営業日記。

2004年5月25日 火曜日
昨日の夜の出来事です。
日曜日替わって貰ったからか、まだ20時前なのに
「店番交代する」とますたー登場。ありがたく交代してもらい、スーパーに寄ってから
予想外に早く帰宅し、とりあえずテレビをつけてみる。

いきなり画面に松田聖子登場。私は20年来の聖子ちゃんファン。
艶っぽいですねー、四十代なのに新陳代謝すごく良さそう・・・
もとから白く美しい肌な上に、恋し続けていたらそりゃ美しさ保てるだろうな
トークのところは見れなくて残念だったんですが、歌だけでもなんか釘付けなりました。
画面からコラーゲンがぶわ〜んって漂ってきてるようなんですよ。
でもそんなこと言ってるようじゃいつまでも負け組ですね、だって画面からコラーゲンなんて単なる妄想ですから。
ちゃんと手入れを怠っていない人、または聖子のように、生まれつきの赤ちゃん肌 (しかも親子三代)
の人だけが勝ち。私ももう歳なんだから少しは努力しないとダメだななんて思ったのでした。
で、コンビニ行ってリーマン御用達スポーツドリンクコーナーにて
「キレイのための新習慣 コラーゲンドリンク」 というのを購入。200円でお釣りがくる。
まあこれも第一歩だけれど、さっきも書いたように「日々の努力」の積み重ねが大事。
うーん、大変そうだな、とりあえず今日のところは聖子アルバムでも聞いて、と眠ろうとしながら
いろいろ考えてたんです。そしたらいろんな男性、たとえばジェフとか、まわりのスタッフとか、
の記述で共通しているあることをふと思い出したんです。

それは、
「彼女はちょっとしたことをメモして、ジャケットなどのポケットにそっとしのばせるクセがあった。
今日は幸せだったわ、とか お疲れ様でした とか、もちろん手書きですよ。少し日がたってから
そのメモを見つけた瞬間、おお聖子、君はなんて可愛い女なんだーってまた燃え上がる」って。
聖子はメモ魔らしいですね、またポケットにしのばせる、って。 すごいな
これナンシー関がやってたら良かったのに。今ごろになってポケットからナンシー関が自分を書いてくれたメモ
「今日はお疲れ」とか(もちろん一言毒舌入り)見つかったらむせび泣くほど嬉しいと思う。思わないかな? でもきっと宝にするね。

普段自分のお肌や身体の手入れがマメにできる人って男性に対してもきっとマメなんでしょうね。
もちろん例外もあるし、聖子ちゃんだって「私、特別なことなんてなんにもしてないの」って発言して
古舘さんに反感買われてたこともありましたしね・・・ 

って一度書いたの消えて頭の中白いので、こんなまんま「日記」ってかんじになりましたが
ま、いっか。上書きほぞーん
 はー、私はマメないい女は遠い道みたい。今までどおり夢見る三十路乙女おばさんキャラで。
ってそろそろ三から四への移行が近づいてますからね、一応これからはもうちょっとケアに関心を持とう。

2004年5月24日 月曜日
土曜日、書き忘れてたことがありました。
友達からいただいた映画情報をひとつ

ー背のびしてミューズのあし(ホントは難しい字 足辺に庶)をくすぐらむー
監督 川島雄三 6月5日〜7月2日 シネマアートン下北沢
普段、陽の目を見ない貴重なフィルムから代表作まで、川島映画21作品を一挙上映
詳細はお店にチラシを置いてますので、よろしかったらお持ちになってください。
文芸作品も混じっていますよ。
「喜劇 とんかつ一代」上映週に限り、とんかつ屋さんのおいしいカツサンドを販売します
という囲い欄を見て思わず微笑んでしまいました。なんかシモキタっぽいかんじですね。

川島雄三については何も知らなかったので、少し説明してもらいましたが、
太宰と同じ青森県出身なのですが、「太宰なんか嫌い」を公言していたらしく、
といってもよくあるパターンで、その「嫌い」は心底というわけでもないようです。
むしろ愛情を持っての「嫌い」なのかな?そのあたりはまた探っていきたいです。

近頃新聞の広告なんかで昔のドラマなんかのDVDが復刻されてきてますね。
見たいものばかりです。早乙女愛と西条秀樹の「愛と誠」とかね。
長いシリーズは1巻見てしまったら最後、全巻一気に見てしまいたくなりそうなので要注意。
時間がゆっくりとれたら考えてみましょう。

2004年5月23日 日曜日
本来はますたー担当の日なのですが、
今日は彼が静岡までブルーインパルスのショーを見に行きたい、というので
私が交代して一日店にいましたので今回はますたーお休みです。
しかし雨のため中止になったようで、野球観戦にきりかえたようです。
というか私も静岡行きたいよ〜

そのぶん、30日の日曜日、先輩の結婚式に出席するため、終日お休みします。
その日は一日中ますたーが店番ですので、お店に来てやってくださいね。

2004年5月22日 土曜日
今、土〜火曜日までの日記のすべてがトラブルで一瞬にして消えた・・・無念。
というかこのPC、大丈夫かな? 頑張って書き直しします。

今日は「三十路女性によるいい男談義」で盛り上がり、なかなか楽しかったです。
近所のきれいな奥様が来店してくださったのですが、そのあと私の友達が来て
いろいろ話していると、「私もお話に混ぜてください」ときれいな奥様がいいかんじで乱入し
店内の窓際コーナーで、まさに「三十路女の三角」コーナーが出来上がったわけです。
その三角パワーもあってか、ものすごく濃いものになったのですが・・・

なんとなくイケメンさんを挙げるのはダサい、みたいな雰囲気の中、
「でも私は最近、趣味が変化してきて、モロかっこいい人よりも、内面の魅力が顔に滲み出てるような人がいい。
例えば大森南朋、リリー・フランキー、松尾スズキ、など」と言うと
「みんなかっこよすぎる」とピシャッと斬られてしまった。このメンツでもそうくるか

きれいな奥様は、「朝まで生テレビ」にも出ている東大教授の姜尚中を指名。声がいいんですって。
気になって著書まで読み漁ったというのだからすばらしい。
「しょうがのが、姜尚中」と記録するその他二人。なぜか皆カバンからノートと筆記用具を取り出しての談義でした。
で、私の友達の趣味は・・・今一番嵌ってるのが小沢昭一だとか言いだす。最近聞いてる音楽は高田渡らしいし。
このあと名前があがったいい男たちを、記録してるのだけでも紹介すると、
多々良純、川島雄三、岸田森(岸田今日子の夫)、'65年まで限定の天地茂。当時はガリガリで悪役がよく似合ってたとか、

「小沢昭一責任編集の雑誌藝術東西、うちあるよ」と見せると、とても喜んで見てくれて、しかもお二人ともお買い上げいただいた。
きれいな奥様は「三十路トークできてすごく楽しかったし、いい出会いがあったということで」と。
うちの店に立ち寄ってみたことで、こんなハプニング?があるなんて来る前は思ってもみなかったんじゃないでしょうか
出会いの勘に身をゆだねてみることができる人って、自分の世界を広げていくことがうまい人のように思います。収穫があると良いな
なにより私がとっても楽しめました。もっと世界を深めないと。まだまだ修行が足りんようです。

2004年5月21日 金曜日
カフェをやってみたいと思われている方が最近よくお店に来てくださる。
先日も昔の私と同じように、東京に夜行バスでやってきては何軒かのカフェをめぐり
オーナーさんに話を聞いてるんです、って方がいたし。
中には即「やめといた方がいいですよ、今はじめるビジネスじゃないですよ」と
言われたオーナーさんもいらっしゃったとかで、それはそれで否定はしませんけど、現実は厳しいし。
でも私はそんなこと絶対言わない。っていうかそういう発想ない。
厳しいこととか、今からはじめるビジネスじゃないとか、そういうことで惑わされるような思いなら
そりゃあやっても失敗するでしょう。夢見てる、とかって。おおいに夢見ることからはじめていいと思うんです。
そのうち具体的に動いてく人ならイヤでもたくさんの壁にぶちあたるんですから。
ビジネスのことだけでなく本当に好きなことなら自分の五感全部でその夢を叶えたい、と思う筈。
私はそういう感覚的なことをものすごく大事にするので、またそういうやり方しか知らないので
今のところなんとか楽しくやってこれてます。
今日来られた方は、カフェめぐりを五感で楽しんでらっしゃるような印象を受けました。
コーヒーを飲みながら、この店の大きな窓をじっと見つめ、「映画見てるみたいですね」
ってとても気持ち良さそうに言われてた。 この窓の枠をどう表現されるか、これは私自身
お客さんからたくさん学んでます。その方の感性やセンスが出るんですよね。

そのお客さんと京都の喫茶店の話になったのですが、またひとつ行ってみたい喫茶店ができました。
京都の老舗喫茶店はたいてい網羅してると思ってたら、まだまだつめが甘いですね。
「セブン」というお店なのですが、その方が来店した時は、店主の方がビートルズのナンバーを口ずさみながら
コーヒーを淹れてくれたんですって。素敵ですね。なら私も80年代風の唄フリしながらサーバーしてみましょうか、
ちょっと無理があるな・・ かなり昔から営業されてるらしく、ソファーの色が、時を経たものしか醸し出せないような赤色なんですって。
今度京都に行ったら訪れてみたい。って店がもう何軒あるだろ、こりゃ1週間以上滞在しなきゃ無理だわね、それも無理な話。

その「五感」の話で思い出したのですが、お客さんから教えてもらった「漁港(港という字はさかさま 変換できず)」という
漁師さんバンドが気になってます。今週の週間SPA「エッジな人々」に載ってたので思わず購入してしまったのですが
そこにも書いてあるけど、「俺たちの音なんて聞かなくていいから、サカナ食え!」ってコンセプトみたい。ああ、なんて男らしいのかしら
私も「茶なんてすすらんでええから本買え!」って言ってみようかしら(冗談ですので)
その記事を読んで刺激を受けました。私も古本屋とカフェと一緒にやっていて、二束のわらじ的で、言い換えると
二股かけてる?ってふうにとられることもあるかな、なんてたまーに弱気になる時もあるのですが、
ミクスチャーってやったもん勝ちで、自分自身が納得できれば何やってもいいでしょ、っていうかんじのことが
書いてあってなんか勇気づけられたかな
しかし魚とロック、ってすごいですね。五感をすべて刺激して、可能な限り魚の世界を伝えたいらしいです。
私も「古本屋&カフェ」を続けていくのは、ただの読書、だけでなくコーヒーの香りや窓からの風景、
時には静かに、時には隣の席の会話が読んだ本の感想で、うんうんとうなづいたり、そんな風に五感をとぎすましながら
過ごす時間の楽しさを提供したいのかもしれない。もちろんただただリラックスしてもらってもいいんですけどね。
はー、なんだかマグロの刺身が食べたくなってきました。今夜はお刺身だ! ただしタイムサービス狙いでね・・

2004年5月20日 木曜日
最近お客さんがよくものを貸してくれるんですよ。
それもこっちから「貸してください」とか一言も言ってない、いわゆる未知の出会い派、ってやつ。
「蛇にピアス」と「蹴りたい背中」もお客さんから借りて読んだことは前に書きましたが
ビデオとかDVDも、あ、そうだ!報告します。最近やっとDVDのデッキを購入しました。今ごろかよ、って?
理由は椎名林檎の「百色眼鏡」に出演されているらしい大森南朋さんが見たくて、とか
CD買ってついてくる特典のDVDが見れなくていつもつらい思いをしている、とかいろいろ。そんな悩みをなんとか
したいと思っていたところ一番近い電機屋さんの広告で「GW激安セール、DVD7000円台」を発見し、衝動的に買いにいったわけです。

そのことをお客さんに話すと、お祝いに「時をかける少女」のDVDを貸してあげます、と持ってこられたのです。
これはますたーの大好きな映画なのでさっそく鑑賞しました。原田知世のオーディション風景や何度見ても
新鮮な白いブルマー、なつかしの深町君の姿など拝見でき、私も満足したのですが、
ますたーの「時かけ」への思いいれはやはりあなどれなかった。
「画像が暗い」と言い出し、なにやらテレビの裏側などをいじっている。真剣そのもの、
なんとかきれいにうつる方法をあみだしたようで、「これでラストの最高の笑顔が見れる」と嬉しそう。
仕事中もそれくらい本気だしてほしいわ、ほんと(笑)

他には宇多田ヒカルのベストアルバムもいきなりお客さんに、
「これ、なぜかさっきコンビニで1000円引きで売ってたから衝動的に買ったんだけど
よく考えたら今聞く時間ないんで、1週間貸すので良かったら聞いてください」とかね。
いや、宇多田ヒカルはファンなのですごく嬉しかったんですけどね、1週間、聞きながら歌いまくりさせていただきました。

今日、素敵なおじさまに、「これすごく良かったから1週間お貸ししますのでよかったら読んでください」
と渡してもらった文庫本は 「風俗嬢菜摘ひかるの性的冒険」 たしかに、評判は耳にしていたので興味はあったけど
なかなか危険な選択でない?これ。来てくださる度にぽつりぽつりと文学の話なんかをして、
買ってくださる本も「対談 私の文学」とか岩波文庫「モーツアルトの手紙」とかで、けっこうかっこいい紳士的なおじさま、
そんなおじさまの手からいきなりこの本が・・正直ちょっとびっくりしましたが、大丈夫ですよ、おじさま、見る目ありますよ。
ちゃんと人見てますね、私ならOK。私なら。って何がいいんだ!
「香山リカさんがこの本を薦められていて、気になって読んでみたらものすごく才能に溢れた女性なんだよ
あなたに是非読んでみてほしいと思って」 あ、そういった経緯なのですね、少しホッ・・安心。
1週間以内に読んでみますとも。チラッとページを開いて私の目に入った単語は・・「アナルパール」・・「擬似放尿器」・・
あの紳士的なおじさまが、これらの単語をどんな表情で・・・いやいや、文学を愛するものはエロに背を向けてはいけない。
38歳の私のテーマは「エロ」でいきますから。 ほんまか(笑)

2004年5月18日 火曜日
15、16日に放映されたテレビ書評番組「本と出会う」見ていただいた方はいらっしゃいますでしょうか?
やはりBSは見れるけど、BS−iやCSは見れないのよ、って人が多かったのですが
一応もう一回宣伝しておこう、3週間後に再放送がありますので。
6月5日、6日ですね。詳しい時間などは前と同じですが、直前にもう一度報告しますね。
はじめはちょっと恥ずかしいし、などと言ってたのですが、30分出ずっぱりなんて
そんなことはきっともうないのでは?と思うので、やっぱり見ていただけたら嬉しいです。
私もリアルタイムでは見れなかったのですが、ビデオを送ってくださったのでさっそく見てみました。

なんか・・・やはり私は80年代の歌謡曲世代なんだな、とつくづく感じました。
特にトークの後半、なにかがのりうつったかのように、右手を動かしまくりながら話すんです。
それがクネクネ、ヒラヒラなら平成の歌姫っぽいノリなのですが、それってどんな?というと、あのー、
よくのど自慢とかで鬼束ちひろの唄なんかを披露される時に、よく見る、あのかんじの手の動きです。
中途半端だと妙にきもくなるので要注意かもしれませんね。
そうじゃなくて、あくまでワンポイントの軽い手の振りが時々登場、ってかんじなのです。
聖子や明菜、きょんきょんなどあの頃の歌手たちのちょっとした右手の振り、ってわかりますかね?
そんなかんじで何度か手が踊ってたので、見ていて「あちゃー、いたた」と思ってしまいましたが
一度、私が手をくるっと翻すと、その手のひらの先に「phosphorescence」と字幕が飛び出てきたんですよ。
いやー、これには大感動です。なんか魔法使いサリーみたいだったんだもの。
嬉しくてそこだけ何度も繰り返したり、結局すごい楽しんで見たのではないかと思います。
カメラポイントや字幕など今回のスタッフさん、ありがとうございました。気に入りましたです。
いい経験になりました。ってことで再放送の方、良かったら見てくださいね。

2004年5月17日 月曜日
すごい、ますたー、なんと初の一行日記に挑戦してる。
まあこれはこれで新鮮かもしれないけど・・・

今日は「前から気になってて一度入ってみたかったんです」って方が連発。
意外と目立つようで目立たないのか、ご近所さんでも「今日はじめて気付いたわ」なんて人も
いまだに居るし。近すぎるとかえって入らないお店って結構ありますよね、
ここなんかは丸見えだから特に。でも外観と実際中で過ごす印象はちょっと違うようなので
気になってる方は是非来店くださったら嬉しいです。
昨日もそういうメールをいただいたし。「ものすごく近所で気になってるので今度行きます」みたいなの
気になるだけでなく、第一歩のはたらきかけをしてくださったのがとても嬉しいですし、
きっかけがあったら「えいっ」ってかんじで入ってきてほしいですね。

そうそう、それでこのところよくお客さんに言われるのが、適度な音量が心地よいですね、ってこと。
店のすぐ前が大きな道路で常に車が走っているので、もっとうるさいかと普通思うのですが
そうでもない。それでいて静か過ぎるのも少し苦手、というかんじ、私もよくわかります。
先日来てくれたお客さんは、「潮騒みたいなかんじでいい」」と詩的に表現されていて、なるほど、潮騒ね、と納得。
それで30分に一度は時計がボーンとなる、というのがまたいいんですよね。
あとはコーヒーのポタポタと液が垂れる音と香り、時折ジュージューと野菜を炒める音とか
ワッフルのジューって蒸気や、そんなものがお店が狭い分けっこうダイレクトに伝わる。
私自身が昔好きで通ってたお店での体験もあって、こういうの嫌いではないです。
待ってる間の音や匂いへの導きもカフェで過ごす時間の醍醐味でありましたから。
狭いとなにかと不便なことも多いけど、広い店では味わえない五感をとぎすます楽しみがあると思います。
それこそ潮騒みたいなかんじで自然に流れていく時間の味付けを学ぶために、
私自身もこれからもいろんなお店へでかけていきたいと思います。

あとお客さんからとっても嬉しい知らせが!私はいなくてますたーに報告されたようですが
まだ発表されてないと思うのでとある文学賞としましょう、を受賞されたとのこと。
最近のどのニュースよりもとにかく嬉しくて。めでたい、っていうのはこういうことを言うのでしょうね、

2004年5月16日 日曜日
えーと、今日は特に変わったこともなく平和で程よく忙しい日曜日でした。
2004年5月15日 土曜日
昔、安西水丸がカバーデザインを書いている「女生徒」の文庫を探している、
といったお客さんが来店、ってのをその日の営業日記にも書いたと思うのだけど、
久々にその方が来られて、「女生徒」はないんですけど、「斜陽」ならありますよ、ってさしだすと
喜んでいただけたようでした。あの時のお客さんかな?ってちょっと自信なさげな時でも、
勇気を出して声をかけるようにしてるのです。違ったらあやまればいいですからね、今のところ
あ、あの時のお客さんだ、と思った方に声をかけて外れたことはありません。お客さんの絶対数がまだ少ないですからね。
このカバーのシリーズ、私も好きです。個人的に集めたくなりますね。
でも住んでる家の方に自分の個人的な蔵書、ってほとんどないんです。何度も書いたように、
読んでしまったら次の人に読んで欲しくなるタイプだし、なによりこのお店に好きな本が並んでる方が嬉しいから。
そのお客さんに「前より随分売れ線の本が増えてきましたね」と言われた。そうかのかな
さまざまなお客さんの声は新鮮でおもしろい。

お茶のお稽古の帰りで和服姿で来店してくれた方から、着物についてのおもしろいことを聞きました。
当たり前、というか常識なのかもしれないけれど、私は初耳だったのです。
男の人の着物の袂の脇側って開いてないらしいですね。じゃあ波平さんはいつもどこからサイフを出してんだ?
となると、腕の内側から出してるらしいです。なんかサイフ落としそうですよね、
女性が脇側も袂が開いてるのは、男の人が胸に手を忍ばせやすいからだそうです。そうなの?襟から袂からどうぞ、の世界だ
なんて言ったらあなた、そんなことも知らなかったの?っていうか普通に考えたらわかることで日記に書くのはやぼ、とか言われそう・・

彼女と江國香織の「薔薇の木 琵琶の木 檸檬の木」談義に花が咲きました。
私もこの小説すごく好きなんですけど、彼女は年に一度は必ず読むことにしている、ってことなのでかなり詳しい。
そもそもこの小説は主な登場人物が9人とやたら多いのですが、彼女は「陶子さんが、こうで、その不倫相手がだれだれで、出会いは犬の散歩で」
とか正確に覚えていてすごい。私は「あの、倉敷に旅行するあれ、」とか他の江國作品とごっちゃになってたりして記憶力悪い。
ただとぎれとぎれの登場人物の名セリフは覚えていて、しばらく「あ、それすごくわかるよね」とか盛り上がってました。
たとえば、専業主婦の○子(名前忘れた)が天気のいい日に洗濯物か布団をとりいれたあとそのあたたかな感触にひたりながら
「どうしてこんな昼間に男たちは仕事なんかしてるんだろう」みたいなセリフを言うんです。そういうの江國香織が小説の中で文体にしてる
とすごいリアル。たしかに一度読むだけでなく、自分の状況が少し変化するたびに読んでみると、前回読んだ時は、
この女性に共感したのに、今はこっちの女性の方が自分に近い、とかあるかもしれない。
そんなかんじでさんざん江國香織の世界に浸ったあと、吉行本を買っていった彼女、昔から私と趣味が似てる。
やっぱり読書っておもしろいですよ、うん。 江國香織の「スイートリトルライズ」早く読みたいかも

2004年5月14日 金曜日
なぜかお客さんと「教師と生徒の恋」の話になってしまった。
たしか映画の話をしていて、そういう内容の作品についてからの流れだったと思うんだけど・・
いや、結構あるんですよね、私も「今だから言えるんだけど」って20年以上前に先生とつきあってた、なんて
同級生友から告られたことありますよ。好きになるととにかくまわりに言いまくる私を、「恋愛の醍醐味は秘密の恋なのに」
なんて正直思ってたらしい。はー、昔のこととはいえほんと自分はなんて子どもっぽいのでしょう・・・
ドラマ「高校教師」みたいなんだと絵的にはものすごく美しいんですけどね
お客さんから「こんなパターンがあったよ」とかいろいろお聞きして、うわー、とかすごー、とか言いつつ
「長い人生の中で、先生との恋ってのはその学生時代限定でしか経験できないから、ちょっと体験したかったかも、ですね」
なんて答えてる私。少し前に姫野カオルコの「ツ、イ、ラ、ク」を読んだ影響もあるかもしれない。

読んだ直後に一度書いてるかもしれないですけど、なかなかリアルで良かったんですよ。あの校舎の中でのさまざまな
匂い、チョークだとか、体操服だとか、まあ男子だとか。 私は中・高時代はずっと片思いしてて彼氏ができなかったので
体験できなかった事が多くちょっと残念なことも。たとえば「裏時間割表」とかアンクレットの交換とか。
裏時間割表というのは、好きな男子や好きな先生の時間ごとの教室の、つまりその人の居場所を確認するための秘密の表。
おそらく生徒手帳やスケジュール帳のビニールのとこに大切に忍ばせてるものだと思うんですけど、こういうのいいですね。
もし自分の教室の窓からグランドが見えて、好きな男子が体育の時間ならば、こんなおいしい時間というのは一生に何度あることか・・・
もうカーテンの中に顔突っ込んで別世界に入ってしまいそうです。でもその科目は赤点確実ですね。

私もそれにちょっと似た経験はあります。3年8組だった私の教室の前の廊下を、3年4組の彼が理科室かなんかの教室の移動の
ため週に一度だけ通り過ぎることがあったのです。もう授業なんかまったく頭に入らず、窓ガラスに浮かぶ彼のシルエットだけを追ってました。
背が高くて、高校生なのにラウドネスにかぶれ長髪にしようとしてた彼のシルエットはひじょうにわかりやすく・・笑
いやー、なんかリアルに甦ってきましたよ、あの甘酸っぱい感覚。
アンクレットの交換、ってのはまったく私の学生時代にはなかったですね。靴下の中にかくれてるお互いのイニシャル、
わー、これなんか大人の恋愛よりエロス感じるんですけど・・・。 浮気がばれそうな時に、下校時間の自転車置き場やマクド店内で
「おまえ、ちょっと2組のやつとあやしいんやけど、ちょっと靴下ぬいでみい」
「いやよ」 「ぬげよ」 無知矢理靴下を脱がしてアンクレットのイニシャルを確かめる・・
なんて想像力を刺激させられません?うわ、やらし〜
あ、なんかまた妄想突っ走ってる。このへんでやめときますー

2004年5月13日 木曜日
昨日はダンナと横浜デートでした♪
みたいな出だしで普通38歳の既婚者が日記はじめますかね〜?ま、いっか。
ちょっとさまざまな最近の厄をおっぱらうためにも潮の香りでも浴びてこようか、みたいなかんじで。
まあ夜に横浜アリーナでラルクのライブに行くのが第一目的だったんですけどね。こっちも充分堪能しました。
ダンナは「みなとみらい線」で行く、という一言で釣れた(笑) でも駅ごとに背景が変化したりしてとても綺麗でした。

横浜、大好きなんですよ。はじめて行ったのが18歳の時。すごい感激しましたね、あのトラディショナルなムードの佇まいに。
ということは神戸ももちろん好きなんですけど。物心ついた頃から東京同様横浜への憧れがありましたね。
昔ドラマ「ふぞろいの林檎たち」で時任三郎と手塚里美がデートしてた外人墓地前のレストランもちゃんと健在でした。
ベタすぎかもしれませんがあのドラマはずっと見てましたので。  港の見える丘公園のあたりはやっぱりいいですね。
あんまり昔と変わってないですし。きれいに港の風景が見えるわけでもなく少し工場とか建物が目の前にごちゃごちゃしてる
あたりがかえって印象強いんです。神戸のヴィーナスライン、だったかな?あそこから見える近めの夜景は
もう完璧すぎてかえってダメ。ちょっとそのあたりに住んでる人たちの洗濯物とかそういうのが見えるくらいの方が好みなのです。

私が勝手に「横浜文学館」だと思っていた「神奈川近代文学館」もうここ大好き。
数年前に来た時もすごくいいと思ったんですけど、今度時間をつくって一日中いたい。
前回来た時は、仕事の出張かなんかの帰りだったと思います。いろいろ行き詰まってた自分の状況は覚えてる。
だからここで気分転換できたことも覚えてる。芥川龍之介の「蜜柑」のビデオに涙したことも。
そう、今もあるのかな?この文学館の文学ビデオ、おすすめです。あと併設の喫茶店も私はかなり好きです。
ロケーションがすごくいいので気持ちいい。この文学館ごとカタチがすごく好きなのです。超かわいい、って思わず口から出る。
太宰治の色紙も売ってました。今度お金持って買いにこよう。本当は「芥川龍之介展」やってたのですごく見たかったのだけど
二人とも貧乏なので今日は喫茶店とフロアーと閲覧室だけでうしろがみひかれながらあとにしました。なさけないですな〜
龍之介展の催しで、土曜日に森まゆみさんの「田端の王子さま」っていう講座があるそうで、すごく興味があるんですけど
当然お店があるので断念。いいですねー、「王子さま」 太宰は王子さま、ってかんじではないと私個人は思います。
白馬が似合うとは思えないし。天国へ連れてってくれそうにも思えない。でも天国以上の甘い蜜を吸わせてくれそうなかんじは
あるんですけどね、それがたとえ地獄であろうと。で、その地獄での甘い蜜を選ぶ女性をちゃんとかぎつける能力はあったんじゃないかな
どうだろう・・・ 例えがヘンかもしれないけど、王子より乞食のまなざしでものを見ることができる人だったような気がするんですよね。

いやー、リフレッシュした一日でした。新たな1週間また頑張ろう。

2004年5月11日 火曜日
最近身のまわりのものがよくなくなります。これって要注意かな?
先日ずっと愛用してたトートバッグがなくなったことは書いたとおりなのですが、
ゴムも昨日なくしてしまったようなのです。あ、髪をくくる時に使用するやつです。
ゴムといっても、吉祥寺のにじ画廊で購入した、作家さん手作りのかわいいやつなんです。着物地のボタン
がゴムについてる。私の今の髪型は肩より少し長いくらいなので、普段店ではひとつにくくって
玉椿柄の古布を頭に巻いてるのが定番のスタイルなのです。要するに毎日そのゴムで髪をまとめていたわけです。
たったゴムひとつないことで、ものすごく不便なんです。あんな小さなものが、です。
そういう毎日愛用、身につけていたものが次々となくなる、ってなんかやなかんじじゃないです?
そのことを話すと「ああ、身代わりになってくれてるんだよ」って言う人がいたけれど、それはそれでなんかブルッってきますね。
でもそうなのかもしれない。 ちゃんとポケットにおさめたのになくなる、とかどう考えても不思議なんです。
風の強い日は自転車の前のカゴに重石をかぶせる、とか満員電車は閉所恐怖症で心臓がバクバクしてくるので
終電には余裕を持って、とか過去の経験から学習して気をつけるようにする、ってレベルじゃないんですよね。不思議現象なんです。

そしたら日記を読んでくれたひとりの方からいいタイミングでアドバイスを受けた。
先日「魔の交差点、とか、この場所からだけは歓迎されてない、京都に帰れ、と言われてる気がする」と
日記に書いてあったけど、そう書くことによって本当に魔のスポットになっちゃうことがあるから今後気をつけた方がいい。
言葉には魂がある、ってのはわかると思うけど、読んだ人の「あ、そうなんだ」っていうほんの小さな念も
ないことまで事実になる場合があるから、って。なるほど、納得がいく。 「はい、今後やめときます」と素直にうなづいた私だった。
逆に長年の大きな悩みは実は重度の金縛りだということは言いまくった方がいいそうで。
何人かは経験者だと思うので、十人十色の金縛りの解き方をひとつでも多く聞いておいたらいい、って。
いつか自分にも適応するピッタリな解け方に巡りあえるでしょう、って。なんか結婚相談所みたいですね(笑)
でも私こわい話基本的にまったくダメなので、お店でもしそういう話になったらできるだけ明るく話したいですね・・無理?

とそんな暗い話題満載の本日、私は誕生日でした。で、なにをしたかというと
前々から一度してみたかったカップヌードルのスープをすべて飲む。っていうしょーもないこと。
カップヌードル、おいしいと思うんですけど麺はほんの一瞬で終わってしまう、と思ってるの私だけ?で、スープをすべて
飲みたいんですけど身体に悪そうでいつも残すんです。でも今日は誕生日だからすべて飲んでやる、って思ってそうしたのです。
数時間後、お腹がちょっと調子が悪くなってきました。ちょっと後悔しはじめた頃、お客さんがケーキをプレゼントしてくれた。
朝からゴムをおとしたりお腹こわしたりかなりブルーなスタートの5/11でしたが、白い箱にかかった茶色いリボンが紙袋の中から見えた時
すごく気持ちが晴れた。「ますたーさん用にチーズじゃないのもありますんで」って言ってくれたのも。ありがとうです。
毎年この日は思うけど、今年は時間を無駄にしないようにしよう、そう決心することも大事。実行できますように。

2004年5月10日 月曜日
オープン直後、電話で問い合わせがあった時から、もしや・・と思っていたのですが、やっぱり、でした。
京都弁と大阪弁の違いを、特に東京で生活するようになってからはっきりわかるようになりました。
「今、三鷹駅にいるんですけど」と時々電話をかけてきてくださる方がいるけど、
京都の方だとすぐにわかる。最近、京都方面から東京へ遊びに来たついでに来店くださるお客さんが多いのです。
で、来店いただいて実際話してみると、あらためて女性の方の京都弁って良いわー、って思うのです。ちなみに私は大阪弁です。
京言葉ってほんとに柔らかいんですよね。そんな柔らかな話し言葉を耳にするとやっぱ京都いいな、と思う。
何度も書くようですけど、東京へ来て驚いたことは、こっちの人の京都への憧れってこんなに強いものだったんだ、ってこと。 
もちろん京都という街の魅力もあるけれど女のひとにこんな柔らかなことばで話されたら、イチコロやと思うんですよね。

今日やってこられた方は、私も行ったことのある京都の老舗カフェーでアルバイトされている、とのことで
なつかしー、なんて京都話に花を咲かせたわけなのですが、突然静かになったと思ったら
「あのー、記念撮影してもよろしいですか?」ってとっても立派なというかごっついカメラをとりだされました。
その「記念撮影」っていう言い回しとか、とてもおっとりした京都弁のかわいらしいお嬢さんがごっついカメラを
カシャカシャと優雅に操作するギャップとか、なんだかもうすっかりこの店に溶け込まれたようなその姿を見ているのは
こちらまで同じペースでゆったりとできた。っていうか京都の喫茶店に流れているような空気感?みたいなものを一緒に連れてきて
くれたかんじ。後から聞いてみたら奥様のようで、私ったらお嬢さんとかすごい失礼なこと言ってしまったかも、とちょっと反省
してしまいました。でもそういう年齢不詳みたいな雰囲気の方とうちの店の相性はどうやらいいらしいようです。

ちょっと前にも京都の本屋さんで働いてる、って方が来てくれて、書店員時代の話をしてお互いに励ましあったりした。
バリバリ観光地にある本屋さんなのですが、私が京都に行った時、時間がある時には結構出向く方面なので
これからちょっとあの方は頑張ってるかな?って立ち寄れる店が増えてとても嬉しい。知ってるお店に知ってる人が働いていて
その場所に行けばその人がいる、って単純なようですごく楽しみにできることだと思う。やっぱり最初に「人」ありき、ですよ。
あと面識はないのだけど、京都のイラストレーターさんとか手作り作家さんが東京で個展開く時に案内のカードを送ってくださること
もあり、嬉しいです。でかけられる場合はなるべく見に行きたいと思ってるんですけど今のところなかなか行けてなく・・・
あー、京都京都と書いてたらなんだか一泊旅行したくなりました。駅前のホテルに泊まって大階段の無料ライブ見るだけ、でもいいんだけどな
今はまだ夢。そんなこと時々したかったらもうちょい働かなあきまへん。せいぜいおきばりやすー>自分

2004年5月9日 日曜日
どもども、ますたーです。
えーとですねえ。最近、日曜の自分が居る時間帯にも、お客さんがぽつぽつと来るようになりまして、適度に忙しくやっております。
場所的に、平日の方が人通りが多いんですよね、この辺は。
誰も来ないと店主と交代するまで暇で暇でしょうがないので(笑)。
あ、そういえばもうすぐ土方歳三の命日ですな(まあ、陰暦と太陽暦の違いはあるのですが)。
ちょこっとお墓参りに行ってこようかな。。

2004年5月8日 土曜日
自分の書いたものが入賞したりして文芸雑誌に掲載されるたびに
来店されるお客さんがひとりいらっしゃいます。
今日もふらっとやってこられたので、あ、なにかに載ったのだな、と思っていると
いつもどおりその入賞作品、ってとこのコピーを持ってきて読ませてくださるんです。
で、毎回「あなたも書いてみませんか?いい小遣い稼ぎになりますよ」ってセリフを言われるんです。
その度「いえいえ」って笑ってるのですが、なにか書き物をしてるお客さんって多いですね。
昼からも、「これちょっと読んでみて」となにかの会報に掲載する、というお客さんの書いたものを
読んでました。もちろん短いものです。長いものはお客さんが来店されると中断しちゃうことになるのでちょっと無理ですしね。
ずっと前に、「山口瞳が国立の店を書いたように、僕もフォスフォレッセンスを書きますから」
って言ってた謎のおじさまがいらっしゃったことありましたけど、どうなったのでしょう。その後しばらく来られてないですね。

またまた「大成高校のあたりで店主さんをおみかけしましたよ」とお客さんに言われました。いや、けっこう久しぶりのことかな?
今度は私何してたんだ?まさかあの突風事件の最中じゃないよな、とドキドキしながら
「私、どんなふうでした?」とお聞きすると、その質問がなんかツボだったようで
キャッキャと笑われたあと、「信号待ちながら歌は普通に歌われたみたいだけど、まずそれ以前の問題として・・」
私、「そ、それ以前の問題として?」
「足つく自転車に乗ってください。足ついてないんで見ててドキドキです」って、
「いや、あれサドル限界UNDERSなんです」とかわけのわからんこと答えながら、なんか爆笑というかなんやー、とホッとするというか
たしかに私も気になってたんです。サドルは一番下、これ以上下げようない位置なのにそれでも足ギリギリなんです。
若くて可愛い女子高生が必死につまさきだちして信号待ちしてたら可愛いんだけどな、あーゆー風にうつるには歳老いすぎたか・・
ん?あとになって気付いたけど、「歌は普通に歌われてた」ってのがなかなかおもしろい。
そんな必死な状況でもちゃんと歌ってる自分、OK!ってかんじです。
まあでも良かったですよ。足が届かない程度で。「自転車の後ろに若い男の子乗せてましたね」とか言われたら、それ怪談ですからね。
足届かないどころかその男の子に足あったの?って世界。どこの霊媒師さんに見てもらおうか、っていう話になっちゃいますから。
そういうの苦手なので。若い男の子と二人乗りして自転車の前後で輪唱、はちょっと憧れますけどね・・♪とおくへきたんだとぉ〜♪とかね。

2004年5月7日 金曜日
着付け教室の帰りに来店してくださったお客さん、淡いピンクの着物姿で、ボブカットの黒い髪と眼鏡がとても
よくお似合いで、まだ通い始めて半年もたってないのにおしゃれな着こなしも身についてすごいな、と思ったのですが
今日はあいにくの暑さ。昨日までなら肌寒いくらいで着物はちょうど良かったかもしれないのに。でも素敵です。
私は最近tommyとか見てて眼鏡の女の子いいな、と思ってたのですが、まったくタイプは違うけれど、
着物に黒髪、眼鏡、がこんなに自然な色気を生み出すなんて、とちょっと発見でした。そのけっこう堅めな姿に
60年代風?なママの持ってるようなカチッと音のする留め金のついた白のバッグを持たれていて、それがまた不思議と合ってました。
「これからスーパーに行くんですけど、喉が渇いたので冷たい飲み物でも、とちょっと休憩がてら寄りました」ってそのお姿で、
スーパーのカゴをさげられるのですね、それはそれでまた良いですねー、など想像しつつ平静を装い着物話など。

近頃、若い女性の方の着物姿は時折見かけるようになったけれど、男の人は見ないですよね、なんて話題になって、
「昔、吉田茂が着物にベレー帽をかぶっていたのがすごく似合っていて、主人がやってみたいって言ってます」って
もうやってください、お二人で着物姿!と言いまくってました。今日は奥様お一人でしたが、ご夫婦おそろいで来て
いただけるんですけど、お二人ともほんとおしゃれで、毎回楽しみにしてるのです。そしたら
「おたくのますたー、いつも思うんですけど、とても着物が似合いそうじゃないですか、男の人の着物って恰幅のいい人が
似合う、っていう印象がありますけど、ますたーなら痩せ型の文士みたいな雰囲気ですごくかっこいいんじゃないですか」
と切り返され、こういう時って普通遠慮して「いえいえ、そんなことないですぅー」とか言うのが普通なのに、
「あ、そうですね!きっとかっこいいと思います」なんて自分の夫の着物姿想像して萌え萌えなってる私、そしたら
「今度是非ますたーの着物姿サイトにアップしてください」と言われ「しますします。しまくります」なんてのりのりになってしまっていた
のでした。はあ、冷静さを最後まで保てませんでしたとさ・・・

2004年5月3〜6日
GW終わりましたね。私は・・短いながらもこれが五月病?みたいなのが来て
すぐに治ってまあ今は晴ればれ、とまでいかなくてもなんとか元気になりました。

ものすごい風の強い日ありましたよね、あの日私自転車ごと飛ばされて
交差点で派手にこけたんです。カゴの中のものが全部散らばって、
その瞬間大迷惑な奴になってしまった。でも親切な通りすがりの人たちが
ひとつひとつ「大変だね」とか「気をつけてね」とか言いながら持ってきてくださって、
ほんと助かったんですけど、いつも使ってたトートバッグだけいくら探してもみつからなかった。
なんかドーッと落ち込んでしまって。悩みってもっと重大なことはたくさんあるはずなのに、
こういう日常のささいなことで穴があくとこんなに痛いんだな、と思い知らされました。
スーパーに買出しにほとんど毎日行くけれど、その時の右の肩にかかる麻の紐の感覚がない、
これがこんなにポッカリとくるなんて。 最近読んだ本で、「一番近くにいる人のことを意外と
知らない、また知ろうとする努力を案外忘れてしまっているものだ」というのがあって、
この出来事がなんか間接的につながってしまった。
時間がたって、一日たって、ふたたびその交差点の付近をうろうろと探してみたけど
とうとうみつからなかった。で、あきらめた。そのあきらめた自分に対してあーあ、ってかんじで
いつだったか丸一日起きられなくて、ひたすら寝た。
前もその交差点で派手にこけたり、新幹線のチケット落としたり、自分にとっては鬼門のようなのです。
以後要注意です。三鷹は私を歓迎してくれたのに、そのスポットだけ「京都へ帰れ」と言ってるみたいでちょっとこわいのです。
ちょっとこけた時から負のパワー受けちゃったみたいで、五月病ぽくなってしまったようなのです。

今週は代休が木曜日だったので、仕入れついでにずっと行ってみたかった水曜定休のカフェに行った。
なんだかまだ開業する前の、「憧れの東京のカフェ」へでかける感覚を思い出せた。
住所とMAPを便りに歩き、お店を見つけた瞬間のときめきとか、久々のものだった。
テーブルや食器の白さとか、椅子の手触り、はちみつの匂い、そんなものを味わいながら温かいものを
身体にいれていくと、さっきまであった五月病っぽいなにか固まりが溶けていった。
チェーンコーヒー店も好きだけど、そこでは感じられないオリジナルな温かみが個人店には溢れている。一言で言うと夢、かな?
どうしても自分の店を開きたくて準備期間からずっとたずさわり、つくりあげてきたもの独特の匂い、私には痛いほどわかる。
古本屋も好きだけど、やっぱりカフェも自分にとってなくてはならないもの。
元来私はカフェや喫茶店で自分自身の時間を取り戻していた筈、と忘れかけていたようなものを思い出せたみたい。
こうして行ってみたいお店に実際足を延ばしてみるかんじとか、お店でどんな時間を、
どんなことを考えながら過ごすのか、なんかを充分に体感できたこと、きっとなんらかの収穫になった筈。
自分が東京で古本屋とカフェの合体したお店を開けていることの喜びを再び抱きしめることができた。
ならもっとよりいいものを提供していかなければ、とあらためて感じたのでした。
私のお店で心地よく過ごしてほしい。五月病がふっと飛んでしまうくらいの体験をここでしてもらえたら、と思う。

この日ははちや珈琲と古書上々堂にも立ち寄ってみました。はちやさんには、GW前ほんと助けられました。
ちゃんと連休のお知らせをいただいてたのにうっかりしてしまい、豆を切らすところでどうしよう、という時
助け舟していただき無事コーヒーを切らすことなく営業できました。日ごろの注意の必要さをつくづく感じさせられながらも
あー、神は私を見放さなかった、なんて思ってしまった。店を開く準備期間からずっとこんなかんじ。
なにかに守られてるんですよね。それに甘んじたらいけないんですけど、確実に感じる他力の存在にいつも助けられてます。
上々堂は相変わらず本と棚の木の溶け合ういい匂いがした。この春から年中無休にされた、ってことですごく頑張ってられますね。
いつも賑わってるし。「お客さんから聞いたんですけど、上々堂が新聞で紹介されてたんですって?記事あったら
良かったら見せていただけませんか?」とお聞きすると店主の長谷川さん、快く記事を見せてくれました。
東京新聞に4月に掲載されてたようです。写真も載ってたので、いやー、美人は美人にうつるのだわ、いやいや、
長谷川さんのことは「美人」でなく「すごい美人」と言わなくちゃ、とこの間もお客さんと話題にしてたんだったわ、
なんて言いながら記事読ませていただいて、店内をゆっくり見ていると、またまた完全に五月病がとんでいったかんじ。
やっぱりこうして棚に並ぶ本の背を追っていく時間って、ドキドキしながらホッとするというなんとも不思議な感覚が味わえる。
あらためていい時間だな、と思った。 はちやさんの店内もそうだったのだけど、うちのお店についての切り抜きが貼って
あって嬉しかったですね。そうやってお店同士の働きかけがあって三鷹の活性化に少しでもつながっていけたら素敵ですね。
はちやさん、「今日フォスフォレッセンスでこのお店のことを知った、ってお客さんが来店されましたよ」って言ってくださってたし。
昭和の面影を残す最後の砦だった三鷹駅前の風景がガラリと変わってしまいさびしいけれど、なつかしむばかりより今に目を向けて
新しいお店たちも頑張ってますよって言えるよう努力していきたいですね。

そんなかんじで結局いろんな「お店やさんめぐり」をしたら気分も晴れた。
街のお店やさん、ってやっぱりいいですよね。街の愛されるお店やさん目指して明日からも頑張ります。

2004年5月2日 日曜日
えーっと、チーズ嫌いなますたーです。
全国的にGWに突入しておりますね。
ウチみたいな業種にはなんの関係もない習慣だったりするのですが、それもちと寂しいのでちょっとだけお出かけしていました。
大丸百貨店の「ゴジラの半世紀」展。いや、これがまあ、映画と同様しょぼいのなんのって(笑)。
あーゆーので金取られてもなあ・・って感じでした。と、こき下ろすばかりでもアレなんで・・。

実際の撮影に使われた「オキシジェン・デストロイヤー」です。
うーん、こーゆーのは、萌えますな。お子様達が着ぐるみや特撮セットに夢中になってるのを尻目に大きなお友達はこれに群がっておりました^^;
そんな訳で、すこーしだけGWをエンジョイできたかのかな。
2004年5月1日 土曜日
今頭の中がチーズケーキでいっぱい、やばいです。
今日お客さんとどんなタイプのチーズケーキが好きか、という話題になり、
まあ私は濃厚なベークドタイプが好きなわけですが、そんな話をえんえんとしてるうちに
どーしてもネットリとした濃いチーズケーキが食べたくなり閉店後どこかケーキ屋へ
とびこもうか、なんて考えてます。あいてるとこあるかな?
チーズケーキに限らず、最近フード関連の商品名に「濃厚」というフレーズをよく目撃します。
ジャージー牛乳の濃厚プリン、とか私も大好きですけど。流行りかな?
そうそう、お客さんからお聞きしたんですけど、6月6日まで池袋でチーズケーキ博覧会という催しがあるそうで、
それは行かねばならないかもしれない。そんなかんじでいつくかネット通販のチーズケーキを見てたら
本気で食べたくなってきた。断面図とかすごくおいしそうに写ってる画像を見てしまったらもう・・・夢にも出てきそう
そんなに好きなら店の「本日のケーキ」に登場させたらいいのに、と言われそうですが、うちのケーキ職人役
チーズがダメなんですよね。人間が食うもんじゃない、とまで言ってる。 好き嫌い激しいですからね、うちのますたーさんは。
しかし私はチーズケーキに限らずチーズ大好き。チーズ王国の店の前を通るとチーズの山に顔をうずめたくなるくらい。
たぶん昔毎週見てた「アルプスの少女ハイジ」の影響が大きいのかも。トロリとろけるチーズ、子供心においしそうだった。

「この本は安すぎる!しかしこっちは高すぎる!値段交換してもいいくらいだ」というお客さん登場。
安すぎるというのは久保田万太郎のたぶん珍しい本、高すぎるというのは絶版の中公新書の「文学カフェ」という本
「ありがとうございます。勉強させていただきます。しかしそっちの新書はちょっと店主の思いいれというか、
このお店も古本カフェであり文学カフェのようなものでもあるので、なるべくここで多くのお客さんに見てほしくてちょっと高いんです」
など説明していると、「まあがんばって、ただ勉強します、って言われるとまけてくれるの?って誤解されちゃうかもよ、ガハハ」
といったかんじで、でも決していじめてるかんじじゃなく、ちょっとおしえといたろ、ねーちゃん、みたいなかんじでした。

そういう声、おおいに参考にしたいですよ。勉強させていただく、というのは本心です。でもご忠告のとおりですね、
たしかにまけてくれるかも、って期待させちゃう。 なんだかんだいって学べました。
最近、「これ安いよ」と言いながら、お客さんが本を買っていく場面が多いです。
先日は水上勉の「宇野浩二伝」を、「これ神保町なら0がひとつ多いよ、ほんとにこんな安い?」と買っていかれたり、
その方は谷崎潤一郎の本も「ほんとにこの値段?」と繰り返していっぱい買って帰られました。まあ安い分にはいいんですけど。
こだわりがあったりわがまま価格の本もあるのはそれはそれで特徴だし別にいいけど、この店の中だけの狭い世界になってしまうから、
お客さんのいろいろなリアクションを通して常に勉強して動かしていかないと。風とおしは必要ですね。
偶然にもその後来店された別のお客さんが「文学カフェ」購入していかれました。 年単位でずっと売れなかった本が
あえて今日売れるなんて。 本自身が「ちょとちょっとさっきのおっさん、私はそんなにお安くないわよ」って言ってるような・・・
あ、でもちゃんと中身読んどけば良かった。また探そう

2004年4月30日 金曜日
お客さんに「なんかおすすめの本あります?」と聞かれることはよくありますけど、
今日はお客さんから本をおすすめされました。 吉村昭の太宰治賞受賞作 「星への旅」です。
吉村昭は先日の同人誌仲間の方も店で話題にされていて、おもしろくてとまらない、
読書の快楽を知った作家、と言われていました。
「星への旅」は若者が集団自殺する話だそうで、舞台となった岩手県田野畑村
までそのお客さんは旅に出たくらい感銘を受けたそうです。
昭和41年発行、というのも私の生まれ年なのでその時代の若者の思想にも興味があるし、
現在も新潮文庫で読めるようなので、ちょっと探してみようかな、と思ってます。

「単純な道の筈なのに、この前道を間違えてお店にたどり着けませんでした。今日は来れて良かった」
と今日お客さんに言われました。何度かこういう声をお聞きします。
そういえばこの前おまわりさんが巡回に来られた時、
「なにか変わったこととか、様子のおかしな方は最近来ませんでしたか?」と言われ
「このところは大丈夫です。半年ほど前に一度だけありました。酔っ払いでもない、かなり様子のおかしな中年男性が来店し
わけのわからない事言って帰りました。」と答えたのですが、
「あー、ここが例の本屋と喫茶店が合体した店ですかー、いや、普段交番におるのですが
若い人からこのお店の道順をよく聞かれるんですよ。今度からバッチシ答えられます」って言ってくださって
嬉しかったです。でもその時にとうとう道がわからずあきらめて引き返された方もいるのかしら?
今後はたぶん?大丈夫だと思いますのでよろしくお願いします。 そのお巡りさん、他のお巡りさんにも伝達してほしいな

先日の新聞で、三鷹市の町内丁目ごとに犯罪項目とその数が公表されている記事が載ってましたけど、
このお店がある上連雀8丁目は、三鷹市内で一番項目が少なかったのです。私のざっと見なので見落としあるかもしれません
けど、ほとんどが0になってました。もちろん警察署が近い(といっても今は移転中 早く帰ってきてほしい)事もあるだろうけど
よく「市民パトロール」とかいうプレートを自転車につけてる人を見ます。おそらくボランティアの人たちが安全な町にしようと
頑張ってるんだと思う。そういう場所にあるお店としては嬉しいことだし、またこの店の灯りがちょっとでも街の安心感を生む
シルエットになったらいいなと思います。このあたりは夜は人通りも少ない。でもあの本屋さんはやってるね、
灯りを見るとホッとするよね、ってかんじで。そろそろ子ども100当番の避難訓練、ひとり舞台(いつものこと)だけどやっとこかな

2004年4月29日 木曜日
今日はお客さんと音楽の話で盛り上がりました。
というかお客さん同士で最初カラオケでどんな唄を歌うか、って話されていて、
ひとりのお客さんが、私はこんなかんじです・・と手帳をさしだされたらそこになんと
レパートリーがびっしり書いてある。 私の知らない昔の歌謡曲の話をおじさま二人で盛り上がってられて
ちょっとついていけないのでおとなしくしていたのですが、「またたびもの」っていうのが
結構おもしろそうなのです。 まあやくざものの事らしいのですが、
「人の身切れて 恋の未練なぜ切れぬ」とかそんな歌詞らしくって。
名月赤城山、とかご存知ですか? なんかよさげなんですよね。って歌う気はないですけどね・・
そしたらそのうちのひとりのおじさまが、最近の若い人の音楽ではラブ・サイケデリコとハイロウズと
あとこの前テレビで見たイルカに似た子、aikoっていったかな、あの子は歌うまかったね そのくらいかな、いいと思うのは。
って言われて、ものすごい組み合わせ、と思いつつ、どんなふうにいいかの聞いてみました。
ラブサイケデリコは、60年代後半の音楽を知ってるものは皆反応すると思うよ、って。ハイロウズは・・忘れた。で、aiko。
「すごいタイムリーなんですけど私昨日aikoのライブ行ったんですよ!」なんて話してたんですけど、
そう、そうなんです。また行っちゃいました。というか今回は先週旅行してるし我慢しようと思っていたのですが、
太宰好きでaiko好き、のお知り合いの方からチケットあるんですけど行きません?とお誘い受けておでかけしてきました。
太宰好きでaiko好きっていなさそうでいますよー。あの暗さと明るさは対極だろう、という見方は甘い!AB型の二人ですしね。

日本武道館だったんですけど、座席がちょうどすり鉢状の関係で、大画面にaikoの姿が映し出される時、
口元から下しか姿が見えないんですよ。それが逆にすごいエロいんですよ。いやー、良かったー!
いつもどおり元気でよくとおる歌声でとびきりキュートで最高だったのですが、あの「口元から下だけのaiko」を見れて
大満足です。って私は変態か!いやー、人間磨くとこ磨いとかないといけません。口元から下のアップだけえんえんと
流れても色気がある、ってこれ一日では成らないものだと思う。前回もそうだったんだけど「えりあし」でやっぱり涙が出た。
こういう時、ひとりじゃなくて人といくと、ちょっと恥ずかしいというか、涙をぬぐうしぐさが照れてできないんですよね。
でもあとで話を聞くとご一緒した方も「えりあしでやっぱり泣いた」って言ってた。
でも私思いました。片思いのあのかんじをすぐに思い出せる自分で良かった、って。
ラブラブ街道まっしぐらで人生渡ってきた人(だっさい表現)じゃなくて良かった。「えりあし」がこんなに染みるなんて・・・
ほろ苦い切なさを「だっさい」とかそんなん若い時だけのこと、とか照れずに私はちゃんと味わいますよ、これからも。
前向きだけど、過去だってすごく大切。思い出は老後までひっぱっていきます。それをうまくコントロールできるのは幸せものなのかな?

2004年4月27日 火曜日
すごい雨、風、嵐のようなお天気でしたね。当然ヒマでした。

今日は「カフェ・スイーツ」の取材でした。「カフェ」の方に重点を置いた取材の依頼の方は
「あくまで古本屋のなかにカフェスペースがある、という店であるということで扱っていただけますか、と
お願いして了解いただいた場合お受けしてます。最近テレビのグルメ番組とかから依頼があるので
すいません、ちょっと主旨と違うと思います、と言ってます。えらそうかな?ご期待に添えないと思うんですよね。
「カフェ・スイーツ」の場合、担当の方が実際お客さんとしてお店に来たことがありますので、店内の雰囲気やスペースなんかも
全部わかってますよ、ってことだったので話は早かった。私自身勉強させてもらった好きな雑誌でもありますし、
今回鎌倉のカフェディモンシュのマスター堀内隆志さんと対談ということもあり終始なごやかで楽しかったです。

カフェディモンシュは過去に一度だけ行ったことがあります。ますたーと京都から桜桃忌で上京した時、鎌倉にも寄ったのでした。
もう有名カフェだったので当然店内は混んでいて、修学旅行生もたくさん入店してものすごくにぎやかだったのですが、
マスターの堀内さん、マイペースながらてきぱきと対応されていて、すごい感動したことよく覚えてます。
私だったらきっとてんぱってるだろうし、そんな上に修学旅行生が大挙してきたらちょっと「うざっ」って顔に出てしまうかもしれない
でも堀内さんは、修学旅行生に対しても、他の大人のお客さんと同じように接してるんですよ。で、そんな混雑の中でも
出てきたものがどれもちゃんとおいしい。自分でサーブもレジもされてたし。
開業する前に参考のために見学したさまざまなお店のオーナーさんたちのそんな姿が今でも忘れず自分の中にあるんですよね。

当時のままのおだやかなかんじの方で、ホッとしました。 「お店に居る時で手のあいた時はどんなことをしてますか?」
という質問に、「ヒマな時間大好きなんです!」とめちゃ嬉しそうに答える私。今まで数々の対談の中でこんなオーナーは
きっといないだろうな。「本読んでるかネットしてるか、歌ってます」の「歌ってる」にみなさんすごい反応されてました。
そう、私ほんとこの店でよく歌ってますよ。ヘンかな 2階の治療院に響いてない事を願います。
堀内さんもどこかの本で書かれてたけれど、開業の時ってなぜか「根拠のない自信」があって、私も同じでそれでいっきに突っ走るかんじだった。
あの京都から三鷹へ引っ越してまで「絶対大丈夫、やってける」っていう根拠のない自信はなんだったんだろう・・・
この日の取材の模様は6月5日発売号に載る予定です。よろしかったら見てくださいね。

2004年4月26日 月曜日
2冊で100円コーナーにたくさん女性誌を出しているのですが、
あんまり売れないんですよねー。こられのほとんどはその雑誌が出た時に私自身が買って
読み終わったものなので、たしかに雑誌の命である「鮮度、旬度」はかなり落ちているということで
先月号でも50円、とかあってそのあたりにこだわりがなければかなりお得だと思うんですけどね、売れませんねー
これがもっと時間がたってくれるとかえって価値が出たりすることもあるんですけど、
中度ハンパなものはけっこう困るんですよね、置き場所に。そろそろ売れないものはちょっとづつ処分していこうかな、と思ったり。
おまけにおわかりのように店主のワガママ価格がちょこちょこついてますんで、
例の樋口可南子の本を手にとる姿のカットがあまりに美しいので500円、とかありますからね。それは売れました。
今あるもので言うと、黒澤優ちゃん表紙の装苑がまだバカ高い。これは思い出価格。
黒澤優ちゃんと街のカフェで遭遇した時に、声をかけたらアンドロメダ級の笑顔をくれたんです。私だけに!
だから高い。これは残ってます。いつかもうそろそろいいだろう、って時に突然下げます。
ちょっと前売れたのでは嶽本野ばらさんが書店員の愛についてコメントしてる「大阪人」が高かった。
書店員時代に、野ばら本のポップを力入れてせっせとつくってた思い出があるので、とても嬉しい内容だったのです。
きっと買ってくれた方はその店主の思いいれを少しでも感じ取ってくださってたような、私の勘違いかもしれませんが
レジのたった数秒ですが、なんとなくアイコンタクトで語ってたような気がします。
ってこんな思い込み激しいから、今まで片思いばっかししてたんでしょうね・・・

前置きが長くなりましたが、今日イラストレーターさんが来店して、その2冊で100円の女性誌を買っていかれ
女性誌のすばらしさについていろいろお話していってくださった。ロングセラーの絵本のイラストを書かれていて
動物の柔らかな表情とか私も大好きなんですが、女性誌のレイアウトは本当に参考になる、と言っておられました。
モデル写真の背景の写真の使い方とか、女性誌は他誌に比べセンスがいいらしいです。
そんな風になにかインスピレーションをこの雑誌たちが与え、いい絵を書けるきっかけになるのならとても嬉しいですね。
処分はもうちょいおあづけです。

朝日新聞折り込みのフリーペーパー、都内のみ「マリオン・ライフ6月号」6月9日夕刊折り込み分の取材がありました。
テーマは本屋で和む、池袋コミュニティカレッジ「本屋さんの仕事」講座のレポートもあるようですよ。
この取材で知ったんですけど、青山にブックカフェがニューオープンしたようですね。
青山、大好きなのに今年まだ一度も行ってないです。カウブックスの南青山店にも行ってみたいし、足を延ばしてみようかな

2004年4月25日 日曜日
ども、ますたーです。
ちょっと、風邪をひいてしまいまいた。
カナーリ体調悪目です。
そんな訳で、季節の変わり目、皆さまもお気をつけください。

2004年4月24日 土曜日
今日は文学散歩のついでに、ってかんじでお店に寄ってくださった方が多かったです。
本来文学散歩の休憩時に思い出してもらえるような店にしたかったので、とても嬉しいですね。
あるグループの方は一気に5人でいらっしゃったので、椅子を運んで位置を変えたりしたらぎゅうぎゅうで
ちょっと窮屈かな?と申し訳なかったけれど、この空間を充分楽しめていただいてるようで良かったです。
文学好きの方ってうちのぼんぼん時計が「ぼーんぼーん」と鳴っただけでも、その瞬間会話がとまり
みなさんその音に耳を澄まされたりするんですよ。で、少し余韻を楽しんだあと「いい音だね〜」ってしみじみ言われるのです。

福島市出身の「はんのふみ」という詩人の命日を偲んで毎年この季節に集まっている同人誌の仲間、とのことでした。
私はその詩人の方を知らなかったのですが、太宰治に憧れて、弟子にしてほしいと上京したのに、もう太宰は亡くなって
しまっていたらしいのです。その後、三鷹で第九書房で働いていたんですって。
今度このはんのふみの詩集を持ってきてくださるそうです。それからその方々はいろんな文学や本の話を
仲間たちとされていて、私も聞いていて大変勉強になりました。
あの時代の虚無感というものは、当時の空気を実際吸い込んでるものにしかわからない、と。
当時リアルタイムで太宰治の文学を読んでみたかった、という思いがやはり湧いてくる。
「あなたを思って京都から三鷹へ引越してきました」というこのたった一行を、どう文学的に表現したら彼に気に入って
もらえるだろうか、とあれこれ頭を悩ませ、結局ストーカーのように三鷹下連雀周辺で張ってたかもしれませんね。おーこわ
でもそのはんのふみにしてもそうだろうけど、私たち女性よりも、男性で太宰治に憧れた人の情熱ってはかりしれないものが
あったんじゃないかと想像できます。田中英光はその究極ですね、太宰の墓前で自分も自殺、って。
そこまでは他の誰にもできないだろうという意味では、ちょっと不謹慎だけど羨ましく、悔しく思う文学青年たちも当時はたくさん居たかもしれない。
虚無の時代、もっと知りたい。勉強しようと思います。

今日はサークルの先輩も来てくれたんです。来月ご結婚されるということで未来のご夫人と一緒に。新婚旅行北欧ですって。いーなー
ただたまたま左右から太宰ファンに囲まれて、店内は太宰談義っぽい雰囲気になったのでちょとびびってられないかな?
と心配です。うちの店では、めったにないんですが、時にそういうタイミングにはまることもありますので。
いきなり「これ、太宰治の学生証のコピーです」と話しかけられてましたから。でもほんとにラブラブで、いいかんじでした。お幸せに・・・

・朗読会のお知らせ
市民が読む太宰治作品朗読会  6月13日(日)13時開演 参加費無料 連雀コミュニティセンター 0422-45-5100
朗読作品  座興に非ず、美男子と煙草、親という二字、たずねびと、竹青

毎年恒例の桜桃忌前の朗読会です。おなじみの長田清さんは「竹青」を朗読されます。ご都合の合う方は是非。
それぞれの作品の朗読者など詳細チラシはうちの店に設置してますので興味のある方はお持ち帰りくださいね。

2004年4月23日 金曜日
「ひらら」のバックナンバー入荷しました。
ちょうど「ひららのバックナンバーありますか?」とお客さんに聞かれ、ナイスタイミング!でお渡しできました。
残り少なくなってきてますので、欲しい方はお早めの方がいいかも。

今週は「本と出会う」の収録、ダイヤモンド富士の旅、「散歩の達人」の取材(5月21日発売分です)と結構怒涛の忙しさ
加えてお客さんもたくさん来店いただき充実感もすごくあったのですが、そのせいもあって
今日4月23日が書店員時代から毎年なにか働きかけをしていた「サンジョルディの日」であることをすっかり忘れていました。
愛する人、大切な人に本や花を贈る日。しかしこれまーったく世間では定着しませんね。
もういっか、とお花屋さんにも行かず普通の一日を送ってしまいました。 するとですね、ウソみたいなホントの話なのですが
本の山が夢に出てきたのです。京都は左京区の古書店に私がいて、本を物色してる夢なのですが、
マトリョーシカ状態のごとくドアを開けても開けても終わりがない古本の部屋なのです。本酔いしそうな頃目が覚めました。
なんだか本の精からお叱り?を受けたような気分でした。たとえまったく浸透しない日であろうと、せめて
花を飾るくらいのことは忘れずにいよう、と思いましたね。

今日は奥様方の会話に口をはさんでしまいました。花瓶やアンティークの陶器なんかの話をされていて、
「ほら、あのこんなカタチの有名なの、あの作家なんていたっけ、カタカナ二文字なのよ」
「あー、なんだっけ、あれ・・」と奥様3人で会話されていたので、「エミール・ガレじゃないですか?」と言うと
「あ、そうそうガレ!あー、すっきりした」なんてかんじで。
ちなみにその奥様のおひとりの方のお嬢さんが椎名林檎のファンらしく「あんなドロドロしたの聞かないでほしい」
なんて言うと「お母さんは狭い!」って怒られたそうです。思わず口ははさみませんでしたが「うんうん、娘さんに同意」と思ってしまった。
その時お隣の奥様が「うちの子はケミストリーに夢中」と言うと、残りのお二人の奥様が「健全ね〜」と見事にはもって言われてた(笑)

そのあと他のお客さんから聞いたのだけど、先日お店で「ウルトラマンセブンのダン隊員が隊長をしてるウルトラシリーズって
なんでしたっけ」ともう一人のお客さんと話してると、それまでおとなしかったますたーが「レオです」と口をはさんできたそうで
もう爆笑してしまいましたわ

「ダブルダイヤモンド富士」いかがでしたか?「あなたが撮ったとは思えない」とか言ってくださる方がいて嬉しいのですが
「ほんとはカメラが趣味の素敵なおじさまが撮ったんじゃないの?」という意見もありました。正真正銘私ひとりで撮りました。場所決めもカンです。
私の中のカメラマンの人がむっくりと起き上がったのですよ、はい。 これが二度目もうまくいく、ってことは可能性低いんだろうな〜

2004年4月22日 木曜日

  

いきなりびっくりしました?じゃーん、これ昨日4月21日(水)の早朝のWダイヤモンド富士の画像です。
もちろん私がデジカメで撮ったものです。実際は言葉も出ないほどの美しさと神秘の輝きです。
この湖は田貫湖といって富士五湖には入ってないけれど、このWダイヤモンド富士が年2回、4月と8月の20日前後に
見られる湖として有名なのです。ドラマ「ビューティフルライフ」の舞台になったこともありますね。
このWダイヤモンド富士、もうかれこれ10年以上前からずっと見たくて憧れていたので、念願叶って私今めちゃめちゃ幸せです。
初めてでこんな絶好のダイヤモンド日和にありつけるなんて、ものすごく運がいいらしいです。
年季の入ったカメラ愛好家の方たちの会話を耳をダンボにして聞いていたら、「今日はすごくいい」って皆さん言われてましたし。
え?前の草ぼうぼうが邪魔だって? いや、初めてなので大目に見てやってください。
だってベストポジションは徹夜組の人たちが三脚立ててズラーッとこう、(画像参照)おられたので
私のような小娘はおとなしくしてたのです。ほとんどおじちゃん、若い女性なんてまったく見ませんでしたね。
逆にカメラが趣味の素敵なおじさまとお知り合いになりたい女性は今すぐ田貫湖へゴー!ってかんじでしょうか
みんな富士山しか見てないのでしっかとお顔が拝めます。いいカメラをお持ち→お金持ち でますますゴーゴー!でしょうか
ああでもあの神聖な自然現象の前ではあまり不埒なことを考えるとバチが当るような気がします。
と言いつつ私はあるガイドブックに載っていた「ダイヤモンド富士の三脚の場所とりをめぐってトラブルになることが
多々あるので気をつけよう」というのがひじょうに気になり、そういう場面を見れたらひそかにウォチしたい、なんて考えてた(結局不埒だな)
しかし実際は私がおおざっぱに見た限りではまったくそんなことなく、みなさん自然を目の前に静かにただ「その瞬間」をお待ちに
なっておられました。もっと殺伐としてるのかと思ってたら天気がよさげで今日は期待できる、ってムードもあってかいい雰囲気でしたよ。
90%の人が三脚を立てているので、デジカメ持ってウロウロしている私はちょっと浮いてたかも・・・
あ、説明が長くなりましたがそんなわけで草ぼうぼう前しかポジションがあいてなかったわけです。
でもここで完璧すぎるダイヤモンド富士の画像貼っても、ほんとに私が撮ったのか自分でもしっくりこないかもしれないし
それこそ太宰にペンキ塗りとか言われそうなので、これくらいでいいんじゃないでしょうかね。
雑草のような枝の向こうに永遠に手の届くことのないダイヤモンド、ってのが。

      

「その瞬間」すごかったです。その1秒前にこの世の音すべてが無になり、その瞬間「カシャカシャカシャ」っていうシャッターの音だけが
あたりに響くんです。 そしてダイヤモンドが広がっていく。富士登山で山頂からご来光を見た瞬間を思い出しました。
あの時は太陽って玉子みたい、って思ったけど、今日のは自然のダイヤモンドそのものです。神々しいことには変わりないけれど。
もう宝石店のガラスケースの中のダイヤモンドにはまったく興味がなくなった。この輝き、この静寂には敵わないよ。
隣のおばさまの「きれー、きれー」って声がひたすら響く中、まわりの人たちはどんどん三脚をたたみあっさり帰っていく。見事にあっさり。
そのたった一瞬が勝負なのですね。しかし私ははじめてということもあり、まだまだ余韻に浸っていたい。もうほんとに超キレーですよ。
やばい、ちょっとクセになるかもしれないです。視覚的にはもちろんなのですが、あの一瞬前の静寂とシャッターの音、たまらん。

私が20日の夜宿泊したのは田貫湖ハーバルガーデンというところのコテージ。コテージって木の香りがしていいですね。静かだし。
シーズンオフのウィークデーなので素泊まり5250円でした。安いです。特にバラやハーブ好きな人にはおすすめです。いい庭があります。
すごく良かったです。なんといっても富士山を眺めながら入れる露天風呂が最高。サイトの「露天風呂」で画像が見れます。
宿泊者は24時間無料で入れるので、真夜中に行ったら私ひとりっきり。満天の星空の下、富士の稜線を見ながら露天風呂で私は・・・
やっぱり歌い踊ってしまいました(あくまでライトにね・・)あーゆー時って人間解放されて、おもしろい行動をします。
富士山の前で素っ裸で仁王立ちしたり。しません?まさか私だけではないよね・・ いやー、気持ち良かった。流れ星を2回見ました。
朝も露天風呂行ったら四国から来たという先客の方とダイヤモンド談義したりして、楽しかったです。
ということでなんか旅日記になってしまいましたがパワー充電。お店にいかせそうなこともたくさん学ばせてもらって帰ってきたし。
旅はいいですねー、これからGWどこかへ行かれる方、楽しんできてくださいー。

ってことでトップページにもお知らせしてますが、前回の日記でGWは水曜以外通常営業、と書きましたが
5月5日が水曜日で祝日ですので、この場合普通月曜にずれるんですけど、月曜も祝日なので今回は6日(木)と振り替えます。
この週のみお休みは6日の木曜日となりますのでご注意ください。よろしくお願いします。

2004年4月20日 火曜日
今日は朝からテレビの撮影がお店でありました。
「本と出会う」というBSの番組なんですけど、キャスターさんと向かい合わせになって
私が30分えんえんと話す、という・・・なんかすごい緊張しました。
依頼があった時、本の番組なら、とお受けしたのですが、概要がFAXされてきて驚きました。
今までのゲスト一覧、有名人ばっかし。こ、こんなん私出たらあかんやろ、みたいな
ちょっとしり込み気味だった時、担当の方から、普段の普通のしゃべりでいいんですよ、
山本富士子だって緊張するし、市原悦子だって読み間違いはあるんですから、って
余計緊張するじゃないですか!(笑) そして今日本番当日、
なんとか終わりました。どう編集されるかはわかりませんが、太宰の話で「かっこい〜!」と萌える私の
姿がブラウン管に流れるかもしれません。 BS映る環境の方は良かったら見てやってください。

放映日時 5月15日(土)と16日(日)
東京放送TBS系  土曜日 CS JNNニュースバード 11:30
            日曜日 BS BS−i     7時
                 CS JNNニュースバード 11:30

今日は早めにますたーに交代してもらって、ちょっと春休みの旅に出かけます。
富士山が見える露天風呂でのんびりしてきます。木曜日はもちろん通常営業です。
GW中も水曜日以外は通常営業になりますので是非お店に来てくださいませ
ではもうすぐでかけるので今日はこのへんで。

2004年4月19日 月曜日
表のガラス窓のコーナーに「MOE]のダヤン特集を飾っていたら、
品のいいおばあさんが「これは売っているのですか?」と入店された。
お買い上げになられたのですが、その理由が
「孫がいるのですけど、もえちゃん、っていうんです。
あと家族全員猫が大好きなのでこの本をもえちゃんにプレゼントしようと思って」ですって。
「今度はゆっくりコーヒー飲みにくるわね」と、微笑みながら帰っていかれました。
なんかいいですよねー。私もお客さんに励まされてます。
つまらないことでいじいじしていてもふっとんでしまう。 自分の店、ほんと好きだな

2004年4月18日 日曜日
どもども、ますたーです。
めっきり暖かくなってきましたな。
もう昼間は半袖って感じ。
で、ちょいと土曜に東京ドームまで行ってきました。日ハム-ロッテ戦。
ジョニー黒木の復活マウンドです。
初めてパ・リーグの試合で並びました(笑)。
んでもって、感動させていただきました、はい。

で、ハムも勝ったしいい気分で帰ろうと思ったらB・B(ハムの新キャラ)とファイティーに遭遇。
ファンにもみくちゃにされてるファイティーをなんとか撮影。
ちなみにその片隅ではB・Bがひっそりと佇んでおりました。ポーズまでとってくれちゃって^^;
まあ、移転したはずの球団が東京ドームで試合するのは如何なものかと思いつつも、堪能させていただいたわけです。
2004年4月17日 土曜日
今日は世間では「良いなすびの日」らしいですけど、うちの店では「犬の日」でした。

お客さんが話題の芥川賞作品「蹴りたい背中」と「蛇にピアス」を貸してくださった。
そのお客さんが来店したので、「ありがとうございました。私はどちらもとてもおもしろく読みましたよ」
と感想を述べ(本心です)しばらくその本について話していた。そのお客さんはまわりの友人など
たくさんの人にこれらの本を貸し、その度に共通して返ってくる感想の言葉というのが
「蛇にピアスの金原ひとみさんはどんな人生を送ってきたのか気になる」というものらしいです。たしかに。
この「蛇にピアス」で印象に残った一言がある。それは主人公の「私」は、死んでからどうされようが
まったくどうでもいい、だから墓石に金をかける人が理解できない、と。そこまではいいんですけど
「私は自分の死体が犬に食われようと知ったこっちゃない」みたいなことが書かれていてすごいな、と思った。
自分の肉体がもし死んでからでも犬に喰われたらちょっと悲しい。大切な人の死に様がそんなだったらやりきれないどころではない。
「気持ちいいくらいのそのどうでもいいっぷりの流れが迫力あったんですよねー」なんて話をしていると
奥の席にいらっしゃったお客さんが、「人間は犬に喰われるほど自由である」と藤原新也が言ってたよ
と教えてくださりました。詳しくお聞きすると、そのお客さん曰く広告かなにかでインドのガンジス川のほとりのようなところで
実際に人間の死体が犬に喰われている写真を使おうとして、ボツになったらしいです。その時のコピーの文句が↑らしいです。
でもその話を聞いてちょっと考えが変わりました。そりゃ正直犬に噛まれるのは死んでからでもイヤですけど、
それくらい自由だということ、理解できなくもない。ましてやそれがインドのガンジスのほとりであるのなら。
沐浴経験者だというそのお客さんの説明を聞いていると、インドは「死」さえも特別なものでなく、犬に喰われる人間も
食物連鎖のひとつとして、生命体の自然な摂理として、ありなのかな、という気さえしてきました。その写真、見てみたいですね。

そんな話をしていると、アニメ好きなお客さんが「○○というアニメでは、犬が○○を咥えてやってくるんですよ。重要な役割です」
(○○忘れました)と教えてくれたり、「今日は、なっちがテレビに出るんです!ワンちゃんと♪」なんて目をハートにした男性の
お客さんがいたり、なんだか犬な日でした。しばわんこの本も売れたら完璧だったんですけどねー。あ、もう売り切れて在庫なしだった。

今日初めて来店されたお客さんに「クラクラするほど素敵な空間」と、これ以上ないくらいに誉め殺しまくり攻撃されました。
嬉しいんですけど、テレ照れでした。はい。 その方もおっしゃられたように「好きな人はすごくはまると思う。でもダメな人はダメでしょうね」
っていうのわかります。超狭いですし万人向けではないと思いますが、好きな人にはとことん気に入ってもらえる、
そういう店でいいと思います。その方がお探しになっていたという岩波文庫の「マノン・レスコー」も在庫があり、なんか大満足して
帰っていただけたようで、店やって良かった、って思える一日となった。もしビールを飲める人ならこんな夜に飲むビールは美味いんだろうな
じゃあ私も今夜は風呂上りに、ファンの人曰く「天使」のなっちでも見ながらジュース飲もっかな

2004年4月16日 金曜日
いやー、一昨日は萌え疲れもあり、またまたかなり寝てしまいました。
というか今の季節、眠くないです? でも掃除だけはやりました。予定していた7分目くらいまでしか
できませんでしたけど、一応掃除機かけました。って掃除機かければいい、ってもんじゃないですけどね。
お客さんから掃除をやる気を起こすアドバイスを事前に聞いてたんですけど、それは、クラブの試合とか、ミュージシャンがライブの
前にこう、えんじん組んで「ファイト、オー!」みたいなやつやるじゃないですか、あれを掃除前にやるといい、ってこと
だったんですけど、「え?あれを一人でやるんですか?」とちょっと笑ってしまったら
「意外と効果あるわよ」って。 正直そんなん・・って思ってましたけど、実際やってみるとなかなか気合が入って良かったです。
で、気合だけは入って「おっしゃー!」とか言いながら部屋をグルグル徘徊するんですよね。
どこから手つけていいかわからない、という・・・ で、とりあえず掃除機をかけてしまう、はい、これ悪い例です。
お店の掃除は大好きで楽しくできるのに、なんで家の掃除がこうはかどらないんだろう
こんな時、「だからー、お母さん、まずはこういう床に散らばった雑誌とかの整理からでしょ」と手伝ってくれる娘とかいたら
はかどるんでしょうね〜 この前見た映画「花とアリス」にそんなシーンがありましたんで。
でも掃除機かけるといいこともあります。探し物が見つかったり、お正月みあげで買ったおせんべえのかけらを発見し
楽しかった時間を思い出したり・・・思わず鼻歌うたいながらこなしてました。♪だざい〜も〜おえ〜♪(by天城越えの替え歌で)ってかんじで。
掃除機のホースも一発でシュルッと収まり完璧。ってここで私の中でなにかが終わってしまい、結局細かいところが掃除できなかったけど
まあ第一回はこれでよしとしましょう。以上掃除報告終わり。 しかし掃除機袋の中身って正直見たくないなー

「花とアリス」といえば、最近私とますたーの間で流行っていることがあります。
この映画の1シーンで、アリス役の蒼井優ちゃんが「なーんちゃって、冗談で・す・よ」みたいなセリフを言うシーンがあったんですけど
その「で・す・よ」の時、ちょっと間の抜けた自作の振り付けをするんですよ。それがもうすっごい可愛くてツボで、私がもうひつこいくらいに
ますたーにその振り付けをやるんですよ。もちろん事前にその時の彼女がいかに可愛かったかを説明済み。
しまいに何でも語尾を振り付きにするんです。そろそろ「か・え・る」(振り付き)とか「た・べ・る?」(振り付き)とか。もうバカでしょ
そしたら彼ものってくれて、じゃあそろそろ「お・ふ・ろ」(振り付き)とかしてくれるんです!なかなかかわいいですよ。
しかしさんざんやりすぎた私にあきれたのか、これすごく重要な点なんだけど、ってかんじで彼が言ったセリフ
「可愛い子は何しても可愛いんやで」すかさず「え?じゃあ私のような半分おばさんがやってるのって正直見苦しいとか?」
「・・・・・・」無言の答えでした。うん、でも納得です。可愛い子は何やっても可愛いわ。すごく当たり前だけどなんかマイブームな名言です。
いや、アホな日記ですいません、まあ春なんで。

2004年4月15日 木曜日
今日は今日で「わしゃあ太宰がでえっきれいでね〜」とおじさんが来店。店に入るなりふらふらされている。
正直ちょっと変わった方かな?と不安になったけれど悪い人ではなさそう。
そのおじさん、話を聞くと職業は文士、とのこと。今までの私の経験からいくとじいさんだからとかよぼよぼのおばあさんだからとか、
ちょっと様子がおかしい人だからとかで手を抜いてしまったりするとあとで痛い目にあい、反省で首が地面に当るほど落ち込んだり
するのでとりあえずまず話をお聞きする。中には本当に酔っ払いさんだったりもすることもあるけれど、
うちのような店に来た時に、ちゃんと本の話、文学の話をしてくれる人はいい意味で変人なだけで決して
ちょっとこの変わった店おちょくってやろう、とかいうのではない場合が多い。この方は本の話をしてくれるので大丈夫そう。

私はこの店の場所柄もあるのだろうけどまだまだ恵まれているようで、おちょくり目的のお客さんにはまだ遭ったことがない・・ことないや。
ウソついちゃいかんですね。閉店前にかなり様子のおかしい中年男性がひとりで来店され、すごくこわい思いをしたことありました。
これからお店を持とうと考えの女性の方、そういう時の対策をしっかり考えておいてください。死んだ魚の目の他人と二人きりはこわいよ〜
酔っ払いさんもあるけど、酒臭くない様子のおかしい人というのも確実にいますからね。そういう人が店に来なくないとは限らない。
そういえば一度お客さんに怒られたというかアドバイス受けたことあります。
あなたのような調子で客商売やってたら疲れてしまいますよ、手を抜くところは抜く、ってことも必要ですよ、と。
それは正しいと思う。でもまだ自分の店持って3年目の私がそこをバクチでやってしまったらとんでもない失敗につながる
こともあるので、なら自分が疲れるだけの方がいいだろう、って思ってしまう。そのへんはズバリ経験の積み重ねが必要でしょうね。
でももともと気が短くないので良かった。気が短いと大変だと思う。自分がとてもしんどいと思います。

話戻って、そのおじさん、お茶飲まれたのですが、最後お会計、って時に「お金が足りない」って言うのです。
「今すぐ持ってくるから」って言われたので、「21時までやってるのであわてずゆっくりでいいですよ」とお答えし、
おじさんは帰られた。 しばらくしてそのおじさん、来てくださったのですが、なんとまた
「あ、肝心なお金持ってくるの忘れた」ですって。 「今度は必ず忘れず持ってくる。その間この仏像を人質に置いていくから」と
カバンからなんと仏像を取り出してテーブルの上に置いていこうとする。 もうなんかマンガみたいなこの状況を笑いながら
「あのー、それは困ります。こんな高そうなもの、なくなっても責任とれませんし」と必死に訴えると
なんとか持って帰ってくださる、ということで心底ホッとしました。走れメロスごっこじゃないんだから・・・
やっぱりこのおじさんは本当に文士かもしれない、と思いました。「人質に仏像」なんて常人には思いつきませんわ
っていうかカバンの中に仏像持ち歩いてること自体、普通じゃない。

それからしばらくたっても来られなかったけど、なんとなくあのおじさんはきっと来るだろうな、と思ってました。今日は無理かもしれないけど。
そしたら19時頃、なんと着物に衣替えで奥様と2人で来店されました。やはり文士なのかもしれません。
奥様を見て安心。「すいません、ご迷惑おかけしまして。今あの仏像がお気に入りらしくて・・」など説明してくださりました。
しばらく三鷹と文学の話を。おじさまも奥様も相当お詳しい。 奥のテーブルでコーヒーを飲まれていたこれまた文士風の謎の紳士
がお帰りになられる、というその時、「おっ!久しぶりー、こんなところで会うなんて」とお二人挨拶されてました。
そのあと、おじさまは「あの人も文士だよ」って言われてた。それはすごく納得がいく。そしてこのおじさんもやっぱり文士なのかもしれない。
ま、もうどっちでもいいですけど。「太宰が嫌い」って言ってたそのおじさん、太宰に詳しかったし。昔の三鷹や文学の話は
とてもおもしろかった。相当の本好きってことはわかった。それで充分です。 仏像の話もいいネタになったし、ま、いっか、と。
いやー、いろんな人がいますね。 正直、疲れるよりおもしろい方が大きいです。

2004年4月13日 火曜日
太宰萌えシリーズ第二弾。
今日は開店直後から太宰萌えが最高潮。来店してくださった女性のお客さんが、
「もうご存知じゃないかと思うんですけど、これどうぞ」となにやらチラシをさしだしてくださった。
するとそこには太宰様の見目麗しいお姿がーっ! 昨日の今日でこの流れ、すごく嬉しいんですけど
例の太宰ファンの女性から教えていただいた太宰作品をモチーフにした演劇のチラシでした。
けっこう私が気に入ってる太宰の写真が使ってあったので、思わず朝から「かっこいいー!」と素で叫んでしまいました。
というかもう、連発してしまいました。いや、ほんとマジかっこいいのです。
この写真、太宰ファンならけっこう見慣れてると思うのですが、あらためてチラシとして別モノになって見るとほんと素敵。
こんないい男いたら教えてほしいわ、ほんと。(ちょっと体内萌え血糖値上がりすぎで我忘れてます、おおめに見てください)
私はまだ駅に貼っているポスターを見ていないのですが、まさかこのチラシが特大になって貼られているのでしょうか?
それはさっそく明日確認しに行かなくてはいけないのはないでしょうか。
チラシを持ってきてくださったお客さんは特に太宰ファンというわけではなく、お芝居を見るのがお好きとのこと、
ひとり「かっこいー!」を連発する私のあまりの過剰な反応に少しびっくりされたかも。
「もしこれがポスターになって駅に貼ってあるのなら、絶対はがしっ娘。発生すると思いません?」とコーフンぎみの私
「あ、駅とかに貼ってあるポスターをはがす人の事をはがしっこっていうんですか、初めて知りました」
「いえ、私がたった今命名しました」なんてノリ。いや、でもマジでこれはいけません。このチラシはいけません。色っぽすぎます、太宰さん。
それに加えて毎年恒例の太宰作品朗読のチラシも持ってきてくださいました。今年は田口トモロヲさんの「人間失格」!これはいいですねー
ただ6月19日14時〜と、思いっきり桜桃忌の読経の時間とかぶってる。すごいチャレンジャーな気がする。詳細は↓にて。
まあ今年は桜桃忌土曜日だし、祭り入ってるからいいかもしれませんね。太宰ファンでもありトモロヲファンでもある人間は迷いそう・・・

そのお客さんもいい人で、太宰ファンじゃないのになんとなく話を合わせてくれて
「私の知ってる人で太宰治のことをおさむっちって呼んでる人がいますよ。やっぱり特別な呼び名ってあるんですか?」とふってくださった。
「そうですね、私は普通に修治さん、ですよ。時々、修ちゃん、とか修くん、とかキャー!じゃ、三島はゆっきー?」なんてもう女子高生のノリ。
思わず昨夜の歌番組で好きなアイドルが出た次の日の朝の興奮状態の教室を思い出しました。て何年前だ。
しかし私も客商売の女。いかんいかん、自分だけ気持ち良くなっては、と冷静さをとり戻し、
「お客さんはかっこいー!と思う有名人っていますか?」と聞いてみた。すると、
「私、あんまり男の人の顔とか重視しないんですけど、アンドリューKWとか好きです」ん?知らない人だな、と思い聞いてみると
ロックミュージシャンのようで、ファンサービスがいい人なんですって。日本に来日した時、24時間耐久サイン・マラソンをやってのけた
方らしいんです。すごい。ちなみにハイドもファンクラブのオフ会で約600人と握手したんですよ。私はそこにいなかったんだけど・・・
そんなかんじの朝だったのですが、興奮がおさまった頃、ネットでそのアンドリューKWさんのサイトの本人の顔写真を見てまた興奮。
「顔を重視しないってあなた・・・」とためいきが出るほどの甘〜いかっこいいお顔でした。今日はもう血糖値高いままでこのままいくことにします。

肝心な情報を最後に。会場は三鷹市芸術文化センター星のホールリンク先を後半まで見ていくと詳細にたどりつけます。
が、一応おおまかなところだけは記しておきますね。

いのせんと 〜短編作品「令嬢アユ」ほか より〜 2004年6月24日(木)〜27日(日)
太宰治作品をモチーフにした演劇 第一回 三鷹市芸術文化センタープロデュース 桜桃忌スペシャル
「協力」の一番最初に名前がある「にんじんボーン」さんというサイトでチラシ画像が見れます。検索で飛べます。

第五回 太宰を聴く 太宰治朗読会 6月19日 14時〜
出演 田口トモロヲ 朗読作品 人間失格(抜粋にて朗読)

公演に関するお問い合わせ先
(財)三鷹市芸術文化振興財団 TEL 0422-47-5122

行きたい方は一般発売日近づいてますよ。私は桜桃忌は当然店にいるので、行けませんが、禅林寺に行く人、朗読会に行く人、
あとで感想お聞かせください。是非帰り道にでも立ち寄ってくださいね。期待して待ってます。

2004年4月12日 月曜日
2日連続太宰萌えシリーズ第一弾
今日はけっこういいかんじの忙しさだったのですが、久々にお客さんと太宰萌えで盛り上がりました。
すごいきれいな女性が来店し、窓際の席でお茶しながらずっと太宰関連の資料や本を見られていて、
その様がすごく画になってたのです。モデルさん風な方だったのでそのままカシャカシャと写真を撮って
雑誌のグラビアにしたいくらいでした。最後お会計の時に太宰の本を購入されたのでその際に、
「太宰、好きなんですか?」と聞いてみたら、「んもおー」ってかんじで一呼吸おいて、
「好きなんですーぅー」と満面の笑みで答えてくれた。 それがもうめちゃめちゃキュートでした!
その女性は、十代の時にはあえて太宰を読まないようにしていたそうです。
「人間失格」と出会った時に、「これははまったらやばい気がする」と本能で感じたそうです。
大人になってから、少しづつ読み出したらめちゃめちゃはまってしまって、「もうずっと太宰三昧」な日々だそうです。
最初は「太宰の文体の魔力」とかの話だったのが、だんだん萌えが入ってきて、「彼の手って素敵ですよね」とか
「声を聞いてみたい」とか色っぽい方面に飛んでってましたが。ま、太宰もあんな可愛い女性に思われてさぞかし
喜んでいるでしょう。 いやー、太宰は死んでないよ。21世紀の三鷹は彼を思う女性がしっかと生き続けています。
今日の場合はまったく平和なものですが、時にはライバル意識丸出しの太宰萌え対決を展開させ、
あの世でゴールデンバットでも吸いながら楽しそうに見物してそうな気がする・・・ そこには終わりがないですけどね。
「一緒に死のう」と彼は決して言ってくれないですからね。もう死んでますからね。だから健全に戦えるかな
話がずれましたがその女性から三鷹駅に太宰作品をモチーフにした演劇のポスターが貼ってあったと情報いただきました。
携帯にメモした、というその内容を教えてもらいました。またお知らせします。ってもうみんな知ってるとか?
最後にその女性、「すごく楽しかったです」と言ってまた満面の笑みで帰っていかれたんです。
なんか嬉しかったですねー。

「ひらら」のvol.4入荷しました。今なら入り口入ってすぐのフリーのコーナーにあります。
特集 熊野とは何かー中上健次とは何か
    奄美、生と死の通う海辺ー島尾敏雄・ミホの島唄
    ヤポネシアを渡る旅
    沖縄でなぜか田芋ほり
    屋久島ー「もののけ姫」の森から
    京都のダダイスト詩人と幸福な本屋(恵文舎一乗寺店へ)
    信楽の里 診察室の絵本工房 他

前の号の時、営業日記で紹介してから何人か「ひらら」はありますか?と来てくださった方がおられ、
残念ながら在庫がなくなってしまっていますが、次号を持ってこられる時に前の号の在庫があるか聞いてみますね
とお答えしてました。在庫あるそうです!今度持ってきてくださる、とのことで入荷しましたらまたここでお知らせします。
私自身もこれからじっくり読むのを楽しみにしているのですが、今回あとがきにとても嬉しいニュースが載っています。
こちらの発行人の方の書いた小説が5月発売予定の「太宰治賞2004」(筑摩書房刊)に掲載されるそうです。
最終選考に残るなんてすごい事で、私まですごく心が騒いでるのですが、あとがきにちょこん、と「ささやかなお知らせ」と
書かれてあるだけなので、こちらの方も最後にちょこん、と書き添えるだけにしておきます。

2004年4月11日 日曜日
どもども、ますたーです。
急に暖かくなってきましたね。つーか、いきなり暑い。。
本日は、NHKで日本ハム戦の中継がありまして、まあ、年に数試合しかないテレビ中継なんで、
厨房にテレビ押し込んで観戦しながら店番をしてました。いや、しかし、長引く長引く。。
結局店主と交代するまでに試合が終わらずそのまま家に戻って見入ってしまいました^^;
こんなんじゃあきませんなあ。。
2004年4月10日 土曜日
桜は散ってしまったけど、されど4月。
夜風が気持ちいい季節になりましたね。
新しい顔ぶれのお客さんが見える季節でもあります。
あと、土曜なんて特に散歩の途中で偶然このお店を見つけて、
なんとなく入ってみた、って方もチラホラおられます。
雑誌「日経ウーマン」の散歩コースの記事を見て来てみました、って男性が
時々おられます。男性に意外と読まれてるのですね。
「男性のビジネス誌は固いだけのものが多いけど、女性誌はそうでないし、おもしろいから」
と言われてました。私はOLの経験がないのでほとんど読むことがなかったビジネス誌。
今回ちょっと読んでみたら長年の疑問が解決しました。 ってたぶん社会人には常識かもしれないんですけど
名刺をいただく際、相手の名刺は必ず両手で受け取る、っていうそこまではいいんですけど、
盲点があったのです。名刺交換する時、相手の名刺を両手で受け取らなくちゃ、っていうのがまず頭にあったので
私、今まで相手に渡す自分の名刺を受け取る瞬間ワキにはさんでいたんです。だって両手ふさがっちゃうじゃないですか、
みんなどうしてるのかな?ってひそかに思ってました。その悩みが解決しました。
名刺交換の場合は、同時だから片手でいいようです。名刺入れをざぶとん代わりにするのが理想的らしいです。
と正解がわかったのはいいですが、次回からそうできるか不安です。今更練習してみたりして・・・って私ほんとにアホですね

昨日中央線の話題を書きましたが、メディアファクトリー出版から発行されたダ・ヴィンチ特別編集5「中央線カルチャー魔境の歩き方」
という本にうちの店も載ってます。三鷹は「トトロと太宰が出会う散歩道」ってことになってます。おもしろいですよ。
太宰登場率高し。表紙のカバーデザインやチラシもひそかに太宰なんです。そのチラシに描かれているおセンチ太宰のイラストが
かわいいんですよ。ふきだしのセリフは「この街が好きで、すみません。 太宰治(ウソ。)」となってます。
チラシは店に置いてますので自由にお持ち帰りくださいね。私もこの本まだ全部読んでないけど中央線めぐりの参考にしようと思います。

2004年4月9日 金曜日
今さらだけど中央線はやっぱりいいと思う。
私はまだ三鷹に移り住んで2年だけど、この先中央線沿線のいろんな場所に足をのばしたいと
本気で思っているし、きっとそれは飽きることはないのだろうと感じている。
最近は新宿によく行ってるかな。 たまたま目的があったこともあるけど、
まず夜遅くまで書店が開いてるのがいい。 新宿って歌舞伎町とかはこわいイメージがあるけど
駅周辺で安心してゆっくり過ごすことができるという点はすばらしいと思う。
最終の映画を見たあとでも、買い物やカフェが開いている、しかも駅の中のデパート内だから安全。
たぶん同じようなことを考えて利用してるっぽい人はたくさん居るに違いない。
先日も、10時半までやってるアフタヌーンティーは仕事帰りに気分をきりかえてケーキとお茶を楽しんでる女性であふれていた。
あー、わかる、ってかんじで私も思わず店内にひきづりこまれていく。
夜遅くに食べるケーキってほんっとにおいしいんですよねー。太る、という危険と背中合わせだからこそ燃える恋愛と同じ?
私の場合、どこかでかけていて夜中に家に帰ってくる、って場合80%くらいの確率で、駅から家まで自転車で
帰る途中でファミレス寄って夜にデザートとドリンクバータイムしてます。 んー、身体に良くない?ほどほどにしておこう。

西荻在住のお客さんが来店してくださり、中央線っていいですよねーって話になって
西荻のコーヒーのおいしいお店とか、おすすめケーキセットが食べられる時間とか教えてもらいました。
「美味しんぼ」によるとコーヒーで一番おいしいのは水出し珈琲らしいです。
って聞いてその回をマンガ喫茶で読んでみたくなったりした。
あと吉祥寺にはマンガ家さんがたくさん住んでらっしゃる、という話にもなり、
いつだったか吉祥寺駅の記念行事で吉祥寺在住のマンガ家さんの絵画展みたいなのがあって
そこに土田世紀さんの井の頭公園を歩く男性の絵があり、その絵がすごく良かった、と教えてくださいました。
マンガ「編集王」に登場する桃井環八のような雰囲気の男性だった、と聞いてますますその絵が見たくなりました。
「編集王」を読んだ時は京都にいたのでまったくわからなかったけれど、登場人物の名前は皆地名に由来している
ということも教えてくださいました。「桃井環八」も「五日市さん」もなるほど、街道の名だな、と納得。
「マンボ好塚」はどうなんだろ? このマンガも太宰が出てきたな・・・
「おたんこナース」の1巻もそうだったけど、とてもていねいに書かれていて、マンガ家さんの太宰への愛情が感じられて好きだった
って勝手な解釈かもしれませんが。土田世紀さんのマンガ、 いつか時間ができたらまた読み返してみたくなりました。

2004年4月8日 木曜日
先週、2人のお客さんから映画「花とアリス」を薦められた。
私もたぶん、この映画はきっと好きになるだろうとわかっていた。見に行くとしたら
チャンスは今日しかないという4月7日の水曜日、予定では掃除をしてから余裕があれば行こうか、といった
その日の気分まかせなかんじだったのだけど・・・この日、起きたらもう夕方だった(笑)
なんか疲れがたまっているのか、全く身体が起きられないんですもの。
この季節、私の周りでも普段よりたくさん寝る、という声をよく聞くので私だけじゃないだろうと思うのだけど
春眠暁を覚えず、といった可愛いものじゃない。 起きたらもう薄暗い休日くらい不幸なことってないと思う。
これはもう今日は映画は無理だな、とあきらめて掃除をすることにした。

しかしさんざん眠ったというのに、まったく掃除をやる気が起こらない。どころか「あと5分」とか言って
またベッドに横たわっている。こういう日ってもう何やってもダメムードが乱雑な部屋に漂いものすごい悪循環。仕切り直さなきゃ、と
昨日雑誌で読んだ「コーヒーと甘いペストリーで血糖値を上げモードを切り替える」みたいな誰かの言葉を思い出し実行しようとするけど
シスコーンと牛乳しかない。とりあえずそれを食べながらテレビをつけてみた。
そしたらちょうど、自分の息子の下腹部を鋭利な刃物で切り取った主婦のニュースがやっていて、今日はもうなんかダメだ、と降参する。
掃除をやめて映画に行こうと決めた。今日は「花とアリス」を見に行かなければならない。綺麗な映像で体内にたまった垢を洗い流そう、と。
こんな目覚めとこのダルさなら家にいて掃除しても休憩ばかりで結局はかどらない。「結局寝てたわ」ってことになると思う。
この澱んだ部屋の中の今の自分から脱出しないとーって危機感さえ覚え、新宿へと飛び出していった。
こんな情けないことだからいつまでも「片付けられない女」なのですよね。でもこの日はほんと外に出ないとダメになりそうだった。

「花とアリス」は想像どおり良かったです。 私はなんで「少女」であった時代を大切にしなかったんだろう、
なんでバレエやめたんだろう、とかえって自分のマイナスポイント探るくらい良かった。
今日、そのすすめてくれたお客さんが来店されたので「見に行きました」と報告すると、
「ビデオじゃなくて、スクリーンで見てほしかったんです」ってものすごく喜んでくれた。納得。
たしかにスクリーンで見れて良かったと思う。同じ岩井俊二監督の「四月物語」も今の時期、スクリーンで見てみたい。
実はお客さんからのお奨めもあって映画館に足を運んだのもあるけど、決定的だったのは大森南朋さんがほんの少しだけど
出演しているとわかったからなのでした。その瞬間、一番緊張していた私。やっぱり大森さんの「声」「話し方」すごくいい。
主演の2人の輝きはもちろんだけど、魅力ある人を見ると元気が出る。今日はでかけて良かった。来週こそ家の掃除しよう。
ここで「掃除します」宣言しとくと、実行できそうなので。たかが掃除ひとつやる気出すのにこんなにてこずる私は嫁失格ですね〜

2004年4月6日 火曜日
忙しかったー
朝からバタバタして気が付いたら夕方になっていた、というかんじ。
すばらしいことなのだけど、例のごとくアップアップしてしまう。
こんな時、月に一度くらい自然の中へ篭る生活ができたらなーとかふと考えてしまう。
でもずっと自然の中でも東京が恋しくなるに違いない。
月1くらいで自然の中の別荘とかに行く、というペースが理想的だと思う。ってまだまだ遠いけど・・・
「旅の香り 時の遊び」という番組の新聞のテレビ欄の説明の文で、「パール富士」というのがあって
とても気になっている。ダイヤモンド富士は知ってるけど、パール富士っていうのは初めて聞いた。
単純に、月が富士の頂きに重なる、ってことかな?

うちの店の近所にカメラ屋さんがあるので、最近お客さんの中に、カメラ屋さん帰りの人もちらほらいる。
コーヒーを飲みながら現像出来たてほやほやの写真を一枚一枚見られているのだけど、
みなさんとてもいい表情で写真を見つめている。私にも身に覚えがある。この時間好きです。
今の時期ってたいてい桜がバックなことが多い。 人の写真をチラッとでも見るのは悪い気がするのだけど、
コーヒーをテーブルにおだしする時なんかにどうしても見えてしまうのです。
お客さんの中には、桜が見事に撮れてるものを一番上にして堂々と広げてたりする事もあるので、そういう時は
「きれいですねー」と反応したりすると「そうでしょ、やっぱりすごくきれいだよね!」と嬉しそうにされる。
隣に図書館があって、カメラ屋さんも近所にあって、ひそかに夜桜スポットでもあるこのお店って
やっぱりかなりいい場所なのではないかと思う。
忙しいと余裕がなくて自然へ逃げたいなんて思ってしまうようじゃ青いですねー
この万年ヒマな店が忙しいなんて、たくさんの人が足を運んでくれるなんて、なんてありがたいこと
感謝の気持ちを忘れちゃダメだよ、って。そのお客さんの写真の桜が教えてくれたかんじ。 
こんなかんじでこの店の中で探せる自然に目を向けることを忘れぬようにしたい。

2004年4月5日 月曜日
夜、お客さんが来店し窓際の席に座られ
「ここ、最高の夜桜スポットじゃないですか」と言ってくださる。
やっぱり?私もそう思うのです。
「花見というと、どうも酔っ払い、その後のゴミの山、という悪い印象しかなかったのだけど
ちょっと考え改めます」とまで言ってくれて嬉しかった。
例の校舎のグランド、夜もスポーツの場になっているためか、21時までライトアップされてるんですけど
それが丁度桜を引き立ててる。というかそのまんま夜桜ライトアップじゃん、ってかんじ。
ほんとに綺麗ですよ。↓
画像では伝わりにくいところもあると思うので、是非リアルで体験してみてください。





丸く浮かんでるのは月です。桜のピークはもう過ぎたのだろうけど、花びらが舞う葉桜の時期もけっこう好きです。
というわけで本日の日記はフォスフォレッセンス夜桜編をおとどけしました!

2004年4月4日 日曜日
どもども、ますたーです。
なんか、いきなり天気悪いですね。ウチのような店はもう、雨に降られたりしたら致命的なダメージを受けてしまいます。
日曜日の昼下がりに、誰も居ない店内で一人。ネットのプロ野球速報とにらめっこです。いやはや、試合終了まで見てしまった(笑)。
ところでこの前、立川で電車待ってたらJR東日本の観測用車両EAST-iを発見。咄嗟に携帯取り出して撮影してしまいました^^;

こんな時にカメラ付きは便利ですね、はい。
2004年4月3日 土曜日
いい天気。花見日和ですね。
店のまん前の桜の木もやっと花が開きました。2年前よりたくさん咲いてます。
育ってます。見てやってください。



そしてこちらは店の前の三鷹通りの風景。目の前が中学の校舎なんですが、
一日のうち、ほんの一瞬、午後が終わり、夕方になる寸前、校舎が桜色になる瞬間があるのです。
私はひそかにこの桜色を「フォスフォレッセンス・ピンク」と呼んでいます。
その瞬間をねらって撮ってみました。是非実際お店の窓際席で見てみてください。
夕方からゆっくりと夜へと移行するその時刻の風景の色は、窓際席の風物詩のようなもの。
グランドの部活の女子部員の「ごーろーくひーちはーち」って掛け声が聞こえる時もありますよ。



桜の季節になるとやはりふと京都へ行きたくなりますね。
住んでいた嵐山付近や鈴虫寺へと続く道に流れる西苔寺川沿いの桜、そのそばのティールーム、
祇園の枝垂桜、あれは幽玄で京都によく似合ってた。遠い将来でもいいのでできれば毎年、春の楽しみに京都旅行をしたいので
もうちょい頑張ろう。東京にも引っ越して初めての春に「私の桜」を見つけたのですが、すべて
見に行けるといいのだけど。今年は無理かな、どうかな・・・

 
2004年4月2日 金曜日
朝からさっそく昨日の読売新聞夕刊の記事を見て来店してくださった方がいた。
以前に取材があった日の日記で予定では4月1日の夕刊に載る予定です、と書いたと思うのですが
その予定どおり載ってました。 昨日ますたーに「夕刊買ってきて」とお願いしたのですが
案の定、阪神ファンの彼に断固として否定されてしまったので(こういうとここの人ほんとに頑固。
嫁が載ってるというのに・・)母に頼んで買ってきてもらい、無事手にすることができたわけです。
先輩からも「読売新聞見ました」とメールいただいたりして、照れはあるものの正直嬉しかったですね。
その先輩は優秀なビジネスマンなので、おそらく新聞五紙くらいは日ごろからすべて目を通していて偶然見つけたのではないかとみた。
えっと話を戻して・・・その方は、福島県からたまたま東京に来ていて、この記事を見てお店に来てみたくなりました、という
喫茶店経営兼教師兼画家の方でした。東京でも時々個展を開かれているということで、こちらにもちょくちょくいらっしゃってる
ようです。旅先で新聞を読み、おもしろそうな記事に出会いそのままでかけてしまうかんじは私も体験済みなので
この店が誰かの旅の時間の途中にあるというのは嬉しいものです。
その方から教えていただいたお店情報で是非行ってみたくなったところができました。
川越に古書店があって、その隣にその店の主人の奥さんが経営する喫茶店があり、
お隣どおし建物が中でつながっていていききできるそうです。で、その主人の息子さんは昔のおもちゃを扱う店を営業してらっしゃる
そうです。そういうのってなんか良いなと思います。その方はこの古書店に何度も足を運んだそうで、
「あの店には学ばさせてもらった」と言われてました。 なんだかいい話をたくさんしてくださって、
こういう店主が居る喫茶店、きっと同じように「あの店には学ばせてもらった」って人が出てくるような気がする。
私ももうちょい厚みのある人にならないと。ただ落ち着く店、とお客さんの心に残るだけでなく
なんらかの影響を与えられる店でありたいなと思うんですよね。
他にも記事を見て来て下さった方が来店され、嬉しかったです。 ブエノスアイレスに住んでいた、という方が
マヌエル・プイグの「ブエノスアイレス事件」という本を発見して、プイグについて質問され、その質問に隣の席のお客さんが
答えられ、しばしアルゼンチン話で盛り上がる、なんて事もありました。 
私自身まだ未熟なのは間違いないけれど、こうして店になにかを期待して来店していただく人がある、
この店で新たな出会いがあることは事実。みなさんとてもあたたかな目で見てくださるし。感謝して受けとめていきたい。

2004年4月1日 木曜日
4月になりました。
なんとなく4月1日って感慨深いものがあって、いつもエイプリルフールのことを
すっかり忘れてしまうのですが、今日は実にドッキリのような出来事がありました。
夕方、電話が鳴ったので受話器をとると、うちの大阪の実家の母でした。母が店の方に電話してくることはほとんどないので
もしやなにかあったのか?しかも4月1日に? あるいは前回みたいにいきなり下着のサイズをきいてくるのか?
と構えてたら、「今東京に来てるからもうすぐそっちに売上に貢献しに行くから」とのこと。
「はあ?」とひょうしぬけました。「どしたん?突然。じゃあ気つけてきて」と電話を切ったものの、
だんだんこれはエイプリルフールだから悪ふざけしてるのか?と思えてきた。 でもまさかそんなことで電話してこないだろ・・と思いながら
待っていると、本当に母がやってきた。 コーヒーを淹れつつ話を聞くと、驚きの事実が!(効果音byピアノ)
ってそんなたいしたことはないんですけど、昭和13年生まれの母がこの春より大学の通信部に入学したそうです。
そのガイダンスで上京し、ついでにうちの店に寄ってくれた、という事情のようです。
今ごろ勉強したくなるなんて、なんかすごい、というよりどうしたん?って方が正直大きかったですね。
美容院の経営の方も一応続けながららしいです。今こうして自分が店を構えてはじめて、経営していく大変さがわかり、
30年以上現役で近所では結構流行ってた店の主人ということで、あらためてお母さんすごいなーと最近わかってきましたからね。
しかも二人の子を育てながらやってたわけで、その点は必死さに迫られない分のんきすぎる自分は完全に負け負けな気がする。
休みの日に自分の息子ぐらいの歳の子のおっかけしてる自分は甘ちゃんすぎててんで超えられない壁をひたすら感じてしまうのです・・
まあそれを言っちゃきりがないので私は私のやり方で頑張るしかないですね。
何をしでかすかわからない度は私も母に負けませんから。
でも母も私も協力してくれるダンナさんと一緒になった、という点では同じ。
日曜日に家中の掃除してた父の姿を、小さくなった母の背中を見てたら思い出しました。
私が階段をあがろうとすると、「みゆき!ふきたてやからまだあがるな!」てすごい怒るんです。
「そやかて二階にいるもんあるんやけど」てなかんじで・・・
ケータイメールを器用に操ってる母の姿にもびっくりしましたが、とにかく早く安心してもらえるように私も頑張らなくては。
そしてなにより今日一番ラッキーだったのは、300円のコーヒー1杯に母は「釣りはいい」と1万円払ってくれました。
1万円のコーヒーって・・・そんなかんじでいい大人なのにまだお小遣いもらって喜んでる私なのでした。はあ、まだまだですね〜

2004年3月30日 火曜日
太宰治全集を揃えたいけれど迷ってる、とお客さんが言う。
最新のグレイの「DAZAI OSAMU」ってやつもかっこいいけど、
昔のさくらんぼの絵入りのもひかれるし、と。
残念ながらうちに最新のは在庫がなく、さくらんぼの方も不揃いなのだけど
最新の方、都内の大型書店で揃いで売ってるのを目にしたことがありますし、
昔のも入手困難、というものではないと思うので、「こっちに決めた」って自然になるのを
待ってていいのでは?とお答えした。
でも若いお嬢さんなので、「さくらんぼの方が似合いそうな気はするけど」と一言最後に
つけ加えると、その言葉が決め手となったようで、こっちで揃えることにするそうです。
こっちの方が「乙女っぽい」と。私もそう思います。

    
 
私もこっちの方、かなり好きなのです。で、こちらはどちらかというと状態がいいより、少しシワやヤケ、使用感がある方が味があって好き。
最新のハードなやつももちろん欲しいですし、どちらもいつか揃えたいですね。 
昨日いちごものが好きと書いたけど、もちろんチェリーものも大好きです。あーたしさくらんぼ♪じゃないけど・・
31日は定休日なのでフォスフォレッセンスは本日が年度末。4月から気分を新たに頑張ります!

 
2004年3月29日 月曜日
春の訪れは嬉しいけれど、
季節の変わり目とかこの時期、体調を崩してる人も多いようですね。
私は今年はマシな方とはいえ、花粉症なのでこのところくしゃみばかりしてます。
キッチンで作業中にくしゃみの予感がすると、必死に押さえようとして
かえってヘンなくしゃみになれなかったくしゃみ、みたいな音がして
店内が「今の何?」みたいな空気になることもしばしばあったり・・
そんな時、お客さんから手作りのクッキーを「はい、これ」といただきました。
「なんのクッキーだと思う?」と言われてすぐわからなかったのですが、
なんと漢方のクッキーだという。まさかどくだみとかじゃないよな、ちゃんとおいしいし、
うーん、降参。答えると、「ウコンのクッキー」ですって。
ご自分でレシピも見ずに作られたという。すごいな、いいな、
ウコンのクッキーをつくろう、というその発想がいいな。
しかもちゃんとおいしい。一度にたくさんつくって冷蔵庫にいれておくらしい。
学生時代に、どんなぼろいアパートに住もうとお菓子作りの環境だけは妥協できない、と言ってた友人の
とでかいオーブンをちょっと思い出した。

ちなみに私が最近凝ってる食べものは、いちご系のお菓子とごま。いちごものは単にパッケージが可愛くて好き。
ごまは、これもお客さんから教えてもらったのだけど、身体にいいものは普通お金がかかることが多いけど
ごまは安い!って点が気に入った。88円で買えるお薬 安いいりごまにぎりしめ♪(尾崎豊トリビュート風)ってかんじで
もうなんにでもかけてる。昨夜は牛丼にもかけたし、デザートの豆腐花にもかけた。
宮沢りえもテレビでおすすめしてたし、美容にもきっといいんじゃないかと。今夜はオムライスにかけてみようかな〜

2004年3月28日 日曜日
店の前の桜だけ花が咲きません・・。
ども、ますたーです。
すっかり春ですな。お店に居てももう眠々です。
種子島在住の姉からジャガイモが大量に送られてきました。
しばらくはイモ三昧です。もうイモがなければ生きて行けない身体ですわ。
と、ポテチをぼりぼり食べながらこの日記を書いてる訳なんですが。
2004年3月27日 土曜日
やっと春が来た!といったかんじの暖かな一日。
窓の外を通る人たちも皆楽しそうです。 久々の晴れなのでみんなどこかでかけちゃった?
最近忙しく日記を書く時間がとれないほどだったのに、今日はヒマな土曜日となってしまいそうです。
といってもまだ夕方。ヒマなうちにもう日記書いちゃうことにします。

昨日の今日でいいタイミングなお話をお客さんから聞きました。
ご年配のお客さんが、最近「アインシュタインの言葉」という本を読んで感銘を受けたことを話してくださった。
この本は書店員時代によく売れてたので覚えてる。けっこう若い女性がプレゼント用に選んでたりしてたから
正直ちょっと意外な気がした。そこに、「私は反省をしない。なぜ反省などしなくてはならない?」といったことが
書かれていたそうで、その答えに目から鱗が落ちたそうです。
「人が言ってくれるじゃないか、と。その時はじめて反省すれば良い。
あとは流れるまま自分の本能の赴くまま行動すればよろし」ということらしいです。
私の今のタイミングにもピッタリなかんじで、なるほどー、と深くためいきをつきました。
「私は天才などではない。1つのことを人より長く考えただけだ」とも書いてあったらしいです。
70歳を過ぎたおじいちゃんが、こういう本に目がとまり、それらの言葉をちゃんと新鮮に受けとめられている
という事実もいいなと思いましたし、ひとつ新たな反省も生まれました。
これらのプレゼントブックの類を少し軽く見てたところがありました。出版社の荒稼ぎもの、みたいな・・
でもどんな本もいろんな可能性が秘められているのだということを忘れちゃいけないと思った。
人が人と別れる時、その人がこの本の言葉になにか感じられるのなら贈り物にしたい、
物として大切にされる高価なものより、ほんの少しでもその人の人生に影響を与えられるかもしれないものとして
本というアイテムを選び贈り物にしたいという送り主の気持ちを想像すると、
機械的にラッピングしてた昔の自分をちょっと反省しましたね。
今の狭い店じゃ難しいけど、いつか自分の店でもフルシーズンでラッピングできるようにしたいですね
クリスマスだけが贈り物のシーズンじゃないですし、今も本に関わることしてるから書店員時代の反省を生かせますからね。
「贈り物にしたいんですけど」と言うとラッピングもしてもらえる古本屋さん、ってなんかいいじゃないですか。いつか目指します。

2004年3月26日 金曜日
太宰関連のことでなにかやりたいこととかありますか?
と聞かれて、「もっと私自身が太宰のことを勉強してから考えたいと思います」と答えた。
お客さんからよく太宰のことをいろいろ質問されるのですが、その度にもっとスパン!と答えられたら・・と思うのです。
今年は勉強の年、と年始に宣言しておきながらごらんのとおり雑念ばかり先走っている現状なのです。
まあやりすぎない程度に、その時の一番突き上げてくる衝動に素直に行動しよう、と今は思ってますけど。
「知識を深めるよりも、たったひとつの作品を突き詰めていくとか、そういうやり方でもいいのだし、
あなたの雰囲気からして太宰一辺倒ではないところがまたお客さんも安心できる部分でもあると思うし」
と言ってくださったけど、久々に太宰の話をたくさんして、なんだかんだ言ってライフワークは太宰研究なんだから
まあ焦らずにゆっくりでもまた取り組んでいかなくちゃな、という思いが湧いてきた。
そういうタイミングなのかな 

「講演会とか読書会とかを開くのもいいけれど、こうしてふとここに来た時に
なにげなく太宰の話をするのがいいのかもね ここのお店はそんなかんじの場所であるのがベストなのでしょうね」
と言ってくださった。 たしかになにかイベントとか朗読会とかあるといいかもしれないけど、
普通の時間がなにより大事とお店を開いて2年を経て感じているんです。
営業時間、普通に開いていて、店の灯りを絶やすことなくただ存在し続けることがなにより大切なことだと。
よっぽどのことがない限り、その日の気分で予告もなく早閉まいとかはしない店でいようと。
ここに来ようとした人が、自分なりのフォスフォレッセンスでのいつもの時間の過ごし方を求めてやってきて
くださったのに、その日は「本日は朗読会」ってなってたら「いつもの時間」ではなくなってしまう。
もう少し広い店なら可能なことだけど、うちの狭さでは難しい。
でもここでそういう朗読会とかなにか世界が広がりそうなことは絶対いつかやってみたい。
それならたぶんお休みの水曜日を使ってやることになると思いますね。今のところまだその余裕がないのが現状。
とにかく3年たった時点でまたいろいろチャレンジしたり考えていきたいと思います。
やはり3年目のこの1年って大事ですね。最近お店をやっていくおもしろさはどんどん増してきているし。
でも自分に甘すぎずにしなくては。理想に近づいていけるよう日々努力していきたいです。

2004年3月25日 木曜日
去年の3月もそうだったのですが、最近なかなか忙しいです。
今日もバタバタとしてた上にいいかんじで買い取りもあり、それでいてホッとする
時間も適度にあり、ひじょうにバランスのいい一日でありました。
私、忙しすぎるのダメなんです。ある程度ヒマな時間がないと、アップアップと水面に顔を
出してもがいている金魚みたいになってしまうんです。まあ単にお腹がすく、というのもあるんですけどね。

今日から春休みなんですよね。「春休みになったらここに来ようね、と約束してた友達と二人で来ました」
とか言ってくれる学生さんとかおられましたよ。あと、高校生っぽい女子生徒二人組も来てくれた。
みんな最後レジでお会計の時とか、すごいニコニコ微笑んでくれるんです。
まるで私のなにかを知ってるような笑顔。いや、とっても嬉しいんですけどね。
春休み、いつもよりちょっと余裕のある学生さんたちがここで本とたくさん触れ合ってもらえたら、
もちろん小さな子どもさんも、親子連れとかでどんどん来てほしいですね。
あと結構ビジュアル系のロックグループとかの本を面出しにするとすぐ反応があることが最近わかりました。
綾小路翔が表紙の雑誌は、面出してすぐに、赤ちゃんをおんぶしたお母さんが「そこに飾ってあるのください」と来られたし
例のマリスミゼルの2冊目本も、春休みの学生さんっぽいお嬢さん(先日とか別の方)が購入されたし、
これは新たな発見でしたねー。 

今日は三鷹を特集した冊子(名前忘れてしまいました、すいません。また出たらお店に置きます)
の取材がありました。4月に出来る予定のようで、この春から新しく三鷹に引っ越してきた人とか
手にとってお店に来てもらえるきっかけになれば嬉しいです。

2004年3月23日 火曜日
いかりや長介さん、亡くなられたね、っていう話題になりますね、やっぱり。
お客さんから、うちの店のすぐ近くの三鷹公会堂でもたしか「8時だよ全員集合」の公録
やってたと思うよ、とも教えてもらい感慨深いものがあります。
いかりや長介さんといえば、とても印象に残っている役があります。
うろ覚えなのですが、谷崎かなんかの耽美文学もの単発ドラマで、黒木瞳さん(だったような気がする)
とのからみもありの役でした。下品な言い方をすればエロおやじ役だったのですが
すごいはまってたんです。初老の男性独特のエロスがちゃんと出ていて、
長さん、ただものじゃないわ・・と思ったのです。是非再放送してほしいものです。
なんかとても寂しいですね、雨も降ってるし

ずっと前に金沢でブックカフェをこの春オープンされるBOOKS&CAFE あうん堂さんのことを書きましたが
いよいよこの28日(日)に実店舗を開店されるというお知らせをいただきました。
詳しくはサイトでご覧下さい。小さな白いギャラリースペース、というのがとても気になります。
オープンに合わせ「70年代・雑誌カバー展」と題して様々な表紙を紹介されるとのこと、
なんだか楽しそうです。私も今度金沢に旅する時は是非訪れてみようと思います。
春に新しいことが始まるのっていいですね。うちの店の前の桜も早く咲くといいな

2004年3月22日 月曜日
古本+カフェは他にもあるけれど、古本とカフェのエリアが離れてることが多いので
この店のような密着したタイプのお店は珍しい方ですね、と今日お客さんに言われました。
そうなんですよ、たしかにカフェスペースを併設した本屋さんはいつくかありますが、
コーナーを離してることが多いですね。
「東京古本とコーヒーめぐり」の本を見て、この「コックピット感覚」っていう表現されてるのが
気になって来てみたんですけど、まさにそうですね、とも言ってくださいました。
お店がとにかく狭いのでちょっと圧迫感があるのも事実かもしれないけど、
座ってコーヒーを飲みながら、手を伸ばせば本に届く、というのは新鮮に感じてくださる方が多いようです。
「この本、うちの本棚にもあるんですけど、今日ここで手にとってみるとまた違ったかんじで
実はおもしろい本だったんだとあらたな発見がありました」って言ってくれた方もいた。
コーヒーを飲んで脳が覚醒した直後って、なんか部屋にいながら本を読む時の脳と少し違う気がするんです。
いつも見てる風景もなにか少し違って見えるあのかんじ、本の風景も同じく少し違って見えるのかもしれないですね。

「ネットでこのお店のことを見たんですけど、ラクリマクリスティーの本はありますか?」と入店されたお客さんがいて、
マリスミゼルの次はラクリマクリスティー? いや、ラクリマの本はうちにはなかった筈・・・ともう一度聞き直すと、
「なごみまくりの本ありますか?」と聞かれていたようで。ものすっごい聞き間違いしてました。
「あ、なごみまくり、ですね。はいございますよ」と言って無事お買い上げになりました。
私小学校の遠足の時、耳にたんぽぽの羽毛みたいなやつが入ったような疑いをずーっと持っていて、
それ以来被害妄想かもしれないけど耳が遠いような気がするんです。ま、全く深刻じゃない程度なんですけどね、
なのでこれからも聞き間違いしまくりまくりすてぃーかもしれませんので、ま、多めに見てやってください。
ちょっとは似てるかな、「なごみまくり」と「マクリマクリスティー」
聞き間違いといえば、今まで2人の人に「直太朗とハイド、どっちがより好きなんですか?」と聞かれました。
そのうち「直太朗」と大きく書かれたスポーツ新聞の切り抜きとかプレゼントされそうな気がする・・・
もつれもつれて吉川晃司のプロマイドとかもらえたらそれはラッキーなめぐり合わせなんだけど。それはないか。
「直太朗」でなく「直次郎」ですので、そこんとこよろしくです。

2004年3月21日 日曜日
ども、実は隠れ日ハムファンのますたーです。
ドーム観戦、行ってまいりました。日ハムの守備力にはもう驚愕ですわ。
実質二人で守ってるもん(笑)。

えーっとですねえ、今日は、忙しかったです、はい。
なんつーか、次から次へ、という感じでしょうか。お客さんがどっと来てどっと退くってな感じ。
ちょっと時間が空いたから作業でもすっかなー。と思ってるとまたまた連続でご来店。
交代時間に店に来た店主が目を丸くするくらいアタフタしておりました^^;
まあ、忙しいのは良い事ですな。

2004年3月20日 土曜日
お客さんから相談を受けることがある、と前に書きましたが、
「あなたの悩みはなんですか?」と今日お客さんに聞かれた。それも天使さまのようなお顔で。
「いつも明るいかんじだけど、本当は秘めたものを持っていそうですね、AB型でしたよね」とも。
「いっぱいありますけど、今のタイミングだと、欲が多すぎることに悩んでます」と答えた。
今週なんてHYDEの武道館ライブだけでなく、平川地一丁目の無料ライブにもいそいそでかけてるんですよ、
やることいっぱいたまってるのに。でもそんなことどうでもよくなるくらい良いものでしたが。
「あなたはそうやって小さい欲を満たして心身共に健康でいられてる。というか押さえたら余計ストレス溜まってダメになるでしょう」
ですって。「仕事一筋の人だと仕事がうまくいかなくなるとドーッと沈んじゃうことあるけどあなたはそれがなさそう」と。
たしかにあのマネーの虎で有名な堀之内九一郎氏もその著書「どん底からの成功哲学」で
「まずは小さい欲をとことん満たすことから始める」と書いてましたね。
「このお店は普通の古本屋さんと違って個性的なのが魅力なのだし、もうわかってると思うけど
あなたのキャラと、微笑ましく見守るますたーの存在で持ってるでしょ」と。それはよく言われます。
「そんなに儲かってなさそうな上に奥さんおっかけまでしてて、あれでよくやっていけるな、
本当は宝くじ当ってたんじゃなかろうか、と思わせとくくらいで丁度いいのよ」と。笑・・・

先日も書いたけど、この店は友人の書斎を訪れたような本棚、っていうのが特徴だと皆言ってくださる。
ならたしかにその「友人」が純文学一筋、というよりはちょっとミーハーで、ははんまたなにかに影響されたワケね、って
わかるのもおもしろいかな、と。まあそこに甘えちゃいけないわけですけどね。

そうなんです。生平川地の歌声をついに聞いたのです。たしかにまだまだこれからの彼らだけど確実に訴えてくるものが
歌やギターの音色にこめられていて、最初から最後まで涙が溢れてとまらなかったんですよ。
私の人生は直次郎君を生で見れた日とそれ以前に分けられる、ってほどの感動がありました。少女より少女性ありますよ、彼。
もし彼が「アシタ ニジ サドデマツ ナオジ」と電報送ってきたら、ますたーに店任せて「また乗ってしまったわ」と
フェリーで佐渡行ってますよ。あ、また始まった妄想、ま、春は妄想の季節ですからね、良しとしよう。
二人が登場した時思わず双眼鏡(アタック25出演時の参加賞のやつね)で夢中になって見てたら、
はっと気付いたらそんなことしてるの私だけ。はっず〜 もちろん歌を聞きにきたんだけど、
トークの時だけでもアップで見てみたい、って考え変かな?皆純粋に音楽だけ聞きにきてるんだ。
えー?みんな、生直次郎だよ、生龍之介だよ、なめるように見なくていいの?と思いつつ真っ赤になってすぐ双眼鏡をカバンに直しました。
約1000人の中で私だけがエロいおばさんだった、ということですね。いや、もうエロいおばさんで結構。認めるわ。
そんなエロいおばさんがやってる古本屋をこれからもどうぞよろしくお願いします。注(だからといってエロい本はありませんので。

2004年3月19日 金曜日
店の窓際に飾ってる本に最近値段を表から見えるようにつけている。
自分たちの思っている以上に、ここは古本屋でなく喫茶店であり、
本は売ってるのでなく飾っていたり、お茶を飲みながら自由に読む、という店だと思ってた、
という人が多いので。 商売、儲ける、ということをメインに考えていたらとっくに試していたかも
しれないけど、なんとなく外観はミステリアスなままでいたいという考えがあってそのままにしていた。
最近、「あ、やっぱりこれは買えるのね、嬉しい、欲しかった本だったので」という声があったりしするし、
それにやはり本がもっと売れてほしいので少しづつ値段表示をして置くようにしていたのです。
店をはじめる時からも「表に「古本」とか「コーヒー」とかのでっかいのぼりとか立てたらお客さんもっと入ると思うよ」
と助言してくださったり、他にもいろいろアドバイスしてくれた方がいた。
「のぼりて・・(笑)」みたいなことをチラッと思ってしまったことも事実。ごめんなさい。
でも最近は、お店にもっと人が来るといいのに、と思って言ってくださることはひとつの意見なんだから、とおおいに参考にしてる。
何度も言うように一番鈍感な人に合わせるくらいでないと商売は成り立たないという。とんがった店は別として。
どこかうちはこういうスタイルなんだからこれを気に入ってくれる人が来てくれたらいいから、って思ってるとこがあった。
たしかにそれも大事。あんまり店のスタイルころころ変えるって好きじゃないし、既に気に入って来てくれてる人は
あんまり変わってほしくない、と思われるのではないかと思う。
でも本にとってどうかと考えると、やっぱりこの店でずっと人を待ってるより早く嫁入りしたいだろうし。
さきほど書いた、「あ、買えるんだ、嬉しいー」ってお客さんの表情がすごく良かったし、
またそのお客さんの手で抱きかかえられた時の方が、うちの店ですまし顔でガラスに横たわってた時より
本の表情も良かったというか、なんか白黒のがカラーに変わったような風に見えた。
もちろん白黒の良さ、というのもあるんですけどね。 
それにあまりわかりにくい店っていうのもどうかな、と考えるようになった。
本好きの人にやさしい店でありたいですからね。そんなかんじで一部値段つけて出してたら
「全部値段つけないと、ついてないのは非売品なんだと思われちゃうんじゃない?」っていうお客さんがいたので
現在全部値段つけてます。でも明日はどうなるかわかりませんよ。単にめんどくさくなるかもしれないし、
常連さんが「気に入らない、今までどおり本だけがいいんだよ」って値段の紙をひきはがすかもしれない。
ってそんなことはないと思うけど。 まあそんなかんじで試行錯誤しながらやっていきますよ。

2004年3月18日 木曜日
表のガラス窓に飾ってる本は基本的に私が選び、1週間交代くらいで変えてるのですが、
ますたーが店番の時にそこから本が売れたりすると、彼がセレクトしてその穴を埋めるのです。
だから今週は全体にダークなかんじで、とか思ってても1冊だけ電車の本があったりする日もあるのです。
で、その「本いれかえたよ」と本人から引継ぎするのを忘れて店番を交代して、
お客さんから「この本見せてください」と言われてはじめて、あ、変わってる、と気付くことが何度かある。

表から「あっ!」というかんじで店に入ってこられ、そこにあった本を夢中でパラパラとめくられている。
「この本の他にマリスミゼルの本はありますか?」と瞳を輝かせて聞かれたそのお客さん、
すっごい可愛らしいお嬢様で、いや、見かけでこういうこと言っちゃいけないんだけど、うちにあのマリスミゼルの本は
今なかった筈だから、彼女の言うマリスミゼルというのはなにか別の種類の服のブランドとか新種のデザートとか新人聖歌隊の名に違いない、
と思って、「マリスミゼル、です、か、」とそーっとその本の表紙をのぞきこむと、
「耽美実験革命 マリスミゼル」とある。やはりあのビジュアルバンド(って言っても怒らないよね?)マリスミゼルの本でした。
いや、でも私が悪い。マリスファンならわかりやすい黒系服着てる、というのは偏見ですね。
もちろんうちにマリスの本があるとわかっていたら私もすぐ応対できたんですけど、ますたー、私に何も言わず
いきなり面陳してんだもん!これからは引継ぎ徹底しなくては。でもそのますたーのいきなり面陳作戦の本って
結構早く売れるんですよ。この「耽美実験革命」も彼女、お買い上げしてくれたし。
ちなみに彼女はガクトさんのファンになって、そのあとマリスにはまったそうです。「MOON CHILD」見ました?なんて
話もしました。あれからまたマリスミゼルの本仕入れたので、表に飾ってます。見つけてくれるといいな
こんなかんじで、うちの店の品揃えは、メインは文学だけど、来てくださるお客さんがつくってくものでもあるんです。
縁が縁を呼び、ひとつの店の空間を創っていく、というのもうちの店のような家の書斎みたいな棚にはいいんじゃないでしょうか

昨日はますたーとちょっとしたデートでした。本当はこの春、天下茶屋(大阪ちゃうよ、わかってるって?)に行きたいと
思ってたのですが、18切符じゃ無理、という重要な点が欠けてました。車があるといいんですけどね〜
もうちょい先延ばしになりそうです。なので三鷹北口の喫茶西武で一緒にお茶して、私は九段下→神保町古書めぐりちょこっと
→日本武道館でHYDEのファイナルライブ。ますたーは東京ドームの日ハム戦観戦。それぞれ終了後また新宿で合流
→仕入れちょこっと→荻窪の松屋で豚丼→一緒に家まで帰る。というショボいのか豪華なんかようわからんデートでしたが
こういうのも新鮮でした。松屋の豚丼ミニは250円なので女性の方おすすめですよ〜 疲れたサラリーマンウォッチングしながら食べるのも
個人的には楽しめた。この人たちこんな遅くまで仕事・・・自分も頑張らな、みたいなね。

2004年3月16日 火曜日
昨日、京都から同じ書店で働いていたスタッフが、
東京都現代美術館で開催中の「球体関節人形展」に行くために
上京してたのでますたーが夜から店番を交代してくれた。
そのあとホテルまで彼女を送っていく途中でガストに寄った。
私は親子丼(しかも単品、貧乏なので・・)彼女はオムライス。
ファミレスのこういう普通のご飯類って、結構おいしいですねー
しかも安い。これはありがたい。
喫茶にしたって、ドトールでケーキセットでのんびりできる方が
個性的なカフェより安いし疲れなくて良い、という心理もおおいにわかる。
カフェを開業したい人は相変わらず多いようだけど、これからは厳しい時代だろうなと感じる。
刺激と安心感とどちらも人は求めるようにうまく棲み分けができれば良いけど。
東京に引っ越して1年目は最初からいろいろな場所へ行って盗めるものは
盗もうと思ってたし実際収穫もたくさんあったので今におおいに生きている。2年たち、3年目となり、
そろそろ堅実にいかなくては、となって喫茶店好きな私も最近、低価格なドトールやシャノワールとかが
正直言うと定番になってしまっている。安くってもけっこうおいしいんですもん。
でもそっちの方がいいと思ってるわけではなく、やっぱり個人の思い入れや夢が詰まってる、またそこに集う人との
相乗効果でいい空間になってる店の方が応援したくなる。ただ今の世の中そこまでいくことは簡単な事ではないだろうと思う。
経営者の先輩が、「お客さんからお金をいただくんだから、その重みを忘れちゃいけない。それで自分たちの商売が
成り立ってるんだから、決して手を抜けないよね」って言った言葉を最近よく思い出してる。
この店へ来たい、この店に来たらなにかがある、と思わせる魅力をキープする努力はつねにしていないと。

今日は「日経ウーマン」の取材がありました。日系ウーマンといってもウーマンオブザイヤーに選ばれたわけでなく
(妄想爆発ウーマンならノミネートされるかも)このあたりのお店めぐり紹介、みたいなかんじのコーナーに掲載される
ようです。いつの号か聞くの忘れてしまいましたが、キャリアウーマンが毎日の仕事の山から解放されて休みの日に
ふと訪れてここでホッとしてもらえたりするきっかけになったら嬉しいですね。

2004年3月15日 月曜日
本の扱いは丁寧に。これはたしかに常識だと思うのですが、
今日、心地よい雑さ、というのもあるのだな、と感じたことがあった。

いかにも「初めてスーツを着た」という雰囲気の若い男性が今日お店に来てくれた。
就職の関係で、名古屋からやってきたという。
お店に入ってアイスコーヒーを注文するなり、太宰棚をむさぼるようにチェックしはじめる。
この店の顔である、と思っているこの本棚が、こんなに音を立て、揺れたのは
フォスフォレッセンスが始まって以来はじめてのこと。
たいていのお客さんは、太宰の本をおそらく私や夫が大切にしているものなのだろうと想像し
とても丁寧に扱われる。もちろんお気遣いは嬉しいのだけど、売っている本なのだし
とことん触ってみてほしい。「少年」というのが一番しっくりくるようなその若いお客さんは
決して雑、というわけではないのだけど、いい意味でとても荒々しく太宰の本を次々に触っていった。
下の引き出しも出したり引いたりして、裏側の本まで隅々まで見ていく。
若者だけが持つ特有の熱が、伝わってくるようだった。
その熱が起こす本棚がカタカタ鳴る音、なかなか良かったです。
太宰だって女性からの熱い視線だけでなく、こういう熱も感じたいでしょう。
「一番好きな作家が太宰治なので」とハッキリと断言した彼、スーツが板についた姿も見てみたいので
もし東京に就職が決まったらまたこの店の本棚を揺らせてほしいな
これから遠くまで帰るのに、たくさん太宰本買ってくれた。
そんな彼がこのお店の存在を知ったのは、本で紹介されてるのを見て、ということでした。

こんなことがあるのでやはり取材の依頼があれば、その間の接客を優先していただけるのなら、という条件が
受け入れられるものは基本的に受けている。今日は読売新聞の取材があった。
予定では4月1日(エイプリルフールじゃん!)の夕刊(東京版。武蔵野だけかな?)の生活情報欄
働く女性を紹介するコーナー(と言われてました)に登場する予定です。覚えていたら見てくださいね〜

2004年3月14日 日曜日
ども、ますたーです。
いやあ、ついに開業しちゃいましたね、九州新幹線。
さすがにJR九州だけあって、なかなかイカス顔立ちですな(いや、九州のあの変にオシャレで子供だましなデザインが結構気に入ってるんですよ^^;)。
しかしその折角の顔立ちも6両編成ではなあ・・。最先端の技術とデザインで疾走する6両編成の800系新幹線・・。カナーリ貧相なんですが。。
でもいつかは乗ってみたいもんです、はい。

2004年3月13日 土曜日
お店で時々BGMでかけているオシオコータローのギターのCDを
かしてください、とお客さんに言われたので、
「いいですよー、じゃ私もこの前お話したグレン・グールドのゴールドベルク変奏曲を
かしていただけませんか?」とお願いしてお借りしたCDを今日はずっと聞いていた。
「このグレングールドのバッハを聞くと、他のバッハがしばらく物足りなくなるよ」
と言われていたのですが、「ふふーん」とか言っておきながら
その「他のバッハ」がよくわからない、というくらいの次元のクラシックの知識乏しいやつなんで・・
ま、そのお客さんもわかってると思うけど。でも小学校の音楽の時間は好きだったんですよ。
卒業文集のタイトルは「音楽と音学」ですから。
あ、そういえば小学校の卒業式、3月12日だった。その時にヴィバルディの「四季」の「春」が
かかってたので、今でも「春」を聞くと、卒業式の切ないかんじを思い出すんですよねー。
そうそう、グレングールドの話。 素人の私でもわかるくらい個性的なバッハ
おそらく高揚を抑え切れず、本人が時々歌ってる声が入ってるんです。なかなか良かったです。
このアルバムは、以前に矢野顕子さんがマイフェバリットアルバムの1枚にあげていた時から
気になっていたのです。グレン・グールドって変人で有名だったらしいですけど、ものすごい芸術を
創り出す人ってそういう人多そうですよね。

先日沖田君のことを書いたらなんとなく久々に読みたくなって、なぜか家にあった生徒諸君の18巻を読んでみた。
やっぱ泣けた〜。けど大人になってから読むと突っ込みどころ満載ですね〜。
ショック受けた顔のアップだけで1ページ使う、とかね。ガーン、ペシーッ!みたいな・・伝わるかなー、このかんじ。 
それに新たに発見があった!メガネをかけている真面目な田村君、
けっこう地味な存在だと思ってたけど、メガネを外したらめちゃ男前!
メガネを外したらかっこいい、ってシュチエーションに弱いのですよ・・・

2004年3月12日 金曜日
お店に入るなり、「あ、思い描いてとおりのかんじの方だわ」と感慨深く言われるお客さんがいて
きょとん?としていると、以前に朝日新聞の記事を見て感激しました、と電話をかけてきてくださった
方のようでした。「電話でお声をお聞きした時も、そう思ったのだけど、実際お会いすると、ほんと・・」
と今にも涙されそうないきおい。 電話で話したことをいろいろ思い出してみた、
太宰に同じように恋してたと言われてていた。 少し落ち着いてコーヒーをお出しして
あらためてお話した。
太宰が好きで好きでたまらなかった若い頃、山崎富栄さんが羨ましくてしょうがなかったと。
太宰には似てはいないけれど、津軽弁を話す人と結婚して家庭を持ってみて、
今度は美知子さんの気持ちを考えるようになった、と。
実際自分に子供が出来て、その子が成長した頃、本棚にあった太宰の本の背表紙を
すべて裏側にひっくりかえした、と。
そこでちょっと「なぜ?」と思ってしまった。 でもどんなに太宰が好きで恋焦がれた経験がある人でも
自分の子供が思春期になると太宰の本は危険に感じる要素があったのか、
この感覚は実際親になってみないとわからないものかもしれない。

私のことを思い描いてたとおり、と言ってくださって嬉しいけれど、お店の方はどう思われただろう?
「また来ますね 」と言われ、レジで最後おつりを渡そうとすると、今回はとっておいてください、と言われる。
いえ、そんな・・と追いかけようとすると足早にドアまで行かれて
「あなた、贅沢な人生ね、うらやましい」と一言残して去っていかれた。
うん、たしかにこれぞ究極の贅沢貧乏だろうな、と自分でも思う。

2004年3月11日 木曜日
同世代のお客さんに「エースをねらえ」のドラマ、見てますよねぇ、と当然のように聞かれたのですが
ご期待にそえず残念ですが、見てないんですよーと答えると驚かれました。
たしかに「エースをねらえ」世代です。憧れてテニス部に入った同世代の友人もいます。
でも「エースをねらえ」のコミック、私は11巻(だったかな?)しか読んでない、というのが現状なんです。
その巻は、宗方コーチが死んでしまう場面、その後岡ひろみが立ち直っていく過程を
涙、涙で繰り広げられるものでして、「これ読んで泣けへんかったら人間ちゃう」ってクラスで大ブームになったのです。
中学生の時だったかな? いやー、号泣しましたよ。たしかに読んだ女子100%泣いてたような記憶があります。
普通マンガって1巻から読まなくちゃなかなか入っていけないと思うのですが、
この頃は少女マンガが大流行。いちいち全巻読んでる時間はなかったのでしょうかね?>中学生の自分
「エースをねらえ」をはじめ季節のはじめはドラマ見る気満々だったのに、今期はとうとうひとつも続けてドラマ
見なかったことになります。自分としては珍しいですねー。なんかドキュメントとか旅番組とかニュースとかをとりあえず
つけておいて、雑用してた。画面に集中したのは自分のひいきの人が出る音楽番組くらいかなー

少女マンガの影響で部活、っていうのはその年その年で流行がありましたね。
ダブルひぐま落とし〜!の「燃えろアタック」が流行った次の年はバレー部の新入部員多かったです。
「生徒諸君」が流行ったあとはやっぱバスケですかねー。でもどんな部活も1年は実際地味ですけどねー
生徒諸君といえば沖田成利さまに憧れてた私ですが、(もちろんはいからさんでは狼ファン、キャンディ2ではテリー 
少し不良っぽい男の子に憧れてました。ならなんで世良さんじゃなくて原田真二?自分でもよくわからん)
モテ系の部活に入らず、ワンダーフォーゲル部に入った彼の地味さがツボでした。
重い石をリュックにつめて校内1周とかしてるんですよ。子供心に、「ダメダメ!沖田君はアルプスの頂きに立ってこそ
輝く人なの。石をつけて狭い校舎走ってる彼は彼じゃないの」なんてバカなこと思ってましたね
何事も地味なことからはじまるのにねー。いや、ほんと自分妄想グセ昔からだな、と思ってると

「私、太刀掛秀子の花ぶらんこゆれてってマンガに出てくる女の子の名前、自分の子供につけました」というツワモノのお客さんがいた。
しかもいじわるな女の子の方だという。ま、まけた。「りぼん派」の人たちって最後には持ってく感、があるんです。いや、いい意味で。
「東京ラブストリー」でいうところのさとみみたいなタイプの人が多い。ってまたまた私の思い込みかな〜?

2004年3月9日 火曜日
オープン当初からの常連さんが実家へ帰ってしまうということで、
挨拶をかねて昨日来てくれたのだけど、今日も来てくれた。
音楽の道を目指して頑張っていたのだけど、先日身体を壊して夜中に救急車で
運ばれてしまい、一度実家に帰ってじっくりと療養するつもりらしい。
しばらく見えない間、少し心配はしていたけれどまさかそんな大事だったとは。
「もうだいぶ元気です」と彼は笑ってたけど、ひとり暮らしの夜中に具合が悪くなりひとりで救急車を呼ぶ、
どれだけ心細かっただろう。 人生にはいろんなことが起こる。
「また東京にはちょこちょこ来ると思うので、ここにも来ますから」って言葉で
あんまりしんみりするのも良くないと思ったけど、やっぱり淋しいものです。
ヘビースモーカーなのでうちに来ると必ず奥の喫煙席に座ってたのだけど、今日は奥が空いてなかったので
窓際の席でコーヒー飲んでた。「ここの窓からいろんないい風景が見えてたんですね」って言ってた。
「東京で3年半過ごしたけど、最初の1年はあまり人にも会うことがなかったけど、ここに通うようになってから
いろいろ世界が広がって良かったですよ」とも言ってくれて嬉しかった。
最後に、「陸橋でプロモーションビデオの夢叶えてください」と言われて、あ、そうだ、そんな恥ずかしい話もしたな、
と思いだした。夢を語り合った時に「いつか本とCDをたったひとつづつでいいので世に出したい。
プロモーションビデオの舞台は陸橋で、と決めてるのよ」みたいなことも言ったんだった。
私も「いつかこの店のことが出てくる曲書いてね」と最後に言った。 まあ最後、なんて言ってもまた会えるでしょうけど、この店で。

お客さんで書店にアルバイトの面接に行った人がいて、志望動機のところに、
「よく行く古本屋さんの、本を通してお客さんと触れ合う姿に刺激を受けて」みたいなかんじのことを書いてくれたらしくて
ただ面接では、「書店での仕事に夢ばかり見られても困るので」とクールに返されたそうな。
たしかに正しい。もっともです。だけどそんな厳しい現実の中でほっとする場所をうちは創っていきたいなと改めて思った。
夢ばかり見てては社会の中で生きていけないけれど、夢を素直に語れる場所でありたいな、と。
そのバランスって難しいけれど、なんとか両立したい。こんな夢みがちな店主だけど、
夢見ることを忘れずにこの店だけはなんとかして守っていく、ということを実現したい。そう、そのバランスが難しいんだよな〜

2004年3月8日 月曜日
今日はけっこうピンチな場面があって、今思うと冷や汗もの・・・
今お店の前の道を工事してまして、今日は特にものっすごい騒音だったのです。
今まで何度かそういうことはありましたが、かつてないレベルの大音量と振動。もう普通に座ってても自然とヘドバン状態。
私はいいんですけど、お客さんに申し訳なくて・・・まあ今日の昼間はヒマだったんですけどね。
もう音がこれ以上ない、ってピークの時に店内にお客さんがひとりいらっしゃってて、
「すごいですね、この振動、ありえへん」って一緒に笑ってくださったのが救い。
佐渡のフェリーの揺れを思い出しました。あの時のようにプラス思考で「宇宙遊泳〜♪」
とはいきませんでしたが・・ で、そこまではまだ良かったんです。

さあ洗いものをしよう、とお湯を使おうとしたら、なんとお湯が出ないんです。水も出ない。
すぐ工事のおじさんに訴えると、「あー、ごめん30分くらい待つことはできないかな?」ときた。
「水が出なくなる可能性があるのなら事前に言ってもらわなければ困ります。どうしようもないのですか?」
と聞くと、おじさん「どないしよ〜」って表情。すると後ろからおそらく下っ端の、若いピアスしてるようなお兄さんが
「すいません、なんとかしますので、自分水をでっかい容器に入れて調達してくるんで、あとほんの少し待ってもらえませんか」
と、言い終わるやいなやまた別のしきってるっぽいおじさんが、「あ、今すぐやります。ほんのちょっとだけ水道使わないで
いただけます?」ときた。ほんの少しなら、と了解して、水道を使わないでいたけれど、これが混雑時だったら大変だったと思う。
1分後くらいに、しきってたおじさんが店のドアを開けて
「はい、オーケーですよ。最初の方は泥水なんでしばらくはだしっぱにしといてねー」と大声で叫ぶ。
15秒くらいの間隔でドアを開けて「はい、まだまだ出して出してー」と言ってくる。
これ、おしゃれ系カフェだったらかなりダメージですよね。「泥水」って・・ 聞いた瞬間食欲うせる単語NO1じゃないかと。
でもほんと救いなんだけど、その時ひとりだけいたお客さん、その「泥水」にオオウケ。わらいころげてました。
次回からこのような場合は必ず事前に報告してください、ってことで今回は若い作業員さんに命じて怒りませんでしたけど
冷や汗ものの出来事でしたねー。 昨日、現場の休み時間の会話が漏れてきて、おじさん達皆子供の話してたの聞いてるから
なんか憎めない。「うちの子なんか口たっしゃでねー」とか顔ゆるめて言ってた。その時若い下っ端さんはおとなしそうに
缶コーヒー飲んでただけだから今回アグレッシヴな彼が見れてちょっと良かった。 真摯な姿だった。
玉木宏をヤンキーにしたかんじ、ちょっと美化しすぎか・・・ 彼がそうだろうと想定するわけでは決してないのですが、
会社の上司のいいなり状態がイヤで悩んでる人、バイトでまだ新人なので仕事を任せてもらえずやりがいを感じてない人、
見てる人はちゃんと憶えてるもんです。その時期を突破するまでの過程でも自分の仕事に対して真面目でていねいでいてほしいですね。

2004年3月7日 日曜日
あー、ますたーです。
結構いつものパターンですが、日曜はヒマです。
つーか、お客さんの出足が遅いんですな。おかげでしばらくはぼーっとできます(あかんなあ・・)。
日曜の昼間は基本的にお店に居るんですが、こう、天気のいい午後にテレビでもみながら(パ・リーグのデーゲームとか漫才とか)
ぼんやり過ごしたら気持ちいいだろうなあ、とか思っちゃったりして。。
2004年3月6日 土曜日
受験生って今ごろおいこみのピークの時なんでしょうかね
外から窓の本見ながら話してる2人の制服姿の高校生の会話を、
ちょっと聞き耳立ててたのですが、

A「あー、受験のことしか考えちゃいけない時に限って本が読みたい病になるー」
B「ふふーん、あたしはもう決まったから思う存分本読めるよ♪」
A「あー、うらやまー、受かったらハリポタ読破したいー」

みたいなかんじで、思わずAちゃんの気持ちわかるわかる、もうちょい頑張ってね〜って応援したくなった。
私も今まさにそれなんです。確定申告の作成おいこみなんですけど、そんな時に限って
気になる本がどんどん出てくる。今日も、新入荷の本のひとつ「嫌われ松子の一生 山田宗樹著」
をパラパラとめくっていると、「あんたも太宰ファンかい?」という一行が目に飛び込んできて、ん?と。
ちょっと読んでみると登場人物が三鷹駅を降りて玉川上水を歩き、太宰と富栄さんが入水した場所を
探すような内容だったんです。これは気になる、全部読んでみたい、という欲求にかられました。
でもたまたまパラパラとページをめくって太宰のことが書いてあるところにピタ、ととまるというのは
なんとなくさすが自分、という気がします。書店員時代、レジで文庫のカバーを折る時、裏の短い内容紹介の
ところをささっと瞬時に読むのが楽しみだったことは何回か書いてると思う。そのかんじとちょっと似てる。
あの内容だけで読みたくなり購入した本、何冊かありますもん。
この「嫌われ松子の一生」とか重松清の「桜桃忌の恋人」とか、
小説の中に太宰が出てくるもののコーナーをつくってもおもしろいかもしれませんね。
そこまではインターネットの検索でぽん、と全部が全部出てくるものじゃないからこそ、やりがいあるかも。
はじめは少ないと思うけど、少しづつ増やしていって棚1列くらい埋められたら立派なコーナーになる。
気長にやってみよう。今はまず確定申告。早く「告ったよ」報告して思う存分本読みたいですー

2004年3月5日 金曜日
人生とは時にドラマチックなことが起こるものですね。
いや、結論から言うと起こらなかったんですけど・・

私、宝くじを1枚だけ買う習慣があるんです。なんかその抽せん日までの楽しみが出来るのが好きで。
で、第1893回関東・中部・東北自治宝くじを1枚だけ購入してたんです。
あ、発表過ぎてるわ、てなかんじでブックマークしてる宝くじのサイトを見たわけです。
一瞬固まりました。私の1枚だけ購入した宝くじの番号は、40組 195480。
一等の一千万円のところ、 当選番号 40組 195480。 えーーーーーーーーーー?est。
マジ?と思って目をこすりよーく見ると、(こうゆう時人間ってドラマみたいに目こするんですよ、
自分で自分がおもしろかったですよ) 40組 195430でした。なんで8と3はこんな似てるんだ!とわけわけんない叫び声をあげてました。
あららら〜 あのドリフのコントのパラパラパーみたいなラッパの音がほんとに頭の中で鳴りましたよ。
組数まで合ってるんですよー。1枚しか買ってないんですよー。
もう会う人会う人みんなにこのこと言いまくり、もちろんお客さんにも言いまくり、
「なんで50枚連番で買わなかったの?」と言われ、5000円が1000万円にばけてたかもしれないことを
思うとまたまたドリフのコントを地でいくようなずっこけを披露してみたり・・・いや、おもしろかったです。
でもお客さんみんないい人だ〜。 最後には、
「ここで一千万当ってしまったらきっと楽しちゃうよ。良くないよ。」とか
「もう自分の辞書に地道、という言葉が削除されておかしくなるよ、外れて良かったよ」とか
「当って人生変わるより、ネタになってかえって良かったじゃないですか、でも連番で買ってたら前後賞もひとつはいただきでしたね」
とかいろいろ前向きなことをポンと言ってくださる。
ありがとうございます。駄場みゆき37歳、地道に頑張らさせていただきます。
とある商売人さんに、すごく冷静な意見が聞けて良かった。
「一億だったら人生変わるかもしれないけど、一千万なら何々費、何々費、(宙を見ながらそろばんをはじくように目を泳がせる)
あ、3ケ月で消費してしまいますね、黙っていられないならパーティーなんか知らない間に企画されて何々円くらいはとんで、
うーん、結局マイナスになることもなきにしもあらず。外れて良かったですよ」って(笑)
たぶん慰めてくれたんだろうけど、笑えるな〜一千万当ってマイナスでしょう、とクールに言い切る大胆さ。
いや、商売人なら「いつも頭にそろばんを」って基本を、私に欠けてる大切なことを考えさせられました。
富士山遠のきましたね。まあ山はやはりせめて5合目からのぼらないとね。ってことで
明日からまた地道に頑張ります。はい。

2004年3月4日 木曜日
3月はラジオに縁があるのかしら・・・

先日も、今日も若い男性のお客さんと「男の浮気について」の話になった。
最初太宰の話をしていて、太宰は妻子がありながら愛人のところへいりびたり、
最後は心中してしまった、それってどうなんですか?みたいなかんじの流れで。
一言で答えは出せないけど、たとえばね、ってある男性の話を思い出して、
「こんなこと言ってる人がいたけど、ほんのちょっとはわからないこともないんだ」と答えた。
その話というのは、自分は自ら女房を裏切るつもりもないし、子供も可愛い。ただ、言い寄ってくる女性たちの誘いを
断るのって結構エネルギーがいる。それならそのまま自然の流れに任せた方が楽、という内容。
決して納得がいくわけではないけど、もてる人というのはそんなものなのかな、と。
種類は違うけれど、似たようなことが昨日あった。

井の頭沿線の駅近くに仕入れ関係の用事があってでかけた。
用事が終わったらさっさと帰って掃除とか確定申告関係のことをする予定をたててたのだけど、
この日、3月3日、渋谷のスペイン坂スタジオに東京FMラジオ公開番組でラルク4人勢ぞろいするという、そんなことがありまして
休みなんで行けるやん、かかる費用は渋谷までの交通費のみで、しかも井の頭線に乗ってるんだから
問題なしじゃない、って状況で、うーん、本当は掃除や雑用がたまっているのだけど、これは行かないわけには
いかないだろう・・と思ってるうちに気付いたらまたまた若者の中で整理券持って並んでました。
その時ちょっと前述した男性の気持ちがわかってしまいました。って全然種類が違いますね
ホント私って煩悩多すぎる・・でもたった片道190円で自分がものすごく好きな人達の姿を見れるという、
もちろん寒空の中少し並ばなくちゃいけないけど、この幸運はもっとかみしめて、行きたいのに行けない人の分も
おおいに応援オーラを飛ばしてこなくちゃ、と思いまして。また今すごくのってるこの人たちのオーラパワー(久々出ましたこの単語)
を浴びて私も頑張ろう!というかんじで。いやー、行ってよかった。夢の時間だった。
ドラムのyukihiroさん、普通に渋谷のスニーカー屋さんにいるの見れたし。ラッキー♪ 似てる人だったりして・・
まあ3月3日はひな祭りですからね、女の子の日ということで少し夢見させてもらってもいいですよね。

今日はメタローグ出版から発行される書籍の取材で古本ライターの岡崎武志さんに初めてお会いできた。
著者近影のイメージより色っぽい方で、時々関西弁で話し合うかんじが私にとってはとても懐かしくて楽しかった。
岡崎さんの著書、ちくま文庫「古本極楽ガイド」でフォスフォレッセンスが登場してた時嬉しかったですよ。
守口高校出身、立命館大学の2部卒業と私とまったく同じ経歴なので、不思議なご縁を感じてしまいます。
取材するだけでなく、いろんなアドバイスもしていただき心強かった。本が発売されたらまたお知らせしますね。

2004年3月2日 火曜日
音楽好きなお客さんに昨日のラジオの話をしたら、彼もラジオが生活の中にいつもあるらしく、
今はなき雑誌「FMステーション」をずっと購読してたそうです。
基本はロックなのだけどなるべく今のいろんなジャンルの音楽を聞くようにしてる、と。
それにはやはりラジオが手放せないと。NHKFMの朝8時からのピーター・バラカンのウィークエンド・サンシャイン、
夜21時からのミュージックスクエアがお奨めらしいので私も今度聞いてみるつもりです。
どちらも結構私の生活リズムからはちょっと聞きにくい時間帯なので毎日は無理だけど
朝、テレビよりラジオで目覚めるというのは昔習慣にしてたな、まだ今の夫と知り合う前の頃。
目覚めた直後って、洋楽の方がなんか気持ち良かったりするんですよね。スクエンブルエッグをつくりたくなる朝のかんじ。

私と同じように歌謡曲が好き、という方とソニンちゃんいいね、と同じ意見に嬉しくなりました。
私はソニンちゃんの今の曲「ほんとはね」をお店なんかで流れる有線でよく耳にしていて、
その時は誰の歌かわからず、とても昔風のかんじがしたからリバイバルなのかな?と思ってたんです。
ますたーにも「道で好きな人に再会して、まだ好きなのにあなたの横にはもう彼女がいて」みたいな歌知らん?
ってさんざん言ってたんです。そしたらテレビでソニンちゃんが歌ってるの見てびっくり。ソニンちゃんだったの?いいじゃないー!って。
おそらく彼女は40くらいになったらとっても味のある歌い手さん&女優さんになると見てるのですが・・どうでしょう
もちろん今もいいのですよ。今回の歌、インディーズから出たらしいですし頑張ってほしいところです。

これは余談なんですが、ますたーからも「最近よく流れてる気になる歌があってな」と言われて「どんなん?」って聞いてみたら
「歌詞が、とびうおのアーチがどうこう、お姫様が腰をふってどうこう」って言うから
「それって超メジャーな曲やん、COCCOの歌やん」ってあまりにもメジャーすぎてあきれたのですが、
彼は最近ヘビーローテーションのごとく有線でかかってる、って言い張るんです。なにか動きがあったんでしょうかね〜?

今日は雑誌「BRUTUS]の取材がありました。4月に発売になる「東京の今」みたいなかんじの特集に少し載ると思いますので
発売されたら見てくださいね。いつも東京特集の時は買ってたから、そこに掲載されるというのはまだ実感がないですねー

↓というか富士で西鹿児島まで行ったことあります。夜行だったからあれはたぶん富士でしょう。昔の恋路を思い出します(あらら

2004年3月1日 月曜日
今日は雪が降りましたねー、なかなかいいかんじでした。寒いけど・・
このまま春になるのは冬大好きな私にとってはちょっと物足りないかんじだったので、ここぞとばかりゆっくりと味わいました。

昨日はいつもの日曜日と違い、1日店に出てたわけですが、
14時頃ふとヒマになったので、気分転換したくなってラジオをつけてみました。
山下達郎の番組がオンエアされていて、そのまま聞いていました。
その日はリクエスト特集ということで、リスナーのハガキを読み、曲をかける、みたいな展開で
普通だったら本人の曲が主にリクエストされてかかるのかな?と想像し、彼の曲が存分に聞けるのなら
このまま1時間ヒマでもいいや、聞いていたい。なんて思っていたのです。 結構好きなんで。
そしたら、本人の曲なんて1曲もかからない!というか山下達郎すごいです。リスナーのものすごく
マニアックなリクエストに対して、自らの記憶のストックからひょいと望みどおりに求められてる音をオンエアしてあげる。
それも何年のどこのリサイタルの時のやつ、とかベンチャーズが何々という曲を出した時の元歌になったもの、とか
譜面を書いてきたリスナーのリクエストに答える、とかとにかくすごい。リクエスト曲はたいがい廃盤になっていて今じゃ
聴けないものが多いのでしょうね。「MDセットして待ってます」とかこの時、この一瞬が勝負、っていう空気が流れてるのが伝わってくる。
達郎さん、「だてに30年ソングライターおたくやってませんから」って言ってて、さすが!と思った。
あるリクエストハガキで「どうしても聴きたくて探していたレコードが某中古CDショップで2万5000円で売られていました。迷ってます」
みたいな内容があって、「2万5000円は高い。やめといたほうがいい」とばっさり。

なんかこの番組聴けて良かったです。勉強になりましたよ。初めて聴くけどいい曲ばかりかかったし。
私なんてそんなに音楽というものをディープに聞き込んでないし、耳も持ってないし、私にとって音楽はほとんどフィーリングの問題で。
ある歌手のある曲はその「CD]があれば聴ける、ってかんじだったけど、つきつめていくと同じ曲でも歌った日時や場所が違えば
すべて別物。生ものなのですね。古本にも言えることかもしれない。
古本屋をやってる以上、版にこだわる人、好きな作家のものは雑誌や小冊子の記事まで細かくコンプリートしておく人の気持ちも
理解していないと。うちは自分が好きな本には高い値段をつけてるわがままな古本屋だけど、もう2年たったのだし、そろそろ
旅立ってもいいだろう、その本が好きな人の手にまた渡る方が本にとってもいいのだし。と、一部値下げも考えることにした。
「高い。やめといたほうがいい」ときっぱり言った達郎さんの声で目が覚めた部分もある。もちろんどこの店にも特徴やこだわりがあるので
一概には言えないのだけど、もう充分可愛がった本はそろそろ外の空気も吸いたいだろうし。というわけで近くうちのバカ高い本値下げします。


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