2009年8月30日 日曜日
再放送していた「なんでも鑑定団」を見れました。
例の太宰の中学時代の同人誌の回です。

幕がパーッと取られて、同人誌が視界に入ってきた瞬間、
自分でもよくわからないのですが、涙がダーッ!っと流れてきました。
よく残っていたな、という喜び。太宰が文学へ目覚めていくその過程を思うと素直に感動。
涙の理由は色々あるけど、こういう不意打ちな泣き方したのは久しぶりかもしれない。

表紙のイラストがアップになっていってもまた涙。
当時の中学生でこれだけの絵を描けるというのはすごいし、
色が増えるごとに印刷料金もかかりますからね、いくらコネがあったとしても。
中学生の少年がものすごい情熱を注ぎ込んだ事を思うとまた涙。

もう今はこの世にいない人でこんなに好きな人がいるなんて、幸せものですよね。
その人との実際の思い出はなにひとつないのに、想いはズッシリと増していく。
こんな体験はなかなか出来ないよな〜
我ながらそう思う。


2009年8月28日 金曜日
やっと水曜日に「SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS」に行けました。
先日も日記でお伝えした、京都時代の書店仲間がやってるhonno honnoのイベント、
BOOK OF BOOK」ずっと気になっていたのですが、なんとか間に合いました。

渋谷で友人とランチしてから本屋に向かったのですが、場所について何もメモしてこなかった事に気づく。
こういう時の為に携帯で調べるのが普通の人。私携帯の操作いまいち苦手な人。
それでもなんとか検索してみたら情報が出てきた。店名と行った人のブログは出るけど住所は出ない。
でも「神山町の本屋」というキーワードだけはなんとなく覚えがあった。
近くの交番で神山町はどのあたりかを聞き、広範囲の神山町から探すのもな・・とか考えて歩いていると
とっても素敵な植物のお店を見つける。花屋じゃないのがポイント。
店内一面グリーンなんですよ。お店の名は「NEO GREEN
なんと店内に本棚があって、植物に関連する本が販売されているんですよ。
ここで一番安い植物(貧乏ですいませぬ)を購入して、本屋の場所を聞いてみよう。
絶対知っておられる筈、と店内を物色。
そしてこいつが今お店の窓辺の仲間入りを果たしました。


チランジア・ベルティナ 実にいい名前ですね。文学好きにはたまらん響き。
それに渋谷発 三鷹着 というのがいいじゃないですか。
今まで枯らした植物数知れず・・・茶色の指の私ですが今度こそ無事育ってほしいです。

本屋への道順も無事教えてもらえホッとしたのですが、ベルティナを包む時に
色々と説明してくださった時、まさにこの子を送り出す、みたいな愛情が込められた扱いで、
買う方としても気持ち良かったです。それにグリーンに囲まれた空間ってやっぱり浄化作用あるのかな。
お店を後にした時妙にスッキリしていたのです。

やっと目的地に辿り着く。それはとても刺激的な空間でした。
そこで作ってそこで売る、手作りパン屋のような本屋、と聞いてずっと来たかったのですが、
今日来れて本当に良かった。この気分の良さで来れた事が大事なんです。

植物の匂いから本の匂いへ、そしてコムデギャルソンの香りへ・・・
こういう体験は三鷹に閉じこもっていてはではなかなかできないですからね。
本屋の奥がガラス張りになっていて、出版部門のスペースが丸見えなんです。
そこで仕事しているスタッフもいて、こっち側は本屋で、常に双方の動きが透明。

目的のイベントスペースは少し奥まった書斎のような空間。ずっとそこにあるように溶け込んでいました。
はいはい、彼のセレクトだ。と当日は本人は不在だったのだけど、思わず頬がゆるむ。
緊張していた糸がほぐれてここでもとっても気分良く過ごせた。

本を購入しにレジの近くへ行くと、コムデギャルソンの香水も売っている事に気がついた。
文化村の中のブックショップで昔「本屋に香水?」とテスターしてみた自分を思い出し、
現在の私もテスターでひとふき。たちまち周囲が個性的な香りに。
今の私は普段香水をしないのであまり縁がない日々を送っているけど、非日常の中での香水との出会いは好き。
なによりこの香水は瓶がとてもかっこいい。古道具店で高値で売られているのを見た事もある。
今の自分には一瞬のすれ違いで十分。

こんな刺激的な時間を過ごしたのは久しぶり。
こういう機会でもないと私は電車に乗りたがらないから。
そういう点でもホント感謝ですね。

帰りにこれまた久々にパルコブックセンターに寄ってみたら、初音ミクのコーナーに人が群がっていた。
すごい勢いでチラシをどんどんとっていかれるのでいまいちよくわからない私も流れで一枚とった。
旦那へのおみあげゲット〜って事で。
あー、良い休日だった。この刺激を明日からお店へ還元しよう。
そしてお店とベルティナの成長を願う事にしよう。


2009年8月27日 木曜日
今日は雑誌Grazia(グラツィア)の取材がありました。
太宰治特集が11月号に掲載される予定なのですよ。
何でも太宰治検定実行委員の津島さんが
「木村さん、原さん、ダバさんはGraziaにピッタリ!」と推薦してくださったご縁から来た話という事で大変光栄です。
先日も原さんと、「でもGraziaって30代女性が読者層じゃなかったでしたっけ?」と顔を見合わせたのですが、
まあいいですよね?特集が特集だし。とお互いにOKスマイル。

太宰治生誕百年記念特集を17Pも組む!というすごい企画に自分が参加できる事、
とても嬉しく思います。津島さんに感謝ですね。

和やかな雰囲気の取材、撮影で、担当者の方も今回の取材を進めるにつれ、
太宰の事がどんどん気になってきているようでしたよ。
今回の特集は色んな方が登場されているようですが、私のテーマはなんと
「私、太宰治で人生変わりました」的なかんじだということ。
たしかにそのとおりなので、洗いざらい?今までの太宰道を赤裸々に語る・・・
あとは記事になるのを楽しみにしておいてくださいね。

Graziaのコンセプトからすると35歳から人生が変わったというのはひじょうにマッチングする
ということで、いささかホッとしました。
まあ今回は太宰大特集ですからね、アリだと思います。
ファッション女性誌が17Pも太宰にページを割く、というのが私は特に惹かれた部分というか、
自分が載る載らないに関わらず、紙面を読む日を心待ちにしています。

ただ今回久々に本人カットが入るようで、カメラの前で「はい、笑ってください」かなり緊張して
顔がひきつっていないかどうか不安ですが・・・またもやスッピン街道まっしぐらですが・・・
そのあたりは今更心配しても始まらないし、女性カメラマンさんにバシャバシャ撮ってもらうというのも
一種の興奮があったので、やっぱり楽しみ。今サザエさんヘアですが、それもご愛嬌ですかね。
Grazia用に髪巻きました、とかそれ自然な私じゃないし(笑)

とにかく楽しい時間を過ごしましたので、どんな風に形になるのか、
また木村さんや原さんの記事にも興味津々だし、勿論他の方のも。
堂々17P、しかも文芸誌じゃないよ、女性誌だよ、とほんと10月1日発売日は本屋にGO!ですね。


今日の朝、なんとなくケーキを食べたい気分になって、井の頭通りと三鷹通りの交差点そばにある
マ・プリエールに行ってきました。
初秋にしたいこと、ウインドーショッピング、ケーキショップのイートイン、散歩、その2番目ひとまず達成。


夏季限定と書いてあって注文したケーキ「ファニー」↑見た目も甘酸っぱい美味しさもたまらない。

桃の果肉が入ってます。この艶やかさ、パープルピンク、女子なら反応するよね?このキュートさ!
テーブルにきた時、思わず「Oh BOY!」なんてトシを忘れて叫んじゃうほどの可憐なケーキ。
初めて「ケーキの写メ撮ってもいいですか?あまりに美味しそうなんで」なんて口走ってしまいました。
このツルン、プルン、としたかんじ、まさに夏の終わりのケーキにピッタリと思い記念に写真を撮りたくなったのです。
お味の方も見た目と同じ。甘すぎなくて貴婦人なかんじ。決して熟女ではありませぬ。
思わず「女生徒」の主人公みたくひとりケーキの表現をいくつもいつくも思いつきながらいただきました。

秋になればいくらでも本格スイーツは目に映る。モンブラン、ショコラ、マーブルチーズケーキ、
初秋を拾いにきて、思いがけず夏の終わりに出くわしたひとときでした。
珍しい苗字ということで勝手に親近感沸かせていただいているオーナーシェフも素敵な方ですよ〜。
ソフトな爽やか系さんです。「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」しか話した事ないけど、それで十分です♪

イートインで食べていると、誕生日ケーキを買いにくる家族の楽しげな会話とか、
「白カラメルを2つ」「塩キャラメルやろうが!」とか聞こえてきて思わず吹きそうになったり、
まあ総じてホッコリしますよ。晴れの日のスイーツ、記念日の演出、ケーキはすごい。偉い。
美味しいケーキのお店は街の財産ですよね。本屋だってそうなれると信じていたい。


2009年8月25日 火曜日
日産プリンス西東京が発行するフリーペーパーの取材がありました。
この秋配布されるようで、また実物が送られてきたら案内しますね。
西東京の文学スポットが色々紹介されるということで、私も楽しみにしております。
読書の秋、文学の秋ですね〜。

もうすぐ秋だというのにまだ残暑お見舞いを出していない・・・ヤバイよ
お客さんから暑中見舞いのハガキをいただいたお返事を
旅先の京都から出そうと考えていてファイルに用意し、
鳩居堂で大文字の絵葉書を購入したのに、結局出せずじまいで帰京してしまった。
ホテル泊なら机に向かってペンを走らせる時間が取れたと思うのだけど、
今回はなしだったからね。
東京から今頃大文字風味の「京都行ってきました」ハガキが届くのアリでしょうかね?
ちょっと間の抜けた私らしさが出てますね、こういうところ。

帰省した事を実感させるのにもうひとつ、うなじがスースーする。
約1年美容院に行ってなかったのですが、母親にカットしてもらったんですよ。
今ボブくらいで、よくターバンをしています。ゴムのターバン、すごくラクです。
カチューシャは長時間するとこめかみがイガイガしてくるのでダメなんです。
天然ウェーブをいかし(たつもり)クルッツクルで、
おでこ丸出しです。こういうのも60年代風?美容師時代の松子風?で
自分ではまあまあ気に入ってます。久々に首元スッキリしたのが嬉しくて嬉しくて。
首から鎖骨のラインがもっと美しければな〜、とため息の日々です。
髪をしばる事無く帽子がかぶれるのも新鮮です。

帽子といえば、頭をこびりついて離れないのが、京都のテレビで見た
トミーズ雅さんがのりPデザインの帽子をかぶって(正確には頭のてっぺんだけにひっかけて)
「これフリーサイズちゃうやん」と笑いをとってた姿。ベッタベタやけど大爆笑!

「せっかくやからなんか関西でしか見れないテレビ番組が見たいんやけど」というリクエストに
「じゃあコテコテのやつを」とブラウン管から現れたのは・・・
メンツ、雰囲気、ほんっとにコテコテですごい嬉しくなりました。
たまに見るとホッとしますね。

あと偶然の一致だと思うんですけど、なぜか京阪でも阪急でも横に座る人が皆東方神起の話してたんです。
私は全くノーマークで顔見てもわからんレベルなんですけど、
泊めてくれた子も実はファンだと言うし。人気あるんですね〜

話はお店に戻って、今日久々に来てくれたカップルさん。
いつも楽しく話がはずむんですけど、彼女から高価なアクセサリーを買った話を聞きました。
ラフォーレにあるジュエリーショップで、年始に今年のゲンかつぎの意味も込めて購入したそうです。
彼にプレゼントしてもらうのとはまた違った格別な思い入れがあるようで、聞いてて羨ましくなった。
写メを見せてもらったんですけど、すごく綺麗。
なによりキラキラした瞳でそのリングの事を語る彼女が一番綺麗。とベタな感想で申し訳ないですが、
ホントそう思ったんですよ。

私もやっすい服をちまちま買ってないで、年に一回自分へ素敵なジュエリーを買うような方向に
変えた方がいいんじゃないか、そういえばスタージュエリーで自分へのクリスマスプレゼントというアレは
どうなった?現実は全くメドが立っていないし・・・

シンプルなシャツの胸元にシンプルなペンダント、これはすごく憧れはあります。
そして鎖骨やデコルテのケアに一層磨きをかける。こういうのいいないいな〜。
彼女の瞳の輝きにおおいに刺激を受けたのでありました。

でももうちょっと余裕が出来てからかな。
さあもうすぐ秋、ファッションの秋、髪も短くなったし、ワードローブから着まわしを色々考えるのもよし、
いいトシして大人ガーリー?的な安価なファッションをもうちょっと楽しむとします!


2009年8月24日 月曜日
朝晩は大分涼しくなり、初秋の風が吹き始めてますね。
なんだか無性に温かいお茶が飲みたくなって、ホットコーヒーを淹れる。
湯気が似合うのはこれからの季節。なんだか知らないけどワクワクしてくる。

同じような事考えてる人が多いのかな?
今日はホットコーヒーがよく出ました。
夏がどんどん好きになってきてるけど、このお店に似合うのはやっぱり秋冬かもしれない。

原さんが素敵なポスターを持ってきてくれました!↓


超特大サイズでしかも両面プリント!とっても素敵ですよ。
今まで太宰検定のポスターを貼っていた入り口にしかこの大きさは対応できず、貼り変えてみたのですが、
入り口そばでボーッっとポスターに見入っている人続出です。

小さいサイズの新ヴァージョンの見開きチラシもいただいたので、フリーコーナーからどうぞおとり下さいね。
公開までまだまだと感じていましたが、あっという間に一ヶ月経ち、どんどん話題になっていくのでは?
と思うと楽しみです。

ところで原さん、町田康さんにインタビューされたそうです。
すごい!マジですか?!その時の話聞かせて!!ってかんじで私は超興奮。
映画のメイキングの為とのことですが、また見れるようになったらここで詳細お知らせしますね。

来春公開映画「人間失格」の方も、雑誌「CUT」や読売新聞夕刊などで記事になっていますね。
「CUT」の生田君の要蔵スタイルの写真がやたら評判良いので私も書店でチェックしてみました。
なかなか葉ちゃんの雰囲気出てますよ〜(あくまでマダム目線だし)
これなら太宰もOKを出すのではないかな。
何よりインタビューにあった監督とのやりとりに感動しました。

立ち読みなのでうろ覚えですが、荒戸監督から「もうお前しか見てないから」と言われたそうな。
悪かったら悪いとちゃんと言うから自由にやれ、みたいな言葉をかけられたらしい。
良かったら読んでみて下さい。今出ている「CUT」です。

「パンドラの匣」も観たいんですよね。出演者が気になる人ばかりだし。
こちらは秋に公開ですね。もうすぐです!

色々と楽しみな事が待っている秋、準備万端にしておかなくちゃ。
その前に一休み。温かいお茶でも飲みましょう。



2009年8月22日 土曜日
先週の今頃は京都で過ごしてたなんて信じられない。
あの時間だけふわーっと浮いて彷徨ってるみたい・・・
旅の直後ってそういう不思議な現象によくあいますよね。

でも宅配便で実家から送られてきた旅で買った本や、
おみやげで買ったお菓子やらを見ると実感が沸く。

自然に口ずんさんでしまう、京都の友人宅で寝る前に見たテレビから流れていた
スターダスト・レビューの「Stay My Blue-君が恋しくて」のメロディと
「赤道小町ドキッ」のメロディがごっちゃになったのが勝手にリピートしてるのもそう。
(なんかアラフォー向けのライブ中継番組だったみたいです)

やっぱり京都に居たのだな、という実感が沸いてくる瞬間は時折やってくる。


あと1日待てば大文字やってたんですけどね、
せめて京菓子「都うちわ」で山の灯りに想いを馳せよう・・・
後ろは和三盆「紫野」紫野ああ紫野紫野の「紫野」

今回の旅でお子様と触れ合う事が多かったからか、
連休後開店一番のお客さんはおばあちゃんと男の子。その後もお子様がいつもより多くご来店。

おばあちゃんと一緒に来た男の子は、なかなか将来が楽しみな目の高さ。
ガラス窓に飾っていたカロリーヌの絵本に反応したおばあちゃんには耳を貸さず、
神沢利子さんの朗読テープを握り締めて離さない。「ぼくはこれ」と意志が強い。

おばあちゃんが「それはちょっと難しいかもよ」と言われたので
「サンプルがありますので試聴されますか?」とCDをしばらく流しました。
その間も男の子はもうこれは買うから、と言わんばかりに他の本も物色している。
五線譜を引く専門のペンに関心を示したり、とにかくお目が高い。
さぞセンスの良い青年に成長される事でしょう。

おばあちゃんも降参され、結局絵本とCD両方ご購入される事に。
「その朗読CDは絶対後悔しない、とても貴重な良いものですよ」とお二人を見送る。
最後に男の子がちょっと笑ってくれてバイバイした時、つい先日、
友人のマンションの廊下で「最後にタッチしよー!」って走ってきてくれた男の子二人の
柔らかくとも力強い手のひらの感触が蘇る。
行けて良かったな〜、と思い出に浸る。

浸りすぎて約1週間も経ってしまいましたが、そろそろシャキンとしたいと思います。

今日お客さんに「京都行ってきたんですよ」って旅の事色々話すと、
お客さんも下鴨神社の脇の小川のせせらぎがすごく好きだという。
嬉しかった。東京でこうして時々お客さんと京都の話したりするのが今の私にとって一番ベストなのだと思う。
生活している場所、自分が腰を落ち着ける場所はここなのだ。
そして大好きな「故郷」を持っているということにとても幸福を感じる。
次に故郷に帰れる時はもうちょっと財布をパンパンにしていく事を目標に、明日からも元気で頑張ります!



2009年8月21日 金曜日
お盆も終わり、夏ももうすぐ終わりですね・・・
ということで久々の更新です。
先週のお盆休みは京都へ行ってまいりました。
結構寸前に思いついて、ほんとあのCMの文句そのものですよ、
そうだ、京都行こうって。

どうせ行くなら古書まつりに合わせたかった。
たしか5年以上前に夫婦で行って以来。
旦那は「もうあんな暑くてしんどいの絶対いや」とつきあってくれなかったし
例のイベントがあるし、ま、当然ひとり旅。

たしかに暑くて汗ダラダラかくししんどいんだけど、あのしんどさが病みつきになるんですよ。
下鴨神社の境内にズラーッっと古書の露天が並び、蝉の鳴き声とおじさんのまったりとした放送案内聴きながら
ひらすら本の背を追う、あの夏の苦行のような、お目当ての本を見つけた時の果てしない喜びのような
めくるめく瞬間をもう一度味わいたくてね。行ってきましたよ。青春18切符で。

18切符は4日前くらいにオークションで即決で購入。
宿泊先は大阪の実家と京都の友人宅。これでかなりお財布にも優しい旅になりましたよ。
東海道線も行き帰り8割がたは座れたし。しかしなんで都内の電車は息苦しいのに、
旅の電車だと混んでても結構平気なんだろうか。やっぱり精神的なものなのですね〜。

前日に出発日を予定していたら地震の影響でその日のうちに関西に到着はできていなかったかもしれない。
当日も少し心配はしたけれど、なんとか予定通りの運行。
今回の旅の特徴はというと、ほとんど予定通り。
最近の旅は駅までのダッシュの体力不足とかで予定が崩れる事が多々あったけど、
何時にこの駅を出て何時にこの駅に到着、というのがほぼ完璧。
帰りも12時に京都駅を出発して20時何分に東京駅着、というのが1分のずれもなし。
なんかこういうのも気持ち良かったですね〜。
体調も行きの頃には多少頭痛に悩まされていたものの、2日目からは良好で実に充実した夏旅でした。

予定外の事といえば、実家最寄りの大日駅周辺が大都会に変貌してた事とか、
久しぶりに実家の自分の部屋に着いてみたら机の上にその日の夜着る予定のパジャマ、靴下などに
混じって、学生時代に京都でデートした時の2ショット写真がちょこん、と置かれていてびびった事くらいかな。
なんなのこのドッキリ!みたいな(笑)

洋志さんは何故来ないのか、と聞かれて「コミケ」というものを説明するのにもえらい苦労した。
お盆と年末に彼が来ることはないと思う、というのが夫婦が上手くいってないのか?と
勘違いされていなければいいが・・・
なんせ二人の出会いについて「ネットで」と言うと「網ネットでひっかけた?」みたいな答えを
真顔で言う人ですからね、母親は。はは・・・

実家で飲むネスカフェとクリープと砂糖の甘甘なコーヒーはでもなぜか美味しい。
寝屋川駅まで自転車貸して、とか言ってるうちにタクシーを呼んでくれた。もうVIP扱いなのね・・
寝屋川駅前で昔バイトしていたTSUTAYAに寄ってみたらここも進化してた。
本屋とレンタルの建物が別々になってる。
本屋をブラブラしていると、太宰治コーナー発見!結構手作りPOP満載力作のコーナー。
三鷹から遠く離れた寝屋川の本屋で、こんなに太宰アゲなんだ、と思うと嬉しくて嬉しくて・・・
そんな旅のヒトコマであった。

そして京阪電車に揺られていざ下鴨!京阪の特急が枚方止まるし!もうビツクリしましたー
そして出町柳へ到着。久しぶりの京都・・・次第に嬉しさが込み上げてくる。


納涼古本まつりの様子。ど真ん中のショットもいいけど、私はこの脇を流れる小川の清水が好きなので
こっち側から撮る。この川を子供たちが水遊びしていたりして、なかなかいい風景でしたよ。

あんまり財布に余裕があるわけではないので、今回の収穫はたった5冊!
前回は宅配便お願いするほどだったのですが、とにかく突然思いついた旅なので、手持ちがないのでした。
このムードにとにかく浸りたかったのが今回の目的、とはいえやっぱりちょっとさみしい。
次に来れる時はうんと買い漁りたいですね。
「ただ今から30分カキ氷50円引きします」の放送につられてイチゴのカキ氷で涼をとる。
いやー、暑かった、汗かいた、でも来て良かった。これぞ京都の夏の風物詩ですよ。

この日の夜は弟一家と両親交えて焼肉。その後中学からの友人宅へ訪問。
子供が3人いるからにぎやかにぎやか。でも会えて良かった!
長女ちゃんの友達コレクション、略して「トモコレ」に登録される。
帰り際に手作りの折り紙の手紙をもらう。女の子っていいよな・・・これはずっと大切にするよ。

次の日はとにかく夜まで京都を歩く。
京大前の進々堂でお茶休憩。ここはすごい。いつでも同じトーンで在り続けてくれる実に貴重な空間。
一乗寺の恵文社、ここもすごい。市の中心部でないのにこんなに人がたくさんいる本屋、なかなかない。
しかも全国いろんな言葉が飛び交ってる。おそらくお盆休み利用しての旅行者が多かったのかな?
実に勉強になったし、いつ行っても楽しい本屋ですね、ほんとに。
ガケ書房、ここもいつ来ても新しい風が吹いている本屋。外観のインパクトもナイスですね。

京都で古書店を営む友人にメールを出発の前々日くらいにしていたのですが、
返事をくれるだけでなく電話もしてくれて、自分は京都にはこの日はいないので会えないが、
お薦めの今ホットな?スポットをいくつか紹介してくれた。
その中では古書善行堂さんしか行けなかったけど、開店して間もないということで、
教えてもらえて良かった。京都らしい趣がある綺麗なお店でした。
店主さんは親切に道を教えてくださり感謝です。男の人の関西弁もいいですよね。

そういえば前回の京都の旅でも白川あたりのパン屋さんとかハギレ屋さんで関西弁を聞いて
とっても印象に残った事を日記に書いたのを思い出しました。
私このあたり好きみたいですね。

本当は他にも行きたいところはたくさんあるんですよ。住んでいた嵐山・松尾・桂方面は勿論の事、
北山・上賀茂神社、ひとつくらいお寺も行きたかった。
でも次回へつなげていけば良い。春や秋の良い季節にすっと京都へ旅できるくらいに
きばって頑張れば良い、と自分に言い聞かせました。

今回の旅の第一の目的は、寺町三条を上がったビルの3階にかつてあった「book shop 黒猫堂」跡。
ここにどうしても行きたいと思ったからなのでした。

店主であった高橋由美子さんが亡くなられたと知って衝撃を受けてからもう大分と時間が経ちますが、
祇園書房で店長をしていた人、と聞いてやはりうちの店に何度か来て下さっていた方だ、と
記憶を辿ってみた。念願のブックカフェをオープンされたのに、本当に残念でした。
いつかお店に行きますよ、とも私は言ったかもしれない。
その一言を社交辞令では終わらせたくない、高橋さんが築いたもの、今はもうお店はないけれど、
その場所に行ってみたい、と寺町通りを歩きました。

鳩居堂のすぐ前、というのが決め手でそのビルを見つける事ができました。
この3階の窓に向かって、静かに言葉をかけご冥福をお祈りした。
絶対忘れませんから、覚えていますから、高橋さんの分まで良いブックカフェにしていきますから、と。


そのまま寺町通りを上がっていくと、個性的なお店が結構多いんですね、このあたり。
竹細工のお店で鳥獣戯画のストラップを購入する。
三月書房で文庫本を購入。一保堂茶舗で冷えた緑茶をいただき、宇治清水を購入。
ストリートの終点は亀屋良永で「夏の雲」を購入したかったけど、ちょっと散財しすぎたので今回は我慢!
前もこの道を通った気がするけど、次に来る時も次の次に来る時も
店主さんたちに元気でお会いできる事を願いつつ進路方向を右へ変えた。

なんか同じようなとこばかり巡ってるように感じるのは、下鴨神社と京阪の便を考えると
似通ってしまうんですよね。
次に京都に来るときはもっと色々行きたいです。
京都駅は大好きだから少しはウロウロできたけど、まだまだ足りない。
とはいえしっかりマールブランショでモンブラン食べましたけど。
景観がいいから京都へ来た実感が沸くし。2階のカフェドクリエは激込みだったんですよ。
自分が働いてた近鉄跡が全くなくなってたのはちょっとショックでしたね・・次何が出来るんだろう。
しかしエスカレーターの急ぐ人の通路は左なのか右なにか、統一してないから焦るわ〜。

京都駅に車で迎えに来てくれた友人宅へ。3人でおしゃべりに花が咲く。
すごく楽しかった。美味しいご飯は用意してくれるしいつ来てもきれいにしてるし、
しゃーわせ〜ってかんじで猫と一緒にゴロニャンとしておりました。

翌朝、お弁当を作っているいい匂いで目がバッチリさめてキッチンに行ったら、
クウネルに出てくるみたいなおっしゃれーなお弁当をこしらえてる。なんか感動しましたね。
自分にではなく、友達の分にこれだけ豪華なお弁当を用意するという心づくしに。
おもてなしの精神みたいなものを学んだ気がします。

後日無事帰宅し御礼のメールを送ると「恋愛師匠(はあと」と返事がきた。
私やっぱり恋愛の話好きなんだな〜、今回もいいトシして昔話等しまくったんだな〜、と思うと
ちょっと恥ずかしいけど、彼女たちにもいい刺激になったようでよしとしよう♪

とこんなかんじのまったりした旅でした。おでかけよりおしゃべりメインなかんじかな。
やっぱり4年に一回くらいは顔見ておくとホッとする人たちというのがいましてね。
電話で色々教えてくれた彼含めみんなが変わらず元気だとホッとするし、こっちもパワーもらえる。
でも人生いつ何があるかわからない。
高橋さんのように、明日はいつもどおりお店に行くだろうとおそらく自然に思っていたまま、
突然終わってしまう事もあるのだから。
でもこの事実を持って現実を教えてくれた事、無駄にせずにしかと受け止めて
日々を精一杯生きていかなくてはと思う。また元気で再会できる日までここで頑張りますよ!
この旅で出会った人全員に感謝の気持ちを込めてこの夏のひとり旅日記、終えたいと思います。



2009年8月10日 月曜日
やっと「PLATOn」聴けました。
木村さんについては前と同じ「新しい!」って感想なのですが、
渡部建さんの「斜陽」の朗読の時の声を今回初めて聴いて、結構良くて驚きました。

あんなふうに「斜陽」のパートを男女2人で読むスタイルって、今までにもあったんでしょうか?
これいい!と私は聴いていてすごく反応したんですけど。
そういえば「太宰治物語」でも豊川さんと菅野さんで声をかぶせるようにしていましたね。あれも良かった。

「若い時に太宰を読む時期はある、たしかにハマる。でも大人になっても太宰かぶれってアリ?」
みたいなリスナーからのハガキが読み上げられてましたね。
ごく一般に太宰治についてよく出る質問です。
うちの店に来るお客さん調べでは、大人になってから読み返して若い頃には分からなかった事が
理解できてますます好きになる、という声が多いのです。
例えば今日来られたお客さんの場合は・・・

20代くらいの若い男性が、お店に来られて太宰治コーナーを色々と物色される。
「桜桃忌の日にはこのお店人でいっぱいになるんですか?」
「はい、今日はこんなにヒマですけどね(笑)」なんて会話から太宰トークに。

この方はずっと三鷹在住だけど若い頃は太宰なんて興味ないどころかむしろ嫌いな方だった、
でも今読んでみるとすごく良くて、一度も行った事のなかった禅林寺に
今年初めて、桜桃忌の日に行ってみてビックリした。
夕方に行ったのだけど、まだ人がたくさんいて、みんなそれぞれの想いに浸っているようで、とてもいい光景だった。
その静けさと寺全体の雰囲気に惹かれ、ますます太宰治という人に興味を持った、とのことでした。

一人で行く人が多いというのはわかりますね。特に夕方まで禅林寺に残っているような人々は、
静かに太宰と向き合いたい、という考えの方が多いでしょうしね。
記念ブックカバーと太宰の文庫本をお買い上げいただいた。また是非ご来店いただきたい。

夕方頃の6月19日の禅林寺、そうか・・・それは私一度も体験していないな。
開店する前、京都から来ていた時は、いつも太宰仲間の方と三鷹文学散歩をしていたか、
帰りの準備にかかっていたから。
水曜日の6月19日にでも、考えておこう。

あと一日明日普通営業日ですが、水曜日から土曜日まではお盆休みとさせていただきます。
日曜日の16日より通常営業とさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。


2009年8月9日 日曜日
先日「太宰7作に検閲 GHQ,切腹など削除指示」というニュースが飛び込んできましたね。
米メリーランド大のプランゲ文庫からゲラなどは見つかった、って。
遠い海を越えた国でずっと眠っていたなんて驚きました。
そのゲラ、見てみたい。
また、検閲する人間というのは、作品というものをどう捕らえていたのか
気になります。ただマニュアルに添って削除か残すかだけを念頭に置いて読み進めるだけなのか、
時に物語に引き込まれる事もあるのか・・・

「林芙美子が小説「朝顔」を書いたら発禁の恐れがあると返されたそうだ。
1933(昭和8)年9月、警察署に留置されたとき見た窓の朝顔について書いたという▼
「このくらいのものが発禁になる国は悲しい」と吐露したが、
小学生のころの夏休みの観察日記と重なる世代には、朝顔も歴史を語るのを実感する」
福島民友 編集日記 8月5日付より抜粋

「ア、秋」の件で調べていたら上記の記事が気になってコピーさせていただいた。
あの時代にものを書くことがどれだけ困難だったのかがわかる気がする。

話変わるけど、のりピーの件は本当にビックリしている。こんな事、誰が予想できたでしょう?
今は窓辺に花などあっても見る余裕もないだろうけど、これからどういう方向へ行くのか、
やはり気になります。

芸能ニュースだけでなく自然災害とかも同様すごく気になるんですけど、
やはり皆既日食や天体の影響って私はなんだか無視できない。
例えば今年は隠れていた悪事が色々と外に出てきやすい年、とか
今年は復活、懐古主義の年、とか。今年は整理する年、とか。
人の運勢や気学とか、私はそんなに詳しくはない方だけど、興味はある。

鵜呑みにするわけではないけど、もしかしたら役に立つかもしれない知識、
そんなものは今後の人生で増やしていきたいと思っています。
しかし本当に人って分からないな。小説が現実に負ける事ってたくさんありますね〜。


2009年8月6日 木曜日
朗読の原さんから連絡があり、なんと「風紋」での朗読会が決まったそうです!
10月8日(木)ですって。次々とすごい企画を実現されてゆきます。
私も是非一度「風紋」に行ってみたいとずっと思っているんですよね〜。
チラシが完成したら持ってきてくださるそうなので、また詳細をお知らせしますね。

お客さんからの連絡といえば・・・先日の事を思い出しました。
「福島民友に太宰治作品が引用されていたのですが、これはどの作品からかわかりますか?」
と福島在住のお客さんからお電話にて質問を受ける。

その読み上げられた一行を正確には思い出せないのですが、聞いたかんじからして
「ア、秋」じゃないですかね、とお答えした。
しばらく経ってまたすぐにお電話があり、
「正解でした。お見事です。今新聞社に電話をかけて聞いてみました」とのことでした。
そんな事があったので、「ア、秋」を読み返してみた。

「秋は、ずるい悪魔だ。夏のうちに全部、身支度をととのえて、せせら笑ってしゃがんでいる。
僕くらいの炯眼の詩人になると、それを見破ることができる。
家の者が、夏をよろこび海へ行こうか、山へ行こうかなど、はしゃいで言っているのを見ると、ふびんに思う。
もう秋が夏と一緒に忍び込んで来ているのに。秋は、根強い曲者である。」(本文より抜粋)

まさに今お盆休み前で、青春18切符を眺めながらワクワクしていたところだったので、
炯眼の詩人にはほど遠い私は深くため息をついてしまった。
「秋ハ夏ノ焼ケ残リ」だとしたらまず一度は焼けるくらい燃えないとな、とも思った。
なんとも不思議な短編だけど、カタカナと漢字の文字の群れは、見た目にも宝石を散りばめたみたいに美しい。
初秋の頃に読むとまた一味も違うのだろうか・・・

萩原朔太郎の「猫町」にも
「しかるに過去の経験は、旅が単なる「同一空間における同一事物の移動」にすぎないことを教えてくれた。
何処へ行って見ても、同じような人間ばかり住んでおり、同じような村や町やで、同じような単調な生活を繰り返している。」
と出だしから旅への興味が失せた事を綴っているけれど、最後までこの物語を読めば、
逆に旅に出たくなる衝動を抑えられなくなる。
ただ地面を歩くだけではなく、これも宇宙の中のひとつの空間、と路地や隙間に視線が行き通る気がする。
特に猫の多い街は帰ってこれなくならぬよう要注意。

この準備中が一番楽しいのかもしれない。あれこれ空想し、調べ物をし、時刻表を隅から隅まで眺め・・・
身支度をととのえた秋というずるい悪魔にせせら笑われているとしても、
いつくになってもまた18切符なの?と世間が笑おうと、
私は鈍行にしか見えない景色を見て歩いていくのだ。しばらくは。


2009年8月4日 火曜日
頭の中を「人・間・失・格!」が離れない・・・
最近テレビをほとんど見ていなくて、
それでも月曜日の23時の音楽寅さんだけは大体毎週見ている唯一の番組。
先週は桑田さんが日本文学を歌う特集で、画面に釘付けになって見てた。
いやー、面白かったです。
歌う桑田さんのバックに太宰の映像が映りこむと鳥肌が立つくらい興奮しました。
自然に「かっけー」を連続してましたね。
そういえば昨年の今頃はサザン夏の大感謝祭前で心はヨコハマにあったな〜。

最近テレビは見ない分、レンタルの安い日などを利用して大人借りをよくしています。
映画も観るけど、ちょっと前にやっていたドラマが1週間落ちになるのを狙って借りては
火曜日の夜とかに朝方までずっと見るのがすごい至福。

「スキャンダル」面白かった〜。「親孝行プレイ」なんで東京でも放送しないのかな〜。出演者全員好きだ!
今度は見たかった「ラブ・シャッフル」を早く1週間にならないかな、と待っているところです。
だからいざお休みの水曜日当日になっても、ズコーっと日食もスルーして寝てしまうのよね。
それと深夜というのにポップコーンとか食べながらというのはそろそろやめた方がいい。
でもお菓子食べながらボーッっと、っていうのが最高だし。ま、可愛い悩みですかね。

映画で最近良かったのは、ファンでもある徳井さんと、ローサの可愛さを堪能でれきばそれでいっか、と
あまり期待せずにレンタルした「天国はまだ遠く」。予想外にえらく心に染みた。
久しぶりに鑑賞後、ジーンときてその余韻がずっと取れない映画だった。

余裕があればお盆休みは天橋立に行きたかったな。
ロケ地マップが欲しくなるくらい、魅力的に描かれていましたよ。というかそのままなんでしょうね。
眼鏡橋のシーンは実際は碓氷峠のめがね橋でロケされたということで、
今度鉄ちゃんの旦那を誘ってアプトの道を歩こうかと計画しています。

「感動」という点で語ると「ヴィヨンの妻」はちょっと違うかも。
完成度は高いけど、あのジーン、としたかんじ、心が震えるような涙が出るようなかんじを求めて
鑑賞する映画ではない。なのでちょっと物足りないと感じる人もいるかもしれませんね。

このジーン、というかんじで言えば同じ監督作品でも「サイドカーに犬」の方があったかもしれないな。
ま、感じ方は人それぞれ。今はちょっとセンチメンタルになってるからそう思うだけかも。
読書の秋に観たらまた一味違うかもしれないし。とにかく無事公開されるのを待つばかりですね。



2009年7月31日 金曜日
昨日「明日お店貸切でお別れ会をしたいんですけど」と申し出があって、
急遽本日開店後貸切となりました。
時間があまりなかったから色々と大忙しで準備しました。
お近くの市役所の方7名様ご来店。
こっちは必死で余裕なかったけど、終始笑いの絶えない会で
無事終了いたしました。

忙しくてもそれは大歓迎なのですが、今回はタイムリミットがひじょうに厳しかったのです。
お昼休みを利用してのお別れ会で、最初2時間と聞いていましたが、13時までに帰らなくては
いけない、という事でかなりドタバタでしたが、ことなきをえホッとしています。

「ここのお店をセレクトするなんて、到底思いつきませんでした」と女性社員さんが幹事さんに
述べられていましたが、褒め言葉と受け取っていいのでしょうか。
部長なかなかセンス良いじゃないですか〜見直しましたよ。私はそう思ってました。って初対面じゃんか(笑)

最後に「私たちからこれを。今までありがとうございました」と贈り物をされていて、しんみりきました。
こういうの私は自営業だから無縁なのでちょっと疑似体験が出来て良かった。
とにかく狭い店内で何かと不便があったと思いますが、楽しんでいただけていたら良いなと願うばかりです。
そっか、7月31日だから今日はこんなお別れのひとときがどこかでたくさん行われているのですね。

渋谷でブックフェアイベントを開催中の書店仲間よりメールをいただき、
大好評で2週間で100冊以上本が売れている、とのことです。
すげー、ま、負けてる・・・。8月中旬まで延期するということで、行ければいいな〜と考えているところです。

メールに画像が添付してあって、カレーのレトルトのパックに太宰のイラストが
印刷されているじゃないですか!全然知りませんでした。皆さんご存知でした?
「るパンで頬杖つけば 太宰治」 って書いてあります。

銀座カリーを買って箱を開けたらビックリ、だったそうで報告いただき感謝です。
私もスーパーかコンビニ行ったらチェックしてみよう。太宰が出てきますように・・・


2009年7月30日 木曜日 
夏も本番というのに今日もお店はひまりんこ(>_<)

とこりん星語口調なのは声も雰囲気もゆうこりん風な
可愛い人が来てくれたから。

男性とお二人連れだったのですが、そのままドラマ化できそうな
ルックスもトークも素敵な楽しいお二人でした。
でもお買い上げいただいた本は「コーヒー物語 バッハさん、コーヒーはいかが?」という絶版書。
なかなか渋めのセレクトです。このギャップがええんやろうな〜ってかんじで
本当に可愛らしかった。

最近の日記はなんか1日ずれているようで申し訳ないですが、火曜日の話。
J−WAVE81.3 『PLATOn』に木村綾子さんが登場する、とTAMAさんより
メールをいただき、それは是非聴きたい!となったのですが、
放送時間までには結局帰宅できず、おまけに携帯ラジオが電池入れても
うんともすんとも動かない。。。同じく壊れかけているラジカセ(カセット機能は故障している)
にてトライしてみるが、雑音ばっかり。不幸自慢の作り話でなく事実なのです、これが。

ちょっとだけ調子が良い時があって雑音が消えると木村さんのあの可愛い声が!
超興奮♪なかなか面白かった。ラジオで太宰トークっていうと堅苦しいものを想像
される事も多いでしょうが、すっごく軽快。木村さんあたらしい!!って思いました。
一部しか聴けなかったけど、録音してくださった方がいらっしゃった。
お休みの時間のある時にでも拝聴したいです。

昨日は吉祥寺行ったのでついでにバーゲンをちょっとのぞいてみたら・・
315円でUV手袋と1900円でサルエルパンツ売ってたのでまた買ってしまった。
最近安いからってちょっと服買いすぎじゃないかな・・貧乏なのにヤバイんじゃないかな・・・
ま、これで最後にしましょう。

でもこの選択正解でした。サルエルパンツがらっくううううー!!!りんこ(使い方間違ってる?)
ジャージー素材というか伸び伸びコットンだし、ウエストはゴムだし、すっごい快適。
1年中これでいきたい、マジで。

なんかすごいものと出会っちゃった気分です。久々のヒットです。
名前もつけちゃいました。「サルエル」って。そのまんまやん!(笑)
時々「サルエル愛してるよサルエル」とか声かけてるくらい気に入ってる。

嫉妬するかな?と思って旦那に打ち明けると、
「そんなんロヂァースで1000円で売ってるやん。まだまだ甘いな」と軽くかわされてしまった・・悔しい。。
もしかしたら自分ではサルエル、とか言って可愛がってるけど、
これってオバサンズボン??ま、いっか。とにかくこのラクさ。これがあれば当分シアワセりんこ〜

ちなみに「小倉優子のこりん星のお食事って?」当店では800円でただ今販売中です☆

すいません、43歳で落ち着きない日記で。ま、毎度の事ですかね・・・

2009年7月28日 火曜日
昨日の夕方に取材を受けました。
マンションのパンフレット用のものです。
スタッフさんの真剣な会話を聞いているのは刺激的でした。
上々堂やデイリーズにも取材をされたという事で、どんなパンフになるのか、楽しみです。

昨夜は文鳥舎に行ってきました。
今月末で閉店されるとお客さんから聞いて知り、とても驚きました。
ショックで残念でなりませんでしたけど、実際お店に行ってみてなぜか晴れやかな気分で帰ってきました。
あの場所でのお店としての営業はこれで終了でも、文鳥舎の全てが終わったわけではない、と。
寺子屋をはじめとする数々のイベント。とてもすごい事を成し遂げた歴史は全くゆるがないし。

なによりお店で過ごした時間、後にした帰り道、こんなにいい気分にしてくれるなんて・・・
突然の雨でさえ演出に感じるくらい足取りは軽く、このかんじが大事なんだな、と勉強になった。

店主のクミコさん、お元気そうでなによりだった。久しぶりにお会いできてとても嬉しかった。
閉店で残念、という思いはその時もう消えていて、お会いできた喜びだけがあった。
挨拶すると、開口一番「ああ、太宰の?」って。
みんなそう言うんですよ、私の事。これ実はとっても嬉しいんです。

「よくお店隣同士でいろんな雑誌などに載せてもらってたわね」と。
たしかにそうだった。だから三鷹の定番のお店がひとつなくなる事はやっぱり寂しい、寂しいけれど
また店をする可能性もなくはない、との事なのでもしかしたらまた新たな夢を見せてくださるかもしれません。
今はとにかくお疲れ様です、ゆっくり休んでください。という言葉しかかけられませんでしたが、
時間ができたからお店に行けると思いますよ、と嬉しい返事をしてくださった。

     
念願のカクテル「桜桃」ついに飲むことができました。   店を去る時、見送ってくれた文鳥がじっとこっちを見てる
                                  この時が一番閉店の実感が込み上げて・・・
                                  思わず「お疲れ様、またいつか」と声をかける。

クミコさんが作ってくださったカクテル「桜桃」
新聞で見てからずっと気になっていた。今日飲めるとは思わなかった。
一杯のカクテルがこんなに明日の自分を元気づけるものとは知らなかった。
そんなにお酒は飲めないクチだけど、この美味しさは見事にこたえた。
この味と時間をきっと一生忘れないでしょう。

クミコさんと大森さんにまたお会いできる日を楽しみに待っていようと思いました。
こんなに素敵な空間を三鷹に創ってくださった事に心から感謝します。

閉店の事を私に教えてくださったお客さんは、こういうお店を続けさせられないって悲しい。
三鷹の人もっと地元のいい店に通おうよ!と強く言われていましたけど、
わかるんです。この閉店はかなり打撃。辛い思いをした人はいっぱいいると思います。

自分のお店をはじめ、チェーン店もいいけど地元のお店に普段からもっともっと足を運んでくれたらな、
って本当に思います。やめる、となってから惜しんで通う、では遅いですからね。
って自分もよくチェーン店に行くのであまり強くは言えませんが。
やっぱりさびしいものですね・・・カクテルの後味は少しほろ苦いようです。


2009年7月27日 月曜日
朗読の中村雅子さんから嬉しいお知らせが!
青森での太宰作品朗読会が決定したそうです。しかも来週です。
詳細は↓

8月5日(水)午後2時から3時
青森市 酸ヶ湯温泉 広間にて
「太宰治 朗読会」出演 中村 雅子(青森市出身)
演目「津軽」より抜粋 「雀こ」他
入場無料
問い合わせ  酸ヶ湯温泉 017(738)6400
http://www.sukayu.jp/
宿泊の方以外でも勿論OKです。
この頃偶然青森方面にいらっしゃるという方、是非お越しくださいませ^^。

との事です。八甲田山のふもと、ヒバの香りに包まれて太宰作品を朗読、
なんて爽やかなんでしょう。聴ける人が羨ましいです。
きっと気持ちがスーッっと落ち着いていくような気がします。

この温泉、初めて知ったのですが、サイトにあるヒバ千人風呂というのにものすごく惹かれます。
朗読&温泉&森林浴、なんて贅沢な時間が過ごせそうですね。
またこの事を報告される中村さんの喜びの声を聞いていると、
思わず応援したくなりました。事後報告を楽しみにしていようと思います。

そして中村さんのお友達も初来店。
「フォスフォレッセンス」が大好きで、大学で朗読を教える立場にあるというお方。

私が先日日記で初めてこのお店で朗読会が行われる際には、「フォスフォレッセンス」を
というのが夢であると書きましたが、中村さんがそれを読んですぐ反応してくださったのです。
ならこの作品が大好きだという彼女と一緒にここで朗読会を、と閃かれたらもう行動が早い!
この瞬発力がきっと青森での朗読会を実現させる源となっているのですね。

そこで打ち合わせた結果、この秋、おそらく第一回の朗読会をお二人にお願いする事に決めました。
日時ももう11月21日(土)18時〜、と決定。この日この時間は貸切となる事をもう発表しておきますね。
その他詳細についてはまた秋になる頃にでもお知らせします。参加予定人数は10名となります。


中村さんとお友達所属朗読グループが開催している朗読会のお知らせ案内のチラシ。
これから開催のはフリーコーナーにありますのでチェックしてみてくださいね。

「やはりお客さんの前で読む、という事をしていかないと。
練習ばかりしていても」とこのような小さなお店での会も積極的に働きかけてくださったようです。
太宰作品というのは特に声に出して読んでいってどんどん魅力が増すもの、
また年齢を重ねる度に感じる事が増えていく、という力強いお言葉に
私もうんうん、と頷いていました。

意外と8年目のこのお店でまだ朗読会が開かれていなかったのは、
先に書いた最初は「フォスフォレッセンス」というこだわりと、
長田清さんがこのお店で「フォスフォレッセンス」を朗読する事を前向きに考えていて
くださっていたからでした。
随分お店にお見えになっていなかった間も、一番席は空けておいたのですが、
もう遠方に越されてしまった、と聞いて私も考えを変えたのです。
その話もすると、何か感じてくださった事も多かったようで、一瞬シーンとしてしまいましたが、
こういう自然な流れだったんだろうな、と受け止める事もできました。

夏も好きだけど、その後の秋にも色々楽しい事が待っていると思うと
なんだかやっていける気がしてきます。


2009年7月25日 土曜日
「1Q84」の読書会の詳細を以前に日記で紹介しましたが、
その主催者の方がご来店。
「どうでしたか?読書会!」といきなり質問攻めにしてしまって、
「まあまああとでゆっくりと」と。
私ってこういう時とっても落ち着きなくて大阪のおばちゃん丸出しみたいですね(笑)

また第二回の読書会をするかもしれないとのこと。
主催した時は書店に本が品切れで並んでいない時だったから、読めた人がそんなに多くなかった、と。
今は書店で1,2大抵揃ってますものね。

しかし空前のブームというかこんなに本はまだ売れるという事を証明したこの小説、
まだ読めていない、図書館予約順位70位辺りをウロウロしている私、
完全に乗り遅れてしまいましたね・・・ま、本は逃げない。こうなったら70人分待って、
図書館からの「1Q84確保しました」のメールを見届けるまで読むのは封印しようかと。

今出ているビーパル増刊のbpって雑誌で村上春樹特集をやっていますね。
「レッツ、村上春樹。(やれやれ)」っていうなかなかインパクトのある特集タイトルだから
書店で目にした人も多いかな?
これをパラパラ見てみたら、台北でブックカフェを経営している村上春樹好きの青年の
インタビューが載っていました。
海の向こうに「海辺のカフカ」とか「ノルウェイの森」を店名にしているお店が
あるのは知らなかった。

「人間失格」と「仮面の告白」そして村上春樹作品を比較している本があるそうで、
今度調べてみようと思います。

「ヴィヨンの妻」を試写で観たお客さんがご来店。映画についてガチンコトーク!
そこで共通して感じた事。
原作を読んでから映画を観るほうが良さそうであるということ。
でないと浅野さん演じる大谷がただのグダグダの酒飲み亭主で、
松さん演じるさっちゃんがどうしてこの夫を愛し続けるのかが見えてこないのではないか、と。
逆に原作に触れずまっさらで観た人の感想を聞いてみたい気もしますね。

最近告知いただいたチラシなどを最後にアップです。


「きりぎりす」を映画化。タイトルや詳細は    武蔵野芸術劇場で太宰の青春を! 「甦る太宰治」銅像建立記念展
店内チラシでご確認を!大人向きです。     

すべてフリーコーナーにチラシ置いてますのでおとりくださいね。持ってきていただいた方、感謝です。


2009年7月24日 金曜日
昨日のお話。

先日日記にお客さんが「このお店のお客さんとお友達になったのよ」と報告してくださった事を
書きましたが、その「お友達」の方がお久しぶりに雨の中来てくださった。

以前に紹介した「岡田すみれこ詩集 もう帰るところはありません」の著者の方です。
娘さんと「二人誌 薄紫の冬桜」を発行されたということで、進呈いただきました。

娘さんの短歌はなかなか大胆でハッとするような表現があり、感想をお伝えすると
「娘の短歌は結構過激なんですよ」とのお言葉。
なんだか羨ましかったですね。
私は母に自分の秘めた情熱とか子供時代から話さないタイプだったので。

自分の詩集をこのお店で読んだ人のブログを発見して、とても嬉しかった、
というすみれこさんの詩も、前作のムードををしっかりと受け継いでいて、
読んでいて懐かしかった。2作しか読んでいなくとも既に自流があるな、と感じましたよ。
詩集の隣に閲覧できるようにしましたので、前作を読まれた方、見つけていただくと良いなと思います。


2009年7月23日 木曜日
皆既日食だったんですよね、昨日。
私は実は都内の日食予定時間・・・寝てました(恥)
こういう自然現象は大好きで喜んで見るタイプなのですが、
エリカ様あとは頼む、任せた、気分で起き上がれなかったのでした・・・

ここ最近の休みごとの外出がたたって疲れが溜まったみたいで、連休はひらすら体を休めてました。
本当は一日は渋谷へ行く計画は立てていたのです。
前に紹介しましたが、書店仲間が渋谷で本のイベントをしているので
行きたかったのですが、意外と渋谷は遠かった。シブヤから遠く離れたマイハウス。
ベッドと友達になっていました。

都内では渋谷でしかやっていない映画「カフェ・ソウル」も観たかったのですが、お預け。
なぜ「カフェ・ソウル」かというと、今気になる俳優さん斎藤工さんが出演しているから♪

この方前々から気にはなっていたのです。
なんでこんなに美しい人間がいるの?みたいなかんじで。

で、「春琴抄」をレンタルしてみたらやっぱり良くて、夢にも出てきてしまったらこれ、ハマってしまいますよ。
ま、いつもの私のパターンです。
46年ぶりの皆既日食を観る事よりも一夜のイケメン俳優の夢の方が幸せ、
これが今の私のリアルだ!みたいな(笑)
脳内では勝手に「斜陽」の直治役で「姉さん。僕は貴族です」と言っているところがグルグルと・・・

しかし我ながら唇の厚い人が好きよね〜。玉木さん、徳井さん、斎藤さん・・・
女性だけど芦名星さんも少しポッテリとしたラインでクチビル美人だな〜

たまにはこんな妄想全開の日記も、どうかお許しください。元気な証拠ということでどうかひとつ。。


2009年7月20日 月曜日
朗読の中村雅子さんがご来店。
またまたサシでゆっくりとお話出来たのですが、
アロマテラピーの資格を持たれているそうで、その試験の大変さなど興味深くお聞きしました。
朗読もそうだけど、人に喜んでもらう事で自分も幸せになれる、と。
太宰の精神に通じますね。

このお店では朗読会など催された事はあるのですか?と質問を受けて、
まだない事、希望を言えば最初の朗読会は「フォスフォレッセンス」を読んでくださる、
というのがささやかな夢であること、などお話しました。

人の考え方って、経験を経て変わっていきますよね。
昔はイベントをする時もなるべく喫茶代のみであとは主催者のご好意で、と意固地にも思ってたけど、
主催してくださった方にも何か還元されるという形式がやはりベストなんだな、と今は変わりました。

例えば朗読会として、読む側の人から見ると10名しかお客さんが入らないのは
ちょっとやりがい不足と感じられるのが普通の感覚かもしれませんが、
あえてこの小さな空間でやってみたい、という方がいらっしゃったら前向きに考える、という状況です。
朗読会について再考するきっかけを与えてくださった中村さんに感謝ですね。
決して適しているとは言えない会場ですが、この空間で「フォスフォレッセンス」が読まれる日、
実現すると良いな〜。


2009年7月19日 日曜日
快晴なのに雨が降る。
雨上がりの空に虹がかかる。
19時なのに明るい、セピア色の街。


久しぶりに見た虹。きれいだった〜

なんか来そう、とは思ってた。
かんかん照りなのにスプリンクラー型の、方々に散るタイプの雨が降るし、
空の色がやけに黄色いし。

このところの夕映えのオレンジじゃなくって、黄色かったんです。
お店から外を見ていると、街が、木々が、セピア色がかったみたいで、
通り行く人は古き良き映画の登場人物みたくなってた。

そしたら空に虹が架かっているのに気づいて、思わず
奥の席にいらっしゃったお客さんに「虹が出てますよ」と言いに行き、
一緒にちょっとだけ虹を見ました。

とにかく空がサーカスだった。虹は出るし色は七変化だし、
飛沫のような雨も降ったりやんだりだし、
暗くなる一歩前はとっても幻想的な空だった。
こんな日は季節に一回あるかないかくらいの確率。
外の変化が見れるお店で本当に良かったと実感しました。
花火と虹の競演が見れるのも夢じゃないんですね〜。



2009年7月18日 土曜日
油蝉の鳴き声がするようになりました。お店にいても響いてきます。
いやー、夏ですね、もう。
どの季節にも書いてる気がしますが、
大人になると夏の良さがしみじみわかる。
子供時代の思い出が一番多い季節ってやっぱり夏ですからね。

終業式なのかな?
今日は高校生カップルも多い。
甘酸っぱい表情で通り過ぎてゆく。勿論窓辺の本よりも相手の事しか見てない。
ただ男女で一緒に帰ってるだけなんだけど、微笑ましい光景。

インターネットで見ました、
とブックカバーを買いにきてくれるお客さん、ポツポツ現れる。
その場でカバーをかけて帰られた人もいる。
駅までの道を聞いてくるお客さんは、もしかしたら電車に乗って来てくれたのかな?

このカバーがついに電車デビュー?
太宰の本は電車の中で堂々と読むにはちょっと恥ずかしい、という人も
世の中多いと想像できますが、このカバーはいっぱい見せてほしい、なんて思っちゃいます。

ご近所のお客さんでカバーを買ってくださった方は、
ここで太宰の本はいっさい購入された事はないけれど、
「お買い上げのこの文庫本にカバーはおかけしますか?」とお伺いすると
「いいえ、このブックカバーは家にある太宰の本にかけることにします」というお返事だった。
特別なかんじがして嬉しかった。

古本を売るのとはまたちょっと違った嬉しさがある。
古本は仕入れた段階で一度は人の手に渡ったもの。
カバーは生まれたてのかんじで、またここでしか生産されていないものを売るという発見、
旅立っていくごとに思い入れがありますね、やっぱり。
グッズ販売、なかなかやりがいがありますね。

本に纏わるグッズで私が過去に購入したもので一番印象に残っているものは、
m&co. booksellersのブックバンド。まだ大切に持っています。
アメリカではメジャーだけど、日本ではあまり使われてるのを見ない。

さっき太宰の本は堂々と表紙を見せるのが気恥ずかしい事もあるらしい、と書きましたが、
今の若い人のなかでは逆に堂々と見せようよ、みたいな人も結構いるんじゃないかなって思います。
太宰文学がファッション化する事に危惧する人はいるかもしれないけど、
きっかけってそんなことでもいいと思うんですよ。中身をちゃんと読むのなら。
太宰治の本を3,4冊堂々と裸でブックバンドでまとめて持ち歩く、
これが自然に出来るようになったら素敵だとも思います。

今夜は調布の花火大会ですね、
クライマックスのドンドンという花火の音、うちの店まで聞こえるんです。
毎年これを聞くと、なんとなく切ない気持ちになるんですよね。
花火って近くで見るのはいいけど、遠くで聞くと切ないんですよ。
でも切ないのも夏の醍醐味。。大人になっても夏休みは永遠にやってくる、と思いたい。
今年もたくさん思い出作れるといいな。


2009年7月17日 金曜日
久しぶりの銀座で思い出した。
店内にある「フォスフォレッセンス掲示板」No3が終わって
新しいのを新調しなきゃ、と気になっていたのですが、やっと買えました。


月光荘のスケッチブックのお客様自由ノート。4冊目に突入しました。
なんとなく1冊目がこのノートだったので、2冊目も3冊目も同じタイプにしたのです。
表紙に中原淳一イラストのメモを貼るのも定番。

久しぶりに訪れたお客さんが「初めて来た日の自分の書き込みがあるよ」なんて
目を細めながら言う姿は、なんとも微笑ましいもの。

三鷹の産業プラザ1階の素敵なお店山田文具店にも月光荘のアイテムが置いてあるのですが、
NO3までのサイズとは違ったので銀座の方に出向いたのですが、ここでもなかった。
絶版になったのか私の探し方が悪かったのか・・・
4冊目はちょっと幅が大きめになっています。

昨日はとっても暑かったけど、やっぱり銀座大好きだなって思った。
通りが広くて気持ちいいし、やっぱり並んでいる店がひとつひとつ銀座に溶け込んでいて
絵画のような街ですね。

バー・ルパンに行きたいけど、夕方以降は電車が混んでくるからなかなか機会がない。
ひとりですっと入ってチャーリー・チャップリンを飲み、太宰の居た空間に想いを馳せ、さっと引き上げる、
これは遠くないうちにやってみたい事のひとつ。
本当は昭和3年から使っているというウイスキーグラスがいいのですが・・・
太宰もこのグラスで飲んだのだろうし。でもウイスキーは全く飲めないから無理なのです。。
新宿の文壇バー・風紋も是非行ってみたいですね。


お客さんと太宰の声について話す。
太宰の関連本で、生前の太宰を知る人が、あの骨格から再現された声を
ホンモノそっくりの声だ、と書いていたものがあると教えていただく。
イメージとちょっと違ったと一度は思っておきながら、
あれは太宰の生の声に近いのか、それを聴けたんだ、とちょっと嬉しくなる。

もし「太宰治の動画発見!」なんてニュースが実際に流れてきたら、
絶対見るだろうけど、すごくドキドキするような気がする。
今は写真だけで十分です、ってとこかな。



2009年7月16日 木曜日
このところ外出続きの休日。昨日は久しぶりの銀座。
炎天下の銀ブラ〜♪
大好きな街だけど、遠いから何かきっかけでもないとなかなか来れない街。
今回は「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」試写会の為にやってきました。

原さんが試写会のハガキを送ってくださって、その時は、
かなり電車に乗る時間が長いからどうかな・・・と少し不安だったのですが、
水曜日の昼間の回があった事、せっかくのご好意になるべく添いたい事、
なによりこんなに早くこの映画を鑑賞できるなんてまたとないチャンス!という事もあり、
日比谷の東宝試写室に向かいました。

意外ですが初日比谷シャンテでした。近くの帝国ホテルや日比谷公園は行った事あるのに。
「想い出に変わるまで」で今井美樹と石田純一が待ち合わせたあの日比谷シャンテだ(ふるっ!)
とか思いながら東宝のビルを探すが、右を見ても左を見ても「東宝」だらけ。
このへんは東宝の傘下のようで焦りましたが、建物の入口付近に立っている人に聞いて
やっと試写室にたどりつきました。無事、鑑賞。

運良くこの日は体調良好。何度か電車を降りたり乗ったりを繰り返しながら
無事に行き帰りをクリヤし、充実の一日となりました。

ネタバレを避けるためにおおまかなものになりますが、映画の感想を少しばかり・・・



太宰に関係のある映画はいくつか観た事がありますが、
比較すると「ヴィヨンの妻」はかなり完成度の高いものだと感じました。
やはり実績のある監督・脚本家の映画。とても丁寧に創られています。
背景の細かい描写もあの時代のものに徹底されています。
例えば車掌さんの「きちじょうじーきちじょうじー」っていうアナウンスひとつとっても、
今の車掌さんのもの言いのかんじとは違って、とっても昭和初期なんですよ。

原作には忠実で、セリフも生きてます、かなり。
ヴィヨンだけでなく桜桃や太宰のエピソードを盛り込んでますが、これも生きてます。
約2時間の中で上手くまとまっていると思いました。

あと役者さんたちが上手い人ばかり。これも大きいと思います。
松さんは私のイメージしていた「椿屋のさっちゃん」と全くズレがなかった。
浅野さんの大谷は映画を観る前はちょっとピンと来なかったのですが、いやいやハマってました。
なぜか以前に観た「アカルイミライ」のポーズを思い出しました。
この人がこんなに幅が広い役者さんだった事、すっかり忘れていました。

脇の人たちもいい味を出している。
ひとつだけ気になった点を上げるとしたら、妻夫木君、演技はとっても良いのですが、
どうしても昭和の顔には見えにくかった。平成のイケメンっていう印象があるからかな。
酒場でも彼だけがなんか21世紀の人で浮いている気がしてしまった。
でも演技はとても好きですし、良かった。

あ、でも「春の雪」はピッタリだったから私の先入観が邪魔したのかな。
ラブシーンがとっても上手だから、その点では注目している人です(笑)
今回あったかなかったかは別としての話ですので。

感想はこれくらいにしておきます。試写や公開後に映画を観た方とお店で感想を
言い合える日を楽しみにしています。
とにかく行けて良かった。機会をくださった原さんに感謝です!

え?気になる濡れ場について触れずに終わるあなたですかって?(笑)
濡れ場はあります。とっておきのが。
これくらいは書いてもいいですよね・・・
名シーンだと思いました。きれいに撮ってたな〜。

そ う き た か

と思うところもあり・・・

ま、10月10日公開をお楽しみに。秋の話題がまたひとつ増えました。

前にお知らせした毎日新聞社発行の太宰の本(太宰萌えという仮タイトルらしい)は
秋に発売延期になったそうです。映画公開に合わせるとのことです。
そうえいば「ロム・フラジール」はいつ公開だろう?気になりますよね?
以前に監督とお話した時は、10月、11月でも生誕百年には違いないから、と言われていたので期待したい。
何か情報が入りましたらお知らせいたします。

生誕百年祭、6月が終わりひと段落したようですが、まだまだ続きそう。
この秋また賑わいそうです。


2009年7月14日 火曜日
今日はとても嬉しい日です。
トップページやイベントコーナーでお知らせしたように、
ブックカバーの販売を開始する事が出来た記念の日です。

先日日記に生誕100年記念で100枚限定でブックカバーが作りたい、と書いた事がきっかけでした。
今の自分に豪華なものはまず作れそうにない、でもいいじゃないか、と。
身の丈に合った、一見ちゃちいモノでも構わない。
ようは太宰治生誕100年を祝って、何か記念のしるしを残しておきたい、
そういう思いが急にふつふつと芽生え始めた事をただ書きました。

イベントコーナーの説明にも書きましたが、大宮太宰でおなじみのTAMAさんが、
そのなにげない一言を掬い上げてくださったのです。
いいものを作りましょう、と提案いただいたのですが、
なんせまずネックは費用。経費をこれぐらいで押さえたい!とか、
どうしても100枚限定、代金は100円ポッキリ!にこだわりたかった・・とか
数々のわがままな条件をすべてクリヤしていったのです。

作っていただいた見本品が一目見て気に入ったので、
ロゴ使用の申請を市に出して、無事に許可もいただき、
TAMAさんの方では印刷会社に自ら出向いてくださって、
微妙な色合いの違いにダメ出しを繰り返していただいたり、
何から何までお世話になり、ようやく本日販売開始に漕ぎ着けました。
すべてTAMAさんのおかげといっても過言ではないです。
今はただ感謝の気持ち、嬉しい気持ち、皆さんに早く見ていただきたいな、という思いでいっぱいです。

全体の画像や表・裏の画像はイベントコーナーに貼りましたので、
ここではちょっと違う角度でご紹介。


カバーのシルエット、どこかで見たことあるような・・・とお思いの方、そう、この子の愛らしい後姿なのです。

その子とは・・・このお店にやってきて1年。愛されるキャラクター、


フォス夫くんでした!

今日もフォスフォレッセンスの窓辺で愛想を振りまきながら、このお店をじっと見守ってくれています。
そういえば製作者の方が7月末まで古本イベントをするそうです。くわしくはサイトまで honnohonno

窓辺の風景、そしてフォス夫君の前じゃなくて後姿というのが、なんとも私はツボに入ってしまいました。
窓辺、やはりこの一帯がうちの店の魅力どころですものね。
よくこのデザインで取り入れてくださったな、と本当に喜んでいるんです。
そこで気づいた事もあります。
お客さんの方がこのお店の事、よく見えてるな、と。客観的な面で。
このカバーが誕生した事で、またひとつ学習出来た気がします。

さっそく本日は2枚売れました。あと98枚あります。
良かったらお店に見に来てくださいね。
あ、明日はお休みですから、お間違えのないように!



2009年7月13日 月曜日
先日日記に書いたアロマサロンの方が、
ホームページ見ましたよ、とまた来てくださった。
私の不調な症状に合わせたアロマ香水まで作っていただいて!↓


容器がハート型でラヴリィ!
イランイランから調合されたものらしいです。感謝感激〜

前にジュニパーの事を日記に書いたら、
ラベンダーのアロマをお客さんにいただいたものも大事に持っています。
少しずつ使っています。なくなるのがもったいなくて。
この夏は生活にアロマをおおいに取り入れてみようかしら♪

売上をもうちょい頑張ったら自分のご褒美にアロマサロン行こうかな、とか
考えています。アロマサロン初体験、叶ったらレポしますね。

次に来られたお客さんとは3年ぶり?くらいの再会。
「ここに来られているあるお客さんと、お友達になりました」と報告をお受けしました。
お話の中でうちの店の事が出てきたそうで。
お二人ともものを書く方だから、きっとお話が合うと思います。
しかもこのお店でなく外での出会い、というのがまた不思議なかんじですね。

昔の三鷹のお話も色々とお聞きできた。
三鷹オスカーもあり、三鷹文化もあり、貸本屋さんがたくさんあった時代。
第九茶房は文化の発信地でもあり、静かに音楽を聴くことに集中したい人には専用ブースもあったとか。

私がお店を開店する第一候補だった駅からほど近い店舗の事を話すと、
そこは川を埋め立てたところだから河童が怒っているかも。
今のこの場所の方が全然いいわよ、と言ってくださった。
この場所で正解、という想いが一層強くなった。

このお客さんもむさしのみたか市民テレビに出演されたということで、
DVDをお借りしました。観るのが楽しみです。

とってもお洒落なおばあちゃんが入店され、
手には表の平均コーナーにあった脳を鍛える系の本。
「私、最近頭が横向いてきたのでこの本買います」と可愛らしく頭を横にされる。
するとお店にいたお客さんも「私は最近頭がななめ向いてきましたよ」と頭をななめに動かされる。
私も「ああ、私もななめになってきてます」と同じように頭をななめに。
女3人漫才のように頭をかしげて、表から見るとなんともユニークな絵だったと思います。

その後おばあちゃんはコーヒーを頼まれ、しばらくお話したのですが、
三鷹に来てまだ間もないということ。今84歳だということ(84歳の方に縁がありますね、昨日今日と)
お話を聞いていてなんだかこちらもうっとりするほど可愛らしい品のある方です。

太宰を好きになったきっかけは?という質問に「実は顔からなんです」と答えると
「かお〜?(笑)」と女子高生のようにころころ笑い転げられるし。
おしゃれなわけで、身内がフランスから送ってくるものばかり身につけているとのこと。
主人とケンカしたら来られる場所が出来て嬉しいわ、とニコニコ帰っていかれました。

そうそう、お友達が皆「三鷹を案内して」とか「太宰の入水場所に行きたい」とか言ってくる
けれど私は三鷹に来たばかりで何もわからないのよね、という言葉を聞いて
みたか観光ガイド協会をご紹介しました。
第四日曜日にボランティアで太宰文学散歩をやっているので是非皆さんでご参加されては?と。
じゃ10人くらいで今度申し込んでみます、とのこと。
おばあちゃんもお友達も是非三鷹を楽しんでもらいたいです。



2009年7月12日 日曜日
「家族についてのレポートを書かなければいけなくなったので、
関連本はありますか?」とお客さんより質問をお受けする。

ちょうど「太宰治の家庭小説」という卒論を書かれた方から
すずさわ書店発行「文学における家族の問題」という本をこの前譲っていただいたところ
だったので、紹介しました。
あと「うろたえる父、溺愛する母 19世紀に家族小説を読む 北上次郎著 筑摩書房発行
もお奨めしたところ、2冊お買い上げいただけました。

レポートや卒論を書くためにある人が参考にした本が、また参考文献としてある人の手に渡る、
この流れを見てやっぱり古本屋は良い仕事だな、と実感しました。

先週のフォス恋愛相談室のお客さんがまたご来店。
この前はちょっと短い時間だったので、もうちょっと聞いてほしい事が、と。
どれどれ、とまた続きを・・・

メールの添削をしてほしいということで、チラッとどんなメールを送っているのか
見せてもらったけど、今の若い人のメールは絵文字がキラキラしていて
ちょっと添削するには私はおばちゃんすぎた。

正直に「ごめん、メールに関してはほんとおばちゃんだからわからないわ」みたいな。
携帯メールは私ほとんどしないからめちゃくちゃ文章打つの遅いし。PC派なのですよ。
でも顔にハートがついていたら嬉しくなるとか、そのへんの心理はおばちゃんでもおおいにわかる。
時が経ったメールでも、顔文字の動きは昨日の事のように笑いかけてくれますものね。
いやー、本当にうまくいってほしいものです。



2009年7月11日 土曜日
本日一番でご来店いただいたお客さんは、
むさしのみたか市民テレビのわがまちジャーナルを観てこの店の事を知り、
今日やっと来れたとのことでした。

私と同じ関西出身で三鷹でアロマサロンを経営なさっているとのこと。
兵庫県で開店したのは2003年。もう10年この道でやってきていて
三鷹にサロンを開いたのはごく最近だそうです。

「まず何事も10年続けてみる、というのが目標なのでなんだか尊敬します」と言うと
今までの紆余曲折のお話をしてくださり、とても為になりました。

子育てを終わってから何か人のためになる事を始めたくて・・と言われていたけれど、
それにしてはお肌がツルッツルでいらっしゃる。
年齢をお聞きするのは失礼かと思ったのですが、聞いてみたいくらいに本当に肌がきれい。
お話を聞いていても滲み出てくるお人柄。
お金さえあれば、この方ならアロママッサージをしてもらいたいな、と思えました。

パンフレットを一部いただいたのですが、想像していたよりは高くなかったです。
自律神経や鬱などの研究もなされているとのこと。
ボディだけでなく、心身ともにリラックスしたい時にいいかもしれませんね。

行ってみたい方はパンフレットをお見せしますね。結構うちの近所でした。
失礼ながら全然知らなかった・・・いや、街を歩いても女忘れたらダメ、の教訓ですね。
はいはい、ペネロペを見習おうの余韻がまだ残ってるうちに反省のポーズ・・ずず
あ、決してお店の回し者じゃありませんので(笑)

ビックリする事をお聞きしました。
お知り合いの方で84歳の方がいらっしゃって、昔山崎富栄さんのお隣に住んでいて、
太宰さんと何度か階段でお会いした事があるんですって。

太宰さんの印象は「上品な方」「会うと丁寧に挨拶してくれるお方」ですって!
なんだかとても嬉しくなったところ、もっと驚く事を。
「太宰さんから本をもらってまだ持っているそうで、太宰さんおまけに本に絵を描いてくださったんだって」
へー!すごいですね。とっても見てみたいけれど、
その本は太宰さんがそのお方に絵を描いてプレゼントしたもの。
見たい気持ちを抑えながら私は特に何も言いませんでしたが、
お客さんの私に見せてあげたい、という気持ちはありがたく受け取りたいし、
自然の流れに任せたいです。

結核の影響でお手洗いに行った後には即富栄さんが消毒していた、という話を聞いていたので、
このお話は聞けてとても嬉しかったですね。
それが何時ごろの事かはわかりませんが、とにかく聞けて良かった。

昨日の夜、今日のお昼、今日の夜、と桜桃忌ダザイヴェートに参加いただいた方が
リレーのように来店くださって、また伝言ゲームみたいになって、なんだか楽しかった。
骨格から再現した太宰の肉声を聞かせてくださったけど、
もう少し声が低いようなイメージを持っていますね、私は。

ここで読書会などイベントをするとそこからまたどんどん繋がりが広がっていくのが面白い。
ご縁の輪は無限大ですからね。また私もその恩恵を受けてここに居ることを忘れずに、
また明日からもその輪を広げていきたいです。


2009年7月10日 金曜日
朗読の原さんと口琴の小川さんがご来店。
まずは素敵なCDを入荷する事が出来ましたのでそのご紹介。


鹿よ おれの兄弟よ 朗読&口琴の世界 朗読 神沢利子 口琴 小川純一郎
アトリエ りとるプロデュース 定価1000円

神沢利子さんが自らの作品を自ら朗読された貴重な音源です。
BGMの口琴を演奏されているのが小川さん。
限定発売だということで、当店では3枚仕入れさせていただきました。
お求めはお早めにどうぞ。
:試聴用サンプルもございますので、どうぞお気軽に声をかけてください。
店内のCDプレイヤーで流しますので。

作者自ら読んで、というのはありそうでなかなかないですよね。
私も聴いてみましたが、神沢さんの語りと口琴の響きがひじょうに上手く溶け合って、
優しさを感じさせられました。この世界観はなんだかとっても安心するんです。
大人でも子供でも楽しめるのがいいですよね。

原さんから甲府の山梨文学館での太宰治展へ行った時の話をお聞きして
ちょっとこちらも泣きそうになってしまいました。
展示物を見ていたら涙が止まらなくなってしまったというその表情を見ていると
何か伝わってくるものがありました。
じっくりと周り見終った時、太宰は自分の意思で人生を終えたのが理解できた、
という言葉が心に残った。私も行きたかったな。

また生誕祭の19日、翌日20日の東奥日報と睦奥新報を何部か持ってきてくださったので、
目を通す事ができました。すごいです。さすが地元。
19日の新聞なんて太宰だらけ。各紙面の端に太宰の作品の一言と初版本の写真と説明文を
堂々と載せていて、圧倒させられた。

あと原さんが写真入りで大きくバンバン載っています。
また朗読を聴かれるお客様側の表情が皆さんとっても良いのです。
各ブログなどでこの活躍ぶりは目にはしていましたが、
地元の紙面で読むとますます大役を果たされたな、と実感しました。

こんなに早く太宰の息遣いが感じられる場所で朗読を実現されたというのは
本当にすごい事ですよね。実際お話を聞くとまだまだ今後発展がありそうですよ。
京都の人から朗読に是非来て欲しいとお願いされた話を聞いて
太宰は京都に住みたかったのだから実現してください、と私からもお願いしておきました。
楽しみですね。店内の原さん告知コーナーも新しくなっていますので見てくださいね。

夕方、なんと9名様ご来店!久々の団体さんです。
おひとりの方に名刺をいただくと「一橋大学エコサークル環兵衛
大学図書「環」カフェ「えん」とある。
図書館カフェを計画しているところで、ブックカフェを何件か廻っているとのこと。

いくつか質問を受け、お答えする。
「一番悩むところはなんですか?」「もちろん、売上です(笑)」とか
うちのような小さなお店で参考になるのかな?と思いましたが、
真剣にメモされているお姿を見ているとなんだか若いっていいな、眩しいな、といつもながら感じる。

「とにかく準備期間を楽しんでください。これだけは立ち上げたらもう味わえないので」という
アドバイスを最後にする。準備期間楽しかったもんな〜。
図書館カフェ(期間限定なのかな?夏休みかな?)がOPENした暁には、是非訪問してみたいです。



2009年7月9日 木曜日
シュシュに興味を持ったきっかけは、雑誌でMARC JACOSの新作シュシュを見た事。
コレクションのテキスタイルに使われた布でシュシュとかすごくいい!と感じたんです。
でもいかんせん値段が高い。それでバーゲンで物色、に繋がるわけですが、
100円ショップに十分可愛いシュシュがありました。

それがきっかけなのか、この間久々にバーゲンに行ったからなのか、
私の中で可愛いものに対する興味が再燃の今日このごろ・・・
買うのは無理でも可愛いものをたくさん目の保養にしよう、
使っている財布がボロボロで皮の内側の白いスポンジが見え出した、
どうしても劇場で観たい映画がある、

という事でお休みに立川へ行ってきました。
ずっとインドアだった反動なのか、このところよく外出してますね。

財布の寿命は3年、とお客さんに聞いたけれど、
府中伊勢丹で買った福財布、2年しか持たなかったな・・・・

さすがにこのスポンジむき出しの財布はやばいだろう、これじゃ金運も逃げていく。
至急新しいものを探さないといけない。ならバーゲンで安くなっているうちに、と
色々見たのですが、バーゲンでも高い!ダメだ・・・
結局後にオークションでMARC JACOS(最近縁があるな・・)の財布を200円でget!
新品じゃなくてもいいんです。多少の汚れがあっても。すごくお得した気分でした♪

バーゲンはかなり欲しいものがたくさん現れました。先週よりプライスダウンして
70%oオフしてるんですもの。でも我慢我慢、先週もう下着を買ったし、じっと我慢の子です。

しかし!!決壊しました。これを見た瞬間に↓


本を読んでる女子がプリントされているロングTシャツ。

なんてキュートなの!ラヴリーなの!と乙女のごとく鏡の前に合わせて立っていると、
店員さんが笑顔で「素敵ですよ」なんて声かけてくれる。勿論素敵なのはこのTシャツなのですが、
「買います」とレジに持っていってしまいました。二千円でおつりがくるものだったので決めました。

ちなみに立川グランデュオのAS KNOW ASで購入しました。白とピンクがあり、私はピンクにしました。
チェリーアイテムもそうだけど、本を読む系アイテムもできれば集めたいのでこの買い物はまあ◎としよう。

吉祥寺でなんでもすます私が時々立川に行くのは、勿論街が大好きというのもあるけど、
大体映画目的です。最近また観始めたのでご縁が復活、ってかんじかな。
吉祥寺でやってない場合は立川へ行きますね。
今回どうしてもスクリーンで観たかったのが「それでも恋するバルセロナ」
上映時間が1時間半だということ、
ペネロペ・クルスがスペイン語を話す場面が結構あるということで、映画館へ行くことを決めました。
意味はわからないけど、好きなんです。彼女のスペイン語。
それにクレジットに「Penelope Cruz 」と出るだけでなんかフェロモン受信できる。

上映2時間前にはチケット売り場に行って、ドア付近の端っこの席を選択する。
上映までの時間はバーゲン物色したりスタバでコーヒー飲んだり。
映画自体はこれすごく私好みでした。好き嫌いが別れるとは思いますが。

今日は久しぶりに来店いただいたお客さんとふと映画の話に。
これまでもお店でいろんな話をしましたが、主に旅の話題が多く、
そのお客さんがこんなに映画好きだとは知らなかった。

スカーレット・ヨハンソンがお好きと聞いて「なら、この映画絶対お奨めです」と
上記の映画を紹介しました。

「贔屓目だと思うんですけど、スカーレット・ヨハンソン、たしかにとっても色っぽくて
ずっと見つめていたいような女性なんですけど、ペネロペが出てきた瞬間から
かすんで見えました」なんて大胆な事言ってしまいました。
またそう見えるように映画が創られているかんじでしたね。
スペインの情熱的な女性をすごく魅力的に演じてました。

スカーレット・ヨハンソンというと、「マッチ・ポイント」のセクシーな白シャツの着こなしが私は印象強い。
ただの白いシャツでも、セクシーな人が着るとなんでああなるんでしょうね。
「ゴースト・ワールド」のダサ可愛いヨハンソンも見ものですよ、と教えていただいた。
あとお奨めは「007/カジノ・ロワイヤル」だそうで、私意外と007シリーズ観てないんですよね。
今度レンタルしてみようと思います。
8月末まで100円レンタルできるから、過去の名作を色々観たいとも思ってます。

映画とは関係ないのですが、劇場をあとにすると
Barcelona, Barcelona、と松任谷由実.の「地中海の感傷」のメロディーが頭を離れない。
ペネロペに感化されて真っ赤な際どい下着でも、と売り場へ行きましたが、
物色だけ。無駄遣いはやめましょう。っていうかできない。それでいい。

昨日は夕焼けがきれいでしたね〜。
もう帰りかけたのですが、空が綺麗に反射してたので
グランデュオの最上階に上がりカフェ・ド・クリエで紅茶を飲みました。

その窓から見えた夕焼けのオレンジ・・・ため息が出ましたよ、美しすぎて。
カフェでお茶飲んでる人たちも皆そのオレンジ色を見つめていて、
なんだか良かったですよ、あの夕暮れのひととき。
明日からまた頑張ろうと思えました。


2009年7月7日 七夕
久しぶりに快晴の七夕・・・じゃないですか?
どうも七夕には雨が降るイメージがある。
韓国では七夕の雨を織姫・彦星の涙の象徴としている、と小耳にはさみました。
どっちにしてもロマンチック。年に一度の天の川。


お近くの三鷹警察署にも毎年恒例の巨大笹がお目見え。

桜桃忌の日放送のめざましテレビで太宰治の事を扱ったコーナーを見て
それから気になって今日は埼玉から三鷹までやってきました、というお客さんご来店。

私はそのめざましテレビを見ていないのでちょっとわからなかったのですが、
太宰治本フェアをしている三鷹の書店が紹介されたそうで、
その書店を人に聞くと皆うちの店の事だろうというので道を聞いて来た、という事です。
残念ながらそのめざましテレビで紹介された書店はうちのお店ではなかったのですが、
どこの書店でしょうね?気になります。

今まで太宰を読んだ事はなく、なんとなく暗い方にハマったらこわいかな、と思っていた、
でもその番組や、連日の太宰ニュースを見聞きしているうちに、
若い人にも人気というのが気になって、読んでみようかとここまで辿り着いたという事でした。

いくつか文庫本をお奨めした後、埼玉の方ということで大宮太宰ツアーのファイルをお見せし、
大宮で「人間失格」第3の手記が書かれた事を説明すると、大変驚かれていました。
宇治病院の近くで働いていた事もあるとのこと。
この事実が知れてとても良かったです、大宮で太宰が書いていたなんて・・・
と喜んで帰られたので、またひとり、しかも地元の方が大宮の事を知ってくださって
私もとても嬉しかったのです。

七夕・・・四季の行事の中で最も好き。
というわりには今年もお店の飾りつけなど何も出来なかった・・

街を歩いているとたくさん笹と短冊を見た。
図書館でふと目についた短冊が可愛らしかった。
「プリキュアになれますように」「ポケモンになりたい」
微笑ましいけど、おばちゃん時の隔たりを感じてしまいました。

そしてそんなおばちゃんの願い事は・・・勿論、毎年変わらず「お店が続いていきますように」
宝くじ100万が当たりますように、なんて七夕に願うのはヤボな事。
ますます皆様に愛されるお店として、健康で、お金ももうちょい増え、お腹の肉ががひっこみ、
あれ?なんか増えてるし(笑)

七夕の夜、お店の外に出てみると月の光の強さに驚きました。
こんなにも煌々とした満月、ちょっとひとりで見ているのが淋しくなるくらいの輝きだ。
月光に照らされて揺れる笹の音にそっと耳をすましてみる・・・
短冊に寄せた願いがひとつでも多く叶いますように



2009年7月6日 月曜日
お店に行くと、「11時からだと思ってました」と待っていてくださった本日一番のお客さんは、
太宰検定の日、店内で「津軽」の朗読をしてくださった方でした。
あの津軽弁のたけのセリフの響き、今でもしっかりと頭に焼き付いています。

今日は雨で、開店しても全然お客さんが来なくて、その分たくさんお話をお聞きできました。
「朝目覚めて、今日はどうしてもこちらへ伺いたいと思って来たのです」
嬉しいお言葉ですが、来店いただくお客さんから時々同じような事をお聞きします。
夢のような物語からとった店名だから、なにか影響があるのかな?

太宰作品の他にも源氏物語を原文で朗読された事もあるとか。
練習中、原文で読むところは間違えてもわからないと思っているのでは?と
お師匠さんに指摘されてハッとした事のお話が印象的でした。
私も身に覚えがある事だったからです。
昔日記で書いて反省した事の数々・・・
お年寄りにこれはわからないだろう、という姿勢で対応してしまった事とか色々思い出しますね。

秋にも文学サロンで朗読する事が決まっているようで、何を読もうかと真剣に
考えてらっしゃる。聴ける人は幸運ですね。


書をされているというお客さんから太宰の書はありますか?と質問を受ける。
書を見れば、その人となりが大体浮かんでくるという。
何かの本に載っていたかな・・と探してみましたが、
本物の実物大だとよりくっきりと浮かび上がるのでしょうね。

深大寺の植物園の会員になると年間2500円だという情報を教えていただく。
いつでも散歩に行けると考えると安いですよね。
バラフェスタは勿論、盆栽展やあまり知られていないイベントがかなり楽しめるものが多いそうです。
もう少し近ければなっていたな〜、って思う。散歩にはたしかによく行くのだけど。
晩年は深大寺あたりで過ごすのも良い選択肢でしょうね。

このお店の時計の音にいたく感動されていました。
もう一回聞きたいからもう少しいよう、くらいに。
ボロ市で欠陥がある為一番安く売られていたエピソードをお話する。
「ちなみにおいくらで?そこで動くか試させてくれたの?」
「5000円です。試しはないです。いちかばちかでもう8年動いてくれてます」
人気のある時計ですが、こんなに反応してくださった方ははじめてかも。
「あなたへの開店記念のプレゼントだったのね」
その言葉がやけに染みました。

改めてもう日常になってしまった時計の音を聞く。
たしかにこの響きは私を支えるもののひとつだ。
動いてくれる事を当たり前と思わずに。感謝の気持ちをここに記しておこう。


これからもフォスフォレッセンスで時を刻んでいってくれますように



2009年7月5日 日曜日
ますたーと交代してお店のいつもの定位置に腰掛ける。
とても落ち着く場所。
じっくりと本を選ばれたお客さんが「素敵なお店ですね」と
優しい微笑みで言われて、その声のトーンが落ち着いていてとても素敵だったので、
ゆっくりと余韻を味わいながらお茶を飲む。

久しぶりに元常連さんがご来店。彼は三鷹から引越したので遠くなってしまった。
今は半年に一度くらいの頻度で来てくれているかな?
その度にフォスの店内が恋愛相談室になる。

好きな女性の誕生日に何を贈ったらいいか、という話題になり、
「昔はよくプレゼントくれたよね、人に何か贈るの好きだったよね」と言うと
「え?僕みゆきさんになんかあげましたっけ?」
これだから男の人って・・・(笑)
すっかり忘れていたようです。

また、毎回「今は誰がブームなんですか」とも聞かれる。
「今はまた巡り巡って玉木宏!」と答えた。
優しそうな玉木君よりもSキャラなのが好きなので、
MWのスーツ、眼鏡、の冷たそうな彼の画像を見た時に久しぶりに
胸がざわざわしました。今このPCの壁紙にしています。


時々フォス相談室。な日がある。
女性のお客さんがここで話しているうちに泣いてしまわれた。
家に帰りたくない、と。イヤな事があったみたい。
私はただ話を聞いていました。
「誕生日なのに家族に忘れられていた」とか。
それはうちも全然有りますよ、とこれウソじゃないし(笑)
吐き出されてラクになれていたらいいけど・・・

私も2年前くらいは体調を崩した事がきっかけで色々とヤバくなった経験がある。
でもあれは意味がある体験だったんだと思えた。
こういう時、自分にも覚えがないと上辺だけの言葉を投げかけていたような気がするから。

他のお客さんがいずれもいない時だから出来た事。
ヒマでいい事もあります。

トーンダウンしても、私もまたお客さんに救われるし。

白髪のおじいさんがゆっくりとコーヒーを飲まれ、
「この歳になってやっと岡本太郎やピカソの良さがわかってきましたよ。
若い時は破天荒なだけでちっともわからなかった」
なんて話をされると、時間がゆるやかに流れて私の気も穏やかになってくるし。

この場所で起こる事はすべて受け止めれるような、そんな
気持ちの大きな女性になりたいものですね。
目標まではまだまだ遠いです。でも向かって進んでいたいです。




2009年7月4日 土曜日
桜桃忌のNHK効果が今頃じわじわきている。
この間テレビでこのお店の存在を知って来てみました、という方が続々と現れる。

とってもユーモアとサービス精神旺盛な学者さんがご来店。
このお方、ものすごく話上手で何度笑い転げた事か・・・
島崎藤村がパリに下宿していた部屋を見学したお話から始まり、
時々銀座のギャラリーで展示会を催されるほどのコレクションをお持ちで
名刺には2つ住所があり、下の方は別荘で遊びに行ってもいいとの事。
何者?ってかんじで、隣の席にご来店されたお客さんが「アメリカン」を注文すると、
「ドイツでアメリカンを注文するとね・・・」とまた初対面同士会話が弾む。

その後から来店された2人組の若い男性は、ひとりは作家の卵さん。
もうひとりは写真を撮っていて、「フォスフォレッセンス」という写真の本を製作されたという事で
今回その本を持参していただいていたようなのです。

ところがその謎の学者さんと彼らはなんだか盛り上がって、
その本は学者さんにプレゼントされました。
私としてはとっても見たかったけれど、このお店で初めて会ったお客さん同士で
ご縁が生まれたという事の方が嬉しいからいいのです。
また今度その本を持ってきてくださいね、とお別れしました。楽しみにお待ちしております。

謎の学者さん、また来てくださるといいな。
太宰の顔写真が表紙にある本を手に取り、
「やっぱりこの顔は今でも全然通用する顔だね」としみじみ見られていました。

新聞の右の小さな枠に「生誕百年 太宰がブーム」という見出しと共に顔写真が
載っていた時、週刊誌の広告のたくさんの人の顔に混じって太宰の写真を発見した時、
贔屓目だと思うんですけど、一番いい顔をしているのが太宰。
ただのイケメンというだけではなく、苦悩を知り尽くした人の顔。
生誕150年の時もそんなふうに感じる事ができるでしょうか?

私がバー・ルパンでの太宰の写真に惚れたのは、
そういう苦悩の人が一瞬ふっと気を抜いた時に見せる表情、束の間の休息に、
本人でも気がつかないのではないかというほどの色気が溢れ出ているのを感じたからです。
50年後の人間にも、この色気をキャッチできる人がいるんじゃないかな、って思います。
ちょっと遠すぎて上手く想像できないけれど・・・きっと、いるんじゃないかと思いますよ。


2009年7月3日 金曜日
毎年芸術文化センターの「太宰を聴く」を観に行ってたというお客さんが、
今年は唯一ダメだった、と嘆いておられました。
キャンセル待ちも受け付けてくれなかったとか。
ものすごい競争率だったようですね。
久しぶりに来店されたのですが、「ここに来れば色々と太宰情報がキャッチできるから嬉しいです」
と言って下さって、多くの方にそう感じて頂けるように地道に努力していこうと思いました。
6月後半は特に充実しますから、それもありますね。

桜桃忌の日にいただいた津軽の同人誌「北奥気圏」に、うちのお店がちょっと登場しているのを
発見してくださったのもこのお客さんです。
北山林さん「太宰治ゆかりの地めぐり in三鷹 and金木」という文章の中に
フォスフォレッセンスが登場し「本やポスターから太宰への熱い思いの伝わる空間であった」
と書いていただいてました。すごく嬉しい!
この本、とても充実してるんですよ。皆さんじっくりと拝見されますね。

昨日は忙しかったけど、今日はヒマ。まあ、そんな毎日上手くいってたまるか、ですよね。

そこでベイクドチーズケーキを作ってみました。

ベイクドチーズケーキ400円で「本日のケーキ」メニューに登場させていただきました。

先日は小さめシンプルチーズケーキ、今週はベイクドチーズケーキ、
またレアとかスフレとかチョコマーブルとかバリエーションをつけて
コーヒーと合うチーズケーキをメニューに登場させていく予定ですので、
どうぞよろしくお願いします。
上のベイクドはただ今メニューにありますよ。よろしかったらどうぞ。


2009年7月2日 木曜日

バーゲンで安くなっていたシュシュを買った。
夏までは長い髪のままでいようと思った。


サクランボ模様です。

梅雨時は天然パーマの悩みのタネの時期。
髪を切ろうかどうしようかと迷っていて、1000円カットのお店の
更に割引券、みたいなのを財布の中に入れていたものの、
可愛らしいシュシュが安くなってるのを見て、もう少しこのままでいよう、と思ったのです。
「SATC」ではキャリーがシュシュを嫌ってたけど、私には便利・安い・可愛い、これで十分ですよ。

サクランボアイテアムを私が好んでいる事は何度か日記でも書いたけど、
これとかこれとかもそう↓
           
さりげなくサクランボ柄のエプロン。最近デビュー。    お客さんからいただいた山桃。
この時期のみ履くVANSのチェリー模様スニーカー健在。  キュートです。たわわです。チビコロです。

山桃は、これを食べられるって知ってる人少ないんだろうな、とそのへんに落ちていたのを
持ってきてくださった。水洗いして、皮ごと食べられる、とのお言葉に口にしてみるとすっぱさが広がる。
よく日記に出てくる植物に詳しい常連さんからいただきました。
こういう生活の知恵がある人って無人島でも生活していけそうで素敵ですよね。

そうそう、久しぶりにバーゲンに行ったんですよ。
2シーズンくらいはバーゲンさえ行ってなかったから、あのパワーの波に揉まれるのもいいかな、と。
吉祥寺パルコ。千円台のものならひとつ自分に買って与えて良い、という指令を自ら出してGO!

いやすごい。店員さんも気合入ってるし、なかなかいい気が流れていました。
私の今回の戦利品は下着。女性しか並んでいない売り場になにか神聖なものを感じて、
気がついたらワゴンの上下で千円台のサイズの合うものを握り締めて並んでました。
ベースは白で紫の刺繍でバラの模様とリボンが入ってるんです。可愛いでしょ!>誰となく(笑)

シュシュも買えたし、バーゲンでもget!できたし、映画も観れたし、良い一日だった。
映画は「愛を読むひと」これは観応えあった!
「わずか一ページで終わった恋が、永遠の長編になる」このコピーはかなり好きで
気になっていたのですが、単なる恋愛映画ではなかった。

本というものの可能性、古典の素晴らしさに、思わず涙が溢れる場面がありました。
そして刑務所にも図書室がある事に救いを感じました。
この世界、どのような場所にも、本を読める環境がある事を願ってしまった。
私の今の環境、図書館が隣にある場所に住んでいるという事実にも改めて感謝できた、
深いところで感じる事ができた映画でした。
ただやっぱりトイレに立ってしまうので、2時間以上の映画は今の自分にはキツイのかもしれません。
吉祥寺のその映画館は座席自由だったのでドアの前に座れたのでまだ良かったんです。
どうも鍵になる場面を見落としたようです。DVDになったらまた観ようと思います。


一日にカフェ3件ははしごする、夜もスナックを同じくらいハシゴする、というお客さんが
C-cafeに行く前の2件目?に寄っていただく。
カラオケでは何を歌うか、の話になり、全く歌手の層がかぶってなくて微妙な空気になったけど、
一番歌が上手い歌手は誰か?の話題でやっと共通のちあきなおみの名が出てきた。
そしたらすごくちあきなおみの歌が聴きたくなって動画で見たらやっぱり凄かった。
打ち震えているところへお客さんご来店。いいかんじの忙しさ。

来店者は太宰関係の資料やチラシなどをくださるお客さんでした。いくつか店内のものも増えました。
いつも感謝です。

        
青森県立美術館「太宰治と美術 故郷と自画像」パンフ     「ヴィヨンの妻」の素敵なチラシが完成。
7月11日〜9月6日まで。記念講演会も有。         裏側も良いですよ。斜陽、パンドラ、3つ揃いました。

どちらも太宰コーナーにありますので手にとってご覧くださいね。
角川文庫夏の100冊の冊子(松山ケンイチ表紙)の28,29ページにも太宰が登場しています。

お客さんから朝日新聞神奈川版6月18日朝刊に掲載された
「朽ちゆく斜陽の家 十数年、無人のまま 太宰作品舞台、小田原の雄山荘」
という記事のコピーをいただき、ひじょうに興味深く読ませていただきました。

最近お客さんからも雄山荘へ行った感想などを聞いていた事もあり、色々考えさせられます。
まずは私も実際行ってみないと。
下曽我は梅の時期が良いそうですね。
桜桃忌ちょっと前だったかな?日曜早朝の東京ウォーキングマップ
というテレビ番組で下曽我が紹介されていたんですよ。行ってみたいですね。
記事には「『斜陽』では伊豆という設定だが、情景は雄山荘そのもの」とある。
やはり確かめてみたい。
来年の梅の時期に行けたらいいな。一応そのつもりで準備しておこう。



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