、本当に私は幸せものだよな、と今日は実感しました。
太宰さんが愛されるほど私は幸せになっていく。
やっぱりこの店にとっては神様のような存在だと躊躇いなく言えます。
この店が続けられる底力はそこにありますからね。

サークルの後輩が来てくれたり、年に一度のお久しぶりの方が来てくれたり、
桜桃忌帰りの方が色々と報告してくださったりしているうちに18時になり閉店に。

さてダザイヴェートが始まりました。今年はシークレット、シークレット、の連続でした。
詳しくは近日中にレポしますが、さわりを少しご紹介。
前座はDAZAI NOW 2009 太宰と発表者による対談形式だったのですが、
なんと!リハもなく突然、「すいません、ご主人、太宰役をお願いしてよろしいですか?」
この申し出には私もビックリ!もしかしてドッキリ?って思ったくらい。ないか(笑)
それが驚き。主人はなんの躊躇いもなく原稿をもらい、太宰役のセリフを声に出して読み始めた
それも雰囲気満々な抑揚で。 ま、あなた!やればできるじゃーん、ってかんじでした。

上記のサイトにこの時の様子が書かれてあり、
「太宰役を店主様の旦那様に演じて頂き旦那様の端正な顔立ち、クールで知的な雰囲気、
甘い声があいまって好評を頂くことが出来ました。」
とあって、誉めすぎだろ!と思いつつ我が夫ながらおおいに萌えさせていただきました。
たしかに参加者の皆さんから「いつも寡黙なご主人が」冒頭からやられた、
といった声がたくさん届いています。とにかくレアです、これは。
出会って10年のサプライズということで都合のいい解釈をしています。良い思い出になりました。

そして女性参加者による「黄金風景」の朗読。
素晴らしかったです。ちょっとラスト泣きそうになったし・・・
その後「負けた」のところの言い方についての議論が行われました。
朗読される方によってここの声の大きさ等が違うようで、
同じ作品でもそれぞれ違った「黄金風景」になるというのは大変興味深いですね。
生誕100年のこの夜に、三鷹のうちの店の空間で「黄金風景」が読まれた時間、
これは忘れられないですね。 

あとお二方の発表や自由討論の内容についてはレポで書きます。内容濃すぎてこれは日記では書けない。
桜桃忌の夜、うちの空間で過ごす事を選んでくださった参加者の皆さん、ありがとうございました。
生誕100年でない桜桃忌も、きっと生誕111年もここでダザイヴェートをできたらいいな、と思っています。
今回定員締め切りで参加できなかった方も、別の機会に是非どうぞ。

二次会に出かけられた人達を見送った後、あと残り3,4つになった
サクランボを2人でつまみ、朝には顔半分埋まってた紅色が、太宰さんのお顔だけになりました。
この瞬間が毎年すごく好き。達成感みたいなものがあるのかな。
また来年もよろしくお願いします、とお皿の横顔に向かって問いかける。
生誕百年、誕生日、おめでとうございます。これからも見守っていてください。

桜桃忌の後の講堂のフリートークで太宰治への手紙を読んだ人がいて、とても良かった、と
皆口を揃えて言われます。聞きたかったな〜。そこで私も締めの言葉をちょっと手紙風にしてみました。↑
その手紙を読まれた角村さんは、むさしのみたか市民テレビ
トークを私とご一緒させていただいた方です。過去の番組は動画として見れるようになるのかな?
その折には是非ご覧下さいね。


2009年6月18日 木曜日
いよいよ明日は桜桃忌。
今年はやっぱり生誕100年であって、従来の6月19日とはちょっと違うのだ
ということを段々実感してきました。
この2009年の桜桃忌を無事迎えられる事、お店を続けられている事に感謝したい気持ちで
いっぱいになっています。

前回の日記の冒頭に触れたばかりですが、
昨日の朝日新聞朝刊で大宮に住んだ太宰、案内人の方が登場していました。
私の名前もチラッと活字になっていました。
太宰が滞在していた頃の大宮について調べていくきっかけに
このお店がなれたというのはとても嬉しく感じています。
案内人の玉手さんは明日ダザイヴェートにて大宮太宰についての発表をしてくださる予定ですよ。

桜桃忌までに実行すると日記で公言していた昨年の桜桃忌イベントのレポですが、
すいません!出来ませんでした。今年のレポはなるべく早くアップしますので、その勢いついでに
やるつもりでいますのでどうかお許しください。

明日三鷹・禅林寺に来る人、多いのでしょうか?天気予報では曇りのようですが・・どうでしょうね。
文学サロンや陸橋、百日紅の木、玉川上水、など街を歩かれる方も多いと思われます。
意外と見落としそうなスポットをご紹介しておきます。
新聞に掲載された事も多々あるのでご存知の方も多いと思いますが、閉館している事が多いのです。

今日たまたま前を通ったらシャッターが開いているのを確認し、入館できました。
禅林寺通りのホテルサンパークの前に「街の小さな文学館」という建物があります。
今日と明日は開いているそうです。
そこで太宰治生誕100年展をしていますよ。


サンパークホテルの前でもあり、美味しいケーキで有名な「レヴェ」の少し手前の道路の反対側にあります。
少し先へ行くと桜井浜江さんのお宅がありますね。

「思い出の太宰治 情死行雑記」という冊子を100円で販売もしていました。
館内には見たことがない写真がいくつか飾ってありました。
富栄さんの少しうつむき加減の写真、これは私は初めて見ました。
太宰の踏み切り前のマントの写真は有名ですが、同じ場所で少し下を向いている立ち姿の写真も
ありました。この写真はあまり太宰の写真の中でも類を見ない構成かと。
若松屋のご主人と仲良く2人で写っているものや、時間があったらじっくりと見たかったものばかりでした。
太宰がよく飲んでいたお店の名前が羅列されているのが印象に残りました。
さすが地元で永く住んでいらっしゃる方独特な文学館で、文学サロンとはまた一味違った趣が感じられます。

館長の丹生さんと少しお話できたのですが、やはり生前の太宰を見た事があるという。
この前の道をよく歩いてたよ、下駄をはいて大概は着物。頭ボサボサで、文士独特。
やはり女性にモテたのがわかりますよ、ですって。
富栄さんの事を悪く言うものがいるけれど、太宰は富栄を好きだったよ、
奥さんは当時は辛かったろうけど、晩年は幸せだったよ、とも。
2人の出会いの話などもしてくださって、貴重な体験をしました。

なんだかホッとしました。
坂口安吾は太宰が富栄さんに惚れているとは思えない、と「不良少年とキリスト」に書いている。
だからって批難する気はない。嘘をついているとは思えない、安吾はそう思ったのでしょう。
入水の遺体引き上げの時の話も、目撃者それぞれ食い違っている事もある。そこにも嘘はないと思う。
私は太宰は抵抗などしていないと思っている。
今日初めてなんだかこわくてずっと避けていた事を書いてしまっています。
真実にこだわるよりも、太宰が残してくれた作品がすべてだと思いたいから、
別に思っている事を口に出してもいいんじゃないか、と。

先日日記に書店の太宰コーナーの片隅で自分の未熟さにはがゆい思いをした事を書き、
三鷹在住の生前の太宰を知る人たちの評判がすこぶる悪いということも書きましたが、
ふと思い出したんです。
野原さんの娘さんがお店の事を知ってとても嬉しいと電話をかけてきてくださった事を。
私達家族よりも太宰の事が好きだったと思う、と。その言葉が真実でしょ、って
自分に言い聞かせました。
近くにいた人は皆太宰の事が好きだった。太宰の優しさを知っている。
私は優しさ、愛という科目、そこを究めていきましょう、と何も俯く事はない、と思えた。

太田治子対談集 「言い出しかねて」を読んでいたら今江祥智が、
お母さんは太宰治の放射能を浴びて、それはずっと消えないもの、みたいな発言をしていて、
なんだか燐光みたい、と思いました。
太宰という光源は消えてしまっても、光を当てられたものは自らの内からのエネルギーで光続ける。
phosphorescense
このお店もその放射能をずっと放ち続けたいと思う。それが目標ですね。

開店当初はおぼえにくい、と一部で評判いまいちだったこの店名ですが、
8年目、生誕100年に辿り着いてこの店名にして本当に良かったな、と思える今日このごろです。

以前に生誕100年である今年中に三鷹で太宰朗読を開催したい、と静岡から三鷹に来られた
時にお店に寄ってくださった方の事を日記で書きましたが、
図書館で朗読会案内チラシを発見しました。朗読をされるお姿が写真に載っていたのですが、
来店された時の穏やかな雰囲気とは全然違う迫力に驚きました。
チラシを家に忘れてきたのでまたの機会に詳細お知らせします。
来店いただいた皆さんが時間が経って、その時に計画されていた事が
色々と実現されているところが素晴らしい。私も頑張らなきゃ。

注目のコミックスも発売になりましたね。これは新刊で買いました。
連載中雑誌でも目を通していたのですが、通しで読むのを楽しみにしていました。



本を買った時にふと宇野亜喜良さんのイラストが目に入り、
テイクフリーのVOX45を見つけました。斜陽 太宰治特集と表紙にあり、
宇野さんが太宰を語るインタビュー記事があります。


きれいな表紙に「斜陽」の文字。素敵ですよね

では今日はこのあたりでしめます。
明日の通常営業は12時〜18時です。お知らせにもあるように18時からはイベントの為
貸切となりますのでよろしくお願いします。
13時頃にテレビの収録が入りましたので、ちょっとバタバタするかもしれませんが、
そんなに長くかかるものではないと思いますので、どうぞ入ってきてくださいね。
番組の詳細についてはまたお知らせしますがニュースの中の一部となる模様です。
桜桃忌に多くの方とお会いできる事を心より楽しみにしております。


2009年6月15日 第3火曜日なのでお休みですが特別篇
いよいよ今週桜桃忌です。うちは連休ですが。

テレビで太宰が取り上げられたり、映画の製作発表があったり、新聞記事になったり、
連日太宰のニュースが入ってきている中、この日記ではあまり話題になっていない事にも
触れていきたいと思います。

「週刊読書人」が生誕100年ということで太宰治特集を組んでいます。
三鷹図書館では常設されていて、読む事ができました。
意外なところでは写真週刊誌「FLASH」にも太宰の特集記事がありました。
富栄さんの遺体の写真が掲載されていることで驚いた方が多いようですが、
その下に「長時間放置されていた」ような事が書かれてありました。

太宰の遺体だけすぐに移動され、富栄さんは放置されていた、と多く認識されているようですが、
野原さんや野平さんの書いたものを読んでみると一概には言えないようです。

当日はものすごい雨。そんな中、やじ馬もどんどんやってきます。
警察の指示で遺体を一旦棺に収めたり、またとりだして、の繰り返しが数回され、
富栄さんがそのまんまの状態になっていた時間はあったのだが、
故意に放置したような事は決してなかった、と。
私が読んだものを思い出して書いても伝わらないと思うので、
野平健一「玉川心中の情死現場」という文章を読んだ記憶があるのですが、
どの本に収録されていたのか・・・また後日でも調べて書き加えておきますね。

6月15日火曜日、雨。富栄さんのお墓に行って参りました。
ずっと行きたいと思いつつなかなか機会がなかったのですが、
昨年桜桃忌に来た後に富栄さんのお墓ににも寄ってみたら
太宰とは違ってあまりにひっそりしていたので寂しくなった、という方の声に
背中を押されました。1年がかりで気になってた事なのです。

久しぶりに電車に乗って緊張した事もあり、途中中野あたりで一回下車してしまいました。
私がパニック障害持ちだとは以前にも書いた事あると思うんですけど、
ちょっと予期不安がきてしまいまして・・・
駅のホームを立ったり座ったりして、何度か三鷹行きの電車もやり過ごし、
いや、今日行かなくちゃいつ行くんだ、と深呼吸し、また飯田橋方面の電車へ乗る事ができました。
その後はなんとか落ち着いて無事飯田橋へ到着。
有楽町線への乗り換えの改札で、偶然に京都時代の書店員仲間に会う!
ちゃんとスーツ着て仕事行ってるじゃん、と当たり前の事に関心してしまって・・・
これが良かった。元のテンションの私に戻っていたというか、ためらいなく進んでいく事ができたのでした。

江戸川橋駅を降りて、川を渡って目白坂を上がったところに永泉寺が右側に見えました。


        
永泉寺入口。目白坂を上がってすぐ右手です。         富栄さんのお墓はこんなにお花がいっぱい
ここの左奥に墓地へ通じる細い道があります。

細い道を入って奥に墓地が広がるのは禅林寺と似てますね。
お墓がとにかくたくさんあるので「山崎家」という文字を見つけにくいですが、真ん中のあたりにあります。
やっと来れました。白百合忌直後という事もあり、たくさんの花になんだかホッとした、というのが先かな。
正面でなく右側に「富栄」の文字が刻まれいます。
他に人が居なかったので落ち着いて向かい合う事ができました。
遅くなりました、私は・・・

ひっそりとはしていますが、とても良いところだと思いました。
近くには神田川、江戸川公園、目白坂を上がって少し、このあたりは坂道が多く、坂道フェチ(見るだけ)
の私には嬉しい散歩コースでした。


こんなかんじの坂が多くてその先を突き止めたくなる。
三鷹はあまり坂がないから新鮮で。
ちなみに一番好きな坂は金沢犀川沿いのW坂。

このあたりは出版社や印刷工場が多く、通りを歩いていると紙の匂いがしてくるのです。
それが心地よくて、知らない土地を歩く高揚感と供にひたすら歩きました。
すごいですよ、永泉寺から高田馬場まで歩き、少しお茶休憩をはさんで
またそこから飯田橋まで歩きました。足が棒になるかと思いましたが、
早稲田の学生さんたちに混じって通りを歩くのは楽しかった。古本屋さんもたくさん見れたし。
〆は念願の紀の善の抹茶ババロア、やっと食べれました。
神楽坂っていいですね〜、老舗の和菓子屋さんや工芸品なんかのお店が通りを連ねているかと
思うと、ここはフランス?っぽいオープンカフェの風景があったりして。
サボリーマンがみんな出版社勤務の元文学青年に見えて。
足が棒になってる事も忘れてゆらゆらと坂を下ってゆきました。
またゆっくり来たいです。

天下茶屋や下曽我、ゆかりの場所は全部行ってみたい。
今回永泉寺に行って、改めて禅林寺が住まいの近くにある事を実感しました。
昔は深夜バスで時間をかけて来たのに・・・
そういえば19日で旦那と出会ってジャスト10年です。
松山から深夜バスで向かう彼、京都から深夜バスで向かう私、
ホームページで彼の(写りのいい)写真を見てひとりときめいていた私は、
バスに乗ってる時から、サービスエリアで彼に会わないかしら、と
もう既に恋してた状態になっていたのでした(笑)
まさか太宰の墓前で初対面した人と結婚するなんて
縁なんてどこでどうなるかわからないものですね。
そこは太宰さんに感謝しないといけないです。ほんとに・・・
近日中に禅林寺に行って、直接お礼を言わなくては。


2009年6月13日 土曜日
昨日夜遅く、玉川上水沿いを散歩しました。
61年前の今日ならまだ太宰さん生きていたんだ、
その日も紫陽花が川沿いにきれいに咲いていたのだろうか?
そんな思いを巡らせながら、ただひたすら歩きました。
1948年6月12日は太宰が単身で大宮へ行った日でもありました。

2月に大宮を訪問してから4ヶ月。あれから大宮ツアーを企画してくださった方に
さまざまなサプライズが起こっているようです。詳しくは「太宰が住んだ大宮」特設HPへ

ついに桜桃忌ウィークに突入したこともあり、周囲もなにやらざわめきはじめたようです。
私は見れなかったんですけど、今朝のテレビ番組でも太宰をとりあげていたところがあったとか。
ニュースでも気難しいけど・・・10代女性半数以上が「太宰治」好き 
なんて驚きのデータ?が配信されていたり、新聞でも映画化にちなんだ記事が出ていたり、
19日までは色々と太宰が持ち出されるような気がします。
うちの店も桜桃忌仕様に模様替えしました。もう毎年の事ですからあまり変わり映えはないんですけど。
さくらんぼを本と本の間に飾っています。年に一度の太宰一色の窓辺です。


こんなかんじになってます。

今日は川越から44年ぶりに三鷹に来てみた、というお客さんがご来店。
ハキハキと質問される、男前なかんじのおじいさまです。
「フォスフォレッセンス」の意味や「桜桃忌」という名の由来などにひじょうに興味深く質問され、
ひとつひとつメモされていたのが印象的です。
これから玉川上水まで歩くんだ、と帰られる時の颯爽とした後姿が眩しかったです。

今日は大阪の母がお友達と一緒に来店したんです。
いきなり「あんた、化粧もしないの?」とその後10回くらい同じ小言を言い、
お友達を呆れさせてました(笑)

あと、私は今日膝下までのパンツをはいていたのですが、そこから靴下まで約10cm出ている
素足の空間に数箇所ある蚊の刺されあともチェック。「あんた何これ?」って。
絶対領域なんて可愛いもんじゃないですよ、ほんと。
たしかにダメですねー私。化粧も女のたしなみですよね。
お店に来てくださるお客さんへのエチケットでもあるのかもしれません。
でもすいません、更年期の影響ですごい汗かきなんです。
ファンデが崩れて益々顔向けできなくなるのでお許しください。
余裕が出来たらそのような女性としてのお洒落面もきちんとしようと思います。

まあそんなことより今日は6月13日です。
今夜は・・・ちょっと感慨深い夜になりそうですね。



2009年6月12日 金曜日
6月13日付配信の「リビングむさしの」に「太宰が生きた三鷹を旅しよう」という特集ページがあります。
うちの店の事も桜桃忌のイベントとして掲載されているのですが、お知らせのとおり
今年は参加応募を締め切らせていただきました。記事を見て行きたいと思ってくださった方、また来年、
あるいは季節の読書会に是非ご参加ください。

この「リビングむさしの」を見ていると、素敵なカクテルの写真を発見!
文鳥舎さんで召し上がれるようですよ。
「桜桃忌にちなみ、淡いピンク色の桃のリキュールに真っ赤なチェリーを添えて」
という紹介文を読んでいたらお酒弱い私もすごく飲みたくなりました。
粋な企画をされるな〜。私も何か創作したいな、と刺激になりました。

日経新聞の記者の方がいらつしゃって、やはり桜桃忌なので太宰に関する取材をしているとのこと。
あくまで生誕100年という切り口で、ということだったので、よく考えたら特に何もしていないな、と
改めて気づかされました。私はいつも言うように、お店の方向性や目標という部分の話になると
「ただ存在し続けることが大事。求められる時に必ずこの場所をOPENにしていること」と答えます。
これが基本理念なのは変わってません。
例年どおり季節に一度のイベント、桜桃忌はテーマは自由で、これを欠ける事無く繰り返す、と。
でも「記念」というものの重要さも最近気づき始めてきてはいるのです。

ちょっと考えているのは年内にフォスフォレッセンスオリジナルブックカバーを作ること。
生誕100年で100枚限定で。ってスタート遅すぎですよね・・
三鷹市が太宰に関するグッズ製作において事業向けで費用をいくらか負担してくれる制度などもあるのは
前々から知っていたのですが、それでも資金がないなー、と思っていました。
でも「ちょっとペラペラ?」「ちょっとダサイ?」なかんじでもいいのではないかと。
今うちの店が儲かってそうだと思う人はまずいないでしょう。
なので身の丈なかんじでいいんじゃないかと。
とにかく生誕100年に何か記念になることをしようか、あと残り少ないよ、と自分に言い聞かせて
いるところです。また具体的になれば報告しますね。

なんて思ってるところでちょうど読んだマンガに「身の丈=失敗のもと」みたいな事が書いて
あって、極論ではあるけれど余計に奮起させられた。時には地上5cmくらいは頑張ってみる事も必要かと。

そう、「週刊モーニング」なんですけど、「ンダスゲマイネ」がひとくぎりついたようですね。
お近くだった頃によく来ていただいていた、今はアメリカに住むお客さんより
「今回とても良かった」とメールいただいて嬉しかったのです。
アメリカでもリアルタイムで読めるのか、とビックリしました。
ご主人が島耕作を読む為に取り寄せられてる、ということだったかな?

特に銭湯での、山岸外史とのシーンがとてもよい、と。
「色気」って性別を超えて、相手に届くものですよね、との言葉に大きく頷いてしまいました。
三鷹時代篇も書く予定はある、とページのはしっこの作者の言葉、みたいなところに書いてあったので、
続編を期待しています。

雑誌「GINZA」発売になりました。「いま読みたい本 行きたいブックストア」という特集の
136Pに当店が紹介されています。よろしかったら見てくださいね。
他のお店の紹介も興味深く読みました。知らないところもありましたね、機会があれば行ってみたいです。
雨の季節だからこその本特集、かっこいいなと思いましたよ。
お気に入りの長靴、というのも文学少女の必須アイテムっぽいですけど、
私は持ってません。そういうのがあれば雨でも朝から気分が上がるんでしょうね。

minaperhonenの長靴を買えないけど、並んでるとこ画像で見るだけでいいな〜、
とネットで検索しましたけど、あまりヒットしない。
やっぱりかっこよく検索条件ワードは「レインブーツ」なんですね。またまたおばちゃん勉強になりました。
ま、このお店の窓辺から見る、小さなお子さんのレインコート&長靴ルックの
可愛らしさを時々目撃できるだけで今は充分です。


2009年6月6日 土曜日


「フォスフォレッセンス」という花が実際にあるとすれば、こんなかんじではないかしら?

とイメージしながら、窓辺に飾ってみました。
先日、おしゃれな100円ショップに行った時に、素敵ディスプレイがされてあったので、
参考にしてみました。たまにはプラスチックフラワーもいいのではないでしょうか。

お客さんに「 1Q84 」の感想を聞いていると私もとても読みたくなって、
本日貸し出し開始日ということで、初めて開館前の図書館に並びました。
ドアの前の列は雨のせいか短めな気がする。10番以内のまあまあ良ポジションをゲット!

すごいですよ、ドアが空くと同時にダーッ!っと新着図書のラックめがけていく人々。
でもなぜか誰も走らない。早歩きなかんじです。さすが「図書館ではお静かに」を皆さん心がけてます。
私も早歩きでダーッ!新着図書のラックはひとつ。さあ、裏か表か、いざ勝負。
手前側に定めをつけて本を見る、あった!緑のラインが見えた。
思わず「あった!」と声を挙げてしまって後からすごく恥ずかしくなりました。
が、その時は恥も忘れてるかんじ。
で、本の背表紙にタッチはできたんです。上の角の方。
しかし次の瞬間、サッと下から本はさらわれていきましたとさ。
悔しくないと言えば嘘になりますが・・・うーん、やっぱり相当悔しいかも(笑)
ま、6月のこの時期に太宰を読まなくてどうする、ということにしよう。

でも私も手を離さず、他の人手を離さず、だったらこれぞ本の大岡裁き!
だからこれで良かったのです。
ってちょっとおおげさに表現してますね。
本をゲットした人はごく自然に本を抜いてらっしゃいました。
私が背をちょっとタッチしたくらいで。
ダーッと入口から人が殺到したわりには皆さん本は丁寧に扱われていて、良かったです。

本に触れただけで内容がわかる手、あったら欲しいか?NO。
パラパラとページをめくる、あのめんどくさが読書の醍醐味。飲み物も一緒にね。

「 1Q84 」には「三鷹」も登場するそうで。
内容はなかなかロマンチックですよ、と聞いたら私ダメ、すぐ読みたくなる。
重版ができたら書店に行ってみようかな。

先日吉祥寺の書店に行ったら、太宰コーナーすごかった。ちょっと圧倒されたくらい。
新潮文庫が生誕100年専用垂れ幕作ってますし、あの浴衣に笑顔の太宰のパネルもあったような。
最近太宰関連本色々出てますよね。
個人的に「女が読む太宰治」プリマーブックスだったかな?が気になったので
図書館で予約しました。

本来書店であんなに大きく太宰が扱われていたらファンとしては嬉しい筈なのに、
なんだか恥ずかしくなってその場を早めに去ってしまった。
それは自分のふがいなさ。
太宰研究の難関さにぶつかると自分には無理な範囲と諦めてしまう。
ミーハーなファン、をなかなか突き抜ける事ができない。
だからあんなに堂々と太宰と向き合ってる本が並んでいると直視できなくなる。

でも帰りの自転車で玉川上水沿いを駆ける頃には気分は晴れかかってくる。
太宰さんの「優しさ」の部分を受け持てばいいよ、
受け入れる、それを究めればいい。
その場所を提供し続ければいいよ、と。
それに家路について風呂に入っても、布団に潜っても、
なんだかあの笑顔が、ボーっと浮かび上がってくるんですよね。
やっぱり近々また見に行こうと思う。ちゃんと向かい合って。写真だけど見つめて。
他の書店ものぞいてみようっと。

最後に自分に一言。借りるより読みたい本は買えよ!
値段を見ずに読みたい本をレジへ持っていけるよう事を目標に、日々頑張ります。
かりそめのフォスフォレッセンスの花に、誓います。

2009年6月5日 金曜日
「太宰治を好きになったきっかけは、高校時代の教師が大の太宰好きだったからです」
今日初めてご来店いただいたお客さん曰く、太宰みたいな粋なかんじの男性だったそうです。
たまにいますよね、太宰のような雰囲気の先生。
ためらいなく生徒に太宰の話をするその姿を想像すると、とても眩しい・・・

南木佳士の「草すべり」という本の中の短編、「穂高山」に、
芥川龍之介の「河童」の話を生徒たちにしてやったけど、まったく興味を示してくれなかった、
と国語教師が嘆く場面があります。
誰も話しをきいてくれない、とそんな思いで定年を迎えてしまうのは淋しい気がします。
お客さんやその太宰好きの先生は幸せなんでしょうね。
中学の時は国語の授業で寝た事はないし好きだったけど、
高校時代は国語の時間、正直寝てしまった事が何度かある。
先生側から見た風景を想像すると、今頃すいませんでした、と言いたくなる。
そんなだから今目の前にある出会いを大事にしなきゃいけない、と思うのですね。

鶴見俊輔「太宰治とその時代」のコピーをお客さんからいただいた。
『太宰治研究1/その文学』筑摩書房1978年発行の本にあるもののようです。
興味深く読ませていただきました。
文豪ナビ収録の「評伝太宰治」でも『「惜別」は信じられないくらい読みにくい、退屈である。』
とある。いつか読書会のテーマ作品にした時には掘り下げてみたいですね。
戦争と太宰について。これは扱いずらそうだけど、
あえて不得意分野にも挑戦しなきゃいけない時もある。

まずは今月の事を、目の前の事を考えましょう。
トップでお知らせいたしましたように、6月19日桜桃忌ダザイヴェートは
定員となりましたので締め切らせていただきました。
今年は発表者が例年より多く、多分私は発表なしで司会に専念になりそうです。
もしキャンセルがありましたら、またお知らせさせていただきます。
また、19日はイベント中貸切となりますので、
お店は18時で閉店させていただきます。どうぞよろしくお願いします。

参加してくださる大学生の方はイベント企画集団を運営されているそうで、
DAZAI NOW 2009 という企画を19日まで予定していて、
ダザイヴェートでも発表してくださるとのことです。
店内にもチラシを貼っています。気になる方はサイトもチェックしてみてくださいね。



2009年6月4日 木曜日
「爽」のソーダフロート味を毎日のように食べている今日この頃です。
スーパーで安く買えるので、ソーダ、ソーダ、時々オレンジヨーグルト、ソーダ♪
ってかんじで、すっかり爽やか系になっちゃってる?と鏡を覗き込んでも、ただおばさんあるのみ。

むさしのみたか市民テレビ局の月刊わがまちジャーナルにて「太宰とわたしと三鷹」という
番組に私が出演しております。6月11日までの放送ということで、よろしかったらご覧下さい。

現場に居たものとしての感想としましては、ひじょうに良く編集できていてビックリしました。
2時間近く撮ったものが上手いこと18分で凝縮されている。すごい。
ただ自分の老化具合にも結構ショックを受けました・・目の下のクマがくっきりポン!
それに妙なテンション・・あ、私ってこんなかんじだったんだ、と事実を受け止めるしかない、
これが私のキャラなんだな、と開き直るしかない、と。
おそらく誰でも映像で動く自分を見るって慣れないとこっ恥ずかしい気持ちになるのでしょうね。
慣れればきっと客観的に観れる筈。
生前の太宰を実際見た人の声は貴重です。隣で聞いていてドキドキしました。
このような良い番組に参加出来て幸運に思います。

観れない方の為にちょっと内容を。
その生前太宰の姿を見たという方は、当時着物を着て歩いている人がほとんどいない中、
ちょっと不気味でもあった、とあまり良くなかった印象を述べられました。
子供だった事もあって、脚色なく正直に感じたまま、というかんじ。
そこで「ちょっと待った!」とばかりに
同じように三鷹時代の太宰とすれ違った女性の話をしました。
おばあちゃんになった今でも尚、その時の太宰のしびれるような色っぽさを忘れずに頬を赤らめて語る、と。
進行役の若い男性がどちらもすごく太宰らしい、としっかりとまとめてました。

最近来てくださった三鷹に長く住んでおられるお客さんも、「太宰?評判悪いよ」とバッサリだった。
でも二回目に来てくださった時は、実際太宰に会ったという方から聞いた話などをしてくださったり
「あの作品はいいよね」なんて言われて、あれ?読んでられたのか、とちょっとクスッと
笑ってしまった。なんとなく気になる、無視できない男なのでしょうか。

ガイドには所属せず独自の太宰の足跡案内をしているという男性も、
「太宰?まあみんな悪いことしか言わないね」あっはっは、みたいな調子ですけど、
それでも若い頃から好きで、口説き文句のテキストにもしていた?という
その作家を、評判が悪いからと言って嫌いにはならないようで。

評判悪いといっても、9割は飲み代のツケを払わない、文学仲間で騒ぐ、といった
ところからのようです。まあ、顰蹙を買ってなんぼの無頼ですからね。
私は妙に常識を気にしてしまうから無頼に一種の憧れはありますけど、
芸術家でないものがマネしても怪我するだけですからね。
自分で見ていてもちょっとイタイ乙女チックぶりですけど、
この憧れの気持ちを、そのままにまっすぐ表現していくしかない気がします。
これからもこんなかんじでいきますので、どうぞよろしくお願いします。


2009年5月29日 金曜日
昨日、福島から東京へ来たついでに、と半年振りにお客さんがご来店くださる。
事前に電話で「28日行きます。この日は太宰に関係ある日です。来店するまでに考えておいてください」
と言われていたのですが、あっという間に当日が来て答えを見つけられないままになっていた。
その答えというのが絶対思いつかなかっただろう、という1日違いの海軍記念日。

太宰の「葉桜と魔笛」に関係のある日でした。
主人公の女性が「私はあの日を忘れません」という日。
「どおん、どおん、と春の土の底の底から、まるで十万億土から響いて来るように、幽(かす)かな、
けれども、おそろしく幅のひろい、まるで地獄の底で大きな大きな太鼓でも打ち鳴らしているような、
おどろおどろした物音が、絶え間なく響いて来て」と表現されているバルチック艦隊の日。

そのお客さんは来る度に昔ドラマであった「冬の花火」は良かったよ、と教えてくださる。
太宰役は石坂浩二、周辺の女性が檀ふみや加賀まりこと聞いて気になって
検索してみたら再放送されるとか。これは必見かもしれません。
「冬の花火 私の太宰治」で TBSのサイトから検索すると詳細が見れます。
なぜかリンクが上手くいかなかったので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

6月19日のお披露目の日はまだ店に居る時間、ただ今録画機能が故障中・・
と思いきや、午前中の時間帯で再放送もされるようですよ。
心中の場面がちょっと複雑な心境になるかもしれませんが、
これは物語。演じている俳優さんたちには敬意を持って鑑賞したいと思います。
放送当時の反響など知りたいところですね。


すいません、私の確認不足でした。
お客さんからのメールで「TBSチャンネル」の番組だとわかりました。
CS放送なのでスカパーかケーブルテレビに入っていないと見れないそうです。
お知らせいただいたお客さんに感謝です。
以後しっかり把握してからお知らせしますね。
ぬか喜びになった方、きっといらっしゃるのでは。お詫び申し上げます。

で、そのサイトを確認の為見直していると、時の人豊川悦司主演のあの「太宰治物語」が
6月28日に再放送される事を発見!
また、タイムリーに「葉桜と魔笛」原作を元にした映画「魔笛」も6月6日に放送されるようで、
これはちょっと見れる方が相当羨ましくなってきましたよ〜
生誕100年を機会に過去の太宰ドラマ、再放送の機会が増えるといいですね。


2009年5月28日 木曜日
しばらく雨が続くようで、お天気の良い日に外に出ておいて良かったです。
最近どこへでも自転車ででかける、とは先日書いたと思うのですが、
地元民ではない分、まだまだ未開の地が多いからこそ、地図を持たずに
カンだけでグングン進んでいくのが楽しくて仕方がない。
あら、こんなとこに工場直送のケーキ工房があるでないの!とかね。
当然スルーできなくて買ってしまって、待てよ、あと2時間以内では家に着かないよ、と途方に暮れたりもして。
お持ち帰りはあと6時間くらいです、って言ってもいいものなんでしょうかねえ・・
そんな失敗も笑えるくらいに5月の風はとても爽やかで、半袖ではまだ少し肌寒くとも、
ひんやりとした感触が気持ちよくて、先週の連休は最高のサイクリング日和でした。

バラ園に行かなくとも民家の庭先で綺麗に咲いているのをたくさん見れたし、
本当に緑が多くて、武蔵野に住めて幸せだな〜、と実感しました。
梅雨に入る前にこの季節の匂いや湿度を感じる事が出来て本当に良かった。

ほぼ半日ほど自転車の上で過ごした後のお楽しみはバスタイム。
5月でまたひとつ歳をとった自分へのバースデープレゼントはバスタイム。
オリゴメールっていう入浴剤、一袋700円くらいするんですけど、
フランス・ブルターニュ地方のミネラル豊富な天然素材100%の入浴剤。
それとアロマオイルのジュニパーの組み合わせを、肌がすべすべになるって
古内東子さんが自著でおすすめしてたんです。
一回そんな贅沢してみたいな、と常々思ってたんですけど、
じゃ、5月の連休に試してみよう、と思い立って吉祥寺のロフトへ。

最近記憶力がめっきり低下した私・・・家を出る前は「オリゴメールにジュニパーね」と
余裕をかましていたのですが、ロフトに着いた頃は案の定、名称を忘れていました。
だから物忘れ激しいんやからメモをとれと言っただろう、メモをとれと!と自分にクレームつけまくり。。
ジュニパーの方は何をどう間違えたのか「パチェリー」と思い込んでる始末やし。

商品整理をしていた店員さんに、
「すいません、このお店で一番高い入浴剤はどこですか?」とおそるおそる聞いてみたら
さすが一発です!「そうですね、有名どころではこのオリゴメールとか・・」
「あ!それ!それです!」と無事にゲット。
「パチェリー」もアロマのコーナーで1本1本名前を見ていると「そうそう、ジュニパーや!」と思い出せた。
この2つの商品を買えた事でこんなに気分が晴れるなんて・・・
そういえば以前は服はバーゲンのみ、とか書いてたけど今は全然買ってない。
美容院も1年近く行ってない、やばいやばい、美容に関する事ひとつくらいなんかしたいー、
と思ったのがきっかけでした。マスカラのリベンジもしたいし。

でもオリゴメールってあまり匂いがなくて、湯船につかって30分くらいしてから汗が噴き出てくる
とのことですが、熱めの温度で入浴していたので30分も待てずにギブ。
いまひとつ実感が沸かないで1回こっきり終わってしまったのでした。ま、気分良かったからアリかな。
ジュニパーはこれから何回も使えるし。

ではそろそろお店の話題へ。
お散歩系・街新発見ブック 「吉之助」をご紹介します。 第二号は太宰の特集号です。
今なら店内フリーコーナーにありますよ。


三鷹・武蔵野を愛するフリークスの為のフリーマガジン、とのことで、
次号からも是非チェックしたいですね。

ブラブラあてもなく散歩、それもいい。
でも地図があるとやっぱり無駄な動きをしなくていいから
キリッと目的地へ向かう時には便利。
お客さんが持っていた昭文社刊「サイクリングマップ東京」は便利そうでコンパクトで
持ちやすくて自転車屋さんも載っていてよさげだった。
近々ゲットしたい1冊です。

以前、読書会に参加してくださったお客さんが、太宰の「誰も知らぬ」をヒントに
漫画を描いている、とお聞きしてずっと気になっていたのですが、
その漫画が完成し本になりました。当店で販売しています。


労働と新宿と肉塊 作者は高塚Qさん 定価945円です。

気になった方、是非お店へ本を見に来てください。
恥ずかしながら、その「誰も知らぬ」がモチーフという話を読んでみた後、
正直どこが関連しているのかわからなかったので、思い切って作者さんに聞いてみました。
あの、ダーッとわけもなく表へ飛び出すかんじ、全身が雨に撃たれていて・・・
と説明してくださるさまを見て、伝わってくるものがあった。
私はまだまだだな、というか
表面的なものしか感じ取れていないのではないかと。
「誰も知らぬ」に関しては負けた、ってかんじ。
太宰の作品を大切にしてる人の想いに触れて、打ちひしがれた感があった。いい意味で。
太宰ファンの店をやっているのなら、そういうところを見過ごしちゃいけないよ、
と太宰さんの声が聞こえてくるようです。

爽やかな季節が通り過ぎたら、次は桜桃の季節です。今年は特に、くっきりと。
トヨエツ太宰の朗読会、楽しみにしていたお客さんからチケット取れました!のメールあり。
自分の事のように嬉しかったのです。
豊川さんが太宰を演じていた事がきっかけで、太宰作品に興味を持つようになられた方なので。

太宰治検定の申し込み期間が20日で終了したようですが、
当店ではまだテキストの在庫があります。1890円です。
欲しいのにまだ手に入れてない、という方、よろしかったらどうぞ。
桜桃忌のイベント参加希望の方も引き続きお待ちしております。
雨が多いとお店はヒマな事が多いのですが、こういう機会に
過去のイベントのレポートをアップするなり、言い出した事はちゃんと実行しようと、
思ってますので、あたたかく見守っていてくだされば幸いです。



2009年5月18日 月曜日
今年も6月19日、いつものやります。
季節に一度のイベントが夏だけは読書会でなく自由に太宰を語る会になります。
詳細はイベントページをご覧下さい。
ご存知のとおり、うちは小さなお店ですから少人数のこじんまりした会です。
現時点でほぼ半分の人数が埋まっていますので、ご希望の方はできるだけ
お早めに参加の旨お伝えいただけるよう、よろしくお願いいたします。

このところ太宰の情報がたくさん入ってきます。
角川映画「人間失格」についての話題がホットですね。
荒戸源次郎監督が撮るということで、かなり楽しみです。
赤目を観に行った時の衝撃を思い出します。
主演の生田斗真さん、ラッキーな人なのではないかと私は思いますが、
どんな大庭葉蔵を見せてくれるのか、期待しています。

世間の反応は?と気になりネットで色々と辿っていくと、
やはり生田君ファンは若い女子が多いようで、見ていると
ジェネレーションギャップを感じつつ、「初めて太宰治の文庫買ってきて読みました」
なんて声が結構多くて、いい傾向ではないかと思いました。
余談ですが「昨日からネズジンパチ」って寝ないで仕事に行く事の例えらしいですね。
なんで根津甚八が若い女子に今受けてるの?って考え込んでしまいましたが・・・
いやー、おばちゃん大変勉強になりました。それに寝ないで仕事行くの無理ッス!

最近は前からお知り合いのお客さんがよく来てくださって、
店内のチラシ告知も増えています。
朗読でおなじみの原さんはこの初夏に津軽や大分、都内でも朗読のイベントがあるようで大忙し。
詳しくは店内チラシをご覧ください。
また前にも告知した自主映画「グッドバイ」上映イベントのチラシも店内にあります。
大宮ツアーのファイルの中味も更新されました。

桜桃忌を前にいつくかのテレビ報道番組でも太宰関連のものを製作するようで、
うちにも問い合わせがあります。
本屋さんに行っても紙面に「太宰」の文字をチラホラ見かけたり。
中でも「旅の手帖」の太宰特集はページ数も多く充実してました。
立ち読みですみません、ほんと。家計が苦しいもので。

でも朗報です。うちのお店の近くのサミットに宝くじ売り場が設置されたのです。
ここで一発ガーンと当たりを引きたいな、と結構マジにお祈りしています(笑)
いや、3億円なんて言いません。100万、生誕100年で100万!
今年中に当てるのをひとまずの目標にしています。
自己啓発書の文句じゃないけど、私は100万当たる!ツイテル!とここで宣言しておくと
現実になる確率が0,0000000001%くらい上がるのでは、ということで一応書き込んでおきます。

3億円当たったら?まずありえないけど、うちの店の1日ウエイトレスを
ペネロペ・クルスにお願いしたいです。え?3億円じゃ無理?ま、冗談ですけど。
100万円当たったら地道にお店の事に使い、そうそう、奥のガタついたテーブルを
安定したものに買い換えたいです。
でも3億円当たったらパーッと派手に使いたいもんです。ヘンですかね?この感覚。

と、現実離れした話題はそろそろ見苦しいですね・・・
明日明後日第3なので連休をいただきます。
最近読んだ本に「紀の善」の抹茶ババロアがでてきて、
なんだかすごく食べたくなったのでちょっと足を延ばしたいような気もしましたが、
クーラーの網の掃除などを地道にやる事にします。
でもどうしても甘いものが頭をちらついて離れなかったら、その時はその時。
明日は明日の風が吹く、です。
ではまた連休明けの木曜日からお店でお待ちしております。


2009年5月9日 土曜日
やっと晴れた!
もう毎日のように雨で、昨日も晴れたと思ったらまた降り出すような
一向に油断できないかんじで、都内で出たという虹もこちらでは見れなくて、
夜にあの連日の空模様が嘘のようなピッカピカの満月が出たことが救いで、
そんな1週間の終わりに、どうだ、みたか!くらいの気持ちよい晴れ。良かった。

          
チーズケーキ始めました。                   太宰の好物だった若生のおにぎり。
うちのコーヒーにはやっぱりチーズケーキが合うと     お客さんが青森に行ったときに若生を入手し、
思うのです。土日に時々登場予定です。          つくられたものです。
                                  これが太宰好みの味か〜、って
色々バリエーションをつけてつくっていきたいです。    美知子さんが作って枕元に置いてくれたのか〜って。   
今回は小さいサイズなので300円でお出ししてます。   思いながら美味しくいただきました。  
                                  ばんだい味噌もグー。津軽の味がしました。

お客さんから三鷹芸術センターにて豊川さんの太宰治朗読会のチラシをいただきました。

夜にいただいたのでちょっと暗くてすいません。
しかし絵になってますよね〜
「朗読作品未定」とのことで、何を読まれるのか楽しみですね。

そろそろ周りが太宰づいてきました。
お店も一緒に勢いを加速していけるように、かといって焦らずに、
初夏の日々を落ち着いて過ごしていきたいです。


2009年5月8日 金曜日
「何ひとつ手をぬくことができない、
こんなきびしい時間はそこらにない、
こまかさはくちびるをもれる歯の、
まつ毛のひとすぢづつにも、
こころと時間とをこめる、
あなたがた女といふひとの
女といふたからをみがくときの、・・・
女が女であるための必要な時間の、・・・」

室生犀星 「こまかく粧る」より一部抜粋

ご存知のとおり、普段ノーメイクの私。
でもこの詩の「まつ毛のひとづぢにも、こころと時間をこめる」という一行に
感化されて久しぶりにお化粧をして出かけました。
よく駅やデパートのトイレでものすごく熱心にマスカラをつけている女性がいますよね、
なんだかすごくいじらしくて、羨ましくて、そんな思いでいたからこの詩がすーっと入ってきたのです。

でもバスの中でなんだか眠くなってきてあくびが出て目から涙が滲んでくる、
でもそっと目の端にハンカチを当てることくらいしかできない、
その内ものすごく目が痒くなってくる、でもこすれない、これは一種の地獄ですよ。
でもみんなこんな苦労も乗り越えてるんだ、私はまだまだ甘いですな。
もうマスカラはこりごり、なんてつけた先から諦めている。

林芙美子の「晩菊」でも女の装いについてこれでもかと描写している。
しかも50を過ぎた女。昔の恋人に再会する為に気合をいれてお洒落をする、
でも男の目的はお金であって・・という短編。
男女の会話や心情がテンポよく展開されていて、なかなか面白い。

今日は雑誌「GINZA」の取材があったのでした。
昔一度載せていただいた事があり、私も好きな雑誌です。
6月12日発売の本特集に掲載されるようです。良かったら見てくださいね。
マスカラの後遺症でまた素顔で撮影です。

お奨め本を3冊用意してくださいということで、読者層を想定して選んだのですが、
ライターさんの「これ買いたいです、でも在庫がある方がいいですしね」という言葉に
「発売までに再入荷しますから、どうぞ」とお買い上げいただいた。
以前にも同じような事が何度かあるのですが、その度に実はすごく嬉しいんです。
選んだ本を前に、なぜその本がお奨めかを説明するのですが、その宣伝文句に
惹かれるものがあったから買ってくださるということだから。
コピーライティングセンスを高めれば、お客さんにお奨めする時にも効果が上げられる筈ですからね。

NHKの「歴史秘話ヒストリア」で6月17日に太宰を取り上げるとのことで、
夕方、その取材班の方々がお店に訪問される。
主に美知子さんと甲府で生活をスタートさせた頃の中期の太宰が中心の内容とのことです。
それでしたらうちに甲府時代の太宰の新聞連載のコピーが綴じてありますよ、と
お見せしました。
6月17日は水曜日。夜はNHK見なければ!



2009年5月7日 木曜日

そらあるきの最新号入荷しました。

お客さんと偶然にも金沢の話になっていたので、
「そらあるき」の存在はご存知ですか?とお聞きすると、興味を持たれ、お買い上げいただきました。
入りたてホアホヤで売れるとなにやら幸先がいいような気がして嬉しいものですね。

その金沢の話というのは、金沢で結婚したお知り合いがものすごく金がかかった、
いう話でした。婚礼費用がバカ高いのは名古屋だけかと思ってました。
あと金沢大学に憧れていた、と。お城の中にある大学だから、って。
あ、そうか、たしかに。美術工芸等を腰を据えて学ぶには、金沢っていい場所でしょうね。
次に行けるのはいつなのだろう・・そらあるきを読み込んで出かけたい。

本を買うきっかけ、ってさまざまですね。ほんとお客さんに学ばせていただいています。
「ふらりふらり帖」というエッセイ本をガラス窓に陳列していました。
ナチュラル系の写真が多いエッセイ本で、一昔前よりこういう系の本に
今スポットが当たってきてますよね。
絶対若い女性あたりが買うだろうな、と思っていたのですが、
中年の女性の方が、なんとジャケ買い!
表紙の「このレースのイラストがあまりにきれいだから」と中身もチェックせずに購入。
かっこいいなと思いました。

私が関西から三鷹に引っ越してきたと知り、
「私は実は三鷹は嫌いなんです」と意外なお言葉。
以前は横浜に住んでいたけれど、一日のうちに夕方を過ぎると、
海風がサーッと吹いてきて、涼しくなり変化を感じられる。
三鷹はアスファルトの照り返しがすごくて一日中暑いかんじ。
そう聞いてそんな事生活していて考えた事なかった!とちょっとした発見でした。
それなら高いところに住んで、冬の間はベランダから富士山が見える、くらいの
環境だったらプラマイゼロになるかな?いや、おつりが来るくらいかな?

私も横浜に行った時、海が近づいてくると潮風を感じた、あの涼しさがいっきに
肌に蘇ってもきました。あれはたしかに気持ちいいわ、
一日のうちに変化がきちんとある、って快適なんだな、とちょっと憧れに似た思いが。

金沢だって犀川からの風がある。
そっか、私は大阪と京都と三鷹でしか生活してないから、
海や山や大きな河の近くの風を感じながら日常を過ごすという事を体験していないんですよね。
そういうのもまた憧れが。
憧れるということは夢があっていいものです。
夏だけ別荘生活、言うだけタダですし。おおいに憧れておきましょうか、ね。


2009年5月2日
5月に突入。同時にGWが本格スタートしました。
弘前の桜も満開なのかな・・・
お天気も良くてちょっと暑いけど過ごしやすい季節の始まりです。
ただおおいに悩みどころは虫。
お店に来てまずはガラス窓にへばりついた虫退治。
初夏から夏にかけての恒例作業。
開店後もドアが開く瞬間に外から虫がドバーッと入ってくるからさあ大変。

ここでもこんなに虫が出るんだから、玉川上水沿いなんてもっと出るだろうし、
涼しい夏の信州だって生活するとなると、きっと虫とはもうトモダチになった方がラクだ、
くらいの境地になるかもしれない。

たかがGW、されどGW,人の多いところや渋滞にわざわざ飛び込むなんて、
と言いつつも旅に出れる人々がちょっと羨ましい。
旅先で虫にさされたとしても、日常に戻った時、風呂場で刺され跡を眺めながらきっと
思い出に浸れそうだし。でも現実は行けないから、
ちょっと気分だけ軽井沢、と「ジャージの二人」のDVDをレンタルしてきました。

たしかにアパートの部屋でブラウン管見てるだけなら
虫やいのししに襲われたり携帯の電波の心配は全くいらないけど、
なんとなくあの森の匂いだけは、画面からでもなんとなく伝わってくる。
あー、行きたいな、と思いながら、ポップコーン頬張って見ているのが今の私。
毎年恒例の夏の旅、今年も行けるように日々をきばっていかねば、と思うだけ。
年に一度、あの匂いを、空気を体感できれば、あとはここでじっと地道に頑張れる・・・

節約はもちろんしているつもりだけど、100円の板チョコ4枚我慢するつもりで、
Mary'sのチョコレートバーを買うことがある。
宝石箱のような高級チョコはなにかのご褒美でもないと手が出ない。
これは日常と非日常の中間くらいのチョコ。
先日のセレクトは↓ピスタチオ&フランポワーズ。ピンクのチョコ、
お店のショーケースを見ていると飽きない。全種類食べたくなる。

一番好きなのはヘーゼツナッツのミルクチョコだけど、購入した日はピンクに惹かれてしまった。

毎日新聞社から今度太宰のガイドブックが発行されるということで、
その取材がありました。主に女性と若い人から見た太宰の魅力についての本になると
いうことで、発売日はまだわかりませんが夏中には出るようです。

太宰が住んだ大宮HPが出来た、と管理人(大宮ツアー案内人)さんより
お知らせいただきました。あの2月のツアーから発展していく事がたくさん
あると思うので、要チェックです。

みたかカレンダーが生まれ変わって発行を続行する事になりました。
店内フリーコナーにあります。
私達が続けます!と名乗り出たのは若い人たち。最近で特に嬉しいニュースでした。

軽井沢だのなんだのボヤいてしまいましたが、
普段地に足をつけて精一杯やっていてこそ、の非日常ですよね。
明日からもお店でお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いします。



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