2010年8月31日 (火曜日)
今日の産経抄で太宰に触れた記事があったとお客さんが教えてくださった。
この記事による成田三樹夫夫人のような本との出会い、私も何度か経験があります。
男性、女性に限らず、自分が敬愛している人が好きな本。これはすぐにでも読みたくなる。
直接会話している時に聞いたのなら尚更。
書店に駆け込んでその本を探す時の、棚の配置のかんじまでよく記憶している。

ここにある「詩でも小説でも作者は命懸けで書いているんだ。
だから読む方だって命懸けで読まなきゃ失礼なんだ。」という言葉、
昨日の日記からの続きで身につまされる。
のほほんと過ごす時間も時には必要だけど、その時間が長すぎる事に危機を感じて
「今年の目標はチェンジ」と書いたのは新年だった。
半分経ってまだ半分も身体を捻りもしていないような気がして、正直焦る。


朗読の原さんと久しぶりにゆっくり色んなお話を。
なんでこんなに暑いのにいつも涼しげなんだろう。
たくさんお持ちの着物を整理する桐の箪笥を購入されたとか。
良いな〜、私の憧れなんです。たくさんの着物を桐の箪笥にきちんと整理して、
季節ごとに着るのを愉しむ生活を送る事。
手話や津軽三味線を習われ、自分に投資しておられる。
こういった自分を高めようと努力する姿勢が、着物姿だとか、
朗読にますます光を注いでいくのだろうな、とつくづく感じる。

年が明けてすぐの頃だったか、原さんとお互いの今年のテーマを話し合った事が昨日のよう。
原さんは「リセット」私は「チェンジ」
焦るような気持ちになっていたタイミングで今日話せて良かった。
私も今やれる目の前の事にもっと力を注いでいこうって前向きになれた気がします。




9月12日には古賀政男音楽博物館内のけやきホールで
第2回KMNYチャリティコンサート「パレスチナの風にのせて」が開かれます。
ネットワーク大学での朗読の講座も始められるようで、ますますハードな原さんですが、
おなじみの太宰作品朗読も続々と予定が。スケジュールや詳細はブログでチェックしてみて下さいね。


2010年8月30日 月曜日
残暑厳しいっすね〜
この暑さの中で何か楽しみを見つけたらラクになれそう・・・
道端でアイスが夏の醍醐味だったのは中高生までだよな、大人でしてる人はあまり見かけないよな、
でも待てよ、聖子ちゃんの「ピーチシャーベット」の歌詞には真夏のプール帰りにアイス越しに
意中の彼を眩しく見つめる、なんて描写があったな・・・
なんて考え事をしながら、照り返すようなアスファルトの上をゆらゆらと歩いていたら、
さっそく見つけました!

住んでるアパートのすぐ近くでただ今マンションか何かの工事をしているのですが、
そこで働く日焼けしたお兄さんたちが、ホースから直接水浴びをしていました。
真夏という生ものを、これでもかというくらいに直接見せつけられたような清々しさが残りました。
期日があり、そこに向けて完成させていく職に自分はついていないけれど、
過程を含め、見届けたいという楽しみが出来ました。

室内にいる時はやっぱりクーラーつけちゃいますね。
でも最近クーラーで悲劇な出来事を体験して。というか、私がどこか抜けてるのも大きな原因なのですが。
私って、やっぱりダメなんですよ。人が簡単に出来る事でも出来ない事が多すぎるんです。
先日、久しぶりにひとりカラオケに行ったんです。割引き券があったので。

最初は普通に気持ちよく歌っていたのですが、次第にクーラーの効き過ぎで寒くなってきたのです。
で、もうちょっと温度を上げて、と調節しようとしたのが悲劇のはじまり。
単純に温度を△を押していくごとに26、27、と数字が上がっていくだけだったら良かった。
さすがの私もそれくらいはクリアできるでしょう。

ところが、なんかそのリモコンはとても複雑で、△を押しても数字は変化しないし、
「パワープレイ」とか、「健康冷房」とか高度な機能が付いてるのはいいんだけど、
だんだんいじっているうちによくわからなくなってきた。@@@
そうこうするうちに、室内がどんどん熱くジメ〜ってかんじになってきたんですよ。

私の悪いところは、そこですぐそばにある受話器をフワッと上げてお店の人に状況説明するだけで、
きっと直しに来てくれて即解決するのが最適な解決策なのに、それが出来ない。
理由はなんか恥ずかしいから。

ホント我ながらバカだな〜って思います。わかってるんですけど、
もっと早く受話器をあげていたらまだ間に合った。早くそうするべきだったのに、
いや、待てよ、とあれこれリモコンをいじって時間が過ぎていくうちに店内はジメジメ。
きっとスタッフさんが駆けつけてきてドアを開けた瞬間、なにこの暑さ?という反応をされると思うのです。
そして私がひとりで汗だくで居る、この気まずさの中笑顔で応対させてしまうのは申し訳なさすぎる!
そんな意地で、というか不要なプライド?で、結局1時間汗だくになりながらひとりカラオケをしたのでした。

なんか途中で面白くなってきたんですもん。修行カラオケってやつ?
クーラーで不快指数充満にするコンテストがあったらおそらく優勝できるな、とか
夏休みの自由研究のネタにいいんでないの?とか、いろんなあほらしい事考えながら
ひたすら歌う私であった。
この生き下手はドMとかって問題じゃないような・・・

先日も、眉やアゴなどのムダな毛をカットするのに毛抜きを利用している、というお客さんの
話に影響を受けて、毎度剃刀使用するよりもエコかな、と思って百円ショップで毛抜きを購入して
トライしてみたものの、痛くてたまらない!1本抜くのにもヒイヒイ言いながら抜くのに、
皆さんこんな思いしているんだ、美容に対する心得ってこんな痛みを要するのなら
私、おばちゃんになってもいい・・・なんてすっかりくじけてしまいまして。

その痛みがどんなもんかと夫にえんえんと説明すると、
「当たり前やん、こういうのは風呂上りとか皮膚が柔らかくなってる時にするに決まってる。
君ホントに常識がないな」と男の彼にこんな事を言われてしまい、思わず凹み笑い。

あれは今年の春先だったか・・・
エステを1000円で受けられ、キャッシュバックもあり、という実においしい体験をした時に、
体脂肪率を書く欄があって、そこを空白にしていて、おまけに家に体重計がない、という事実に
(セブンのくじで当ったのがあったのですがオークションで売ってしまった)
「だばさん、ご自分の体脂肪率を知らない、また毎日体重を測らないのに痩せたいとお思いなのですか?
皆さんここに来る時には、キレイになりた〜い!痩せた〜い!という必死の思いで
真剣に相談されるんですよ、だばさんからはそういうものが感じられないんですが」
とエステシャンの方にガビーん!と言われた事を思い出しました。
キャッシュバックと好奇心とビビアンの広告の美しさについつられましてあんまりよく考えずに来ちゃいました・・
みたいな私の正体はプロには透けて見えるものなのですよね。あー、甘い。ほんっとに自分甘い!

でもこれって私のライフスタイルすべてに共通しているんだ、とすごく勉強になった言葉だったんです。
お腹の肉はしっかり中年。何か努力しないとヤバイかんじなのに、何もしていない。
他にも普通の感覚の人なら危機感で何か行動するのに何もはじめない事が多々ある。
そもそも危機感がなさすぎる。
この欠点が全然治らないんですよね。もう致命的。

せめて他人様に迷惑だけはかけないように生きる。そんな低い目標設定。
そこだけは守りつつ、優れているところが他にあるのならそれを伸ばすしかない。
その努力はもうちょっとした方がいいよ。それさえもサボってる気がするから、時々エンジンかけないとね。
うーん・・・こんなトシになっても揺れまくりな夏ですね。

ちなみにお腹の方ももうちょいひっこめたいので、毎日寝る前に腹筋10回始めました。ダタでできるし。
エステはですね、最新の機械をお安い価格で試させていただき、ほんとありがたい体験をしたのですが、
痛さも伴いますね、やはり。金銭的にも継続はムリです。

美しくなるって大変な事なんですよね、そんな事、忘れかけていました。
でもひっきりなしにサロンに女性たちが訪れていて、みんな汗水垂らして働いたお金で、
マシーンのレベルを上げながら(どんどん強い衝撃で痛みが増える)痛みに絶えつつも自分を磨いてる。
本当にいい勉強になった。美しくなる事の大変さだけでなく、
忙しい時間の中、お店に来てくださって、お金を頂くという事の重さをまた実感できた。

と、随分話がずれましたが、そんな失敗談を更新しつつも、なんとか生きてます。
「栗きんとん今年も販売はじめました」メールも来たことだし、秋はすぐそば。
残暑もお兄さんたちの灼けた腕でも目の保養にしながら、毎日頑張っていきまっしょ!


2010年8月22日 日曜日
今年も「爽」のソーダ味が美味しい八月。夏真っ盛り。
皆様如何お過ごしでしょうか?

猛暑のせいかどうか、身のまわりのものがどんどん壊れていって、
ちょっと大変な夏になりそうでしたが、なんとかこの状態にも慣れてきました。
DVD、シャワー、コーヒーミル・・・
真夏だというのに、シャワーからお湯が出なくなったのはこたえた。
毎回湯船にお湯を張って、そこからバッシャーと髪や身体を洗う日々を送っています。

ミルは、このあたりのリサイクルショップを全部周り、ネットで安いものを物色し、
やっと購入しました。
DVDは、お店のPCはダメなのだけど、自宅のPCで見ることが出来ると夫に教わり、
見方を覚えたらこれが迫力あってすっかりハマってしまいました。
深夜に延々とPCの前でアイス片手に過ごす、これが今のところ私のこの夏のマイブーム。
電気を消して真っ暗にすると映画館で鑑賞する時の状況に限りなく近い。
なんで今までこれ、やらなかったんだろう〜!ってかんじ。

ミルを探しにリサイクルショップに行く度に、鑑賞時用の背もたれ付の低反発クッションも探してみました。
まだ見つかってませんが。安くないのはJマートとかにあるんですけどね。
あとは理想のクッションが見つかれば、当分のお楽しみのストックが満タンになりますね。

ちょっと前までは、少々夏バテ気味でした。
さすがの今年の猛暑に、バーゲンで日傘を買いましたからね。
さくらんぼのビラビラの模様に負けた・・・

お店の方は「とんちゃんイラスト展」も無事終了し、ちょっと気がゆるんだのも夏バテの要因かな。
期間中は色々とお話してすごく楽しく過ごしていたし、イラスト展が目的でのご来店で
初めておめにかかる方もたくさんいらっしゃって、とても刺激的な日々だったので、
終わってしまうと急に淋しくなってしまったのもおおいにあったのかもしれません。

今はいただいた青汁飲んだりして、大分元気になりました。
あとはやっぱりお客さんから色々な報告を聞いて、気持ちも元気になってくかんじかな。

木曜日は中村雅子さんが、お子様とご一緒に来店いただきました。
お子さんがトモコレしているのを見て、そういえば去年の今頃実家に帰った時に友達の家に
遊びにいき、長女ちゃんにトモコレに仲間入りさせてもらったっけ、と思い出しました。
まだトモコレされてると良いな〜、なんて。

ちょうど今週の火曜日、17日に例の朗読会「「ショパン・その愛〜ピアノと朗読で綴る生涯〜」を
盛況で終えられたところで、その報告などを楽しくお聞きしました。
ドレスも女神スタイルでとても素敵なんです。ブログで拝見できますよ。
当店でも10月30日(土)に秋の朗読会を行う事になりました。また詳細決まりましたら、発表しますね。

朗読でおなじみの原きよさんも、先日来店いただいて、色々お話したのですが、
その活躍ぶりには毎度驚かれます。
今度、太宰治作品の演劇と、ゲストによるトークショーのイベントが開かれるらしいのですが、
荒戸監督や女優の三田さん等大物ゲストの名に混じり、原さんもトークされるとの事。
来年は大舞台もあるようでかなりたのしみです。最近の活動・予定はブログでチェックです。

暑いのにみんな頑張ってるなー、夏バテしてる場合ではない、と
私も今出来る事をもうちょい進めてみよう、と途中になっていた、レポのアップを
地道に初めていく事にしました。
出来た!ってものでなくとも、後々また追加訂正。追加アップしていけばいいじゃない、
とにかくスタートをしないと、と。
一番近い、今年の桜桃忌のダザイヴェートをアップ完了いたしました。
せっかくもの思う葦国分寺でだざいを読む会コラボで素敵な映像朗読を創ってくださったのだから、
まだ脳裏にあの映像や音声が焼きついているうちに、と書きました。

前にお二人がお店に来てくださった時に、今私が日本の祭にとても興味がある、
という話題で盛り上がりました。
特に祭の夜は、一晩中男女がそこらへんでくんずほぐれつの・・・系のことに興味があります。
いやらしい意味でなく、歴史的興味です。
東北の祭は特にすごい、と聞いた事があるので、単なる都市伝説なのか、本当の話なのか、
まさに青森ご出身の方に直に聞いてみようとトライ。結果は
「どうなんでしょう?笑」というお答え。

ネットの検索ではなく、体験者に聞いてみたかったので(っていうとかえって言ってくれないかな)
体験者に限るのはやめましょう。友達の話とか、見た事はある、という話とか。
それで同じく青森ご出身の中村さんに聞いてみたところ、(お子様とご一緒でなかった時です^^)
「どうなんでしょうね?笑」同じようなお答え。

どうなんだろうな〜と思っていた翌日、堀江ご夫妻がご来店。
前回ご来店時に、賽の川原の映像を見せていただいてたんです。
「美知子さんの本に賽の河原について出ているよ」と「回想の太宰治」のあるページを開いて見せていただきました。

たけさんが「ゆうべは賽ノ川原で野宿した」と発言した事に対する一連の文章がそこにあった。
「お祭、野宿、私はきっとこれは性につながりのあることだろうと想像した。
かがい、歌垣、盆踊などに共通する、若い男女に許された年一回の夜遊び、性の解放の一夜なのではないかと考えた。」
とある。美知子さんもそう想像したのだから、やはり祭に関しての夜の若い男女の解放の認識は
皆、私と似たようなもので、それはきっと根拠があり、都市伝説ではなさそうな気がした。

そのあとで「かつてはその夜に限り既に嫁いだ女でも幼馴染とデイトすることが公認されていたという」
と続くからますます興味深い。
続いて読んでいくと、どうやらイタコの口寄せをきく為の野宿であるらしい事がわかってくるのですが、
日本の祭というものを研究したい気持ちが強まりました。
来年の夏は、どこか地方のお祭りを見にいこうかな・・・

それにしてもナイスタイミングで堀江さんからこんなヒントを差し出されるとは・・・
これは私に祭りに行け、という啓示か?それともイタコの口寄せの方のお導き?
賽の河原、恐山とか?
合掌霊場アイスにはひかれるのだけど。ヨモギアイスが激ウマらしいので。
いや、いつものミーハーな私のまま行けばなんかえらいめにあいそう。
行く時はちゃんと勉強してから行きましょう。

というわけで、久しぶりに日記&レポ更新できて良かったー。
今夜はまた暗闇のDVD鑑賞でもしよっかな〜。
実は今頃になって、44になったこのタイミングで、ジブリ映画にハマっているのです。
「借りぐらしのアリエッティ」もやっと観れて、すごく良かったのですが、
「耳をすませば」「海がきこえる」「思い出ぽろぽろ」など普通の人が出てくるのが好みです。
きっかけの話等は、また近日中に。

あと、「あなたが絶対好きそう」と言われたので見てみた「モテキ」ってドラマもハマった。
おととい見たらすごく良かったから、動画で2日かけて今までの4回分全部見ちゃった。
俳優さんが全員いいかんじなんですよ。特に「愛のむきだし」に出てた満島ひかりちゃんが素晴らしい。

その満島ひかりちゃん、NHK BS2で「太宰治短編小説集 第3シリーズ カチカチ山」に出演するそうです。
満島ひかり、皆川猿時出演 高田雅博演出 9月28日(火)OAだそうです。
この時、他の太宰作品もやるようですが、西川美和監督が「駆け込み訴え」を手がけるようです。こちらは27日OA。
主演は香川照之。BSだから見れないのがすっごく悔しいです。
「ゆれる」の時に、主演の二人に「駆け込み訴え」をサブテキストとして渡した、という
エピソードを知った時から、いつかこんな日が来るのではないか、とは思ってましたが実現するのですね。

1はお客さんのご好意でDVDに焼いていただき観る事が出来ましたが、すごく良かったです。
たしか日記で賞とれるでしょ、これ、的な事書いた記憶があります。
このシリーズも3ですか。日が近くなれば詳細も番組HPにアップされるでしょう。

また近いところでは、8月24日(火)夜10時からは妖しき文豪怪談で「葉桜と魔笛」がオンエア。塚本晋也監督作品ですよ。
これ、他の作品も気になります。特に芦名星主演の川端の「片腕」。好きな作品なので。
でもこちらもBSだから観れません・・・こんなに充実してるので、後で観れる機会がある事を願います。

BS観れないけど、私にはDVD三昧がある。
近年では珍しく、信州に旅しなかった夏だけど・・今夜も映像と遊ぼう。
残り少ない夏もこれでなんとか乗り切れそうです。


2010年7月31日 土曜日
日記に書きたいような嬉しい出来事やご来店が最近続いたのですが、
イラスト展もあと3日ですので、とり急ぎ新作のご紹介をアップしてしまいますね。

          
太宰治イラスト2種類。 お店のシリーズとは雰囲気が違っていて        ネコのイラスト、販売は2種類ですが、「ネコ画」というノート
これまた人気です。                                   にはこちら以外の作品も多数見れます。手にとってご覧下さい。


               
歴代ショップカード。上から2番目、3番目持ってる人は         窓辺に飾ってたひまわりもその後いただいたお花などを混ぜアレンジし
少ないと思います。レアです。4番目は幻のカード。超レア。      ただ今こんなかんじ。独創的なセンスはさすがイラストレーターさん。
ただ今一番上のカードがございます。レジ前にあるのでどうぞ
お持ち帰り下さい。

新作も他のカードと同じ1枚200円。ショップカードは勿論無料です。
2日(月曜日)が最終日ですので、あと3日です。どうぞご来店下さいませ。


2010年7月22日 木曜日
以前にもお知らせしていた、イラスト展が本日よりスタートしました。

     
とんちゃん個展BOOK&CAFE' Phosphorescence作品集    お母様からホンモノのひまわりが贈られてきました。
日時2010年7月22日(木)〜8月2日(月)の営業日        こちらは大輪ですが、左のイラストから抜け出たような風景が
夏を感じさせる爽やかなこちらのイラストのポスターが      フォスフォレッセンスの窓辺に。
期間中窓に飾られています。

当店のオリジナルポストカードのイラストレーターさんのびぐさん改めとんちゃんさんのイラスト展を
店内奥の階段下スペースにて開催中です。
今回はフォスフォレッセンスオリジナルカードに加え太宰治イラスト、ねこのイラスト等を展開しています。

      

      
あの奥のスペースがこんな素敵な書斎風アトリエっぽい  今回のイラスト展用にレターセットが新登場。ニューデザインも。
空間に大変身。是非ゆっくりとご覧下さいね。         1セット500円(便箋5枚 封筒3枚 封シール3枚入り)かなりお奨めです!
                                    

   
ポストカードは従来どおり1枚200円となります。

なにより私がとても愛しているカードたちです。やっと「とんちゃんイラスト展」を開催出来て本当に嬉しいです。
こちらのポストカードのファンの方、作者さんに会えるチャンスでもありますよ。
是非期間中にご来店下さいね。


毎日暑いですね〜。体調を崩したりしていませんでしょうか?
涼をとって熱中症等にならぬように色々と対策を練る今日このごろ、
私が感じたこの夏最初のちいさな涼は一枚のハガキ。

太宰の「斜陽」が第一回だった「百年読書会」の本の完成のお知らせに
添えられた朝顔の古染箋にビッシリと埋まる文字。
字が美しいという事の良さ、羨ましさをまたひとつ実感しました。
このくそ暑さに本当に一筋の涼風が吹き抜けたのです。ちりーんって風鈴が
かっかした頭の中で鳴ったみたいに。

送り主は感想募集の件で協力させていただいた時や、以前に取材でお世話になった編集部の方で、
お年賀もとても極め細やかな筆で柔らかい気持ちにさせていただいた事を思い出しました。
私の字を知っている人は、わかると思いますが、本当に読みにくい。
こんな美しい字になりたいなー、とつくづく思う夏の日の午後であります。

感想の投稿募集のチラシを当店に置いていたのがついこないだの事のように思えますが、
1年間、12回、1万三千通の感想を経て1冊の新書本となりこの手に届きました。
「斜陽」のページを読み、ある事を強く感じたのですが、その件はまた機会があれば書きます。
「斜陽」はまさに賛否両論なのが良い。万人が褒め称える名作では決してないところが魅力のひとつです。
読者からの感想ハガキを1冊にした大読書会、いろんな世代の人に読み継がれていくという実感が沸きました。
名作好きの方なら一読をお薦めします。
百年読書会 重松清編 朝日新書 

この暑さでも、夕方には涼しい風が吹く事があります。
ひまわりのポスターに吸い寄せられてお店の奥のスペースで覗き込んだ世界を、
多くの人に体験して頂きたいです。
夕方からは展示スペースもライトアップされるので、また昼とは違った雰囲気になります。
そこで感じるのは一瞬の「涼」なのか、蛍の光のようなもっと幻想的なものなのか、
自由な感想が交差する空間になる事を願います。


2010年7月3日 土曜日
太宰治文豪はんこポストカードの販売を開始しました。
こちらは消しゴムハンコ作家史緒(fumiwo)さんの作品です。
1枚200円で販売中。

   
レジ前の場所にございます。             漱石やその他作家も是非史緒さんのホームページ http://web.mac.com/fumifumu/
                              にてご覧になって下さい。当店で販売しているのは太宰治のみとなります。


文豪はんこ、いいですなあ。この黒々とした凛々しいかんじ。まさに文学の色合い。
私も今墨とか、昔の筆記道具に興味があるのです。
例えば「矢立」
実はこの存在さえも知らなかったのですが、阿部なをさんの「小鉢の心意気」を読んだら
太宰から矢立を贈られた事が書いてあって、とても印象に残ったのです。

「敗戦になってからでしたか、青森の中学へ講演にいらしての帰りとか、
菓子の包みとともに竹でつくった小さな見事な矢立を持ってきてくれました。
そのとき私は人形づくりをしていたので、多分その小さい矢立を人形と結びつけて
考えてくだすったようでうれしかったのです。」(文中より抜粋)

この本には太宰だけでなく、初代さん、古田さん等周辺の人々の
初聞きの話が出てきてとても興味深く読んだのですが、
太宰のではこの矢立のエピソードが私は一番好きです。

自分が一生懸命になっていることを、さりげなく見ていてくれた、気遣ってくれた、
こういうのに私ものすごく弱いのです。ほんと、コロッといきますよ(笑)

太宰の「作家の手帖」にもコロッといきそうな事が書かれてあります。
七夕の夜に女のところへ遊びにいき、知らん振りして帰るのを5,6年繰り返す。
「毎年、僕の来る夜はどんな夜だか知ってますか?七夕です」と笑いながら教えてやる、というやつ。

5,6年かけるというのがまたなんとも手が込んでいて・・・と思いますが、
きっと女の方は2,3年あたりで気付くだろうと思う。
あえて男の遊びに付き合って「まあ」と目を輝かせてコロッといってあげる余裕と言うものを持てば、
少しはいい女に近づけるかもしれない。
これぞ裏太宰な女、ですかね(笑)

話は「小鉢の心意気」に戻しましょう。


ちくま文庫 小鉢の心意気 阿部なを ただ今在庫ございます。
青森出身の料理研究家で人形作家でもある阿部なをさんのエッセイ。
洋画家・阿部合成と結婚していたことから、太宰と親交があった。
おすすめの1冊ですよ。「太宰治さんと私」「古田さんの思い出」の章はファンなら必読。

一緒に銭湯に出かけた時の初代さんの桃色の肌の美しさ、
山岸外史と太宰が飲みにいったかえりに花屋を買い占めた、と逢う人にも分け、家中花を散りしくロマンぶり、
「千代女」誕生秘話など、スラスラと夢中で読みました。
そして古田さんの章を読むと、ますますこの好人物、好男子に惹かれてゆくのでした。
とにかく太宰には誰がなんといおうとほれぬいていたようで、
それがなをさんの女性の視点、柔らかな筆でひしひしと伝わってくる。

一時なをさんは「太宰さんの彼女だった」と週刊誌の取材陣に追い回された事があったそうです。
それは古田さんが「店が繁盛するだろう」と流した噂だとか。
このあたりの事の顛末もなかなか読みごたえがありますよ。

うちも店が繁盛するために、「太宰の元彼女の生まれ変わり」と自分で言いふらそうかしらん♪
なんて冗談はさておき、こんな男たちに実際逢ってみたかったな〜、とつくづく思わされる読後感でした。


先日、念願の紫陽花についた蝸牛を発見しました。

    
みーつけたっ!

矢立はないけれど、蝸牛が進んだ跡の露を集めて墨に混ぜて、短冊に願い事を・・・

といきたいところでしたが、色々と用意がなくて写真撮るだけで精一杯。
でも小さいけれど夢がひとつ叶いました。
だから七夕の願い事はあまり贅沢は言わずに。
クリスマスの願いは「宝くじが当たりますように」でもいい。七夕はちょっと違うんですよね。
「作家の手帖」にあるように、七夕の祈りは、つつましいほどよい。
この小さな生命を見つけた喜びのごとく。
皆様も良い七夕をお過ごし下さいね。


inserted by FC2 system