2009年10月27日 火曜日
スピリチュアルデイその2

開店後、お客さんよりお電話がある。
「先日お店でお話した件ですが、私の思い違いがあったので訂正のため電話しました」との事。
なんて律儀なお方・・・
最期、太宰の身体に巻かれていたのが赤い紐なのか麻の紐なのか、について
先日こちらのお客さんとお店で会話したのでした。

そしたら電話を切ってから30分くらいしてから来店なさったお客さんとその話題になったのです。
「赤い紐なのか麻の紐なのか」と。ビックリしました。
まあいきなりではなく、話の流れで、ではあるのですが。

「明星中学おやじ会」の方で、文化の日のイベントとして太宰治文学散歩を企画されているとのことで、
今太宰にどっぷりだそうです。おやじ(失礼ながら)さんが太宰に夢中、まさに青春真っ只中、という
お姿はとても眩しく見えました。

「その日は田中英光の命日でもありますよ」とお教えすると、では禅林寺の英光のお墓にも
行かなくては、と帰り道でさっそく探しにいかれた模様。

お詫び
禅林寺には田中英光の墓はないようでした。訂正いたします。申し訳ありませんでした(後日談)

明星学園といえばそう、6月19日「発見」の事が思い浮かぶ。その時の話をしてくださった。
当時はご近所で病人が出た、やれお産だ、など非常時の度に学園が連絡係となっていたらしい。

新橋付近で上水から発見したのは学園の用務員さん、そして連絡を受けて、
川面に浮かんでいた特徴のあるアゴを発見して、これは太宰さんだと確信したという教員のYさん。
そのYさんは話し出したら止まらない方で、まだご存命だとのこと。
すかさず「そのYさんにお話してもらったらいかがですか?私も聴きたいくらいなんですが」と声が大きくなる。
太宰のエピソードを持ち、話し出したら止まらない、これは!絶対皆さんの前で話していただきたいですね?
そしてその話を聴いた人が、しっかりと後に語り継ぐ・・・

「そうできるといいね。ただご高齢なのでね・・・」と笑顔でお客さん。
そのとおりです。太宰の事となるとついつい、テンションが高くなって周りが見えなくなってしまう。
気をつけなければ。ただもしご本人様がノリ気であるなら是非実現していただければ、と願います。

で、検索してみたのですよ。このYさんについて。そしたら私の過去の日記が出てきた!
校長先生にこの話をよく聞かされました、という明星学園OBのお客さんのお言葉発見。
あれから校長先生まで出世されたのかな?あまりいい加減な事は書けないですが。
なんだか繋がってるってかんじがして嬉しかったですね。

そういえば先日、男の子と一緒にベビーカーを引いて来店くださったお客さん。
「たしか5年ほど前に主人と来店した時、『ヴィヨンの妻』映画化の話をした事を店主さん覚えてませんか?
あれから一時中断したんですけど、今こういう形で世に出る事になって感慨深いですね」というような話をされて、
ぼんやりとしてですが、覚えていた事をお伝えしました。
5年経ってご家族も増え、お子さんと本の話をされているという微笑ましいシーンに、時の流れを感じましたね。
かつての5年前のお店でのひとときも、もしかしたら日記に書いているかもしれませんね。

太宰治没後100年の、私がおばあちゃんになった頃にまだ現役でフォスの店主をやれていたとしたら、
その頃には太宰治で検索すると営業日記の場面がいっぱい出てきたら面白いな。
関連書籍や研究書に載っているような事以外の、お店の会話ならではのエピソードが。
だとしたら「伝える」という事の、ほんの少しでも何かお役に立てる事があるかもしれない。
そう思うと背筋がしゃんと伸びる思いですね。
想像すると、スピリチュアルより奇跡に近い感触です。
私の憧れはとっても地味。やはり自分にとっては継続の力がなにより一番強い気がします。

話が飛びましたが、このおやじ会イベントの募集は終了してしまっていて、URLのようなものも特にないのですが、
チラシを店内に貼っていますので、興味のある方は見て下さいね。

「ヴィヨンの妻」を鑑賞されたようで、松たか子さんを絶賛されてました。
松さんが上手すぎて、浅野さんは負けていたね、とも。
太宰を演じるには現代の若手ではまだまだ難しいのではないか、あなたもそう思わない?
と質問されて、あなたの太宰ベスト俳優は?とダブルで質問されたので、
「私は浅野さん良かったと思いますよ。情事の時にさえ女性を観察する視線とかひじょうに太宰っぽかった。
でもベストはやはり役所さんの太宰かな、あとはもっと遡って森雅之」と答えるとおおいに同意されました。

実は今日、友人が森雅之出演映画のDVDをいくつか送ってくれたところだったんです。
「グッドバイ」もやっと観れそうです。これでしばらくはホックホクです。


男優・森雅之 神保町シアターにて1月10日〜1月16日 「グッドバイ」もあの「浮雲」も勿論、素晴らしいラインナップ。
日本文芸散歩 こちらはただ今上映中、11月27日まで。「斜陽のおもかげ」もありますよ。こちらも名作揃い!

そう、日本には名画座という素晴らしい映画館があるではないですか、私もスクリーンで森雅之と高峰秀子が是非観たい。
写真でもわかると思いますが、横顔のこの尋常じゃない色気、太宰に通じるものがありますよね〜。女優さんも素敵です。
気になる方はチェックしてみてくださいね。


2009年10月26日 月曜日
お客さんとスピリチュアルな話題になる事がたまにある。
日記にはあまり書かない。
でもあまりにスピリチュアル・デイだったので、フォスの1日の出来事として日記に書いておこうと思う。

深夜に感覚を研ぎ澄ました事と影響があるのかもしれない・・・
日曜日は前日の日記に書いた原さんのラジオ放送の最初のオンエア。
遅くまでお店にいてその瞬間を待った。
音が何ひとつ響いてない夜のしじまにただヘッドフォンから原さんの声だけがカラダに、心に、染みとおっていく。
こういう夜の時間を持ったのは久しぶりの事で、ラジオってやっぱり良いな〜、とつくづく感じた。
正直11時59分までは眠くて、最初のお店での話を聴いたら続きはあと1週間の目が冴えてる日に聴くつもりでいたのに、
とっても引き込まれて、最後まで拝聴させていただきました。

私の事は「Mさん」と紹介してくださっていて、あ!私の事が、このお店の先日の出来事が、
たった今、原さんの声によって世界発信されている!と思うと鳥肌ものでした。
後で知ったのですが、台本も構成もすべて原さんがご自分で手がけられているとのこと、
この才ある人は開けても開けてもまだまだ引き出しが出てくる。

素晴らしいお仕事をされているな、と改めて感心させられました。
夜遅くの放送なので聴けなかった方、週末なら大丈夫でしょうか?
秋の夜長にインターネットラジオを。是非聴いてみて下さいね。
まだこの放送の事を私も知らない時に、香川のお客さんからメールをいただいていて、
原さんとお客さんとの思いが同じだった事にも驚きました。やはり偶然ではないような、そんな不思議な出来事でした。

そして帰宅して眠りにつくと、原さんが夢に出てきたのです。
あまり具体的には覚えていないのですが、起きた時にとてもあたたかい気持ちになっていた。
なんか妖精っぽいかんじ。あとこの前読後に来店された事もあってか、
月光を浴びた麗人、竹青のイメージ。

あとは何も覚えてない。覚えているのは、この前の自分の文章が恥ずかしくなるほど、
こんなにも身近に「ザ・小顔」の人がいたわ!と気付いた事くらいである。
深夜に1時間原さんの声だけに身を委ねたのだから夢を見てもおかしくないのだけど、
決まりごとであるかのようにしっかり夢を見てしまう自分がちょっと可愛く思えた。

まだスピリチュアル・デイの序章。

太宰に関する不思議な話を大雨の中来店してくださったお客さんからたんまりと聞いた。
全部を日記には書かないけど、ひとつだけ書き記しておきたい。

あの世の世界から、玉川上水を歩いている太宰を見た。太宰は自分に向かって不思議そうに顔を上げた。
後にその事を太宰は書いている。
なにか白い光が私に向かって天から降ってきた、というような内容である。

その作品名がすぐ分かる!というくらい網羅したいものだけど、これだけの情報では私にはわからなかった。
でも発見するたのしみは出来たかな。
真実か夢か幻なのかはここではそんなに語らない事にしておく。
日記には記しておきたい御話だった。
ちょっとフォスフォレッセンス風だし。
私は勿論、信じています。この世は不思議な事ばかりなのですから。



2009年10月25日 日曜日
先日の日記で香川からお越しのお客さんと私と原きよさんとの、お店でのひとときについて触れましたが、
原さんがそのパーソナリティーを務めるWEBラジオKIZZNAにて、この出会いの話をしてくださるそうなのです。

「声が聴きたい夜にひらくページ」本日から1週間、深夜0時から5時まで毎日流れるそうです。
私ってこういうサイトの開き方音痴で、いまひとつ勝手がわからないので
説明不足で申し訳ないのですが、確実なのは深夜0時にキズナにアクセスして「生放送を聴く」クリック、で大丈夫のようです。

KIZZNA文学館 朗読の時間 というところにも原さんのコーナーがあり、原きよの本のひとときというところは
いつでも聴けますよ。今は「月夜のあとさき」津村信夫/作 が流れていて、とっても素敵ですよ。
朗読ってなんて良いのだろう、そう思える。秋の夜長にピッタリです。


はー、やっと辿りつけて良かった。
原さんから今日の深夜から放送とお知らせいただき、できたら放送までにこちらでもお知らせしたい!と
日記5日分一気にアップいたしました。
またここ数日が実に濃厚な日々で、飛ばせないかんじだったのです。
今頭がスパークしているので誤字脱字多々あるかと思いますが、どうぞお許し下さい。気づいた分は徐々に直します。

では、オンエア拝聴できるのをたのしみにしつつ・・・また新たな1週間、駆け抜けましょう。


2009年10月24日 土曜日
開店早々にウワサのいたこガールズ登場!
すっかり大ファンになってしまいまして。
学祭の準備も着々と進んでいるようですよ。


宣伝もチラシではなく、こんな洒落たコースターを作成するあたり、さすがいたこガールズです!

この裏側にバーコードがあるのですが、私ものすごく恥ずかしいんですけど、
よく目にするこの迷路みたいな模様の使用法を知らなかったんです。
以前から携帯はほとんど機能を使いこなしていなくて、PC派だとは日記に書いていると思うんですけど。

「これどうやってやるのか、良かったら教えてくれる?」と彼女に携帯を預け、説明してもらいました。
思ったより簡単な機能でした(笑)
このコースターは店内のフリーコーナーに置いてありますので、どうぞお持ち帰り下さいね。
また、アイスの飲み物のコースターにどうぞ、とのことなので遠慮なくそうさせていただいております。
ダザイズム気分でアイスコーヒー、なんてなかなか良いと思いますよ。

「ゲスト・町田康・木村綾子」の文字は見えるでしょうか?これは良い記念になりますね。
ご都合のつく方は足を運んでみてはいかがでしょうか?
いたこガールズのスタッフTシャツのデザインを見せてもらったのですが、ピンク!
太宰の顔写真が入ったピンクのTシャツを着て、いたこガールズが教室を駆け巡る。いいですね。
メンバーは17人だそうです。
「EXILEより多くてAKB48よりは少ない、実にちょうど良いかんじの人数ですね」なんて
ミーハーなノリで答えちゃってごめんなさい。。ホント、応援してますから。

早稲田学祭2009ダザイズム 行ける方、学祭のサイトを参考にしながら、色々と巡って楽しんで下さいね。

町田康さんが来る、という事で早稲田男子に大好評らしいです。さすが、男にも女にもモテるってかっこいい。
木村さんは最近あちこちでお名前をお目にかかります。大活躍ですね。

先日日記で、「人間失格」についての1時間半の特番が予定されている、と書きましたが、
詳細が決定し、木村さんが出演されるようですよ。

NHK『ハイビジョン特集 人間失格裁判』
12月12日(土) NHK BSハイビジョン 20:30〜22:00 
内容は作家や俳優の方に「人間失格」を語り合ってもらう、という事で決まったようです。

放送が観れる方、また良かったら感想をお聞かせ下さいね。って気が早いですけどね。
いえいえそうも言ってられません。もうハロウィーンが終われば街はクリスマスムードのスタートですよ。
その前に読書の秋、学祭の秋、満喫しましょう!


2009年10月23日 金曜日
昨日は貸切で例の撮影の日。滞りなく終了しました。
可愛らしいハプニングもあって、窓際で撮影を進めていると、表から通る人が反応する事が何度かあり、
本番前に主役の女性が噴出してしまって「ここ面白い人通り過ぎ!」とドッと店内が笑いの渦に包まれる事があったりして、
私もとっても楽しかったです。

閉店後は約1年ぶりにMステを観ました。
AAAが出演するからです。

あれは一ヶ月前くらいかな?お客さんと映画の話をしていたんです。
すごい映画に出会ってしまったから、その映画のDVDをお貸しします、と後日持ってきてくださったんです。
愛のむきだし」という園子温監督の映画です。ご存知ですか?

公開時、興味はあったのです。映画館で見たいとも思ってましたが、4時間近くという上映時間に躊躇して、
といういかにも凡人風な理由で見逃していたのですが、DVDで鑑賞し終わってすぐ後悔しました。
これは、こういう作品こそ、お金払って観に行かねばいかんだろう、と。
すごかったです。長時間ですが、全く退屈せずにグイグイ魅せます。

また、特典映像のメイキングを観たら、また本編をもう一度見直したくなるんですよ。
クランクインとクランクアップの時の監督の表情の違い、
「こんなに楽しくない現場ははじめて。撮らなきゃ良かったと何度も思った」と暗い表情で繰り返す
ナーバスなインタビュー、ひじょうにショックを受けましたが、
真の芸術を追い求めている人というのはおそらくこうなのだろう、と凡庸な自分の頭なりに悟った。
300カット以上というのは、どのような膨大な時間、手間をかけるのか想像もつかない。
すべて納得のいくものに、となると・・・

昨日はそんな事を考えながら、「シーン××カット、はい本番!」の掛け声に続くカチンコの音を聞いていた。
フォスフォレッセンスのなかでカチンコが鳴る日が来るなんて・・・と感動もしていました。

「愛のむきだし」主演の西島隆弘君(AAAのにっしー)が観たくて今夜久々にMステ、というわけでした。
やっぱり私は唇が厚い男性がとことん好きだな、ほんとに・・・

他の出演者も皆素晴らしいむきだしの演技をしています。
同じく主演の満島ひかりちゃん、あんな可愛いくて素敵な子を今まで知らなかったなんて・・・
とにかくかなりお薦めな映画です。
DVDを貸してくださったお客さんに大感謝祭!


2009年10月22日 木曜日
今日はお客さんにバシッ!っと言ってもらって気持ち良かった!

「Grazia」や「太宰萌え」の写真の評判が思いのほか良くて、
お世辞交じりとはわかっているとはいえ、ちょっと私、天狗になってしまっていたようで(笑)

今回小顔だと初めて言われたんですよ、2,3回。
顔の大きさなんて今まで生きてきて特に気にした事なかったし、
そもそも美の基準として「小顔」なんて用語、安室ちゃん以前には全くなかった概念でしたよね?
え?もしかして私って顔小さい?とさっそく主人に直撃すると
「いや、普通。君体小さいからそう見えるだけ」とそっけない。

そこであまりお世辞を言わずになんでも話す同じ関西出身のお客さんのご来店なーりー。
ここ最近、私の写真が掲載された出版物を見てもらいました。
「ほんまに文学少女がそのまんまおばちゃんになった顔やね、だばさんって」
この微妙な誉めてるのかけなしてるのかわからないけど、めっちゃ的を得てるかんじ。
それや!と膝を打ちました。多分一番的確な表現だと思う。
で、顔小さいですか?はスルーだった(笑)

でも面白いですね。「太宰萌え」のあの斜め横顔ショットは、いつこんなの撮ったんだったっけ?と
あまり記憶にないのですが、自分の中のナルシストを見た気がしました。
自分の世界に入りまくってますものね、
いやー、こうして出版物の中で自分を発見するのは本当に面白い。

以前に取材をお受けした日産プリンス西東京オリジナル季刊誌「イマジン」や
大人の休日倶楽部11月号などが出来上がって送られてきました。
素敵な写真で店内を紹介してくださってます。
お店にあるので、どうぞ見てくださいね。「イマジン」はフリーですのでお持ち帰り下さいね。


2009年10月21日 水曜日
起きがけに、主人に声をかけてみた。
「やっとるか?」

答は「なにそれ?」 
百年の恋も冷める瞬間。

「やっとるか?。」ときたら「やっとるぞ。」
「がんばれよ。」ときたら「よしきた。」でしょうが。
あなた「パンドラの匣」忘れちゃったの?
普段少々フラフラしてたって、私は全然文句言わない。
ただここはバシッ!っと決めて欲しい、という時には期待に答えてほしかったな〜

なーんてね♪

ってことで映画「パンドラの匣」観て参りました。
これ劇場で観た方がいいと思います。すごく良かったですよ。
前評判通り、たしかにポップだった。音楽や人物やセリフが跳ねる。エコーがかかったりする場面もあるので、
これは部屋でまったりと鑑賞というよりは、最良の音響施設で観るのが吉かと思います。


まだ「テアトル新宿」でしかやってないんですよね。

新宿方面への電車は混むから極力昼間しか乗らないようにしているのですが、
今日は新宿に来るのにあまり抵抗はなかった。
そう、東口を出てアルタを見上げながら「愛しのDAIGOがこの中にいらっしゃるのね!」という理由で。

いろんな芸能人が好きな私ですが、癒し部門ナンバー1は実はDAIGOなのです。
いやな事があっても、DAIGOのふるまいやしゃべり、歌を聴いただけで身体の中の悪いものが全部解けてく気がする。
何年経っても、バラエティーに出まくってても、私にとっては星の世界からやってきた王子様です☆
水曜日はどんなに眠くても、いいとものDAIGOを一目見るために12時には起きるんですよ。え?遅い?

アルタの裏の通りを歩くと、出待ちのギャルたちが整列してた。
勿論この列に加わるなんて事はしませんでしたが、どうも気になる。妙に気になる。
時間は13時30分すぎ。もし本番終了後、プチ反省会?みたいなものがあるとしたらば、
そろそろ出演者が出てくる頃ではないの?

もしこの付近の2階にマックとかあればそこから・・・とか考えて歩いていると、目の前にゲームセンター発見。
ここでゲームしている分には全く問題ない。よしきた、と十数年ぶりにゲームを始めたのでした。
時々整列の方をチラ見しながら、生まれて初めてぬいぐるみをガシッとつかむゲームをしました。
2回しか動かせない事すら知らず、一回目は全くオハナシにならない結果。
セカンドチャレンジにトライするが、つかめそうでつかめないものですね。すっごい悔しい!
ダイゴの「5」であと3回、全部で5回だけやってみよう、と両替し、トライしてみたのだけど・・・
結局つかめませんでした。そのうち周りはカップルばかりなのに気がついて、何やってんだ、私・・・と我に返ったり。

こういうのはやっぱり男女混成で行くのが楽しいのだと思う。
ドラマや少女漫画の世界ならここで後ろから「仕方ねえなあ」とやる気なさそうに男子が登場し、
ひょいっと軽くぬいぐるみをゲットして、これまたやる気なさそうにソッポ向きながら「はい」とか言ってあげるんですよね。
勿論、現実にはそんな事は起こらず、あの整列の静寂が破られる事もなく、映画の時間が迫り私は劇場へ向かいました。

でもそんな現実のおかげで、映画はうんと集中してどっぷりとその世界にハマリきる事ができたんですよ。
ラストシーンで私泣いてしまったんですよ。劇場が明るくなって人々が立ち上がり始めた時、私が確認できた範囲では
誰ひとりとして泣いてはいなかった。わ、わたしだけかよ?!ってかんじですが、ジーン、ジワーッとやられましたね。

太宰が考えた小説に命が吹き込まれた、弾けんばかりの輝きは目を凝らすほどの眩しさでした。
最初に書いた「やっとるか」「やっとるぞ」のやりとり、何度も繰り返されるからこっちもクセになる。
太宰が一番映画化を望んだのがこの作品というのが理解できる。
きっと喜んでいると思いますよ。「なかなか良いね」とか「うむ、上出来」とか呟きそう。

これから全国に公開予定ということで、鑑賞の機会はあると思いますのでまだ詳しい内容は書きませんが、
役者さんみんなとても良かった。じわじわときそうな映画。

そしてこの日は立川で「斜陽」も観たのですよ。久々の1日2本鑑賞です。
来週の水曜日にはどちらも終了している可能性が高かったので、チャンスは今日しかないかも、と頑張りました。

少し時間があったから伊勢丹を少しブラブラと。綺麗なアクセサリー売り場をただ1周見るだけ。
おお、これがお客さんが大好きなJustin Davis か!などと発見しながら胸をときめかせて1周。
「雪の夜の話」じゃないけど、綺麗なものをたくさん見て吸い込んでしまおうかと。
昨日たんまりと富士を見たというのに、全く贅沢なものですね、女というやつは。

靴売り場でパンプスも見る。とても欲しいんですよね。シルエットの美しい黒のシンプルなパンプス。
外出時は100%ペッタンコ靴なのですが、先日川上未映子さん(パンドラでもとっても素敵でしたよ。そしてエロい!)
がテレビ番組で、パンプスの魅力について語ってらした事に影響を受けて。
ヒールは脚が痛くなるからと避けていたけど、痛くなるからあえてのヒール、というのが衝撃だったんですよね、
なるほど、と。それ以来気になっています。

せっかく伊勢丹来たんだから、と地下でアンリ・ルルーのキャラメルを、粒買いしました。
一粒138円くらいだったかな?周りの人はみんなパックされたのか、粒買いでも量が当然多いのですが、
4粒だけでもいやな顔ひとつされなくて本当に安心した。意外と小心者なので。。

ゆっくり書店にも立ち寄りたかったけど、お腹が適度に空いていたから立川へ移動前にちょっと食べとかないと、
上映中にお腹が鳴っちゃう、とBERGでチーズドッグとコーヒー。
そして中央線で立川へ。なかなか冒険の一日ですよ、ホント。

でも立川は大好きだからテンションは少々ハイなまま。
そしてやっと鑑賞出来ました。「斜陽
良くない評判をたまたまなのか目にしていたから、どうなのだろうと思っていたけど、その割には悪くない。
「ヴィヨンの妻」と「パンドラの匣」両方観た後だから、ちょっと簡素な気がするだけで。

でも役者さんたちの熱演や映像美などよりも、太宰治のテキストの力が強すぎて
負けてしまっているようには感じたかな。
エンデイングで涙したお客さんの事を思うと嬉しくなったのですが、
私はその一歩前の「斜陽」の原文がつらつらと映し出されるところでぐっときて泣きそうになりました。
こんな文章を、後世に残してくれた太宰さん、ありがとう、って。
ってことは感動したのには違いないのだから、私にとっては良い映画だったと言えるだろう。

私は温水さんは好きで、上原役に抜擢したところは二重丸をつけていた。
実際にデカダンな雰囲気は纏われていたし、なぜかモテる男に見えもした。
ただどうしても、キスの場面だけはちょっと違う気がした。

私自身が上原を太宰と重ねすぎなところがあるからかもしれないけど、
あのキスは、長身の男性が上から覆いかぶさるようなかんじで、しなければならない。
ここは自分にとって絶対譲れないところだったのですね、鑑賞して気づきました。
頭上から降ってくる唇と、やや同じ角度、あるいは下から来る唇は全く別物ですからね。
って何を私熱く語っているのだろうか・・・恥ずかしいな(照

でも佐藤江梨子さんのかず子、スタイル抜群のかず子、印象に残りますね、かなり。
私は一箇所とてもいい場面を発見した。
お母様の看病のかたわらで編み物をしているシーン、ものすごく不器用そうで手元がおぼつかない。
揚げ足取りみたいで申し訳ないけど、なんかそこが魅力的に感じたんですよ。
佐藤さんの素が出たようなかんじで。
この手元のおぼつかなさを、きっと太宰も見つけだし、愛するような気がして。

無事に2本とも観れて良かった。
「ヴィヨンの妻」だって、映画館でもう一度鑑賞したいと思ってるし、
読書の秋、芸術の秋は色々と忙しい。
念願の天下茶屋も行けたし、なんとも活動的な連休でした。

今度の読書会の私の研究発表は、パンドラはじめ最近の太宰作品の映画化をテーマにしたいと思っているんです。
それで上映中に絶対行かなきゃ、とハードスケジュールになったわけです。
というわけで読書会、朗読会、参加希望者を募集中ですので、気になっている方は是非ご参加下さいね!


2009年10月20日 火曜日
念願の「天下茶屋」へやっと行けました。


富士山もくっきりと見えた。紅葉、すすきとマッチして、風呂屋のペンキというよりは、絵に描いた花札のような富士。

でも、滞在するわけではなく、私にとっては日帰りの旅、久しぶりの富士。だったらこのストレートさがありがたかった。
視界がここまで開けている場所にやってきたのは久しぶりでしたから、この「待ってました」な堂々たる佇まいが良かった。

昨年の鎌倉小動岬に続き、秋の定番・太宰治日帰り文学散歩。
熟女と若い男性2人のドライブ旅(笑) 旦那も誘ったのに来ないんですもの。
もう1年前から計画していたのだけど、やっと実現。この日を選んで良かった。暑くも寒くもない良い秋風が吹く日。
なにより富士山がバッチシ見えたのですから。

私ってホント貧乏性というか、車内から富士山が見えた瞬間からすごく感激して、
あとで何枚でも障害物なしで写真撮れるだろうというのに、早くも道路からバシバシ撮影。ブレてるのも味があるから、
というわけではなく、後で急に曇ってきて富士山が隠れたらどうしようと思うといてもたってもいられなくて・・・
結局そんな心配をよそに、この日はあたりが暗くなるまで富士はいろんな姿を見せてくれました。
富士山ありがとう、パチリ

一度カップルさんに「シャッター押してもらえますか?」と頼まれて富士をバックに、というチャンスはあったのですが、
勿論小心者の私はしかと最高のポジションになるように、この1枚がお二人の良き思い出の1枚になるように
その一瞬に全身全霊をかけて撮影しましたとも。

というか、今って撮った直後にどんなふうに写ったか確認できますもんね。誤魔化せません。
それでもこの「富嶽百景」の舞台で写真を撮るのだから、とピントずらしを決行した勇者はいらっしゃるんでしょうかねえ?
私なら、そんな現代の勿忘草のような人がいたら、惚れてしまうかも。


この日は八王子駅で待ち合わせをして、そこから車で移動。サービスエリアではしゃいでじゃがころを食べてしまい、
お腹が膨らんだので、茶屋に着く前にもう1休憩、と忍野八海へ立ち寄りました。
車を降りた瞬間、3人とも「空気がおいしい」を連発。
本当にお腹の底からそう感じました。忍野八海は付近を車で通り過ぎた事は過去に何度かあったけど、
実際にその場に行くのは初めて。

すごいんです!何がって、池の水の底が丸見えなんです!
あまりに水が綺麗で透明で、藻とか石っころなんかが透けて見えるのですよ。
水車とか藁葺き屋根の小屋なんかがあり、その奥には富士山。実に良かったな〜。
嬉しくなって「サクランボもっこり」なるストラップを勢いで購入してしまったのですが、どこにしまったんだろう、出てこない。。
後でじっくり探そう。

天下茶屋に到着した時は15時くらいかな?やっと来れたー!という実感が沸いてくるのと同時に、
素晴らしい眺望に感動。ペンキみたい、とか思う余裕ナシにただ感動。すばばらしい!ワンダフル!
私は芸術家にはなれないようだ。そうなるにはあまりに単純すぎた・・・でもいい、
きれいな富士山を見てただ幸せ、ただハッピー、こんなにストレートな感情、素直にお腹いっぱい貪ろう、
そして「天下茶屋ほうとう鍋膳」をお腹いっぱいに貪り食べた。


これがめちゃくちゃ美味しくて、そしてとっても温かかった。胃が、おなかのあたりがポッカポカになった。

お野菜たっぷり、スープをすするとジワーっと胃に染みてくる。
おいしい空気をたくさん吸うと、お腹もとっても早く空くのですよね。だからほんっとに美味しくて幸せで、
いっぱいに満たされたのですよ。

太宰さんもここにいた時は、こんなに美味しくて、身体に良いものをたくさん取り入れる事が出来たのだろうな、
だとすると中期文学のヒントはここにあるのではないか、とおおげさながら感じました。
茶屋の人々のお人柄、温かさに恵まれた事、これがなにより大きいのでしょうね。
私、このほうとう鍋を食べ終わった時、何かを理解した気がしたのですよ。
太宰治だって人なのですから、毎日何かを食べていただろうし、日々の生活というものがあった。
この場所の食事、環境、人、空気、いろんなものが彼を変える事が出来たという事、わかる気がした。
今日ここへ来れて本当に良かった。この季節で良かったのです。

だって、もし今昭和13年にタイムスリップしたら、私は太宰さんにお会いできるのですよ?
昭和13年9月13日〜11月15日までの三ヶ月余りの滞在であったのですから。
海抜千三百米のこの場所でなら、もしや太宰さんを一人占めできるかもしれない?いや、それは甘いか・・・

目の前にそびえる富士を見ていると、そんなありえない事の可能性がゼロじゃないように思えてくるのです。
私にはペンキでよかったのです。花札でOKです。
そんな考えは絵空事なのだと、その完璧さが目を覚まさせてくれる。

でもそんな夢がたりを真剣に思いついて、ひたすら感動の嵐に巻き込まれていた事は、
若い男子2人には内緒なのでした・・・
でもそれぞれにさまざまな想いがあったと思います。

お土産を買ったり、2階の記念館に行ってからは、誰が言い出したでもなく、しばらくは別行動でいました。
今思えば、どっぷりと浸りたい私への気遣いだったかもしれませんね。
そのとおり、どっぷりと浸れました。私達3人しか2階のお客はその時いなかった事もあります。


太宰が当時使用していた机、水瓶、火鉢
部屋に入った時、実に清らかな光が射していて、時間が止まったような気がした。

2階の記念室は、もう許されるのなら1日中居たかった。階段を上がっていって、廊下があって、両側に部屋がある。
太宰の写真パネルや、書籍、使用した花瓶やとっくり、当時の天下茶屋の看板や、写真、資料などが並べられている。
写真撮影OKで、特に品物にロープなども張られていないので、とても身近にこの場所を体感する事ができる。
こういう場は貴重であると共に、フリーなかんじで提供いただいているご好意を来場者が大切に受け止め、
丁寧な気持ちで訪問している事も想像できた。なにより、すぐ窓の外で富士が見ていますしね。

とっくりは白だったけど、水瓶と火鉢と愛用の花瓶は茶色。津軽の土を思わせる色だった。
ここから眺める富士がペンキ、ちょっとだけヒントが分かったような気がした。

ここで改めてこの写真パネルを見た事が一番印象に残った事かも。

石原美知子と津島修治の結婚式の写真

昭和14年1月の写真。太宰が若くてリーゼント、という貴重な1枚。
本では勿論何度も見てきた写真ですが、ここで見て一番しっくりきた。完璧な夫婦、そんな言葉を連想させられる。
太宰の心機一転、誓い、そんな再生へ賭けるものが少し緊張した表情を見ていると伝わってくる。

私は少しやさぐれた、中年一歩手前の三鷹時代の太宰が一番好みではありますけどね。
でも、まだあちこちに鎖が絡まる前の、この初々しさにはちょっと涙します。
といってもこの頃も充分罪作りな男ではあったのですけどね。

       
天下茶屋から少し歩き、坂を上がると高台に文学碑がある。    その文学碑の真正面に富士が見える
自筆稿本そのままの字体                     これがまた完璧。相対峙し、という言葉を思わせるくらいに真正面。
「富士には月見草がよく似合ふ」                 この正確な正面ぶりに、ただ泣かされた。よくやってる。

富士山、ほうとう鍋、記念室、写真、茶屋の人々、空気の美味しさ、
これらをすっぽりと吸い込んで、またひとつ太宰文学を理解する糸口を増やす事が出来た気がします。
このような空間を開けた場所にし続けていらっしゃる天下茶屋の主の方に心より感謝いたします。

偶然にも今週の「知る楽太宰治」では西加奈子さんが天下茶屋を訪問されてましたね。
昨日行ったところだ!と思って観ておりました。
私の好きな場面、遊女の一群について触れられていた。ジンときてしまって、
「富嶽百景」を読み返したら、ずっと涙目になってしまって、困った。

読み返すほどに深みが増す。
「上書き保存」ではなくその度に「名前をつけて保存」だ。
再読して、つくづく人たらしな人だな、と思った。人間に対する視線はこんな場所では一層冴えるのだろうか。
そして娘さんの事を考えた。実際はどうだったのだろう・・・

今度は三つ峠に登ってみたい。
夜の富士も見たい。月光を受けて青くすきとおるような富士が。燐が燃えているような富士。
「フォスフォレッセンス」が昼か夜かと言われれば、きっと夜の方だから。

帰り道、クネクネとした道路の脇に、チラッと黄色い花が見えたのが印象に残っている。
あれはなんて名前の花なのかな?それも必ず確かめたい。


2009年10月19日 月曜日
BS2「太宰治短編小説集」お客さんのご好意で観る事ができました。
想像以上に良かった!私が審査員なら何か賞を、ってくらいに。
お客さんの「部屋の電気を消してヘッドフォンで鑑賞する事をお薦めします」というそのとおりの状況にしました。

太宰治ってやっぱり全然古くない。
「短編の名手、現役でございます」ってかんじ。
何度でも余裕で見直せそうです。これは見過ごさなくて良かった。

今、生誕百年の年真っ只中にいるけれど、本当に幸せな時なのだという実感にそろそろ目覚めないと。
太宰関連のテレビ番組が同じ時間帯にだぶっていて、どちらを観るか迷う、なんてこんな贅沢な悩みは
生誕百年ならではなのですね。きっと。

よく「今太宰ブームだけど、だばさんはそのずっと前からファンでしたもんね」と言われますけど、
私はブームに乗って、今から太宰を貪り読める人がとても羨ましい。
きっかけは、このテレビ番組のひとつだっていい。映画だってコミックだって表紙の絵だって。

「雪の夜の話」の映像があまりに綺麗だったので、原作を読んでみたら太宰=暗い、と今まで読まなかったのが
もったいなく思えました、なんて人が数日後、フォスのドアを開けるかもしれない。

「女生徒」あれは私です、という人、「きりぎりす」で涙こぼれた人(それは私だ!)
「トカトントン」が止まらない人、あるいは止まった人、いろんな人がいる可能性に満ちている。

大事な事なのでもう一度声を大にして書きますよ。気分は片手に拡声器です。
今から太宰作品を読んでいける人が私は羨ましいです。幸せものであると思います!

思えば今年もあと三ヶ月足らず。生誕百年はもうじき終わってしまう、そう気がついたら一気に淋しくなってしまった。
そんな私を「大丈夫ですよ、来年は生誕101年ですから」と笑顔で言ってくださったのは朗読の中村さん。
私の気持ちもパッと晴れました。中村さんには来月当店初の朗読会をしていただけます。

そう、あと残り三ヶ月がとっても大事なのですよね。特に来月、読書週間後は2週連続企画だし。
私にとっての「はじめて」もしっかりと詰っているじゃないの、そう中村さんが教えてくれた気がします。
秋だからといってセンチメンタルに息切れしている場合じゃない。元気出ました。

明日明後日は連休をいただきまして、木曜日はトップでもお知らせいたしましたとおり、
12時〜15時は店内貸切となります。前に日記に書いた、映画を撮っている若者たちの続きの撮影です。
15時より営業いたしますので、どうぞよろしくお願いします。
はー、今日はまた一気に日記のアップが出来た。ということは?そう、
お察しのとおり、ヒマだったということです!木曜日15時以降、またのご来店を心よりお待ちしておりますね。


2009年10月18日 日曜日
今日はたくさんお客さんがご来店いただいたようでありがたいです。
太宰ファンのお客さんが、太宰初心者さんを引き連れて来店くださったり、
太宰治と荻窪・阿佐ヶ谷についての講座を受けた帰りに立ち寄られてプリントをくださったり、
何かと実り多い1日だったように思います。

荻窪は近いせいか意外と太宰の足跡巡りしていないんですよ。
太宰文学でも前期の頃が一番冴えていた、と思われている人はうちのお客さんにも多いです。
私は個人的には後期が好きなんですけど、前期が好きな方に言わせると、
家庭のグチとかがいらいらしてくるようです。私はそのグチが好きなんですけどね。

太宰ゆかりの場所で行きたいところ、多くあるけれど、梅の季節に下曽我と三島に行きたい。18切符で。
下曽我は勿論、雄山荘が目的です。三島は昔太宰が通った喫茶室「ララ洋菓子店 広小路本店」に行きたいのです。
今でもあるんですよね。太宰はここの店主さんだった菊川千代子さんのファンだったそうですね。
今年のはじめ、96歳で亡くなられたということで、画像付のニュースを見てお客さんとお店で話題にした事もあったので、
検索をたどっていくと詳しくわかると思います。素敵な方でしたよ。

太宰さんの好みって、もしかしたら(あくまで推測です)スラッとしたかんじより、
少し丸みを帯びたほっぺたの女性の方がお好きかな?と思いました。
だとしたら、もしかして私も望みある?おっしゃあああ!!と意味不明なジャンプをする妄想女子43歳。

もっと余裕を持って太宰執筆の旅館とかに毎年宿泊できるような、そんな日々は遠いのでしょうか・・・
ま、階段はゆっくり味わいながら上るものです。特に螺旋階段は。

お客さんからとても嬉しい報告が聞けた。
もう5年以上前からたまに通ってくれるお客さんで、よく私に恋愛相談を持ちかけていた男性。
最近ではメールの添削をお願いされたり、もっと昔には既婚の女性に憧れていてちょっとピシャリと叱っちゃったりとか、
ずっと彼に合う良い人と出会えるといいな、と応援していたお客さん。
ついに、というか初めて彼女さんと一緒に来店されました。
彼女を連れてくるのが夢、と彼が言っていた事もあったから、一気に夢が叶ったわけですね。

少し丸みのある頬がとても魅力的な彼女さん。話してみると、ますますその人が好きになっていくようなタイプの女性。
お店を後にする頃には彼よりも私と彼女さんの方がたくさん話していたりして。
お二人のやりとりが終始微笑ましかった。いやー、良かった良かった。

やはり人間「時期」というものがあるように思います。流れを待っている時の過ごし方って大事ですよね。
またその待ちに待ってた波が目の前にやってきた時に勇気を出してうまく乗れるのかも。乗った後も。
時期の波に乗った彼は自信に満ち溢れていた。なんだか自分の事のように嬉しい。今日も実に良い日でした。


2009年10月17日 土曜日
今フォスにはポスターがいっぱいです。
ポスター紹介3連発!

  
以前にも紹介した「図書館と県民のつどい埼玉2009」  「太宰治の肖像」記念写真展     新宿・時代の貌 林忠彦写真展


県民の集いは11月28日(土)一日のみです。詳しくは太宰が住んだ大宮ブログを。例の晩秋の太宰ツアーは定員になった為
締め切られたようです。画像でポスターを見るとわかりにくいですが、
ーあの「人間失格」はここ埼玉の地で書かれていたーという文字が真ん中にあります。
私はこの認知についてはTAMAさんの努力の賜物のような気がしてならないのです。

生誕100年記念写真展「太宰治の肖像」は11月14日〜12月23日まで三鷹市芸術文化センターにて開催です。
長部日出雄氏の講演会や原さん、中村さん、山根さんの朗読会等、企画も盛りだくさんのようです。

林忠彦写真展は新宿歴史博物館にて10月31日〜12月19日開催です。

いずれもチラシのフリーコーナーにありますので、どうぞお持ち帰り下さいね。

テレビ放送の翌日はヒマだったというのに、ジワーッっと「ニュースで見ました」と来店くださるお客さんが増え、
とても嬉しい。お店の前で「ほらここ、太宰の店よ」「へー」なんてやりとりもチラホラと。
「太宰の店」というのはちょっと緊張しますが、太宰さんにダメ出しされないように頑張らねば、と気がひきしまります。

でもとってもゆる〜く緊張感を溶かせてくれたお客さんもいらっしゃった。
今日はお近くの三鷹公会堂で、声優さんのトークショーがあったということで、漫画の世界から飛び出してきたような女子が
お店の前を通り過ぎていくのを何度かおみかけはしていたんですよ。

夜の部までの空き時間に来店されたお客さんのおしゃべりはめちゃくちゃ面白かった。
声優さんとかアニメの世界は私はあんまり詳しくないので、ちょっと旦那をダシに(すまん)
うちの旦那はそういうの詳しいですよ、とさりげなく言ったらめちゃ乗ってこられて、
例えばどういう?みたいな展開になり、007じゃなくて009とか003は彼は好きだったと思うけどちょっと古いか、と
今彼がハマってそうな?「ラブプラスとかいうの知ってます?あれとか。」と答えると超反応アリ。
「私彼女通信したいんです!」と私の知らない世界のお答えが。その「彼女通信」がどんなものか、
など説明してもらっていると、どうやら夜の部の時間が迫ってきた様子。

「さんざんしゃべって何も買わなかったら悪いから」と写真集を購入してくれました。
なんだか彼女の底抜けの明るさに店内のムードも、さっきまでのしっとりしたかんじがガラッと変わった。
「太宰ってなんか暗そうじゃないですか〜、やばい!めっさやばい!・・・でもなんかお薦めありますか?」みたいなノリ。
私にこういう事ストレートに言ってくれるこの清々しさ。実に気持ちいいですよ。
いろいろな風を運んでくれるお客さんたち。毎日何があるかわからない。面白い。

帰宅後「彼女通信」について聞いてみたところ、やっぱり彼は知っていた。
ちなみにお金をつぎこんでまではハマっていないようなので。
インターネットで無料でいろんなものを見れる時代で本当に良かった。
やはり通信料金は絶対期限までに払えるようにしないとな←今から月末の事心配している(笑


2009年10月16日 金曜日
太宰治「竹青」を読んでいた。

「魚容はまだ夢の続きを見ているような気持で、呆然と立って農夫を見送り、
それから振りかえって楓の梢にむらがる烏を見上げ、
「竹青!」と叫んだ。一群の烏が驚いて飛び立ち、ひとしきりやかましく騒いで魚容の頭の上を飛びまわり、
それからまっすぐに湖の方へいそいで行って、それっきり、何の変った事も無い。」ー本文より抜粋

ここのシーンを想像していた。「竹青!」と叫んで、いっせいに鳥が頭上を羽ばたく・・・
この叫んだ声は、どんな声だったのだろう?

そしたら朗読の原さんが来店され、びっくりした。
今東京では3枚しかない、というポスターをいただき、さっそく入り口のドアに貼っている。


津島家の資料と色紙展 小説「津軽の像」記念館 3月25日まで

先日の「風紋」での朗読会の様子などについて伺う。
林聖子さんの前で「メリイクリスマス」を朗読、これってすごい事ですよね。
シヅエ子ちゃんが、まさにそこにいらっしゃる前で、ですよ。
この場にいらした方は幸せものだな、と羨ましくなります。
「魚服記」もお読みになり、その時の事を原さんは「風紋が水の底になった」と表現されていて、
その一言だけでもう充分、伝わってくるものを感じますね。

その他「東鮨」朗読会の話、今後の朗読会の予定、などは原さんのブログ「おいしいおしゃべりさじかげん
にてご覧下さい。
太宰治ブームで三鷹市は盛り上がっていますが、
三鷹の人で生誕百年の一番の貢献人は原さんだと私は思ってるんですよね。
禅林寺で津島克正さんにお会いされた事から色々な事が動き出して、
津軽の太宰の息遣いを感じられる場所での朗読、太宰作品に登場したお方の前での朗読、
当時と名前こそ変わったけれど、太宰がよく通っていたお店での朗読、などこの1年の短い期間で
数々の事を実現されていて、本当にすごいです。
また、その活躍ぶりは刺激になるんですよ。私も頑張らなくちゃ、って。

そしてもうひとつ、今日は心に残る出来事があったのです。
原さんの隣の席に座られた男性のお客さんは、四国・香川から来られたという。
手には息子さんの日記を綴じたものが。実は25歳にして亡くなられてしまったのだという。

「息子が生前にこちらに来店したようで、その時の事が日記に書いてあるのです。良かったら読んでみて下さい」
とその日記を読ませていただく。

コーヒーを頼むと、私が高い声で答えた。太宰を深く読み込んでいるイメージには見えない明るい印象、
コーヒーを淹れている音、店内にいた緑の服のお客さんが熱心に本を読んでいる様子、などが
書かれていた。今私はうろ覚えで内容だけ書いたのですが、
実際に日記を読んでいると職業は文筆関係?と思えるような知的な文章。
お写真も拝見させていただいたけれど、整った顔立ちの好青年。

こういう時うまく言葉が見つからないのだけど、私は嬉しかった。
息子さんがここに来られたのはリハビリ中だった、との事ですが、ひとときの安らぎを感じてくださったのが
文章から伝わってきた。
彼女からの手紙も日記には綴じられていて、私も原さんも読ませていただいたのですが、
特に声に出して読むことを生業としている原さんには何か訴えかけてくるものがあったようでした。
こういうちょっとした偶然からも、「生まれる」ということはある。
1ページの重さというものを考えさせられた日。今日は良い日だった。


2009年10月16日 木曜日
先日の「ニュースJAPAN」のお店が紹介されていた場面を見たいという方、
お客さんがアップしてくださってます。もの思う葦 こちらの10月13日のところです。謝々。

最近物忘れが激しくてね〜、といつも言い合うお客さんと映画の話に。
私が今頃007にハマりそうなんです、と話を振ると、名画好きなお客さんはこっちにも詳しかった。
「初代ボンドガールのウルスラ・アンドレスが実にいいんですよ」と言ったその瞬間、時が止まった。
そんな覚えにくい名前をスラッとお答えになったお客さんが妙にかっこよく思えたのでした。

「全然物忘れ激しくないじゃないですか!」と思わず突っ込むと、
やはり好きな事は覚えてるものですねえ、と。そのやりとりになんだか和んだ。

なぜ今「007」かと言うと、最近長年変わらず続いているものに興味があるんですよ。
そんな時に以前にお客さんに薦められた「カジノ・ロワイヤル」を鑑賞して、とっても愉しめたんですよ。
で、先日テレ東でやってた「007 ダイ・アナザー・デイ」を観て、ますますハマったんです。

オープニングの口径の中のボンド、おなじみの音楽、ボンドカー、かっこいい悪役、
キラキラしたボンドガールの登場シーン、知り合って寝るまでの速さ(笑)などなど、
おなじみのものがあるのが妙な安心感とワクワク感があって、
きっと水戸黄門や寅さんに通じるものがあると思うんですよ。
機会があったらどんどん観て行こうと思ってます。

まだまだ初心者なので、「毎回笑える拷問シーンはあるのですか?」とか「いつもあんなに手早いの?」
「信じられない!あの007が私と?」というセリフも定番なのですか?とかおバカな質問をするかも
しれませんが、不惑すぎてからこういう今まで面白いとは思うけどなんとなく通り過ぎてたものを
見つけたこの喜び。とっても新鮮です。

太宰初心者だから読書会興味あるけど、ちょっと参加しずらいな、と思っている方、
ディープすぎる会ではない(と思う)ので、どうぞお声をかけてくださいね。と無理やり繋げてみた。
太宰とジェームズ・ボンドは女性にモテるところくらいしか共通点が見つからないですが、
死ぬかもしれないギリギリな時でも絶望しないところは同じかもしれない。
ってまだ2作しか観てませんからエラソーな事は言えませんが。

いや、1,5作かな。
先週の水曜日は多くの太宰ファンは、知る楽(毎回とても興味深く観ております)か、
BS2でやってた太宰治短編小説集か、どちらを観てどちらを録画するか、とても迷われたと思いますが、
BSも映らず、録画機能も故障中である私は007続行か、知る楽を観るかでひじょうに迷いました。
しかしやっぱり太宰の方をとりました。まあ007はまた例のごとく安い日にレンタルすればいいし。

ダニエル・クレイグの「マイネームイズボンド、ジェームズボンド」に痺れてしまったものとしては、
ピアース・ブロスナンもこのセリフを言ったのか?または他のボンドたちも言う決めセリフなのか?
気になるところなので、少しずつ確かめていきたいと思います。

お客さんも言われていたけど、悪役がすごくかっこいい。
水曜日もル・シャッフルの冷たい視線にやられた。
そういえば私、子供の頃から「バロムワン」も好きだけど「ヤゴゲルゲ」もとっても気になる子だった。ふるっ!
「トップガン」観た時も「アイスマン」役の人の方がトムより好きだったし。


そこで「ふらいぱんじいさん」ですよ!

神沢利子さん作のこの絵本。窓際に飾っていると、やたら反応があった。
昔読んだというお客さんも、この本が大好きだと満面の笑みで語ってくださった。
ゴキブリが登場するのだけど、この物語の中ではゴキブリは悪役ではなくて、
正義の味方、というかいいやつなんですよ、と。

俄然興味を持った私は、読もうと思ったのですが、その後すぐ売れてしまった。
お買い上げくださったお客さんは店内にこれまた満面の笑みで入ってこられて、
「ずっと探していたんです!今日はとても嬉しいです」と。そんなふうに喜んでいただけたら
こちらも仕入れがいがあった。また仕入れて今度は読んでからお店デビューさせよう。


2009年10月13日 火曜日
「にゅう〜すじゃぱーーーあん!」と
マイネームイズ駄場、ノット駄馬(ジェームズボンド風)がここ2,3日の口グセになってしまってます(笑)

昨夜の「ニュースJAPAN」見て頂いた方、ありがとうございます。
率直な感想は「はやっ!」。というか「あ」と言っている間に終了してしまったのですが、
今頃じわじわと嬉しさを感じてきております。
最初、秋元さんと監督のトーク紹介の時にまさかの全面カット?と冷や汗が流れたのですが、
うちの店のテントの「phosphorescence」の文字が浮かび上がってきた瞬間、ホッとしました。

なによりこの時ご来店頂いていたお客さんに感謝します。
ほんの一瞬でも、店内が和やかな雰囲気に満ちているのを感じました。
よく来ていただいている方々なので、その場限りではなく、ごく自然に
この場を愉しんでくださっている空気がホンモノでした。

収録ではかなり色々と話したのですが、なんでもないかんじで答えた事がオンエアされていた。
この読めないかんじ、私は嫌いじゃないです。

最初、太宰も通ったあの老舗バー・ルパンで秋元さんと監督がトークされている時、私緊張してました。
根岸監督はとても落ち着いた紳士で、なんて素敵な話し方をされるんだろう、と目からウロコでした。
ゆるぎない自分のペースというものを自然に纏われていて、あの地下の、いくつもの濃い時間を重ねた空間に
ひじょうにマッチしていて、この後に本当にうちの店が登場させてもらえるのだろうか?と本気で考えました。

すぐ隣には注目のフレッシュな秋元キャスターがいらっしゃるというのに、根岸監督の色気がすごかった
ので目が離せなかったのは私だけでしょうか?若い頃だけでなく、今でもさぞかしモテるんだろうな・・・

そして出演者の松さん、浅野さんのコメント。時折映画のシーンが流れる。
ここでひとつ発見がありました。テレビのブラウン管で映画のワンシーンを観るのがひじょうに新鮮だった事。
この映画の出演者の演技が高レベルである事、
画像の質感が昭和初期の日本文学作品をおおいに感じさせるものである事、など試写会で鑑賞した時よりも
ダイレクトに視覚にスーッっと入ってきました。もう一度劇場で観てみたい衝動に駆られましたね。

その後に三鷹の見慣れた風景が目に飛び込んでくる。太宰が通った鰻屋、「ヴィヨンの妻」執筆の家も
現在はその姿の影もない。そこでうちの店へIN.。これはとてもいい流れの編集ですよね。
「50年後も100年後も太宰はきっと読まれるでしょう」というコメントを選ばれたのは全体の流れからちゃんと意味が
あったのですね。私はまだまだ子供ですね、力入れて語った事他にいっぱいあったけど、
いつも目の前のものしか見えてなくて、全体が見えていない。
いやー、勉強させてもらいましたよ。なんか新人書店員時代に上司から「店全体が見えていない」と
何度も言われたこととか思い出すな・・・

今まで数回テレビの取材をお受けした事はあったけれど、大抵昼間の撮りだった。
今回は夕方からだったので、ライトアップされたお店が映し出された。これも新鮮でした。
秋の夜長感がおおいに出ていたのではないかと思います。
今回の撮影に関わった全ての皆様、ありがとうございました。

太宰を読んでみたくなった方、とにかく読書してみたくなった方、
どうぞフォスフォレッセンスへご来店ください。

そしてテレビ出演翌日というのにヒマという(笑)
こんな私のお店、結構嫌いじゃないな・・・

そんな悠長な事言ってるから光熱費が払えない!と月末に慌てる事になるのですよね。
ダメだ。同じ失敗は繰り返さないように頑張らないと。ということで、
秋のイベントも決まりましたし、盛り上げていこうと思います。ご来店をお待ちしております。


2009年10月12日 月曜日
秋のイベントの詳細決定しました!
朗読会と読書会の2つ、お知らせします。

・太宰を読む in phosphorescence

日時 11月21日(土)18時20分〜20時(当日は店内貸切になります)
場所 フォスフォレッセンス店内
費用 1000円(ワンドリンク付)
定員 10名様(要予約)
演目 「メリイクリスマス」「津軽(抜粋)」「フォスフォレッセンス」
出演 鈴木千秋 中村雅子

初めての朗読会は「フォスフォレッセンス」を・・そんな私の夢が叶います。
ご希望の方はお早めにご予約をお願いいたします。

・秋の読書会 作品テーマ『パンドラの匣』
日時 11月14日(土)18時〜20時(当日は店内貸切になります)
あとの詳細はイベントページにてご覧下さい。要予約ですので、ご希望の方はお早めにどうぞ。

今回は特にこの作品を、という申し出がなかったので、例のごとく私が決めました。
理由は簡単。今ホットだから。
現在映画公開されている「斜陽」「ヴィヨンの妻」は過去にテーマになっていますから、
残りは「パンドラの匣」しか残っていないので。
ちょっと今までと一風変わった作品にも挑戦するべきではないだろうか、と自分にも言い聞かせながら。
「パンドラの匣」かなり気になっていて、公開中に是非観に行きたいな、と思っているのです。

映画「斜陽」も観に行きたいと思っています。
実は、正直に、正直に、書かせていただくと、実際鑑賞したお客さんからはいまいちという感想が多く、
ヤフーの映画レビューなどを読んでもちょっとテンションが下がりがちになっていたのです。
作品への思い入れが大きい分、きっと期待値も上がるせいもあるとは思うのです。

そんな時、少し前の話なのですが、「斜陽」を見てエンデングで泣いた、というお客さんの話をお聞きして、
とても心動かされたのです。その時の事はお客さんのブログ国分寺でだざいを読むをご覧下さい。
やはり自分の眼で鑑賞してみないと。

三鷹ネットワーク大学の「太宰を読む百夜百冊」の秋原監督の講座を受けられた時のお話も興味深かったです。
この「斜陽」という映画、随分と公開期間が長かったと思いません?
5月から公開して、全国色々と巡って、ラストは10月17日からの3つの劇場での公開。
都内では我が多摩地区の立川シネマシティのみ。何度か書いてると思うけど、好きな映画館です。

シネマシティはずっと続いている、地元立川に根付いた映画館のようですね。
ある日、社長?重役?とにかく劇場の偉い人から監督に
「太宰やるんだって?玉川上水に近いうちはトリでやらせてもらいたい」と電話があり、実現した事らしいのです。

この話聞けて良かったな〜。好きでよく利用している映画館にそんな人がいるなんて、
心強いというか、ますます好きになっちゃうな、シネマシティ。
(ブログ主のお客さんから聞いた話をうろ覚えで書いているので、口調などは正確には違うと思います、念の為)

とてもいいエピソードを聞いたな、という気がして営業日記に書こうとずっと思ってたのに、
こんなに遅くなってしまいました・・・
ブログには津軽紀行など、他の日もおすすめ盛沢山です。要チェックです。

ちなみに私が最近、エンディングで涙がわけもなく流れた映画は「キャラメル
レバノンのエステサロンを舞台に繰り広げられる人間模様が描かれている、私の好きなお店もの。
監督・主演・脚本のナディーン・ラバキー、天は二物を与えるということをこういう人を見るとつくづく思う。
ものすごい才能、アラビアンビューティーぶり、ずっと目が離せない素敵な女性です。
また、出演者たちは女優ではなく彼女の周辺にいるさまざまな職業を持つ人たち。
レバノンの女性達の恋愛や人生に悩む姿を見て、私も泣き、笑い、とても元気が出ました。
「SATC」よりこっちの方が好きかも。お薦めですよ。

最後に遠く岩手から太宰に関する知らせが舞い込んできましたのでお知らせします。

岩手県の「日本現代詩歌文学館」にて「―太宰治「散華」の詩人― 三田循司資料特別公開」開催中です。
展示内容は太宰治が三田循司に宛てた書簡(5通)
三田循司の直筆ノート、原稿
山岸外史書
『三田循司詩抄/太宰治短編「散華」』 A5判 38頁 500円←この冊子欲しいですね〜

これは貴重な展示ですね。近隣の方は是非足を運ばれてみてはいかがでしょうか?
店内にポスター貼っていますのでご覧下さいね。


2009年10月6日 火曜日
フランスの映画監督が太宰治ドキュメンタリーを撮影、というニュースの続報届きました。

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2009年 ニュー・ドックス・ジャパン部門出品。

「La Vie Murmuree (日々の呟き - A Whispered Life)
旧タイトル ≪ L’Homme Fragile ≫

日々の呟き
A Whispered Life
フランス/2009/ビデオ/110分
監督:ジル・シオネ、マリー=フランシーヌ・ル・ジャリュ Gilles Sionnet, Marie-Francine Le Jalu

太宰治の文章に呼応しながら生を問う、7人の日本人の闘いに、フランス人の作者が静かに愛を持って向かい合う。」

とのことで、完成し上映されるということに心から喜んでおります。
9日ということでもうすぐなんですよね。どんな中身になっているのか、全く想像がつかない分、
何時の日か観れる日が来ることが楽しみです。
「ロム フラジール」からタイトルも変更になったようですね。
オリジナル日本語バージョン・英語字幕で上映されるようで、仏語バージョンでの上映が決まったら
またお知らせいただける、とのことです。

今日は早稲田大学の学生さんが来店。
学祭で太宰治生誕百年展を企画していて、その資料作りにお店を取材させてください、と依頼があったので、
お店の裏ゾーンで狭い中机を3つ並べてお話を伺う。

私が初めて耳にした時ものすごく反応して、いまや大のお気に入りの言葉があるんですけど・・・
それは彼女達の名前。その名は「いたこガールズ」
太宰展の企画者たちのグループ名だそうです。すっごくいいでしょ?「いたこガールズ」
何回もつぶやいてしまうほどハマってしまった。もう夢中。
まだ企画展を見たわけでもないのに、その名だけでもうバッチシ!って気がします。「いたこガールズ」

学祭か、いいですね〜。みんなでチーム名つけて、オリジナルなマークの図案を考えて、
苦労もあるけど、楽しいし良い思い出になりますよね。
簡単なインタビューと、あと写真撮影があったのですが、女性カメラマンがバシバシ撮ってくれる。
私もなんかノリノリになって楽しかったです。
被写体である私は一枚もどんな画像がその液晶に映っているのか確認していないのですが、
彼女達は1枚写す度にその窓を覗きこんで「これいい!」とか「これちょっと光が・・」とか「これ私一番好き」とか
二人であれこれと可愛らしい。その様子を見ているのが一番楽しかったかも。

若くて大学生で、学祭前で、これってなんか青春の頂点?のような、そんな眩しさを
写真を撮られれば撮られるほどに少しでも吸収できるような気がして、ただクルクルと周りながら心地よかった。
しまった、私も彼女達にどうして太宰の企画をしようと思ったのか、など逆取材すれば良かった。

この「いたこガールズ」主催の太宰治展の企画については、近く早稲田大学の学祭のサイトにアップされる
そうです。日時は11月7日(土)・・万が一聞き違いがあるかもしれないので、サイトで確認推奨です。
14時30分〜西7号館14号101教室(ちょっと自信がない・・メモ書きの自分の字が汚くて。確認推奨です。)
太宰ダザイズム 資料に今回の取材の事が掲載されます。
10月8日木曜日の朝7時30分頃、めざましテレビで太宰治文学サロン・館長の矢野さんといたこガールズの
学生さんが登場する、とお聞きしました。この時間、テレビの前にいらっしゃる方はフジテレビにチャンネルを!

11月7日学祭当日は町田康さんと木村綾子さんの対談があるそうです。
これは聞いてみたい!

昨日お客さんからお聞きしたんですけど、木村綾子さんのブログで、「ヴィヨンの妻」カフェイベントや、サポートグログ、
青山の本屋さんでの太宰治展などの情報が載っている、とのことで今日さっそく見てみたら
実に色々とされてますね。すごいわー。どれも行ってみたくなります。詳しくはブログチェックしてみて下さい。

NHK知る楽こだわり人物伝 女(わたし)が愛した太宰治 も女性作家が太宰を語る、という事で興味深い。
水曜日なので見れますね、これは。

と今週末は映画も公開、と慌しくなってきますが、お天気が心配。台風もたいした事なければ良いけど。
インフル予防も気をつけて。色々お騒がせしましたが、いいペースをつかんでいけるように頑張りますので、
今後ともどうぞよろしくお願いします。


2009年10月5日 月曜日
雨の中、多くのお客さんが来てくださって今日はとても嬉しい日でした。
太宰が住んだ大宮のTAMAさんもご来店いただき、大宮探索ツアー第二弾
「晩秋の大宮を歩く」詳細決定のご報告を受けました。

店内にチラシの貼り出しをしましたが、参加希望の方はお早めに上記サイトから
申し込まれる事をお薦めします。なんともう定員間近な状況のようで。
このツアーはどうしようかな、という方は絶対「参加決定」にした方が良い!と断言できます。
サプライズ企画がすごいのです。
本当にわずかな期間でこれだけよく調べられたな、と感心するばかりなのですが、
努力だけでは得られられないような発展の連続で、やはり何か見えない力を感じてしまうのです。
いつものだばさんのおおげさな表現?といぶかしむ方は是非参加してみてください。
その内容に驚くと思いますよ。

以前から私の事を応援してくださる堀江さんご夫妻が向かい側のテーブルにいらっしゃったのですが、
「大宮の人はとてもよく調べていて感心だね」と言われ、ものすごい偶然だったのですが、
「実は今こちらのテーブルにいらっしゃる方がその方ご本人さんですよ」とご紹介しました。

今日は津軽のお土産や、私が生まれる前の昭和35年の日付入りの津軽鉄道の切符の写真や
斜陽館にバーがあった時のマッチの写真などを持ってきてくださって、
昭和33年10月20日の「埼玉文化月報」のコピーもいただいた。
そこには「桜桃忌に寄せてー死の前日大宮を訪ねた太宰治 韮塚一三郎」という記事があったのです。
すぐそばにTAMAさんがいた事の巡り合わせがまたすごいですね。
勿論、コピーにスーパーまで走られました。
この記事を読むと、やはり誰かがこの死の前日太宰が訪れた一日を、
大宮と太宰についてを調べなくてはならない運命だったのだな、という気がします。
何か不思議なかんじでしたね。自分の生まれる前の人の書いた太宰への文章、
自分の生まれる前の切符、そしてこの世は続く、歴史は創られていく・・・

堀江さんご夫妻から、私の(お店の)ビデオを撮りたいと申し出があった。
「知らない人ではなく、だばさんだと日記を読んでいるから今までのあなたの事がわかるから」と。
「私の日記の飾らないところが好きだ」と言ってくださったんです。
どれだけ嬉しいお言葉か。「光栄です。」とお受けしました。

堀江さんは2004 八王子アマチュアビデオコンテスト で入賞された経験をお持ちということで、
さっそくその動画を拝見させていただきました。「小野小町伝承の郷」 という映像です。
なんとも幻想的で、私の好きな世界観でした。お声も良いですね。お人柄が出ている、
コロッと柔らかく転がる鞠のような可愛らしいお声なんです。
なんだかとてもよいものを見た、洗われたような気分になれました。
私を撮ってくださるのなら、それはこちらからお願いしたいくらいです。さあまた世界が広がるかな?


今日1日、やっぱり話題はETVの太田治子さんの事になる。
後でネットが繋がってから気づいたのですが、この番組を見て私の事を思い出して
とても久しぶりにメールくださった方もいらっしゃった。嬉しいですね。
皆さん思うところ色々あったようですね。

私は最近共通の傾向なんですけど、映像で太宰が映るだけでなんか泣けてくるんですよね。
涙ボロボロになってあっという間の1時間半でした。
私って今まで無神経だったな、というか、想像力は大事だなと思いました。
太宰の周りの人の苦悩、そこまで考えた事があったか?と。
太宰とその作品の世界に浸ってばかりいて、そこまでは考えが及ばなかった。
番組を観れて良かった。いろんな事を考えさせられました。

番組だけでなく「明るい方へ」の本も読むと、また違った感想を持てると思いますよ。
太宰が下曽我に来たのは決して打算だけではない、私はそう感じました。
手紙のやりとり、時間差電報、あとふみ、手紙、のあのあたりはすごい緊張感があった。
テクニック、駆け引き、本気、勇気、ウソ?いろんな思考が混ざって、
私はなぜか夫と出会った頃、深夜に二人だけでチャットをした時の気持ちを思い出しました。

青白い月の夜、3時とか4時頃に私が彼のHPのチャットルームに一言ポンと「誰もいないよね」なんて置くと、
彼が(彼の書きこみが)ぬっと現れる。ハンドルですけど、当時はそのnameがチャットの行間に出てきただけで
全身の血が逆流するかのように反応していました。恋の初めの頃のあのかんじですよ。
そしてあたりが白じぬ頃までひたすら文字を交わすんです。
これ書くと次はどう来る?
あ、今ちょっと舞い上がってしまった、彼は引いてる?と、
次の文字がアップされてくるまでの緊張感といったら・・・
血が逆流したのがまた舞い戻ってくるかんじ。顔面蒼白になってくるんです。
でも緊張の後に自分にとって嬉しい言葉が返ってくると、もうバラ色になるんですよ。
あの駆け引きゲーム、チャットだから3時4時とはいえ誰かに見られてるかもしれないし・・・
もうチャットなんて存在を忘れかけていたのに、その時の緊張感とときめきを妙に思い出しました。

あらあら、なんか思い出話をつらつら書いてしまった・・・今頃顔真っ赤になってる。
久々にネットできるのが今日は嬉しくてたまらないので、どうか大目に見てくださいね。

ETVの日あれからのある朝、雨の中の禅林寺をひとり歩いた。
どうしてもここに来たくなったのでした。ここにあってくれてありがとう、と思った。
いつでもここに来れる。どんなに私の支えとなっているでしょう。
太宰さんに、太宰さんの周りの人たちに、心から感謝したい気持ち。

私って結構過去に間違った事をたくさん日記に書いていると思うし、思い込みの激しさで方向を見誤ったり
もたくさんしていた。つい先日の日記でも周辺の女性達を一言で表現しているのでさえ、なんとなく
自分が軽すぎるようなそんな気さえしてくるのだけど、私は自分の変化を見ようと思うし、
この先も思うことを飾らず書いていくだろう、揺れながら。
「日記」ですからね。
飾らないところが良い、と言ってくださったのなら、これからもその道を行こうではないかと。

トップのお知らせに驚いて本をたくさん注文してくださった心遣いに感謝したいのに、
更新をさぼっていてほとんどが在庫切れおこしていた、という申し訳なさすぎる事があり大反省。
近く在庫の有無については現状を反映できるようにしたいと思います。もっとちゃんとしなくちゃ!




2009年10月3日 土曜日
そんな状況下の中でも良い事は多々ありました。お店掲載の雑誌や本が発売された事、
ちょっと前まで予約者40位周辺をウロウロしていた「1Q84 book1」図書館貸し出しの順番が来た事、
電話代のたしに、と宝くじを買ったら2000円当たった事、
そして「新釈走れメロス」「夜は短し歩けよ乙女」などの著書がある、森見登美彦さんが来店された事。

祥伝社発行ムック Feel Love(フィールラブ)12月号が森見さんの特集ということで、その記事の為に
三鷹文学散歩を企画され、うちの店にもやってきてくださった、という流れです。

カメラマンの方や編集者の方とご一緒だったのですが、最初ご挨拶したはいいものの、なんだか
緊張してしまって、あと真ん中の席に座られたので、後姿しか目に入ってこなかったのですが、
打ち合わせでスタッフさんが外に出てしまい、店内で私と森見さん二人きりになった時間がわずかですが、
あったのです。その時、外から「森見さん、窓際に座ってみてください」という指示で、初めて私と向かい合わせに
なり、まさに同じ目線の高さの位置になって初めてまともにお顔を見れたのですが、驚きました。
すっごい美形ですよ、森見さん。

かぐや姫と結婚、っていうのがしっくりきた。ちょっと古典の世界に出てくる男子風な高貴なムードがある方です。
バックにバラの花があるいわゆる美男子でなく、バックに竹。決して甘くはないのです。
それは後姿や横顔ではわかりにくい。あくまで正面。
「モ、モリミーうつくしや・・・」って心の中でつぶやいてましたけど勿論口に出せる筈もない。

雑誌や本の「著者近影」ではお顔を何度か拝見させていただいていたのですが、全然印象が違う。
「整った顔」というのはこういう方の事を言うのだ、というかんじ。
ドキーッ!っとしました。シャツからスラリと伸びた腕の先には白い指、その薬指には指輪が光っていて、
最初ご挨拶した時には特に感じなかった(と言ったら失礼ですが)色気が徐々に漂ってきた。

ほんの少しの間ですが、京都のお話をしました。私は元嵐山近辺住人で、森見さんは元左京区にお住まいだった方。
「左京区にいると、意外と嵐山の方に行かないんですよ」とおっしゃる言葉に
「私は3番のバスで松尾橋から北白川別当町の方までしょっちゅう行ってました」と
しばし市バスBトークを。勿論、こっちは薬指ばっかり気になってしまってるんですが(笑)
すいません、ホント。そこで「はい、オッケーです。お疲れ様です」となり取材終了でした。
ずうずうしくもサインもいただきまして、お店に飾っております。


この言葉を読んだ時の私の喜んだ顔といったら・・・これはかなり感激しましたね。

正面顔が実に美しい、今油がノッテル作家さんにお越しいただき、
素敵なひとときに感謝します。これでお店の気も上がるといいですね〜
「Feel Love(フィールラブ)12月号」発売されたらまたご報告します。
モリミーin phosphorescense 必見ですよ。


2009年10月2日 金曜日
電話止まっていますが、それが何か?

なんて決して言えない小心者な私。本当にご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。
今後このような事がないようにいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

京都の書店員だった頃、アルバイトさんから家の電気を止められた話を聞いた時の事を思い出した。
その時、「大丈夫?」とか言いながら、心の底で電気が止まるなんてちょっと信じられない、私はそう思ったのだった。
あの頃の自分はもう遠い。精神的には今の方がずっと良いと思っているけれど、なにかを得ればなにかを失う。
人って変わるんですね。

失礼を承知で本音を言うと、申し訳ない、情けない、という気持ちが7であと3は「なんて快適」
電磁波を全く浴びない1日、本を読み、店を整理し、新聞記事の貼り変えをした。
でも3日目、4日目、となってくるとやっぱり色々と怖くなってくるんですよね。
せっかく雑誌を見て問い合わせしたのに、不通だった、これはお店としては×でしょう。
なによりせっかく素敵なページに仕上げてくださったグラツィアのスタッフさん達に申し訳ない。
「太宰萌え」の方にも申し訳ない。
なによりこの期間お客さんを心配させてしまった事が申し訳ない。
気持ちが下がってしまうと負のスパイラルでレジも故障した。植物もしなっとしてる。
卵を買い忘れた日に限ってフレンチトーストの注文がいっぱい、などなど・・・

でも私のいいところは単純なところ。閉店後郵便局に行こうと外へ出たら満月が煌々としていて、
電話の事に気をとられていてもうすぐ中秋の名月だということを忘れていた、月見団子まだコンビニにあるかな?
とその輝きの下を歩いているうちにもう明るさを取り戻していた。

コンビニに行ったら月見団子はあったけど、10個入りパックしかなくて、さんざん悩んだ末
これは多すぎ、今は電話代確保が第一!とちゃんと諦められた自分を少し誉めてみたり、
すっごい小さい時限で右往左往してるんだけど、単純で良かったんだな、と実感する。

悩んでいた割にはお客さんはみな「イベントのお知らせ、みたいなノリで発表していて、全然切羽詰った
かんじじゃないから悪いけど全く心配してません」みたいな雰囲気。でもそこに救われた部分は大きいかも。
酒も煙草もダメな店でなんで太宰だ!って言う人からはそんくらいで割が合う、とか言われそうな。
中央線的なゆるさ、なのかな?ま、甘んじすぎないようにはしなくちゃいけませんが。

そんなかんじで、読書の秋、ちょっとスタート躓きましたが、その分しっかり取り戻したいと思いますので、
どうぞご来店いただけるととっても嬉しく思います。お待ちしております。


2009年9月28日 月曜日
お客さんからメールいただいて書店をチェックしてみたんですけど、
「婦人画報」と「和楽」で太宰治と津軽の特集を組んでいますね。
どちらも松たか子さんが登場。綺麗なカラーページで見どころあり。
「婦人画報」は驚きの26P分も太宰にさいていました。宇野亜喜良さんの素敵なイラストと一緒に
「兄たち」が載っていたりして、これは後で図書館で借りて2冊ともじっくり読もうと思っています。

「Grazia」ももうすぐ発売ですが、生誕100周年太宰マニア10人の「私が愛する太宰」
という特集名らしいから、上記2誌の津軽の旅メインの記事とはちょっと違った趣になりそうで楽しみです。
こちらも勿論松さんが登場するようです。
あと「エココロ」の最新号の表紙も松さんと浅野さん。お二人が津軽に行ってる時の写真やインタビューが
掲載されていました。

津軽といえば、青森の近代文学館の太宰治展のポスターをお客さんからいただき、今店内に貼ってます。
あまりに大きくて小さなうちのお店ではトイレのドアしか貼る場所がなかったので、ちょっと目立っていませんが、
セピア色の素敵なポスターですよ。是非見てくださいね。

太宰に関するテレビ番組のニュースも最近いくつかネットでみかけました。
うちの店にもある番組の映像出演のお話があったのですが、拘束時間7時間×2必要と聞いて断念に。
たった1分ほどの映像でもこのくらいは時に必要ですものね、テレビの世界って。
スタッフや出演者さんたちいつもお仕事お疲れ様です、と言いたくなりますね。
一方で長時間拘束されても全部カット、なんて事も現実にはあるし、なんというか掴みどころのない世界でもある。
見る側としていい番組が出来て欲しいと今は願うのみかな。

あと文庫のあとがきのようなものの為だったかな?
今週の土曜日10月3日に作家さんが三鷹文学散歩をされる予定で、その一貫で
うちのお店にも来店されるということで、今からとても楽しみにしています。

先日の貸切の日は、映画の撮影の為でした。以前にむさしのみたか市民テレビでご一緒させて
いただいた若い男性が映画を撮っているということで、このお店を撮影にお借りできないか、と申し出が
あり、実現したわけです。いつものレトロなかんじの店内とはうって変わって、若者がキビキビ働く
撮影現場となりました。やっぱり自分はトシだよな〜、若いっていいな〜、と感じる瞬間でもありました。
なんかはじけてるんですよね、いちいち。
本棚を見て声を上げて反応しているのをしっかりリサーチもさせていただきました。
そっか、演劇している若者ってこういう本が好きなんだな、と勉強になりました。

長い間更新をサボッてしまってた間、日記のネタになるような事は山ほどあったのですが、
いざ書いてみると、いやー、いかんですね、最近すぐ忘れる。取りこぼしはまた機会を見て。

伊勢元酒店の元店主さんが来店くださった。
太宰の小説の中でも三鷹でお店の固有名詞が出たのは「伊勢元酒店」のみらしい。
胸をはずませて初めて伊勢元酒店に行った時の事はよく覚えいます。
子供時代によく見かけたという太宰の印象は、「陽か陰どっちかというと、やはり陰」とのこと。
袂に瓶をヒョイッと入れるお姿をこの方は見られたのだと思うと次第に興奮してきた。
お話できて光栄でした。

なんか幸夫人の影響じゃないけど、宇宙の話はお客さんとよくした。
この服花小金井の古着屋さんで30円!やすっ!私もこの服田無の店で300円!なんて安い服自慢もしあった。
白洲次郎のドラマの後は白洲次郎・正子本がバンバン売れた。
大学生の方から年配のご婦人まで「次郎さんかっこいい!」と女子高生のように一緒に盛り上がった。
そう、その大学生さんは京都に惚れこんで就職も京都に決めてしまったという。
少し淋しいけど、実家に帰る時に来てもらえたらいいかな、彼女の今後を応援しよう。

その彼女の卒論が平家物語だと話していると、朗読の中村さんがご来店され、
「平家物語の朗読の体験は?」なんて話に発展する。元々琵琶法師が語り伝えたのだから、
朗読は合う筈、など皆で楽しく会話する。

石英書房さんが今度は娘さんと一緒に来店してくださる。娘さんと一緒に
古本屋さん巡りが出来るなんて、なんて素敵な事なんでしょう!楽しそうに本の会話などをされていて、
こちらも和む。ブログにうちのお店の事を「憧れのお店」なんて書いていただいていて恐れ多い。

電話が止まるような事のないお店、とりあえず目標。なんて低い目標トホホ・・・ってかんじですが、
大切に思ってくださる人たちの顔を思い浮かべたら真面目になる事は簡単、って気がするんですよね。
うーむ、頑張らなくちゃ!

ちょっと思い出した話。
叶井俊太郎さんって借金あるのにブランドのパンツとか買ってしまう、って聞いた時に、
ちょっと自分と似てると思いました。節約しなくちゃいけないのに、来週信州に行きたい!と思ったら
突っ走ってしまう。小海線に乗れなきゃヤダヤダ、年に一回だけの贅沢だから!と子供みたいになってしまう。

倉田真由美さんが叶井さんの事を特別な存在だと意識するようになったのは、
本棚の蔵書が似ていたからなんですってね。本棚はその人の顔なんですね。
私はかなり弱点の多い人間という自覚アリですが、せめてビシッ!とした本棚を創っておかねば、
ダメ人間なりの背筋のまっすぐな本棚。
時に歪みそうになっても、あとで修正できるよう努力しますので、見守っていてくださったら、ありがたいです。


2009年9月17日 木曜日
いつも三鷹にやってくると、「さくらのみち」とうちの店に寄ってくださるお客さんがご来店。
今日も行ってきたんだよ、と美味しいケーキの差し入れまで!
私がとても喜んだのは言うまでもない。
森岡さんの作るケーキの大ファンなので。

なかなかお店に行く機会がないので、お元気そうでしたか?などお客さんにお話を伺っていると、
お店の本を作られたというニュースが!知りませんでした。


「さくらのみちの12ヶ月」
限定販売のようですよ。中身も本当に素敵です。

お客さんが帰られた後、紅茶をいれてケーキをゆっくり味わいました。
変わってない、やっぱり優しい味。お人柄が出るんですよね、なんだかとてもホッとしてしまうのでした。

本を出されたのは正直言ってとっても羨ましい。
私の夢はお店の本を出す事ですからね。
リトルスターレストランも本を出す(もう出たのかな?)そうで、本屋に行ったら絶対チェックしたい!
ここのお店の毎月新聞ごはん、とってもいいんですよね。
お店の1階の前の道を歩いている時はこれを取らないと素通りできない。
ほとんど通る時はチャリなので最近ご無沙汰だったけど近々歩いてみよう。

羨ましいばかり言ってないで、私もお店の10周年の時には何かカタチになるものを残せるよう、
今から地道に考えておかないと。ま、まずは電話代をぶっちしない店になること←しつこいな(笑


2009年9月23日 水曜日
サーバーダウンのため、更新が前日の夜にもできず、
貸切のお知らせの告知が当日となってしまいました事、大変申し訳ありませんでした。
せっかくお店に来たのに、入店できなかった、という方はいらっしゃらないでしょうか?
次回来店時にでもお知らせくださいね。
とり急ぎお詫びいたします。

また近々更新します。
あと9月のお店のお休みは来週の水曜日となり、他の日は営業しておりますのでよろしくお願いします。
どうぞご来店下さいね。お待ちしております!

2009年9月12日 土曜日
祝・「ヴィヨンの妻」モントリオールで最優秀監督賞。
ということで、モントリオール効果で忙しかったのです。木曜日は。

今日はせっかくの土曜日なのに雨だという事もあってヒマです。
なので溜まっていた分の日記をかなり書きました。どれだけヒマだったか想像できるような気がします。
いやー、なにはともあれ受賞は目出度いですね、これは公開前も後もかなり話題になりそうです。
映画を観た外国人の方々はどのような感想を持たれたのか、大変興味がありますね。
原作を読んでみたいと思った人もいるでしょうか?

演劇「津軽」も観に行きたかったです。芦野公園駅に特設ステージを設けて、というのがいいですね。
新聞で川上麻衣子さんは太宰の事が好きだと発言されていたのを読んで嬉しくなったのがたしか6月。
お芝居のあらすじも大変興味を惹かれるものでした。
6日で終わったのですね。お客さんで行かれた方いらっしゃらないかな・・・

以前に取材を受けた「MITAKA Glamoruos Days」が出来上がったようです。

かなりいいかんじですよ。内容充実してます。
何より、見開き2ページ目に私の写真がドーン!と出ています。これはちょっとビックリ。
大変光栄ですが、私でいいのかな?写真があるのならお化粧とセット&お洒落すれば良かった、
とか言いつつ写真がとても上手くてお店の雰囲気がグッド。プロに上手いっていうのは失礼かもしれませんが・・・

我ながら元文学少女風ですよ。それにしては二の腕がぶっと過ぎますが・・・
良かったら見てくださいね。三鷹の素敵なお店がたくさん載っています。どれも写真がすごくキレイ。
どこで手に入るのかな?マンションのモデルルームではないでしょうか。
発行元は藤和不動産になっていますが、街で見かけたらお知らせしますね。

毎日新聞社の「太宰萌え」の発売日も10月5日に決定したそうです。
10月になったら映画の公開や本の発売など、また生誕百年の波が盛り上がりそうですね。
「人間失格」についての90分TV特番ももう少し先ですが予定があるそうで、うちにも問い合わせがありました。
「人間失格」に興味がある方、良かったら声をかけてくださいね。
あと先日も書きましたが秋の読書会の作品テーマを募っています。この作品がしたい!という方、
お知らせくださいね。

さあ読書の秋本番突入です。私もこのところ、秋の夜長の読書タイムを日々楽しみにしています。
虫の声ってどうしてあんなに気持ちを落ち着かせてくれるのでしょうね。私は大好きです。
でも涼しいからといって、身体を冷やさないようにして寝てくださいね。
インフルエンザが流行していますが、かかりませんように。
ではまた。お店でお待ちしております。


2009年9月11日 金曜日
「そうして、笠井さんは、旅に出た。
 なぜ、信州を選んだのか。他に、知らないからである」太宰治 八十八夜より

今回は甲府に立ち寄る事が出来なかったので、太宰に関係する場所はどこにも行っていない。
けど「八十八夜」を読み返してみたら、ある事を思い出した。
笠井一がアンドレア・デル・サルトをどうしても思い出せないように、私もうんうんと唸っていた事があった。

残暑見舞いをくれた友達に旅先からの絵葉書を書いた。ところが宛名を書くところで手が止まった。
アドレスに入力していたのは名前は旧姓のまま。探しやすいように変更しなかった模様。
ちょっと忘れてるだけですぐ思い出すだろう、と苗字以外の部分はすべて完成したハガキを持ち
2日目を過ごしたのですが、なかなか思い出せない。おかしいな、ボケてるのかな・・・と思いつつ
旅先から出せる最後のポストを痛恨な思いで通過。

旅先からの絵葉書を都内の消印で送るほど無粋な事はできるだけ避けたかったのですが、
仕方なく諦めたが・・・「ただ今」と家のドアを開けた瞬間その苗字をパッと思い出した。
こういうもんですよね・・・映画のセリフじゃないけど、ちょっと間に合わない。
しかし大文字の絵葉書を信州から出すのもかなりの反則技。何枚かそんなマヌケな葉書が今頃届いているかと。
日頃のこういう細かな事をもっと大切に、手抜きなくいきたいな。
美味しいコーヒーを淹れる人というのは繊細な精神の持ち主であるべきだろうと思うし。

昭和14年、「八十八夜」執筆の為、上諏訪温泉の「ぬのはん」に太宰は美知子さんと宿泊したんですね。
ここも行ってみたい。塩尻市にあるという古田晁記念館にも行ってみたい(土日祝のみ開館)
東山魁夷の「緑響く」のモチーフとなった奥蓼科の御射鹿池にも行ってみたい。
信州、まだまだ未知の世界です。
甲府だってゆかりの地全部行きたい。明治旅館にも泊まりたい。

「八十八夜」を読むと、太宰はもっと信州に行きまくってたかのように感じるほど描写が的確で愛情がある。
決して「さわやか信州」と一言ではまとめられないような、皮肉を込めた底深い描写もある。
お忍びで信州に滞在した事はないのかな?

勿論私と太宰とは時代も境遇も全く違うけれど、
誰にも知られずにほんの1日、姿を隠し旅に出る事は不可能ではないのではないかと。
あまりいいかげんな事は言えないので、ちゃんと調査が必要ですが。かなり気になります。
そういえば信州のどこかの高原で、太宰に会って話をした事がある、という思い出話を女性がしていた、
でもその時太宰は信州に行った記録はなし、そんな話を聞いたのか読んだのか・・・うろ覚えですが記憶あり。
もうちょっと太宰と信州について、調べてみようと思います。

次は信州旅の電車の中で「八十八夜」を読み返したい。
そういえば今回も、私のひとつ前の席には車窓の景色をずっと無言でムービーで撮影しているおばさんがいて、
その反対側の席には学校帰りの高校生がいて、彼らにとっては電車通学は日常の下校の手段に過ぎないけど、
おばさんにとってはとっておきの非日常の記録なんだ、というのがなんとも不思議なムードを漂わせていた事、
私の隣の席といえばカップルがいちゃいちゃして微笑ましい事極まりなく、その後ろではおじさんがくしゃみ連発し、
周囲がどんどんマスク装着していくまさに車内はカオスだった事、などいい事悪い事どんどん思い出した。
早くもまた旅に出たくなってしまった・・・やばいやばい、やはり太宰は毒ですな。
その前にまた来年の夏まで仕事仕事!


2009年9月10日 木曜日
9月の5連休中の23日水曜日は営業いたします。
その代休を8日にいただき、火・水と連休にして、例のごとく18切符でひとり旅してきました。
今年は京都行ったから信州なしね、とずっと思ってました。とにかくお金がないし、と。
でもやっぱり18切符の最終日の9月10日が近づいてくるとウズウズしてくるんですよね。

で、またまたオークションで定価以下で購入できた場合だけ、行っちゃおう、と自分に条件つけて
探していくと、ありました、定価以下速達送料込即決が!無事落札。
それ以後なかなか定価以下の即決は出てこなかったから、運命の出会いだったわけです。
まだ何も決まっていないうちにとりあえず18切符の2回分だけは落としてしまい、
そこから予定を考えればいいや、みたいな、今回はただ緑の中を電車に揺られ、
緑の中で目覚める事ができたらもうそれでいい旅にする事にしたし。上手い信州蕎麦、なにそれ?カット!
清泉寮でジャージーソフトクリーム、なにそれ、カット!なぬ?アイスもカットかよ?みたいな勢いで
とにかくお金を最小限しか使わない旅、という制限付の旅行でした。
というかそれしか選択肢がないのでした。

宿は昨年同様「乙女座宮」さんへ。夜食付3500円ですっかりお気に入りです。
でも今度行くときは朝食・夕食も是非味わいたいな、と思うのでお店を頑張る目標のひとつとなっています。
毎年書いてる気がするけど、年に一度、自然の中で目覚められたら、あとの300日を頑張れる。
それくらいパワーが温存できるのが信州ひとり旅。
山梨、長野くらいが三鷹から中央線でひたすら上がって2、3時間くらいで調度良いし、確実に車内がすいてる。
これが大きなポイントとなって、今ではすっかり夏の定番行事となってしまったので、
ないのがなんか気持ち悪いんですよね。
自分でも違うところ行きなよ、那須とか伊豆とか高山とか、って思うんですけど、上記の理由と
ひじょうにひとり旅向きなところが気に入って、リピーターしてます。

         
ただボーッと車窓を眺めているだけで充分気持ちいい。    小海線でもうすぐ電車が来るところ。
時々本読んだり音楽聴いたりウトウトしたり・・・        何人かの人がカメラ構えて待ってるから私もつられて撮影。

行くところは大体定番。小淵沢から送迎バスでリゾナーレ、ブックカフェでゆっくりお茶&本。
宿では1年ぶりにオーナーさんに会えて、夜食の美味しさに涙し、ぐっすり眠る。
翌日は八千穂まで初めて足を延ばしてみる。
せっかくだから一箇所ぐらいはいつもと違う新しいところに行ってみたくて、
前々から気になっていた「八千穂高原自然園」日本一美しい白樺林、とか手付かずのまま残った自然、
というのに惹かれ、何より奥の奥地に来たなーってかんじを味わいたかったんですよ。

で、小海線の八千穂駅で降りたのはいいが、自然園までのバスの運行は9月は土日祝しかやっていない
とのこと、ガーン・・・準備不足で失敗してしまった。次の電車の時間までは1時間近くある。
とてもいい駅で気に入ったのだけど、周りにはほとんど何もないかんじ。ここで1時間近くつぶすのは厳しい気が・・
これが信州ひとり旅の難点です。車でないと行けないところが多すぎる。しかもそういう秘境が旅しがいがある。
時間つぶすのはそんなに苦じゃない私もさすがに今日東京に帰る身としては時間は有効に使いたい。

ここでお店の神様に救われたのです。三鷹とはめちゃくちゃ離れた長野の小さな駅付近で、
お客さんとのなにげない会話に光が当てられたのです。
つい先日、お客さんに「来週甲斐大泉あたりに旅に出ます」と話したら、
「小海線のなんとかという駅・・なんて言ったかな〜、思い出せないけど、その駅の近くに
奥村土牛美術館があって、すごくいいのよ」と答えてくださって、メモはその場でしたけど、
なんせ直前だったので特にどこの最寄り駅とか、休館日や時間はいつか、等全く調べられてなかったんです。

そしたらその駅は、八千穂駅だったんですよ。駅前の案内図で徒歩2分のところにあると発見したんです。
ただまだ不安だった。というのは、八ヶ岳付近の美術館、水曜日休みのところばっかりだったので。
あとは時間もまだ9時台だったので、開いてないかも・・・とおそるおそる美術館に向かってみました。

       
八千穂駅から徒歩3分 奥村土牛美術館          ちいさい秋みつけた!と撮影。
今回の旅の大きな収穫でした。                こちらのトンボはのんびりしていて警戒ないですね。

開いてました!帰りの電車内でパンフを見ると開館は10時から。まだ9時だったのになぜか今日は開いていた。
まさに私を迎えてくれてるみたいに錯覚する。独り占めの美術館。

ここが本当に良かったんですよ。奥村土牛の事は、正直よくは知らなくて「牛のあゆみ」っていう文庫本の存在を
知っているくらいだったのですが、よく目にしていた日本画がいくつかありました。
開館していて本当に良かったです。しばらくは私ひとりだけで、実にのんびり、ゆったりとした、貴重な時間を
過ごさせていただきました。

なんというか、この建物がすごく気持ち良い空間で、上の写真を見ても八千穂の青空とピッタリ合ってますでしょ?
二階の窓からは小学校が見えて、赤帽・白帽をかぶった子供たちが「オーエス、オーエス」と綱引きをしていて、
八千穂の街、山のシルエット、素晴らしい庭が見下ろせて、随分長い時間窓辺に立っていました。
涼しい風が時々フワーッっと吹いてきて、どこかで芝刈りをしている音とかするのに実に静謐で、
もっとこの場所にいたい、と思って電車を1本遅らせたくらいです。結局2時間近く美術館にいました。
お庭がまたいいんですよ。時間が止まったみたいな心地になりました。

勿論絵も素晴らしく、特に「泰山木」の花の絵が心を打たれました。
本当にシンプルなんですけど、なんなんでしょうねえ、不思議な美しさを感じてずっと見てしまいました。
今度「牛の歩み」読んでみようと思います。

とにかく隅々まで手入れが行き届いていて、トイレもきれいで新鮮な花が生けられていたし、
感想ノートのある机の色鉛筆は全てビシッっとペンの先が尖っているし、
そのノートにもただ良かった、という声だけでなく、この空間で触発されて書かれたイラストや、
地元の新人の展示コーナーもあれば、という意見なども拝見し、絵を見る事だけでなく総合的に
刺激と癒しの体験ができた。ここへ来れて良かった!ほんと、お薦めの場所ですよ。
教えてくれたお客さんに感謝です。
八千穂、その響きもいいし、気に入りました。八千穂のサイトを見ていると、
「恋人の聖地」とか「乙女の森」とかあるし、興味深い。今度来る時は事前調査をじっくりしていこうと思います。
まずは高原自然園に次回こそ行きたいです。
いつかひとりキャンプしにも来たいな。夢は尽きません。
「恋人の聖地」にひとり旅はちょっと・・・ですか?それをあえてやるのが私という人ですよ(笑)

あとは甲斐大泉に戻って、パノラマの湯でゆったりと露天風呂。富士山はあいにくの雲で見えなかったけど、
あまり人がいなかったのでグランドスラム達成!
なんか一人で盛り上がってますけど、露天風呂の四隅にすわり心地の良い岩があるんです。
すべての岩に座れたよ、っていうハナシ。すいません、小さい事で騒ぎすぎで。
お気に入りのポジションがあって、野球で言うとサードのところなんですけど、そこに座れたら
ラッキー♪と思ってたのが、まさかの全ポジ制覇。なかなか嬉しかったですよ〜。

あとは小淵沢に戻り、アウトレット(これも無料送迎バスがあるから)
中央本線で富士見高原まで移動。信濃境駅で車内から「ドラマ青い鳥のロケ地」の鳥かごをガン見しながら
駅長さんの麗しいお姿を思い出しているとすぐに富士見着。
ここも定番ですね。創造の森彫刻公園に行ってみたいのだけど、車がないと無理。いつか行くのが目標です。

橋の上で信州の風を感じて今年も来たな、と実感。
もう3回目になるテーブルランド・カフェ・プラトーに行く。
窓から八ヶ岳の稜線を見ながら美味しいコーヒーを味わえる時間は何度来ても良い。
思い残す事無く帰宅へ、とあとは中央線で三鷹へ向かうのみ。

この時既にサイフの中には523円のみ!節約しまくって、食事は宿のお夜食以外は両日カフェのみにしてみたものの、
美術館の入館料とか細かなものがちょこちょこ出たのね。
今この18切符をなくしてしまったらサイフは死亡。でもスリル満点。いまいちど切符に向かって
「おまえだけが頼り。あとは頼むよ」と呼びかけ、心配性なので車内で何度もポケットの中を確認する。

途中で左手に指輪の感触がなくて、どこかで忘れた事に気づき大慌て。
あそこだ、パノラマの湯のロッカーだ!これは明日問い合わせすることにしよう。
その指輪はもらったものでも高価なものでもないから諦める事も出来るのだけど、
2007年の初秋に茅ヶ崎に行った時の帰りに駅ビルでたしか2000円くらいで購入した
思い出深いものなのです。なんとなくお守り代わりにしていたふしもあり・・・

後に電話で問い合わせしたらありました!良かった〜。
何かロッカーにものを入れる時は、ラッキーナンバーにするクセが功を成した。
混んでる場合は、入れる数字を何か自分の身の回りの事に例えるクセもあるし。
あまり役に立たないヘンなクセが、役に立ことも人生あるのですね。

無事三鷹駅に到着。ホッとしました。
あとは自転車で帰るだけだもんね〜。セブンでチーズモナカでも買って帰ってもよっゆう〜♪
なんて思ってたのが甘かった!
駐輪場でこれまた覚えていた番号をププッと押してみたところ、請求金額は「600円」と出た。
えー?2日間だから200円って計算は世間を舐めてた?
これ日記の為にハナシを大きくしてるとかじゃなくてマジなハナシ。
あと77円足りない!こんな落とし穴があるのも人生。
そこからわざわざ銀行に行ってお金下ろしましたよ。いやー、残念だった。
このせいで中川家のお兄ちゃんのテレビ番組が見れなかったよー。

しかしいい旅が出来て大満足。
宿や美術館の清潔さ、かなり見習わなくてはいけませんね。
ゲスト側にならなくちゃわからない事がある。旅も勉強のひとつです。
一番はリフレッシュ目的ですけどね。そういう意味では満点かな。
忘れ物には要注意。これも教訓ですね。いろいろな思い出を胸に、明日からまた頑張ります!


2009年9月7日 月曜日
JRの冊子「大人の休日倶楽部」の取材がありました。
会員限定の冊子で、あとは駅のみどりの窓口なんかで手に入るのかな?
また送っていただいたら報告します。
カメラマンの方も京都出身で、太宰の「トカトントン」がお好き、ということでした。
「トカトントン」私も好き。そろそろ読書会で取り上げても良さそうなタイミングかな、って思ってます。

秋の読書会がそろそろ準備段階に入ります。
読書週間内なので、11月14日(土)あたりが濃厚かな?10月頭までには正式発表します。
そこで作品テーマの募集も開始します。
是非この作品の読書会をしたい、レジュメ作成&発表します!という方、申し出て下さいね。
なるべく秋を感じさせる作品がベストなのですが、そうでなくても全然OKです。

大宮太宰のTAMAさんがご来店。
立教大学が所有の『人間失格』自筆草稿を、さっきこの目で見てきたところ、とのことでこちらも興奮!
この経緯については下記リンクのブログでどうぞ。

11月28日(土)「図書館と県民のつどい埼玉2009」が行われ、この『人間失格』自筆草稿は、
この時に立教大学のブースにて公開されるということで、近隣の予定がまだない方は是非足を伸ばされてみては
いかがでしょうか。
また、太宰が住んだ大宮探索ツアー第二弾「晩秋の大宮を歩く」もこの日に開催予定だそうです。
予定表案を見せてみらいましたが、実に充実していました。私もお店がお休みなら行きたかった・・・
正式に詳細が決定したらまたここでもお知らせしますが、気になる方はこちらのTAMAさんのブログをどうぞ。
太宰が住んだ大宮


2009年9月4日 金曜日
お客さんのお母様が「東方神起」にハマっていて今度上海公演にも行くかもしれない、
とお聞きして、お客さん自身も結構お好きらしく、どのあたりが魅力なのですか?と質問しまくる。
かっこよくてダンスも上手いのは勿論だけど、とにかく歌が良い、との事でますます興味が沸く。
お店に私とお客さんしかいなかったので、お言葉に甘えてちょっとyoutubeで動画などをチェックしてみる。

彼らが映って3秒で「あ、私この真ん中の人好みかも」と反応すると、
「さすが、その人一番人気ですよ」などかなりミーハーな会話が続く。
日本語で歌っていた事にまずビックリ。しかも上手い。これは人気出るだろうな・・・納得。
美しい男子を見ると、どんな事があってもとりあえず元気が回復する。我ながら単純で良かったと思う。

男子と言えば、去年は見過ごしてしまった高校生クイズを今年は最後の1時間だけ見れました。
開成のセンターのイケメン君良かったです。シャツはだけてても全然だらしなくない上品さ。
この彼最後まで見たいな、と視聴者に引き込ませる魅力がありましたね。
将来は作家志望とのことで、楽しみな男子ですね〜。2年生ということで来年も是非活躍してほしいです。

でも一番私のハートを直撃したのはラサールの左の男子。
お洒落でエクボが可愛くて指もきれいなんだもん。おばちゃん心底応援してしまいましたよ。

準決勝以降女の子が勝ち残ってなくてちょっと淋しかったかな。
最初から見ていたら可愛い活躍ぶりが見れたのでしょうか。
個人的には男女混成チームが、正解!ガシッ!っと抱き合うあの場面が好きなのです。
来年は最初からちゃんと見よ〜っと。


2009年9月3日 木曜日
「日記には悪い事は書かないですね」よくそう言われる。
でも悪い事が起こった事もあえてちゃんと書いておくのは決して悪い事ではない。
それに最近「悪い事」への概念が少し変わってきた。

大分前だけど、ロキノンか何か音楽雑誌の宇多田ヒカルのインタビュー記事で、
「良い事も悪い事も刺激である事には変わらないから、悪い事が起こってもそんなにイヤではない」
というような内容を読んで、目からウロコだった。もしかしたら日記に一度書いたかもしれない。
そういえば悪い予感がするとワクワクする、というような事を実際歌っている。
そしてごく今日、まさに悪いことなのにワクワクするという感覚が手にとるように
理解できた瞬間があった。

ずっと前にも揉め事があった事を日記に書いた事があったのだけど、その後もその人に関する事では色々あった。
でももう70歳を過ぎているお方なので、私もそんなに問題にしない事にしていた。
そのご近所の人が、おたくのお店のせいでどうこう、という事を言ってきたので、業者さんを呼ぶ事にした。
業者さんに見てもらうと、確実にうちのお店のせいではないという事がわかり、説明したのだけど、
「そんな事はまずない、お店のせいに違いない」という一点張り。

以前の時もそうだったのですが、全く話が通じないんですよ。
そしたら業者さんに対してもアレコレと悪口を大声で言いまくられて、こちはヒヤヒヤしていたのですが、
さすが業者さん、大人な態度で「では実験してみましょう、こうしてみたら答えが出ますから」と提案すると
絶対イヤだと言う。自分の知ってる業者に頼めばハッキリするのに、とも。
「なら今その業さんを呼んでください」と言っても「イヤだ」と。全く噛み合わないのですよ。

これ以上立ち往生しても無駄、と判断されて、では私は帰ります、となったのですが、最後に
「そうやってご近所さんをいじめるんじゃないよ!」とキッパリ発言されました。
最後まで揉めて終わった形になってしまったし、業者さんはせっかくお忙しい中来てくださったのに
無駄足となり、申し訳ない気持ちでいっぱいになったのですが、
いいよいいよ、あなたも大変だね、とかえって慰められてしまい、
「今度何かあったらその時は是非お願いいたします」と丁寧にお礼を言ってその場は終わったのですが、
ご近所さんには結構目立った言い争いだったようで、お騒がせしました〜、という態度でいると
「またあの人か、あなたも大変ね」みたいな視線や声を多くいただきました。

とりあえずうちのせいじゃなくて良かったー、とまずはホッとする。
修理代など一銭も出す余裕はないのですから。
あとは「いじめるんじゃないよ!」がなんだか私の気持ちを代弁してもらったようで妙にスッキリしていました。
あんなに一方的にまくしたてられたらもっと切れてもいいのに、そこはさすが、長年この街の為に
貢献してこられた先輩社長さんだな、と関心しました。

実は火曜日の夕方に、おたくのせいじゃない?と言われて、次の日はお休みだったから木曜日に予約して、
と色々こちらも双方の連絡をとったりして精神的にもドキドキしていたんです。
その人からのいざこざは過去数回あるから、丸く収まるのはどうかな、と。
でも胃が痛くなるようなのはもう通り過ぎて、なんか一連の流れにワクワクしていた自分もいて。
今回はお客さんに直接迷惑がこうむっているわけではないから、というのはあるかな。
いや、でも業者さんには本当に悪い事をした。開店の時にお世話になったからアフターケアということで
ひとつ許してほしい。今後も何かあったら是非お願いしよう。勿論、店内で欠陥のみで。

と、そんな事も長年お店を営業し続けていたらあるんですよ。
でもこれは私が過去、全部の人に良い顔をしよう、人に対して強い態度が苦手、等の
欠点の克服という課題の為の経験かもしれないと受け止めているんですよ。
身の回りの人で、一人くらい苦手な人というのは社会に出ていたらいるもの。
でも避けるだけでは能がない。自分の成長の為に向き合う事も大事かな、と思うのです。
話が上手く通じない、というかなり難関なお相手ではあるが、自分の中でイヤな人カテゴリーに入れる
だけでなく、なんとかもうちょっと関係が良くなっていかないかどうか、考えてみようと思ってます。
勿論、今後お客さんに対して失礼な事があるような時は、ちゃんと戦えなきゃな、とも思ってますが。

と、そんな嵐のような開店前のひとときを過ごし、ワクワクも過ぎ、ちょっと凹み気味でいると、
古本石英書房店主さんがお久しぶりに来店してくださった。
今度神保町で「ふるぽん秘境めぐり」というイベントをやるそうで、チラシを店内に貼っています。
興味のある方は是非お出かけしてみてください。

「こういうお店のカタチは理想だから」という言葉は今の自分には染みました。
最近のヒマっぷりも、今朝のプチ乱闘も、こういう一言でジワーッと溶けていくものです。
理想のカタチを目指して、これからも頑張ります。アクシデントにもめげずにワクワクで乗り切ろう。
ちゃんと反省もしつつ、ね。


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