2009年12月29日 火曜日
やっぱりお客さんと雄山荘の話題になりますね。
ちょうど梅の頃に行くかもって話を私からしていた人からは、
「相当落ち込んでるんじゃないかと思って。声が元気なので安心した」
と電話で励ましてくださったり。大丈夫、元気ですよ。

何も焼けてしまったからって、行かないわけではない。
今日もお客さんに「三島と一緒に日帰りコースにするのは厳しいですかね?」
なんて相談をしてみたばかり。

早朝に出て強行スケジュールにしないと難しいのではないか?という
そのお客さんによると、三島に行くのなら喫茶「ララ」だけでなく、
そのすぐ近くの有名な鰻屋「桜家」に行かないと。
若山牧水もお気に入りだったというその鰻屋さん、しかし食べようと思うと2時間はかかる、とのこと。
まずいつも人が並んでいるし、注文してからも時間がかかるので、ざっとみて2時間だと。
で、そこから太宰が疎開していたところはすぐだからそこも見て、となると
こりゃあ下曽我&三島コースはちょっと実現しそうにないような・・・

しかし雑学家というか、物知りなお客さんが最近多いな。
これまた次々と
「三島は鰻が有名なんです。三嶋大社の奉納品が鰻でね、
三島は水がいいから・・・もう少し足を延ばせるならブックオフと御殿場アウトレットも寄って」
てな具合に、色々と出てくる出てくる。後者2つは完全プラベの時にでも是非周りたい。
それに熱海と安田屋旅館の太宰執筆の部屋宿泊、も加えればもうパーフェクト!
今は夢のまた夢ですが・・・

そこで思い出した!「富嶽百景」に、三島の水の方が富士の湧き水よりもきれいだと書いている事を。

「道路に沿って清水が流れている。これは、岳麓の町の特徴らしく、
三島でも、こんな具合に、町じゅうを清水が、どんどん流れている。
富士の雪が溶けて流れて来るのだ、とその地方の人たちが、まじめに信じている。
吉田の水は、三島の水に較べると、水量も不足だし、汚い。水を眺めながら、私は、話した。」
太宰治 「富嶽百景」本文より抜粋

私の勝手なイメージで言うと、より富士に近い吉田の方が水は澄んでいる、まさに清水、
という気がしていたけど、違うのか。
これは太宰の主観なのか、何か裏づけがあるのか、ちょっと興味が沸いてきた。
それにしても思い出して何気なく読んでみたこの作品は、何度読んでも実に素晴らしい・・・

「ララ洋菓子店」というのは、そこのママ、尾崎千代子さんの事が好みで
太宰が当時その喫茶室に通ったお店。
先日、野平健一さんの本を読んでいたら、横浜で一緒に入った飲み屋でも太宰好みのママがいたようで
「あの女性に指を触れるまで僕はここを動かないよ」なんて事を言ったそうな。
先日、太宰談義した時にも同じような話題で盛り上がったのですが、
太宰は黙っていても女が寄ってくる、というイメージを世間に与えているけれど、
結構太宰から仕掛けてる。頑張ってアタックしてるよね(笑)って。
しかもちょっと粘り強いというか、打率が高いのは打席も多いから、みたいなかんじ?

私もそのクチだからすごくわかるんです。
カフェに入れば、まず好みの人がいないか見廻して傍に座ったりするし
(決してナンパしませんよ!太宰と違って。私の場合あくまで観賞用!)
マックやユニクロで列に並ぶとしたら、好みのタイプの店員さんのところに並ぶ。男子女子に限らずだけど。
この話をしたらあとの2人「それはないな〜」ってちょっと引いてましたが。
そういう性分なんだから仕方ないですよ。

でも太宰がすごいのは、自分のようなタイプの男が好きな人を嗅ぎ付ける匂いかな。
だから女性を広く浅く傷つけることはあまりなかったんじゃないかしら。
私?私はないですよ。打席多いしホームラン続き。ただしあくまで妄想の世界の中だけですから。

でも男の野平さんから見ても時に惚れぼれするような、そんな姿を魅せる男ですからね。
次に紹介する野平さんの文章から太宰の立ち姿を想像してみて下さい。
私はしばらく呆然として、浸りきってしまって、次のページに進むまで時間がかかりました。

「太宰さんは、進駐軍の乗降所の黄色いてすりによりかかって、外国人を長い間、じっと見ていた。
その後姿は、風景を完成して居り、私は、天賦の名優だと思った。
長身、猫背で、形のくずれた帽子、ダラリと下ったリュック、兵隊靴。私は胸に満ちるものがあった。」
新潮社発行「矢来町半世紀 」野平健一著より抜粋


そしてまたお客さんに助けられました。
三島に詳しいお客さんが、表の均一本コーナーから1冊本を持ってきて
「これは読みました?」と。手には池田書店発行 尾崎一雄作品集。
函入りの単行本ですが、かなりヤケているのと長く売れなかったので、
均一本コーナーにいってしまってた本。

「函から本を出すと月報があるでしょ、そこに『下曽我の景色 上林暁』」とありますよ。
尾崎一雄は下曽我ゆかりの人じゃないですか。まずお読みになってみてから売ればどうですか?」
はっとした。そうだ、尾崎さんだ、と思い見ていくと「梅の咲く村にて」という文字がパッと目に入り、
ページをめくってみる。「太宰治」「太田さん」という文字がたくさん飛び込んでくる。

あるんですよ、こういうこと。わかってる筈でも取りこぼしてしまう事。
お客さんがこの本を見つけ、救い上げてくださった。心から感謝します。
過去に一度は読んだ事があるのですが、下曽我に行くのなら再読した方が良いし、
古本屋なのにこんなふうにお客さんから逆にキャッチしたというのも不思議なかんじで、
何かヒントが潜んでる本なのかもしれないという気もする。
古本ってほんとに面白い。無限の可能性を秘めているな、と改めて思った
そんな2009年の締めくくりなのでありました。
今年も最初から最後までお客さんにいろんな事を教わりっぱなし。助けられっぱなし。

暮れ行く時間に浸っていたいのは山々なのですが、
久しぶりにこの年末年始は松山に行くのです。
まだこれっぽちも準備ができていないので、日記はここで終わり、帰宅しようと思います。
応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
2010年もどうぞフォスフォレッセンスをよろしくお願いいたします。
来年は5日より通常営業となります。
では、良いお年を!See You Again



2009年12月26日 土曜日
朝からニュースを見て声をあげてしまいました。
雄山荘が全焼?不審火の疑いあり?
未明の出来事らしく、朝刊にも何も載っていないし、
お店に来てからもネットをチェックする事くらいしかできなくて、
クリスマスの飾り付けを片付けながら、毎年26日ってこういう、
急に浮かれモードから現実モードに変わるよなあ・・・
黒田君の事も好きだからこっちのニュースも気になるな・・・
ってちょっと暗い顔になってしまったのだけど、
お客さんからお電話があり、このニュースについてもお話されて、
それから来店してくださって、話しているうちに少し落ち着いてきました。

そのお客さんは先日の講演会に参加されて、その事を知るきっかけとなったのは
当店の張り紙だったから、とても良かったよ、と感想を話していただいてホッとしました。
しばらくすると朗読の中村さんも娘さんと一緒に来てくださって、
開口一番にやはりこのニュースの話。

先日、冬の読書会のアウトドア編は梅の頃の下曽我で、なんて話も上がっていただけに、
とてもショックなのは皆同じなのだ、と一人で悶々としているよりは、
不安な思いを言い合って随分助かった。

もう燃えてしまったのは現実なのだから、今出来る事で何か考えよう、とか
もし放火なのだったら、その犯人が許せない、神奈川県で連続して起きている文化財の火事と
何か関係があるのか?とか、そういう怒りよりも、正直なところ、
何か、怖い気がしました。

太宰の物語って、決して終わっていない、過去の人ではない、
今を生きている人のようなかんじがして、それをなんだか怖く思ったのでした。
私はとんでもない人を好きになってしまったのかも、って。

でもお客さんに本当に助けられたかんじ。
中村さんの娘さんが本当に可愛くて、良い子で、ピアノの話なんかを3人で楽しくやって、
「トルコ行進曲」や「乙女の祈り」「英雄ポロネーズ」の出だしだけ上手く弾きたい、なんて
私がズルイ事を言い出すと、中村さんがノッってくださって、
オーバーアクションでピアノの空弾きをしていると、これまた通り行く人が表からクスッなんて
和む場面があって、3人で大笑いして。

そしたらなんだか前向きな気分に変わっていた。
まず第一に火事でもケガ人がいなくて良かった、
まだあのETVの放送がオンエアされた後で良かった、門は全壊していなくて良かった、
百日紅やけやきの木は少しは無事か?
そしてあの場所が「斜陽」の重要な場所であるのはゆるぎない事実。

そりゃ残念でなりません。太宰文学の鍵が今日壊されたのです。
生誕百年の最後の最後に。
記事やニュースも「太田静子さん」と名前が書かれてあったものはほんの少し。
大抵は「太宰の愛人の」あるいは「太宰が過ごした」のみ。

あの建物の中で2人が5日間過ごした時間(前にこれまた適当に1週間とか日記に書いたような記憶が・・
お詫びします)雄山荘が燃えてしまった事によって、
こうして現実のニュースに流れて、妙に自分の中でリアルに感じてきた。
それでまず「怖い」という気持ちになったのかもしれない。

太田治子さんの著書「明るい方へ」によると、ここで甘い時間を過ごした事もちゃんと書かれている。
「僕はパンを切るのが得意なんだ」と買ってきたパンを器用に切った太宰、
ここ、特に私の好きな描写なんです。
あの長い指でナイフを動かし、パンに視線を落とす太宰の横顔が目に浮かぶよう・・・
庭でされた会話とか、二階の窓から見える風景、それは文学としてしっかりと残っている。
治子さんが本にして残してくれた。

これから焼けた土地がどうなるのかわからないけど、復元されて記念館になるのか、
持ち主がそれもノーとするのか、未知な事ですが、
太宰がこの事実をどう感じたのか、私は本人に聞きたくてしょうがない。
今はそんな感情がとても強いです。
あまり頭が整理できていないですが、思うままに、日記に書き連ねてみました。



2009年12月24日 木曜日
以前に「フォスフォレッセンス」の論文を書いた人がお店に来てくださった事を書いた
と思うのですが、その方が新刊を発行されました。


虹と水平線 太宰文学における透視図法と色彩 大國眞希著 おうふう発行
「フォスフォレッセンス」についても収録されています。

お知り合いになったのは、以前にも書いたように野ばらちゃんの掲示板なのですが、
実際にお店で会えた時は感激したものです。
「フォスフォレッセンス」の論文ってそう多くなかったから、
初めてお会いした時に、こんな可愛らしい人が書いていたのだ、と
驚いたと同時に、本当に嬉しかったのです。

しかし太宰の周りは才色兼備の多いこと。これが現在進行形の話ですからね。
この方もそうなのですが、ちょっと一筋縄でない。ゴスロリ姿で講義されたりするんですよ。
実は私、大ファンなのであります。
本の方はじっくり読ませていただくつもりですが、閲覧本とさせていただきますので、
どうぞ手にとってみてください。

脚本家の方が、ご来店。
太宰にドップリとハマってしまったという若い男性とご一緒。
その方は、ご自分を太宰の生まれ変わりだと信じているという。
徳島の方なのですが、太宰は徳を積むために徳島で生まれ変わった、
という解釈だと教えてもらい、面白いと思いました。

実はこのお店が今8年目なのですが、「自分は太宰の生まれ変わりです」と言ってこられた
方は10名ほどいらっしゃいました。
私に言ってくれるのは嬉しく思いますよ。心の底から。
きっと誰にでも言える事ではないのでしょうし。
でも奇麗事なしでここはひとつ書かせていただくと、
私の直感では、そう言われた方々以外のお客さんで、おひとり「はっ」と思った人がいました。
真実は勿論、誰にもわかりません。

「はっ」と思った人は、入口からドアを開けてお顔が見えた瞬間に「もしや!」と思うくらいの
確かな感触がありました。「この人の顔、太宰に生き写しじゃん」って。
あとざわざわと胸騒ぎもするし。
でもその方は1分も滞在時間はなく、ちょっとぎこちないくらいに店内を少し見回しただけで
すぐに出て行かれました。
今は音楽の世界で活動されている方ですが、私の直感では、お店に来られた人の中限定で
「太宰の生まれ変わり」に一番近いかんじがするのはその方かな。
1分もない、目もほんの一瞬も合わせていない逢瀬でしたが、なんとなく忘れられないかんじです。

話戻りまして、どうして文学の映画は日本では興行的に成功するのが難しいのでしょうね、
などの話になる。本当にどうしてなのでしょうね・・・
実は松田優作が「オリンポスの果実」の映画化を強く望んでいて、自分も主演するつもりだった、
と知り、それは初耳で驚きました。もしその映画が実現していたとしたら、
歴史に残るような作品だったかもしれないと思うと残念でなりませんね。


映画「人間失格」は私は期待していますけどね。
予告も公式サイトで観れるようになりましたね。
いいと思います。生田葉ちゃん、実に色気があるじゃないですか。
このキスの場面の続きをどうしても見たくなる。これ、正直な感想。
「奥さん・・・」と言って下品にエロくならない、上品さがあるエロさ、
お見事なかんじです。
例の角川文庫表紙が全て生田君のやつも、実際見ましたけど、
いいですよ、全然これはアリでしょ、と私は感じました。
まだ公開まであと2ヶ月もあるけど、それまで色々と企画もありそうで、
太宰モードはまだまだ続きそうです。

クリスマスイブですね。
私は昨日最終日の太宰治の肖像展をじっくりと観れたし、
のだめの映画も観れたので、もう充分です。
目を閉じれば、半ズボンでもお洒落な太宰が浮かんだり、
時々指揮姿の千秋様が浮かんだり、
なんだかとっても幸せです〜。メリークリスマス。
良いクリスマスをお過ごし下さい。


2009年12月20日 日曜日
答えはまろやか ランランラン♪っていう文句のCMが昔あったような気がする・・・
今日は何年ぶりかにそのメロディーを口ずさむほど、「まろやか」がキーワードな1日でした。

筋金入りの太宰ファンの方が千葉から来てくださり、
これまた筋金入りのファンのお客さん(以下もの思う葦さん)もいらしてくださったので、
しばし3人でかなり濃い太宰談義を楽しく展開いたしました。

その女性、太宰マントを羽織って現れ、これまたとーってもよくお似合いで素敵だったのです。
おまけにもの思う葦さんも私もマントを着用させていただけたのです!
マントを着て太宰風ポーズを気取りながら写メ大会など盛り上がっていると、
通りを行く人から丸見えで、私たちを見てクスッっと微笑んでいかれたりして、
なんだかとってもまろやか〜なムードに包まれ、幸せな時間でした。

千葉のお客さんは高校生の時の国語の教科書に「富嶽百景」が載っていた事をきっかけに
太宰治に夢中になったそうです。
この方と会話をしていくとよくわかるのですが、太宰の事は本当によくご存知で、
太宰ゆかりの場所はどこでも行かれているのです。

小泊の小説「津軽」の像記念館は、きれいに改装される前の、周辺の竜神様の桜のあたりの道が
鬱蒼と茂っていた頃の方が、より小説「津軽」のシーンを想像する事ができて良かった、とか
古田さんが好き、と塩尻市の「古田晁記念館」まで行って本物の弔辞を見た、とか
他にも私がまだ行ってないところ、出来てないことも全部クリアされている。
負けた、ってかんじでした。
この女性には太宰マントを着て現代の三鷹を颯爽と歩く資格が存分にある、という気がした。
またコロコロとよく笑うんですよ、この方。本当に気持ちよい、素敵な笑い。

今日は芸術センターでの「太宰治の肖像」展を観てきた帰りに初めて寄ってくださったとのこと。
写真で一番印象に残ったのは?と質問すると、
例の園子さんの笑顔、と答えられて私と一緒だ!と思ったのですが、
「昭和23年 秋」と写真の下に書いてあったので、太宰が亡くなった後なのに
あんな笑顔をしていたのだな、と思うと・・・と言われて初めて自分の間違いに気が付いた。

先日日記に「おそらく家族が一番幸せだった頃の笑顔かな」なんて勝手に想像して
書いてしまったけど、違うじゃないの、と。
あちゃー、私ってホントにこういう早トチリというかツメが甘い事が多すぎる。
でも反省の気持ちよりも、そうだ、あの年の秋なんだ、と思うと胸に迫り来るものの方が大きかった。
これは必ずもう一度じっくりと写真展に行かねば、と決心もした。

もの思う葦さんが一番印象に残った写真は、うなぎ屋の前で太宰とお店の人と、
2人の編集者である野原一夫さんと野平健一さんが一緒にいたものらしいです。
この2人の編集者の事がお好きでいらっしゃるから頷ける。たしかに貴重な1枚ですね。
皆さんそれぞれいろんな思いを巡らせながら見ていたのでしょうね・・・

千葉のお客さんはこの日、10回くらい「牛乳」という言葉を繰り返しておられました。
治子さんの「明るい方へ」を読んで、静子は牛乳、のところがとても印象に残られたようで。
ちょっとここの部分、ハッキリ思い出せないので、再読して確認してみます。

こんなに太宰が好きでも、誰にも太宰の話なんか出来ないから、とも何度も繰り返されてた。
そして帰り際にはこんな会話を。
「今日は嬉しくってたくさんしゃべってしまいました」
「いつでもまたいらしてしゃべりまくって下さい」
「だばさんがどんな人かもうわかったし」
どんな人なのかと聞いてみると、その答は
「まろやかな牛乳の人でした」
とても気に入った。この表現。

マントの後姿は、とても三鷹の街に似合ってました。
しばらく見えなくなるまで、ドアの内側から見つめてしまうくらい、いいシルエットでした。
なんだか「フォスフォレセンス」の小説の余韻みたいなまろやかなものを
残してくださった。また是非来ていただきたいです。


2009年12月19日 土曜日
週刊モーニングの表紙イラストが島耕作のクリスマスヴァージョンになれば
今年も店内飾りつけをやる時期がきたな、と毎年思う。
そしてタイミングよく、この頃クリスマスの飾りを毎年送ってくださるお客さんが実はいらっしゃる。
私の中ではもうサンタさんのような存在ですね。
いつも本当にありがとうございます。

モーニングといえば、「シマシマ」のアロマエステと添い寝屋さんのオーナーのシオさん、
お店を大きくするのかな・・二束のわらじで頑張ってるので応援してるんです。
応援してるのは、勿論、彼女の恋の方も。
今後の展開が気になるところです・・・
   
本を読んでるサンタさんの右側が今年の新入りクンたち。     窓辺にはリースをキラキラと散りばめて・・

通りを行く人たちが見てくれる。思わず笑顔になる人も。
ガラス窓を拭いてる時に、前を通り過ぎたおじいちゃんが
「いつも目に楽しませてくれてありがとう。クリスマスの飾り、とてもいいね」
って言ってくださった時はかなり嬉しかったな〜

そんなに派手なかんじではないけれども、今年の飾りは自分でも特に気に入ってます。
このお店にとても似合うクリスマスの演出になった気がします。


石英書房さんが娘さんとご来店。
先日チラッっと日記に書きましたが、もう決定したという事でお知らせします。
田端で古本屋をオープンされるそうです。
ついに実店舗、ということで、色々とお話しましたが、
私の方がワクワクとテンショ上がってしまうんですよね。

田端駅南口付近とのことで、文士村も近く、またどちらかというと薄暗い方の出口の方
で周辺はとても静かだというのも、古本屋に限ってはマッチするような気がします。
これから準備期間に入られるというのは何度も言うけどなんとも羨ましい。
その最中にいると大変な事ばかりなんですけどね〜。
ブログでお店が出来上がっていく様子が見られそうで、とてもたのしみです。

本好きな娘さんがしっかりしてるのにいつも感心する。
「こんとあき」を読んだ事がない、というと娘に怒られまして・・・とお買い上げに。
私も大好きな絵本です。

また、最近古本喫茶を開く準備中の女性がいるとか、他にも古本屋さんがオープンしたとか、
ちょっとした新規開店ブームなのかも、という情報をお聞きしてとっても興味が沸きました。
いずれも中央線沿線ではなく、下町の方だったかな?
年に一度くらいは根津・千駄木散歩したいので、その時にもうちょっと足を延ばして
色々と訪れてみたいと思います。

散歩の達人の今月号が本屋さんの特集で、色々見ていると新しい本屋さんが出来ている
んですよねー。行ってみたいところがたくさん。
当店も少し紹介されています。「街自慢の本屋さん」のコーナーなんて
ちょっとおこがましいのですが、正直嬉しいですね。
良かったらチェックしてみてくださいね。


2009年12月18日 金曜日
祥伝社のムック、Feel Love に「森見登美彦 拝啓 太宰治さま」というコーナーがあり、
そこのカラー写真ページにうちのお店に佇む森見さんの1ショットが掲載されています。
とっても素敵な写真です。窓辺に樹のシルエットが浮かび、森見さんが店内で本を読んでいる姿を
外側から映しています。まさにモリミーin Phosphorescence。
他にも陸橋や玉川上水や禅林寺でのお姿があり、ファンは必見ですよ!
是非ご覧下さい。

この雑誌をチェックする為に三鷹駅付近の書店に行ったついでに
角川文庫の全太宰治作品の表紙が生田葉ちゃんverのニュースを思い出し、
文庫コーナーを探してみましたが、「人間失格」しかまだありませんでした。
この表紙は結構気に入ってます。背景のブルーが効果的で。
この顔写真の表紙にしてから10万部売れたというのは本当なのでしょうか?
だとしたらすごいですね、本が売れないこの時代に快挙なのではないかと。

先日取材を受けた本のある時間にて当店が紹介されています。
「ブック&カフェ、ときどきお酒」というコーナーの第2回 太宰を想うブックカフェ
として瀬戸理恵子さんが書いてくださっています。
ちなみに第1回は高円寺の「アール座 読書館
ここ、お客さんから聞いて知ったのですが、一度行ってみたいと思っていたのです。
中央線沿いって、こういうこだわりのお店がたくさんあるから好きなんですよね。

とても見易くて、情報が大量だけど整理されているきれいなサイトですね。
本好きには重宝しそうです。


2009年12月17日 木曜日
先日の講演会の報告にお客さんがご来店。
お客さんのブログ国分寺でだざいを読む会にて、講演会の楽屋でのショットや
報告を読むことができます。

この講演会のゲストの治子さんのサポートをやってみませんか?と中村おじさんから
提案をお受けして、願ってもないお話なのですが、その日はお店の営業日だったので、
お客さんを2名ほどご紹介させていただいたのです。
そこで朗読の中村さんと国分寺さんが既にこの講演会の出席を決めておられたので、
お願いした、という次第です。

ブログで報告は読めていたものの、実際に色々とお話をお聞きしたかったので、
今日はサシでたっぷりとお話できて良かったです。

当日は講演会の後、書籍販売サイン会が催されたのですが、
本は用意した50冊完売。
そのサイン会でお二人が色々と支度していただき、無事に終了する事が出来たようで、
私からも感謝申し上げます。

国分寺さんもこの1年色んな太宰イベントに参加され、これまたレポが早いので、
ほーーーーんとに更新のスピードがカメな私にとっては見習うべき存在です。
本当にいつも感謝です。

レポといえば、先日の大宮ツアーの方もTAMAさんがブログでアップされてますよ。
太宰が住んだ大宮 歴史的サプライズについても書かれています。是非お読みください。
この方のこの1年の進化ぶりは、すごい。まだ決して終わりではなさそうですよ。お楽しみに。

「出てるよ」と一言新聞屋さんが朝日新聞朝刊を1部持ってきてくださる。
「出てるよ」というのは決まって何か太宰関連の記事がある時の合言葉のようなものです。
朝日新聞読者の方、むさしの欄要チェックです。


リベンジ成功です!
林忠彦写真展、行ってきました。
先日の痛恨の門前払い(いや、私が悪いんですけどね)あと15分早く着てたら!ってやつを
繰り返さないように、今回は先にこちらに寄ってから行動する、という選択を取りました。

文士シリーズは勿論良いのですが、神島や小豆島の風景や、島の住民の写真がすごく良かった。
会場の椅子に置かれていた平凡社刊「林忠彦写真全集」がめちゃめちゃ欲しい。
とにかく分厚く、古書価格も調べてみたら高いのだけど、とても価値のある1冊だと思う。
今は文庫の「カストリ時代」をまずボロボロになるまで堪能しようかと。

そして、撮ってきました。お客さんにお聞きして、是非私も撮影したいな、と思っていた
ほぼ等身大のバー・ルパンでの太宰写真パネルとの記念撮影。

    
会場入り口にあります。               本当は私との2ショットを最初アップしていたのですが
                             どうにも恥ずかしくなったのと、こんなかんじのセッティング
                             ですよ、というのも貼りたかったので変えました。
                             本当は、のだめじゃないけど「初共演☆」というビラを
                             三鷹中にバラマキたかったくらいなんですけどね(笑)
                               

撮影コーナーがあって、特大太宰写真パネルの隣に椅子が設置されています。
その椅子に腰かけて撮影、といった具合です。
私は一人だったので、このコーナーでもじもじしていると、
すかさず受付の紳士が「撮影しましょうか?」と声をかけてくださったおかげで念願叶いました。
お一人で行かれる方も、せっかくですから是非ここで撮影してきて下さい。
この写真はあちこちで目にはしますが、ほぼ等身大、となるとこういう機会はなかなかないと思いますよ。
新宿歴史博物館の林忠彦写真展は19日まで!行きたい方はお急ぎ下さい。
図録は店内の閲覧コーナーにありますので、ご自由にご覧下さいね。

そしてまた、この四谷で、とある俳優さんが自転車に乗ってるところをお見かけしました。
私の中のオリジンル辞書にひとつ名文句が増えました。
「有名人に会いたくなったら四谷へ行け」

その後はプチ忘年会で久々にカラオケを。
最近はもっぱらひとカラだったので、一人で歌うにはあまりに淋し過ぎる
MINMIの「シャナナ☆」やマイケルの「I Just Can't Stop Loving You」などを。
そして念願の表参道のイルミネーションも見ちゃったもんねー



夢だったんですよ。関西在住だった私は、一度も表参道のイルミを見た事がなかったのです。
「29歳のクリスマス」世代なので、憧れていたんですよ。
このドラマは毎年この時期に再放送しますけど、飽きもせずに休みの日には必ず観てしまう。
リアル29歳付近で観てた時よりも、今のこの43歳で観る方が
「うんうん、わかるよ〜(涙」って思うことが多くて、ウルウルとくる。
ってもしかしたらこの時期日記に毎年書いてるのかもしれませんね。
けんちゃんってすごいんだろうな、きっと・・・とかも。

いやー、嬉しかった!すごく綺麗だった。
すごい人で、電車も混んでくる前に、とたった10分で帰ったのですが、
「私はもう帰るけど、みんなおおいにお金使ってね、不況ムードを吹っ飛ばして下さい」
みたいなつぶやきを誰とでもなくなげかけ、イルミ輝く通りを後にしました。

中野まで一緒に乗車してもらった友達と別れて、吉祥寺で下車。
ユニクロで690円のタートルを購入し、ちょっとブラブラして、ロンロンでパンを買って、
三鷹駅の駐輪場に今日はチャリを停めていたので、総武線で再度吉祥寺から帰ろうとすると、
どこかでお見かけした人・・・そう、先日来店くださった脚本家の方でした!
「あら、偶然ですね」なんて挨拶した後に、
「例の太宰映画の件ですが、田中英光役で誰か思いつきますか?」と質問される。
ここでサッとこの人はどうでしょう?と挙げられたら良かったのですが、全く思いつきませんでした。

しょっちゅう誰それがかっこいい、とかワーキャー言ってるくせに、こういう時にスッと出てこない
自分が情けなや・・・あとからゆっくり考えると、ああ、あの人いいかも、いや、あの人も、
なんて浮かぶのですが、即答って難しいですね。
「やはり太宰の事は好きな人がいいんだけど、誰か知ってますか?」と、それにも答えられなかった・・
頭真っ白です。

向井理らセクシーな着物男子 なんて検索して出た記事を発見し、この写真を見て
若手が望ましいのなら、体格的にもほど良い知的イケメンっぽさも、彼なかなかいいかもしれない、
なんてちょっと思ってみたのですが・・・
(BUNGO-日本文学公式サイト これ、結構私たのしみです。)

一緒にのだめに出てた福土誠治君もいけそうな気がしてきた。
あとは田中哲司さんとか田中圭君、袴田君はちょい細いか・・・
若手じゃない方がいいのなら、西島秀俊さんとか椎名キッペイさんとか? いきなり飛びすぎかな?
ついでに飛んでミュージシャン&スポーツマン枠から吉川晃司?ないかな〜
と妄想は果てしなく続くのであった・・・
「この人いいんじゃない?」とかご意見のある方、是非お聞かせくださいね。

偶然に駅でお会いしてこの質問、そんな時にすぐに答えられない自分・・・
その夜布団の中で自分をセメまくりましたよ。
いやー、太宰さん、あなたの隣に堂々と座れるまでの道のりは、まだまだですなあ


2009年12月14日 月曜日
W中村さんがご来店。
私の中ではこうお呼びしている。朗読の中村さんと、おやじ会の中村さん。
日記で何度か触れていた、先週金曜日に武蔵野公会堂で行われた講演会、
大盛況だったようで、その様子を報告に来てくださったのでした。

太田治子さんが特にエキサイトされていたご様子で、
本来は20分間の予定が大幅に30分オーバーし、結果50分講演されたようなのです。
それももうこれ以上はバツ、の指示が出て終了したとのことで、
太田さんの講演を聴きたかった人には嬉しいハプニングだったと思います。

冷たい雨にも関わらず、会場は300人満員。
やはり太宰の終焉の地に近いですから、観客の反応もとてもダイレクトに伝わってくるものが
あったのではないでしょうか。そこで治子さんは、その反応を受け止め、嬉しく思ってくださって、
オーバーしてまで語ってくださったのはないかな?あくまで想像ですが。

先日放送された「ETV」での穏やかなお話ぶりとは全く違って、迫力のある話し振りだったそうです。
書籍「明るい方へ」でも太宰の悪口は書かれていますが、「ETV」ではそこは結構カットされたのでは
ないでしょうか(これも想像です・・・講演の原稿にはそんなニュアンスで語られている文章有)
特にテレビカメラも入っていないし、言いたい事を自由に語られたような気がする。

「そんな事があっても小森さんはさすが、全然動じなかった」と中村おじさんが言われてましたが、
事前に小森さんから太田さんに「好きなだけ語ってよ」なんて打ち合わせがあったかもしれませんね。

その講演のテープおこしを中村さん(以下中村おじさん)がしてくださって、
ワープロで作成もささっとされて(すごく仕事が早い!見習わなくては・・・)1部あります。
閲覧コーナーにありますので、ご自由にお読みください。
こちらを読ませていただくと、悪口はおおいに言っているのだけど、随所随所で
「でも好きですが」と出てくる。これは、実際に生で聴きたかった・・・

雨の中講演に行かれた方は、貴重な時間をお過ごしになられたのではないか、と思います。
実際私は出向いたわけではなく、人づての感想とこの原稿を読んだだけなので
本当にあくまで想像なのですが、あのおとなしそうな治子さんが、予定を大胆に30分
オーバーするような激しさを披露したんだなんて・・・
この眼で、この耳で体感したかったですね。

朗読の中村さんは最近本当によく来店くださって、その度に驚く事がどんどん増える。
つい先日は朗読会の様子が掲載されている「東奥日報」の記事を見せてくださったのですが、
カラー写真でとっても美しい。控え室でニッコリ、ではなくて、朗読中の表情というのが
実に良かった。こんないい表情で朗読しているんだ、と知れるのはきっと嬉しい事だと思う。

また、ここで気になった本を買うと、なにかしらその本からご縁が生まれるという不思議な事も。
「ここに来ると何か導きのある本と出会う」と素敵な表現をされていました。
例えば井伏鱒二の「荻窪風土記」を購入したら、その中にお知り合いの方の名前が出てきたとか。
もしかしたら生前の太宰を知る人とお話ができるかもしれないそうですよ。
続報がたのしみです。


2009年12月12日 土曜日
山形県からお越しというお客さんがご来店。
知人に太宰に関係のある人がいた、という事をきっかけに
井上ひさし氏の演劇「人間合格」を観て感動し、
太宰に関する事を追いかけるようになっていかれたそうです。

とてもお話のお上手なご婦人で、お聞きするにつれ、ぐんぐんと引き込まれていき、
「それでそれで?」とついつい前のめりになってしまう。
太宰の事を追いかけていくうちに、小山初代さんにとても惹かれていくようになり、
彼女についても調べていく事に・・・

生誕百年で津軽は太宰治がおおいに盛り上がっている、なのに初代さんのお墓が
どこにあるのかという質問に答えてくれる人がなかった。
自分で調べるしかない、と弘前の文学館で問い合わせた時に初めてわかり、その寺へでかけた。

ひっそりと無縁仏になっていたという。
聞いていて胸が痛んだ。たしかに、こんなに太宰で盛り上がって、
初代さんのお墓がどこにあるのか、そこまで思い浮かばなかった。
後で「清安寺」という弘前市にあるお寺だとネットで出てきたので、
弘前に行くことがあれば絶対行こうと心に決める。
しかしその話題をふられて初めてハッと気づくとは、私の想像力ってなんて浅い、と
悲しくもなったけど、今日来てこの話を私にしてくださったお客さんにまず感謝する方が先だ。

マルクスの勉強会に参加されていた初代さん、着物を売ったり、引越しを繰り返したり、
1942年に再び井伏宅を訪れたその心中はいかに?
初期の太宰のかたわらに居た人にしては私はまだ知らない事が多すぎる。
お客さんの話を聞いて、その声を通して、けなげな姿が浮かんでくるようでした。

気になって色々と検索してみると、多くはないけれど、ヒットする。
やはり存在するのですよね、私などが三鷹でお店をオープンするずっと前から、
地道に調査したり取材したりして記録を残しているお方が。

今はクリック一発ですぐに明らかになる事実が多いけれども、その事実にたどり着くまで
長い時間と情熱を掛けて手がかりを後に残してくれた人たちの事を、本当に尊敬します。
このお店も、何かを残せるようになる為に、大切な時間を過ごしていきたいと思っています。

そういえばつい先日、お客さんから今の青森市と昔の浜町通りの地図のコピーの資料を
いただいていたところでした。初代さんが住み込みしていた玉屋が載っている。
今井たばこや、そのそばにあったおもだか、
現在の地図でいくと県立郷土館の付近。コピーの下に
「太宰治と青森のまち」北の会編 北の街社刊 とあります。この本に少し手がかりがあるの
かもしれませんね。今度図書館に行ったら探してみます。


2009年12月11日 金曜日
お店のガラス窓越しに制服姿の女子高生が通りがかり
いきなり「キャーーー!!」と悲鳴を上げたので、な、なにごと?と様子を伺うと、
なんのことはない、入口の生田さんの葉ちゃんポスターに反応したからだったのでした。
見事にこれぞ「THE JKの悲鳴」といったかんじで、なんか映画のシーンを見てるようでした。
あんな声はおばさんにはもう出せません。リアル女生徒が眩しかった。

当店では近年中に公開された映画のパンフレットがいくつか入荷しました。
西の魔女が死んだ、純喫茶磯辺、歩いても歩いても、
中でも「歩いても 歩いても」のパンフは写真集のよう。この映画の光の使い方、私は好きですね。
この中の邦画は全てレンタルで鑑賞したのですが、どれも良かった。
仲里依紗ちゃんって、なんてふてくされた表情が可愛いんだろう!と発見したのは
「純喫茶磯辺」でした。この麻生久美子さんも素敵でした。
いつかドッキリであの派手なピンク色の制服姿で「いらっしゃいませ」してみようかしら(笑)ウソウソ。

あんなかんじの、シャノアール風な喫茶店って私はすごく落ち着いて好きなんです。
実はおしゃれなカフェにはほとんど入らない。
ま、あんな綺麗なお姉さんがきわどい制服着てる店なら、話のタネに一度は行ってみようか、
って思うかもしれないけど。

あとは何か無料でもらえるキャンペーンとかやってたら、入っちゃいますね。
今ならドトールの、ミラノサンドを注文すればチェブラーシカグッズをもれなくプレゼント、ってやつ。
一度ファイル目的でミラノサンドとコーヒーを注文したんです。
当然getできると思ってました。「もれなく」って書いてあるから。
そしたら「申し訳ございませんが、当店では品切れてしまいまして」ガックシ、でした。
まあミラノサンド好きな方だからいいけど、そうなるとどーしても欲しくなるのが人の心理。

でもやめました。思いとどまりました。
もしあのチェブラーシカのファイルが390円で売っていても見向きもしないでしょ?と
もう一人の私がストップをかけてくれた。
三鷹、吉祥寺、調布、とドトールめぐりをするのもネタとして散歩のついでに楽しめるなら
いいけど、必死の形相で探し続けるのはクールでなくね?と。
結局探しはしませんでしたが、ちょっとマーケティングの勉強にはなったかな。
でもいるんだろうな〜、好きな女性の為に探してあげた男性が。
とてもけなげで全然チェブラーシカより可愛いじゃん、って思ってしまいますよ。

「無料」で思い出したけど、最近デパートが好きな私は、デパ地下巡りをスルーしてるじゃない!
とデパ地下1周を楽しみました。何度か試食をして、威勢の良い売り場のにーちゃんの掛け声に
気合をもらったり、会話をしたりしたのですが、結局買っちゃうのですよね。
会話をしてしまったら最後。すごくサイフを取り出させるのが上手いんですもの。
「ただ」ほどこわいものはないよなー、とつくづく感じる今日このごろでありました。


2009年12月8日 火曜日
一昨日は6日に開催された朗読会を「行って来ました!」とさっそく報告に来てくださったお客さんが。
デジカメのスライドでその様子と、大宮ツアーの時のものも見せていただき、大満足。

昨日はそのツアーの発起人、TAMAさんが来店してくださって、いろんな報告やらお土産やら
でまたまた大満足。私もしばし大宮ツアーの感慨に浸る事が出来ました。
惜しくも参加できなかった方も一緒になって、しばらくは太宰談義タイムでしたね。

例の入り口の失格ポスター、この男性陣お二方には、ちょっと手放しで良い!とは言えない
ようでした。「セピア色にした方が良かったと思う」とのご意見には、
ああ、白黒かセピアもすごくいいかも、とちょっと納得がいく。
でも赤もやっぱり良いのですよね。しばらくいろんな方の反応を楽しみにしていようと思います。

「昨日の某新聞で太宰の悪口を誰かさんがさんざん書いてましたよ」とご丁寧に教えてくださる
お客さんがいらっしゃったので、今度の休みに図書館に行ってコピーしようかと思ってます。
太宰の悪口を言う人がずっといなくならないというのは、良い事とも捕らえられるかもしれない。
・・・と、まずは内容を読んでみなくてはね。

と思っていたら、今日は朝日新聞の夕刊に太宰がらみの記事が。
これは読んでいてかなりジーンときた。
どちらも見逃した方、週の終わりまでには太宰関連記事はスクラップブックに貼りますから、
興味のある方はお読みくださいね。


2009年12月6日 日曜日
とても霊感が働く事があった。
先日、四谷である作家さんとすれ違った、とちょろっと書きましたが、
その後、別のある女性の事を思い出していたんです。

「道で作家さんに会ったんです!」とその話をこのお店でしてくれたのは何年前だったか・・・
彼女の嬉しそうな表情が昨日の事のように思い出せた。
結婚を機に環境が変わり、2年ほど会ってなかったのでどうしてるのかな・・・としばらく考えていた。

そしたらその彼女が今日、約二年ぶりに来店したのです!
ビックリして「久しぶり、元気だった?」の次の言葉が
「あの作家さんと会ったのってどこ?」 いきなりのそんな質問に彼女も驚いたようでしたが
「四谷ですよ」
点と線が繋がったかんじに、ゾクゾクっとした。

じゃあほぼ間違いない。京都の書店でのサイン会に胸をときめかせて並んで以来、
会えたのはきっと間違いなく彼女が会ったいつかの彼と同一人物。
そしてこの波動は広がりは、彼女を2年ぶりにここまで来させてくれた。
なんかすごいような、ごく普通の偶然のような・・・

とにかく久しぶりに会えて嬉しくて、いろんな話をした。
宮本輝の「錦繍 」を初めて読んでみる、とお買い上げに。
まだ10代の時から知っている彼女。
とても素敵な女性に仕上がった。美しい人。
結婚して大人になってから「錦繍 」を読めるなんて、なんだか羨ましい。
初めて読んだ時の感動は、忘れられないけど、もっと色々経験してから読みたかったかな。

本の関係のお知り合い、名古屋の大橋さんが久しぶりにご来店。
そしてこちらも前回の来店時から色々と状況が変わっていて、まずそのご報告をお聞きする。
本の面白そうなイベントがあると聞くと、広島や信州まで飛んでいくフットワークの軽さ、脱帽です。
本だけに限らずにフリーペーパー等、いろんな事やられています。
社会を面白くする、という事をテーマに会社を創っちゃったみたいですよ。
「遊創」というフリーペーパーをお店に置いていってくださったので、興味のある方はお取り下さいね。

やっぱり年単位の間隔で来店すると、状況が変わってる事が多いですね。
私も来年あたりチェーンジですかね。
変わりすぎないかんじで変わらなきゃ、を目標に、さまざまな人から影響を受けながら
良くなっていけるように頑張りますとも!


2009年12月5日 土曜日
最近セブンの唐揚げにハマっています。
今まであまり唐揚げって好き好んで食す方じゃなかったんだけど、
1個36円の安さに試してみたら、うまい!!安い!!で大ブーム。
1個だけでは、物足りなくて食べたりないかんじが結構ツライ。
2,3個でちょうどいいかんじ。
とっても飽きっぽい私ですが、とりあえず今は karaageageな日々を過ごしております。

雨なので土曜日なのにとってもヒマ
でも話したいお客さんとサシで心おきなく話せた。

建築に詳しいお客さんで、先日行った新国立美術館の設計について話をふってみると、
もうめちゃめちゃ詳しくて、ある種の感動さえ覚えた。
設計の事だけでなく、歴史にもどんどん繋げて説明してくださる。
226事件の舞台になった場所らしい。
私は歴史とか科学とか数学はまったくもって知識ゼロなので申し訳なかったけど、
文学にまで繋げてくださる。これは理解できた。
三島由紀夫の「春の雪」で聡子さんが住んでいたのがあのあたりだそうで。

膨大な知識があったら、どこへ行くのももっと知的好奇心がざわめいて
面白いだろうなーと思った。
23区内はお洒落すぎて・・・とか逃げてないで、せっかくの若い頃の自分の憧れの地に
移り住めたのだから「東京」をもっと勉強したらどうかと。

知識があるのは宝だよな・・・
寝る前までひつこく繰り返し考えたのだった。


2009年12月4日 金曜日 
以前に太宰作品の舞台を手がけられた脚本家の方が来店された。
もしかしたら来年、新たに太宰作品の映画が生まれるかも?なんて話も。
「太宰に関わった人物の中でもかなり重要な田辺あつみと田中英光について
しっかりと描かれているものがないのがとても残念なので、創るかも」と、
そこからしばらくその2人の話題に。

あつみは「シメ子」が本名だけど、これ以上子供はいらないから最後という意味でシメ子
という意味を嫌って子供の頃から「あつみ」と名乗っていた。
そのあたりの境遇も少し太宰と似ている。

田中英光については、先日お客さんから太宰が英光に送った色紙を贈られ、
飾って間もないので、なんだか不思議な引力を感じました。
精悍でいい男で、作品だって多く残しているけれど、評価がついてきてないような・・・
もっと評価が上がってもいい人なのではないか、と言われていました。

息子の田中 光二著「オリンポスの黄昏」がお店にあった事に大変感激され、お買い上げになられた。
この本はSF作家の田中光二の私小説で、父との葛藤を描いているもの。
太宰好きな方から譲っていただいた本なので、大切に読んでくれそうな人の手に渡り、私も嬉しい。

街ログ 三鷹特集が企画されるということで、取材がありました。
取材に来られた方から、
「HPのお店が出来るまで、というところを読んで、なんだか勇気をもらいました」という
嬉しいお言葉をいただく。直球で言われると気持ちいいものですね。
来月頃にアップされるようです。


2009年12月3日 木曜日
良い日もあれば、何をやってもうまくいかない日もある。
だから日々は面白いんだとわかったのは実は43歳になってから。
夏ごろに似たような事を書いたと思う。
悪い予感や状況にワクワクする、というやつ。

多分私に決定的に足りないのは、「悔しい!」っていう感情なのだと思う。
あと生まれつきの負け癖。「絶対勝つぞ!」っていう感情を全く刷り込まれていない人間。
段々わかってきたわ、こんなに大人になってから気が付くなんて遅すぎるよね〜

ちょっとしたランチ会があって、いつもは混んだ電車に乗れないから、という理由で
欠席するのだけど、12月で今年最後でランチで昼間だったので、参加した。
お客さんの個展と、林忠彦写真展にも行きたかったので、おでかけDAYにする事にした。

私は今名刺を切らしている。しかも5年くらい切らしっぱなしだ。
印刷してもらいにいかないといけないのだけど、その印刷代を節約している。
これは間違った選択だと自分でよくわかっている。
身に着けているもので高級ブランド品などひとつもない。
5年前にバーゲンで買ったコートを今年も着ている。

様々な職業の人が集う時、当然名刺交換、歓談、となる。
名刺がないと壁の花決定。雑誌ではよく見るブランドもののバッグ、
多摩の居心地の良さにぬるぬるしていると、23区内に行くと
時々時間の速度が違うのではないかと真剣に考えてしまう。
時を刻む時計も私は持たない。ロレックスとかカルティエとか、私は5000円位のものとの
見分けが恥ずかしいけどつかないんですよね・・
これも良くない傾向だとは認めますけど。
オメガでもボンドウォッチ、本格ゼンマイ時計なんかは興味あるから中途半端なんですけどね。

それでも胸を張っていたらいいのに。
どうも気が小さくていけない。「悔しい」ってこんなかんじ?って思った。
太宰の「善蔵を思ふ」がひたすら胸を離れなかった。

でも結果面白かったんですよね、違う世界を見るのが。
時々自分に刺激を与えれば良い。もっと悔しい思いしたらいいよ。
きっと今の自分に必要のある感情だったのだろう。

  
ミッドタウンのサンタツリー、きれいだった〜    デコレーションケーキのようなモビール、これかなり好み。
ミッドタウン、夜はスターライトガーデンのイルミがめちゃくちゃ綺麗らしいです。

悔しい時に見上げるために都会のビルは高いのでしょう。

林忠彦展を観る為に四谷に行って、ちゃんと道順とか調べてから来れば良かったのに、
適当に歩いてしまい、かなり歩く事に。
新宿歴史博物館に到着したら「本日は入館しめきりました」ガックシ、
ここまでやっとたどり着いたのに・・・でも自分が悪いです。閉館時間と入館時間を
しっかりと見てこなかったのが悪い。いやー、人間学ばんなあ・・・こういうミス過去に何度かやってるし。

そしてお客さんの個展にも当然間に合わず、後半の予定はグダグダになってしまった。
おまけに夕方までしか電車に乗らない私にはちょっとした冒険だったし、ハードな休日となりました。

でも調子がいまいちな日があり、絶好調な日もある。それが自然。
なんか全部受け止められた。
それに四谷で作家さんにすれ違ったんですよねー、その話はまた後日にでも。

帰り道、今日は絶対玉川上水コースじゃなくて、百日紅コース、と決めて
百日紅に触れに行った。
「落ち込んでる時に触りに行くんですよ」っていうお客さんの顔が浮かぶ。
私も今、まさに触ってますよーって。

落ち込んでも慰めてもらうアイテムを自分の中で確保してるってのはいいかもしれない。
日々過ごしていたら傷付く事、落ち込む事に出くわすのは当たり前の事なのだから、
そこでどう消化できるか、ですね。
そういう意味では本当に太宰さんには助けられていますよ、ホント感謝です。
帰ったら「善蔵」読み返そうかと思ってたけど、グータン見てすぐ寝よう、くらい疲れてて、
そしたら今日グータンがやってない!寝る前までにこけっぱなしの一日でかえって
笑いが止まらずに眠りにつきましたわ。


2009年12月1日 火曜日
師走のスタート。
12月1日って、いきなり街中のBGMがクリスマスソングにチェンジするんですよね〜。
このかんじは嫌いじゃない。むしろ大好き。

12月最初のお客さんは中村さん。
まだ新聞を読む前だったのですが、朝日新聞朝刊に「聴く太宰と芥川」という記事で
大きく取り上げられているではありませんか!
先日朗読をしてくださった鈴木さんもご一緒に。
「津軽弁アリ」というアピールもバッチシです。
朗読会でみなさんが涙したのは、やはり「津軽」のたけの声。
青森出身でネイティブである中村さんの津軽弁は、標準語の世界では出せない
音感なんですよね。「雀こ」もしかりでしょうね。

明日は中村さんと原さんの朗読会。聴ける方はラッキーですよね。
前日である今日、お二人ともお会いできたので、私もちょっとラッキーかな。

そしてドアのポスターの貼り替えもしました。
じゃじゃーん!前の「ヴィヨンの妻」よりもひとまわり大きなサイズです。


映画「人間失格」のポスターが到着しましたので貼らせていただきました。
生田さん、なかなかやるじゃないですか。これは「アリ」だと思いますよ。
赤が似合う男っていいですよね。

この大きさならここしかない、ということで大変長らくお世話になった「ヴィヨンの妻」の
ポスターに一礼し、今日から新しくこれでいきます。

「シカークのポスターついにキタであるよ」
などとわけのわからない独り言を言いながら孤独な貼り替え作業を行いました。

チラシも今ならたくさんあります。フリーコーナーに置いてありますので、
どうぞお持ち帰り下さいね。
しかしこれ、目立ちます。
(画像貼るのダメよ、とお達しがあった際には削除しますので、お店や書店等で実際に見て下さい)

今こうしてPCに向かっていても、ふと顔を上げると、この眼で見つめられているわけですよ。
さー、12月は仕事が捗りそうだ(ホントかな!

そわそわしていると、常連のお客さんが月の写真集を購入される。
夕方前に白っぽい幻想的な満月が浮かんでいて心震えたので
「今日の月はとてもきれいですよ」と話しかけると
私が夢に出てきてこの本を薦めたのだと教えてくれる。

それで私に「月がきれい」だなんて話しかけられたものだから、
夢と現実が繋がっているような気がして驚かれたご様子。
「ちょうどこの中に美しいブルームーンがあって、今日の夕方の月に似てますよ」
とも教えてくれた。

私がお客さんの夢に出てきたなんてとても感激。
しかも写真集を薦めているなんて、お客さんの夢の中の私はなんて商売上手。
見習わなきゃ(笑)
しかしなんてphosphorescence的な出来事なんでしょう。
今夜は私もいい夢を見れそうです。


2009年11月29日 日曜日
28日は例の太宰が住んだ大宮 晩秋のツアーの日でした。
ブログで様子が伺えると思います。私も行きたかった〜!

何度か来て下さっているお客さんと2人きりだったのでゆっくりと話せた。
都内で古本屋さんを開業するかもしれない、と驚きの報告!
「背中を押してもらえたら、と来てみました」と。
まだハッキリ決まったわけではないということで、詳細は差し控えますが
話を聞いているととてもいいかんじで、私の方が興奮してしまう。
押します、押します、とダンスのフリのような手を前に出す動きを何度もしてしまうくらい。

「準備期間の楽しさというのは1回しか味わえないので、おおいに楽しんでください」
と、これはいつも言うのですが、本当に楽しかったんですよ。
いや、でもお帰りになられる頃には私の方がワクワクしすぎてしまい、ちょい反省モード。
でも応援していますよ。
決定した時はこちらでもお知らせさせていただきますね。

古本屋といえば、雑誌「一個人」今月号の太宰の表紙はインパクトありますよね〜


太宰治特集も組まれていますよ。

そしてその16P17Pにてなんとうちのお店と太宰が世紀を超えてコラボしているじゃありませんか!


右の16Pが当店のお店の太宰コーナーの写真、
左の17Pには当時の三鷹の本屋で立ち読みする太宰の写真。

なんだかパッと見つながっていて、うちのお店に太宰がタイムスリップしてきたみたいに
見えるのはやはり私だけでしょうか?

これはかなり嬉しかったです。感涙ものです。
書店に行ったら「一個人」探してみてください。文芸雑誌コーナーにあるのが一般的かな?
私の近所にはなぜかコンビニにもこの雑誌が置いてあって、とても異彩を放っている。
是非チェックしてみてくださいね。


2009年11月28日 土曜日
千葉からいらしたというお客さんから素敵な贈り物をいただく。
太宰が田中英光に贈った色紙。文学館で販売していたものかな?そんな印が後ろにある。
「これはもうお持ちになってますか?」と紫色の「太宰治書」という色紙を差し出された。
初めて見るものでした。昔大切な人からもらったものだけど、
良かったらこちらのお店に、と言われ、そんな大切なものをいただいても
良いのかな?と驚きましたが、このお店にもらってほしい、と思ってくださったお気持ち、
ありがたく受け止めさせていただいた。
店内に色紙が増えてきた。先日もお客さんから太宰の遺言状の色紙をいただき、飾っている。

そしてマイケル・ジャスクソンのポストカードもいただいた!
「お店のホームページを読んでいると、なんて私と好きなものが似ている人がいるんだろう」と
そう感じて今日はやってきてくださったらしいのです。
嬉しいですよね〜。まさに今ハートがすごくマイケルに浸っているので、
スモークの中、爪先立ちのマイケルの写真には感激した。
まさにキレキレな1ショットってかんじです。
好きなショットも似てる。いるんですよねー、感性が似ている人。
思えば澤田さんも堀江さんも私と感性が似ている。
他たくさんのそんなお客さんたち。そういう人たちによって、この店は支えられている。

しばしウルウルしていると、隣の席のお客さんが
「ちょっと見せて」とポストカードを見に立ち上がれる。
「僕もTHIS IS IT観たよ」としばしマイケル映画談話で盛り上がる。
本当は新宿バルト9で観たかったけど、ソールドアウトでね、なんて話から、
村上春樹の「1Q84」の冒頭シーンでマイケルのビリー・ジーンが登場する話まで。

先週の金曜日の映画館のフィーバーぶりはすごかったらしいですね。
次々と追加上映が決定し、朝の3時とか朝5時開始の回があったりとか。
突然に働かなければならなかった映画館スタッフもたくさんいたでしょうね。
本当にお疲れ様です。

良い話もいくつか耳にしました。
オールスタンディングにした劇場とか、アンコールを企画した劇場とか。
映画館にこんなにたくさんの人が足を運んでいる!というのは、久しぶりの光景だったろうから
ハードでもとてもはりきったスタッフもいるでしょう。そんなニュースが発信されたらいいのに。

週末だったから、意外とテレビやメディアでこの事取り上げられなかったようですね。
私が知らないだけかな?すごく面白い話題なのにもったいないな、って思ってました。
「映画館でライブを観る事の良さ」を身を持って体験した人が続出だったと思うので
それが一番だから良いかな。

私は最終日は我慢したのですが、やっぱりあれから念願の二回目、鑑賞してきました。
二回目はYAWAなBKにも免疫が出来たおかげか、最後まで全然余裕。
だから二回目の方がなにもかも上回ってエキサイトしました。自然に涙流れたし、終始HAPPY。

オープニングでミラーの壁をジェットコースターのように突進していき、
「THIS IS IT」「人類至上最高の集会へようこそ」と字幕が出る時、マイケル登場シーン、
もうゾクゾクする。構成が素晴らしく良い。まさに一流の仕事です。
前に日記で「月が澄んだよう」とかいい加減な事書いてしまいましたが正しくは
「月光に浸るかんじ」でした。あれから雲に霞む月を見ると、マイケルの事思い出すんですよね〜


お店にマイケル本は今2冊ありますよ。欲しい方は是非。
右にあるのがいただいたポストカード。かーっくいい!レジの右の柱に貼らせていただきました。
やっぱりマイケルだったらボルサリーノかな、って一緒に撮影。

私が2回目行ったのは新宿ミラノなのですが、満席でした。
久々の昼間の満席にスタッフさんはいきいきと働いているように思いましたよ。
満席なりかけの時に入館してきたおじいちゃんには横について席案内してた。いいものを見た。
私の周辺にはおじいちゃん、年配の方、多し。
世代を問わずいろんな人が来てましたね。夢のような時間をありがとう、と言いたい。

鑑賞後、新宿の平日の昼間の百貨店の人の入りはどうなのか確認したい、ってのと
この時期私がよくデパート行くのは大好物の栗きんとんのせい、ってのもあって
寄り道したのですが、さすがに人いっぱいでした。

化粧品売り場カウンター付近で口紅見てたら「お伺いいたしましょうか?」とイケメンBAさんが!
とってもお試ししてもらいたかったのですが、これ以上紅筆1本さえ買う余裕はなかったので
痛恨の思いで「大丈夫です」と笑顔で答える。
今度来よう、口紅1本2000円位?春の新色シーズンの頃ここに来て是非やってもらおう。
その日の為にしばらく頑張ろう!
この話を人にすると、ロスの化粧品売り場は大抵店員はイケメン男性で、女性は嬉しいのと
断りにくいのとで散財する、とのお答えが。ああ、その光景すごく具体的に想像できますわ。

栗きんとんを4回くらい我慢したらリップグロスくらいは余裕で買えるのに〜、
って事にふと気がついた。
でも栗きんとんを食べないと秋が始まらない終わらない。
そしてまた一気に1箱全部食べてしまうのであった・・・
私、栗きんとんとマカデミアナッツチョコは少しづつ、って事ができないの。
好きすぎて、美味しすぎて、一度に10個とか食べてしまうのです・・・相当ヤバイかな
こんなとこもソックリ!!って人いますか?いたらすごく心強いです♪

私が栗きんとんむさぼり食べてる間にも時は過ぎ、秋は冬となり・・・

半年ぶりくらいに来店されたお客さんとしばし世間話を。
この間で仕事をひとつ完成させ、何か好きなゲームランキング何々部門で1位になったとか。
作家さんで、かれこれ5年前くらいにうちの店が舞台の同人誌を書いてくださった方です。
ちょっと内容が過激すぎるので自由に見れるコーナーには置いていないのですが、
私は大満足だし、その世界ではとても好評だったようですよ。

すごい・・・自分が生み出したものが世に評価され、ランキング1位になるなんて・・・
やはり時間が同等に過ぎる中、何かをやり遂げて来店される方もいるわけで。
私も頑張らないとな、とおおいに刺激になったわけです。
充実した土曜日だった。皆さんに感謝。


2009年11月27日 金曜日
私の事をずっと応援してくださっている堀江さんご夫妻が来店。
しばらく他にお客さんが来られなかった事もあり、かなりじっくりとお話できた。
以前に小野小町のビデオを日記にアップさせていただいたそのお方、と言えば
おわかりの方もあるかと思います。

その他のビデオをいくつか見せていただく事もできたのですよ。
白神山地ブナのビデオ、遠野物語河童伝説のビデオ、しゃこちゃんのビデオ、
どれもとっても良かった。
やっぱり私と好みのツボが合うのですよ。だから本当に興味がある事なので
もっと見たかったくらいです。

しゃこちゃんというのは青函博のマスコットキャラクターで、
木造町の亀ヶ岡遺跡から出土した遮光器土偶のキャラクター名です。
木造駅に合築された大きなしゃこちゃん。
この駅は時間待ちで利用した事があるのですが、その時に駅しゃこちゃんを見たら
絶対印象に残ってる筈なのに、特に記憶にない。
まだ出来てなかったのか、夜で暗くてわからなかったのか・・・
列車の発着時に目が点滅するとのことで、うちの夫はそういうキャラ好きだから
覚えてないか聞いてみます。クールそうに見えてひこにゃんとか大好きな人なんですよ。

川端康成の「伊豆の踊り子」の舞台のビデオもあるということで、
是非今度見せてください!とお願いしました。
提灯の灯りでトンネルを歩くお祭り、伊豆の踊り子祭り、だったかな?
その模様だそうで、こちらも私が行きたいところ。
川端康成や太宰が宿泊した部屋にご夫妻も宿泊されたそうですよ。羨ましい限りです。
湯ヶ島温泉、その部屋にはまだ宿泊できなくとも、是非足を延ばしてみたいです。
そのトンネルも、「雪国」のトンネルでさえ、私はまだくぐってないんですよ。
人生まだまだこれから、って気がします。

穏やかさがお顔に現れているお二人は人生の大先輩。
応援してくださってる事がどんなに心強いか。
また色々な事を教えていただきたいです。
今日も例の私をドキュメントしてくださるというビデオの一部を少し撮影しました。
撮影期間は長期になるのかな?それも面白いかもしれません。
出来上がって見れるその日まで、頑張らなくちゃ〜。頑張れる気がします。

原さんのラジオをお聴きになって、彼女の手紙のところは涙がこぼれてしまったよ、
とも言われてました。営業日記を読まなければ全く知らなかった事。
ラジオ聴けて良かったよ、とも。

その澤田さんから香川のおうどんや、奥様手作りの贈り物が届きました。
あまりに豪華なので良いのかしら?とも思いましたがありがたく使わせていただきます。
奥様からのお手紙も一緒に大切にします。


こんな可愛い表情のトラ。見てるだけで心が和んでくる。
まずは道行く人に見てもらおう、と窓辺に飾りました。
来年は可愛く、強く、愛嬌を忘れずに、駆け抜けていきたい。お店のお守りになりそうですね。




2009年11月26日 木曜日
お店へ出勤すると、既にお客さんが待っておられた。
ガラス窓に飾っていたターシャ・テューダーの本をどうしても一番に購入したかったから、
と寒さで頬が赤く染まっておられたそのお顔を、
こうして日記に書いて思い出しただけで胸がきゅっとなる。

熱いコーヒーを心を込めて淹れている間も、手に入れられて良かった、
と何度も本を撫でてらした。
私もその後ちょっとバーモントな気分で熱いコーヒーを飲んだ。

競馬新聞と文庫本を手にお客さんが来店。
真剣な表情で競馬新聞とにらめっこ。手には赤鉛筆。
しばらくするとコーヒーを飲み終えた後で、
「太宰の本でとても面白い本を見つけたよ」と文庫本を私に差し出す。
木村綾子さんの「『今さら入門 太宰治』 講談社+α文庫だった。ビックリ。

正直競馬新聞と一緒に愛読する文庫カバーの中からこの本が出てくるとは
全く予想できなかった。
加えてこのお客さん、この本を絶賛されていた。
「太宰の本でこういうのを待っていたんだよ」と、赤鉛筆片手に。

私も太宰の関連本は書店に行った時チェックしているけれど、ましてや木村さんの新刊
なのに軽く先を越されてしまった感がありましたが、
お客さんを通じてこんなカタチで出会えるというのもなんだか嬉しかったですね。
早く書店に行って、並んであるところを見てみたいです。

夕方から雑誌「散歩の達人」の取材がありました。
12月21日発売の本屋さん特集号に掲載されるようです。
発売されたらまたお知らせしますね。


2009年11月24日 火曜日
先日朗読してくださった中村さんがご来店。
改めてお礼の言葉をお互いに繰り返す。
尚驚きのお知らせも!

昨日は樋口一葉の命日の一葉忌ということで、文京区の法真寺へ
中村さんの師匠である幸田弘子さんが朗読される為、お手伝いに行かれていたところ、
太田治子さんが講演の為いらっしゃっていたとのこと。
報告を話される中村さんの手にはサイン本の「明るい方へ」
偶然というか引き寄せというか、とにかくビックリしました。そして羨ましい。

でも最近はサプライズがとても多くて、
生誕百年の終盤にこんなに色々と起こるものだな、とつくづく感じております。
「まだこんなもんじゃないよ」なんて太宰さんがほくそえんでいたらいいな〜、
なんて妄想も膨らむ11月の午後・・・

中村さんはじめいろんな方が、日曜日の長部先生の講演会の内容を教えてくださって、
なんだか私も講演を聴いたような気になります。感謝です。

太田治子さんといえば、来月の講演会のチケットを当店でも販売しておりますので、
ちゃんと詳細を書いておきますね。

三鷹9条の会 5周年記念講演会
戦後日本の出発点と作家たち 〜太宰治と戦後文学〜
小森陽一さん 特別ゲスト太田治子さん

12月11日(金) 6時30分開場 7時開会 
武蔵野公会堂大ホール 資料代500円
後援 三鷹市教育委員会

チケット代金は資料代の500円のみです。当店で販売しておりますが、
数に限りがありますので、欲しい方はお早めにどうぞ。

お近くのアロマサロンの方が、同じ関西出身の方と一緒にご来店。
3人でしばし関西弁トークバトルに。
その関西出身の方は、三鷹に来る前に「カフェを始める人の本」で私とお店の事を知って
いただいてたそうで。しかも熟読して「京都から三鷹へ、という行動に勇気をもらってました」
と言って下さって、とっても嬉しかったのです。

その方も太宰ファンで、でも周りに太宰の話ができる人がいなかったので、
今日はとても嬉しい、とも。
こんなにたくさん「太宰治」という文字に囲まれたのは初めてです!と興奮気味。
今でも落ち込む事があると、百日紅の木を触りに行く、とお聞きして
「私もよく触りに行ってるんですよ!」とますます嬉しくなる。

そうか、あの百日紅の木、向き合う時は1対1だけど、
他の人の支えにもなっているんだ。
初めて三鷹に来た28歳の時、あの樹の前を通ったら工事現場のおじさんに
「お嬢さん」って話しかけられた事を思い出す。あれも今思えば不思議だった。
偶然なようで、偶然じゃないこと。この繰り返しで今の自分があるのですね。

明日はお休み。1週間って早い。早すぎる。今週も濃かったな〜。
そろそろクリスマスの飾りつけも準備しなくちゃ。
木曜日からまたいつものようにお店でお待ちしております。


2009年11月22日 日曜日
朗読会の余韻が心地よく残っている。
2つの秋のイベントを終え、なんだかホッとしている。
肌寒い日曜日。

セブンのくじ引きが今回は結構当たる。嬉しいのだけど、
胃薬 するめ サラミ ウコン と、すっごいしぶいラインナップ(笑)
これは私に酒を飲め、ということか?
このホッとしている心地よさをお酒でもっと気持ち良くなれよという天のお声か?なんて
思っている今日この頃。

大人になってから「斜陽」を読んで感銘を受けて、最近太宰治が気になってるんです、
という初来店のお客さんと色々お話した。
ここに来るお客さんは結構大人になってから太宰を好きになる人が多いのは、
元々私がそうだからかもしれませんね。

中央線沿線にお住みで、「そこならたしか古本屋の店主さんでかっこいい人がいた筈」と
切り出すと「え?いけてるメンズいるんですか?」という、その「メンズ」という言い回しが
かなりツボに入ってしまった。
メンズ→じゃなくメンズ→ おなじか! 
カレシ(カにアクセント)でなくカレシ(シにアクセント)なニュアンス、といったら
わかっていただけますでしょうか?

そのアクセントの「メンズ」は私の脳内では叶美香さんのお声で変換される(笑)
それ以来、気がついたらいけてるメンズ→と呪文のように呟くくらい、私の中で流行ってます。

久しぶりに京都の学生時代からの友人ファミリーが来てくれました。
子供さんが大きくなってて、時の流れを実感しましたね。
親子3人と私と、遠慮のない雰囲気。なんか温かい時間だった。

「チャーリーとチョコレート工場」を父親が娘に「これ読まない?」と薦めるんだけど、
あえなく却下されて、彼女はハウルの城とか猫村さんの本にひたすら夢中になってた。
彼女が気に入ったハウル本と一緒に「チョコレート工場」の本も購入してくれた。
この本の良さは奥さんもわかってて、娘ちゃんだけが興味なし。
挿絵のふるーいかんじがお気に入り、とか色々理由はあるそうだけど、
今はぴんとこなくても、きっといつか、って思って買ってくれたのかな。
お父さんとお母さん、どちらもお気に入りの本を、いつか彼女も
好きになってくれるかもしれないですね。

そう、時の流れを実感する時って、友達の子供の成長ぶりを発見する時と、
白髪を発見する時!
つい先日、デパートの化粧室で前髪に堂々と白髪があるのを見つけて思わず
その場でブチッ!っととりましたもん。
1本だけあるのは福白髪らしいので、残しておきましたけど。

デパートの美容カウンターに行ってみたのも、いいタイミングだったかもしれません。
この前のニュースJAPANのテレビを友達の子供が見てくれて
「もうちょっとおしゃれしたらいいのに」とダメ出しをくらったので。
トモコレから外されないように、今度テレビに出る事があったらもうちょっときれいに
できる・・・かな?


2009年11月21日 土曜日
朗読会当日。良いお天気で良かった!
結果、大成功!
すすり泣きがこんなに聞こえてくる朗読会というのは、
私は体験した事がありませんでした。
また、聞いているうちに泣きそうになった事も。
でもここで私が泣いてはダメだ、とこらえたのですが、
最後に感想を言っている時にまた涙される方の表情とか見ていると、ほんとヤバかったです。

小さな空間というのは、朗読会には良い作用をする事も多い、と学びました。
10名様と朗読者2名様、そして私。計13名。
朗読をする人と、聴く人の距離が近い分、感情の波の伝わる速度も早く、
みんなでひとつの時を紡いでる、という感覚がありました。
朗読をする人だけが主役なのではなくて、まさに皆でその場を作っている感がおおいにあった。

その時その時で違う、二度として「同じ朗読」はない。
2009年11月21日の秋の小さな夜。
あの時間のあの朗読、それはたったひとつしかないもの。
これはフォスフォレッセンスのお店の歴史の一生の宝物となるでしょう、
と私の感想とさせていただいた。

心配事はたくさんありました。朗読会は初なので。
土曜日って三鷹通りによくバイクの暴走族が走り回る事がある。
せっかくの朗読が台無しになったりすることはないか、とか
お客さんはシーンとしてくださっているのに、よりによってこんな時に咳こまないかな、
とか。やってくると抜け出すのはなかなか難しいものですからね。
でも何事もなく、静かに、滞りなく、
時はスムーズに、朗読の声だけに集中しながらただ流れていった。

後に中村さんが「本も聴いてくれている気がしましたよ」と言って下さって、
それは思いつかなかった、と目からウロコでした。
そんなふうに考えると、あの土曜日の夜のひとときが一層色濃い思い出となって
胸に熱いものが込み上げてくるのです。
だったら、表の桜の樹にも届いていたでしょうね、きっと。
今度の春の桜は一味違うかもしれません。

今日朗読会ができて本当に良かった。
なんだか、表から太宰さんや、野原さんが覗き込んで穏やかな表情で見守って下さっている
ような、そんな気配さえ感じる事ができた。
鈴木さんと中村さん、素敵な朗読に、
そしてお集まりくださったお客さんの広いお気持ちに、心から感謝申し上げます。
朗読作品の感想などはまたレポートいたしますね。


2009年11月20日 金曜日
「太宰治の肖像展」に行った帰りにお店に立ち寄ってくださる方がぽつぽつと。
特にお一人の中年の男性の方が多いかな。
「最寄のバス亭はどこですか?」と芸術センターから電話をかけて、
忙しい中来店くださったスーツの女性、警察署前から到着までめちゃくちゃ早かったから、
もしかしたら市役所前よりも警察署前の方が便利良いのかもしれません。
いつも案内は市役所前でしているのですが、今度どっちが早く着くか計ってみようかな。

お話を聞いて、失礼ながら「青森の方ですか?」と質問してしまうと
「福島です」とお答えになった若い男性は大荷物でご来店。
三鷹で泊まれるところありますか?と聞かれたので、
いつのようにサンパークを推薦して電話番号をメモしてお渡ししたけど、
ちゃんと宿泊できたかな?

肖像展に行かれる方の中には当然遠方からの方もいらっしゃるでしょうね。
会場には女性が多いそうですが、何か一人で行った後にそのまま帰りたくなくて
ここに来てくださったのなら、まさに私がこういうお店にしたい、と思っていたことが
実現されているのでとても嬉しい。

昔大宮に通勤していた、というお客さんに大宮についての資料ファイルをお見せすると
こんなに調べられている人がいるんだね、と感心される。
10年か20年ほど前、駅の旅行パンフレットで大宮と太宰についてかなり詳しく
載っていたものがあったよ、と教えてくださった。それは見てみたいですね。

私も、実は行ってきたのですよ、太宰治肖像展。芸術文化センターに。
良かった!見た事のない写真、色々ありました。
なんかまた泣きそうになってしまいながら、1枚1枚パネルの前に立ち、
じっと太宰さんのお顔を見つめていました。

目元のほくろ、頬のほくろ、口元のほくろ、長い指、
目の前に・・・
ミスチルの桜井さんも同じ頬の位置にホクロがあり、妙に色っぽいですよね。
俗に不倫ぼくろ、とも言うそうですが・・・出所は定かではありません。

しかしこの目元、口元のほくろはちょっと反則でしょ〜?ってくらいに色っぽい。
そんなパネルがズラーッっとあるわけですからもう、奇跡の空間です。
太宰ビームが交差しまくり。クラクラと倒れそうになりながらの見学です。
私一人目の気絶者になるかと思いましたよ。

陸橋でのあまり見かけない写真。
遠くを見つめ、煙草を指ではさんでいる姿を写しているのが好きです。
こういう人はなかなかいないですよね、やっぱり。
この雰囲気を醸し出せるのは相当、アレですよ。
アレってなに?と聞かれれば、上手く言い表せないのですが・・・

あと、園子さんを可愛くてたまらない、というかんじで抱いている写真も好きです。
初めて見た写真でした。
しかし幾何学模様のパンタロンに前髪ぱっつんスタイルは、お洒落を超えて
デザイナーの卵みたい。生活で贅沢はしなくとも、子供には良いお洋服を着せていましたよね、
今更ながらのハナシですが。

パンタロンではない、ワンピース風なお洋服で微笑む
めちゃくちゃキュートな園子さんのお写真を発見して、とても胸が熱くなったんです。
おそらく家族一番幸せな頃かな?
その笑顔ひとつで感じ取る事ができました。
映画「ヴィヨンの妻」のパンフレットに載っている園子さんの「薄明」に関する文章を
思い出しました。是非一読を。

私が行った時は、やはり女性のお客様が多くて、グループでガールズトークに花が咲いてる
おばさま方の会話を耳にすると
「佐田啓二に似てるわよね〜」と盛り上がってる。
「森雅之も似てますよ」と心の中でレスしたのですが、帰ってから検索してみてビックリ。
佐田啓二、太宰にホントそっくり!いやー、髪型も同じ。
太宰が意識したの?佐田さんが意識したの?と時代考証をして遊んだりして。

でもお一人で来られている人が大半だったかな。私もそうでした。
なかなか見ごたえがあります。広いフロアですし、ゆっくりと周れます。
外の渡り通路みたいなところからガラス越しに会場を見ると、例の踏み切りの太宰の写真が
大きく飾ってあるので、ハッとさせられますよ。
まるで太宰さんが三鷹の街にワープしてきて現れた?みたいな。

終了まで、あと何回か足を運びたいと思います。
昨年のコラルの上の時もそうだったけど、lこのような素敵な企画を
無料で提供していただける事には本当に感謝したいです。

展示は12月23日(水)までです。是非おでかけになってみてくださいね。
文学サロンや図書館2階でも新しい展示をしています。
その後、当店へお茶でも飲みにいらしてくださればとても嬉しいです。
お待ちしております。


2009年11月19日 木曜日
美容カウンターデビューしました。

そのつもりででかけたわけではないのです。
マイケル・ジャクソンの「 THIS IS IT 」を観に昨日立川に行ったんです。
映画は色んな意味で鳥肌ものだった。
絶対もう一回観たいと思っている。だけど、きっとまた鳥肌を乗り越えなければと思うと・・
ここはひとつM心刺激してでもセカンドトライしてみたい。

マイケルの才能に鳥肌、音楽に鳥肌、ダンサーたちに鳥肌、そしてトイレ我慢に鳥肌。
大体私のリミットは2時間映画ギリギリで、今回はその範囲内だから寸前に行っておけば
まあ大丈夫かな、と思っていたのですが、たまにダメな時がある。
別に我慢せずに行けばいいじゃない、と思うかもしれませんが、
実際今までも何度も途中で行ってしまっています。
それは座席を取る時に必ず後方の目立たない通路側の席にしてもらうから。

今回はさすがの話題映画ということで、壁際か一番前しか空いてなかったんです。
シネマ2のスクリーンの構造をよく理解していたら前にしたのに、
一番前は目立つだろう、と当然後方壁際にしたのです。
まあ大丈夫かな、と。

席に着席したらこのスクリーンはトイレが後方ではなく前方にある事を発見。
前の方の席の方が目立たずにお手洗いに立てるというもの。
そしてなぜかこの日、館内が寒い!結構お手洗いに行く人続出だったので、
気にせず行けば良かったかもしれないけど、なんとなく左側3名様の膝を飛び越えて
いくのはためらわれた。今年のベスト?スリーに入るくらい鳥肌ものの我慢大会でした。

やっぱりあの心地よいビートが、ヤワな膀胱(失礼)には優しくないのですよ。
容赦なく足下からガンガン来るから、びびっちゃったんでしょうね。
中盤入るくらいから「ヤバイかも・・」と思いついたらもう集中できなくなっちゃうんですよね。
マイケルの声に、ダンスに、ひたすら酔いしれたいのに、後半はもう我慢しやすい姿勢
をキープすることばかり考えてました。

それでも、あの終盤の「ビリー・ジーン」はほんのひと時、そんな状況を忘れさせるくらいの
神がかりなものを観たような心地になりましたよ。
もうダメダメ!これはじっと座って見るなんて。オールスタンディングで踊りながら
観たかったな。大きめなブーツの中で気づかれないように足でビートをとっていました。ずっと。

マイケルって静寂を大切にする人なのですよね。
動きが止まる瞬間、余韻、そういうものに拘ってたのが印象的。
指先の動きとか詩的だし、スタッフに指示する時に
「ここは月が澄んでるようなかんじで」みたいな抽象的な表現で言葉にするのに
驚きました。歌もダンスも、文学だって全ての根源はイマジネーション。

ああ、こういう人だったのね、というのは映画を観終わったらなんとなくわかります。
普通リハってピリピリするもの、という印象がありますが、
マイケルがいちいち優しい。
柔らかく、オーガンジーみたいにフワッとステージをすり抜けるかんじ。
若い時もいいけど、50歳のマイケルの動きは無駄なものがひとつもなく
ずっと見つめてたいほど美しい。なのに、なのに我慢の鳥肌も遠慮なく襲ってくる。
本当に濃い約2時間でした。
もう一回観たい!例えまた苦しもうとも・・・

と、なんとかエンドロール後のマイケルからのメッセージも見終わる事ができ、
我慢大会からも開放され、とっても良い気分で映画館を出るともう夜になっていて、
通りはブルーのイルミネーション。私の大好きなクリスマスツリーもすぐそばに。

デパートに入って色々と冬物を見るだけ見ようかと1周しながら驚いた。
全然人が、お客がいないのです。ガラッガラ。
たまたまだったのかな?水曜日の夕方のデパート1階ってこんなもの?

「不況」というものを実感した瞬間。新聞やニュースではしょっちゅう見聞きするけど
ここまで百貨店業界は厳しいのか?
あったかいコーヒーでも飲みに行こうと歩いていくと、化粧品売り場のBAさんたちが
みんな目配せしてくる。周囲に私しか歩いていないし。
いつもは化粧品売り場はスルーの私だけど、なんとなくあまりにヒマそうなのが
ひっかかって、気が付いたら声をかけられるままにあのカウンター内のコーナーで、
ポイントメイクしてもらっていた。

ずっと前に都心のデパート化粧品売り場で、カウンターでメイクしてほしくて
わざとゆっくり歩いたのに華麗にスルー(笑)されてから、あとは絶対何か買わないと
いけないから縁がなかったのですが、ついにカウンターデビューです。
なんとなく興味はありました。いや、かなり憧れていたと思う。書いていたら
そんな気がしてきた。

この日はラッキーでした。
私しかいない事もあって、とっても丁寧にメイクしてくださったのです。
お任せにしたのですが、「お客様はとっても柔らかい雰囲気ですので」と
ほんのりチーク、リップはコーラルピンク、アイシャドウはうっすらパープル系の
雑誌に出てくるような赤ちゃん風メイクにしてくださった。

すっごく気分が良くなった私は、「すいませんがひとつだけしか買えないのですが」
と正直に告白し、メイクアイテムを超久しぶりに購入したのでした。
これ、お金あったら絶対ハマると思う。
化粧品をひとつ買った、これだけでこんなに女の子気分になれるなんて。

すいません、さっきから「赤ちゃん」とか「女の子」とか書いてるけど、あなた何歳?
みたいな突っ込みは今日は勘弁。それだけの魔力がありますよ、あの
デパートの化粧品売り場のカウンターという空間には。
ステージに負けないくらい神聖です。詩情もあります。
「綺麗になりたい」たったそれだけ。曇りなき一行。

ああああ、やっぱりもっとお金持ちになりたい、って思った。
自分の為というよりは、この冷たい風が吹く寒いフロアにいっぱいお金を
落としたい。BAさん達のノルマ達成に少しでも貢献したい、
なんて、今思えばはい、奇麗事ですとも。

でも、その時は本気でそう思ったんですよね。
それくらい華やかな1階のフロアが閑散としていて寒かったのが哀しかった。
天下にもっとお金を回したい、って。メイクって魔法やな〜、って思いました。

その後カチューシャを見にヘヤアクセ売り場、帽子売り場などを周ると
ヒマな事もあって、店員さんたちがとても声をかけてくるんです。
いつもは購入できないのに説明してもらうのは店員さんにとっても無駄な動きだろうと
結構です、風を装うのですが、その時は気分もすごくいいし、店員さんの方も
誰かと話したい風だったので、とにかくたくさん店員さんとコミニュケーションしました。

目元がキラキラしている店員さんに「すいません、商品とは関係ないんですけど、
そのキラキラするやつ、どこで売っていますか?おいくらくらいですか?」なんて
聞いてしまうずうずうしさは、やはり関西人の血が流れているからでしょうか。

でもすごく嬉しそうに答えてくれるんですよ。レブロンので、実は1000円しないんですよ!
とか。カチューシャは長時間するとこめかみがイーッ!ってなるのが苦手、と言うと
「これだとシルクで柔らかい素材なので痛くならないですよ」とか。
スワロフスキーでリボンのついたとっても素敵なカチューシャでしたけど、
なんせお値段が!ひぃぃー ゼロ1つ消したろかと思いましたわ。
「またの機会に」とお礼を言って何も買わなかったけど、
デパートって買い物はまず第一だけど、
店員さんとお話するのを楽しむ場所かもしれないな、と感じましたね。

今まではかたくなに「買えないから悪いし」ととにかく声はかけないで光線を送る事が
多かったけど、ヒマそうな時だったら試させてもらって商品の感想を素直に伝えたりとか、
どんどんコミュニケーションするのがいいかも。

それには立川はかなり最適な場かも。
新宿・渋谷や都心のデパートは平日も人がいっぱいだし。
まあでもヒマだったのはこの時たまたま私がエアポケットに入り込んだだけかもしれないし、
土日は絶対忙しいでしょう。

とても良い休日だったけど、翌日は百貨店売り上げ減、やデフレのニュース。
やっぱりね、というかんじ。
こんな時代に好きな事を仕事にできているということは本当に幸運な事なのだろうな、
と改めて実感しました。ならもっとちゃんとやろう、色々。
私にはノルマというものがない分、自分でモチベーション上げていくしかない。

昨日のマイケルとかBAさんの姿勢に学んだ事を忘れないように。
丁寧にメイクしても、ひとつのアイテムしか購入してくれなくても、笑顔でアドバイス。
笑顔で見送る。当然の事かもしれませんが、人間当然の事をしばしば忘れるもんです。
そして真っ当な姿は、ちゃんと人に伝わるものです。
深くお辞儀してもらった事に対して、私も深くお辞儀をしかえしたい。
何かの形として。

43歳。肌につけるものにはお金をかけれるくらいにはやはりなりたいですね。
時間をかけてずっと付き合ってきたものに対しての思いやりや責任に無関心ではいられない。
やっぱりもうちょっと頑張ろう。


2009年11月16日 月曜日
今週末朗読をしてくださる中村さんがご来店。
最近太宰がマイブームだというお客さんもご来店。
こちら様は入ってくるなり鼻息荒いご様子。
「今度12月11日、武蔵野公会堂でやる小森陽一氏の講演会に
太田治子さんも出演する事になったよ!」と速報?をお届けにやってきてくださったのでした。
そりゃすごい。

中村さんがさっそくご興味を示され、自然な流れで太宰談義に花が咲く。
「回想の太宰治」に出てきた南台寺のエピソードや太宰の心理戦駆け引きテクについて?
など、3人でおおいに盛り上がる。

こちらのお客さんに、週末の朗読会の定員があと1名なのですが、とお伺いすると
はい、行きます。ということで、再び定員となりましたので、予約を締め切らせていただきます。
今日のこの流れもなんだか自然なご縁が結んでいったもの、という気がしましたね。

ただ、大変お話する事がお好きで、またお話がとっても面白い方なのですが
「この日はしゃべれないんだよね?」と2回くらい繰り返されておられて
「はい、すいませんが朗読会なのでそうなりますね。
終わってから感想をおおいに語ってください」と説明。
読書会の方は一種のしゃべり場みたいなものなので、今度お誘いしてみよう。

情報をいただいたり、差し上げたり、伝わっていく様を目にして。
循環していくのは良い事だな、常に風通しの良いお店でいたいな、など思っていると、
今日も平日で写真展はお休みの日だというのに、なかなか忙しく過ぎていく。
昨日、今日、とお子さんがお母さんと、あるいはお父さんと一緒によく来店してくださる。
とても良い傾向だ。

「中にいる人たちがいつも楽しそうにしているのが、外から見ていてなんとも羨ましいです」
と声をかけられた。そう見えるのならとても嬉しい。
「さっきもヒゲのおじさんと品の良い女性と店主さんが大爆笑されてましたけど、
なんかいい絵でしたよ」とも。
決して共通項のない世代同士でも、「太宰」というこっゆ〜い共通項で
すぐに盛り上がれるというのは、外から見ていたら面白い絵なのでしょうね、たしかに。

小さな事で落ち込んでいても、例えば額をきれいな新しいものに入れ替えてみた、
深夜に起きていてじっとラジオを聴いてみた、
そんな行動から、流れを変える事ができたようです。
あるいは・・・どなたかの流れを良い方向へ変えるきっかけに、この店での時間がなれる
事があるのだとしたら、この上ない喜びを感じます。そういうものになりたいです。

私はもうスッキリしています。
このいいかんじの流れのまま、連休に突入したいと思います。
では木曜日以降、またお店でお待ちしております!


2009年11月15日 日曜日
少し前に太宰関連のイベントをいつくかお知らせしたと思いますが、
14日、昨日から三鷹市芸術文化センターにて
生誕100年記念写真展「太宰治の肖像」始まりましたね。
今日はおそらくその帰りに立ち寄ってくださった方が多かったのか、
久々に忙しい日曜日でした。
「目にした事がない写真もあったよ」ともお聞きして、ずっと気になっています。

写真といえば、お店に飾っている太宰の写真。ガラスの汚れが気になって、
新しい額に入れ直しました。100円ショップで購入した額なので
立派なものではなくて申し訳ないのですが、100に纏わる縁起もの、ということで
今のところは許していただこう。

1点も曇りなきガラスの向こうからの方が、こちらの世界の事もよく見えますよね?
勿論、こちらから見える太宰さんのお姿は前より一層くっきりと写っています。
ほっておいてすいません、としばらく見つめていたのですが、
それ以来お店がヒマなのが止まった。
勿論、写真展の影響なのだろうけど、写真立てを新調した事も良かったのかも。
お洒落な太宰さんのことだから、汚れたガラスをなんとかしてほしかったのかもしれませんね。
ズボラな自分をおおいに反省いたします。

神沢利子さん朗読のCD「鹿よ おれの兄弟よ」が再入荷いたしました。
CDで口琴を演奏している小川さんが持ってきてくださったのです。
小川さんいわく、神沢さんは全く宣伝にチカラを入れる気がないそうなので、
まだまだこのCDの存在を知らない人が多いかと思うのですが、とても貴重な1枚。
内容も素晴らしいです。限定品ですので、是非お早めにお求めになっていただけたら、
と思います。試聴できますので、お気軽にお申し付けくださいね。

「全く宣伝する気がない」というのが、なんだかクスッと笑ってしまうような、
らしいエピソード、というかんじがしますね。
三鷹には神沢さんがいる。それだけでなんだかうれしい、心強い。そんな存在ですね。

そして、三鷹には原さんもいます。
先日、原さんからお聞きして、今夜スタートだというインターネットラジオKIZZNA
また耳を傾けることにしました。今日から1週間流れています。
澤田さんの日記と、彼女の手紙も今回は読まれるということ。
少し緊張しながら、その時間を待っていたのですが、
12時10分から菊地成孔さん出演のテレビ番組があったので、こちらを見てから、
深夜1時からのリピート放送でラジオへと移行しよう、と秋の夜長プランを計画。

菊地さんといえば、昨夜の読書会でも少し触れましたが、映画「パンドラの匣」の音楽監督。
音楽家/文筆家/音楽講師、ベースは新宿。という肩書きのお方。
ちょっと私の中で今興味のある方だったので、番組はタイムリーでした。

サイトのプロフィールにある「02年(39歳)不安神経症を発症。
精神分析治療と内気効のコントロールをベースにした整体により緩解」というのが個人的に
非常に気になり、自分も不安神経症が悪化した時は参考にしよう、と日記に書いたくらいです。

いやー、番組はカルチャーショック受けた。悪い意味でなく。
ここNHKだよね?と思うことが最近多いのですが、いや、それもいい意味で。
久しぶりに烏丸せつ子さんを拝見できたのもラッキーだったし。
これ観れて良かった。ますます菊地さんに興味が沸いた。

が、しかし私はジャズはど素人なんですよね。
素人でも「ジャズは皮膚芸術」という言葉にはドキッとさせられたし、
映画の「ダバダバダ♪」のBGMと川上さんがバスに揺られていく情景は音と映像が見事に
マッチしていて忘れられない。
「ダバダバダ」はもしかしてジャズではない?ズブの素人丸出しですね。

そして、もっとジャズというものが気になるきっかけがこの後に・・・

1時。この前の夜と同じように、静まり返った夜のしじまに、ヘッドフォンで原さんの声だけに
耳を傾ける。例のごとくスーッっと染み込んでいく。

表現する人って時に何かが降りてくる力を持つ人がいるけれど、原さんもその1人ですね。
日記を読んでいる時、鳥肌が立つほど感じた。
そして「ジャズ」が登場した。その「ジャズ」はなんだか理解できた。
澤田さんが感じた、その瞬間日記に筆した「ジャズ」を、私もたしかに感じることができた。
人の生は瞬間の繰り返しなのだという事も。そんな事考えて生きていないけれど。

私も足を運んだ事のある、似た様な渋谷のコース。風景と、思いと、
いろんなものを目に浮かべながら、聴かせていただいた。
私と澤田さんは似た感覚の持ち主だったかもしれない、そう感じた。
実際にはお店であまり会話できなかったのだけど、今日放送を聴けて、
会話できたような、一緒に渋谷を歩いたような気にさえなった。

読書会も良い感触だったし、今日は売り上げも良かった。
でも小さな事でくよくよと悩んでいる自分がいたのですが、ふっとんだ。
思っている事は相手に伝えないと。伝える事ができるというのは、当たり前の事ではない。

こんなふうに人に伝える事ができるなんてすごい、と思った。
とてもダイレクトにストンと来るし。
こうしてこの日記が読まれる事は運命だった、とか導かれた出会い、とか、
そのとおりなんだけど、そう書くのは間違ってはいないのだけど、
もっと、なんていうか、落ち込んでいた私に勇気をくれた、目に見えて元気になった、
視聴者の一人がそんなふうに変わったということが、
原さんも澤田さんも嬉しいのではないかと思いました。
いろんな事を考えた、不思議な夜でした。

ブログでも見れますが、原さんの最新ポスターがとても素敵です。
店内に貼っていますが、クラシックホテルに佇む乙女、といった趣です。
是非ご覧下さいね。
モダンタイムスさんでの朗読会も今週末です。
今週末はうちでも朗読会がありますし、ちょっとした太宰朗読ウィークエンドです!
読書の秋ピッタリな、太宰朗読ウィーク。加えて芸術センターの写真展にもおでかけ。
三鷹図書館本館の2階や文学サロンでも連携して新しい展示やってますね。
全部制覇されるのはいかがでしょうか?それこそ贅沢なウィークエンド。
ハードですが、一応不可能ではありません。どころか、お薦めいたします。是非。


2009年11月14日 土曜日 その1
秋の読書会、無事終了しました。
いやー、楽しかった。
「パンドラの匣」ということで、私はマア坊のコスプレで馳せ参じました。
映画で言うと仲里依紗ちゃんのスタイル。
天然パーマですからね、元々。真ん中分けをして、サイドから後ろに2箇所にくくり、
白いブラウス、白いロングスカートをはいただけ、という。簡単コスプレ。

主人に感想を求めてみたところ、悪くはないが、あの時代にあのパーマは
ちょっとあかんやろう、とかなり冷静に分析。
「似合う〜?」とはしゃぎながらトコトコ歩く私と対照的な冷静さだけど、
これがなぜかこの店が続いているヒントかもしれませんね。
私だけなら色々と甘ちゃんすぎてスイーツすぎてペッシャンコになっていたかも
しれません。しっかりと土台のスポンジの部分の役割を果たしてくれておりますね。

今回なぜか会の終了後、写真撮影やガールズトークが大盛り上がり。
過去の会の中でも圧倒的に女性が多い会で男性は3名のみだった事もあるかな。

内容については近くレポしますが(今度こそ絶対に近々!年内に!今度こそ!)
発表者は男性参加者の方と私の2名のみでしたが、
前者の発表・及びレジュメの充実度がすごく濃くて、参加者の方も大変驚いておられました。
社会人としてお忙しいのに、このような小さなお店の小さな会のために、
かなりのお時間を割いてくださったと予想できます。心より感謝いたします。

次に私のテーマは太宰作品と映画化について。
富永監督、根岸監督がそれぞれ映画のパンフレットで、
太宰が現代に受け入れやすい理由に「ブログのよう」というニュアンスで語っておられる
事に着目し、時代を超えたカスリマブロガー・太宰治 というテーマにしてみました。

「パンドラの匣」作品についてにせよ、映画を観たそれぞれの方の感想にせよ、
本当にさまざま。え?こんな風に感じるの?みたいな発見だらけの読書会でした。

また、今回も初参加の方がいらっしゃって、過去のすべてのダザイヴェートに
毎回必ず初参加者あり、が保たれました。
その方は、初めて太宰作品を読まれたそうです。しかも昨日。この読書会のために。
初太宰が「パンドラの匣」というのはかなり面白いセレクトだと思います。

うちの店に来て下さったのは、別に太宰好きだったからではなく、
なんとなく面白そうなお店・・というかんじが理由で、通ううちに、私の太宰治への情熱に
とても興味を持たれた事が、読書会参加、つまり太宰を読むきっかけになった、という流れです。
本日最後の感想で、太宰治ってこんなに愛されているのだな、と驚いた。
というお言葉がとても印象に残りました。
参加くださった皆様、充実した時間にしてくださってありがとうございました。

賑やかな会が終わり、ひとり店の外に出てみて吸い込んだ空気の冷たさ、おいしさ、
気が付いたら三鷹通りに立ち並ぶ木々はきれいに紅葉していました。
太宰さんが「やっとるか」と言うところはちょっと想像しにくいのですが、
なんとなく輝く星に向かって「やっとるぞ」「ようし来た!」と呟いてみるのでした。



2009年11月14日 土曜日 その2
こんにちは、丙午ガールズです。
なんて恥ずかしい!下書きメモだけした状態で間違えてアップされていた!
穴があったら入りたいです。。

毎日日記は書けないので、アップする日に書くことを忘れないように単語だけ
書き込んでおくのですが、なにか他の情報を転送してしてアップした為に、
日記の欄が未完成な事をすっかり忘れておりました。

丙午ガールズというのは、そう。「いたこガールズ」に感化された次第です。
丙午ガールズ。まだ私ひとりだけです。
丙午の女性の方であれば誰でも参加できます。
テーマを決めてトークした後に80年代カラオケにすぐ近くのビッグエコーまで繰り出す♪とか
なんか自由に楽しみましょう!ってノリで結成しました。
どうぞよろしくお願いします。
入部したいガールズは是非お問い合わせください。

というわけで、
近くその謎の単語に続くストーリーはアップいたしますので。
おー、恥ずかし恥ずかし。

あと、来週の朗読会ご参加予定のお客さんがインフルエンザの為にキャンセルとなりました。
皆様もお気をつけくださいね。私も勿論、気をつけます。
よってあと1名様、再募集いたしますのでどうぞよろしくお願いします。

その後、定員となりましたので、受付締め切らせていただきます。
よろしくお願いします。

2009年11月13日 金曜日
13日の金曜日って結構いっぱいあるんですね。
なんかつい最近もなかったですか?
それだけ月日が過ぎるのが早く感じる、要するにトシとった、という事なのでしょうか・・・

明日は読書会ということで、レジュメ作り。
その前にもう一度集中して「パンドラの匣」を家で読む。
白檀を炊いて集中力を高めて読みました。

先日、友人と銀座でランチした日に購入したものです。
晴れの日の銀座を久しぶりに女同士で歩いて、たくさん話してすごく楽しかったのですが、
前々から気になっていた白檀の話をすると、いいお店があると連れて行ってくれたのです。

映画監督の是枝裕和さんのインタビュー、新聞だっかた、雑誌だったか・・・で、
事務所に到着するとまずお香(白檀)を炊く、という記事を読んで、
どこのメーカーのものなのかな、等気になっていたんです。

その話をすると、愛用のメーカーまでは知らないけど、
「香十」という有名なお店があるので、そこに行けば白檀はきっとある筈、
とのことででかけました。店内はお香の良い匂いで包まれ、実に高貴な空間。
源氏物語をモチーフにしたお香があったりして、贈り物にも良さそうだと思いましたが、
今日の目的は白檀。

ちょっとかっこ悪い話なのですが、かっこつけても始まらないので、
お香についてまるで素人の私は正直に店員さんに
「すいません、お店の中で一番お安い白檀はどれでしょうか?」とチープな質問をしました。

しかしさすが銀座のお店。とても丁寧に説明してくださり、無事MY白檀をゲットする事が
出来ました。なんだかとても嬉しくて、せっかくの銀座だから、あのブルーに薔薇の包装紙
が欲しくて銀座千疋屋でもお持ち帰りのデザートを購入し、その日は結構な出費には
なったのですが、「銀座でお買い物」ってやっぱり気分良いものですよ。終始ご機嫌でした。
その白檀、「これぞ」という時だけ使うようにしています。
次の出番はいつなのだろう?
薔薇の箱とともに、我が小さな部屋で眠っています。


2009年11月12日 木曜日
21日に朗読をしてくださる中村さんがご来店。
いつも着こなしが素敵で、本日は流行のレオパード柄のトップスをさりげなく。
品のある豹柄とはこういうかんじをいうのね、と感心する。
私もなにげに「グラツィア」の写真で着用しているのは、
レオパードのチュニックなんです。エプロンでよく見えませんけど。
同じレオパードでも私が着ると「大阪のおばちゃんの豹柄」になってないか、
とっても心配です(笑)

「いつもお洒落ですけど、例えばどんな雑誌を参考にされていますか?」
と質問してみると、いくつか挙げていただいて、特に
「この1着で30日着回しする」みたいなコーナーはおおいに参考にしています、とのこと。
わかる!私もあのコーナー、結構好きです。
ただ奥様向きよりも、若い子が読む雑誌の方が突っ込みどころ満載なのですよね〜、あれって。

「今日は彼氏とデート」とワンピースを着ていたと思いきや、
「親友のエミから合コンのお誘い、彼が忙しいから、ええい!いっちゃえ」みたいなノリで
のこのこと出かけていき、そこでいーかんじになった男子と赤外線の仲に。
で、またデート。のっぴきならないかんじになってきてエミとカフェで悩み相談、
とかとにかくものすごいハイテンションで毎日が過ぎていきますよね。
モデルさんの表情もなかなかバラエティ豊かだし、ホント面白いです。

たしかにジャケット1枚でクルクル着まわししてるわ〜、と思いながら
このコーナーがあるとチェックしてしまいますね。
ミセス向きだとそんな簡単に合コンに行ったりすると問題なので、こじんまりまとまっている
ような気がするのですが、どうなのでしょうか・・・

と二人で着まわしについて盛り上がっていると、取材の女性がご来店。
本のある時間 という出来立てホヤホヤな素敵なサイトが誕生したとお知らせを受け、
そこで紹介してくださるということです。

お薦め本などを選んでいる時に、「秋風記」なんて今の季節に良いですよ。
湯河原の温泉にゆっくり浸ってる気分になります、と説明すると、
湯河原には文豪に愛されて今も営業が続いている老舗の和菓子屋さんがある、
太宰治もそこの和菓子をきっと食べたのはないでしょうか?
と教えていただきました。

お店の名前はちょっと忘れられたとのことで、気になって検索してみたら、
湯河原には3大老舗の和菓子屋さんがあるということを知りました。
いやー、行きたいですね、湯河原。
読書しながら「そんな気になる」じゃなくて、ちゃんと実際にこの足を湯に浸してみたい。
温泉に入って、紅葉を眺めたい。そして3大和菓子屋さん全部巡りたい。
お土産も勿論、和菓子で。
そんな旅が出来るのはいつの事やら・・・

取材中、妙にお店の外で男子中学生がガラス窓に飾っている本で盛り上がっている。
何の本に反応したのかな?そのハイテンションな様子を微笑ましく見守っていると、
そのうちに一人の男子中学生が勢いよくお店のドアを開けた。
さすがエネルギー満々の中学生。なんのためらいもなくドーン!と開けるんですよね。
で、これまた大きな声で「すいません、今何時ですか?」と。
その時の時刻を答えると「ありがとうございました!」とまた勢いよく出て行った。

その一連の流れがものすごく面白くて、私とその女性でお腹を抱えて笑い転げました。
めちゃくちゃツボに入ってしまった。
彼らの明日に幸あれ!な気分。

その後、なんとなくガラス窓のところに中学生が主役の本を飾ってみた。


中学生はコーヒー牛乳でテンション上がる  ワクサカソウヘイ 情報センター出版局

まだきっと合コンの事で頭を悩ませたりドキドキする事もなく、
着まわしなんか考えなくったって制服というものに守られ、
そんな彼らは、窓越しでこの本にも反応してくれるかな?


2009年11月10日 火曜日
そらあるき10号が入荷しました。


今回のカバーデザイン、いつもに増していいかんじですよ。
右側が表紙、左が裏表紙です。

これは、浅野川かな?
雪舞う冬の金沢、行ってみたいな・・・
めちゃくちゃ寒いとわかっていながら、夏や春や秋でなくあえて冬の金沢に惹かれるのは
なぜでしょう?

先日も書いた、暗い日本海を時を忘れるくらい見つめたくなる日本人の性だから?
金沢の街並みに「白」色のコントラストが実に合うから、とか?
美味しい海鮮丼を食べたいから?
まだわからないけど、心惹かれてやまない、冬の金沢。

「ゼロの焦点」の舞台でもあるのですよね。この映画も観てみたいな
いっぱい観たい映画あるけど、確実にこれは観に行くだろう、と楽しみにしているのは
実は「のだめカンタービレ」だったりする。来月公開ですね。
やっぱり千秋さま(はあと)を大画面で観たいじゃありませんか。
のだめとのやりとり好きだし。
演奏シーンもいい音で体感してみたいし。

アラーキー×玉木宏のドーナツの宣伝がめちゃくちゃかっこよくて、
目撃したその足でミスドに行ったんですよ。
リッチチョコドーナツ、さっそく食べました。横にズラーッっと並ぶ100円ドーナツ
に(100円フェアやってました)目もくれずに。
割引対象外のものをこの私が買うなんて。なんて千秋マジック&玉木マジック!

ドーナツは勿論美味しかったのですが、ダブルで美味しいことがーっ!
トレイの上のシートが、のだめ仕様になっていて玉木君&樹里ちゃんの写真入りなんです。
ちょっと恥ずかしかったけど、食後そのシートはしっかり持って帰りました。

たのしみが増えて嬉しいな♪とルンルンしてるところへ、
雑誌「クレア」の表紙が目に飛び込んできたー。
表紙の玉木君がものすごくかっこいい。

2階のDVDレンタルを利用しているから少しくらいはいっか、と
よく1階の本屋で立ち読みをしてしまっている。
いつも立ち読みじゃ悪いから欲しい雑誌がある時は買うようにしている。
まさにその時とばかりに「クレア」を購入しました。

決め手は特集。「いい男大図鑑!2009」
しかも「俳優から学者まで気になる男全200人」だという。
これは面白そうだし目の保養にも良さそう。

明日はお休み。雨が降る模様。この雨は正解である。サイフに優しい雨を私は愛する。
「ロンバケ」でも観ながらゆっくりと「クレア」読もうかと思います。
その時間のために99SHOPでポテチのしょうゆマヨ味も買ってありますし、
カルピスソーダも。やはりポテチには炭酸系の飲み物が欲しくなるんですよ。
でも油っぽくなった指でページの端を触らないようにしなきゃ。
そう、読書会の準備もしなきゃ。それが大事。

朗読会の方は定員に達しましたので、募集を終了いたします。ありがとうございます。
読書会の方はまだ大丈夫ですので、ギリギリになってからでも可能かもしれません。
急に行きたくなった、という方も定員人数に達してない限り歓迎しますのでご検討くださいね。


2009年11月9日 月曜日
いたこガールズが学祭太宰イベントの事後報告に来てくれた。
お客さんから盛況だったという様子は聞いていたので笑顔で「お疲れ様」とお出迎え。
達成感あふれる良い表情をしていた。

いたこガールズといい、イベント参加者のお客さんといい、
女子は町田康さんの魅力にメロメロになっているようでした。
会ってしまったらもう最後。近づく人は皆魅了されてしまう。
これってちょっと太宰と共通しているように思います。

冊子を数部と大量のコースターも持ってきてくれて、
コースターは「もし良かったら、今後もお店で使っていただけますか?」という申し出に
喜んで!とそうさせてもらう事にしました。

日付などが入っていて、もうイベントは終了しているのでフリーコーナーからは
撤収しましたが、欲しい人は声をかけて下さい。
あとは地道にアイス類のコースターに在庫がある限り使わせていただこうかと。
これ、フォスのご来店者様の人数を考えると相当の年月をかけてでないと消化できないぞ、
と嬉しい悲鳴を上げております。かっこいいデザインですし、実際この期間、
コースターを敷いていたら、反応がかなりありましたからね。
冊子の方もいいかんじですよ。↓


イラスト、うまっ!どこか空を見つめている憂いある雰囲気が出てますね〜
今ならお店のフリーコーナーにこちらの冊子を置いています。
こちらは数冊のみ。なくなり次第終了ですので、欲しい方はお早めにどうぞ。
私の紹介も素敵なページにしてくださってます。感謝!

映画「ヴィヨンの妻」での、椿屋での編集者たちの会話が思い出されます。
「あの憂いある表情で しにたひ・・・ なんて言われたら女性読者はイチコロですからね」
と皆で談笑するシーン(セリフうろ覚えですが)
ここ印象的でしたね。昔も今も、太宰の売り方のひとつの定説だったのかな、と。

憂い顔といえば太宰、太宰といえば憂い顔、確かに。
別の面から見てみるとすると・・・私は
数々の太宰の写真の表情からは、意志が弱いようで実は強靭、という印象を持っている。
誰かが書いていたような気もするけれど、常に文学の事を考えている人の顔だ、と。
「金の卵を抱く男」太宰、寝ているときも、命を絶った後さえ文学の事を考えていた。
だからああいう顔になるのだ、と。
太宰の見つめているその視線の先には、一体何が見えていたのでしょうね?
やっぱりひとめで良いから、この眼でそのお姿を見てみたかったですね。

そうそう、なんだかんだいってしっかり二度目の「ヴィヨンの妻」も鑑賞したんですよ。
試写会だけでなく、どうしても映画館で観ておきたかった。
近くではやっていなくて、結局渋谷まで出かけたのですが、映画館が入っている
「cocoti」ってビルがなかなか良かった。

たしか2年ほど前にここの一番上の階で友人とランチして以来。
渋谷なのにあまり若い人はいなくて、大人のスポットってかんじで、
カフェや雑貨・洋服屋さんも落ち着いた雰囲気で気に入った。
今度時間が出来たら、この辺りから表参道、青山、のあたりをじっくりと歩きたい。
銀杏並木のみどころの頃なんかいいかもね。

映画の方は、レディースデイで両側の席からガッツリ人が入っていたので
いまひとつ窮屈で久しぶりにちょっとしんどくなってしまったのであまり集中できなかった。。
松さんが終盤につれてどんどん内から綺麗になっていくさまは前回よりよくわかった。

広末さんは、バーでのシーンの時、一瞬高畠華宵の絵画そっくりに見える事を発見。
完成度は高いのだけど、ジーン、と胸を打つ度はなぜか低い。今回も涙は出なかった。
でもやっぱり良い映画である事には違いない。
賞だってとりまくりそうな気がする。
3回目のDVDでも鑑賞してみないと答えが出ないかもしれないな。
読書会の時に皆さんに感想を聞くのを楽しみにしていようと思う。

余談ですが、先日の「やっとるか」「なにそれ?」のやりとりで百年の恋が冷めたという件。
今朝、リベンジが滞りなく行われました。
スーパーで偶然会ったんです、うちの人に。
後ろから驚かそうと思ってそーっと近づくとその前にバレてしまったのですが
「ごめんなさい、こんな時どういう顔をすればいいのか、分からないの」と言ってみたら
「笑えばいいと思うよ」と間髪入れず返してくれました♪

といってもこの元ネタの方は実はよく知らないのです。
エヴァとかガンダムとかの名場面のセリフらしいのですが、
いいともでDAIGOと加藤夏希さんがこのセリフのやりとりをしているのを動画で見て
とっても和んだんですよ。だから使わせてもらっただけなんですけど、
アニメ好きな彼はやっぱり、というかちゃんと反応してくれました。
スーパーの棚と棚の間で朝っぱらからやったー!とはしゃいでしまいました。バッカですね〜。
しかし前後の流れを知らずに名場面のセリフだけ拝借って邪道でしょうかねえ・・・




2009年11月7日 土曜日
朝日新聞朝刊にbeランキング「今だから読みたい太宰治」という記事が掲載されていました。
1位は「津軽」2位は「富嶽百景」3位は「ヴィヨンの妻」
記事をしめくくる、故久世光彦の「裏聖書のようだ」という太宰文学を表現した言葉が
とても印象に残った。
記事の中央には太字で「普遍性・せつなさ・愛」たしかにその3つのキーワードが
太宰文学の魅力の鍵だと思う。そこに文章の巧さが加わり、文学に賭けた彼の実人生の
物語も足すともうそれで充分。

そして本日は早稲田学祭ダザイズム当日。窓辺に町田康さんの本を飾り、
周辺にダザイズムコースターを散りばめてみた。


不思議な事にこの「東京飄然」の中に早稲田に関する一編がある。
こちらの本はこの後さっそく売れました。飾りがいがあるというもの。

時折「今頃馬場は盛りあがってるのかな・・・」など思いつつ、終日店番。
外は晴れ、最高の学園祭日和。

みなさんどこかへおでかけになっているのか、読書週間の秋の良き土曜日だというのに
いまひとつお店はヒマ。

そんな時、早稲田の風を運んできてくれたお客さんご来店。
早稲田のダザイズムイベントに行ってこられたとのこと。
臨場感たっぷりな報告を聞いているうちに、私のテンションも上がってくる。
教室は満員で立ち見も出たそうな。良かったですね。
詳しくはお客さんのブログ国分寺でだざいを読む会にレポされています。
この貴重なトークイベントに参加できた方は本当にラッキーですね。
ホットなうちに様子を伝えにここまで来てくださったお客さんに感謝です!

そんな話題で2人で盛り上がっている時、例のおやじ会の方がご来店。
「文学散歩はどうでしたか?」と質問すると「大成功」とのこと。良かった!
「あなたおやじ会の事日記に書いた?嬉しくて言いふらしてるんだよ」と驚きの嬉しい発言も。

文学散歩といえば、やはり読書週間。読書の秋。
お客さんが文学散歩ついでにお友達を数名お連れになって来店くださる事が最近あります。
本の話を自然に仲間とされていて、本友達の良さをこちらも実感。
とても嬉しいのですが、こういう時、もう少し駅に近ければ便利いいのだろうな、と
つくづく思ってしまいますね。
あるいは禅林寺からお店までの道で、何か立ち寄れるスポットがいつくか出来ても
良いでしょうね。

話戻って、
来月12月11日(金)武蔵野公会堂ホールで小森陽一さんの記念講演会があるのですが、
その話題などをされ、嵐のようにやってきて嵐のように去っていかれました。
いつもお元気なたのしい方です。

講演会に興味のある方はチケット販売いたしますので申し出てください。
チケット代は資料代として500円です。
戦後日本の出発点と作家たち〜太宰治と戦後文学〜
6時30分開演 7時開会 です。

おやじ会の方もブログのお客さんも「パンドラの匣」を観られたそうです。
なかなか良かった、という感想でお薦めしがいがあったな、とガッツポーズモードに。

「マア坊が可愛くて抱きしめたくなった」
「ふとん置き場の場面はチューしそうでしないのがドキドキした」
などこちらもドキッ!とするような感想を高らかに笑い飛ばしながら話されたかと思うと、
「破綻したところがひとつもない映画だった」と突然文学的な表現をされたりして、
その言葉の意味をずっと噛み砕いていた。

ブログのお客さんとはたけさんの雑巾がけのシーンのエロスについて意気投合した。
ただ雑巾がけしているところを後ろから長まわししているだけなのに、
なんであんなにエロいのか!?と。
川上未映子さんの魅力を監督が引き出したというのが第一だけれど、
からっと明るいものよりも、どこかジメッとした暗いものも好む日本人独特のエロスが
潜んでいたせいかな、とも思う。
陽光浴びた太平洋もいいけど、なぜか冬の日本海のただならぬ静けさにも目をそらせない。
あの暗くじめじめした廊下のせいでエロ度が増した、というのもアリかもしれない。
「2回ありましたよね、あのシーン」とお客さん。すごいよく見てますね。

その割には予告編で「人間失格」「ヴィヨンの妻」と続けて流れた事は
え?そうでしたか?という反応。私はそこにものすごく感動したんですけどね。
「原作・太宰治」のスクリーン大写しが2回も連続で映画の予告編に登場するなんて。
そして本編も「原作・太宰治」だなんて。これぞミラクル!トリプルA!(こじつけだ)
生誕百年ならではのウルトラC(しつこい!)だと感じたんですけどね・・・

とても短いものだったけど、たしかに私は観たんですけどね。
「大貫妙子さんのアヴェ・マリアが流れて」と説明したのですが、
お客さんは予告編から映画を鑑賞したけど、覚えがない、そうで・・・
もしかしたら上映期間の違いで予告編が変更になったかもしれませんね。
ネットでも映画人間失格公式サイトから「特報」で観れますのでどうぞ。

生田さんのマント姿表紙カバーの文庫本が発売されていますね。
なかなかいいかんじだと思いますよ。予告編でもキャスト皆素敵でした。

太宰の文庫といえば、若く見目麗しい女性が表紙写真のシリーズとか、今色々出てますね。
私は「ヴィヨンの妻」を発見したのですが、スカートの中から見え隠れするものが妙に気になる。
でも清潔感のある女性なので、いやらしいかんじはしないな、とか
書店の片隅で思ったり・・・
コンビニでなにげに「はじめての太宰治」なる本が売られていたりとか、
今年の太宰関連書籍の量産ぶりに驚いておりますが、
トータルで見て本離れが進んでいる若者が本を手にするきっかけに繋がっているのなら
良いのではないでしょうか。
最初は「ファッションとして」でも、いつかその中身を読む日が来るのなら。

一方で太宰治集 哀蚊―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)も一緒に並んで販売されていた。
この東雅夫アンソロジーシリーズ、大好きなので太宰が加わってとても嬉しい。
作品群もいい並び。
いつもこのシリーズを売りに来てくださるお客さんがいるのでよく目を通しているのです。
うちには今「鏡花百物語集」が在庫しています。

そして奇想と微笑―太宰治傑作選  森見 登美彦 (光文社文庫)も発売に。
先日「日記を拝見したのですが森見さんが来たんですか?」とお客さんに言われました。
「この前はしょっちゅう通っているのに、どうしてその時に通らなかったんだろう」と。
そうなんですよね、来て頂いた事の実感がない。
「フィール・ラブ」の発売もまだ先だけど楽しみです。

「住んでいるとわかりにくいけど、三鷹って色んな作家さんがやってくる素敵な街なのかも
しれませんね」というお言葉が印象深い。そうですよね、とても幸せな事なのですよね。
ありがたみをしかと受け止めつつ、自ら発信していく事も色々としていきたいです。


2009年11月3日 文化の日 火曜日
最近日記を書くのがものすごく時間がかかっていた原因は、二月ごとにまとめるのを
ことごとくさぼっていたからだったとわかり、本日必死にまとめました。ふぅ・・・
またまた頭がスパークしておりますので、文章がまとまってなければすいません。

この1週間ほども是非日記に書きたい!というな出来事満載だったのですが、
そのあたりはまたおいおいと。
今日はもうタイムリミット。これにて帰宅いたします。もう深夜です・・・

スピリチュアルデイ、無事?終了いたしました。
でもその4、くらいまでは色々あったかな。

お客さんから先日誕生日を尋ねられたのだけど、
その後来店され、一枚の紙を私に手渡された。
「これがあなたの誕生石よ」と。

「スポッテッドラピス」「スレート」「ダイオプテーズ」とあり、
石の綺麗な写真がプリントされ、解説文がある。
「スピリチュアル・メッセージ」というところをお客さんが読み上げてくださる。
「今は自分の身にどんなことが起こるかわからない状況でも強い信念を持つことで
希望の道へと導かれることでしょう」と満面の笑みで。
ここに書いてある内容は勿論、その「間違いないよ」という笑みがなにより私を励ました。
誕生石は5月だからエメラルドだとばかり思ってた。色々あるのですね。

この参考文献は主婦の友社発行「誕生日別パワーストーン事典」
お客さんが図書館から借りられ、身の回りのお友達の石のページをコピーしてあげまくっていたようだ。
「もう本返さなくちゃいけないけど、誰か見てほしい人いる?」と聞かれて、
普通ならここで「では、主人のを」と答えるのでしょうけど、私は1秒も迷わずに(笑)
「では、6月19日、お願いします」と修治さんのを見てもらいました。

ページに書かれてある事を読み上げるお客さん、次第に何度も顔を見合わせながら、
辺りの空気が冴え渡っていく。ものすごく当たっていたのです!
興味のある方は同書を一読ください。

雑誌「一個人」の来月号で、太宰治特集が企画されるということで、
お店で撮影がありました。ページ扉のイメージ映像写真に使用されるようです。
特集記事の内容も楽しみです。11月26日発売の1月号です。

めっきり寒くなった文化の日でしたね。
昨夜は雪が降るんじゃないかと思うくらいの冷たさでした。
寒いのはツライけど、その冷たい分、今宵の満月は一層堂々として見えます。
空気が澄んで、くっきりと、見せつけてくれます。見事な美しさです。
そしてふところも寒し・・・あ、ご心配なく。電話を止めるような事は当分はありませんから。

ただ秋って誘惑が多いんですよね。年に一度の神保町の古本まつり、
ゆっくり見て周りたかった・・・ま、来年があるか。
マイケルの映画も観たい。お客さんが映画館で拍手がおこった様子を話してくださって、
私もたまらなくそのウェーブを生で感じたくなったんですよね。
ポン・ジュノ監督、ウォンビン主演の「母なる証明」もかなり観たい。
他にも色々と観たい映画がこの時期たくさん。

あー、でもしばらくはカネコマをエンジョイする方法、でも考えて過ごそう。
今の私には森雅之だって「パンドラの匣」だって、じっくりと取り組んで味わえるものがある。
ないないと嘆くより、今ある喜びを結ぼうっていう歌があったよな〜、「蝶々結び」の変形ですね。

やっぱりちょっと支離滅裂になってしまいましたが、木曜日からまたシャキッ!っと
頑張りますのでどうぞお店に来てくださいね。
読書会・朗読会の申し込みも続けて募集しております。どうぞよろしくお願いします。


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